JPH0694525B2 - テトラフルオロエチレン重合体組成物 - Google Patents

テトラフルオロエチレン重合体組成物

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JPH0694525B2
JPH0694525B2 JP61064937A JP6493786A JPH0694525B2 JP H0694525 B2 JPH0694525 B2 JP H0694525B2 JP 61064937 A JP61064937 A JP 61064937A JP 6493786 A JP6493786 A JP 6493786A JP H0694525 B2 JPH0694525 B2 JP H0694525B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はテトラフルオロエチレン重合体組成物に関する
ものである。
[従来の技術] ポリテトラフルオロエチレンおよび炭素物質からなる組
成物は、耐熱性、耐薬品性に優れ、すべり性がよく、導
電性を有する成形品を与え、軸受け、摺動材料、カセッ
トテープのライナー、燃料電池のガス混合を防止するセ
パレータ用材料などとして知られている。しかしなが
ら、公知の組成物は、燃料電池のセパレータのように、
耐熱性、耐薬品性に加えて高い導電性および機械的強度
が要求される。用途に適用する場合に、導電性の点で未
だ不十分なものであった。すなわち、成形品の高い導電
性を達成するために炭素物質の配合量を大きくすると、
成形加工性の低下に伴ない成形品の強度,伸度などが低
下するという問題があった。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明の目的は、前述の欠点を解消しようとするもので
ある。すなわち、優れた耐薬品性、耐熱性を有するとと
もに導電性が極めて高い成形品を与え、かつ成形加工性
に優れた組成物を新規に提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、溶融流動性を有しないテトラフルオロエチレン重合
体に、炭素物質として、平均粒径0.5μ以上の炭素粉
末、平均粒径0.1μ未満の炭素微粉末および直径3〜30
μ平均長さ10〜1000μの炭素繊維粉末をそれぞれ炭素物
質総量の10重量%以上の割合で均一に添加混合してな
り、かつ炭素物質の総量が30〜70重量%であることを特
徴とするテトラフルオロエチレン重合体組成物。を提供
するものである。
本発明において、テトラフルオロエチレン重合体として
は、テトラフルオロエチレンの単独重合体にとどまら
ず、溶融流動性を付与するには到らない少量、例えば0.
5モル%程度以下の他の共単量体を共重合せしめて変成
したものも含まれる。かかる共単量体としては、ヘキサ
フルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ
(アルコキシアルキルビニルエーテル)、トリフルオロ
エチレンあるいはパーフルオロアルキルエチレン等が例
示される。
本発明の組成物は、炭素物質を30〜70重量%、好ましく
は40〜60重量%の割合で含有する。炭素物質の含有割合
が上記範囲より小さい時は、成形品の抵抗が大きくな
り、充分な導電性が得られない。また、上記範囲より大
きい場合には、成形性が悪くなり、フィルムなどの成形
が困難になる。
本発明においては、炭素物質として、平均粒径0.5μ以
上の炭素粉末、平均粒径0.1μ未満の炭素微粉末および
直径3〜30μ平均長さ10〜1000μの炭素繊維粉末の3種
類を併用することが重要である。
本発明における炭素粉末としては、平均粒径0.5μ以
上、さらに好ましくは、1μ以上のものが採用される。
かかる炭素粉末を使用せず、炭素微粉末のみと炭素繊維
とを併用する場合には、3種類の炭素物質を配合した場
合に比べ、導電性が劣るという難点があり、また、シー
ト成形性などの加工性が悪化するという難点がある。ま
た、本発明の炭素粉末はグラファイト化されているもの
が導電性に優れているという理由から好ましく採用され
る。かかる炭素粉末としては、天然、黒鉛あるいは人造
黒鉛として市販されているものが採用できる。
本発明における炭素微粉末としては、平均粒径0.1μ未
満、好ましくは0.05μ未満のものが採用される。炭素微
粉末を欠く場合にも、3種類の炭素物質を配合した場合
に比べ、導電性が劣るとともに、フィルム成形性などの
加工性が悪化するという難点が生じる。かかる炭素微粉
末としては、総称でカーボンブラックを呼ばれているも
のなどが採用される。また、本発明の炭素微粉末は、グ
ラファイト化されているものが導電性に優れているとい
う理由から好ましく採用される。
本発明の炭素繊維粉末としては、一般に炭素繊維粉末と
して市販されているものが採用される。組成物配合時の
分散性から、直径が3〜30μ程度、平均長さが10〜1000
μ程度のものが好ましく採用される。また、グラファイ
ト化されている炭素繊維粉末が導電性が優れるという理
由から好ましく採用される。
本発明においては、炭素物質して、炭素粉末,炭素微粉
末,炭素繊維粉末が炭素物質総量のそれぞれ10重量%以
上、好ましくは、それぞれ20重量%含有される。炭素粉
末の含量が10%未満の時は、フィルム成形が困難にな
り、炭素微粉末あるいは炭素繊維粉末の含量が10%未満
の時は、成形加工品の伸度等の機械的特性が悪く、また
高い導電性が達成されない。
本発明では、本発明の目的および効果を損なわない程度
に他の充填材、顔料などが含有されることは何らさしつ
かえない。
また、本発明ではテトラフルオロエチレン重合体が繊維
化されていることが、成形加工性の向上および成形品の
