JPH0692609A - 層間化合物の製造方法 - Google Patents

層間化合物の製造方法

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JPH0692609A
JPH0692609A JP4288642A JP28864292A JPH0692609A JP H0692609 A JPH0692609 A JP H0692609A JP 4288642 A JP4288642 A JP 4288642A JP 28864292 A JP28864292 A JP 28864292A JP H0692609 A JPH0692609 A JP H0692609A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流動層反応装置を利用して、成分が一様で余剰
の挿入物質のない大容量のグラファイト層間化合物を製
造する方法を提供する。 【構成】 母材と挿入物質を流動層反応装置10内に導
入し、不活性ガスを流動層反応装置10内を通過させて
該母材と挿入物質とを混合して流動層混合物を形成し、
不活性ガスの存在下で、該流動層混合物を、母材と挿入
物質とが反応するのに十分な温度まで加熱し、母材と挿
入物質とが反応して層間化合物を形成するのに十分な時
間の間、上記加熱流動層混合物内に反応ガスを通過させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は層間化合物の製造方法に
関し、特に流動層反応装置を使用してグラファイト層間
化合物を製造する方法に関し、該層間化合物はグラファ
イトのような母材と挿入物質からなり、余剰の挿入物質
のないものである。
【0002】
【従来の技術および背景】グラファイトは炭素の結晶体
である。グラファイトにおける炭素原子は層状構造をし
ており、各炭素原子はσ結合と呼ばれる共有結合によっ
て同一層内の他の3個の炭素原子と強く結ばれている。
そして、隣接した層の炭素原子との間はπ結合と呼ばれ
る非局在化結合によって弱く結合されている。従って、
グラファイトの炭素原子の各層は、π電子の非局在化分
布によって互いに弱く結びつけられている。また、これ
が原因でグラファイトの潤滑性と電気伝導性は良好であ
ると言われている。
【0003】グラファイトの炭素原子層の間の結合が弱
いために、電子受容体または電子供与体からなる化合物
がグラファイトの隣接する炭素原子層の間に挿入され、
グラファイト格子が膨張する。グラファイトの炭素原子
層の間に挿入される化合物を、以下『挿入物質』と呼称
する。グラファイトとの反応過程で挿入物質はグラファ
イトの隣接する炭素原子層の間に分散する。そして、挿
入物質とグラファイトの炭素原子との間に電子交換が生
じる。グラファイトと挿入物質との反応によって生じる
化合物は、以下『グラファイト層間化合物』と呼称す
る。
【0004】グラファイトと特定の挿入物質との相対的
な量に応じて、異なるグラファイト層間化合物が生じ
る。これらの異なる化合物は、特定のグラファイト層間
化合物のステージと呼ばれる。例えば、第一ステージの
グラファイト層間化合物は、炭素原子と挿入物質が交互
に層をなし、第二ステージのグラファイト層間化合物
は、2つの連続した炭素原子の層と挿入物質の1層とが
交互に層をなし、第三ステージのグラファイト層間化合
物は、3つの連続した炭素原子の層と挿入物質の1層と
が交互に層をなしたものである。
【0005】挿入物質を有しないグラファイトは知られ
ており、潤滑物質および電気伝導体として利用されてい
る。挿入物質はグラファイトの機械特性、特に自己潤滑
性を改善する。しかし、従来のグラファイト層間化合物
の製造方法は、次の欠点を有している。すなわち、余剰
の非層間化合物や挿入物質を含む不均一な製品しか製造
できない点と小容量のものしか得られない点である。こ
れらの欠点を改善する必要がある。
【0006】従来のグラファイト層間化合物の製造方法
の1つは、静的な反応装置を利用する方法である。この
方法は、グラファイトと、金属ハロゲン化物のような挿
入物質をまず混合し、その混合物を密封可能な静的、す
なわち固定層反応装置に導入する。そして、反応装置を
密封した後混合物を加熱する。しかしながら、反応ガス
がない場合、グラファイトと挿入物質を単に混合しただ
けでは、反応温度を上げてもグラファイト層間化合物を
形成しない。それ故、塩素ガスのような反応ガスがグラ
ファイト層間化合物を形成するために、グラファイトと
挿入物質の加熱混合物中に通入される。反応ガスはその
位置で生成され、ガス流としてグラファイトと挿入物質
の混合物中を通過する。一般に、反応ガスは、電子移動
によってグラファイトの隣接する炭素原子層の間に挿入
物質が挿入されるのを助長する作用をする。
【0007】従来の固定層反応装置は、反応ガスの入口
および反応ガスと他の副産物の出口を有している。それ
故、反応ガスは固定層反応装置に導入され、加熱された
グラファイトと挿入物質との混合物の間を通過し、グラ
ファイト層間化合物を生成する。
【0008】上記した従来のグラファイト層間化合物の
製造方法は、8時間で約3.5ポンドのグラファイト層
間化合物しか製造できない。静的な反応装置は、設計上
の制限から、大容量の反応装置に適さず、試験装置程度
の大きさのものに制限されるので、生産性が低い。
【0009】さらに、従来の静的反応装置によって製造
されるグラファイト層間化合物は、以下の理由によって
品質が不均一である。その第一の理由は、固定層反応装
置のグラファイトと挿入物質との混合物からなる充填物
が、反応ガスが該混合物の間を通って固定層反応装置の
断面内を一様に流れるのを妨げるからである。第二の理
由は、熱勾配が固定層反応装置の断面上に存在し、該反
応装置の中心部は周壁部に近いところよりも温度が低い
からである。該混合物の充填物が、固定層反応装置内に
反応ガスのチャネリングを形成する。従って、反応ガス
とグラファイト−挿入物質混合物とは不均一にしか接触
しない。そのため、一様な品質の製品は製造できない。
【0010】グラファイトと挿入物質とが完全に反応し
た後に固定層反応装置は冷却され、反応装置の頂部が開
放され、グラファイト層間化合物が反応装置から取り出
される。生成したグラファイト層間化合物は、余剰の非
層間化合物や挿入物質および遊離した非層間化合物やグ
ラファイトを含有している。それ故一般的に、現在の固
定層反応法によって製造されるグラファイト層間化合物
は、約40重量%の余剰の挿入物質を含み、余剰の挿入
物質がないグラファイト層間化合物に比べると、自己潤
滑性が低い不均一な品質のグラファイト層間化合物しか
製造できない。
【0011】これに比して、本方法は本質的に余剰の挿
入物質のないグラファィト層間化合物を提供することが
できる。さらに、本方法によれば、例えば、固定層反応
装置で製造されるグラファイト層間化合物のように、大
容量の余剰の挿入物質を含有するグラファイト層間化合
物の高純化を図ることができ、1重量%以下の余剰の挿
入物質しかないグラファイト層間化合物を提供すること
ができる。
【0012】グラファイト層間化合物を製造する別の方
