JPH0692627B2 - 耐摩耗性のすぐれた摺動部材用炭化物分散型Fe基焼結合金 - Google Patents

耐摩耗性のすぐれた摺動部材用炭化物分散型Fe基焼結合金

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JPH0692627B2
JPH0692627B2 JP26049886A JP26049886A JPH0692627B2 JP H0692627 B2 JPH0692627 B2 JP H0692627B2 JP 26049886 A JP26049886 A JP 26049886A JP 26049886 A JP26049886 A JP 26049886A JP H0692627 B2 JPH0692627 B2 JP H0692627B2
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JP
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carbide
dispersed
based sintered
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sintered alloy
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照義 棚瀬
八郎 松永
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、相手部材との間に高い潤滑特性が要求され
る摺動部材、例えば液化天然ガス(LPG)を燃料として
使用する内燃機関のロツカーアームチツプやバルブリフ
ター摺動部などとして用いた場合にすぐれた耐摩耗性を
示す炭化物分散型Fe基焼結合金に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、LPG燃料を用いる内燃機関の摺動部材には、チ
ル鋳物や、P成分やB成分などを添加して液相焼結し、
もつて高密度となし、さらに基地中に(Fe,Cr)7C3などの
炭化物を分散させた炭化物分散型Fe基焼結合金が用いら
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、内燃機関の摺動部材にとつて、燃料としてLPG
を用いた場合、潤滑状態が悪く、かつ油膜切れを起し易
いことから、その使用条件はきわめて苛酷なものとな
り、上記のチル鋳物は勿論のこと、炭化物分散型Fe基焼
結合金でも、その炭化物の分散割合は高々30体積%であ
ることと合まつて、相手部材との間に金属凝着を起すよ
うになり、場合によつては深さが0.5mm程度にも及ぶス
カツフ摩耗が発生したり、相手部材であるカム材を著し
く損傷させるなどの問題点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、特に燃
料としてLPGを使用する内燃機関の摺動部材として適し
た材料を開発すべく研究を行なつた結果、重量%で(以
下、成分%は重量%を示す)、 C :4〜6.5%、 Cr:10〜40%、 Mo:5〜25%、 を含有し、さらに必要に応じて、 (a)W:0.1〜10%、 (b)Ti,Zr,Hf,V,Nb,およびTaのうちの1種または2種
以上:0.1〜5%、 以上(a)および(b)のいずれか、または両方を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、 71体積%以上の炭化物が分散した組織、 並びに97%以上の理論密度比、 を有する炭化物分散型Fe基焼結合金は、基地全体が炭化
物によつてほとんど埋めつくされ、基地の金属の露出が
少ない組織を有するので、相手部材との間に金属凝着を
起すことがないことから、潤滑状態が悪く、油膜切れが
あつても、スカツフ摩耗の発生がなく、すぐれた耐摩耗
性と低い相手攻撃性を示し、さらに高密度を有し、ポア
の形成も抑制されることから、ピツチング摩耗も防止さ
れるようになるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであつ
て、以下に成分組成、炭化物の分散割合、および理論密
度比を上記の通りに限定した理由を説明する。
(a)C C成分には、一部が基地に固溶して、これを強化するほ
か、残りがCr,Mo,およびFeと複炭化物を形成して、耐摩
耗性および耐凝着性を向上させる作用があるが、その含
有量が4%未満では、基地中に分散する炭化物の割合が
71体積%未満となつてしまい、所望の耐摩耗性および耐
凝着性を確保することができず、一方その含有量が6.5
%を越えると、遊離炭素が形成されるようになつて合金
強度が低下するようになることから、その含有量を4〜
6.5%と定めた。
(b)Cr Cr成分には、一部が基地に固溶して、これの耐熱性およ
び耐食性を向上させるほか、上記のように相手攻撃性の
低い複炭化物を形成して合金の耐摩耗性を向上させる作
用があるが、その含有量が10%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、一方その含有量が40%を越えると合
