JPH0693039A - 珪素含有重合体およびその製造方法 - Google Patents

珪素含有重合体およびその製造方法

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JPH0693039A
JPH0693039A JP24105792A JP24105792A JPH0693039A JP H0693039 A JPH0693039 A JP H0693039A JP 24105792 A JP24105792 A JP 24105792A JP 24105792 A JP24105792 A JP 24105792A JP H0693039 A JPH0693039 A JP H0693039A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
same
formula
silicon
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Withdrawn
Application number
JP24105792A
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English (en)
Inventor
Yukio Nagasaki
幸夫 長崎
Masao Kato
政雄 加藤
Tetsuya Kimijima
哲也 君島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Japan Oxygen Co Ltd, Nippon Sanso Corp filed Critical Japan Oxygen Co Ltd
Priority to JP24105792A priority Critical patent/JPH0693039A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記構造式(α)または(β)または(γ)
で示される重合単位よりなり、重量平均分子量が1,0
00ないし2,000,000であることを特徴とする
珪素含有重合体。 【化1】 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R
9、R10、R11、R12は水素または炭素数1から10
のアルキル基、アリール基、アラルキル基を表わし、こ
の時、RないしR12はそれぞれ同じ基、または異なる
基であり、かつそれぞれの基における炭素数も同じ数ま
たは異なる数である。nは0または1または2を表わ
し、mは0または1を表わす。またXは1より大なる正
の整数を表わし、Yは1より大なる正の整数を表わ
す。) 【効果】 側鎖に珪素原子を有する機能性高分子であ
り、フォトレジストや電子線レジスト用として有用であ
り、シリル基を有するので気体透過性が高く気体分離膜
としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規重合物およびそ
の製造方法に係り、さらに詳しくは、有機珪素基を側鎖
に有する新規な珪素含有重合体およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から多くのスチレン誘導体の重合体
は数多く開発されている。シリル基が導入された誘導体
の重合体としては、ポリトリメチルシリルスチレンやポ
リ[4−ビス(トリメチルシリル)メチルスチレン]等
が知られている。しかしながら、アリル基にシリル基が
導入されたアリルスチレン誘導体の重合体およびその製
造方法は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、アリル基にシリル基が導入されたアリルス
チレン誘導体の重合体およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記構造式
(A)または(B)
【0005】
【化7】
【0006】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
水素または炭素数1から10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を表わし、この時、R1ないしR6はそ
れぞれ同じ基、または異なる基であり、かつそれぞれの
基における炭素数も同じ数または異なる数である。nは
0または1または2を表わし、mは0または1を表わ
す。)で示される単量体を重合させて、下記構造式
(α)または(β)で示される重合単位よりなり、重量
平均分子量が1,000ないし2,000,000であ
る珪素含有重合体およびこれを製造することを特徴とす
る。
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
水素または炭素数1から10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を表わし、この時、R1ないしR6はそ
