JPH0693026A - 離型剤およびそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

離型剤およびそれを用いた樹脂組成物

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JPH0693026A
JPH0693026A JP5196829A JP19682993A JPH0693026A JP H0693026 A JPH0693026 A JP H0693026A JP 5196829 A JP5196829 A JP 5196829A JP 19682993 A JP19682993 A JP 19682993A JP H0693026 A JPH0693026 A JP H0693026A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着性、ホットオフセット性および流動
性に優れたトナー用電荷付与離型剤を得る。 【構成】 無水マレイン酸で変性した熱減成低分子量ポ
リエチレンに、メタノール、ステアリルアルコール、ジ
メチルエタノールアミン等を反応させ、次いでエポキシ
基を有する有機ポリシロキサン化合物を反応させた、ト
ナー用電荷付与離型剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は離型剤およびそれを用い
た樹脂組成物に関する。詳しくは、電子写真トナーに適
した離型剤およびそれを用いた樹脂組成物に関する。さ
らに詳しくは、トナ−に主として負の荷電を付与する離
型剤およびそれを用いた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真や静電記録において、離型剤と
して、低分子量ポリプロピレン(特公昭52−3304
号公報)がよく知られている。また熱定着方式のトナー
の低温定着性とオフセット性の改良を目的として、エチ
レン性不飽和シラン化合物のグラフトワックスを使用す
る方法(特開昭63−282751号公報)、有機シラ
ン化合物で変性された特定のポリオレフィン樹脂からな
る離型剤およびアミノ基を有する有機シラン化合物によ
り変性されたポリオレフィン樹脂からなる正に帯電する
トナー用離型剤(英国特許出願 公開No.22346
02)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
低分子量ポリプロピレンは通常融点または軟化点が高い
ため、最近の定着温度のさらなる低温化の要求を満たし
得ない。そこで低融点化の試みがなされているが、トナ
ーの流動性が低下するという問題点がある。融点の低い
天然ワックス、ポリエチレンワックスのような合成ワッ
クスおよびこれらの不飽和カルボン酸変性体は離型性お
よび流動性が悪く、さらにトナーの凝集が起こりやす
い。エチレン性不飽和シランでグラフトしたポリエチレ
ンワックスは、正帯電の帯電特性を有するので、市場で
広範囲に普及している負帯電性トナーを使用して現像す
る複写機に使用するには多くの荷電制御剤を必要とすと
いう問題もある。また、従来の離型剤のいくつかは荷電
調整剤あるいはトナー用バインダー樹脂とはお互いに相
溶性が悪いため分散不良あるいはブリードアウトを引き
起こす。これがしばしばトナーの品質の安定化を阻害し
ている。本発明の第1の目的はトナーの低温定着を可能
ならしめる離型剤を提供することである。第2の目的
は、トナーの耐ホットオフセット性を改善せしめる離型
剤を提供することである。第3の目的は低融点で流動性
に優れた離型剤を提供することである。第4の目的は、
バインダー樹脂あるいは荷電調整剤と相溶性のよい離型
剤を提供することである。第5の目的は、従来の離型剤
とは相溶性の悪いポリエステル系のトナー用バインダー
中にもミクロに分散しえる離型剤を提供することであ
る。第6の目的はトナーに主として負帯電性を付与する
離型剤を提供することである。第7の目的はトナーに低
温定着性、耐ホットオフセット性、負帯電性あるいは離
型性を付与する樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討した結果本発明に到達した。すな
わち本発明は、エチレン性不飽和ジカルボン酸変性ポリ
オレフィンまたは該変性ポリオレフィンとアルコール、
アミンおよびアミノアルコールから選ばれる活性水素化
合物との反応生成物と、水酸基またはエポキシ基を有す
る有機ポリシロキサンとを反応させて得られる離型剤;
並びに上記の離型剤0.1〜10重量%とバインダー樹
脂90〜99.5重量%とからなる樹脂組成物である。
【0005】本発明におけるポリオレフィンとしては、
ポリエチレン系樹脂[高密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと他の1種以
上のビニル化合物(例えばα-オレフィン、酢酸 ビニ
ル、メタアクリル酸、アクリル酸等)との共重合体
等]、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピ
レンと他の1種以上のビニル化合物との共重合体等)、
ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、及びこれ