金強度が低下するようになることから、その含有量を10
〜40%と定めた。
(c)Mo Mo成分には、一部が基地に固溶して、これを強化するほ
か、形成された複炭化物の焼結時における粗大化を抑制
する作用があるが、その含有量が5%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が25%を越え
ると、強度低下をもたらすようになることから、その含
有量を5〜25%と定めた。
(d)W W成分には、一部が基地に固溶して、これを強化するほ
か、素地中に分散する複炭化物に固溶して、この炭化物
の硬さを高め、もつて耐摩耗性をより一層向上させる作
用があるので、相手部材が硬質材料で構成される場合な
どに必要に応じて含有されるが、その含有量が0.1%未
満では所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方その含
有量が10%を越えても、前記作用が飽和し、より一層の
耐摩耗性向上効果が得られないことから、その含有量を
0.1〜10%と定めた。
(e)Ti,Zr,Hf,V,Nb,およびTa これらの成分には、主としてFe,Cr,Mo,およびCと複炭
化物を形成するばかりでなく、自身も単独で炭化物を形
成して合金の硬さを一段と向上させる作用があるので、
特に高硬度が要求される場合に必要に応じて含有される
が、その含有量が0.1%未満では所望の硬さ向上効果が
得られず、一方その含有量が5%を越えると、これらの
成分の単独炭化物は相手攻撃性が高いので、相手部材を
著しく摩耗させるようになることから、その含有量を0.
1〜5%と定めた。
(f)炭化物 この発明の合金は、上記のように基地のほとんどを炭化
物で埋めつくし、もつて相手部材との金属凝着の発生を
抑制し、LPG燃料使用の内燃機関におけるような苛酷な
条件下での使用に際してもすぐれた耐摩耗性ときわめて
低い相手攻撃性を示す特性をもつが、その分散割合が71
体積%未満では前記特性を確保することができないこと
から、炭化物の分散割合を71体積%以上と定めた。な
お、この発明の合金は炭化物だけで、すなわち100体積
%の炭化物で構成されてもよいことは勿論であり、かつ
この炭化物の分散割合は成分組成や熱処理によつて自由
に調整することができるものである。
(g)理論密度比 上記のように炭化物の分散割合が71体積%以上になる
と、合金強度の低下は避けられず、この傾向は理論密度
比が97%未満になると一層助長されるようになつて、破
壊やピツチング摩耗が発生し易くなることから、合金の
理論密度比を97%以上と定めた。
〔実施例〕
つぎに、この発明のFe基焼結合金を実施例により具体的
に説明する。
原料粉末として、いずれも平均粒径:10μmを有するFe
粉末、Fe-30%Cr-8%Mo-0.5%C合金粉末、およびFe-55
%Cr合金粉末、同じく6μmを有するFe-15%Cr-15%Mo
-4%C合金粉末およびFe-10%Cr-5%Mo-5%W-1%Nb-3%
C合金粉末、同2μmを有するMo粉末およびW粉末、同
1.5μmを有するTiC粉末、ZrC粉末、HfC粉末、VC粉末、
NbC粉末、およびTaC粉末、さらに−350メツシユの黒鉛
粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1表に示さ
れる配合組成に配合し、通常の条件で混合した後、5〜
7ton/cm2の圧力でプレス成形し、ついで5×10-2torrの
真空中、1050〜1150℃の範囲内の所定温度に1時間保持
の条件で焼結し、さらに900〜1000℃の範囲内の所定温
度に1〜5時間保持の析出処理を行なうことによつて、
実質的に配合組成と同一の成分組成をもち、かつ第1表
に示される炭化物分散割合および理論密度比の本発明Fe
基焼結合金1〜14および比較Fe基焼結合金1〜4をそれ
ぞれ製造した。
なお、比較Fe基焼結合金1〜4は、いずれも成分含有
量、炭化物分散割合、および理論密度比のうちのいずれ
かの条件(第1表に※印を付した条 件)がこの発明の範囲から外れたものである。
ついで、この結果得られた本発明Fe基焼結合金1〜14お
よび比較Fe基焼結合金1〜4を、Al製ロツカーアーム摺
動面に、ダイカスト時に鋳包み取付け、 燃料:LPG、 エンジン回転数:800r.p.m.、 カム材(相手部材):チル鋳物、 潤滑油:油温80℃の劣化油、 運転時間:400時間、 の条件で摩耗試験を行ない、最大摩耗深さを測定した。
これらの結果を第1表に示した。なお、第1表には相手
部材であるカム材の最大摩耗深さも示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明Fe基焼結合金1〜14
は、これを潤滑状態が悪く、油膜が切れ易いLPG燃料使
用の条件下で使用しても、スカツフ摩耗やチツピング摩
耗の発生がなく、すぐれた耐摩耗性を示し、かつ相手部
材の摩耗も低く、相手攻撃性のきわめて低いものである
のに対して、比較Fe基焼結合金1〜4に見られるように
構成成分のうちのいずれの成分含有量でもこの発明の範
囲から低い方に外れると、これに付随して炭化物分散割
