JPH0694442B2 - 〔2s*,3r*〕−2−(2z−ペンテニル)−3−アルコキシカルボニルメチル−シクロペンタノンの製法 - Google Patents

〔2s*,3r*〕−2−(2z−ペンテニル)−3−アルコキシカルボニルメチル−シクロペンタノンの製法

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JPH0694442B2
JPH0694442B2 JP61228444A JP22844486A JPH0694442B2 JP H0694442 B2 JPH0694442 B2 JP H0694442B2 JP 61228444 A JP61228444 A JP 61228444A JP 22844486 A JP22844486 A JP 22844486A JP H0694442 B2 JPH0694442 B2 JP H0694442B2
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謙治 森
武 北原
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、香料物質として極めて有用なジヤスミン香気
を有する特に[2S,3R]−2−(2Z−ペンテニル)
−3−メトキシカルボニルメチル−シクロペンタノン
(以下、メチルエピジヤスモネートという)を包含し
て、[2S,3R]−2−(2Z−ペンテニル)−3−ア
ルコキシカルボニルメチル−シクロペンタノン(以下、
アルキルエピジヤスモネートという)の新規な製法に関
する。
更に詳しくは、本発明は下記式(11) 但し式中、Rは低級アルキル基を示す、 で表わされる[1S,2S,3R]−3−アルコキシカル
ボニルメチル−シクロペンタノールを酸化剤の存在下に
酸化反応させることを特徴とする下記式(1) 但し式中、Rは上記したと同義 で表わされるアルキルエピジヤスモネートの製法に関す
る。
(従来の技術) 本発明の上記式(1)に包含されるメチルエピジヤスモ
ネートは、ジヤスミン精油の特徴的な香気を有するが、
その安定異性体である下記式(1)′ で表わされるメチルジヤスモネートは、メチルエピジヤ
スモネートに比べて香気が弱いことが報告されている
[第27回香料・テルペンおよび精油化学に関する検討会
講演要旨集、29(1983)]。上記式(1)′化合物の合
成例については、多くの報告がなされているが、上記式
(1)化合物の合成例については、下記工程図で表わさ
れる上記式(1)化合物に包含されるメチルエピジヤス
モネートについての方法が報告されているのみである
[J.Org.Chem.,40、462(1975)]。
又、上記(11)の[1S,2S,3R]−3−メトキシカ
ルボニルメチル−シクロペンタノールは、カボチヤ種子
中より検出された植物成長作用のあるCuCurbic acidよ
り誘導された化合物であるが、該式(11)で特定された
化合物の合成例はまだ知られていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の上記式(1)のアルキルエピジヤスモネートの
合成法に関しては、上記式(1)に包含されるメチルエ
ピジヤスモネートについて上述の方法が知られているの
みである。しかしながら上記式(1)に特定された化合
物(側鎖の配置がシス−型)を効率よく且つ十分な純度
で得ることは、いまだ解決されていない問題点である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らはアルキルジヒドロエピジヤスモネート特に
メチルジヒドロエピジヤスモネートを目的化合物として
合成研究を行い、選択的にメチルジヒドロエピジヤスモ
ネートを合成することに成功し特許出願した(特願昭60
−166028)。
今回その方法に準じて、上記式(1)を選択的に合成で
きる方法について、鋭意研究を行ってきた。その結果、
従来全く合成されたことのない下記式(11) 但し式中、Rは低級アルキル基を示す で表わされる[1S,2S,3R]−2−(2Z−ペンテニ
ル)−3−アルコキシカルボニルメチル−シクロペンタ
ノールを選択的に合成できる方法を発見した。そして該
式(11)化合物を酸化剤の存在下に酸化反応させること
により下記式(1) 但し式中、Rは上記したと同義 で表わされるアルキルエピジヤスモネートを高純度で容
易に合成できる方法を発見した。
従って、本発明の目的は、香気的に優れた上記式(1)
で特定されたアルキルエピジヤスモネートの新規な製法
