JPH10310851A - 高温耐摩耗性焼結合金 - Google Patents

高温耐摩耗性焼結合金

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JPH10310851A
JPH10310851A JP9094165A JP9416597A JPH10310851A JP H10310851 A JPH10310851 A JP H10310851A JP 9094165 A JP9094165 A JP 9094165A JP 9416597 A JP9416597 A JP 9416597A JP H10310851 A JPH10310851 A JP H10310851A
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田 英 昭 河
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自己材の耐摩耗性が良好であると共に相手材
への攻撃性が小さく、自己耐摩耗性と相手耐攻撃性の両
立が可能である高温耐摩耗性焼結合金を提供する。 【解決手段】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6
%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
%、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物から
なる成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以
下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、C
r:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1
〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物
からなる第2基材相が20〜80wt%を占めており、
これら2つの相が斑状に分布する組織を呈するものとし
たことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、内燃機関
に使用されるバルブシート等の高温での耐摩耗性に優れ
ていることが要求される部品の素材として好適に利用さ
れる高温耐摩耗性鉄系焼結合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の耐摩耗材としては、特公平5−5
5593号公報や特開平7−233454号公報などで
開示された高Co系の材料や、特開平5−9667号公
報、特公平1−51539号公報などで開示された耐摩
耗性を向上させるためにW,Mo,V,Nb,Ti,T
a等の微細炭化物を基地中に分散させた材料をはじめ、
その他多くの材料が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の内燃機
関の高性能化、バルブシートにおける高温耐摩耗性、有
・無鉛ガソリン対応に伴う耐食性向上および被削性向上
の要求がさらに高まる状況下において、上記従来材であ
る高Co系の材料では経済的に不利であり、また、微細
炭化物が基地中に分散した材料では炭化物の種類および
炭化物の量が最適であるとは言えず、自己耐摩耗性と相
手耐攻撃性の両立が困難であり、要求性能を十分満足す
ることが出来ないという問題点があったことから、この
ような問題点を解決することが課題としてあった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたものであって、自己の耐摩耗性を良好な
ものにすることが可能であると共に相手材に対する攻撃
性を小さなものとすることが可能であり、自己耐摩耗性
と相手耐攻撃性の両立が可能となって、要求性能を十分
に満足する高温耐摩耗性焼結合金を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる一実施形
態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項1に記載している
ように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4%、
V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:
0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物からなる成分
を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以下、Si:
0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.
2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材相に
対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7
%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
第2基材相が20〜80wt%を占めており、これら2
つの相が斑状に分布する組織を呈するものとしたことを
特徴としている。
【0006】また、本発明に係わる他の実施形態の高温
耐摩耗性焼結合金は、請求項2に記載しているように、
全体組成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.
8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.1
〜0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:0.6〜
2.2%、残部Feおよび不純物からなる成分を有し、
且つ、W:3〜7%、V:0.5〜1.5%、Cr:1
%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.
6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からな
る第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、
Cr:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純
物からなる第2基材相が20〜80wt%を占めてお
り、これら2つの相が斑状に分布する組織を呈するもの
としたことを特徴としている。
【0007】さらに、本発明に係わるさらに他の実施形
態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項3に記載している
ように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4%、
V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:
0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残部Feお
よび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3〜7%、
Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.
2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部Feおよび不純物からなる第1基材相に対し、
W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:
0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび
不純物からなる第2基材相が20〜80wt%を占めて
おり、これら2つの相が斑状に分布する組織を呈するも
のとしたことを特徴としている。
【0008】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項4に記載して
いるように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4
%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6%、
Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0%、
S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残部F
eおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3〜7
%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%以下、Si:
0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純
物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2
〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、M
n:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2基材
相が20〜80wt%を占めており、これら2つの相が
斑状に分布する組織を呈するものとしたことを特徴とし
ている。
【0009】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項5に記載して
いるように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4
%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6%、
Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6%、
C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物からなる
成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以下、S
i:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材
相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜
7%、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6