ら2種以上のブレンド物が挙げられる。該ポリオレフィ
ンの数平均分子量は、通常500〜100,000、好
ましくは1,000〜20,000である。また、該ポ
リオレフィンのうち好ましいものは、高分子量ポリオレ
フィンの熱減成により得られる低分子量ポリオレフィン
樹脂である。特に低融点の離型剤を得るには、熱減成法
により得られる低分子量ポリエチレン系樹脂がさらに好
ましい。このような低分子量ポリエチレンの数平均分子
量は、1,000〜20,000である。
【0006】本発明におけるエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸としては、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、及びこれらの無水物が挙げられる。これ
らのうち好ましいものは、無水マレイン酸である。該ジ
カルボン酸のポリオレフィンに付加される量は、得られ
た変性ポリオレフィンの重量に基づいて通常0.5〜3
0重量%である。好ましいのは1〜20重量%である。
【0007】本発明におけるアルコ−ルとしては、1価
アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等)、
多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ビスヒドロキシエト
キシベンゼン、グリセリン、ペンタエリスリトール)が
挙げられる。アミンとしては、炭素数1〜18の有機ア
ミンが使用できる。このようなアミンとしてはモノアミ
ン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミ
ン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等)、多価アミ
ン(エチレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、シ
クロヘキサンジアミン、トリレンジアミン、イソフォロ
ンジアミン等)、トリアミン(ジエチレントリアミン)
が挙げられる。アミノアルコ−ルとしてはモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノール
アミン、N−エチルエタノールアミン等)、N,N−ジ
メチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノール
アミン、N,N−ジメチルプロパノールアミンが挙げら
れる。これらのうち好ましいものは、炭素数1〜18の
1価アルコール、およびアミノアルコ−ルである。
【0008】エチレン性不飽和ジカルボン酸変性ポリオ
レフィンは、ポリオレフィンと不飽和ジカルボン酸を、
必要により有機過酸化物の存在下、120〜180℃に
加熱し、0.5〜10時間、溶液中または溶融下で反応
させることにより製造することができる。また、エチレ
ン性不飽和ジカルボン酸変性ポリオレフィンは、ポリオ
レフィンと該酸のエステル、アミドあるいはイミドとを
必要により有機過酸化物の存在下、溶液中または溶融下
で反応させ、その後加水分解することにより製造するこ
ともできる。このような不飽和ジカルボン酸の誘導体と
しては不飽和ジカルボン酸エステル(マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ブチル等)、不飽
和ジカルボン酸アミド(マレイン酸アミド等)および不
飽和ジカルボン酸イミド(マレイン酸イミド等)等が挙
げられる。
【0009】変性ポリオレフィンと活性水素化合物との
反応物は、変性ポリオレフィンと、該変性ポリオレフィ
ン中の不飽和ジカルボン酸の由来する酸価に基づいて通
常0.1〜3倍モル、好ましくは0.4〜2.2倍モル
の活性水素化合物とを、必要により触媒および溶剤の存
在下で60〜240℃に加熱し、0.5〜20時間反応
させることによって得られる。過剰量の活性水素化合物
を用いた場合、未反応の活性水素化合物を減圧留去また
は溶剤抽出によって除去することが好ましい。このよう
な触媒としてはアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩および第3級アミンである。また、変性ポリオレフィ
ンとアルコ−ルとの反応物は変性ポリオレフィンとアル
コ−ルの代わりに該アルコ−ルのエステルを用いてエス
テル交換反応させることによっても得られる。それ故、
アルコ−ルやアミンと同一の反応挙動を示すそれらのマ
スクド化合物、たとえばエステル、アミドおよびイミド
も本発明における活性水素化合物に包含される。本発明
によれば、エチレン性不飽和ジカルボン酸変性ポリオレ
フィンと活性水素化合物との反応生成物は、エチレン性
不飽和ジカルボン酸から由来するカルボキシル基を有す
るものが好ましい。
【0010】本発明において、水酸基を有する有機ポリ
シロキサン化合物、エポキシ基を有する有機ポリシロキ
サン化合物はオイルであっても樹脂状であってもよく、
代表的には下記の一般式で表される。 ただし、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ドデシ