法は、ナップオスト(Knappwost) の米国特許33772
80号に開示されており、それによれば、グラファイト
と金属粉が塩素ガスのようなハロゲン化媒体の存在下で
加熱され、グラファイト−金属ハロゲン化物層間化合物
を提供することができる。ナップオスト(Knappwost)の
方法は、グラファイト層間化合物を得るためにグラファ
イトと金属ハロゲン化物を加熱することで、上記層間化
合物製造の困難性と製造コストの上昇を回避している。
【0013】オブラス(Oblas) 等の米国特許46042
76号とスー(SU)の米国特許4608192号は、蒸気
搬送反応装置内のグラファイト層間化合物の製造方法が
開示されている。オブラス(Oblas) 等の方法は、反応装
置の第一ゾーンで生成される金属ハロゲン化物の蒸気を
利用し、反応装置の第二ゾーンでグラファイトに挿入し
ている。生成されるグラファイト層間化合物は、十分に
高温に保持され、グラファィト層間化合物上に金属ハロ
ゲン化物が凝縮されるのを防止し、より純粋で均一な品
質の製品が製造される。スー(SU)は類似の方法を開示し
ている。
【0014】スギウラ等の米国特許4729884号
は、塩素ガスを使用しないグラファイト金属塩化物層間
化合物の製造方法を開示している。スギウラ等の方法
は、塩素ガスの代用として、グラファイトに挿入される
第一金属塩化物と、第一金属塩化物より沸点が低い比較
的少量の第二金属塩化物を利用している。スギウラ等の
方法は、グラファイト層間化合物を製造するための反応
速度を増すけれども、得られるグラファイト層間化合物
のグラファイト中には若干の第二金属ハロゲン化物が挿
入される。これは、2つの金属ハロゲン化物の存在がグ
ラファイト層間化合物の望ましい特性に悪影響を与える
ために好ましくない。
【0015】一方、大容量のグラファイト層間化合物を
簡単に、経済的に且つ比較的短時間に製造できる方法を
提供することが要望されている。また、品質が均一で余
剰の挿入物質がないグラファイト層間化合物を提供し、
余剰の挿入物質を除去することによってグラファイト層
間化合物を高純化する方法を提供することが要望されて
いる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、清浄
で均一な品質のグラファイト層間化合物の大容量を簡単
に経済的に製造する方法を提供することにある。また、
本発明の目的は、成分が一様で余剰の挿入物質のないグ
ラファイト層間化合物を提供することにある。特に、本
方法の目的は、流動層反応装置を利用して、成分が一様
で高純のグラファイト層間化合物を提供することにあ
る。さらに、本発明の目的は、グラファイト層間化合物
を簡単に高純化する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】本発明によれ
ば、まずグラファイトと挿入物質が流動層反応装置に導
入される。グラファイトと挿入物質を予め混合する必要
はない。次いで、不活性ガスが流動層反応装置に導入さ
れる。まず不活性ガスはガス分配システムを通過し、流
動層反応装置の断面を通過する不活性ガス流が分流され
る。そして、グラファイトと挿入物質の層を通過する。
不活性ガス流はグラファイトと挿入物質の層を流動化し
てグラファイトと挿入物質を混合し、一様な品質の流動
化グラファイト−挿入物質混合物を得ることができる。
【0018】流動化グラファイト−挿入物質混合物は十
分な温度に加熱され、十分な時間その温度に保持される
ので、不活性ガスによって層間化合物の生成を阻害する
水分や他の低沸点化合物が流動層から除去される。次い
で、流動化グラファイト−挿入物質混合物は、さらに加
熱され、グラファイトは挿入物質と反応する。
【0019】次いで、不活性ガスは反応ガスと置換さ
れ、その反応温度におけるグラファイトと挿入物質との
反応が促進される。グラファイトと挿入物質の流動層
は、反応ガスの存在下で十分な時間反応温度に保持さ
れ、グラファイト層間化合物を得ることができる。それ
から、流動層反応装置におけるグラファイト層間化合物
の温度は余剰の挿入物質を流動層反応装置から除去する
のに十分な温度まで加熱され、かくして余剰の挿入物質
のないグラファイト層間化合物を得ることができる。
【0020】次に、流動層反応装置は冷却され、反応性
ガスと不活性ガスを置換することによって、反応性ガス
を除去する。
【0021】生成グラファイト層間化合物は、成分が一
様で余剰の挿入物質のないものである。本発明の方法
は、一様な成分のグラファイト層間化合物を提供するこ
とができる。さらに、本発明の方法によれば、従来の固
定層反応装置による製造方法に比して、時間当たりのグ
ラファイト層間化合物の製造量を、バッチプロセスでは
約20倍に、連続プロセスでは約60倍まで向上させる
ことができる。
【0022】本発明の方法は、如何なるグラファイト層
間化合物の製造にも、また、グラファイトと挿入物質の
比率を調整することによって、グラファイト層間化合物
の各ステージの製造に利用することができる。本方法
は、挿入物質が金属ハロゲン化物で反応ガスがハロゲン
ガスである、グラファイト層間化合物の製造に特に好適
である。
【0023】また、別の方法として、グラファイト層間
化合物は、連続プロセスで製造される。一般に、グラフ
ァイト層間化合物の連続的な製造方法で有用な装置は、
以下のものを有している。すなわち、グラファイトと挿
入物質を混合するためのゾーンと、グラファイトと挿入
物質がグラファイト層間化合物を形成するために反応す
る反応ゾーンと、グラファイト層間化合物を集めるため
の集積ゾーンと、混合ゾーンと反応ゾーンを分離するた
めの緩衝ゾーンおよび反応ゾーンと集積ゾーンを分離す
るための緩衝ゾーンである。
【0024】本発明の別の重要な一面は、グラファイト
層間化合物から余剰の挿入物質を分離するためにグラフ
ァイト層間化合物を加熱し、加熱されたグラファイト層
間化合物内にガスを流すことによって余剰の挿入物質を
含むグラファイト層間化合物の高純化を図る方法を提供
することにある。如何なる方法によって製造されたグラ
ファイト層間化合物であろうとも、本発明の方法によっ
て1重量%以下の余剰の挿入物質しかない、高純化グラ
ファイト層間化合物にすることができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明に係る層間化合物の製造方法の
実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本発明に
係る方法で好適に使用される流動層反応装置の断面図、
図2は本発明に係る方法で好適に使用される連続流動層
反応装置の断面図、図3は連続流動層反応装置の頂部部
分断面図である。
【0026】本発明の方法について、グラファイト層間
化合物のバッチ式製造方法を示す図1を参照しながら説
明する。一般に、グラファイトと挿入物質は、反応装置
10の容器11に導入される。反応装置10を密封した
後、不活性ガスが容器11に通入される。不活性ガスは
容器11の反応ゾーン20内のグラファイトと挿入物質
の層を流動化する。流動層はヒーター32によって加熱