%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
第2基材相が20〜80wt%を占めており、これら2
つの相が斑状に分布する組織を呈するものとしたことを
特徴としている。
【0010】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項6に記載して
いるように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4
%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6%、
Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6%、
C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物からなる
成分を有し、且つ、W:3〜7%、V:0.5〜1.5
%、Cr:1%以下、Si:0.6〜5.0%、Mn:
0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび
不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、
V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.6〜5.0
%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部
Feおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt
%を占めており、これら2つの相が斑状に分布する組織
を呈するものとしたことを特徴としている。
【0011】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項7に記載して
いるように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4
%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6%、
Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%、
S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残部F
eおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3〜7
%、Cr:1%以下、Si:0.6〜5.0%、Mn:
0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:2.2
%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材相に対
し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、
Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%、
S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feお
よび不純物からなる第2基材相が20〜80wt%を占
めており、これら2つの相が斑状に分布する組織を呈す
るものとしたことを特徴としている。
【0012】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項8に記載して
いるように、全体組成が、重量比で、W:3〜13.4
%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6%、
Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%、
S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残部F
eおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3〜7
%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%以下、Si:
0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純
物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2
〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.6〜5.0%、M
n:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2基材
相が20〜80wt%を占めており、これら2つの相が
斑状に分布する組織を呈するものとしたことを特徴とし
ている。
【0013】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項9に記載して
いるように、請求項1,2,5,6のいずれかに記載の
焼結合金の粒界または気孔内にMnSが0.3〜1.6
wt%分散してなるものとしたことを特徴としている。
【0014】さらにまた、本発明に係わるさらに他の実
施形態の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項10に記載し
ているように、請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9のいずれかに記載の焼結合金の気孔内にCuない
しはCu合金を溶浸してなるものとしたことを特徴とし
ている。
【0015】さらにまた、本発明のさらに他の実施形態
の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項11に記載している
ように、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9の
いずれかに記載の焼結合金の気孔内にPbないしはPb
合金を溶浸してなるものとしたことを特徴としている。
【0016】さらにまた、本発明のさらに他の実施形態
の高温耐摩耗性焼結合金は、請求項12に記載している
ように、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9の
いずれかに記載の焼結合金の気孔内にアクリル系樹脂を
含浸してなるものとしたことを特徴としている。
【0017】
【発明の効果】本発明による高温耐摩耗性焼結合金で
は、請求項1に記載しているように、全体組成が、重量
比で、W:3〜13.4%、V:0.4〜5.6%、C
r:0.2〜5.6%、Si:0.1〜0.6%、M
n:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残部F
eおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3〜7
%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:
0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび
不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、
V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜0.6
%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部
Feおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt
%を占めており、これら2つの相が斑状に分布する組織
を呈するものとしたから、自己の耐摩耗性を良好なもの
とすることが可能であると共に相手材に対する攻撃性を
小さなものとすることが可能であるので、自己耐摩耗性
と相手耐攻撃性の両立が可能となり、高温耐摩耗性焼結
合金としての要求性能を十分満足することができるもの
であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0018】そして、請求項5,6,7,8に記載して
いるように、第1基材相および第2基材相中のSiを
0.6〜5.0%に増加させたり、請求項2,4,6,
8に記載しているように、第2基材相中にVを0.5〜
1.5%含有させたりすることによって、有鉛ガソリン
使用の環境下においても耐摩耗性がより一層向上したも
のにすることが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【0019】さらに、請求項3,4,7,8に記載して
いるように、基地中のMnを0.2〜1.0%に増量す
ると共にSを0.1〜0.6%加えることによって基地
中にMnSが析出することとなるので、被削性を大幅に
改善することができるという著しく優れた効果がもたら
される。
【0020】さらにまた、請求項9に記載しているよう
に、焼結合金の粒界または気孔内にMnSを0.3〜
1.6wt%分散させることによって、基地中にMnS
が析出した場合と同様に被削性を大幅に改善することが
できるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0021】そのうえ、請求項10に記載しているよう
に、焼結合金の気孔内にCuないしはCu合金を溶浸さ
せたり、請求項11に記載しているように、焼結合金の
気孔内にPbないしはPb合金を溶浸させたりすること
によって、さらに優れた耐摩耗性を有するものにするこ
とが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。また、請求項11に記載しているように、焼結合金
の気孔内にPbないしはPb合金を溶浸させたり、請求
項12に記載しているように、焼結合金の気孔内にアク
リル系樹脂を含浸させたりすることによって、被削性の
より一層の向上を得ることが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0022】したがって、本発明による高温耐摩耗性焼
結合金では、従来の高Co系の材料に対し、経済性と耐
摩耗性の両面において大きな改善を成し得るという顕著
な効果がもたらされる。
【0023】
【発明の作用】請求項1に記載の第1発明として、全体
組成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.4〜
5.6%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.
