JPH0693455A - 銅膜形成基材の製造法 - Google Patents

銅膜形成基材の製造法

Info

Publication number
JPH0693455A
JPH0693455A JP10316191A JP10316191A JPH0693455A JP H0693455 A JPH0693455 A JP H0693455A JP 10316191 A JP10316191 A JP 10316191A JP 10316191 A JP10316191 A JP 10316191A JP H0693455 A JPH0693455 A JP H0693455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
palladium
base material
formate
copper film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10316191A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Hidaka
敏雄 日高
Takamasa Kawakami
殷正 川上
Kazuhiro Ando
和弘 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP10316191A priority Critical patent/JPH0693455A/ja
Priority to EP92106064A priority patent/EP0508399A2/en
Publication of JPH0693455A publication Critical patent/JPH0693455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/02Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
    • C23C18/12Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material
    • C23C18/1204Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of inorganic material other than metallic material inorganic material, e.g. non-oxide and non-metallic such as sulfides, nitrides based compounds
    • C23C18/1208Oxides, e.g. ceramics
    • C23C18/1216Metal oxides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蟻酸銅をより低温で熱分解して銅膜形成基材
を得る。 【構成】 基材と蟻酸銅とを共存させ、減圧下又は非酸
化性雰囲気中で蟻酸銅を熱分解して銅膜の形成された基
材を製造する方法において、パラジウムを共存させて蟻
酸銅の熱分解を行うことを特徴とする銅膜形成基材の製
造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蟻酸銅を熱分解して銅
膜形成基材を製造する方法の改良に関するものであり、
より低温で銅膜形成を可能とするものである。本発明の
銅膜形成基材は、銅膜が強固に均一に溝、孔等にも形成
されたものであり、そのままで或いは更に銅その他の金
属のメッキなどの下地として各種用途、例えば、メガネ
フレーム、ツマミ、射出成形プリント配線板、その他の
樹脂成形品、フィルム、シート、積層板、スルーホール
メッキ積層板、セラミックス、金属などに使用されるも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常、電気絶縁性の基材に銅被膜を形成
する方法としては、無電解メッキ法、真空蒸着法やイオ
ンスパッタリング、イオンプレーティング法などの蒸着
法、圧接法、接着剤による接着などが知られ、それぞ
れ、物品の種類などに応じた工夫をして実用化されてい
る。これに対して、本発明者は先に、蟻酸銅を使用する
新規な銅膜形成法を発明し出願した。ところが、この方
法は、蟻酸銅の加熱分解温度以上の比較的高温を必要と
するために、被メッキ基材が比較的耐熱性の高いもので
なければならないものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、より低温で、