れぞれ同じ基、または異なる基であり、かつそれぞれの
基における炭素数も同じ数または異なる数である。nは
0または1または2を表わし、mは0または1を表わ
す。)
【0009】また、下記構造式(A)および(B)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
水素または炭素数1から10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を表わし、この時、R1ないしR6はそ
れぞれ同じ基、または異なる基であり、かつそれぞれの
基における炭素数も同じ数または異なる数である。nは
0または1または2を表わし、mは0または1を表わ
す。)で示される単量体を重合させて、下記構造式
(γ)で示される重合単位よりなり、重量平均分子量が
1,000ないし2,000,000である珪素含有重
合体およびこれを製造することを特徴とする。
【0012】
【化10】
【0013】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8、R9、R10、R11、R12は水素または炭素数
1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル基を
表わし、この時、R1ないしR12はそれぞれ同じ基、ま
たは異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素数
も同じ数またまたは異なる数である。nは0または1ま
たは2を表わし、mは0または1を表わす。Xは1より
大なる正の整数を表わし、Yは1より大なる正の整数を
表わす。)
【0014】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おける珪素含有重合体は、下記構造式(A)および/ま
たは(B)で示される単量体を重合させることにより得
ることができる。
【0015】
【化11】
【0016】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
水素または炭素数1から10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を表わし、この時、R1ないしR6はそ
れぞれ同じ基、または異なる基であり、かつそれぞれの
基における炭素数も同じ数または異なる数である。nは
0または1または2を表わし、mは0または1を表わ
す。)
【0017】上記単量体は、アリル基に単数または複数
のシリル基が導入されたアリルスチレン誘導体であり、
アリルスチレンのアリル基をリチオ化したリチオ化アリ
ルスチレンとクロロシラン化合物を溶媒中で反応させ、
アリル基にシリル基を導入する方法で製造される。アリ
ル基に複数のシリル基が導入されたアリルスチレン誘導
体の場合は、収率を高くするため、上述の方法において
各導入反応ごとに単数または複数のシリル基が導入され
たアリルスチレン誘導体を単離した後、アリル基をリチ
オ化およびシリル化する方法で製造されるのが好まし
い。本発明においてシリル基が導入されるアリル基はビ
ニル基に対してオルト、メタ、パラ位のいずれの位置に
あるものも使用可能であるが、パラ位にあるものが好ま
しい。
【0018】上記アリルスチレンはテトラヒドロフラン
などの溶媒中でクロロスチレンまたはブロモスチレンに
マグネシウムを反応させると、グリニャール試薬を生
じ、これにアリルクロライドまたはアリルブロマイドを
添加して反応させることにより合成できる。下記にこの
反応の一例の反応式(I)を示す。
【0019】
【化12】
【0020】上記反応式(I)によって合成されたアリ
ルスチレンのアリル基をリチオ化する方法は極めて限定
されており、アリルスチレンと特定の有機リチウム化合
物との反応によって得られる。それ以外の有機リチウム
化合物では、アリルスチレンがアニオン重合をおこした
り、リチオ化が皆無か極くわずかしかおきず、生成効率
が悪いからである。特定の有機リチウム化合物として
は、例えば、リチウムジイソプロピルアミドに代表され
るリチウムアミド、その他ジフェニルメチルリチウム、
αーフェネチルリチウム等がある。上記リチウムジイソ
プロピルアミドは、ジイソプロピルアミンとn−ブチル
リチウムなどのアルキルリチウムから合成することがで
き、モノシリルアリルスチレンを合成する反応容器中
に、予めジイソプロピルアミンとアルキルリチウムを加
えてリチウムジイソプロピルアミト゛を合成し、このの
ちアリルスチレンを加えることにより、リチオ化アリル
スチレンを調製することができる。下記にこの反応の一
例の反応式(II)を示す。
【0021】
【化13】
【0022】この反応式(II)におけるアリルスチレ
ンに対する有機リチウム化合物の使用量のモル比は、目
的とするアリルスチレン誘導体によって異なるが、0.