2%、残部Feおよび不純物からなる成分を有し、且
つ、W:3〜7%、Cr:1%以下、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部Feおよび不純物からなる第1基材相に対し、
W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2基材
相が20〜80wt%を占めており、これら2つの相が
より望ましくは平均粒径20〜150μmの大きさで斑
状に分布する組織を呈する高温耐摩耗性焼結合金である
ものとしていて、この高温耐摩耗性焼結合金では、Wの
C型炭化物が分散した第1基材相と、WのMC型
炭化物とVのMC型炭化物が均一に分散しかつまたCr
で基材を強化した第2基材相がより望ましくは平均粒径
20〜150μmの大きさで斑状に分布する組織構成に
することで、バルブシートの耐摩耗性を低下させること
なく、相手材であるバルブへの攻撃性を減少させること
が可能となった。
【0024】本発明の高温耐摩耗性焼結合金を構成する
第1基材相においては、Wの含有量が7%を上回るとバ
ルブへの攻撃性が高まり、3%を下回るとバルブシート
の耐摩耗性が低下する。また、Crはバルブへの攻撃性
が高まるため無くても良いが、焼結時に第2基材相から
の拡散により1%以下存在していても良い。
【0025】また、第2基材相も同様にW、Vの含有量
がそれぞれ15%、7%を上回るとバルブへの攻撃性が
高まり、それぞれ3%、2%を下回るとバルブシートの
耐摩耗性が低下する。さらに、第2基材相にCrを1〜
7%含有させることで焼入性が向上し、さらに硬いMC
型のV炭化物が析出することとなるため、第1基材相よ
りも硬くなることで硬さが斑状になり良好な耐摩耗性が
得られる。そして、Crの含有量が7%を上回るとバル
ブへの攻撃性が高まり、1%を下回るとバルブシートの
耐摩耗性が低下する。
【0026】Siは脱酸剤として有効であり素地に含有
しているが、Siの含有量が0.6%を上回ると強度が
低下し、0.1%を下回っても焼結性が阻害されて強度
が低下する。
【0027】Mnは0.1%以上で高い強度が得られる
が、0.6%を上回ると焼結性が阻害されて強度が低下
する。
【0028】さらに、第1基材相と第2基材相の割合
は、第1基材相に対して硬い第2基材材が20%を下回
るとバルブシートの耐摩耗性が低下し、80%を上回る
とバルブへの攻撃性が高まる。
【0029】請求項2に記載の第2発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.8〜
5.9%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.
2%、残部Feおよび不純物からなる成分を有し、且
つ、W:3〜7%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%
以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、C
r:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1
〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物
からなる第2基材相が20〜80wt%を占めており、
これら2つの相がより望ましくは平均粒径20〜150
μmの大きさで斑状に分布する組織を呈する高温耐摩耗
性焼結合金であるものとしていて、この高温耐摩耗性焼
結合金では第1発明の第1基材相にVを0.5〜1.5
%含有させることで耐食性をより一層向上させ、有鉛ガ
ソリン使用の環境下において良好な耐摩耗性が得られる
ものとしている。このとき、V含有量が0.5%を下回
ると耐食性が不足するため耐摩耗性が低下し、1.5%
を上回るとバルブへの攻撃性が高まる。
【0030】請求項3に記載の第3発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.4〜
5.6%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物か
らなる成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以
下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
eおよび不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜1
5%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からな
る第2基材相が20〜80wt%を占めており、これら
2つの相がより望ましくは平均粒径20〜150μmの
大きさで斑状に分布する組織を呈するものとしていて、
高温耐摩耗性焼結合金では、第1発明の基材にMnSを
析出させることで良好な被削性が得られるようにしてい
る。このとき、Mnの含有量が1.0%を上回り、Sの
含有量が0.6%を上回ると粉末の圧縮性が低下するこ
とによって強度が低下し、Mnの含有量が0.2%を下
回り、Sの含有量が0.1%を下回るとMnSを必要量
析出させることができなくなって被削性向上の作用が小
さいものとなる。
【0031】請求項4に記載の第4発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.8〜
5.9%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物か
らなる成分を有し、且つ、W:3〜7%、V:0.5〜
1.5%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、
Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材
相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜
7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
eおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt%
を占めており、これら2つの相がより望ましくは平均粒
径20〜150μmの大きさで斑状に分布する組織を呈
する高温耐摩耗性焼結合金であるものとしていて、この
高温耐摩耗性焼結合金では、第2発明の基材にMnSを
析出させることで良好な被削性が得られるようにしてい
る。このとき、Mnの含有量が1.0%を上回り、Sの
含有量が0.6%を上回ると粉末の圧縮性が低下するこ
とによって強度が低下し、Mnの含有量が0.2%を下
回り、Sの含有量が0.1%を下回るとMnSを必要量
析出させることができなくなって被削性向上の作用が小
さいものとなる。
【0032】請求項5に記載の第5発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.4〜
5.6%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.