より強固に密着した銅膜を形成する方法が望まれた。そ
の方法について鋭意検討した結果、パラジウムを蟻酸銅
と併用すると蟻酸銅がより低温で熱分解を開始すること
を見出した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
材と蟻酸銅とを共存させ、減圧下又は非酸化性雰囲気中
で蟻酸銅を熱分解して銅膜の形成された基材を製造する
方法において、パラジウムを共存させて蟻酸銅の熱分解
を低温側に移行させてなる銅膜形成基材の製造法であ
り、該パラジウムが、蟻酸銅結晶中に混入させてなるも
のであり、蟻酸銅結晶中の重量が 100〜4,000ppmの範囲
であること、また、該パラジウムが、該基材表面に付着
させたものであり、さらに、該パラジウムの量が 1.0×
10-7〜1.0×10-1g/cm2 の範囲であることからなる銅膜
形成基材の製造法である。
【0005】以下、本発明について説明する。本発明の
基材とは、繊維強化或いは未強化の耐熱性の熱可塑性樹
脂、超耐熱性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いて製
造した成形品、フィルム、シート、積層板類などの樹脂
製物品、各種セラミックス、金属などである。特に、樹
脂製の基材の場合、荷重 4.64kg/cm2 における熱変形温
度が 140℃以上のものが好適である。
【0006】ここに、耐熱性或いは超耐熱性の熱可塑性
樹脂としては、ナイロン-6、ナイロン-66 、ナイロン-6
/66 、ナイロン-11 、ナイロン-3、メタキシリレンジア
ミンと脂肪族ジカルボン酸類から誘導されるMXD6、MXD6
/10 などのポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエス
テル樹脂などの汎用エンジニアリングプラスチック類;
ポリエチレン−2,6-ナフタレート、ポリオキシベンゾイ
ルポリエステル、P-ヒドロキシ安息香酸、フタル酸、ビ
スフェノールなどを主要モノマーとする全芳香族ポリエ
ステルやこれらにポリエチレンテレフタレート等をグラ
フトしてなる芳香族ポリエステル液晶ポリマー、ポリエ
ーテルイミド、ポリスルホン、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリイ
ミド、ポリベンツイミダゾール、ポリフェニレンサルフ
ァイド、全芳香族ポリアミドなどの耐熱性或いは超耐熱
性のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0007】また、熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリア
ミン−ビスマレイミド樹脂、ポリマレイミド−エポキシ
樹脂、ポリマレイミド−イソシアネート樹脂、シアナト
樹脂、シアネート−エポキシ樹脂、シアネート−ポリマ
レイミド樹脂、シアネート−エポキシ−ポリマレイミド
樹脂等の熱硬化性樹脂 ;これの熱硬化性樹脂類とポリア
ミド(ナイロン)、芳香族ポリエステル、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、
ポリフェニレンエーテルなどのエンジニアリングプラス
チックとを配合し、さらに適宜触媒類を添加してなる熱
硬化性の所謂「IPN」; ポリエチレンなどのポリオレ
フィン、1,2-ポリブタジエンなどの樹脂に架橋剤として
の有機過酸化物、更に適宜ラジカル重合性の多官能性の
化合物、熱硬化性樹脂などを配合してなる架橋硬化性の
樹脂類など、並びにこれらにガラス、炭素、アルミナ、
その他の繊維、繊維織布、粉体、その他充填材を配合し
た強化物等が挙げられる。
【0008】上記した樹脂は、種々の形態で本発明の銅
膜形成に用いられる。これらとしては、成形材料を使用
して射出成形、トランスファー成形、圧縮成形、その他
により成形してなる成形品;キャスティング法或いはキ
ャスト重縮合法、押出成形、プレス成形等で製造したフ
ィルム或いはシート;天然或いは合成の有機或いは無機
の織布・不織布を補強基材とし、熱硬化性樹脂やエンプ
ラなどをマトリックスとしてなる樹脂含浸基材、必要に
応じて銅箔を用いて、多段プレス、連続プレスなどで製
造される積層板;さらこの中の銅張積層板に多数のスル
ーホールを形成したもの、または銅張積層板に内層用プ
リント配線網を形成した内層板をそのまま、またはこれ
を樹脂含浸基材、銅箔或いは片面銅張積層板と組み合わ
せて積層成形した多層板に多数のスルーホールを形成し
たスルーホール孔明け多層板などのスルーホール基板が
