JPH0215624B2 - - Google Patents
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- JPH0215624B2 JPH0215624B2 JP58157309A JP15730983A JPH0215624B2 JP H0215624 B2 JPH0215624 B2 JP H0215624B2 JP 58157309 A JP58157309 A JP 58157309A JP 15730983 A JP15730983 A JP 15730983A JP H0215624 B2 JPH0215624 B2 JP H0215624B2
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- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
Description
この発明は、すぐれた耐摩耗性および耐スカツ
フイング性を有し、かつ著しく低い相手攻撃性を
有し、特に使用条件が高温および高面圧下での使
用となる内燃機関の摺動部材として使用するのに
適したFe基焼結材料に関するものである。 従来、内燃機関のロツカ−アーム摺動面に用い
られるパツト材、カム、バルブガイド、あるいは
スリーブなどの摺動部材の製造に種々のFe基焼
結材料が用いられている。 一方、近年、例えば車両の高速化、高効率化、
および高出力化に伴い、これら内燃機関の摺動部
材に対する使用条件は一段と厳しさを増してお
り、これに対応するFe基焼結材料として耐摩耗
性と向上させたものが提案されている。 しかし、このような耐摩耗性Fe基焼結材料に
おいては、それ自身の耐摩耗性は改善されるよう
になるものの、反面スカツフイング発生の問題
や、相手攻撃性の一段の増大を避けることができ
ないのが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、耐摩耗性および耐スカツフイング性にすぐれ
るが、相手攻撃性は低いFe基焼結材料を得べく
研究を行なつた結果、重要%で(以下組成に関す
る%は重量%を示す)、 Cr:0.5〜5%未満、 C:2〜5%、 P:0.02〜5%、 Mo:0.05〜3%、 Mn:0.05〜3%、 CuおよびSnのうちの1種または2種:6〜20
%、を含有し、さらに必要に応じて、 V、Ti、Zr、Hf、およびNbのうちの1種また
は2種以上:0.02〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びに主としてマルテンサイトからなる素地
(この場合CuやSnの初晶、およびCu−Sn合金や
Cu−Sn−Fe合金の共晶のうちの少くともいずれ
かが分散相を形成して存在する)に、面積率で20
〜60%の主としてM3C型の炭化物および複炭化
物からなる硬質相が微細に、望ましくは10〜50μ
mの平均粒径で、均一に分散した焼入れまたは焼
入れ・焼戻し組織を有し、かつ理論密度比を85%
以上としたFe基焼結材料は、すぐれた耐摩耗性
と耐スカツフイング性を有するにもかかわらず、
相手攻撃性は著しく低く、したがつて、このFe
基焼結材料を、高温および高面圧下での苛酷な条
件で使用される内燃機関の摺動部材の製造に用い
た場合のすぐれた性能を著しく長期に亘つて発揮
するという知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成、硬質相の面積率、
および理論密度比を上記の通りに限定した理由を
説明する。 A 成分組成 (a) Cr Cr成分には、素地に固溶して、これを強
化すると共に、C成分と結合して素地中に微
細均一に分散する高硬度の炭化物を形成し、
もつて材料の耐摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が0.5%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が
5%以上になると、相手攻撃性が現われるよ
うになることから、その含有量を0.5〜5%
未満と定めた。 (b) C C成分には、素地に固溶して、これを強化
するほか、Cr、Mo、さらにV、Ti、Zr、
Hf、およびNb成分と結合して硬質相の主要
成分たる炭化物(複炭化物も含む)を形成
し、もつて材料の耐摩耗性を向上させる作用