される。それから、反応ガス供給装置54から反応ガス
が不活性ガスの代わりに容器11に通入される。
【0027】反応ガスの存在下で昇温され、グラファイ
トと挿入物質はグラファイト層間化合物を形成するため
に反応する。挿入物質は、容器11のフリーゾーン24
に加熱不活性ガス外包部を供給することによって反応ゾ
ーン20内に保持される。不活性ガス外包部はフリーゾ
ーン24内のガス相が挿入物質の蒸気で飽和されるのを
防止し、その結果フィルター44に挿入物質が凝縮され
るのを阻止することができる。それ故、不活性ガス外包
部はフィルター44が詰まるのを防止できる。
【0028】反応ゾーン20から漏れるグラファイトは
フィルター44に集められ、フィルター44に不活性ガ
スのパルスを付加することによって反応ゾーン20に周
期的に戻される。
【0029】グラファイト層間化合物が形成された後、
余剰の挿入物質は容器11から除かれ、コンデンサー6
0に集められる。容器11とその内容物は冷却され、グ
ラファイト層間化合物は反応装置10から取り出され
る。グラファイト層間化合物には余剰の挿入物質はな
い。
【0030】以下に、グラファイトと塩化ニッケルから
なるグラファイト層間化合物の製造方法について詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでな
い。
【0031】しかしながら、本発明の方法は、グラファ
イトおよびグラファイトと反応することが可能な金属ハ
ロゲン化物、金属酸化物または金属硫化物からなるグラ
ファイト層間化合物の製造に有用である。
【0032】特に、図1は、容器11と該容器11への
不活性ガスおよび/または反応ガスの入口12を有する
流動層反応装置10の断面図である。容器11は、約6
00〜1000℃の高温と塩素ガスのような反応ガスに
よる腐食にも耐え得る材料から構成されている。容器1
1を構成する好ましい材料は溶融石英である。他の好ま
しい構成材料としては、例えばムライト、アルミナ、イ
ットリア安定化ジルコニアを挙げることができる。
【0033】入口12に入る不活性ガスおよび/または
反応ガスの流れはガス分配システムによって容器11の
断面内に一様に流れる。容器11の断面内に一様に不活
性ガスおよび/または反応ガスを流すことのできる公知
のガス分配システムを使用することができる。ガス分散
プレートを含む例はスタフィン(Staffin) 等の米国特許
4068389号に開示されており、本実施例で示され
ている。これは、流動層反応装置を設計する当業者にと
って公知のガス分散プレートと類似している。
【0034】反応ガスは腐食性を有するために、ガス分
配システムは、非金属材料、例えばセラミックプレー
ト、単一の石英羽口、多数の羽口を有する石英製スタン
ドパイプ、シャモット、すなわち反応圧で流動化しない
固体の粒子層、砂またはアルミナ粒子層からなるものが
好ましい。図において、流動層反応装置10は、容器1
1の断面内に不活性ガスと反応ガスを一様に分配するた
めに、羽口14とシャモット16を付設した石英製スタ
ンドパイプ13を有している。
【0035】グラファイトと挿入物質は、入口18を通
って容器11の反応ゾーン20に導入され、シャモット
16上の反応ゾーン20の底部に落ちる。容器11にグ
ラファイトと挿入物質を導入する前にグラファイトと挿
入物質を一様に混合するための予備混合は必要でない。
グラファイトと挿入物質は容器11の反応ゾーン20に
任意の順序で導入される。一般に、反応ゾーン20は、
容器11内のグラファイトと挿入物質の層を流動化した
後、グラファイトと挿入物質の流動層のレベルが線22
によって示されたレベル以上に上昇しないように、グラ
ファイトと挿入物質の量を調整することができる。線2
2の上にある容器11のゾーン24はフリーゾーンと呼
称されている。グラファイトと挿入物質の反応は反応ゾ
ーン20内で全て行われる。
【0036】好ましい反応ガスが特定の挿入物質と関連
して使用される限り、如何なるグラファイト層間化合物
でも本発明の方法で製造することができる。さらに、グ
ラファイト層間化合物を提供するために知られている如
何なる種類のグラファイトでも本発明の方法で使用する
ことができる。好ましいグラファイト形態としては、例
えば、粉末の天然グラファイト、シート状の天然グラフ
ァイト、シート状の膨潤グラファイト、グラファイト繊
維および合成グラファイト等を挙げることができる。こ
の実施例では、シカゴのスペリオル・グラファイト社の
製造による合成グラファイト、『スペリオル・グラファ
イトNo.5035』の約54.3ポンドが入口18を
通って容器11の反応ゾーン20に導入された。
【0037】グラファイトに加えて、挿入可能で層状の
結晶構造を有する他の母材を本発明に係る方法で使用す
ることができる。そのような母材の例としては、例え
ば、二硫化モリブデン、六方晶系の窒化ホウ素等を挙げ
ることができる。
【0038】同様に、グラファイト層間化合物を提供す
るために知られている如何なる種類の挿入物質でも本発
明で使用できる。好ましい挿入物質の例としては、例え
ば、金属ハロゲン化物、金属酸化物および金属硫化物を
挙げることができる。特に、挿入物質としては、金属ハ
ロゲン化物が好ましい。
【0039】有用な金属ハロゲン化物を構成する金属お
よびハロゲン化物としては、それぞれ以下のものを挙げ
ることができる。金属としては、周期表のIa族、Ib
族、IIb族、III a族、IVb族、Va族、Vb族、VIb
族、VII b族およびVIII族ならびに稀土類金属やこれら
の混合物を挙げることができる。ハロゲン化物として
は、塩化物、臭化物、フッ化物、沃化物およびこれらの
混合物を挙げることができる。そして、金属ハロゲン化
物としては、例えば、鉄、コバルト、銅、ニッケル、イ
ットリウム、ルテニウム、ウラニウム、カリウム、ナト
リウム、アルミニウム、水銀、パラジウム、プラチナ、
金、ガリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、ルビジ
ウム、セシウム、リチウム、インジウム、タンタル、ス
トロンチウム、カドミウム、アンチモン、ジルコニウ
ム、タリウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングス
テン、マンガン等の塩化物および臭化物を挙げることが
できる。グラファイトに挿入できる他の金属ハロゲン化
物の例は、書物名『材料科学と技術(Materials Science
and Engineering) 』(1977年)、31号の53〜
59頁に、イー・スタンプ(E.Stumpp)による、名称「グ
ラファイトへの金属塩化物と金属臭化物の挿入」と記載
された箇所の中に示されている。
【0040】挿入物質として有用な金属酸化物の例とし
ては、例えば、三酸化モリブデン、五酸化バナジウム、
三酸化クロム、酸化アンチモン等を挙げることができ
る。
【0041】挿入物質として有用な金属硫化物の例とし
ては、例えば、二硫化モリブデン、硫化アンチモン、硫
化タリウム、硫化クロム、硫化バナジウム、硫化タング
ステン、硫化パラジウム、硫化鉄、硫化銅等を挙げるこ