例示される。
【0009】さらに、セラミックスとしては、ホウケイ
酸ガラス、グラファイト、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、マグネシア、フェライト、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、炭化ホウ素、酸化ホウ素などが挙げられ、金属とし
ては、鉄、オーステナイト系及びフェライト系ステンレ
ス、ニッケル、コバルト、アルミニウム、チタン、モネ
ルなどが挙げられる。
【0010】上記の基材の表面には、環境中からの埃、
油脂、その他が付着している。又、樹脂製の場合、通
常、離型剤、可塑剤、その他の成形性や離型性を改良す
るための添加剤類や水などが付着している。これらの場
合、用いた添加剤類の種類によっては銅膜の密着性が著
しく劣化する。従って、表面付着物や添加剤類などの種
類を考慮した洗浄液を用いて表面清浄化、乾燥などの整
面を行う。整面用溶液としては、化学研磨液、酸性或い
はアルカリ性の脱脂剤水溶液、揮発性の有機溶剤、酸や
アルカリを含む揮発性の有機溶剤溶液による洗浄が例示
される。好適には、高温、高濃度又は長時間などの過酷
な条件下での処理では表面が侵されるような成分溶液或
いは成分を含む溶液を選択し、より低温、低濃度又は短
時間で用い表面状態が殆ど変化しない範囲で洗浄処理す
ることが好ましく、例えば光沢性の樹脂表面では目視に
よりその光沢性が失われない範囲の条件で洗浄処理す
る。なお、整面としては、通常の蒸着法等に使用されて
いる例えば、プラズマ処理し、直ちにメッキ処理するこ
とも可能であるが、設備・操作性などが劣り、本発明で
はこれらを用いる必要は特にない。
【0011】本発明の蟻酸銅とは無水蟻酸銅、蟻酸銅四
水和物或いはこれらの混合物などの蟻酸第二銅化合物で
あり、いずれも使用可能であるが、特に無水蟻酸銅が好
ましく、微粉末の形態が好ましい。蟻酸銅の使用量(蟻
酸銅の全配置量)は、メッキすべき樹脂物品の全表面
積、容器或いは配置用具などの全表面積、並びにこれら
にメッキするための機器表面積(加熱機器容器内壁面積
など)との合計により主に決定されるものであり 0.001
g/cm2以上、好ましくは 0.002〜0.3 g/cm2 、特に 0.0
02〜0.1 g/cm2 である。また、メッキする樹脂物品と蟻
酸銅とを別々に配置或いは保持する場合には距離を 5cm
以内、特に 2cm以内に配置或いは保持することがより均
一なメッキをするために好ましい。
【0012】本発明のパラジウムは、通常、パラジウム
塩の形で使用する。パラジウム塩としては、塩化パラジ
ウム、酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウ
ムなどが挙げられ、ハロゲン、硫黄、その他の不純物を
残留させない面からは酢酸パラジウムなどの比較的低温
で分解するパラジウムの有機酸塩が好適である。
【0013】上記に説明した基材と蟻酸銅とに、さらに
パラジウムを共存させて蟻酸銅の熱分解を行うことによ
り銅膜形成を行う。パラジウムの共存法には、. 蟻酸
銅にパラジウムが付着或いは内包された形態で用いる方
法と. 基材表面にパラジウムを付着させる方法;さら
に両者を併用する方法が挙げられる。
【0014】ここに、の場合、蟻酸銅にパラジウム塩
を添加し、機械的に混合して分散させる方法がある。し
かし、より少量のパラジウムでより良好な熱分解特性を
得るためには、蟻酸銅の結晶中にパラジウムが含有され
たパラジウム含有蟻酸銅が好ましく、好適にはパラジウ
ムを重量で 100〜4,000 ppm の範囲で含む蟻酸銅結晶が
好ましい。
【0015】この好適に使用できるパラジウム含有蟻酸
銅の製造法としては、水酸化銅(II)とパラジウム塩をス
ラリー状或いはそのまま蟻酸に溶解し加熱反応させる方
法;塩基性炭酸銅のスラリーにパラジウム塩を含む蟻酸
溶液を添加し反応を行う方法;パラジウム塩を添加した
塩基性炭酸銅のスラリー溶液と蟻酸溶液とを反応させる
方法;硫酸銅水溶液とパラジウム塩を添加した炭酸ナト
リウムとを反応させて塩基性炭酸銅を得、この塩基性炭
酸銅と蟻酸とを反応させる方法;硫酸銅水溶液とパラジ
ウム塩を添加した蟻酸ナトリウムとを反応させる方法;
蟻酸銅水溶液にパラジウム塩をそのまま或いは溶剤溶液
として添加して均一溶液とし、該溶液から蟻酸銅を回収
する方法などで例示され、蟻酸銅の製造工程または析出
或いは回収工程前にパラジウムをより均一に混合した溶
液から蟻酸銅を得る方法による。
【0016】本発明の酢酸パラジウムを用いて得たパラ