5倍モルから10倍モルであり、より好ましくは1倍モ
ルから5倍モルである。
【0023】次に、反応式(II)において調製したリ
チオ化アリルスチレンとリチウムジイソプロピルアミド
が共存している溶液にクロロシラン化合物を添加する
と、クロロシラン化合物は有機リチウム化合物よりもリ
チオ化アリルスチレンと優先的に反応しシリル化を行な
い、下記反応式(III)に示すような反応がリチオ化
とともに行なわれ構造式(E)で示されるモノシリルア
リルスチレンが得られる。この後、さらにアリル基にシ
リル基を導入する場合は、このモノシリルアリルスチレ
ンを洗浄および減圧蒸留で単離する。また、このモノシ
リルアリルスチレンを目的単量体とする場合は、水によ
る洗浄で水溶性の副生成物および未反応原料を除去し、
減圧蒸留または再結晶ないしはカラム分離等で単離した
後、重合させる。
【0024】ついで、単離したモノシリルアリルスチレ
ンを下記反応式(IV)〜(V)に示すようにリチオ化
およびシリル化を行ない構造式(F−1)および(F−
2)で示される2個のトリメチルシリル基を有するアリ
ルスチレン誘導体が得られる。この後、さらにアリル基
にシリル基を導入する場合は、2個のトリメチルシリル
基を有するアリルスチレン誘導体を上述のモノシリルア
リルスチレンと同様に単離する。また、2個のトリメチ
ルシリル基を有するアリルスチレン誘導体を目的単量体
とする場合は、水による洗浄で水溶性の副生成物および
未反応原料を除去し、減圧蒸留または再結晶ないしはカ
ラム分離等で単離した後、重合させる。
【0025】ついで、単離した2個のトリメチルシリル
基を有するアリルスチレン誘導体を下記反応式(VI)
〜(IX)に示すようにリチオ化およびシリル化を行な
い構造式(G−1)および(G−2)並びに(G−3)
で示される3個のトリメチルシリル基を有するアリルス
チレン誘導体が得られる。この後、さらにアリル基にシ
リル基を導入する場合は、3個のトリメチルシリル基を
有するアリルスチレン誘導体を上述のモノシリルアリル
スチレンと同様にして単離する。また、3個のトリメチ
ルシリル基を有するアリルスチレン誘導体を目的単量体
とする場合は、上述の2個のトリメチルシリル基を有す
るアリルスチレン誘導体と同様にして単離した後、重合
させる。
【0026】さらに、単離した3個のトリメチルシリル
基を有するアリルスチレン誘導体を下記反応式(X)〜
(XII)に示すようにリチオ化およびシリル化を行な
い構造式(H−1)および(H−2)で示される4個の
トリメチルシリル基を有するアリルスチレン誘導体が得
られる。 得られた4個のトリメチルシリル基を有する
アリルスチレン誘導体は、上述の2個のトリメチルシリ
ル基を有するアリルスチレン誘導体と同様にして単離さ
れた後、重合される。
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】〔反応式(III)〜反応式(XII)
中、Meはメチル基を表わし、DPAはジイソプロピル
アミンを表わし、LDAはリチウムジイソプロピルアミ
ドを表わす。〕
【0031】上記反応式(IV)〜反応式(XII)に
おいてリチオ化およびシリル化を行なう反応は不活性溶
媒の存在下で行なうことができ、溶媒としては、テトラ
ヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエー
テル類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒
等、反応条件下でリチウムアミドと反応しない液体を用
いることができる。この中でもテトラヒドロフラン等の
エーテル類が好ましい。
【0032】上記反応式(IV)〜反応式(XII)に
おいて、シリル化剤としてはクロロシラン化合物が好適
に用いられる。このクロロシラン化合物はその炭化水素
基に制限はないが、水素または炭素数1から10のアル
キル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、さらに
シリル基の反応性からメチル基、エチル基、フェニル基
が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、この時の
アルキル基、アリール基、アラルキル基の炭素数は同じ
場合と異なる場合の両方を含む。クロロシラン化合物の
使用量は、少なすぎると反応が進まず、多すぎると副生
成物が生成しやすくなるため、アリル基に対して1から
3倍のモル比が好ましい。
【0033】上記反応式(IV)〜反応式(XII)に
おいて、リチオ化剤としては、n−ブチルリチウムとジ
イソプロピルアミンで調製したリチウムジイソプロピル
アミドが好適に用いられる。リチオ化剤の使用量は、少
なすぎると反応が進まず、多すぎると副生成物が生成し
やすくなるため、アリル基に対して1から3倍のモル比
が好ましい。