とができる。
【0042】本発明によれば、グラファイト層間化合物
を提供できることに加えて、特定のステージのグラファ
イト層間化合物を提供することができる。例えば、層間
化合物の第一ステージ、第二ステージ、第三ステージま
たは他のステージのものは、容器11に導入されるグラ
ファイトと挿入物質の相対比率を調整することによって
得ることができる。特定の層間化合物の特定のステージ
を得るために必要とされる挿入物質に対するグラファイ
トの正確な比率は、グラファイト層間化合物を製造する
当業者であれば容易に決定することができる。
【0043】本実施例において、グラファイトと塩化ニ
ッケル(NiCl2) を含む第三ステージのグラファイト層間
化合物は、入口18を通って容器11の反応ゾーン20
に塩化ニッケル6水和物(NiCl2・6H2O) を導入すること
によって製造される。この場合のグラファイトと挿入物
質、すなわち塩化ニッケル6水和物との相対比率は、グ
ラファイト約45重量%に対して塩化ニッケル6水和物
は約55重量%である。本実施例において、約54.3
ポンドのグラファイトが反応ゾーン20に導入された
後、オハイオ州、ウィックリッフェ(Wickliffe) のホー
ル化学会社(HallChemical Co.) 製の約62.7ポンド
の塩化ニッケル6水和物が容器11の反応ゾーン20に
導入される。 NiCl2・6H2Oに対するグラファイトのこの
重量比は、塩化ニッケル(NicL2) に対するグラファイト
の重量比が約55:45である場合の化学式 C19.5NiCl
2 を有する第三ステージのグラファイト−塩化ニッケル
層間化合物を提供する。グラファイト層間化合物の重量
比は、以下に詳細に記載するように、水和物の水が容器
11から除去されるために、容器11に加えられた成分
の比とは異なる。
【0044】容器11の反応ゾーン20にグラファイト
と挿入物質を導入した後、入口18は大気に対して密閉
される。例えば、窒素、アルゴンまたはヘリウムのよう
な不活性ガスが、不活性ガス供給装置26から、経路2
8、経路30、入口12、石英製のスタンドパイプ1
3、羽口14、シャモット16からなる流路を経て容器
11に導入される。不活性ガスは、容器11の反応ゾー
ン20内のグラファイトと挿入物質の層を流動化するよ
うに、すなわちグラファイトと挿入物質の固体粒子が液
体のように振る舞うように、十分な速度で導入される。
【0045】一般に、不活性ガスは約5〜50フィート
/分の速度で容器11に入り、流通する。本実施例にお
いて、不活性ガスは約12〜15フィート/分の速度で
容器11内を流通し、グラファイトと塩化ニッケル6水
和物を流動化する。この速度でシャモット16を構成す
る材料は流動化しない。しかし、不活性ガスは羽口14
とシャモット16によって容器11の断面内に均一に分
配され、容器11のグラファイトと挿入物質の層を流動
化し、均質な流動層混合物を形成するために、グラファ
イトと挿入物質を混合する。
【0046】約1〜5分の十分な時間の後、グラファイ
トと挿入物質の流動層は均質な流動層混合物を提供し得
るように十分に混合される。それから、容器11の反応
ゾーン20を覆う複数のヒーター32は反応ゾーン20
内の流動層混合物を約250〜350℃まで加熱し、一
方、不活性ガスは容器11内を連続的に流通し続ける。
この温度で、例えば塩化ニッケル6水和物 (NiCl・6H
2O) 中の水ような、挿入物質と結合した水和物の水は、
挿入物質から除去され、容器11から排出される。水は
グラファイトと塩化ニッケルに反応する前に容器11か
ら除去される。というのは、水はグラファイトと挿入物
質との反応を阻害するからである。一般に、塩化ニッケ
ルおよび他の多数の金属ハロゲン化物のような挿入物質
は、高温になると昇華する。グラファイトと塩化ニッケ
ルとの間の反応前および反応中に塩化ニッケルの過度の
昇華を避けることは重要である。というのは、グラファ
イト層間化合物の希望するステージを得るためのグラフ
ァイトと挿入物質との正確な相対比率が確保されなくな
るからである。それ故、昇華した挿入物質(例えば、塩
化ニッケル)の凝縮は、グラファイトと挿入物質との反
応前および反応中において低減するのが好ましい。これ
は、入口18を通って容器11のフリーゾーン24内に
第二の不活性ガスの加熱外包部を導入することによって
達成することができる。この不活性ガスは、第二の不活
性ガス供給装置34から、経路36、ヒーター38およ
び経路40からなる流路に沿って導入される。不活性ガ
ス外包部は、昇華した挿入物質を希釈し、挿入物質をそ
の昇華温度または昇華温度以上に保持することによっ
て、昇華した挿入物質がフリーゾーン24内で凝縮する
のを防止する。
【0047】例えば窒素のような第二の不活性ガスが、
少なくともグラファイトと挿入物質との反応温度に等し
い温度に加熱される。容器11のフリーゾーン24内の
加熱不活性ガス外包部が、反応ゾーン20の流動層混合
物から昇華した、塩化ニッケルのような挿入物質を希釈
する。それ故、加熱不活性ガス外包部は、容器11のフ
リーゾーン24内の昇華挿入物質の凝縮を防止する。不
活性ガス外包部の温度は、容器11のフリーゾーン24
を囲む複数のヒーター42によって反応温度かまたはそ
れ以上の温度に保持される。加熱された不活性ガス外包
部の圧力は、不活性ガス外包部が容器11の反応ゾーン
20内でのグラファイトと挿入物質の流動層混合に悪影
響を与えないように、十分に低くされる。
【0048】さらに、複数のフィルター44が容器11
のフリーゾーン24内に設置されているのがより好まし
い。フィルター44は、鋳造されたポーラスなセラミッ
クのようなポーラスな材料から構成され、反応ゾーン2
0を抜け出るグラファイトまたはグラファイト層間化合
物が集積する面となる。フィルター44に集まる固体材
料は、フィルターから追い出され、経路48を通って第
三の不活性ガス供給装置46から不活性ガスを周期的に
送り込むことによって、容器11の反応ゾーン20内の
流動層混合物に戻される。本実施例において、さらに加
熱不活性ガス外包部は、昇華した塩化ニッケルが凝縮し
てフィルター44を密閉するのを防止する。
【0049】容器11内のグラファイトと挿入物質が十
分な温度に加熱されず、また反応ガスが容器11に導入
されて流通しなければ、グラファイト層間化合物を形成
するためのグラファイトと挿入物質との間の反応は起こ
らない。それ故、水や他の低分子量の化合物が約250
〜350℃の温度で不活性ガスとともに容器11から除
去される。しかし、グラファイトと挿入物質との間の反
応は起こらない。水が容器11から除去された後、ヒー
ター32がグラファイトと特定の挿入物質のための反応
温度、または僅かに下回る程度の温度に反応ゾーン20
内の流動層混合物の温度を高めるように作用する。本実
施例において、挿入物質として塩化ニッケルを使えば、
流動層混合物の温度はグラファイトと塩化ニッケルとの
反応に影響を与えるように、約730〜750℃に昇温
される。急速な加熱は挿入物質の過度の昇華を減ずるた
めに好ましい。
【0050】流動層混合物の温度は、不活性ガス流がグ