ジウムを含有する無水蟻酸銅の熱分解特性を TG/DTA に
て昇温速度 5deg/min 、温度範囲 30〜500 ℃について
測定した結果を下記に示した。 試料番号 パラジウム含有量 熱分解温度(℃) (重量ppm) 開 始 ピーク 終 了 1 4000 120 157 165 2 3400 123 163 172 3 1400 133 166 177 4 600 147 173 183 5 270 153 178 185 6 160 160 180 187 7 0 175 210 225 上記から明瞭なように、パラジウムを含まない試料7に
比較して、分解開始温度、ピーク温度(主分解温度)、
分解終了温度において、パラジウムを含むもののが低温
側に移動したものであることが明瞭である。
【0017】また、基材表面にパラジウムを付着させる
方法は、パラジウム塩の溶液を用い、これに基材を浸漬
する方法やスプレー、ロール、刷毛、その他の手段を使
用して塗布する方法が挙げられ、必要に応じて、塗布
後、水洗その他の手段で洗浄することができる。パラジ
ウム塩の溶液に用いる溶媒としては、水、希塩酸、希硫
酸等の鉱酸の希薄水溶液、メタノールやエタノールなど
のアルコール、アセトンやメチルエチルケトンなどのケ
トン類が例示される。溶液の濃度としては、該表面に
1.0×10-7g/cm2 以上のパラジウムが付着するようにす
るのが好ましく、通常、 1.0×10-7〜 1.0×10-1g/cm
2 、好ましくは 1.0×10-6〜 1.0×10-2g/cm2の範囲が
挙げられる。
【0018】本発明では、上記した如くして基材と蟻酸
銅とに、さらにパラジウムを共存させて蟻酸銅の熱分解
を行うための加熱は、遠赤外線、赤外線、電子線、マイ
クロ波などの放射加熱、電気炉、オーブン、オイル加
熱、加圧蒸気加熱、ニクロム線、その他の加熱盤を用い
た加熱手段が挙げられる。本発明では、昇温時並びに所
定温度保持時の場所による温度のバラツキが少ないもの
が好ましく、バッチ式又は被物品の導入部、メッキ部、
取り出し部を持った半連続式又は連続式加熱機などが挙
げられる。また、昇温速度を速くし、メッキ時間を短く
し、さらに場所による昇温速度のバラツキを小さくし
て、良好な銅膜を得るために、基材を予め予熱してお
き、これをパラジウムを含む蟻酸銅と共に所定温度に設
定された加熱部として熱容量のある熱盤を持った加熱機
器に投入する方法、赤外線、特に遠赤外線セラミックヒ
ーターなどを用いて加熱する方法、さらに両者を組み合
わせることが好適な方法として例示される。
【0019】加熱温度は、実質的に非酸化性雰囲気下又
は減圧下で、好ましくは 30Torr 以下、特に 5Torr以下
の減圧下で 100℃以上で該基材の変形劣化温度以下の範
囲の所定温度、 100〜300 ℃の範囲、より好ましくは 1
00〜200 ℃の範囲でかつ該基材の変形劣化温度以下の範
囲の所定温度が好ましい。一方、蟻酸銅としてパラジウ
ムを含むものを使用する場合は特に温度 30℃〜100 ℃
の間を1deg/分以上、好ましくは 1〜50deg/分、特に 2
〜35deg/分で加熱し、所定温度で保持する。また、加熱
時間は 3時間以下、好ましくは 1〜60分間である。この
場合昇温速度が1℃/分未満では得られるメッキ膜が不
均一となったり、接着強度が劣ったものと成ったり、さ
らに銅粉末の生成量が多く成り易いので好ましくない。
また、速くともメッキ膜の生成からは特に問題ないが、
メッキ膜が不均一となる傾向が大きくなるので好ましく
ない。
【0020】以上の方法で加熱処理した後、室温に冷却
して、所望部が銅メッキされた銅メッキ基材を得る。な
お、基材に蟻酸銅を塗布してメッキした場合、銅メッキ
基材に、被膜形成に関与しなかった蟻酸銅から生成した
銅粉末が通常付着しているが、これは、基材を軽く拭く
方法、空気を吹きつける方法、水洗する方法、水洗に超
音波洗浄を併用する方法、その他の手段で容易に除去さ
れる。また、用いた加熱機器内壁、容器、配置用具など
の表面は銅メッキされるが、一回あたりのメッキ量は薄
いので、特に銅膜を取り除くことなくそのまま再使用で
きる。取り出された銅メッキ基材は、必要に応じて公知
の防錆処理を施すこと、更に、その用途に応じてメッ
キ、その他の銅メッキ基材の種類に応じた方法によって
後加工などして製品或いは実用に供する。
【0021】本メッキ基材をさらにメッキする方法は、
公知の銅、ニッケル、金、その他金属の無電解メッキ或
いは電解メッキメッキなど必要に応じて適宜選択する。
電解銅メッキを行う場合は、銅層厚さが 5μm以上とな
るまではメッキ速度 0.1μm/秒以下、特に 0.003〜0.