【0034】上記反応式(IV)〜反応式(XII)に
おいて、リチオ化およびシリル化を行なうときの反応温
度は、低すぎると反応が進まず、高すぎると副生成物の
生成や得られた複数のシリル基を有するアリルスチレン
誘導体の重合が起きるため、−50℃〜40℃の範囲内
が好ましく、特に−20℃〜30℃の範囲内が好まし
い。
【0035】上記反応式(IV)〜反応式(XII)に
おいて、シリル化を行なうときの反応時間は、短すぎる
と収率が低く、長すぎると副生成物の生成や重合物が生
成しやすいため、反応温度や仕込み量に依存するがシリ
ル化剤の滴下時間も含めて1時間から30時間の範囲内
が好ましい。また、反応時間は、反応条件や目的とする
複数のシリル基を有するアリルスチレン誘導体によって
異なるので、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグ
ラフィー等で反応経過を観測し、原料や生成物の定量を
行ない、反応の終了時間を決定することが望まれる。
【0036】本発明に用いる単量体の製法を説明するた
めの上記反応式(I)〜(XII)およびこれに記載さ
れた化合物については、アリル基にトリメチルシリル基
を導入する場合について説明しているが、アリル基に他
のトリアルキルシリル基を導入する場合も任意のクロロ
シラン化合物を使用することで、同様に製造することが
できる。
【0037】このようにして得られる単量体を重合する
ことによって、下記構造式(α)または(β)または
(γ)で示される重合単位からなり、重量平均分子量
1,000ないし2,000,000であって、かつ数
平均分子量10,000ないし2,000,000であ
る珪素含有重合体を製造することができる。
【0038】
【化17】
【0039】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
水素または炭素数1から10のアルキル基、アリール
基、アラルキル基を表わし、この時、R1ないしR6はそ
れぞれ同じ基、または異なる基であり、かつそれぞれの
基における炭素数も同じ数または異なる数である。nは
0または1または2を表わし、mは0または1を表わ
す。)
【0040】
【化18】
【0041】(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8、R9、R10、R11、R12は水素または炭素数
1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル基を
表わし、この時、R1ないしR12はそれぞれ同じ基、ま
たは異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素数
も同じ数または異なる数である。nは0または1または
2を表わし、mは0または1を表わす。またXは1より
大なる正の整数を表わし、Yは1より大なる正の整数を
表わす。)
【0042】また、上記構造が異なる単量体を任意の比
率で混合し重合させることによって、共重合体を生成す
ることが可能である。仕込比と使用する単量体の反応性
によって任意の組成比の共重合体を生成できる。また、
同様に他のラジカル重合可能な単量体と共重合させるこ
とによって、任意の性質を持った重合体を製造すること
も可能である。
【0043】上記単量体の重合方法には特に制限はな
く、ラジカル重合、アニオン重合等が適用できる。ラジ
カル重合の場合は、上記単量体に熱、光、電子線、放射
線等を付与することによって開始される。一般に開始剤
としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸
化ジターシャリブチル、過酸化ジクミルメチルエチルケ
トンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルマレ
ロニトリル)等のアゾニトリル類が用いられる。これら
の開始剤を用いて、20℃から100℃の温度で容易に
重合を開始することができる。重合は、トルエン、ベン
ゼン、キシレン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン、
クロロホルム等の不活性溶媒中で容易にすることができ
る。重合時間は特に制限はないが、10分から100時
間が好ましい。
【0044】また、ラジカル重合以外にアニオン重合に
よっても重合が可能であり、この場合、開始剤としてn
−ブチルリチウム等のアルキル金属アルカリ類、ナトリ
ウムナフタレン等のアルカリ金属芳香族化合物類、カリ
ウムアミド等のアルカリアミド類が使用できる。
【0045】
【実施例】
(参考例1)下記に示した反応式(I)に従って4−ア
リルスチレンの合成を行なった。まず、アルゴン雰囲気
下で4−クロロスチレン44mlにテトラヒドロフラン1
20ml、マグネシウム9gおよびエチルブロマイド1.