2%、残部Feおよび不純物からなる成分を有し、且
つ、W:3〜7%、Cr:1%以下、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部Feおよび不純物からなる第1基材相に対し、
W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、S
i:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2基材
相が20〜80wt%を占めており、これら2つの相が
より望ましくは平均粒径20〜150μmの大きさで斑
状に分布する組織を呈する高温耐摩耗性焼結合金である
ものとしていて、この高温耐摩耗性焼結合金では、第1
発明のSi含有量を0.6〜5.0%に増加することで
第1発明材よりも強度および粉末の圧縮性は低下するも
のの、耐食性がより一層向上したものとなり、有鉛ガソ
リン使用の環境下において良好な耐摩耗性が得られるも
のとなる。このとき、Siの含有量が5.0%を超える
と、強度が低下すると共に粉末の圧縮性が著しく低下
し、Siの含有量が0.6%を下回ると耐食性向上の作
用が小さいものとなる。
【0033】請求項6に記載の第6発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.8〜
5.9%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.
2%、残部Feおよび不純物からなる成分を有し、且
つ、W:3〜7%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%
以下、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6
%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、C
r:1〜7%、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1
〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物
からなる第2基材相が20〜80wt%を占めており、
これら2つの相がより望ましくは平均粒径20〜150
μmの大きさで斑状に分布する組織を呈する高温耐摩耗
性焼結合金であるものとしていて、この高温耐摩耗性焼
結合金では、第2発明のSi含有量を0.6〜5.0%
に増加することで第2発明材よりも強度および粉末の圧
縮性は低下するものの、耐食性がより一層向上したもの
となり、有鉛ガソリン使用の環境下において良好な耐摩
耗性が得られるものとなる。このとき、Siの含有量が
5.0%を超えると、強度が低下すると共に粉末の圧縮
性が著しく低下し、Siの含有量が0.6%を下回ると
耐食性向上の作用が小さいものとなる。
【0034】請求項7に記載の第7発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.4〜
5.6%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物か
らなる成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以
下、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
eおよび不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜1
5%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からな
る第2基材相が20〜80wt%を占めており、これら
2つの相がより望ましくは平均粒径20〜150μmの
大きさで斑状に分布する組織を呈する高温耐摩耗性焼結
合金であるものとしていて、この高温耐摩耗性焼結合金
では、第1発明の基材にMnSを析出させ、Si含有量
を0.6〜5.0%とすることで被削性および耐食性が
さらに向上するようにしたものである。このとき、Mn
の含有量が1.0%よりも多く、Sの含有量が0.6%
よりも多くなってMnSが所定の量を上回ると粉末の圧
縮性が低下することによって強度が低下し、Mnの含有
量が0.2%よりも少なく、Sの含有量が0.1%より
も少ないと、MnSが所定の量を下回ることになって被
削性向上の作用が小さいものとなる。また、Siの含有
量を0.6〜5.0%に増加することで第1発明材より
も強度および粉末の圧縮性は低下するものの耐食性がよ
り一層向上したものとなり、有鉛ガソリン使用の環境下
において良好な耐摩耗性が得られるものとなる。このと
き、Siの含有量が5.0%を超えると、強度が低下す
ると共に粉末の圧縮性も著しく低下し、Siの含有量が
0.6%を下回ると耐食性向上の作用が小さいものとな
る。
【0035】請求項8に記載の第8発明として、全体組
成が、重量比で、W:3〜13.4%、V:0.8〜
5.9%、Cr:0.2〜5.6%、Si:0.6〜
5.0%、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.
6%、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物か
らなる成分を有し、且つ、W:3〜7%、V:0.5〜
1.5%、Cr:1%以下、Si:0.6〜5.0%、
Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材
相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜
7%、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
eおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt%
を占めており、これら2つの相がより望ましくは平均粒
径20〜150μmの大きさで斑状に分布する組織を呈
する高温耐摩耗性焼結合金であるものとしていて、この
高温耐摩耗性焼結合金では、第2発明の基材にMnSを
析出させ、Si含有量を0.6〜5.0%とすることで
被削性および耐食性がさらに向上するようにしたもので
ある。このとき、Mnの含有量が1.0%よりも多く、
Sの含有量が0.6%よりも多くなってMnSが所定の
量を上回ると粉末の圧縮性が低下することによって強度
が低下し、Mnの含有量が0.2%よりも少なく、Sの
含有量が0.1%よりも少ないと、MnSが所定の量を
下回ることになって被削性向上の作用が小さいものとな
る。また、Siの含有量を0.6〜5.0%に増加する
ことで第2発明材よりも強度および粉末の圧縮性は低下
するものの耐食性がより一層向上したものとなり、有鉛
ガソリン使用の環境下において良好な耐摩耗性が得られ
るものとなる。このとき、Siの含有量が5.0%を超
えると、強度が低下すると共に粉末の圧縮性も著しく低
下し、Siの含有量が0.6%を下回ると耐食性向上の
作用が小さいものとなる。
【0036】請求項9に記載の焼結合金においては、粒
界または気孔内にMnSを0.3〜1.6wt%分散さ
せたものであって、MnSの分散量を0.3wt%以上
とすることによって被削性を大幅に改善することができ
るが、MnSの分散量が多すぎると成形過程での粉末の
圧縮性に影響を与え、得られる焼結品の強度が低下して
しまうので、1.6wt%以下とするのが良い。
【0037】請求項10,11,12に記載の焼結合金
においては、気孔中に銅ないしは銅合金,鉛ないしは鉛
合金,樹脂などを溶浸ないしは含浸させたものであっ
て、耐摩耗性をさらに向上させたり、被削性をさらに向
上させたりすることができるものとなる。
【0038】
【実施例】本発明による高温耐摩耗性焼結合金を実施例
および比較例によりさらに具体的に説明する。
【0039】第1基材相合金粉末および第2基材相合金
粉末は、平均粒径が20〜150μmのものであって、
表1ないし表5に示すG1〜G113の粉末を用いた。
【0040】そして、表6ないし表11に示す粉末の配
合割合としてこれに黒鉛粉末を配合すると共に成形潤滑
剤としてステアリン酸亜鉛を配合し、混合機にて30分
間混合した後、6.5tonf/cmの圧力で、内
径:20mm、外径:40mm、厚さ:10mmの圧粉
体に成形し、この圧粉体を分解アンモニアガス中におい
て1180℃×30分の条件で焼結して各焼結合金を得
た。なお、銅溶浸材は、前記焼結合金に銅の圧粉体をの
せ、分解アンモニアガス中において1140℃×30分
保持することで銅を溶融含浸させることにより作製し
た。また、鉛含浸材は、真空中において550℃に加熱
した鉛の溶湯の中に焼結合金を浸漬した後、窒素ガス封
入により8気圧に加圧することで作製した。さらに、樹
脂含浸材は、アクリル系樹脂を真空含浸法により焼結合
金に含浸した後、100℃の湯中で硬化することで作製
した。
【0041】次いで、このようにして作製した各焼結合
金の耐摩耗性を評価するためにバルブシート形状に加工
し、直列4気筒16バルブ、排気量1600ccの実機
エンジンに組み込んで、排気側において、 ・バルブ材:SUH−36(バルブフェース部ステライ
ト#32盛金) ・エンジン回転数:6000rpm ・燃料:無鉛レギュラーガソリンおよび有鉛ガソリン ・試験時間:300時間 の条件で評価した。
【0042】また、被削性の評価は、大隈式旋盤を用い
て外径:φ40mm、厚さ:10mmの素材リング50
個の外周を切削するにあたり、 ・回転数:525rpm ・切削代:0.5mm ・送り速度:0.1mm/rev. ・切削油:なし ・工具:超硬チップ の条件で切削したときの最大切削抵抗値で評価した。
【0043】さらに、圧環圧強さは、外径:φ40m
m、内径:φ20mm、厚さ:10mmのリングをオー
トグラフにてクロスヘッドスピード:0.5mm/分の
条件で評価した。
【0044】さらにまた、圧縮性の評価は、前記配合粉
をアムスラー試験機にて直径:φ11.3mmの金型を
用いて荷重6tonfの条件で評価した。
【0045】これらの結果を表12〜38および図1〜
図32に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】
【表20】
【0066】
【表21】
【0067】
【表22】
【0068】
【表23】
【0069】
【表24】
【0070】
【表25】
【0071】
【表26】
【0072】
【表27】
【0073】
【表28】
【0074】
【表29】
【0075】
【表30】
【0076】
【表31】
【0077】
【表32】
【0078】
【表33】
【0079】
【表34】
【0080】
【表35】
【0081】
【表36】
【0082】
【表37】
【0083】
【表38】
【0084】表のNo.1〜7は、無鉛ガソリンを使用