ラファイトと塩化ニッケルを定常的に混合するために、
容器11の全断面に亘って一定である。その結果、グラ
ファイトの各粒子と塩化ニッケルの各粒子は同じ温度に
保持され、それ故、固定層反応装置で製造されるグラフ
ァイト層間化合物に比してより一様なグラファイト層間
化合物が生成する。固定層反応装置においては、反応装
置の断面内に温度勾配が生じる。その結果、反応装置壁
面に近い反応物質は、固定層反応装置の中心の反応物質
よりも高温に加熱される。本発明は反応装置断面の温度
勾配を減ずることができる。容器11は、一定の反応温
度に加熱し保持するために、隔離層50によって覆われ
ているのが好ましい。反応ゾーン20内の流動層混合物
の温度とフリーゾーン24の温度は熱電対52によって
監視されている。
【0051】容器11の反応ゾーン20内の流動層混合
物の温度が約730〜750℃に達した後、反応ガスは
入口12を経て容器11に導入される。反応ガスは、反
応ガス供給装置54から経路56と経路30によって定
められる流路に沿って流れ、そのガスは流動層混合物を
流動状態に維持するために十分な速度で流れる。容器1
1内に反応ガスが流れ出すと、容器11内への不活性ガ
スの流入は停止される。この過程は、グラファイトと塩
化ニッケルがプロセス中、流動状態を維持するのを助け
る。
【0052】グラファイト層間化合物がグラファイトと
塩化ニッケルのような金属ハロゲン化物挿入物質からな
る実施例において、反応ガスは塩素、臭素、沃素または
フッ素のようなハロゲンガスである。挿入物質が金属酸
化物または金属硫化物である実施例においては、反応ガ
スは酸素である。本実施例においては、挿入物質は金属
ハロゲン化物で、反応ガスは塩素である。塩素は供給量
が豊富で経済的であるために、金属ハロゲン化物挿入物
質の反応ガスとして好ましい。反応ガスは、挿入物質と
反応し得るガス分を少なくとも5重量%から100%ま
で含有する。
【0053】反応ゾーン20が反応温度に加熱され、反
応ガスが容器11内を流れると、グラファイトと塩化ニ
ッケルとの間の反応が起こる。その反応は、グラファイ
トと塩化ニッケルの反応温度である、約750℃または
それ以上の温度までグラファイトと塩化ニッケルの流動
層混合物の温度を高めることによって成し遂げられる。
発熱が観察されなければ、容器11の反応ゾーン20内
の流動層混合物は反応温度が達成されることを確実にす
るために、ヒーター32によって約750℃まで加熱さ
れる。
【0054】塩素ガスのような反応ガスの存在下で約7
50℃において、グラファイトと塩化ニッケルはグラフ
ァイト−塩化ニッケル層間化合物を形成するために反応
する。グラファイトと塩化ニッケルは反応ガスが存在し
なければ、反応温度においても反応しない。というの
は、反応ガスがグラファイト層間化合物を形成する電子
移動を助けるために必要とされるからである。固体塩化
ニッケルと塩素ガスはグラファイト粒子の表面に凝縮す
る中間ニッケル化合物(NiCl3 -) を形成するために反応
し、そこで、中間ニッケル化合物はグラファイトの隣接
する炭素原子層から離れ、これらの層の間を移動するこ
とは理論化されているが、ここではその理論に基づかな
い。それ故、中間ニッケル化合物はグラファイトの内部
において減少する。その結果、生成されるものは、そこ
に挿入されるNiCl2 を有する炭素原子層と中間ニッケル
化合物(NiCl3 -) の層を有するグラファイト表面の層で
ある。
【0055】グラファイトと塩化ニッケルとの間の反応
は、化学式 C19.5NiCl2 を有する、第三ステージのグラ
ファイト−塩化ニッケル層間化合物を形成するために十
分な時間である、約1時間の間塩素ガスの存在下で約7
50℃で進行する。特定の挿入物質を使用した場合、グ
ラファイトと挿入物質は約600〜1000℃の温度で
反応し、反応生成物はグラファイト層間化合物を形成す
るために十分な時間、すなわち5〜60分の間反応温度
に保持される。
【0056】本方法において、グラファイト層間化合物
を形成した後、余剰の挿入物質はグラファイト層間化合
物から除かれる。余剰の挿入物質とは、『グラファイト
と反応しなかった塩化ニッケル』と『グラファイト表面
に存在する中間ニッケル化合物』をいう。余剰の塩化ニ
ッケルは、グラファイト層間化合物から除去され、固定
層反応装置で製造されるグラファイト層間化合物に比し
てより高純で一様なグラファイト層間化合物を提供する
ことができる。
【0057】本実施例においては、余剰の塩化ニッケル
は、以下のようにしてグラファイト−塩化ニッケル層間
化合物から昇華される。すなわち、容器11内のグラフ
ァイト層間化合物の温度を塩化ニッケルの昇華温度であ
る790°F以上に上げ、この温度に約10分間保持
し、一方、容器11内には反応ガスが連続して流され
る。余剰の挿入物質は、また不活性ガスの存在下でグラ
ファイト層間化合物から昇華される。しかし、余剰の挿
入物質は反応ガスの存在下でグラファイト層間化合物か
ら昇華されるのが好ましい。というのは、反応ガスはグ
ラファイト層間化合物の形成に対して層間化合物の反応
の平衡化を推進するからである。
【0058】不活性ガス外包部が容器11のフリーゾー
ン24内の塩化ニッケル蒸気を希釈するために使用され
たならば、余剰の塩化ニッケルがフィルター44上の塩
化ニッケルの凝縮を阻止するためにグラファイト層間化
合物から昇華されるとき、第二の不活性ガス供給装置3
4からのガス流は保持される。この結果、余剰の、また
は遊離した塩化ニッケルが出口58を通って容器11か
ら除去され、反応ガス中で昇華される。除去された塩化
ニッケル蒸気は、塩化ニッケルコンデンサー60内で凝
縮され、反応ガスまたは不活性ガスは経路62を経てガ
ス精製装置(図示せず)まで送給される。
【0059】容器11から余剰の挿入物質が昇華された
後、容器11を通過する反応ガス流は不活性ガス流によ
って置換され、不活性ガス外包部はそのまま保持され
る。それから、ヒーター32とヒーター42のスイッチ
は切られ、容器11は冷却されるが、窒素ガスのような
不活性ガスは容器11内を流通する。グラファイト層間
化合物が約25〜40℃まで冷却されると、不活性ガス
供給装置26からの不活性ガスは止められる。
【0060】グラファイト層間化合物の流動層は停止さ
れ、グラファイト層間化合物は、例えば入口18を通っ
て真空下で容器11からグラファイト層間化合物を回収
することによって、容器11から排出される。また、グ
ラファイト層間化合物は容器11の底部に位置するバル
ブ(図示せず)から排出してもよい。グラファイト層間
化合物は、ポリマーベースの軸受にグラファイト層間化
合物を組み込むことによって、固体潤滑剤として使用す
ることができる。グラファイト層間化合物は、軸受が摩
耗するときの自己潤滑剤として作用する。
【0061】上記した方法によれば、約8時間で第三ス
テージのグラファイト−塩化ニッケル層間化合物を約8
0ポンド製造することができた。一方、固定層反応装置
を使用する従来の方法によれば、約8時間でグラファイ
ト層間化合物を約3.5ポンドしか得られない。本方法
はまた、供給された反応供試材1ポンドに対して約0.