を提供するにある。
上記式(11)の[1S,2S,3R]−2−(2Z−ペンテ
ニル)−3−アルコキシカルボニルメチルシクロペンタ
ノールを合成するには、下記式(2) で表わされる2−アリル−2−シクロペンテノンをオゾ
ン分解し、生成したオゾニドを還元剤の存在下に反応せ
しめて、下記式(3) で表わされる2−ホルミルメチル−2−シクロペンテノ
ンを形成させる。次に該式(3)化合物を酸触媒の存在
下に低級アルコールと反応せしめて、下記式(4) 但し式中、R′は低級アルキル基を示す、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
2−シクロペンタノンを形成させ、該式(4)化合物を
還元試薬の存在下に水素化反応させて下記式(5) 但し式中R′は低級アルキル基を示す、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
2−シクロペンタノールを形成し、該式(5)化合物を
無水酢酸の存在下にアセチル化反応させることにより下
記式(6) 但し式中、R′は低級アルキル基を示す、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
2−シクロペンテニルアセテートを形成せしめ、次に該
式(6)化合物を0価パラジウム錯体の存在下にマロン
酸ジアルキルソジウム塩と反応させて下記式(7) 但し式中、Rは低級アルキル基を示し、R′は上記した
と同義 で表わされるアルキル−2−(2′,2′−ジアルコキシ
エチル)−2−シクロペンテニルマロネートを形成せし
める。そして該式(7)化合物を脱炭酸反応せしめ下記
式(8) 但し式中、RおよびR′は上記したと同義 で表わされるアルキル−2−(2′,2′−ジアルコキシ
エチル)−2−シクロペンテニルアセテートを形成せし
め、次いで該式(8)化合物をボラン類の存在下にハイ
ドロボレーシヨンし、次いで酸化剤の存在下に酸化反応
させることにより下記式(9) 但し式中、RおよびR′は上記したと同義であり、は
α−結合もしくはβ−結合を示す、 で表わされる3−アルコキシカルボニルメチル−2−
(2′,2′−ジアルコキシエチル)シクロペンタノール
を形成させ、次いで該式(9)化合物を酸の存在下に脱
アセタール化させることにより下記式(10) 但し式中、Rは上記したと同義 で表わされる2−ホルミルメチル−3−アルコキシカル
ボニルメチル−シクロペンタノールを形成せしめ、次い
で該式(10)化合物をプロピリデントリフエニルホスホ
ラン(Ph3P=CHCH2CH3)と反応させることにより容易に
合成することができる。本発明の上記式(1)のアルキ
ルエピジヤスモネートの合成法を反応工程図で示すと、
例えば以下の様に表わすことができる。
本発明に上記工程図に従って、詳細に以下に説明する。
上記工程図において、式(2)の2−アリル−2−シク
ロペンテノンは、例えばジヒドロレゾルシノールをアル
カリ水溶液中、アリルブロミドによりアルキル化を行
い、続いてt−ブチルハイポクロリドによりクロル化を
行ってクロロケトンとなし、これを、たとえば、キシレ
ン中で粉末の炭酸ナリトウムと反応して容易に得ること
ができる。
例えば、上述のようにして合成することのできる式
(2)化合物から、式(3)の2−ホルミル−2−シク
ロペンテノンを得るには、式(2)化合物をオゾン分解
し、生成したオゾニドを例えばジメチルスルフイドの如
き還元剤で還元することにより容易に得ることができ
る。
上記のオゾン分解反応は、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコールのごとき有機溶媒中で行
うことができ、通常、例えば約−70℃〜約−60℃程度の
温度条件下にオゾンを通じて行うことができる。オゾン
分解の時間は、適宜に選択して行うことができるが、例
えば約0.5〜約5時間程度の範囲で行えば十分である。
生成したオゾニドを、たとえばジメチルスルフイドで還
元する際のジメチルスルフイドの使用量には、特別の制
約はなく適宜に選択すれば良く、例えば生成したオゾニ
ドに対して約2〜約10モル程度の範囲を例示することが
できる。他の還元剤として例えば、亜鉛−酢酸、トリフ
エニルホスフイン等も使用することが出来る。
上記のようにして得られた式(3)化合物は、分離する
ことなく、反応系に酸触媒を添加して、低級アルコール
の存在下に式(3)化合物をアセタール化することによ
り式(4)の2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