する環境下での第1基材相中のW含有量の影響を調べた
ものであるが、同表および図1より明らかであるよう
に、第1基材相中のW含有量は3〜7%の範囲とするの
が摩耗量を低減するうえで有効であることが認められ
た。
【0085】また、表のNo.8〜14およびNo.4
は、無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材相中の
W含有量の影響を調べたものであるが、同表および図2
より明らかであるように、第2基材相中のW含有量は3
〜15%の範囲とするのが摩耗量を低減するうえで有効
であることが認められた。
【0086】さらに、表のNo.15〜20およびN
o.4は、無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材
相中のV含有量の影響を調べたものであるが、同表およ
び図3より明らかであるように、第2基材相中のV含有
量は2〜7%の範囲とするのが摩耗量を低減するうえで
有効であることが認められた。
【0087】さらに、表のNo.21〜25およびN
o.4は、無鉛ガソリンおよび有鉛ガソリンを使用する
環境下での第1基材相中のV含有量の影響を調べたもの
であるが、同表および図4(無鉛ガソリンの場合),図
5(有鉛ガソリンの場合)より明らかであるように、第
1基材相中のV含有量は1.5%以下の範囲とするのが
摩耗量を低減するうえで有効であることが認められた。
【0088】さらにまた、表のNo.26〜31および
No.4は、無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基
材相中のCr含有量の影響を調べたものであるが、同表
および図6より明らかであるように、第2基材相中のC
r含有量は1〜7%の範囲とするのが摩耗量を低減する
うえで有効であることが認められた。
【0089】さらにまた、表のNo.32〜35および
No.4は、無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基
材相中のCr含有量の影響を調べたものであるが、同表
および図7より明らかであるように、第1基材相中のC
r含有量は1%以下の範囲とするのが摩耗量を低減する
うえで有効であることが認められた。
【0090】さらにまた、表のNo.36〜41および
No.4は、無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基
材相と第2基材相との配合割合の影響を調べたものであ
るが、同表および図8より明らかであるように、第1基
材相に対する第2基材相の配合割合は20〜80wt%
の範囲とするのが摩耗量を低減するうえで有効であるこ
とが認められた。
【0091】さらにまた、表のNo.42〜48および
No.4は、有鉛ガソリンを使用する環境下でのSi含
有量の影響を調べたものであるが、同表および図9(有
鉛ガソリンの場合の耐摩耗性を示す),図10(圧環強
さを示す)より明らかであるように、Si含有量は0.
1〜5.0%の範囲とするのが良いことが認められた。
【0092】さらにまた、表のNo.49〜54および
No.4は、圧環強さへのMn含有量の影響を調べたも
のであるが、同表および図11(圧環強さを示す)より
明らかであるように、Mn含有量は0.1〜0.6%の
範囲とするのが良いことが認められた。
【0093】さらにまた、表のNo.55〜62は、析
出MnS含有量の圧環強さ、圧縮性、切削抵抗への影響
を調べたものであるが、同表および図12(圧環強さを
示す),図13(成形圧縮性を示す),図14(切削抵
抗を示す)より明らかであるように、適量のMnSを析
出させたものとするのが良いことが認められた。
【0094】さらにまた、表のNo.63およびNo.
4は、有鉛ガソリンを使用する環境下での析出MnSお
よびSi含有量の影響を調べたものであるが、同表より
明らかであるように、MnSを適量含有させることによ
って切削抵抗を小さくして被削性を向上させることがで
きると共に、Siを適量含有させることによって有鉛ガ
ソリンを使用する環境下においても耐摩耗性を向上させ
ることができることが認められた。
【0095】さらにまた、表のNo.64〜71および
No.4は、MnS粉末添加量の圧環強さ、圧縮性、切
削抵抗への影響を調べたものであるが、同表および図1
5(圧環強さを示す),図16(成形圧縮性を示す),
図17(切削抵抗を示す)より明らかであるように、適
量のMnS粉末を添加により分散させたものとするのが
良いことが認められた。
【0096】さらにまた、表のNo.72およびNo.
4は、有鉛ガソリンを使用する環境下でのMnS粉末添
加量およびSi含有量の影響を調べたものであるが、同
表より明らかであるように、適量のMnS粉末を添加に
より分散させることによって切削抵抗を小さくして被削
性を向上させることができると共に、Siを適量含有さ
せることによって有鉛ガソリンを使用する環境下におい
ても耐摩耗性を向上させることができることが認められ
た。
【0097】表のNo.73〜78およびNo.22
は、有鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相中の
W含有量の影響を調べたものであるが、同表および図1
8より明らかであるように、第1基材相中のW含有量は
3〜7%の範囲とするのが摩耗量を低減するうえで有効
であることが認められた。
【0098】また、表のNo.79〜85およびNo.