ル基、フェニル基、β−フェニルエチル基、3,3,3
−トリフルオロプロピル基のような置換(例えば弗素、
臭素または塩素などのハロゲン基)もしくは非置換の1
価炭化水素基である。Xはエポキシ基および/または水
酸基を有する有機基(エーテル酸素原子を有していても
よい炭化水素基)である。Xとしては−(AO)nQ、
−Z(OA)nOH[A:炭素数2〜4のアルキレン
基、n:0または1以上(好ましくは0〜5)の整数、
Q:炭素数2〜10の線状または環状のエポキシ基を有
するアルキル基、Z:炭素数2〜10の芳香環を有して
いてもよいアルキル基]で示される基、例えばグリシジ
ル基、グリシジルオキシアルキル基、3,4−オキソシ
クロヘキシルアルキル基のようなエポキシ基を有するエ
ーテル酸素原子を有していてもよい1価炭化水素基また
はヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソブチル基、ヒ
ドロキシフェネチル基、ヒドロキシエチルポリオキシエ
チレンアルキル基、ヒドロキシプロピルポリオキシプロ
ピレンアルキル基のような水酸基を有するエーテル酸素
原子を有していてもよい1価炭化水素基である。p,q
は0または1以上の数、ただしp+q=10〜1,00
0である。1分子中のRはすべて同一または異なってい
てもよい。このようなポリシロキサンとしてはポリ(ジ
メチルシロキサン、メチル,ヒドロキシエトキシプロピ
ルシロキサン)、ポリ(ジメチルシロキサン、メチル,
グリシジロキシプロピルシロキサン)、ポリ(ジメチル
シロキサン、メチル,3,4オキソシクロヘキシルエチ
ルシロキサン)が挙げられる。
【0011】水酸基を有する有機ポリシロキサン化合物
は信越化学(株)からX−22−160AS(水酸基
価:112)、KF−6001(水酸基価:62)、K
F−6002(水酸基価:35)、KF−6003(水
酸基価:96)、KF851、X−22−801とし
て、また日本ユニカ−からF−235−21、FZ−3
722、FZ−3711、F−235−22、F−23
5−71、F−235−72、F−235−73、F−
235−74、F−235−75、FZ−3748、F
Z−3749として市販されている。水酸基を有する有
機ポリシロキサン化合物の水酸基価は通常5〜300で
ある。
【0012】エポキシ基を有する有機ポリシロキサン化
合物は、信越化学(株)からX−22−163AS(エ
ポキシ当量:490)、X−22−163A(エポキシ
当量:950)、X−22−163B(エポキシ当量:
1760)、X−22−163C(エポキシ当量:27
90)、X−22−163E(エポキシ当量:4,00
0)、X−22−163F(エポキシ当量:6,10
0)、X−22−169A(エポキシ当量:980)、
X−22−169B(エポキシ当量:1,670)、K
F100T、KF101(エポキシ当量:340)、K
F102(エポキシ当量:4,000)、KF103X
−60−164、X−22−343、X−22−367
として、また日本ユニカ−からL−9300、FZ−3
720、F−217−31、F−217−32、F−2
39−41、F−239−42、F−217−41、F
−217−42、FZ−3736、F−239−51、
F−239−52として市販されている。これらのう
ち、好ましいものはエポキシ基を有する有機ポリシロキ
サン化合物であり、さらに好ましいのはエポキシ当量が
200〜10,000のエポキシ基を有する有機ポリシ
ロキサン化合物である。
【0013】本発明における変性ポリオレフィン、また
は該変性ポリオレフィンと活性水素化合物との反応物
と、有機ポリシロキサンとの反応物は、変性ポリオレフ
ィンまたは該反応物と有機ポリシロキサンとを通常カル
ボキシル基とポリシロキサン中の水酸基またはエポキシ
基との当量比で0.5〜2の割合で必要により触媒の存
在下、80〜260℃に加熱し、0.5〜16時間反応
させることにより製造することができる。
【0014】好ましい離型剤は、分子中に0.01〜5
重量%のSi原子をもつものである。0.01重量%未
満では、トナーとした場合ホットオフセット性とトナー
への電荷付与性が不十分であり、5重量%を超えるとゲ
ル化を起こし易く離型剤の製造が困難になるうえホット
オフセット性も不十分になる。特に好ましい離型剤は、
ポリオレフィンが熱減成により得られた数平均分子量
1,000〜20,000のポリオレフィンを無水マレ
イン酸で変性し、次いで炭素数1〜8の1価アルコール
で半エステル化し、さらにこのエステル化物とエポキシ
基を有するポリシロキサンと反応させたものである。
【0015】本発明におけるバインダ−樹脂としては、
例えばビニルモノマーの重合体(ポリオレフィン、ポリ
ビニルブチラール、スチレン系モノマーの単独もしくは
共重合体、アクリル酸エステルの単独重合体など)、ポ
リウレタン、ポリアミド、ロジン、テルペン樹脂、フェ
ノール樹脂、石油樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキ
シ樹脂が挙げられる。適当なポリオレフィンとしては、
ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルが挙げ