2−シクロペンテノンに転化することができる。低級ア
ルコールの具体例としては、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンチルアルコール
などのごときアルコールを好ましくは例示することがで
きる。これら低級アルコールの使用量は、例えば、式
(3)化合物に対して約1〜約10モル程度の範囲の使用
量を例示することができる。
アセタール化反応は、例えば約−40゜〜約+20℃程度の
温度下に約0.5〜約24時間程度反応して行うことができ
る。反応終了後は常法に従って処理して、例えば蒸留の
ごとき手段で精製して式(4)化合物を容易に得ること
ができる。
式(4)化合物から式(5)の2−(2′,2′−ジアル
コキシエチル)−2−シクロペンテノールを合成するに
は、式(4)化合物を有機溶媒中、還元試薬で水素化し
て容易に合成することができる。水素化反応は、例えば
約−70゜〜約+20℃程度の温度範囲で約0.5〜約2時間
程度の反応時間で行うことができる。水素化反応に使用
する還元試薬としては、例えば水素化リチウムアルミニ
ウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどを好ましく
は挙げることができる。これら還元試薬の使用量として
は、例えば式(4)化合物に対して約0.4〜約1モル程
度の範囲が好ましく例示できる。又、使用する勇気溶媒
としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、トル
エン、ヘキサンなどのごとき溶媒が好ましく例示でき
る。これら溶媒の使用量には特別の制約はなく、広い範
囲で使用可能であるが、例えば式(4)化合物に対して
約2〜約20重量倍程度の範囲を例示することができる。
反応終了後は、常法に従って反応液にアルカリ水溶液を
注入し、有機層を乾燥、濃縮して式(5)を容易に得る
ことができる。得られた式(5)化合物は、必要により
例えば蒸留のごとき手段で精製することができる。
上述のようにして得ることのできる式(5)化合物から
式(6)の2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−2
−シクロペンテニルアセテートを合成するには、式
(5)化合物をピリジンの存在下に無水酢酸でアセチル
化することにより容易に合成することができる。アセチ
ル化反応は、例えば約0゜〜約40℃程度の温度範囲で約
0.5〜約4時間程度の範囲で行うことができる。無水酢
酸の使用量としては、例えば、式(5)化合物に対して
約1〜約10モル程度の範囲を好ましく例示することがで
きる。又、ピリジンの使用量としては、例えば式(5)
化合物に対して約2〜約10重量倍程度の範囲を挙げるこ
とができる。反応終了後は、反応生成物をエーテルのご
とき有機溶媒で抽出し、エーテル層をアルカリ水溶液で
中和し、濃縮し、例えば蒸留のごとき手段で精製して式
(6)化合物を容易に得ることができる。
式(6)化合物から式(7)のジアルキル2−(2′,
2′−ジアルコキシエチル)−2−シクロペンテニルマ
ロネートを合成するには、式(6)化合物とマロン酸ジ
アルキルソジウム塩を有機溶媒中、0価パラジウム錯体
の存在下に縮合反応させることによって、容易に合成す
ることができる。
上記反応に用いられるマロン酸ジアルキルソジウム塩の
使用量としては、例えば式(6)化合物に対して約1〜
約10モル程度の範囲を好ましく例示することができる。
ここで、使用するマロン酸ジアルキルソジウム塩の好ま
しいアルキルの具体例としては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ブチル、t
−ブチル、ペンチルなどを例示することができる。又、
上記反応に使用する0価パラジウム錯体としては、例え
ば、テトラキストリフエニルホスフイノパラジウム、エ
チレンビスフエニルホスフインパラジウムなどをあげる
ことができる。これら0価パラジウム錯体の使用量とし
ては、式(6)化合物に体して例えば、約0.001〜約0.1
モル程度の範囲を好ましく例示することができる。又、
有機溶媒の例としては、例えば、エーテル、テトラヒド
ロフラン、ベンゼン、トルエンのごとき溶媒が例示でき
る。これら溶媒の使用量には、特別の制約はなく適宜選
択すればよいが、例えば、式(6)化合物に対して約2
〜約20重量倍程度の範囲が、しばしば採用される。この
縮合反応は、例えば、好ましくは約0゜〜約80℃程度の
温度範囲で、好ましくは約2〜約20時間程度の反応時間