7ポンドのグラファイト層間化合物を得ることができる
という優れた歩留りを有している。さらに、本発明の方
法によって製造されるグラファイト層間化合物は、余剰
の挿入物質がなく、高純のグラファイト層間化合物を提
供することができる。
【0062】グラファイト層間化合物を連続的に製造す
る別の方法が図2および図3に示されている。特に、図
2はグラファイト層間化合物の連続的な製造で有用な流
動層反応装置を示している。その装置は、容器102に
よって定められる混合ゾーン100を有している。グラ
ファイトと挿入物質は容器102内に導入される一方、
バルブ104は閉止位置にある。グラファイトと挿入物
質の所定量が容器102内に導入された後、加熱されな
い不活性ガスが、グラファイトと挿入物質の層を流動化
するのに十分な速度で第一不活性ガス入口106と第一
ガス分配システム108を通って導入される。第一ガス
分配システム108は、不活性ガスが容器102の断面
内に均一に分配されるように設計されている。不活性ガ
スは第一不活性ガス出口110を通って容器102を出
る。
【0063】十分な時間の後、グラファイトと挿入物質
の流動層は均質な流動層混合物を形成するために十分に
混合される。それからバルブ104が開かれ、均質な流
動層混合物が導管112に入り、そこで、不活性ガス流
がない場合、均質な流動層混合物は流動状態を止めて、
グラファイトと挿入物質の粒子の非流動化均質混合物を
形成する。非流動化均質混合物はスクリューコンベヤの
ようなフィーダー114に入り、第一緩衝ゾーン200
に移送される。
【0064】第一緩衝ゾーン200はディバイダー20
4で分離された複数のチャンバー202を有している。
図3に示されているように、デバイダー204は、グラ
ファイトと挿入物質の均質な流動層混合物がチャンバー
202の前後の通路内を水平に移動することが可能なよ
うに配置されている。第一緩衝ゾーン200は、グラフ
ァイトと挿入物質の均質な混合物を再流動化し、グラフ
ァイトと挿入物質の均質な流動層混合物を反応温度まで
加熱し、そして挿入物質から水分を除去するように作用
する。
【0065】特に、グラファイトと挿入物質の均質な混
合物はフィーダー114によって第一緩衝ゾーン200
に導入される。加熱された不活性ガスが、グラファイト
と挿入物質の均質な混合物を流動化し、第一緩衝ゾーン
200を通して混合物を流動状態に維持するように第二
不活性ガス入口206と第二ガス分配システム208を
経て第一緩衝ゾーン200に導入される。不活性ガスは
第二不活性ガス出口210を経て第一緩衝ゾーン200
から出る。
【0066】第一緩衝ゾーン200に入る不活性ガス
は、水和物の水を挿入物質から除去し、グラファイトと
挿入物質の均質な流動層混合物の温度を反応温度まで引
き上げるように加熱される。反応温度に引き上げるため
に、ディバイダー204上にヒーターを装着することも
できる。チャンバー202とディバイダー204の数
は、十分に長く滞留して均質な流動層混合物を十分に加
熱し、第一緩衝ゾーン200内の挿入物質から水分を除
去することができるように、選択される。
【0067】加熱されて水分を除去された均質な流動層
混合物は、第一緩衝ゾーン200を出て反応ゾーン30
0に入る。反応ゾーン300は、またディバイダー30
4によって分割された、複数のチャンバー302を有し
ている。図3に示されているように、ディバイダー30
4は均質な流動層混合物がチャンバー302内を前後の
通路内を水平に通過し得るように配置される。
【0068】特に、反応ガス入口306を経て反応ゾー
ン300に入る反応ガスは、グラファイトと挿入物質が
反応してグラファイト層間化合物を形成するために十分
な温度に均質な流動層混合物の温度を保持し得るように
加熱される。均質な流動層混合物の温度を反応温度に保
持し得るようにディバイダー304上にヒーターを装着
することもできる。複数のチャンバー302がグラファ
イト層間化合物の形成のために十分な滞留時間を提供す
る。
【0069】別の実施例として、高純化ゾーン312に
位置する一連のチャンバー302が余剰の挿入物質を除
去するために反応温度以上の十分に高い温度に保持さ
れ、その結果、余剰の挿入物質のないグラファイト層間
化合物を提供することができる。
【0070】グラファイト層間化合物の流動層は反応ゾ
ーン300を出てグラファイト層間化合物が冷却される
第二緩衝ゾーン400に入る。第二緩衝ゾーン400
は、また不活性ガスとともに反応ガスをグラファイト層
間化合物からフラッシングすることによって反応ガスが
装置から出るのを防止する。第二緩衝ゾーン400は、
層間化合物の流動層がチャンバー402内を前後に水平
に通過し得るように、上記のように設計され配置され
た、チャンバー402とディバイダー404を有してい
る。加熱されない不活性ガスは第三不活性ガス入口40
6と第四ガス分配システム408を経てチャンバー40
2内に導入される。不活性ガスは第四ガス出口410を
経て第二緩衝ゾーン400を出る。
【0071】冷却されたグラファイト層間化合物は第二
緩衝ゾーン400を出て集積ゾーン500に入る。集積
ゾーン500において、加熱されない不活性ガスがグラ
ファイト層間化合物を流動状態に維持するために第四不
活性ガス出口502と第五ガス分配システム504を経
て導入される。不活性ガスは第五ガス出口506を経て
集積ゾーン500を出る。
【0072】グラファイト層間化合物は、該層間化合物
が第五ガス分配システム504の下流に位置するダクト
508に入るまで流動状態を維持する。それからグラフ
ァイト層間化合物は集積ボックス510に落ちて当業者
に公知の方法で包装される。
【0073】図示した実施例以外の他の連続プロセス、
すなわち垂直方向に配置した装置を利用するプロセスに
も本発明は適用可能である。
【0074】本発明の別の重要な特徴として、従来の固
定層方法を含む如何なる方法によって製造されたグラフ
ァイト層間化合物であろうとも、余剰の挿入物質を1重
量%以下に高純化できる。グラファイト層間化合物を高
純化するために、グラファイト層間化合物はまず容器に
導入される。それからグラファイト層間化合物は、グラ
ファイト層間化合物を通過するガス流の存在下でグラフ
ァイト層間化合物から余剰の挿入物質を昇華するために
十分な温度まで加熱される。ガス流は不活性ガス、反応
ガスまたはそれらの混合ガスからなる。反応ガスは、グ
ラファイト層間化合物の形成に寄与するために好まし
い。グラファイト層間化合物の高純化は固定層反応装置
または流動層反応装置のいずれにおいてもなし遂げるこ
とができる。流動化はグラファイト層間化合物の形成を
促進するけれども、流動化はグラファイト層間化合物の
高純化に必須ではないことが分かった。
【0075】流動層反応装置を効率的に使用する本発明
の方法は、より均一な成分のグラファイト層間化合物を
製造できる。というのは、流動層反応装置における反応
物質が均一に加熱され、反応物質は反応装置を通過する
反応ガス流と均一に接触するからである。本発明の方法
は、固定層反応装置を使用する従来の方法の欠点を有し
ない。すなわち、1)反応装置の断面内の温度勾配を低
減したことと、2)反応層のグラファイトと挿入物質と
の混合物のパッキングを低減したことと、3)グラファ
イトと挿入物質の固定層を通過する反応ガスのチャネリ
ングを低減したことと、4)グラファイトと挿入物質を
予備混合する必要がないことと、5)グラファイトと挿
入物質に対する反応ガスの接触不良による反応時間の長
期化を防止したからである。
【0076】固定層反応装置の上記限定によって、大容
量のグラファイト層間化合物を製造できる比較的大きな