22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材相
中のW含有量の影響を調べたものであるが、同表および
図19より明らかであるように、第2基材相中のW含有
量は3〜15%の範囲とするのが摩耗量を低減するうえ
で有効であることが認められた。
【0099】さらに、表のNo.86〜91およびN
o.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での第2基
材相中のV含有量の影響を調べたものであるが、同表お
よび図20より明らかであるように、第2基材相中のV
含有量は2〜7%の範囲とするのが摩耗量を低減するう
えで有効であることが認められた。
【0100】さらにまた、表のNo.92〜97および
No.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での第2
基材相中のCr含有量の影響を調べたものであるが、同
表および図21より明らかであるように、第2基材相中
のCr含有量は1〜7%の範囲とするのが摩耗量を低減
するうえで有効であることが認められた。
【0101】さらにまた、表のNo.98〜101およ
びNo.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での第
1基材相中のCr含有量の影響を調べたものであるが、
同表および図22より明らかであるように、第1基材相
中のCr含有量は1%以下の範囲とするのが摩耗量を低
減するうえで有効であることが認められた。
【0102】さらにまた、表のNo.102〜107お
よびNo.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での
第1基材相と第2基材相との配合割合の影響を調べたも
のであるが、同表および図23より明らかであるよう
に、第1基材相に対する2基材相の配合割合は20〜8
0wt%の範囲とするのが摩耗量を低減するうえで有効
であることが認められた。
【0103】さらにまた、表のNo.108〜114お
よびNo.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での
Si含有量の影響を調べたものであるが、同表および図
24(有鉛ガソリンの場合の耐摩耗性を示す),図25
(圧環強さを示す)より明らかであるように、Si含有
量は0.1〜5.0%の範囲とするのが摩耗量を低減す
るうえで有効であることが認められた。
【0104】さらにまた、表のNo.115〜120お
よびNo.22は、圧環強さへのMn含有量の影響を調
べたものであるが、同表および図26(圧環強さを示
す)より明らかであるように、Mn含有量は0.1〜
0.6%の範囲とするのが良いことが認められた。
【0105】さらにまた、表のNo.121〜128
は、析出MnS含有量の圧環強さ、圧縮性、切削抵抗へ
の影響を調べたものであるが、同表および図27(圧環
強さを示す),図28(成形圧縮性を示す),図29
(切削抵抗を示す)より明らかであるように、適量のM
nSを析出させたものとするのが良いことが認められ
た。
【0106】さらにまた、表のNo.129およびN
o.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下での析出M
nSおよびSi含有量の影響を調べたものであるが、同
表より明らかであるように、MnSを適量含有させるこ
とによって切削抵抗を小さくして被削性を向上させるこ
とができると共に、Siを適量含有させることによって
有鉛ガソリンを使用する環境下においても耐摩耗性を向
上させることができることが認められた。
【0107】さらにまた、表のNo.130〜137お
よびNo.22は、MnS粉末添加量の圧環強さ、圧縮
性、切削抵抗への影響を調べたものであるが、同表およ
び図30(圧環強さを示す),図31(成形圧縮性を示
す),図32(切削抵抗を示す)より明らかであるよう
に、適量のMnS粉末を添加により分散させたものとす
るのが良いことが認められた。
【0108】さらにまた、表のNo.138およびN
o.22は、有鉛ガソリンを使用する環境下でのMnS
粉末添加量およびSi含有量の影響を調べたものである
が、同表より明らかであるように、適量のMnS粉末を
添加により分散させることによって切削抵抗を小さくし
て被削性を向上させることができると共に、Siを適量
含有させることによって有鉛ガソリンを使用する環境下
においても耐摩耗性を向上させることができることが認
められた。
【0109】さらに、表38は本発明の焼結合金の気孔
中に銅を溶浸させたり、鉛を溶浸させたり、樹脂を含浸
させたりした場合を示すものであるが、耐摩耗性をさら
に向上させたり、被削性をさらに向上させたりすること
が可能であることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相
中のW含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示
すグラフである。
【図2】無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材相
中のW含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示
すグラフである。
【図3】無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材相
中のV含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示
すグラフである。
【図4】無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相
中のV含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示
すグラフである。
【図5】有鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相
中のV含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示
すグラフである。
【図6】無鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材相
中のCr含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を
示すグラフである。
【図7】無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相
中のCr含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を
示すグラフである。
【図8】無鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材相
と第2基材相との配合割合による耐摩耗性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図9】有鉛ガソリンを使用する環境下でのSi含有量
による耐摩耗性への影響を調べた結果を示すグラフであ
る。
【図10】Si含有量による圧環強さへの影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図11】Mn含有量による圧環強さへの影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図12】析出MnS含有量による圧環強さへの影響を
調べた結果を示すグラフである。
【図13】析出MnS含有量による成形性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図14】析出MnS含有量による被削性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図15】MnS粉末添加量による圧環強さへの影響を
調べた結果を示すグラフである。
【図16】MnS粉末添加量による成形性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図17】MnS粉末添加量による被削性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図18】有鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材
相中のW含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を
示すグラフである。
【図19】有鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材
相中のW含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を
示すグラフである。
【図20】有鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材
相中のV含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果を
示すグラフである。
【図21】有鉛ガソリンを使用する環境下での第2基材
相中のCr含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果
を示すグラフである。
【図22】有鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材
相中のCr含有量による耐摩耗性への影響を調べた結果
を示すグラフである。
【図23】有鉛ガソリンを使用する環境下での第1基材
相と第2基材相との配合割合による耐摩耗性への影響を
調べた結果を示すグラフである。
【図24】有鉛ガソリンを使用する環境下でのSi含有
量による耐摩耗性への影響を調べた結果を示すグラフで
ある。
【図25】Si含有量による圧環強さへの影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図26】Mn含有量による圧環強さへの影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図27】析出MnS含有量による圧環強さへの影響を
調べた結果を示すグラフである。
【図28】析出MnS含有量による成形性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図29】析出MnS含有量による被削性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図30】MnS粉末添加量による圧環強さへの影響を
調べた結果を示すグラフである。
【図31】MnS粉末添加量による成形性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
【図32】MnS粉末添加量による被削性への影響を調