の条件下で容易に行うことができる。反応終了後は、反
応生成物を例えばエーテル抽出し、エーテル層をアルカ
リ水溶液で中和し、乾燥濃縮し、例えばカラムクロマト
グラフイーのごとき手段で精製して式(7)化合物を容
易に得ることができる。
上述のようにして合成することのできる式(7)化合物
から式(8)のアルコキシ2−(2′,2′−ジアルコキ
シエチル)−2−シクロペンテニルアセテートを合成す
るには、式(7)化合物を例えば、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化リチウムのごとき塩類の存在下に水、
ジメチルフオルムアミド、ジメチルスルオキシドなどの
ごとき溶媒中で、例えば、約100゜〜約200℃程度の温度
範囲で、約5〜約20時間程度脱炭酸反応することによ
り、容易に合成することができる。この反応に使用する
塩類の使用量としては、式(7)化合物に対して、例え
ば、約1〜10重量倍程度の範囲を好ましくはあげること
ができる。上記脱炭酸反応は、例えば、アルゴンなどの
ごとき不活性雰囲気下に行うことが望ましい。反応終了
後は、たとえばエーテル抽出、エーテル層を水洗浄、乾
燥、濃縮し、例えば蒸留のごとき手段で精製して式
(8)化合物を容易に得ることができる。
式(9)の3−アルコキシカルボニルメチル−2−
(2′,2′−ジアルコキシエチル)シクロペンタノール
を合成するには、式(8))化合物を有機溶媒中、ボラ
ン類の存在下にハイドロボレーシヨンし、次いで酸化剤
の存在下に酸化反応することにより容易に行なうことが
できる。
上記ハイドロボレーシヨンに使用するボラン類として
は、例えば、ボランジメチルスルフイド溶液、テキシル
ボラン、9−ボラビシクロ(3,3,1)ノナンなどを好ま
しく例示することができる。これらボラン類の使用量と
しては、式(8)化合物に対して、例えば、約0.4〜約1
0モル程度の範囲を好ましく例示することができる。
又、使用する有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン、ジグリムなどを好ましくは
例示することができる。これら有機溶媒の使用量は、適
宜に選択すれば良く、式(8)化合物に対して、例え
ば、約2〜約20重量倍程度の範囲をあげることができ
る。ハイドロボレーシヨンは、例えば、約−20〜約+20
℃程度の反応温度で、約0.1〜約4時間程度の範囲の好
ましい条件下で容易に行うことができる。反応終了後
は、たとえばアルカリ水溶液で処理し、次の酸化反応工
程を行うことができる。この酸化反応は、例えば、過酸
化水素のごとき酸化剤の存在下に、例えば、約0〜約60
℃程度の温度範囲で、約0.5〜約5時間程度の好ましい
条件下で容易に行なうことができる。酸化剤の使用量と
しては、上記のハイドロボレーシヨン生成物に対して、
例えば、約1〜約5モル程度の範囲を好ましくあげるこ
とができる。反応終了後は、中和、水洗浄を行って、例
えば、カラムクロマト、蒸留などのごとき手段で精製し
て式(9)化合物を容易に得ることができる。
式(9)化合物から式(10)の2−ホルミルメチル−3
−アルコキシカルボニルメチル−シクロペンタノールを
合成するには、式(9)化合物を酸と接触させることに
より容易に行うことができた。この反応に使用する酸と
しては、例えば、酢酸、シユウ酸、酒石酸、クエン酸な
どの如き有機酸を例示することができる。このような酸
の使用量には特別の制約はなく適宜に選択すれば良く、
式(9)化合物に対して例えば、約2〜約10重量倍程度
の範囲をあげることができる。この脱アセタール化反応
は、例えば約0゜〜約60℃程度の温度条件下に約1〜約
10時間程度反応して行うことができる。反応終了後は、
アルカリ水溶液で洗浄し、エーテル抽出を行い乾燥、濃
縮して式(10)化合物を容易に得ることができる。得ら
れた式(10)化合物は、蒸留、カラムクロマトグラフイ
ーのごとき手段で精製しても良いが、通常は精製するこ
となく次の工程の原料とすることができる。上記のよう
にして得ることのできる式(10)化合物から式(11)の
[1S,2S,3R]−2−(2Z−ペンテニル)−3−ア
ルコキシカルボニルメチル−シクロペンタノールを合成
するには、式(10)化合物を有機溶媒中、プロピリデン
トリフエニルホスホラン(Ph3P=CHCH2CH3)と接触反応
させることにより行うことができる。このウイテツヒ反
応は、例えば、約−20゜〜約20℃程度の温度条件下に約
0.5〜約10時間反応することにより容易に行うことがで