合がこの発明の範囲から低い方に外れるようになつて、
耐摩耗性が低下し、相手攻撃性が増すようになり、この
ことは理論密度比が低下すると一段と加速されるように
なることが明らかである。
上述のように、この発明のFe基焼結合金は、すぐれた耐
摩耗性と著しく低い相手攻撃性を有し、例えばLPG燃料
使用の内燃機関のロツカーアームチツプやバルブリフタ
ー摺動部などの高い潤滑特性が要求される摺動部材とし
て用いた場合に、長期に亘つてすぐれた性能を発揮する
のである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:4〜6.5%、 Cr:10〜40%、 Mo:5〜25%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)、 71体積%以上の割合で炭化物が分散した組織、 並びに97%以上の理論密度比、 を有することを特徴とする耐摩耗性のすぐれた摺動部材
    用炭化物分散型Fe基焼結合金。
  2. 【請求項2】C:4〜6.5%、 Cr:10〜40%、 Mo:5〜25%、 を含有し、さらに、 W:0.1〜10%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)、 71体積%以上の割合で炭化物が分散した組織、 並びに97%以上の理論密度比、 を有することを特徴とする耐摩耗性のすぐれた摺動部材
    用炭化物分散型Fe基焼結合金。
  3. 【請求項3】C:4〜6.5%、 Cr:10〜40%、 Mo:5〜25%、 を含有し、さらに、 Ti,Zr,Hf,V,Nb,およびTaのうちの1種または2種以上:
    0.1〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)、 71体積%以上の割合で炭化物が分散した組織、 並びに97%以上の理論密度比、 を有することを特徴とする耐摩耗性のすぐれた摺動部材
    用炭化物分散型Fe基焼結合金。
  4. 【請求項4】C:4〜6.5%、 Cr:10〜40%、 Mo:5〜25%、 を含有し、さらに、 W:0.1〜10%と、 Ti,Zr,Hf,V,Nb,およびTaのうちの1種または2種以上:
    0.1〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)、 71体積%以上の割合で炭化物が分散した組織、 並びに97%以上の理論密度比、 を有することを特徴とする耐摩耗性のすぐれた摺動部材
    用炭化物分散型Fe基焼結合金。
JP26049886A 1986-10-31 1986-10-31 耐摩耗性のすぐれた摺動部材用炭化物分散型Fe基焼結合金 Expired - Lifetime JPH0692627B2 (ja)

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US07/109,820 US4844738A (en) 1986-10-31 1987-10-16 Carbide-dispersed type Fe-base sintered alloy excellent in wear resistance
DE19873736350 DE3736350A1 (de) 1986-10-31 1987-10-27 Sinterlegierung auf fe-basis mit darin dispergierten carbiden

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JPS63114943A JPS63114943A (ja) 1988-05-19
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10058922B2 (en) 2014-08-22 2018-08-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Compact for producing a sintered alloy, a wear-resistant iron-based sintered alloy, and a method for producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10058922B2 (en) 2014-08-22 2018-08-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Compact for producing a sintered alloy, a wear-resistant iron-based sintered alloy, and a method for producing the same

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JPS63114943A (ja) 1988-05-19

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