られる。適当なスチレン系モノマーの単独重合体として
はポリスチレン、ポリビニルトルエンがあげられる。適
当なスチレン系モノマーの共重合体としては、スチレン
/p−クロロスチレン、スチレン/ビニルトルエン、な
どの置換スチレンとの共重合体およびスチレン/アクリ
ル酸メチル、スチレン/アクリル酸エチル、スチレン/
アクリル酸ブチル、スチレン/アクリル酸オクチル、ス
チレン/メタクリル酸ブチル、スチレン/マレイン酸エ
ステル、スチレン/フマール酸エステルなどのスチレン
/エチレン性不飽和エステル共重合体、およびスチレン
/ブタジエンのようなスチレン/ジエン共重合体が挙げ
られる。スチレン系モノマーの共重合体はコモノマーと
してジビニルベンゼンあるいはエチレングリコールジメ
タクリレートのような架橋性モノマーを使用して得られ
る架橋性共重合体も包含される。ポリエステル樹脂は線
状または非線状であってもよい。適当なポリエステル樹
脂は、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ブ
タンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、p−キシリレ
ングリコ−ル、シクロヘキサンジオ−ル、シクロヘキサ
ンジメタノ−ル、グリセリン、ペンタエリスリト−ル、
ビスフェノ−ルAのアルキレンオキシド(エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド)付加物、フェノール樹脂
(核体数;3〜20)のアルキレンオキシド(エチレン
オキシド、プロピレンオキシド)付加物のような多価ア
ルコ−ルと、フマ−ル酸、マレイン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、テレ
フタ−ル酸、イソフタ−ル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリ
チック酸、トリメシック酸、4−ネオペチリデニル−
1,2,6,7−ヘプタンテトラカルボン酸のような多
価カルボン酸とから誘導されるものである。好ましいの
はスチレン系モノマーまたはアクリルモノマ−の単独重
合体または共重合体およびポリエステル樹脂である。さ
らに好ましいのはMn=2,000〜15,000、M
w/Mn≧30の特性をもつ、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル、スチレン、フマ−ル酸モノまたは
ジエステル、アクリロニトリル、メタクリル酸、アクリ
ルアミド、メタクリルアミドから選ばれるビニルモノマ
−の重合体からなる高分子組成物、アルコ−ル成分とし
てフェノ−ル樹脂のアルキレンオキシド付加物を使用し
て得られるポリエステル樹脂組成物、およびアルコ−ル
成分としてビスフェノ−ルAのアルキレンオキシド付加
物を、酸成分としてトリメリット酸を含有する多価カル
ボン酸を使用して得られるポリエステル樹脂である。
【0016】ビニルモノマーの重合体は、重合開始剤と
してモノパ−オキシドを使用することなしに、または使
用して比較的低温で塊状重合を行い、その後溶剤と重合
開始剤を添加し、さらに溶液重合により継続する二段重
合法をとることによって得られる。反応温度は80〜1
50℃、塊状重合率は30〜90重量%が好ましい。ま
た、このような高重合体はポリパ−オキシドを用いて、
塊状重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合を行う
ことによっても得られる。ポリパ−オキシドを用いる
と、短工程でより高い分子量の重合体が得られる。この
ようなパ−オキシドとしては、1,1,−ジ−t−ブチ
ルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,3−ビス−(t−ブチルパ−オキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−
ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン−3、トリ
ス−(t−ブチルパ−オキシ)トリアジン、1,1−ジ
−t−ブチルパ−オキシシクロヘキサン、2,2−ジ−
t−ブチルパ−オキシブタン、4,4−ジ−t−ブチル
パ−オキシバレリックアシッド−ン−ブチルエステル、
ジ−t−ブチルパ−オキシヘキサハイドロテレフタレ−
ト、ジ−t−ブチルパ−オキシアゼレ−ト、ジ−t−ブ
チルパ−オキシトリメチルアジペ−ト、2,2−ビス−
(4,4−ジ−t−ブチルパ−オキシシクロヘキシル)
プロパンおよび2,2−t−ブチルパ−オキシオクタン
が挙げられる。これらのうち好ましいのは1,1,−ジ
−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシシクロ
ヘキサン、ジ−t−ブチルパ−オキシヘキサハイドロテ
レフタレ−ト、ジ−t−ブチルパ−オキシアゼレ−トお
よび2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパ−オキ
シシクロヘキシル)プロパンである。
【0017】本発明の樹脂組成物は、本発明の離型剤