きる。この際、アルゴンのごとき不活性雰囲気下に行う
ことが望ましい。プロピリデントリフエニルホスホラン
の使用量としては、式(10)化合物に対し、例えば約1
〜約3モル程度の範囲の使用量を好ましく例示すること
ができる。又、使用する有機溶媒としては、例えば、ジ
メトキシエタン、ベンゼン、THFなどのごとき溶媒を好
ましくあげることができる。これら有機溶媒の使用量
は、特別に制約されることなく広い範囲で使用可能であ
るが、例えば式(10)化合物に対し約1〜約10重量倍程
度の範囲が好ましく例示できる。反応終了後は、重ソを
加え濃縮した後、ロ過し結晶を例えば酢酸エチルで洗浄
した後ロ液を濃縮し、例えばカラムクロマトで副生成物
である[1S,5,8]−8−(2Z−ペンテニル)−2
−オキサビシクロ[3,2,1]オクタン−3−オンを除
き、式(11)化合物を得ることができる。
本発明の式(1)のアルキルエピジヤスモネートを合成
するには、上記で得られた式(11)化合物をエーテル
中、酸化剤の存在下に酸化反応して容易に合成すること
ができる。この酸化反応は、例えば、約0゜〜約10℃程
度の温度条件下に約1〜約30分程度反応して行うことが
できる。酸化剤としては、例えば重クロム酸ナトリウ
ム、クロム酸などのごとき酸化剤を例示することができ
る。これら酸化剤の使用量としては、例えば式(11)に
対して約1〜約3モル程度の使用量をあげることができ
る。反応終了後は、常法に従って処理し、例えばカラム
クロマトのごとき手段で精製し、純粋な式(1)のアル
キルエピジヤスモネートを容易に得ることができる。式
(1)化合物の具体例としては、例えばメチルエピジヤ
スモネート、エチルエピジヤスモネート、プロピルエピ
ジヤスモネート、イソプロピルエピジヤスモネート、ブ
チルエピジヤスモネート、イソブチルエピジヤスモネー
ト、t−ブチルエピジヤスモネート、ペンチルエピジヤ
スモネートなどを好ましく例示することができる。
以下に実施例にあげて、本発明の実施態様を詳細にのべ
る。
(実 施 例) (1) 2−ホルミルメチル−2−シクロペンテノン式
(3)の合成。
2−アリル−2−シクロペンテノン14.67g(0.12モル)
をメタノール90mlに溶解し、−70゜〜−60℃に冷却す
る。オゾンを同温で2時間通じオゾン分解を行った。生
成したオゾニドをジメチルスルフイド11.6ml(0.158モ
ル)で還元して式(3)化合物を合成した。式(3)化
合物は単離することなく、式(4)化合物の原料とし
た。
(2) 2−(2′,2′−ジメトキシエチル)−2−シ
クロペンテノン式(4)の合成。
実施例(1)で得られた反応生成物[式(3)]にp−
トルエンスルホン酸0.2gを添加し、50゜〜60℃で5時間
アセタール化を行った。反応液をNaHCO3で中和し濃縮し
た。蒸留により精製し式(4)化合物16.46gを得た。収
率;80%。
bp 100℃〜103℃/5.5mmHg ▲n22 D▼=1.4707 IR Vmax cm-1:3050、1705、1635、1200、1125、1075、
1055 PMR(60MHZ):2.05〜2.76(6H.m)3.25(6H.s)、4.49
(1H.t)7.48(1H.m) (3) 2−(2′,2′−ジメトキシエチル)−2−シ
クロペンテノール式(5)の合成。
LiAlH4:1.78gをdyエーテル420mlにけんだくし−5℃に
冷却する。これに同温で式(4)化合物16.5gをエーテ
ル:70mlに溶解した液を2.0hrで滴下する。同温で30min
撹拌した後、水:1.78ml、15%NaOH:1.78ml、水:3.56ml
を滴下し、過、乾燥、濃縮する。粗製:16.6gを得る。
(4) 2−(2′,2′−ジメトキシエチル)−2−シ
クロペンテニルアセテート式(6)の合成。
粗製式(5)化合物16.6gをpyridine:103mlに溶解し、
無水酢酸:28.3gを加え、室温で5.5hr撹拌する。MeOH:20
mlを加え濃縮し、ether抽出、aq.NaHCO3洗、aq.NaCl洗
し、乾燥、濃縮し粗製:16.9gを得た。
蒸留により精製し式(6)化合物15.3gを得た収率:73.7
% bp:100℃〜102℃/4mmHg ▲n20 D▼=1.4511 IR Vmax cm-1:3050、1735、1655、1195、1160、1125、
1050、1035 PMR(60MHZ):1.59〜2.50(6H.m)1.98(3H.s)3.19(6
H.s)4.42(1H.t)5.70(1H.m)5.65(1H.m) (5) ジメチル2−(2′,2′−ジメトキシ)−2−