固定層反応装置を使用することができない。従って、チ
ャネリング、成分のパッキング、および温度勾配を最小
化するために、固定層反応装置の大きさは、約8時間で
約3.5ポンドのグラファイト層間化合物しか製造でき
ない大きさに制限される。本発明の方法は、固定層反応
装置に固有の設計上の制限を破り、例えばバッチプロセ
スで8時間当たり約80ポンド、また連続プロセスで8
時間当たり約210ポンドの極めて大容量のグラファイ
ト層間化合物を経済的に製造できる、大きな流動層反応
装置を使用することができる。
【0077】本発明の方法は、また、特性の改善された
グラファイト層間化合物を製造できる。例えば、グラフ
ァイト層間化合物を高純化する従来の方法において、余
剰の挿入物質はメチルエチルケトンのような有機溶媒中
にグラファイト層間化合物のスラリーを形成することに
よって、グラファイト層間化合物から除去できる。有機
溶媒は、グラファイト層間化合物から余剰の挿入物質を
抽出する。有機溶媒と余剰の挿入物質は、濾過のような
方法によってグラファイト層間化合物から分離され、次
いでグラファイト層間化合物は乾燥される。
【0078】しかし、グラファイト層間化合物を乾燥し
ても、しばしばグラファイト層間化合物から有機溶媒の
すべてを除去できないことがある。グラファイト層間化
合物に残留する有機溶媒は、引き続くプロセスでの厳し
い問題を引き起こす。例えば、グラファイト層間化合物
の高温圧縮成形において、残留有機溶媒は気化し、直径
が約1/4インチ以上の製品に空孔を形成する。それ故
そのような製品は弱く、圧縮プロセス中に生成する有機
溶媒蒸気は爆発する危険がある。本発明の方法で製造さ
れるグラファイト層間化合物は、余剰の挿入物質がな
く、有機溶媒浄化ステップを省略することができる。
【0079】さらに、本発明の方法で製造される余剰の
挿入物質のないグラファイト層間化合物は、熱的安定性
が改善される。従来の固定層方法で製造されるグラファ
イト層間化合物は、熱重量分析において、約500℃で
重量ロスが開始する。重量ロスはグラファイト層間化合
物に存在する余剰の挿入物質によるものであることは理
論づけられている。本発明の方法で製造されるグラファ
イト層間化合物は、理想的な熱重量分析において、約6
50℃まで重量ロスを示さなかった。
【0080】上記した本発明の修正や変形が本発明の概
念および範囲を逸脱しない限度において可能であり、そ
のような限定は添付したクレームによって示されてい
る。
【0081】
【発明の効果】本発明は上記の通り構成されているの
で、次の効果を奏する。
【0082】 本発明によれば、不活性ガスと反応ガ
スのチャネリングや反応ガス、グラファイトおよび挿入
物質の間の不十分な接触や反応物質による反応装置の密
封や反応装置断面上の温度勾配がなく、均一な成分で余
剰の挿入物質のないグラファイト層間化合物を得ること
ができる。
【0083】 本発明によれば、従来の固定層反応装
置による製造方法に比して、時間当たりのグラファイト
層間化合物の製造量を、バッチプロセスでは約20倍
に、連続プロセスでは約60倍まで向上させることがで
きる。
【0084】 如何なる方法によって製造されたグラ
ファイト層間化合物であろうとも、余剰の挿入物質を1
重量%以下にすることができる。
【0085】 本発明の方法で製造されたグラファイ
ト層間化合物には余剰の挿入物質がないので、得られる
グラファイト層間化合物の特性を改善することができ
る。
【0086】 本発明の方法で製造されたグラファイ
ト層間化合物には余剰の挿入物質がないので、熱的安定
性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】流動層反応装置の断面図である。
【図2】連続流動層反応装置の断面図である。
【図3】連続流動層反応装置の頂部部分断面図である。
【符号の説明】
10…反応装置 11…容器 20…反応ゾーン 26…不活性ガス供給装置 34…不活性ガス供給装置 38…ヒーター 46…不活性ガス供給装置 54…反応ガス供給装置 60…コンデンサー

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材と挿入物質からなる層間化合物を製
    造する方法であって、該方法が次の各ステップからなる
    もの。 (a)母材と挿入物質を流動層反応装置内に導入し、
    (b)不活性ガスを流動層反応装置内を通過させて該母
    材と挿入物質とを混合して流動層混合物を形成し、
    (c)不活性ガスの存在下で、該流動層混合物を、母材
    と挿入物質とが反応するのに十分な温度まで加熱し、
    (d)母材と挿入物質とが反応して層間化合物を形成す
    るのに十分な時間の間、上記加熱流動層混合物内に反応
    ガスを通過させることを特徴とする層間化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 母材がグラファイト、二硫化モリブデン
    および六方晶系窒化ホウ素の中から選択されたものであ
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 母材がグラファイトである請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 母材と挿入物質からなる層間化合物を製
    造する方法であって、該方法が次の各ステップからなる
    もの。 (a)母材と挿入物質を流動層反応装置内に導入し、
    (b)不活性ガスを流動層反応装置内を通過させて該母
    材と挿入物質とを混合して流動層混合物を形成し、
    (c)不活性ガスの存在下で、該流動層混合物を、母材
    と挿入物質とが反応するのに十分な温度まで加熱し、
    (d)母材と挿入物質とが反応して層間化合物を形成す
    るのに十分な時間の間、上記加熱流動層混合物内に反応
    ガスを通過させて層間化合物を製造し、(e)該層間化
    合物内に十分な時間ガスを流通させながら、該層間化合
    物を十分な温度まで加熱して層間化合物から余剰の挿入
    物質を分離し、余剰の挿入物質のない層間化合物を製造
    する方法。
  5. 【請求項5】 母材と挿入物質からなる層間化合物を製
    造する方法であって、該方法が次の各ステップからなる
    もの。 (a)母材と挿入物質を流動層反応装置内に導入し、
    (b)不活性ガスを流動層反応装置内を通過させて該母
    材と挿入物質とを混合して流動層混合物を形成し、
    (c)不活性ガスの存在下で、該流動層混合物を、母材
    と挿入物質とが反応するのに十分な温度まで加熱し、
    (d)母材と挿入物質とが反応して層間化合物を形成す
    るのに十分な時間の間、上記加熱流動層混合物内に反応
    ガスを通過させて層間化合物を製造し、(e)該層間化
    合物内に十分な時間ガスを流通させながら、該層間化合
    物を十分な温度まで加熱して層間化合物から余剰の挿入
    物質を分離し、余剰の挿入物質のない層間化合物を製造
    し、(f)反応ガスが存在せず、流動層反応装置内に不
    活性ガスを流通させることによって該層間化合物を冷却
    することを特徴とする層間化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 母材と挿入物質からなる層間化合物を製
    造する方法であって、該方法が次の各ステップからなる
    もの。 (a)母材と挿入物質を流動層反応装置に導入し、
    (b)不活性ガスを流動層反応装置内を通過させて該母