があるが、その含有量が2%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方5%を越え
て含有させると、炭化物の量が多くなりす
ぎ、硬質相の割合が面積率で60%を越えて高
くなつて、相手攻撃性が著しく増大するよう
になることから、その含有量を2〜5%と定
めた。 (c) P P成分には、焼結時に液相を発生させて焼
結性を向上させ、もつて材料を緻密化すると
共に、素地に固溶して材料を強化し、さらに
Fe−P−C系共晶からなるステダイトを形
成して材料の耐摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が0.02%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方5%を越えて
含有させると、材料の脆化が著しくなること
から、その含有量を0.02〜5%と定めた。 (d) Mo Mo成分には、上記のように炭化物を形成
して、材料の耐摩耗性を向上させると共に、
素地に固溶して、これを強化する作用がある
が、その含有量が0.05%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方3%を越えて含
有させると、硬質相の割合が多くなりすぎて
相手攻撃性が著しく増大するようになること
から、その含有量を0.02〜3%と定めた。 (e) Mn Mn成分には、Moとの共存において、素
地に固溶して、焼入性を向上させると共に、
素地の靭性向上および強化に寄与し、かつ複
炭化物を形成して耐摩耗性を向上させるほ
か、なじみ性を改善して相手攻撃性を緩和す
る作用があるが、その含有量が0.05%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方3
%を越えて含有させると、焼入性向上による
素地の硬さ上昇をきたし、相手攻撃性が増大
するようになることから、その含有量を0.05
〜3%と定めた。 (f) CuおよびSn これら両成分には、素地に固溶して、これ
を強化するほか、CuやSnの初晶、およびCu
−Sn合金やCu−Sn−Fe合金の共晶のうちの
少なくともいずれかからなる分散相を形成し
て素地中に存在し、この分散相の存在によつ
て材料の熱伝導性が向上するようになるの
で、摺動面の温度上昇が抑制され、もつて材
料の耐スカツフイング性が向上し、さらに相
手部材とのなじみ性を確保し、相手攻撃性を
一段と抑制する作用があるが、その含有量が
6%未満では前記作用に十分な効果が得られ
ず、一方20%を越えて含有させても前記作用
により一層の向上効果は現われないことか
ら、経済性を考慮して、その含有量を6〜20
%と定めた。 (g) V、Ti、HfおよびZr これらの成分には、CrおよびMo成分との
共存において、複炭化物を形成し、もつて材
料の耐摩耗性を一段と向上させる作用がある
ので、特にすぐれた耐摩耗性が要求される場
合に必要に応じて含有されるが、その含有量
が0.1%未満では所望の耐摩耗性向上効果が
得られず、一方5%を越えて含有させると、
相手攻撃性が急激に増大するようになること
から、その含有量を0.1〜5%と定めた。 B 硬質相の面積率 この発明の材料は、焼入れまたは焼入れ・焼
戻し組織であるビツカース硬さで400以上の比
較的高い硬さを有するマルテンサイトを主体と
した素地、およびこの素地中に微細に、望まし
くは10〜50μmの平均粒径で、均一に分散し、
主としてM3C型の炭化物および複炭化物から
なる炭化物を主体とする硬質相によつてすぐれ
た耐摩耗性を確保し、一方前記素地中に分散相
として存在するCuやSnの初晶、Cu−Sn合金や
Cu−Sn−Fe合金の共晶によつてすぐれた耐ス
カツフイング性と相手部材とのなじみ性を確保
したものである。したがつて所望のすぐれた耐
摩耗性を確保するには、耐摩耗性に最も影響を
及ぼす硬質相の割合を、面積率で20%以上とす
る必要があるが、面積率で60%を越えた割合に
すると相手攻撃性が急激に増大するようになる
ので、硬質相の割合を面積率で20〜60%としな
ければならない。 C 理論密度比 材料の理論密度比が85%未満では、材料中に
大きな空孔が存在するようになつて、十分な強
度を確保することができないばかりでなく、こ
の空孔のもつ切欠効果によつて素地が破壊され
やすくなり、ピツチング摩耗が発生しやすくな