シクロペンテニルマロネート式(7)の合成。
式(6)化合物16.87g(78.8m mole)、トリフエニルホ
スフイン、2.10g、Pd(Ph3P)[テトラキストリフエ
ニルホスフインパラジウム(0)]:0.625gをdy THF
60mlに溶解しAr gas下撹拌する。これをdy THF 280m
l、60%NaH:13.0g(0.324mole)、マロン酸ジメチル:4
2.8g(0.324mole)より調整したマロン酸ジメチルナト
リウム塩に加え90℃、12hr撹拌する。反応液をエーテル
抽出し、aq.NaCl洗、乾燥、濃縮し式(7)化合物の粗
製を得た。シリカゲルカラムクロマト(hexene:酢エチ:
3:1)で精製した(7)化合物21.6gを得た。収率:96% bp 119℃〜120℃/0.1mmHg ▲n22 D▼=1.4631 IR Vmax cm-1:3040、1740、1195、1155、1125、1065 PMR(60MHz):2.10〜2.75(6H.m)2.87〜3.40(2H.m)
3.23(3H.s)3.26(3H.s)3.65(3H.s)3.70(3H.s)4.
42(1H.t)5.56(1H.m) (6) メチル−2−(2′,2′−ジメトキシエチル)
−2−シクロペンテニルアセテート式(8)の合成 式(7)化合物10.96g(37mmole)をDMSO:41mlに溶解
し、NaCl:3.0g、H2O:3.3mlを加えAr gas下5hr加熱還流
する。反応液をエーテル抽出、aq.NaCl洗、乾燥し濃縮
する。蒸留により精製し式(8)化合物7.30gを得た。
収率:86.5% bp 105℃〜106℃/2mmHg ▲n22 D▼=1.4574 IR Vmax cm-1:3040、1735、1670、1190、1165、1120、
1060 PMR(60MHz):2.20(6H.m)2.89(1H.m)3.20(6H.s)
3.58(3H.s)4.38(1H.t)5.43(1H.m) (7) 3−メトキシカルボニルメチル−2−(2′,
2′−ジメトキシエチル)シクロペンタノール式(9)
の合成。
式(8)化合物2.264g(9.93m mole)をdyTHF:10mlに溶
解しAr gas下0℃でBH3・Me2S錯体(10N):1.2mlを滴
下し、5hr撹拌した。さらにBH3・Me2S0.8mlを追加し、
1.5hr撹拌した後H2O、4.6ml 3Naq.NaOH:8.4ml、35%H2
O2:3.4mlを加え、30℃〜40℃10hr撹拌する。反応液を塩
析し、エーテル抽出、aq.NaCl洗、乾燥、濃縮する。粗
製:2.2gをシリカゲルカラムクロマト(nhexane:酢エチ
=1:1)により精製し、式(9)化合物に包含される下
記式(9)−a、(9)−bの混合物1.44gを得た。収
率:60% (9)−a、(9)−bの比率は以下の分析により決定
した。
IR Vmax cm-1:3470、1740、1195、1170、1130、1070、
1055 PMR(60MHz):1.40〜1.95(10H.m)2.10〜2.48(2H.m)
2.84〜3.13(1H.m)3.27(6H.s)3.59(3H.s)4.45(1
H.m) (8) 2−ホルミルメチル−3−メトキシカルボニル
メチル−シクロペンタノール式(10)の合成。
(9)−a,bの混合物1.054g(4.28m mole)をAcOH:7.5m
l水:2.5mlの混合物に溶解し40℃〜50℃で30minした。こ
れを氷−NaHCO3に注ぎエーテルで抽出し、乾燥、濃縮す
る。粗製:0.89gを精製せず次の工程に使用した。
(9) [1S,2S,3R]−3−メトキシカルボニルメチル
−シクロペンタノール式(11)の合成。
式(10)化合物152mg(0.72m mole)をdy dimethoxy et
hane(DME)4.8mlに溶解しAr gas下0℃でn−プロピ
ルトリフエニルホスホニウムブロミドをdy DME中Ar g
as下n−BuLiを滴下し調整したWittig試薬と反応し、室
温で30min撹拌した。その後、重ソウを加え濃縮した
後、ろ過し結晶を酢酸エチルで洗浄した後、ろ液を濃縮
し粗製:181mgを得た。これをシリカゲルカラムクロマト
(hexane:酢エチ=4:1)で精製して式(11)化合物31.6
mg(収率:18.4%)を得た。
▲n22 D▼=1.4775 IR Vmax cm-1:3440、3250、1735、1655 PMR(100MHz):0.97(3H.t)、1.10〜1.33(1H.m)、1.