0.5〜30重量%好ましくは1〜5重量%を、バイン
ダー樹脂99.5〜70重量%好ましくは99〜95重
量%を含有する溶液に溶解または分散し、次いで溶剤を
除去するか、または両成分を溶融状態下で、混合するこ
とによって得られる。また、該樹脂組成物は本発明の離
型剤の存在下、前記のビニルモノマ−あるいは前記の多
価アルコ−ルと多価カルボン酸との組合せを付加重合あ
るいは縮重合することによっても得られる。縮重合する
場合、多価カルボン酸を用いるよりもその低級エステル
を用いる方が好ましい。
【0018】トナーは、本発明の樹脂組成物、着色剤
(カーボン、鉄黒、ベンジジンイェロー、キナクリド
ン、ローダミンD、フタロシアニン等)、荷電調整剤
[ボントロンE−82、ボントロンS−34(いずれも
オリエント製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学
製)等]、および必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニ
ッケル、マグネタイト、フェライト等)あるいはキャリ
アー粒子(ガラスビーズ等)等と混練後微粉砕し、所定
の粒度分布範囲に調整し、疎水性コロイダルシリカ微粉
末を混合することにより製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下記載
において部および%はそれぞれ重量部および重量%を意
味する。
【0020】離型性の評価 離型性は、離型剤、バインダ−樹脂、着色剤、流動性改
良剤、荷電調節剤およびキャリア−からなる電子写真用
現像剤について耐ホットオフセット性とフィルミング性
の点から評価した。
【0021】耐ホットオフセット性 市販の熱定着方式の複写機(メ−カ−東芝、型番BD−
7720)を使用して、紙にトナ−像を転写し、転写さ
れた紙上の未定着のトナ−像を市販の複写機(メ−カ
−:シャ−プ、型番SF−8400A)の定着温度を可
変すべく改造された定着機で、A4紙35枚/分のスピ
−ドで定着させた。この定着機でホットオフセットが発
生するヒートロール温度を測定した。
【0022】フィルミング性 上記の東芝製複写機(東芝製)を用いて、連続30,0
00枚のコピ−を行った後の感光体へのトナ−の融着お
よび汚れを目視観察した。
【0023】流動性の評価 流動性は、嵩高密度の点から評価した。嵩高密度大ほど
流動性が優れている。嵩高密度はバインダ−樹脂、離型
剤およびキャリア(日本鉄粉製、キャリアF150)の
混合物をパウダーテスター(ホソカワミクロン製)にて
測定した。
【0024】帯電性 本発明の樹脂組成物とキャリア(日本鉄粉製、キャリア
F150)との混合物をそれぞれ100mlの広口瓶に
とり、栓をし前記ターブラーシェーカーミキサーにて5
0rpmで混合することにより摩擦させた。所定摩擦時
間毎にブローオフ帯電量測定装置(東芝製)を用いて、
23℃、50%RHの恒温恒湿下で、帯電量を測定し
た。
【0025】融点 離型剤の融点はセイコ−電子工業(株)製融点測定機
(モデル:RDC220)を用いて、昇温速度10℃/
分の条件で測定した。主吸収ピ−クを融点とした。
【0026】最低定着温度 トナ−30gとフェライトキャリア−F−100、72
0gとを混合し、現像剤を作成した。可変の定着ロ−ル
をつけて改造された市販の複写機(感光体は有機感光
体)で、定着ロ−ラ−の回転速度を150mm/sec
に設定して、ヒ−トロ−ルを種々変えて、良好な画像を
得る最低の定着温度を測定した。
【0027】バインダ−樹脂(A)の製造 (高分子量重合体の製造)スチレン480部、アクリル
酸n−ブチル120部、1,6−ヘキサンジアクリレ−
ト0.1部および2,2−ビス−(4,4,−ジ−t−
ブチルパ−オキシシクロヘキシル)プロパン0.3部の
混合物を窒素雰囲気下、95℃で3時間重合させた。次
にキシレン150部を加え、さらに95℃で4時間重合
させ、続いて120℃で2時間重合させた。生成した重
合物にさらにジ−t−ブチルパ−オキシド0.6部を加
え、2時間かけて160℃まで昇温し、同温度で1時間
保持することによって重合を完結させた。
【0028】(低分子重合体の製造)1リットルのガラ
ス製オ−トクレ−ブにキシレン300部を投入し、十分
に窒素置換した後、200℃に昇温した。同温度で、ス
チレン630部、アクリル酸n−ブチル73部およびジ
−t−ブチルパ−オキシド8部の混合物を3時間かけて
滴下し、滴下終了後1時間同温度で保持することによっ
て、重合を完結させた。得られた重合体は重量平均分子
量6,000、重量平均分子量と数平均分子量の比は
2.3、分子量が1,000〜30,000の領域をも
つ重合体は91面積%であった。
【0029】(上記高分子重合体および低分子重合体か
らなるバインダ−の製造)上記高分子重合体のキシレン
溶液(濃度70%)1,000部と上記低分子重合体の
キシレン溶液(濃度80%)750部を混合し、該混合
溶液が均一になるまで、還流下で加熱した後、減圧下で
溶剤を留去することによってバインダ−を得た。このバ
インダ−は重量平均分子量が30万、ガラス転移点が5
9℃、GPC測定による分子量が30万以上の重合体の
含有量が28面積%、分子量1,000〜30,000