5mlを加えて、グリニャール試薬である4−ビニルフェ
ニルマグネシウムクロリドを生成させた。この4−ビニ
ルフェニルマグネシウムクロリドの構造式(C)を下記
に示す。この4−ビニルフェニルマグネシウムクロリド
にアリルクロリド33mlを溶かしたテトラヒドロフラン
溶液300mlを加え、室温で所定時間反応させた。発熱
が終了した時点、およそ6時間で反応を停止した。そし
て、反応混合物を2mol/l硫酸で洗浄したのち、エーテ
ルで抽出し、減圧蒸留によって3mmHg、72℃で精製し
た。生成物はNMRの結果から4−アリルスチレンであ
ることを確認した。この4−アリルスチレンの構造式
(D)を下記に示す。
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】(参考例2)参考例1で得られた構造式
(D)で示される4−アリルスチレンを用いてモノシリ
ルアリスチレンを製造した。まず、アルゴン雰囲気下で
ジイソプロピルアミン10mmolを含むテトラヒドロフラ
ン溶液20mlにn−ブチルリチウム5mmolを加え、リチ
ウムジイソプロピルアミドを生成させた。ついで、下記
に示した反応式(II)に従って、−30℃において上
記リチウムジイソプロピルアミドに4−アリルスチレン
5mmolを加えると溶液は紫色を呈し、リチオ化アリルス
チレンが生成した。さらに、−30℃において上記リチ
オ化アリルスチレンにトリメチルシリルクロリド5.5
mmolを含むテトラヒドロフラン溶液5.5mlを添加して
1時間反応させた。この溶液をエバポレートしてテトラ
ヒドロフラン、ジイソプロピルアミン等を留去したの
ち、減圧蒸留して精製した。生成物を質量分析、NMR
の結果、トリメチルシリルアリルスチレンのモノシリル
化体である下記構造式(E)で示される4−[(3−ト
リメチルシリル)−1プロペニル]スチレンであった。
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】(実施例1)まず、参考例2で得られた上
記構造式(E)で示される4−[(3−トリメチルシリ
ル)−1プロペニル]スチレンをベンゼンに溶解して
2.14mol/lの溶液を調整した。単量体に対して
0.01等量のアゾビスイソブチルニトリルを加え、ア
ンプル内を窒素パージして封管した。これを60℃で9
1時間反応させた。メタノールで洗浄して下記構造式
(δ)で示される重合単位からなる珪素含有重合体を沈
澱として得た。この珪素含有重合体の収率、数平均分子
量、重量平均分子量、ベンゼン溶解性を調べた。分子量
の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで
測定した。結果を下記表1に示す。
【0053】
【化24】
【0054】(実施例2)単量体溶液濃度を4.18m
ol/l、重合時間を22時間とした以外は実施例1と
同様にして上記構造式(δ)で示される重合単位と同様
の重合単位からなる珪素含有重合体を得た。この珪素含
有重合体の収率、数平均分子量、重量平均分子量、ベン
ゼン溶解性を実施例1と同様にして調べた。結果を下記
表1に示す。
【0055】(実施例3)重合時間を28時間にした以
外は実施例2と同様にして上記構造式(δ)で示される
重合単位と同様の重合単位からなる珪素含有重合体を得
た。この珪素含有重合体の収率、数平均分子量、重量平
均分子量、ベンゼン溶解性を実施例1と同様にして調べ
た。結果を下記表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1中、Mnは数平均分子量を表す、Mwは
重量平均分子量を表す。実施例1の珪素含有重合体は、
数平均分子量20,000、重量平均分子量42,00
0であった。一般にジビニルベンゼンをラジカル重合す
ると不溶性高分子が得られることが知られているが、こ
の実施例1および2で得られた珪素含有重合体はベンゼ
ンに可溶であった。これは、トリメチルシリル基がアリ
ル基に導入されているために、アリル基の架橋反応が抑
制されたためと考えられる。
【0058】(実施例4)実施例1で得られた珪素含有
重合体をベンゼンに溶解し、5重量%溶液を調整した。
ろ紙でろ過した溶液を清浄なガラス板にのせたポリプロ
レン多孔質膜(ダイセル化学工業株式会社製 セルガー
ド2400)に塗り、溶媒をゆっくり揮散させて複合膜
を得た。真空乾燥したのち複合膜を剥離して気体透過セ
ルに装着し、セル内部をいったん真空引きした。複合膜
の片方から酸素と窒素を別々に加え、各々が反対側へ透
過するようすを真空度の変化によって観察した。その結
果、酸素の窒素に対する分離係数は3.5であり、この
珪素含有重合体が酸素を選択的に透過する性質を有する
ことが判った。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、上
記構造式(A)および/または(B)で示される単量体
を重合させることで、上記構造式(α)または(β)ま
たは(γ)で示される重合単位よりなり、重量平均分子
量が1,000ないし2,000,000である珪素含
有重合体を始めて製造することができる。
【0060】本発明によって得られる珪素含有重合体
は、側鎖に珪素原子を有する機能性高分子であり、フォ
