JPH0693816B2 - 農業用害虫防除フイルム - Google Patents

農業用害虫防除フイルム

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JPH0693816B2
JPH0693816B2 JP30033486A JP30033486A JPH0693816B2 JP H0693816 B2 JPH0693816 B2 JP H0693816B2 JP 30033486 A JP30033486 A JP 30033486A JP 30033486 A JP30033486 A JP 30033486A JP H0693816 B2 JPH0693816 B2 JP H0693816B2
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晃造 児谷
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は作物の栽培にあたり、作物に有害な害虫に対し
て防除効果を有する農業用フィルムに関する。
<従来技術> 従来、野菜類、花類、果樹類等の作物を栽培するに当た
って透明または半透明のポリエチレフィルム、エチレン
−酢酸ビニル共重合体フィルムや軟質塩化ビニル樹脂フ
ィルムなどがハウスやトンネルの被覆あるいは作物栽培
用地面の被覆に用いられてきた。ハウスやトンネルの被
覆は、低温期のハウス内、トンネル内の温度を高く保ち
ながら作物の生育を促進させたり、厳寒期のハウス内暖
房の省エネルギー化をはかるなどを目的として行なわれ
ている。
近年、上記したような被覆栽培の普及、発展下で、栽培
作物に有害な害虫が飛来し、寄生して、多大な被害をお
よぼすという事態が広がりつつあり、なかでも、沖縄、
九州、四国などの西南暖地では、ミナミキイロアザミウ
マやアブラムシによる被害が深刻な問題となっている。
これらの害虫を防除する方法としては、忌避剤、殺虫剤
などの農薬を使用する方法や、害虫を誘引する効果のあ
るフェロモンや着色テープなどを用いてトラップなどで
捕捉する方法が提唱され、一部実用化されている。
しかし、これらの方法にも問題点があり、例えば、農薬
使用においては、経時的に害虫に生じる耐性と、より殺
虫性の強い農薬の開発というくりかえしをよぎなくさ
れ、そのために、人畜に対する毒性の増加や土壌中の蓄
積量の増加など環境汚染等の二次公害に発展する問題を
内在している。
<発明が解決しようとする問題点> 上記のような問題を起こさない害虫防除方法として、ア
ルミニウム等の金属を蒸着させた太陽光線の反射率の高
いフィルムを栽培作物あるいは地面に被覆することによ
って、害虫の飛来を防除する方法や、近紫外線をカット
したフィルムによって被覆ハウスやトンネル内の害虫防
除する方法が提案され、実用化もされている。
しかし、これらの方法についても、前者は製品コストが
高いことや、光線反射率が高い反面、光線透過率が低い
ために、ハウスやトンネルなどの被覆には適しておら
ず、栽培地面にマルチングした場合でも、地温が上昇し
にくく、この特性を生かした特別の用途以外は、作物栽
培に実用的でないという問題があり、後者は、被覆ハウ
スやトンネル内での害虫防除効果がすぐれるもののナス
や花の色付きが悪いなど使用作物が限定されるという問
題がある。またマルチング使用では全く害虫防除効果を
発揮しない。
<問題点を解決するための手段> 先に、本発明者らは、これらの状況にかんがみ、作物栽
培地面の地温を上昇させ、かつ作物に飛来し寄生する害
虫を防除し、栽培作物の保護、生育促進のために、波長
0.4μm未満に反射ピークを有し、その紫外線反射率RA
と波長0.5μmの可視光線反射率RBとの比RA/RBが1.4以
上を示す反射スペクトルを有するフィルムが害虫防除効
果に有効であることを見い出した。さらに、本発明者ら
は、より優れた害虫防除フィルムを開発すべく鋭意検討
した結果、波長0.4μm未満に反射ピークを有し、その
紫外線反射率RAと波長0.5μmの可視光線反射率PBとの
比RA/RBが1.5以上を示し、かつ波長0.6μm以上の可視
光線最大反射率RCとRBとの比RC/RBが1.5以上を示す反射
スペクトルを有するフィルムが害虫防除効果により有効
的であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明は、紫外線を反射する無機化合物の少なくとも一
種と着色剤を含む熱可塑性樹脂組成物を製膜してなる害
虫防除フィルムに関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される熱可塑性樹脂は特に限定されない
が、例示すれば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン−4−メ