伸度など機械的特性が向上するという理由から好まし
い。かかるテトラフルオロエチレン重合体の繊維化は、
炭素物質の添加混合と同時もしくはそれに引続いて、テ
トラフルオロエチレン重合体にせん断応力を加えること
により成し得る。ここでせん断応力を加える方法として
は、間隔を狭めた2本のロール間を通過させる方法、高
い絞り比で配合物を押出す方法、あるいは配合物をヘン
シェル型ミキサー等で高速撹拌する方法などが例示され
る。
また、テトラフルオロエチレン重合体が繊維化されてい
る組成物は、成形加工性が優れており、円柱状に加圧成
形し、焼結した後、円周方向に切削してフィルム状の成
形加工品を得る所謂スカイビング法によるフィルム成形
が可能である。
かかる方法により得られるフィルムは、厚み0.2〜1mmに
おいて10%以上の引張破断伸度を有するとともに、ロー
ル圧延法などによって成形されるフィルムに比べ、フィ
ルム面に垂直な方向の導電性が極めて優れている。フィ
ルム面に平行な方向の見かけの体積抵抗率に対するフィ
ルム面に垂直な方向の体積抵抗率の比率でみると、ロー
ル圧延法では一般的に5以上の大きな値となるが、スカ
イビング法によれば3以下の小さな値が達成される。
[実施例] つぎに、実施例および比較例により本発明を具体的に説
明するが、かかる説明によって本発明は何ら限定される
ものではない。
なお、以下の実施例および、比較例における導電性、引
張破断伸度および成形性の測定および評価方法はそれぞ
れ下記のとおりである。
導電性:フィルム状試験片のフィルムに垂直な方向への
体積抵抗率ρおよびフィルム面に平行な見かけの体積
抵抗率ρを測定した。
(1)フィルム面に垂直な方向の体積抵抗率ρ(Ω・
cm) 相対するフィルム面にそれぞれ水銀を用いた電極を接続
し、抵抗値、R1を測定し、次式により算出した。
[式中A1は電極とフィルムの接続面積(cm2),d1は試験
片の厚さ(cm),R1は抵抗値(Ω)である] (2)フィルム面に平行な方向の見かけの体積抵抗率ρ
(Ω・cm) 相対するフィルム断面にそれぞれ水銀を用いた電極を接
続し、抵抗値、R2を測定し、次式により算出した。
[式中A2は電極とフィルムの接続面積(cm2),d2は試験
片の長さ(cm),R2は抵抗値(Ω)である] 引張破断伸度:切削フィルムから、JIS K6301のダンベ
ル状1号形の試験片を打ち抜いた。該試験片を温度23〜
28℃において、速度50mm/minで引張試験を行なった。試
験片の試験前後の標線間隔をデバイダーにより測定し、
次式により引張破断伸度L(%)を算出した。
[式中l1は試験片の試験前における標線間隔(mm),l2
は試験片の試験後における標線間隔] 成形加工性:スカイビング法によるフィルム成形に際し
て、フィルム状に切削できない場合を×,切削フィルム
を巻きもどした時に切断した場合を△,巻きもどすこと
ができる場合を○とした。
実施例1 内容積10の容器に水2を入れ、ポリオキシエチレン
オクチルフェニルエーテル2mlを加え、充分に分散させ
た後、炭素粉末60g,炭素微粉末60g,炭素繊維粉末80gを
静かに加え、湿潤するまで混合させ、炭素物質水性分散
液を得た。分散剤としてパーフルオロオクタン酸アンモ
ニウムを用いて製造したポリテトラフルオロエチレン水
性分散液(ポリテトラフルオロエチレン固形分20重量
%)1000gと前記炭素物質水性分散液とを混合し、40℃
に加熱し、撹拌し、共凝析させた。共凝析物を乾燥さ
せ、組成物を得た。
該組成物をロール回転数100rpm,50rpmの2本のロールの
間(ロール間隔5mm)の数回通し板状にした後、ペレタ
イザーを用いて粒状化した。
該粒状組成物を250℃に加熱した金型(内径40mm)に充
填し、圧縮応力500kg/cm2により予備成形品を作り、370
℃にて24時間加熱し、焼結体を得た。
該焼結体を、円周方向に0.4mmの厚さで切削し、フィル
ム状試験片を得た。
表1にテトラフルオロエチレン重合体および炭素物質の
割合を示した。
表2に上記シート状試験片を用いた試験結果を示した。
実施例2,比較例1〜4 表1に示した配合割合により、実施例1と同様にしてシ
ート状試験片を用いた試験結果を表2に示した。
ただし、実施例1〜2,比較例2〜4において、炭素粉末
として、グラファイト(日本黒鉛製,商品名:CSP:平均
粒径5μ)、炭素微粉末として、カーボンブラック(キ
ャボネット社製、商品名:バルカンXC−72R:平均粒径0.
03μ)、炭素繊維粉末として、カーボンファイバー(呉
羽化学製,商品名:M201)を使用した。
[発明の効果] 本発明の組成物は、優れた耐薬品性、耐熱性を有すると
ともに、導電性が極めて高い成形品を与え、かつ成形加
工性に優れるという顕著な効果を有するものである。そ
して、本発明の組成物は、燃料電池などの導電性セパレ
ータなど、耐薬品性、耐熱性、良導電性の要求される広
範囲の用途に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融流動性を有しないテトラフルオロエチ
    レン重合体に、炭素物質として、平均粒径0.5μ以上の
    炭素粉末、平均粒径0.1μ未満の炭素微粉末および直径
    3〜30μ平均長さ10〜1000μの炭素繊維粉末をそれぞれ
    炭素物質総量の10重量%以上の割合で均一に添加混合し
    てなり、かつ炭素物質の総量が30〜70重量%であること
    を特徴とするテトラフルオロエチレン重合体組成物。
JP61064937A 1986-03-25 1986-03-25 テトラフルオロエチレン重合体組成物 Expired - Fee Related JPH0694525B2 (ja)

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