ることから、その理論密度比を85%以上と定め
た。 つぎに、この発明の材料を実施例により具体的
に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも粒度−100meshの
Fe粉末、アトマイズFe−Cr合金(Cr:12.5%含
有)粉末、アトマイズFe−Cr−Mn−Mo合金
(Cr:4%、Mn:0.6%、Mo:0.3%含有)粉末、
アトマイズFe−Cr−Mn−Mo合金(Cr:1%、
Mn:0.6%、Mo:0.3%含有)粉末、アトマイズ
Fe−Cr−Mn−Mo合金(Cr:6%、Mn:0.6%、
Mo:0.3%含有)粉末、さらに粒度−350meshの
Fe−P合金(P:17%含有)粉末、同−
250meshのFe−P合金(P−27.5%含有)粉末、
同一350meshのMo粉末、同−200meshのCu粉
末、同−250meshのSn粉末、同一200meshのFe
−Mn合金(Mn:78%含有)粉末、以下いずれ
も粒度−100meshのFe−V合金(V:60%含有)
粉末、アトマイズFe−Cr−Mo−V合金(Cr:3
%、Mo:0.3%、V:0.3%含有)粉末、Fe−Cr
−Mo−Mn−Zr合金(Cr:4%、Mo:1%、
Mn:0.8%、Zr:0.5%含有)粉末、Fe−Ti合金
(Ti:40%含有)粉末、Fe−Cr−Mo−Mn−Hf
合金(Cr:4%、Mo:1%、Mn:0.8%、Hf:
1%含有)粉末、および平均粒径:10μmの黒鉛
粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1表
に示される配合組成に配合し、潤滑剤としてステ
アリン酸亜鉛:0.5%を加えてV型
フイング性を有し、かつ著しく低い相手攻撃性を
有し、特に使用条件が高温および高面圧下での使
用となる内燃機関の摺動部材として使用するのに
適したFe基焼結材料に関するものである。 従来、内燃機関のロツカ−アーム摺動面に用い
られるパツト材、カム、バルブガイド、あるいは
スリーブなどの摺動部材の製造に種々のFe基焼
結材料が用いられている。 一方、近年、例えば車両の高速化、高効率化、
および高出力化に伴い、これら内燃機関の摺動部
材に対する使用条件は一段と厳しさを増してお
り、これに対応するFe基焼結材料として耐摩耗
性と向上させたものが提案されている。 しかし、このような耐摩耗性Fe基焼結材料に
おいては、それ自身の耐摩耗性は改善されるよう
になるものの、反面スカツフイング発生の問題
や、相手攻撃性の一段の増大を避けることができ
ないのが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、耐摩耗性および耐スカツフイング性にすぐれ
るが、相手攻撃性は低いFe基焼結材料を得べく
研究を行なつた結果、重要%で(以下組成に関す
る%は重量%を示す)、 Cr:0.5〜5%未満、 C:2〜5%、 P:0.02〜5%、 Mo:0.05〜3%、 Mn:0.05〜3%、 CuおよびSnのうちの1種または2種:6〜20
%、を含有し、さらに必要に応じて、 V、Ti、Zr、Hf、およびNbのうちの1種また
は2種以上:0.02〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びに主としてマルテンサイトからなる素地
(この場合CuやSnの初晶、およびCu−Sn合金や
Cu−Sn−Fe合金の共晶のうちの少くともいずれ
かが分散相を形成して存在する)に、面積率で20
〜60%の主としてM3C型の炭化物および複炭化
物からなる硬質相が微細に、望ましくは10〜50μ
mの平均粒径で、均一に分散した焼入れまたは焼
入れ・焼戻し組織を有し、かつ理論密度比を85%
以上としたFe基焼結材料は、すぐれた耐摩耗性
と耐スカツフイング性を有するにもかかわらず、
相手攻撃性は著しく低く、したがつて、このFe
基焼結材料を、高温および高面圧下での苛酷な条
件で使用される内燃機関の摺動部材の製造に用い
た場合のすぐれた性能を著しく長期に亘つて発揮
するという知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成、硬質相の面積率、
および理論密度比を上記の通りに限定した理由を
説明する。 A 成分組成 (a) Cr Cr成分には、素地に固溶して、これを強
化すると共に、C成分と結合して素地中に微
細均一に分散する高硬度の炭化物を形成し、