べた結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 幸一郎 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶金 株式会社内 (72)発明者 青 沼 浩 一 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶金 株式会社内 (72)発明者 河 田 英 昭 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶金 株式会社内 (72)発明者 眞 木 邦 雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 江 平 淳 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤 木 章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 安 保 定 幸 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 佐 藤 成 剛 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物から
    なる成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以
    下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
    第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、C
    r:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1
    〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物
    からなる第2基材相が20〜80wt%を占めており、
    これら2つの相が斑状に分布する組織を呈することを特
    徴とする高温耐摩耗性焼結合金。
  2. 【請求項2】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物から
    なる成分を有し、且つ、W:3〜7%、V:0.5〜
    1.5%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、
    Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Fe
    および不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15
    %、V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜
    0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以
    下、残部Feおよび不純物からなる第2基材相が20〜
    80wt%を占めており、これら2つの相が斑状に分布
    する組織を呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合
    金。
  3. 【請求項3】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残
    部Feおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3
    〜7%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、M
    n:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
    2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材
    相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜
    7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
    eおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt%
    を占めており、これら2つの相が斑状に分布する組織を
    呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。
  4. 【請求項4】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残
    部Feおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3
    〜7%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%以下、S
    i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1.0%、S:
    0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび
    不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、
    V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜0.6
    %、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、
    C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2
    基材相が20〜80wt%を占めており、これら2つの
    相が斑状に分布する組織を呈することを特徴とする高温
    耐摩耗性焼結合金。
  5. 【請求項5】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物から
    なる成分を有し、且つ、W:3〜7%、Cr:1%以
    下、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる
    第1基材相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、C
    r:1〜7%、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1
    〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび不純物
    からなる第2基材相が20〜80wt%を占めており、
    これら2つの相が斑状に分布する組織を呈することを特
    徴とする高温耐摩耗性焼結合金。
  6. 【請求項6】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.1〜0.6
    %、C:0.6〜2.2%、残部Feおよび不純物から
    なる成分を有し、且つ、W:3〜7%、V:0.5〜
    1.5%、Cr:1%以下、Si:0.6〜5.0%、
    Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Fe
    および不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15
    %、V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.6〜
    5.0%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以
    下、残部Feおよび不純物からなる第2基材相が20〜
    80wt%を占めており、これら2つの相が斑状に分布
    する組織を呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合
    金。
  7. 【請求項7】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残
    部Feおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3
    〜7%、Cr:1%以下、Si:0.6〜5.0%、M
    n:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、C:
    2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第1基材
    相に対し、W:3〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜
    7%、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部F
    eおよび不純物からなる第2基材相が20〜80wt%
    を占めており、これら2つの相が斑状に分布する組織を
    呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。
  8. 【請求項8】 全体組成が、重量比で、W:3〜13.
    4%、V:0.8〜5.9%、Cr:0.2〜5.6
    %、Si:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0
    %、S:0.1〜0.6%、C:0.6〜2.2%、残
    部Feおよび不純物からなる成分を有し、且つ、W:3
    〜7%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%以下、S
    i:0.6〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%、S:
    0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部Feおよび
    不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、
    V:2〜7%、Cr:1〜7%、Si:0.6〜5.0
    %、Mn:0.2〜1.0%、S:0.1〜0.6%、
    C:2.2%以下、残部Feおよび不純物からなる第2
    基材相が20〜80wt%を占めており、これら2つの
    相が斑状に分布する組織を呈することを特徴とする高温
    耐摩耗性焼結合金。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,5,6のいずれかに記載
    の焼結合金の粒界または気孔内にMnSが0.3〜1.
    6wt%分散してなることを特徴とする高温耐摩耗性焼
    結合金。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9のいずれかに記載の焼結合金の気孔内にCuない
    しはCu合金を溶浸してなることを特徴とする高温耐摩
    耗性焼結合金。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9のいずれかに記載の焼結合金の気孔内にPbない
    しはPb合金を溶浸してなることを特徴とする高温耐摩
    耗性焼結合金。
  12. 【請求項12】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9のいずれかに記載の焼結合金の気孔内にアクリル
    系樹脂を含浸してなることを特徴とする高温耐摩耗性焼
    結合金。
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