36〜1.58(1H.m)、1.59〜1.73(2H.m)、1.79〜2.26
(6H.m)、2.27〜2.44(2H.m)、2.24〜2.95(1H.m)、
3.65(3H.s)、3.98(1H.m)、5.40(2H.m)。
(10) メチルエピジヤスモネート式(1)の合成。
式(11)化合物152mgをエーテル12mlに溶解しNa2Cr2O7
・20.0gを95%H2SO4:27.71gに溶解し水を加え100mlにし
た溶液13mlと5℃〜10℃、10min撹拌する。2−propano
lを加えた後、NaHCO3粉を加え過する。エーテル抽
出、水洗、aq.NaCl洗し乾燥、濃縮し粗製:166mgを得
た。
シリカゲルカラムクロマト(hexane:酢エチ=4:1)で精
製し106mgを得た。
収率:71% bp 120℃/2mmHg、▲n22 D▼ 1.4716 IR Vmax cm-1:3030、1745、1735、1650 PMR(60MHz):0.95(3H.t)1.70〜2.50(12H.m)3.59
(3H.s)5.30(2H.m) (発明の効果) 本発明によれば、ジヤスミン製油の特徴的な香気を有す
る下記式(1) で特定された、たとえばメチルエピジヤスモネート(R
=メチル)を従来法にくらべて、効率よく高純度で合成
できる新規な方を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/21 67/08 67/31 67/313 67/32 67/343 69/145 69/708 Z 9279−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(2) で表わされる2−アリル−2−シクロペンテノンをオゾ
    ン分解し、次いで、還元剤の存在下に還元反応せしめ、
    得られる下記式(3) で表わされる2−ホルミルメチル−2−シクロペンテノ
    ンを酸触媒の存在下に低級アルコールと反応せしめ、得
    られる下記式(4) 但し式中、R′は低級アルキル基を示す、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
    2−シクロペンテノンを還元試薬の存在下に水素化反応
    させ、得られる下記式(5) 但し式中、R′は上記したと同義である、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
    2−シクロペンテノールを無水酢酸の存在下にアセチル
    化反応させ、得られる下記式(6) 但し式中、R′は上記したと同義である、 で表わされる2−(2′,2′−ジアルコキシエチル)−
    2−シクロペンテニルアセテートを0価パラジウム錯体
    の存在下にマロン酸ジアルキルソジウム塩と反応させ、
    得られる下記式(7) 但し式中、Rは低級アルキル基を示し、 R′は上記したと同義である、 で表わされるジアルキル−2−(2′,2′−ジアルコキ
    シ)−2−シクロペンテニルマロネートを脱炭酸反応さ
    せ、得られる下記式(8) 但し式中、RおよびR′は上記したと同義である、 で表わされるアルキル−2−(2′,2′−ジアルコキシ
    エチル)−2−シクロペンテニルアセテートをボラン類
    の存在下にハイドロボレーシヨンし、次いで酸化剤の存
    在下に酸化反応させ、得られる下記式(9) 但し式中、RおよびR′は上記したと同義であり、 はα−結合もしくはβ−結合を示す、 で表わされる3−アルコキシカルボニルメチル−2−
    (2′,2′−ジアルコキシエチル)シクロペンタノール
    を酸の存在下に脱アセタール化反応させ、得られる下記
    式(10) 但し式中、及びRは上記したと同義である、 で表わされる2−ホルミルメチル−3−アルコキシカル
    ボニルメチル−シクロペンタノールをプロピリデントリ
    フエニルホスホランと反応させることを特徴とする下記
    式(11) 但し式中、Rは上記したと同義である、 で表わされる[1S,2S,3R]−3−アルコキシカル
    ボニルメチル−シクロペンタノールの製法。
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