05μm/秒の範囲でメッキすることが、メッキ応力によ
り局所的に応力集中して接着強度が低下することを防止
する点から好ましく、また、メッキ終了後、必要に応じ
てアニール処理などして残留応力を取り除く。以上の方
法により製造した本発明の銅メッキ基材は、電解銅メッ
キして銅膜の厚さを10μmとしたときに銅箔剥離強度
0.4kg/cm 以上、好ましくは 0.5kg/cm以上、特に 0.8kg
/cm 程度の値を示すものである。
【0022】
【実施例】以下, 実施例などによって本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例1 塩基性炭酸銅 50gに 200ミリリットルのメタノールを加えスラ
リー状とした。88%蟻酸 120g に、0.4gの酢酸パラジウ
ムを含むアセトン/メタノール(容量比80/20)溶液 200
ミリリットルを加え均一な蟻酸溶液とした。上記の塩基性炭酸
銅のスラリーに、上記の蟻酸溶液を室温下に加えた後、
温度65℃、30分間の反応を行った。反応終了後、温度を
65℃に保った状態で濾過し、得られたケーキを50ミリリットル
のメタノールで3回洗浄した後、温度 80 ℃で 2時間減
圧乾燥してパラジウムを含有する無水蟻酸銅 60gを得
た。 IPC分析法によるパラジウムの含有量は 0.3重量%
であった。
【0023】ポリカーボネート樹脂製の厚さ 1mmで縦横
各 90mm の基板1 及び縦横各 100mm、高さ 10mm の基板
2 に、濃度 0.1重量%の酢酸パラジウムのアセトン/メ
タノール溶液をそれぞれ約 1ミリリットルコーティングし、乾
燥した。基板1 、2 の表面にはパラジウムが約 4.7×10
-4g/cm2 付着したものであった。
【0024】縦横各 100mm、高さ 10mm の試料皿の底
に、基板1 をコーティング面を上として置き、その上に
上記で得た無水蟻酸銅の粉末 5g を均一に敷いた。ま
た、上記で得た基板2 のコーティング面を下として試料
皿の蓋となるように置いた後、全体をアルミニウム箔で
包んだ。これを減圧乾燥機中に入れ、 5mmHgの減圧下、
温度 130℃で30分間保持した後、徐冷して取り出した。
底に敷いた基板1 から生成した銅粉末を取得した。ま
た、付着した銅粉末を洗浄して除去した結果、均一な銅
膜が生成した基板であることが確認された。一方、試料
皿の蓋とした基板2 の内側面も均一な銅膜が生成してい
た。上記で得た基板2を用い、予め電圧を負荷して電解
メッキ槽に投入し、メッキ厚さ15μmの電解メッキをし
た。このメッキした銅膜の剥離強度を測定したところ
0.5 kg/cmであった。
【0025】比較例1 実施例1において、パラジウムを含有しない無水蟻酸銅
を用い、かつ、基板にもパラジウムを塗布しない他は同
様とした。この結果、基板表面には銅膜の生成は認めら
れず、原料の蟻酸銅 4.9g が回収された。
【0026】実施例2 実施例1に準じた方法を使用して、パラジウムを重量で
500ppm 含有する無水蟻酸銅を得た。この無水蟻酸銅を
用い、かつ、基板1 および基板2 としてパラジウムが約
4.7×10-4g/cm2 付着したパイレックスガラス製のもの
を使用し、保持温度を 140℃とする他は実施例1と同様
とした。この結果、基板1、2ともに均一な銅膜が生成
したものであり、また、銅粉末が取得された。
【0027】実施例3 実施例1に準じた方法を使用して、パラジウムを重量で
1,000ppm 含有する無水蟻酸銅を得た。この無水蟻酸銅
100g をブチルアルコール 50gとを混練して均一分散液
(以下、処理液1と記す)とした。一方、内層プリント
配線網を2層持ち、両外表面に銅箔のないガラスエポキ
シ樹脂積層板の所定位置に孔明けした後、これを酸洗い
→水洗→乾燥してスルーホール付き積層板(以下、積層
板1と記す)を得た。上記の積層板1の孔を含む全面
に、処理液1を塗布し、乾燥して、孔内を除く表面には
2g/100cm2の無水蟻酸銅を付着させた。これを減圧乾燥
機中に入れ、 5mmHgの減圧下、温度 140℃で30分間保持
した後、徐冷して取り出し、孔内を含む全面に銅膜が形
成された積層板を得た。この積層板を電解メッキして厚
さ15μmの銅膜とした。このメッキした銅膜の剥離強度
を測定したところ 1.0 kg/cmであった。
【0028】
【発明の効果】以上の如くである本発明の銅膜形成基材
の製造法は、従来に比較してより低温側で銅膜の形成さ
れた基材を製造可能であり、この結果、従来は耐熱性な
どが不足するために銅膜を形成することが困難であった
樹脂物品についても同様に極めて簡単な手段により容易
に密着性に優れ、接着層を持たない銅膜が形成された樹
脂物品が製造できることとなるものであり、その工業的
意義は極めて重大なものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と蟻酸銅とを共存させ、減圧下又は
    非酸化性雰囲気中で蟻酸銅を熱分解して銅膜の形成され
    た基材を製造する方法において、パラジウムを共存させ
    て蟻酸銅の熱分解を行うことを特徴とする銅膜形成基材
    の製造法
  2. 【請求項2】 該パラジウムが、蟻酸銅結晶中に混入さ
    せてなるものである請求項1記載の銅膜形成基材の製造
  3. 【請求項3】 該パラジウムの蟻酸銅結晶中の重量が 1
    00〜4,000ppmの範囲である請求項2記載の銅膜形成基材
    の製造法
  4. 【請求項4】 該パラジウムが、該基材表面に付着させ
    てなるものである請求項1記載の銅膜形成基材の製造法
  5. 【請求項5】該基材表面に付着させたパラジウムの量が
    1.0×10-7〜1.0 ×10-1g/cm2 の範囲である請求項4記
    載の銅膜形成基材の製造法
JP10316191A 1991-04-08 1991-04-08 銅膜形成基材の製造法 Pending JPH0693455A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10316191A JPH0693455A (ja) 1991-04-08 1991-04-08 銅膜形成基材の製造法
