JP2014237587A - 連続供給炉アセンブリ及び酸化グラファイトの連続熱剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度に剥離されたグラファイトを得るのに適した連続供給炉アセンブリの提供。【解決手段】フロースルーオーブン、粒状前駆体材料の連続添加手段及び粒状生成物材料の捕集手段を含んでなる連続供給炉アセンブリであって、前記フロースルーオーブンが、離間した粒子入口開口及び粒子出口開口並びに前記粒子入口開口と前記粒子出口開口との間の密閉体積空間を規定し、前記フロースルーオーブンが、前記密閉体積空間を600〜約1600℃の温度において加熱でき、第1の粒状材料の連続添加手段が前記フロースルーオーブンの粒子入口開口、密閉体積空間及び粒子出口開口並びに粒状生成物材料の捕集手段と逐次流体連通し、それによって粒子流路が確立されている連続供給炉アセンブリ。【選択図】図1

Description

本発明は、連続供給炉アセンブリ及び酸化グラファイトを連続的に熱剥離させて高度に剥離された(exfoliated)グラファイトを得る方法に関する。
スタウデンマイヤー(Staudenmaier)合成(非特許文献1)又は特許文献1若しくは2に記載されたようなその変法によって製造された酸化グラファイトを乾燥する改良方法についてのニーズが当業界にある。そのような方法があれば、得られる乾燥酸化グラファイトは充分に乾燥し、剥離寸前の状態となり、熱剥離によって前記の高度に剥離されたグラファイト、好ましくは900平方メートル/グラム(m2/g)又はそれ以上のBET表面積を有する超高度に剥離されたグラファイトを生成できるであろう。また、高度に剥離されたグラファイトを得るための酸化グラファイト、特に精製酸化グラファイトの連続的な熱剥離方法(回分法ではなく)のニーズも当業界にある。
WO2007/047084(Prud’hommeら) WO2009/018204
Staudenmaier,L.、Ber.Dtsh.Chem.Ges.、1898、31、1484
第1の態様において、本発明は、(a)以下の出発原料:硫酸、無機の硝酸陰イオン源、第1の量の塩素酸塩及びグラファイトを含み、液体部分と固体部分とを有する混合物を、反応器中で混合し;(b)前記反応混合物を反応させて、酸化グラファイトを得;(c)前記酸化グラファイトを反応混合物の大部分の液体部分(例えば90重量%又はそれ以上の液体部分)から分離して、捕集酸化グラファイトを得;そして(d)前記捕集酸化グラファイトを凍結乾燥して、凍結乾燥単離酸化グラファイトを生成する工程を含んでなる方法であって、前記凍結乾燥単離酸化グラファイトが、凍結乾燥単離酸化グラファイトの総重量に基づき、5重量%未満の水を含み且つ1000℃における30秒間の熱剥離によって900m2/g又はそれ以上のBrunauer−Emmett−Teller(BET)表面積を有する高度剥離グラファイトを得ることを特徴とする凍結乾燥単離酸化グラファイトの製造方法を提供する。別の態様において、本発明は、第1の態様の方法に従って製造された凍結乾燥単離酸化グラファイトを提供する。
第2の態様において、本発明は、フロースルーオーブン(flow-through oven)、粒状前駆体材料の連続添加手段及び粒状生成物材料の捕集手段を含んでなる連続供給炉アセンブリであって、前記フロースルーオーブンが、離間した粒子入口開口及び粒子出口開口並びに前記粒子入口開口と前記粒子出口開口との間の密閉(enclosed)体積空間を規定し、前記フロースルーオーブンが、前記密閉体積空間を600〜約1600℃の温度において加熱でき、第1の粒状材料の連続添加手段が前記フロースルーオーブンの粒子入口開口、密閉体積空間及び粒子出口開口並びに粒状生成物材料の捕集手段と逐次流体連通し(sequential fluid communication)、それによって粒子流路が確立されている連続供給炉アセンブリを提供する。
第3の態様において、本発明は、(a)粒状前駆体材料の連続添加手段が酸化グラファイトを収容しており且つ連続供給炉アセンブリのフロースルーオーブンの密閉体積空間が600〜約1600℃の温度に加熱されている、第2の実施態様の連続供給炉アセンブリを用意し;(b)前記粒状前駆体材料を連続的に添加する手段から粒子入口開口を通して連続供給炉のフロースルーオーブン中に酸化グラファイトを連続的に供給して、その中で剥離グラファイトを生成させ;(c)前記剥離グラファイトを、前記フロースルーオーブンからその粒子出口開口を経て、連続的に除去して、除去された剥離グラファイトを得;そして(d)前記除去剥離グラファイトを、粒子生成物材料の捕集手段を用いて、捕集して単離された剥離グラファイトを得ることによって粒子流路を通る連続粒子の流れを確立する工程を含んでなる、剥離グラファイトを連続的に製造する酸化グラファイトの熱剥離方法を提供する。