チル−ペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン
−エチルアクリレート共重合体など、エチレンの単独重
合体および共重合体、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂
等が使用可能であり、これらは単独であるいは混合して
使用することが可能である。
本発明に使用される無機化合物は、波長0.4μm未満の
紫外線を反射するものであり、例えば、チタン酸カリウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタ
ン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸ケイ酸アル
ミニウムなどのチタン化合物やケイ酸ジルコニウム、酸
化ジルコニウムなどのジルコニウム化合物などがあげら
れる。
また、これらの無機化合物は粉末状であっても、ウィス
カーであってもよいが、フィルムの強度や光線反射特性
から、ウィスカーがより好ましい。
着色剤は、波長0.35μm〜0.4μmの紫外線の吸収が少
なく、波長0.5μの可視光線を吸収する材料であれば、
無機化合物、有機化合物を問わず本発明に用いることが
できる。
例示すれば、一般名で表わしてレーキレッドC、ピラゾ
ロンレッドB、ブリリアントファーストスカーレット、
縮合アゾスカーレット、バリウムレッド2Bウォッチャン
レッドY、ペリレンレッド178などがあげられるが耐ブ
リードアウト性、耐候性の高いものがより好ましい。
本発明のフィルムは次のような工程で製造することがで
きる。
無機化合物や着色剤を含有させた熱可塑性樹脂組成物
は、通常のバンバリーミキサーや二本ロール混練機ある
いは押出混練機を用いて、樹脂を溶融しながら該粉末を
混合混練して得られる。得られた樹脂組成物は、通常の
インフレーションフィルム加工、Tダイフィルム加工、
カレンダー加工などのフィルム加工機でフィルム成形す
ることができる。
また、無機化合物等を含有した樹脂層の内面またはその
内、外面に透明または着色剤を含有した熱可塑性樹脂層
を設けた積層フィルムを得るには二層ダイスを備えた2
台の押出機から無機化合物を含有させた熱可塑性樹脂組
成物と透明または着色剤を含有した熱可塑樹脂組成物を
別々に押し出しして2層フィルムを成形するか、8層ダ
イスを備えた2台の押出機を用いて中間層に無機化合物
等を含有した樹脂層、その内、外面に透明または着色剤
を含有した熱可塑樹脂層を積層して8層フィルム成形す
ることができる。
これらの積層フィルムの場合、無機化合物含有フィルム
層と透明または着色フィルム層の樹脂は同一であっても
異なっていても差しつかえない。
また、地温降下機能と雑草繁茂の防止をはかるために
は、光の透過を完全に吸収するカーボンブラックなどを
含む黒色フィルム層を積層することが好ましく、例えば
二層ダイスを備えた二層フィルム加工機で加工が可能で
ある。
無機化合物の含有量は5〜80重量%、着色剤は0.5〜5
重量%が好ましいが、波長0.4μm未満に反射ピークを
有し、その紫外線反射率RAと波長0.5μmの可視光線反
射率RBとの比RA/RBが1.5以上を示し、波長0.6μm以上
の可視光線最大反射率RCとRBとの比RC/RBが1.5以上を示
すものであればよい。
無機化合物含有フィルム厚みは性能と経済性のバランス
及び取り扱い作業面から20〜100μmが適切な範囲であ
るが、透明フィルム層を積層した2層フィルムや3層フ
ィルムの場合には無機化合物含有フィルム層の厚みが5
〜50μm、透明フィルム層の積層した全体のフィルム厚
みが5〜100μmとするのが好ましい。
<実施例> 実施例1 低密度ポリエチレン(密度0.923、MI=1.5g/10分)100
重量部とチタン酸カリウムウィスカー20重量部と着色剤
縮合アゾスカーレット0.5重量部とを51バンバリーミキ
サーで樹脂温度150〜160℃で5分間混練後押出機により
造粒ペレットを製造した(A混合樹脂と呼ぶ)。次にイ
ンフレーションフィルム加工機に投入し、溶融ゾーン22
0℃、ダイス温度200℃の条件で厚さ30μmの単層フィル
ムを成形した。
得られたフィルムの性能およびテスト結果を図1および
表1〜2に示した。
実施例2 2台の押出機と2層ダイスを備えた2層インフレーショ
ン加工機を用いて上記A混合樹脂の着色剤を除いたもの
(B混合樹脂と呼ぶ)とA混合樹脂のチタン酸カリウム
ウィスカーを除いたもの(C混合樹脂と呼ぶ)を別々の
押出機に投入し、実施例1と同じ条件で、2層ダイス内
でB混合樹脂とC混合樹脂を溶融接着させながら2層積
層フィルムを成形した。得られたフィルムはB混合樹脂
層/C混合樹脂層の厚み構成比が1/1で総厚みが40μmの
2層フィルムであった。
フィルムの性能テストはC混合樹脂層が外側になるよう