の重合体の含有量が47面積%、重量平均分子量と数平
均分子量の比は66、GPCチャ−ト上の谷が、分子量
35,000の位置にあり、その谷の高さは最も高い山
の高さの13%であった。
【0030】実施例1 キシレン1,500部中に、低分子量ポリプロピレン
(重量平均分子量8,500、数平均分子量2,30
0、160℃での溶融粘度0.7ポイズ)900部と無
水マレイン酸100部を加熱分散させ、ジクミルパーオ
キサイド10部を添加し、95〜110℃で4時間反応
させた後、キシレンを留去してマレイン化ポリプロピレ
ンを得た。酸価60、マレイン化率5.2%であった。
次に、キシレン150部に、マレイン化ポリプロピレン
100部と水酸基を有する有機ポリシロキサン化合物
(信越化学製、KF151)3部を加え、140℃で2
時間反応させた。キシレンを留去し、離型剤[1]を得
た。離型剤[1]の融点は99℃であった。
【0031】実施例2 キシレン600部に、実施例1のマレイン化ポリプロピ
レン400部、ラウリルアルコール80部と苛性ソーダ
1部を添加し、180〜215℃で10時間反応させた
後、未反応のアルコ−ルとキシレンを留去し酸価22の
反応物を得た。これにエポキシ基を有する有機ポリシロ
キサン化合物(信越化学製、KF101)16部を加
え、190〜195℃で5時間反応させ、酸価9の離型
剤[2]を得た。離型剤[2]の融点は126℃であっ
た。
【0032】実施例3 キシレン600部に、熱減成低分子量ポリエチレン(重
量平均分子量:4,000、数平均分子量:3,30
0)を無水マレイン酸で変性したマレイン化ポリエチレ
ン(三洋化成製、ユーメックス2,000)400部、
メタノール25部および苛性ソーダ1部を添加し、95
〜110℃で5時間反応させた後、未反応のアルコール
とキシレンを留去し、酸価29の半エステル化物を得
た。これにエポキシ基を有する有機ポリシロキサン化合
物(信越化学製、KF101(エポキシ当量:34
0))12部を添加し、170〜190℃で6時間反応
させ、離型剤[3]を得た。酸価は12、融点は100
℃であった。
【0033】実施例4 実施例3のマレイン化ポリエチレン400部、ステアリ
ルアルコール400部と苛性ソーダ1部の混合物を、2
00〜230℃で6時間反応させた後、未反応のアルコ
ールを留去した。これにエポキシ基を有する有機ポリシ
ロキサン化合物(信越化学製、KF102(エポキシ当
量:4,000))16部を添加し190〜210℃で
5時間反応させ、離型剤[4]を得た。酸価は5、融点
は102℃であった。
【0034】実施例5 キシレン600部に、実施例3のマレイン化ポリエチレ
ン400部とジメチルエタノールアミン19部を加え、
190〜210℃で4時間反応させた後、未反応のアミ
ノアルコ−ルとキシレンを留去しアミン価26の反応物
を得た。これにエポキシ基を有するポリシロキサン化合
物(信越化学製、KF101)12部を添加し190〜
210℃で5時間反応させ、離型剤[5]を得た。この
ものの融点は104℃であった。
【0035】実施例6 前記バインダー樹脂(A)87部、実施例1の離型剤4
部、カーボンブラック(三菱化成製、MA−100)8
部および荷電調整剤(保土谷化学製、スピロンブラック
TRH)1部を、ラボプラストミル(東洋精機製)にて
140℃、30rpmで10分混練した。混練物をジェ
ットミルPJM100(日本ニューマチック製)で微粉
砕し、粉体気流分級機MSD(日本ニューマチック製)
で、2ミクロン以下の微粉をカットした。得られた各粉
体1,000部とアエロジルR972(日本アエロジル
製)3部を均一に混合して、トナーを作成した。トナー
25部と電子写真用キャリアー鉄粉(日本鉄粉製、F−
150)1,000部を均一に混合し、現像剤[1]を
得た。この現像剤の耐ホットオフセット性およびフィル
ミング性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】実施例7〜10と比較例1〜3 実施例2〜5の離型剤と市販のパラフィンワックス(融
点約70℃)、低分子量ポリプロピレン(三洋化成製、
ビスコール550P、融点140℃)、低分子量ポリエ
チレン(三洋化成製、サンワックス151P(融点10
3℃)を用いる以外、実施例6と同様にして現像剤
[2]〜[8]を作成した。これらの現像剤の耐ホット
オフセット性およびフィルミング性の評価を行った。結
果を表1に示す。
【0037】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 離型性 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 現像剤 離型剤 耐ホットオフセット性 フィルミング性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例6 [1] [1] 220℃以上 トナ-の融着、汚れ殆どなし 7 [2] [2] 220℃以上 トナ-の融着、汚れ殆どなし 8 [3] [3] 220℃以上 トナ-の融着、汚れ殆どなし 9 [4] [4] 220℃以上 トナ-の融着、汚れ殆どなし 10 [5] [5] 220℃以上 トナ-の融着、汚れ殆どなし 比較例1 [6] ハ゜ラフィンワックス 140℃ 多い 2 [7] Viscol550p 205℃ やや多い 3 [8] Sanwax151p 180℃ 多い −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0038】実施例11〜12と比較例4〜5 前記バインダー樹脂(A)100部と、実施例1、3の