EP92106064A EP0508399A2 (en) 1991-04-08 1992-04-08 Method of producing thin film-deposited substrate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10316191A JPH0693455A (ja) 1991-04-08 1991-04-08 銅膜形成基材の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0693455A true JPH0693455A (ja) 1994-04-05

Family

ID=14346784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10316191A Pending JPH0693455A (ja) 1991-04-08 1991-04-08 銅膜形成基材の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0693455A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121206A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Tosoh Corp 金属膜製造用組成物、金属膜の製造方法及び金属粉末の製造方法
JP2011122177A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Tosoh Corp 複合体微粒子、その製造方法、並びにそれを用いた導電膜形成用組成物、及び導電膜の形成方法
JP2011243436A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Tosoh Corp 導電膜形成用組成物の製造方法
JP2015129318A (ja) * 2014-01-06 2015-07-16 四国化成工業株式会社 銅被膜形成剤および銅被膜の形成方法
JP2016079439A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 四国化成工業株式会社 銅被膜形成剤およびその利用
JPWO2014098036A1 (ja) * 2012-12-21 2017-01-12 ペルノックス株式会社 導電性ペースト

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121206A (ja) * 2008-10-22 2010-06-03 Tosoh Corp 金属膜製造用組成物、金属膜の製造方法及び金属粉末の製造方法
JP2011122177A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Tosoh Corp 複合体微粒子、その製造方法、並びにそれを用いた導電膜形成用組成物、及び導電膜の形成方法
JP2011243436A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Tosoh Corp 導電膜形成用組成物の製造方法
JPWO2014098036A1 (ja) * 2012-12-21 2017-01-12 ペルノックス株式会社 導電性ペースト
JP2015129318A (ja) * 2014-01-06 2015-07-16 四国化成工業株式会社 銅被膜形成剤および銅被膜の形成方法
JP2016079439A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 四国化成工業株式会社 銅被膜形成剤およびその利用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4795660A (en) Metallized polymer compositions, processes for their preparation and their uses
US4339303A (en) Radiation stress relieving of sulfone polymer articles
US4493861A (en) Process for activating substrate surfaces for currentless metallization
EP0271466A2 (en) Selective catalytic activation of polymeric films
US4110147A (en) Process of preparing thermoset resin substrates to improve adherence of electrolessly plated metal deposits
KR20100103406A (ko) 금속장적층판
JPS6370594A (ja) フレキシブル回路
US4810326A (en) Interlaminate adhesion between polymeric materials and electrolytic copper surfaces
EP0391201B1 (en) Method for treating polyetherimide substrates and articles obtained therefrom
CA1157622A (en) Polysulfone surfaced laminated blanks
KR0137370B1 (ko) 구리 도금된 수지 제품의 제조방법
JPH01259170A (ja) 絶縁体上に金属構造を製造する方法
JPH0693455A (ja) 銅膜形成基材の製造法
JP3963662B2 (ja) 積層板の製造方法
KR960010822B1 (ko) 구리 필름 발포체의 제조방법
JPH05239657A (ja) 耐湿性銅張基板の製造法
JPH0570961A (ja) 無電解めつき用触媒とその製造法およびその使用方法
US3915664A (en) Moulded article
JPS6314880A (ja) 金属メツキ処理方法
US5312691A (en) Copper-clad MC4 unsaturated polyester resin
JPH01168867A (ja) 銅膜形成物品の製造法
JP6462940B1 (ja) キャリア付銅箔、銅張積層板及びプリント配線板
JPH06181387A (ja) 銅膜形成基材の製造法
JPH05170956A (ja) 樹脂成形品の金属化に好適な粗面化方法
JP2734020B2 (ja) 銅メッキ樹脂成形品の製造法