もつて材料の耐摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が0.5%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が
5%以上になると、相手攻撃性が現われるよ
うになることから、その含有量を0.5〜5%
未満と定めた。 (b) C C成分には、素地に固溶して、これを強化
するほか、Cr、Mo、さらにV、Ti、Zr、
Hf、およびNb成分と結合して硬質相の主要
成分たる炭化物(複炭化物も含む)を形成
し、もつて材料の耐摩耗性を向上させる作用
があるが、その含有量が2%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方5%を越え
て含有させると、炭化物の量が多くなりす
ぎ、硬質相の割合が面積率で60%を越えて高
くなつて、相手攻撃性が著しく増大するよう
になることから、その含有量を2〜5%と定
めた。 (c) P P成分には、焼結時に液相を発生させて焼
結性を向上させ、もつて材料を緻密化すると
共に、素地に固溶して材料を強化し、さらに
Fe−P−C系共晶からなるステダイトを形
成して材料の耐摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が0.02%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方5%を越えて
含有させると、材料の脆化が著しくなること
から、その含有量を0.02〜5%と定めた。 (d) Mo Mo成分には、上記のように炭化物を形成
して、材料の耐摩耗性を向上させると共に、
素地に固溶して、これを強化する作用がある
が、その含有量が0.05%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方3%を越えて含
有させると、硬質相の割合が多くなりすぎて
相手攻撃性が著しく増大するようになること
から、その含有量を0.02〜3%と定めた。 (e) Mn Mn成分には、Moとの共存において、素
地に固溶して、焼入性を向上させると共に、
素地の靭性向上および強化に寄与し、かつ複
炭化物を形成して耐摩耗性を向上させるほ
か、なじみ性を改善して相手攻撃性を緩和す
る作用があるが、その含有量が0.05%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方3
%を越えて含有させると、焼入性向上による
素地の硬さ上昇をきたし、相手攻撃性が増大
するようになることから、その含有量を0.05
〜3%と定めた。 (f) CuおよびSn これら両成分には、素地に固溶して、これ
を強化するほか、CuやSnの初晶、およびCu
−Sn合金やCu−Sn−Fe合金の共晶のうちの
少なくともいずれかからなる分散相を形成し
て素地中に存在し、この分散相の存在によつ
て材料の熱伝導性が向上するようになるの
で、摺動面の温度上昇が抑制され、もつて材
料の耐スカツフイング性が向上し、さらに相
手部材とのなじみ性を確保し、相手攻撃性を
一段と抑制する作用があるが、その含有量が
6%未満では前記作用に十分な効果が得られ
ず、一方20%を越えて含有させても前記作用
により一層の向上効果は現われないことか
ら、経済性を考慮して、その含有量を6〜20
%と定めた。 (g) V、Ti、HfおよびZr これらの成分には、CrおよびMo成分との
共存において、複炭化物を形成し、もつて材
料の耐摩耗性を一段と向上させる作用がある
ので、特にすぐれた耐摩耗性が要求される場
合に必要に応じて含有されるが、その含有量
が0.1%未満では所望の耐摩耗性向上効果が
得られず、一方5%を越えて含有させると、
相手攻撃性が急激に増大するようになること
から、その含有量を0.1〜5%と定めた。 B 硬質相の面積率 この発明の材料は、焼入れまたは焼入れ・焼
戻し組織であるビツカース硬さで400以上の比
較的高い硬さを有するマルテンサイトを主体と
した素地、およびこの素地中に微細に、望まし
くは10〜50μmの平均粒径で、均一に分散し、
主としてM3C型の炭化物および複炭化物から
なる炭化物を主体とする硬質相によつてすぐれ
た耐摩耗性を確保し、一方前記素地中に分散相
として存在するCuやSnの初晶、Cu−Sn合金や
Cu−Sn−Fe合金の共晶によつてすぐれた耐ス
カツフイング性と相手部材とのなじみ性を確保