別の態様において、本発明は、第1の態様の方法に従って製造された凍結乾燥酸化グラファイトを提供する。別の態様において、本発明は、第3の態様の方法に従って凍結乾燥された酸化グラファイトを熱的に剥離することによって製造された超高度剥離グラファイトを提供する。
第1の態様の方法に従ってStaudenmaier合成又はその変法によってグラファイトから製造された凍結乾燥された単離酸化グラファイトは、同じStaudenmaier合成又はその変法によって製造されたオーブン乾燥酸化グラファイトの品質に比べて、特に充填剤用高度剥離グラファイトを製造するための中間体として、かなり実質的に高品質である。例えば、凍結乾燥単離酸化グラファイトは、900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する超高度剥離グラファイトを生成できるのに対して、オーブン乾燥酸化グラファイトから製造される超高度剥離グラファイトのBET表面積は783m2/g又はそれ以下である。これに対応して、前者の超高度剥離グラファイト(凍結乾燥された単離酸化グラファイトから製造)のメジアン粒径は、後者の超高度剥離グラファイト(オーブン乾燥された酸化グラファイトから製造)のメジアン粒径よりも有意的に小さい。また、第2の態様の連続供給炉アセンブリは、第3の態様の連続供給熱剥離プロセスにおいて有用であり、従来の回分熱剥離プロセスによって製造される、対応するポリマー−超高度剥離グラファイト複合材料の抵抗率(resistivity)よりかなり低い(その50%未満)抵抗率を有するポリマー−超高度剥離グラファイト複合材料の製造に使用できる超高度剥離グラファイトを連続して製造する。第3の態様の方法は、超高度剥離グラファイトを、従来の回分熱剥離プロセスよりも高速(即ち、1時間当たりの製造グラム数が多い)で経済的に製造する。
第1又は第3の態様の方法によって製造される、900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する超高度剥離グラファイトを含む高度剥離グラファイトは、特にポリマー−高度剥離グラファイト複合材料中の充填剤として有用である。ポリマー−高度剥離グラファイト複合材料は、例えば自動車用内装部品などの成形品の製造に有用な材料である。
追加の態様は、添付図面及び特許請求の範囲を含む明細書の他の部分に記載する。
本発明の一部の態様を、添付図面に関連させて、本明細書中に記載する。添付図面は、少なくとも態様の種々の特徴の説明に役立つであろう。
本発明の第2の態様の連続供給炉アセンブリの一例の立面部分断面図を示す。
図1は、本発明の第2の態様の連続供給炉アセンブリの一例の立面部分断面図である。図1において、連続供給炉アセンブリ1はフロースルーオーブンアセンブリ2、粉末添加用漏斗アセンブリ3、漏斗アセンブリ4、同伴ガス源50、ガスライン51、同伴ガス源55、ガスライン56、真空源60、真空ライン61、マノメーター65、ガスライン66及びガラス導管70を備えている。
フロースルーオーブンアセンブリ2(第2の態様の連続供給炉アセンブリに使用されるフロースルーオーブンの一例)は管状炉オーブン10(例えばApplied Test Systems,Inc.(Butler、Pennyslvania、USA)によって供給される、1100℃発熱体を備えるシリーズ3210オーブン)、石英ガラス管20、石英ガラス管インサート30、頂部31、底部32、K型熱電対33、ガラス捕集カップ34、玉継手(ball-and-socket joint)35及び38並びにフランジ継手36及び37を備えている。管状炉オーブン10は発熱体(heating element)(図示せず)並びに離間した左側半円筒壁11及び右側半円筒壁12を備えている。左側半円筒壁11の背部(図示せず)は右側半円筒壁12の背部(図示せず)にヒンジ作動連結(hinged operative connection)し、左側半円筒壁11の前部(断面)は右側半円筒壁12の前部(断面)に閉鎖可能に作動連結し、それによって、左側半円筒壁11を開放位置[左側半円筒壁11の前部(断面)が、右側半円筒壁12の前部(断面)への作動連結を欠いており、右側半円筒壁12の前部(断面)から離れた前記ヒンジ作動連結(図示せず)によって回転させられる](例えば管状炉オーブン10から石英ガラス管20を取り外すための開放位置)から閉鎖位置[左側半円筒壁11の前部(断面)が、右側半円筒壁12の前部(断面)と作動接触(operative contact)するまでヒンジ作動連結(図示せず)によって回転され、右側半円筒壁12の前部(断面)と作動連結し、それによって閉鎖位置が管状炉オーブン10を確立する](例えば、その加熱操作のための閉鎖位置)まで移動させる手段を確立している。管状炉オーブン10は密閉体積空間15を規定している。石英ガラス管20は密閉体積空間21を規定し、管状炉オーブン10の密閉体積空間15中に配置されている。頂部31は離間した粒子入口開口(particulate inlet aperture)26及び粒子出口開口27を規定している。