にマルチングして行ない、その結果を図1および表1〜
2に示した。
実施例3 上記と同じ低密度ポリエチレン100重量部とカーボンブ
ラック5重量部とを実施例1同様にして混練、造粒して
ペレットを製造した(D混合樹脂と呼ぶ)。A混合樹脂
とD混合樹脂を実施例2と同様に2層インフレーション
加工法によっては2層フィルムを得た。フィルムの性能
テストはA混合樹脂層が外側になるようにマルチングし
て行ない、その結果を図1および表1〜2に示した。
実施例4 実施例1において、チタン酸カリウムウィスカーをケイ
酸ジルコニウムに、着色剤をピラゾロンレッドBに替え
たほかは実施例1と同様の方法によって厚さ2μmのフ
ィルムを得た。フィルムの性能テスト結果を図2および
表1〜2に示した。
実施例5 実施例1において、チタン酸カリウムウィスカーを酸化
チタンを2重量部含有したチタン酸ケイ酸アルミニウム
に、着色剤をレーキレッドCに替えたほかは実施例1と
同様の方法によって厚さ20μmのフィルムを得た。フィ
ルムの性能テスト結果を図2および表1〜2に示した。
比較例1 実施例2のC混合樹脂をインフレーション加工機を用い
て、実施例1と同じ条件で単層フィルムを成形した。得
られたフィルムは厚みが30μmの単層フィルムであっ
た。このフィルムの性能およびテスト結果を図3および
表1〜2に示した。
比較例2 市販のシルバーフィルム(三善加工(株)製、厚さ30μ
m)を用いてフィルム性能をテストした。その結果を図
3および表1〜2に示した。
比較例3 B混合樹脂とD混合樹脂を実施例2と同様に2層インフ
レーション加工法によって2層フィルムを得た。フィル
ムの性能テストはB混合樹脂層が外側になるようにマル
チングして行ない、その結果を図3および表1〜2に示
した。
実施例および比較例に示したフィルムの性能テストは以
下の方法で行なった。
(1)紫外線、可視光線反射スペクトル 日立自記分光光度計380形を用いてフィルムの紫外線お
よび可視光線反射スペクトルを測定した。
(2)RA/RB、RC/RBの値 比較例1〜3のRA/RBの値は、波長0.38μmにおける反
射率と波長0.5μmにおける反射率の比であらわし、RC/
RBの値は、0.62μmにおける反射率と波長0.5μmにお
ける反射率の比であらわした。
(3)害虫防除効果 キャベツの苗にフィルムをマルチングし、温室内10日間
におけるアブラムシ(無翅虫)の頭数を調べた。
<発明の効果> 以上のようにして得られたフィルムは、ハウス、トンネ
ルの被覆や作物栽培地面のマルチングに使用することが
でき、害虫が嫌う波長0.4μm未満の紫外線と波長0.6μ
以上の可視光線の反射する割合を高くし、誘引される波
長0.5μmの範囲の光線の反射を低くすることによっ
て、ミナミキイロアザミウマやアブラムシなどの作物害
虫の防除作用を発揮する。また、0.6μm以上の可視光
線を栽培植物の葉面に反射することにより、栽培植物の
光合成反応を活発にする。
【図面の簡単な説明】
図1、図2及び図3は本発明の実施例及び比較例のフィ
ルムの反射スペクトルである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長0.4μm未満に反射ピークを有し、そ
    の紫外線反射率RAと波長0.5μmの可視光線反射率RBと
    の比RA/RBが1.5以上を示し、波長0.6μm以上の可視光
    線最大反射率RCとRBとの比RC/RBが1.5以上を示す反射ス
    ペクトルを有することを特徴とする農業用害虫防除フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】無機化合物と着色剤を含む熱可塑性樹脂組
    成物を製膜してなる特許請求の範囲第1項記載のフィル
    ム。
  3. 【請求項3】無機化合物がチタン酸塩化合物の少なくと
    も1種である特許請求の範囲2項記載のフィルム。
  4. 【請求項4】無機化合物が珪酸塩化合物の少なくとも1
    種である特許請求の範囲第2項記載のフィルム。
  5. 【請求項5】無機化合物の少なくとも1種と着色剤を含
    む熱可塑性樹脂層の内面あるいは内面、外面に透明な熱
    可塑性樹脂層を積層してなる特許請求の範囲第1項記載
    のフィルム。
  6. 【請求項6】無機化合物の少なくとも1種を含む熱可塑
    性樹脂層の内面あるいは内面、外面に着色剤を含む熱可
    塑性樹脂層を積層してなる特許請求の範囲第1項記載の
    フィルム。
  7. 【請求項7】無機化合物の少なくとも1種と着色剤を含
    む熱可塑性樹脂層にカーボンブラック等を含む黒色熱可
    塑性樹脂層を積層してなる特許請求の範囲第1項記載の
    フィルム。
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