したものである。したがつて所望のすぐれた耐
摩耗性を確保するには、耐摩耗性に最も影響を
及ぼす硬質相の割合を、面積率で20%以上とす
る必要があるが、面積率で60%を越えた割合に
すると相手攻撃性が急激に増大するようになる
ので、硬質相の割合を面積率で20〜60%としな
ければならない。 C 理論密度比 材料の理論密度比が85%未満では、材料中に
大きな空孔が存在するようになつて、十分な強
度を確保することができないばかりでなく、こ
の空孔のもつ切欠効果によつて素地が破壊され
やすくなり、ピツチング摩耗が発生しやすくな
ることから、その理論密度比を85%以上と定め
た。 つぎに、この発明の材料を実施例により具体的
に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも粒度−100meshの
Fe粉末、アトマイズFe−Cr合金(Cr:12.5%含
有)粉末、アトマイズFe−Cr−Mn−Mo合金
(Cr:4%、Mn:0.6%、Mo:0.3%含有)粉末、
アトマイズFe−Cr−Mn−Mo合金(Cr:1%、
Mn:0.6%、Mo:0.3%含有)粉末、アトマイズ
Fe−Cr−Mn−Mo合金(Cr:6%、Mn:0.6%、
Mo:0.3%含有)粉末、さらに粒度−350meshの
Fe−P合金(P:17%含有)粉末、同−
250meshのFe−P合金(P−27.5%含有)粉末、
同一350meshのMo粉末、同−200meshのCu粉
末、同−250meshのSn粉末、同一200meshのFe
−Mn合金(Mn:78%含有)粉末、以下いずれ
も粒度−100meshのFe−V合金(V:60%含有)
粉末、アトマイズFe−Cr−Mo−V合金(Cr:3
%、Mo:0.3%、V:0.3%含有)粉末、Fe−Cr
−Mo−Mn−Zr合金(Cr:4%、Mo:1%、
Mn:0.8%、Zr:0.5%含有)粉末、Fe−Ti合金
(Ti:40%含有)粉末、Fe−Cr−Mo−Mn−Hf
合金(Cr:4%、Mo:1%、Mn:0.8%、Hf:
1%含有)粉末、および平均粒径:10μmの黒鉛
粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1表
に示される配合組成に配合し、潤滑剤としてステ
アリン酸亜鉛:0.5%を加えてV型
【表】
【表】
ミキサにて混合した後、3〜6ton/cm2の範囲内の
所定圧力にてプレス成形して圧粉体とし、この圧
粉体を真空中、または還元性雰囲気中、1000〜
1200℃の範囲内の所定温度に60分間保持の条件で
焼結し、真空焼結の場合は、焼結後、900〜1100
℃の範囲内の所定温度から強制冷却して焼入れ
し、また還元性雰囲気焼結の場合は、焼結後、滲
炭性雰囲気とし、800〜1000℃の範囲内の所定温
度から油冷して焼入れを行なうことによつて、実
質的に配合組成と同一の組成をもつた本発明材料
1〜30および比較材料1〜15をそれぞれ製造し
た。 なお、比較材料1〜15は、成分組成、硬質相の
面積率、および理論密度比のうちの少なくともい
ずれかの条件(第1表に※印を付したもの)がこ
の発明の範囲から外れた条件で製造されたもので
ある。 ついで、この結果得られた本発明材料1〜30お
よび比較材料1〜15について、硬質相の面積率、
理論密度比、およびビツカース硬さを測定す
所定圧力にてプレス成形して圧粉体とし、この圧
粉体を真空中、または還元性雰囲気中、1000〜
1200℃の範囲内の所定温度に60分間保持の条件で
焼結し、真空焼結の場合は、焼結後、900〜1100
℃の範囲内の所定温度から強制冷却して焼入れ
し、また還元性雰囲気焼結の場合は、焼結後、滲
炭性雰囲気とし、800〜1000℃の範囲内の所定温
度から油冷して焼入れを行なうことによつて、実
質的に配合組成と同一の組成をもつた本発明材料
1〜30および比較材料1〜15をそれぞれ製造し
た。 なお、比較材料1〜15は、成分組成、硬質相の
面積率、および理論密度比のうちの少なくともい
ずれかの条件(第1表に※印を付したもの)がこ
の発明の範囲から外れた条件で製造されたもので
ある。 ついで、この結果得られた本発明材料1〜30お
よび比較材料1〜15について、硬質相の面積率、
理論密度比、およびビツカース硬さを測定す
【表】
【表】
【表】
ると共に、これより自動車エンジンのロツカーア
ームのパツト面に適合したチツプ材を切出し、こ
のチツプ材を、ロツカーアームの鋳造時に鋳包