離型剤、比較例1、2の離型剤各4部を前記ラボプラス
トミルにて150〜155℃、70rpmで20分混練
した。混練物を前記ジェットミルで微粉砕し、前記粉体
気流分級機で2ミクロン以下をカットし、それぞれ本発
明の樹脂組成物[1」〜「4]を得た。これらの嵩高密
度を表2に示す。
【0039】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 樹脂組成物 嵩高密度 使用された離型剤(融点、℃) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例11 [1] 0.24 実施例1の離型剤(99) 12 [3] 0.25 実施例3の離型剤(100) 比較例4 [3] 0.22 比較例1の離型剤(70) 5 [4] 0.23 比較例2の離型剤(140) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0040】実施例13〜14と比較例6〜7 前述の現像剤[2]、[3]、[7]、[8]にそれぞ
れ使われた対応する各トナ−4部と、キャリア(日本鉄
粉製、キャリアF150)100部を混合し、これらの
帯電量を測定した。測定結果を表3に示す。
【0041】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料 摩擦時間 帯電量 (分) (μC/g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.0 - 5.6 実施例 13 3.0 -11.8 20.0 -30.5 60.0 -44.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.0 - 3.7 実施例 14 3.0 - 7.9 20.0 -23.0 60.0 -35.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.0 - 0.1 比較例 6 3.0 - 0.3 20.0 - 2.3 60.0 - 6.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1.0 - 0.1 比較例 7 3.0 - 0.2 20.0 - 2.1 60.0 - 5.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0042】実施例15 キシレン75部と離型剤23.5部の混合物を還流温度
まで昇温した後、スチレン69部、アクリル酸n−ブチ
ル24部、マレイン酸モノブチル6部、ジビニルベンゼ
ン1.4部およびジ−t−ブチルパ−オキシド1.0部
の混合物を一定の滴下速度で滴下し、滴下終了後4時間
かけて重合した。溶剤を留去後、ガラス転移点57℃、
メルトインデックス2.1の重合体組成物を得た。この
組成物は光学顕微鏡で観察すると、離型剤2が均一に分
散されていた。この組成物を実施例6と同様の方法で作
成した現像剤は耐オフセット性が220℃以上であっ
た。
【0043】実施例16 イソフタ−ル酸318部とビスフェノ−ルAのプロピレ
ンオキシド3モル付加物1,000部を重縮合し、ポリ
エステル樹脂1,240部を得た。この樹脂は数平均分
子量2,500、重量平均分子量5,000、ガラス転
移点36℃、溶融粘度50,000poise(75
℃)、酸価1.0mgKOH/g、水酸基価51mgK
OH/gであった。実施例2の離型剤を用いて、実施例
6と同じ方法で作成した現像剤を作成した。この現像剤
について、耐オフセット性、定着性および離型性を評価
した。その結果を表4に示す。
【0044】実施例17 オ−トクレ−ブ中にノボラックA455部を入れて反応
器内の空気を窒素で置換した。次いで、トリエチルアミ
ン1.5部を加え、120℃に昇温した。この温度でプ
ロピレンオキシド261部を徐々に圧入し、反応させ
た。揮発物を除去することによって、フェノ−ル樹脂の
プロピレンオキシド付加物(水酸基価:341)を得
た。この付加物60部、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンのプロピレンオキシド3.1モル付
加物(水酸基価:275)940部、テレフタ−ル酸3
76部をジブチルチンオキシド3.5部の存在下、窒素
気流下230℃で反応させた。その後200℃に冷却し
て、さらに減圧下で反応を継続した。このようにして酸
価3.0、ガラス転移点60℃、融点118℃のポリエ
ステル樹脂を得た。 実施例2の離型剤を用いて、実施
例6と同様の方法で現像剤を作成した。この現像剤につ
いて、耐オフセット性、定着性および離型性を評価し
た。その結果を表4に示す。
【0045】実施例18 ポリオキシエチレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(水酸基価:315)95