トレジストや電子線レジスト用として有用であり、ま
た、シリル基を有するので気体透過性が高く気体分離膜
としても有用である。このような珪素含有重合体を混入
することでシリコーンオイル、グラスファイバー等との
密着性がよくなり、複合材料の改質剤としても有用であ
る。また、珪素原子による難燃効果から難燃剤への利用
が考えられる。さらに、架橋構造を有するので、機械的
強度が大きく、耐溶剤性の高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(α)または(β)で示され
    る重合単位よりなり、重量平均分子量が1,000ない
    し2,000,000であることを特徴とする珪素含有
    重合体。 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素または炭
    素数1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基を表わし、この時、R1ないしR6はそれぞれ同じ基、
    または異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素
    数も同じ数または異なる数である。nは0または1また
    は2を表わし、mは0または1を表わす。)
  2. 【請求項2】 下記構造式(A)または(B) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素または炭
    素数1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基を表わし、この時、R1ないしR6はそれぞれ同じ基、
    または異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素
    数も同じ数または異なる数である。nは0または1また
    は2を表わし、mは0または1を表わす。)で示される
    単量体を重合させることを特徴とする下記構造式(α)
    または(β)で示される重合単位よりなり、重量平均分
    子量が1,000ないし2,000,000である珪素
    含有重合体の製造方法。 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素または炭
    素数1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基を表わし、この時、R1ないしR6はそれぞれ同じ基、
    または異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素
    数も同じ数または異なる数である。nは0または1また
    は2を表わし、mは0または1を表わす。)
  3. 【請求項3】 下記構造式(γ)で示される重合単位よ
    りなり、重量平均分子量が1,000ないし2,00
    0,000であることを特徴とする珪素含有重合体。 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R
    9、R10、R11、R12は水素または炭素数1から10の
    アルキル基、アリール基、アラルキル基を表わし、この
    時、R1ないしR12はそれぞれ同じ基、または異なる基
    であり、かつそれぞれの基における炭素数も同じ数また
    は異なる数である。nは0または1または2を表わし、
    mは0または1を表わす。またXは1より大なる正の整
    数を表わし、Yは1より大なる正の整数を表わす。)
  4. 【請求項4】 下記構造式(A)および(B) 【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は水素または炭
    素数1から10のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基を表わし、この時、R1ないしR6はそれぞれ同じ基、
    または異なる基であり、かつそれぞれの基における炭素
    数も同じ数または異なる数である。nは0または1また
    は2を表わし、mは0または1を表わす。)で示される
    単量体を重合させることを特徴とする下記構造式(γ)
    で示される重合単位よりなり、重量平均分子量が1,0
    00ないし2,000,000である珪素含有重合体の
    製造方法。 【化6】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R
    9、R10、R11、R12は水素または炭素数1から10の
    アルキル基、アリール基、アラルキル基を表わし、この
    時、R1ないしR12はそれぞれ同じ基、または異なる基
    であり、かつそれぞれの基における炭素数も同じ数また
    は異なる数である。nは0または1または2を表わし、
    mは0または1を表わす。またXは1より大なる正の整
    数を表わし、Yは1より大なる正の整数を表わす。)
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