み、この結果得られたAl合金製ロツカーアーム
を4気筒OHCエンジンに組込み、使用オイル:
LPG劣化油、回転数:850r.p.m.、運転時間:200
時間の条件で耐摩耗性試験を行ない、前記チツプ
材の最大摩耗深さと、相手部材たるチル処理を施
した鋳鉄製カム(鋳鉄組成は、C:3.3%、Si:
2%、Mn:0.7%、Cr:0.5%、Cu:0.5%、Feお
よび不可避不純物:残りからなり、かつチル部の
硬さは、ビツカース硬さで480)の最大摩耗深さ
を測定した。これらの測定結果を第2表に示し
た。 第2表に示される結果から、本発明材料1〜30
は、いずれもすぐれた耐摩耗性を有し、かつスカ
ツフイングの発生もなく、しかも相手部材とのな
じみ性にすぐれているので、相手攻撃性が著しく
低いものであるのに対して、比較材料1〜15に見
られるように、構成成分のうちのいずれかの成分
含有量、硬質相の面積率、および理論密度比のう
ちのいずれかの条件がこの発明の範囲から外れる
と、前記の特性のうち少なくともいずれかの特性
が劣つたものになることが明らかである。なお、
上記実施例では、材料中のCuおよびSn成分を、
原料粉末に配合して含有させた場合について述べ
たが、焼結後の材料に溶浸法により含有させても
よいことは勿論である。 上述のように、この発明のFe基焼結材料は、
すぐれた耐摩耗性と耐スカツフイング性を有し、
かつ相手攻撃性の著しく低いものであるので、特
に苛酷な条件下での使用を予犠なくされつつある
ターボ付内燃機関や、燃料として高鉛ガソリンや
LPGガスを使用する内燃機関などの摺動部材と
して用いた場合にもすぐれた性能を長期に亘つて
発揮するのである。
ームのパツト面に適合したチツプ材を切出し、こ
のチツプ材を、ロツカーアームの鋳造時に鋳包
み、この結果得られたAl合金製ロツカーアーム
を4気筒OHCエンジンに組込み、使用オイル:
LPG劣化油、回転数:850r.p.m.、運転時間:200
時間の条件で耐摩耗性試験を行ない、前記チツプ
材の最大摩耗深さと、相手部材たるチル処理を施
した鋳鉄製カム(鋳鉄組成は、C:3.3%、Si:
2%、Mn:0.7%、Cr:0.5%、Cu:0.5%、Feお
よび不可避不純物:残りからなり、かつチル部の
硬さは、ビツカース硬さで480)の最大摩耗深さ
を測定した。これらの測定結果を第2表に示し
た。 第2表に示される結果から、本発明材料1〜30
は、いずれもすぐれた耐摩耗性を有し、かつスカ
ツフイングの発生もなく、しかも相手部材とのな
じみ性にすぐれているので、相手攻撃性が著しく
低いものであるのに対して、比較材料1〜15に見
られるように、構成成分のうちのいずれかの成分
含有量、硬質相の面積率、および理論密度比のう
ちのいずれかの条件がこの発明の範囲から外れる
と、前記の特性のうち少なくともいずれかの特性
が劣つたものになることが明らかである。なお、
上記実施例では、材料中のCuおよびSn成分を、
原料粉末に配合して含有させた場合について述べ
たが、焼結後の材料に溶浸法により含有させても
よいことは勿論である。 上述のように、この発明のFe基焼結材料は、
すぐれた耐摩耗性と耐スカツフイング性を有し、
かつ相手攻撃性の著しく低いものであるので、特
に苛酷な条件下での使用を予犠なくされつつある
ターボ付内燃機関や、燃料として高鉛ガソリンや
LPGガスを使用する内燃機関などの摺動部材と
して用いた場合にもすぐれた性能を長期に亘つて
発揮するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Cr:0.5〜5%未満、 C:2〜5%、 P:0.02〜5%、 Mo:0.05〜3%、 Mn:0.05〜3%、 CuおよびSnのうちの1種または2種:6〜20
%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに主としてマルテンサイ
トからなる素地に、面積率で20〜60%の主として
炭化物からなる硬質相が微細均一に分散した焼入
れまたは焼入れ・焼戻し組織を有し、かつ理論密
度比:85%以上を有することを特徴とする内燃機
関の摺動部材用Fe基焼結材料。 2 Cr:0.5〜5%未満、 C:2〜5%、 P:0.02〜5%、 Mo:0.05〜3%、 Mn:0.05〜3%、 CuおよびSnのうちの1種または2種:6〜20
%、 を含有し、さらに、 V、Ti、ZrおよびHfのうちの1種または2種