0部およびテレフタ−ル酸434部を230℃で酸価が
1.5になるまで、反応させた。190℃に冷却後、無
水トリメリット酸100部を加えて、さらに反応させ
た。このようにして、酸価21、ガラス転移点64℃、
軟化点143℃のポリエステル樹脂を得た。実施例2の
離型剤を用いて、実施例6と同様の方法で現像剤を作成
した。この現像剤について、耐オフセット性、定着性お
よび離型性を評価した。その結果を表4に示す。
【0046】比較例8 実施例16のポリエステル樹脂とViscol550P
(低分子量ポリプロピレンワックス、三洋化成製)を用
いる以外、実施例6と同様の方法で現像剤を作成した。
この現像剤について、耐オフセット性、定着性および離
型性を評価した。その結果を表4に示す。
【0047】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例15 実施例16 実施例17 実施例18 比較例8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−オフセット 発生温度 220℃以上 220℃ 220℃以上 220以上 180℃ 最低定着温度 140℃ 152℃ 139℃ 167℃ 155℃ 離型性 GOOD GOOD GOOD GOOD POOR −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0048】
【発明の効果】本発明の離型剤は、次のような効果を奏
し電子写真用トナーの配合成分としてきわめて有用であ
る。 1.本発明の離型剤を使用したトナーは、耐ホットオフ
セット性に優れ、キャリアーへのフィルミング物の付着
が少ない。 2.従来広く使用されている低分子量ポリプロピレン系
では不可能な低温定着領域でも優れた離型効果を発揮す
る。 3. 低温領域で使用されるワックス系は流動性は劣る
が、本発明の離型剤は低温で融解するにもかかわらず流
動性が向上しトナーの凝集もない。 4.一般に離型剤との相溶性の悪いポリエステル系のト
ナー用バインダー中にもミクロに分散する。 5.分散後の表面層への移動が実質的に起こらないた
め、本発明の離型剤を使用したトナーは品質的に安定し
た特性を有する。 6.負または正の電荷を強くかつ安定して付与するの
で、負電荷用トナーに使用する場合負の荷電調整剤の使
用量を、正電荷用トナーに使用する場合正の荷電調整剤
の使用量を、それぞれ減少することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 G03G 9/08 365

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和ジカルボン酸変性ポリ
    オレフィンまたは該変性ポリオレフィンとアルコール、
    アミンおよびアミノアルコールから選ばれる活性水素化
    合物との反応生成物と、水酸基またはエポキシ基を有す
    る有機ポリシロキサンとを反応させて得られる離型剤。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンが高分子量ポリオレフィ
    ンを熱減成して得られる低分子量ポリオレフィンである
    請求項1記載の離型剤。
  3. 【請求項3】 エポキシ基を有する有機ポリシロキサン
    が200〜10,000のエポキシ当量をもつ請求項1
    または2記載の離型剤。
  4. 【請求項4】 分子中に0.1〜5重量%の珪素原子を
    含有する請求項1〜3のいずれか記載の離型剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の離型剤か
    らなる電子写真トナー用の電荷付与離型剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載の離型剤
    0.1〜10重量%とバインダー樹脂90〜99.5重
    量%とからなる樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 バインダー樹脂がビニルモノマーの重合
    体またはポリエステル樹脂である請求項6記載の樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 バインダー樹脂がMn=2,000〜1
    5,000、Mw/Mn≧30である請求項6または7
    記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 バインダー樹脂の溶剤溶液に、該離型剤
    を溶解または分散し、次いで該溶剤を除去して得られる
    請求項6〜8いずれか記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 バインダー樹脂がビニルモノマーの重
    合体であって、該ビニルモノマーを、該離型剤の存在下
    で重合して得られる請求項6〜8いずれか記載の樹脂組
    成物。
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