    材と挿入物質とを混合して流動層混合物を形成し、不活
    性ガスの存在下で該流動層混合物を十分な温度まで加熱
    して十分な時間保持して、流動層反応装置から水分を除
    去し、c)不活性ガスの存在下で、該流動層混合物を、
    母材と挿入物質とが反応するのに十分な温度まで加熱
    し、(d)母材と挿入物質とが反応して層間化合物を形
    成するのに十分な時間の間、上記加熱流動層混合物内に
    反応ガスを通過させることを特徴とする層間化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 挿入物質が金属ハロゲン化物、金属酸化
    物および金属硫化物の中から選択されたものである請求
    項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 金属ハロゲン化物の中の金属がIa族金
    属、Ib族金属、IIb族金属、III a族金属、IVb族金
    属、Va族金属、Vb族金属、VIb族金属、VII b族金
    属、VIII族金属、稀土類金属およびこれらの混合物の中
    から選択されたものであり、金属ハロゲン化物の中のハ
    ロゲン化物が、塩化物、臭化物、フッ化物、沃化物およ
    びこれらの混合物の中から選択されたものである請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】 金属ハロゲン化物が、鉄、コバルト、
    銅、ニッケル、イットリウム、ルテニウム、ウラニウ
    ム、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、水銀、パラ
    ジウム、プラチナ、金、ガリウム、マグネシウム、バリ
    ウム、亜鉛、ルビジウム、セシウム、リチウム、インジ
    ウム、タンタル、ストロンチウム、カドミウム、アンチ
    モン、ジルコニウム、タリウム、ニオブ、クロム、モリ
    ブデン、タングステンおよびマンガンの中から選択され
    た金属の塩化物または臭化物である請求項7記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物が、三酸化モリブデン、五
    酸化バナジウム、三酸化クロム、酸化アンチモンの中か
    ら選択されたものである請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 金属硫化物が、二硫化モリブデン、硫
    化アンチモン、硫化タリウム、硫化クロム、硫化バナジ
    ウム、硫化タングステン、硫化パラジウム、硫化鉄およ
    び硫化銅の中から選択されたものである請求項7記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 不活性ガスが、窒素、アルゴンおよび
    ヘリウムの中から選択されたものである請求項1記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 ステップ(c)において、流動層混合
    物を約600℃から1000℃まで加熱する請求項1記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 反応ガスが、挿入物質と反応すること
    が可能な少なくとも5重量%のガスを含有する請求項1
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 反応ガスがハロゲンガスと酸素の中か
    ら選択されたものである請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 ハロゲンガスが、塩素、臭素、沃素、
    フッ素およびこれらの混合物の中から選択されたもので
    ある請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 層間化合物が、少なくとも挿入物質の
    昇華温度まで加熱される請求項4記載の方法。
  18. 【請求項18】 流動層混合物が約250〜350℃ま
    で加熱される請求項6記載の方法。
  19. 【請求項19】 挿入物質が塩化ニッケルで、不活性ガ
    スが窒素で、反応ガスが塩素である請求項3記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 層間化合物が、約55重量%のグラフ
    ァイトと約45重量%の塩化ニッケルからなる第三ステ
    ージのグラファイト−塩化ニッケル層間化合物である請
    求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 化学式がC19.5NiCl2 であるグラ
    ファイト−塩化ニッケル層間化合物を製造する方法であ
    って、該方法が以下のステップからなるもの。 (a)約45重量%のグラファイトと約55重量%の塩
    化ニッケル六水和物からなるグラファイトと塩化ニッケ
    ル六水和物を流動層反応装置内に導入し、(b)該流動
    層反応装置内に不活性ガスを流通させて、グラファイト
    と塩化ニッケル六水和物を混合して流動層混合物を形成
    し、(c)該流動層混合物を不活性ガスの存在下で約7
    30℃から750℃まで加熱し、(d)加熱された流動
    層混合物内に塩素ガスを十分な時間流通させてグラファ
    イト−塩化ニッケル層間化合物を製造する方法。
  22. 【請求項22】 余剰の挿入物質のない、母材と挿入物
    質からなる層間化合物であって、次のステップからなる
    プロセスで製造されるもの。 (a)母材と挿入物質を流動層反応装置内に導入し、
    (b)該流動層反応装置内に不活性ガスを流通し、母材
    と挿入物質を混合して流動層混合物を形成し、(c)不
    活性ガスの存在下で該流動層混合物を母材と挿入物質と
    が反応するに十分な温度まで加熱し、(d)母材と挿入
    物質とが反応して層間化合物を形成するに十分な時間の
    間、加熱された流動層混合物内に反応ガスを流通させる
    ことにより製造される層間化合物。
  23. 【請求項23】 母材がグラファイトである請求項22
    記載の層間化合物。
  24. 【請求項24】 母材と挿入物質からなる層間化合物を
    高純化する方法であって、次のステップからなるもの。 (a)層間化合物を容器内に導入し、(b)該層間化合
    物を十分な温度まで加熱し且つ層間化合物内に十分な時
    間ガスを流通させて、層間化合物から余剰の挿入物質を
    分離し、余剰の挿入物質のない層間化合物を製造する方
    法。
  25. 【請求項25】 容器が流動層反応装置である請求項2
    4記載の方法。
  26. 【請求項26】 容器が固定層反応装置である請求項2
    4記載の方法。
  27. 【請求項27】 母材が、グラファイト、二硫化モリブ
    デン、六方晶系窒化ホウ素の中から選択されたものであ
    る請求項24記載の方法。
  28. 【請求項28】 母材がグラファイトである請求項24
    記載の方法。
  29. 【請求項29】 ガスが反応ガス、不活性ガスまたはこ
    れらの混合ガスである請求項24記載の方法。
  30. 【請求項30】 層間化合物を少なくとも挿入物質の昇
    華温度まで加熱する請求項24記載の方法。
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