以上:0.02〜5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)、並びに主としてマルテンサイ
トからなる素地に、面積率で20〜60%の主として
炭化物からなる硬質相が微細均一に分散した焼入
れまたは焼入れ・焼戻し組織を有し、かつ理論密
度比:85%以上を有することを特徴とする内燃機
関の摺動部材用Fe基焼結材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15730983A JPS6050151A (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | 内燃機関の摺動部材用Fe基焼結材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15730983A JPS6050151A (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | 内燃機関の摺動部材用Fe基焼結材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6050151A JPS6050151A (ja) | 1985-03-19 |
JPH0215624B2 true JPH0215624B2 (ja) | 1990-04-12 |
Family
ID=15646851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15730983A Granted JPS6050151A (ja) | 1983-08-29 | 1983-08-29 | 内燃機関の摺動部材用Fe基焼結材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6050151A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62271913A (ja) * | 1986-04-11 | 1987-11-26 | Nippon Piston Ring Co Ltd | 組立式カムシヤフト |
JPH01160103U (ja) * | 1988-04-27 | 1989-11-07 | ||
CN101704107B (zh) * | 2003-07-31 | 2013-04-10 | 株式会社小松制作所 | 烧结滑动部件 |
JP5122068B2 (ja) | 2004-04-22 | 2013-01-16 | 株式会社小松製作所 | Fe系耐摩耗摺動材料 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5729559A (en) * | 1980-07-29 | 1982-02-17 | Mitsubishi Metal Corp | Carbide dispersed type iron base sintered alloy having excellent antiwear property |
JPS5985847A (ja) * | 1982-11-08 | 1984-05-17 | Mitsubishi Metal Corp | 内燃機関の摺動部材用Fe基焼結材料 |
-
1983
- 1983-08-29 JP JP15730983A patent/JPS6050151A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5729559A (en) * | 1980-07-29 | 1982-02-17 | Mitsubishi Metal Corp | Carbide dispersed type iron base sintered alloy having excellent antiwear property |
JPS5985847A (ja) * | 1982-11-08 | 1984-05-17 | Mitsubishi Metal Corp | 内燃機関の摺動部材用Fe基焼結材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6050151A (ja) | 1985-03-19 |
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