頂部31はフランジ継手37で石英ガラス管20とシール作動接触(sealing operative contact)している。底部32は同伴ガス入口開口28、ガス入口管22及びプローブ入口開口29を規定している。底部32は、フランジ継手36で石英ガラス管20とシール作動接触し、玉継手35でガラス捕集カップ34とシール作動接触している。石英ガラス管20は管状炉オーブン10の密閉体積空間15内に垂直に配置されている。石英ガラス管インサート30は、開口しており、粒子入口開口26近位の頂部31と作動接触した状態で垂直に配置されている。K型熱電対33は、石英ガラス管(図示せず)内部に垂直に配置され、その石英ガラス管はプローブ入口開口29近位の底部32と作動接触した状態で垂直に配置されている。ガス入口管22は同伴ガス入口開口28近位の底部32と動作接触した状態で垂直に配置されている。ガス入口管22は、石英ガラス管20の垂直軸(図示せず)に垂直な方向で同伴ガスの流れを生じるように曲げることによって、石英ガラス管20の密閉体積空間21内に同伴ガスの渦流を確立する手段を提供している。玉継手35及び38並びにフランジ継手36及び37は、それぞれ独立して、金属クランプ(図示せず)で固定され、それによってフロースルーオーブンアセンブリ2を形成している。1つ又はそれ以上の追加熱電対(図示せず)は任意的であり、例えば管状炉オーブン10の密閉体積空間15の温度並びに石英ガラス管20、底部32、頂部31及びガラス導管70の温度の測定に使用できる。
粉末添加用漏斗アセンブリ3(例えばAldrich Chemical Company(St.Louis、Missouri、USA)の粉末添加用漏斗カタログ番号Z41837−1)は粒子リザーバー80、カバー81(任意的)、粒子出口開口85、雄ねじ付きオーガー(externally-screw threaded auger)87及び駆動手段受容エレメント(drive means receiving element)88を備えている。駆動手段受容エレメント88は雄ねじ付きオーガー87に回転可能に作動連結している。粒子出口開口85近位の粉末添加用漏斗アセンブリ3は、石英ガラス管インサート30に作動連結し、石英ガラス管インサート30と流体連通しており、それによって、粒子リザーバー80から、逐次的に雄ねじ付きオーガー87を通り越して、粒子出口開口85、石英ガラス管インサート30及び石英ガラス管20の密閉体積空間21までの流体連通を確立している。カバー81は粒子リザーバー80に非シール作動連結(non-sealing operative connection)している。
漏斗アセンブリ4は焼結ガラス漏斗40及びカバー45を備えている。焼結ガラス漏斗40は、多孔質フィルターフリット41を含み、密閉体積空間42及び玉継手48を規定している。カバー45はアクセス開口46及び47を規定している。焼結ガラス漏斗40はカバー45とシール作動連結(sealing operative connection)している。
ガラス導管70は、開口管であり、粒子出口開口27近位の玉継手38(両者ともフロースルーオーブンアセンブリ2の成分)で頂部31と作動接触し且つアクセス開口部46のカバー45(両者とも漏斗アセンブリ4の成分)と作動接触しており、それによって、石英ガラス管20の密閉体積空間21から逐次的にガラス導管70を経て漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの流体連通を確立しており、同時に、前段落で記載した流体連通と一緒になって、粒子リザーバー80から最終的には漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの流体連通を確立し、その結果、粉末添加用漏斗アセンブリ3の粒子リザーバー80から最終的に漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42に至る粒子流路(図示せず)を確立している。
同伴ガス源50及びガスライン51は、後述するように任意的である。同伴ガス源50は、ガスライン51とシール作動接触(sealing operative contact)し、ガスライン51と流体連通しており、次にガスライン51が、同伴ガス入口開口28近位の底部32とシール作動接触している。同伴ガス源50は、ガスライン51;底部32の同伴ガス入口開口28、ガス入口管22、石英ガラス管20の密閉体積空間21及び頂部31の粒子出口開口27(全て、フロースルーオーブンアセンブリ2の成分);ガラス導管70を経て漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42まで逐次流体連通しており、それによって、同伴ガス源50から最終的に漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの第1のガス流路(図示せず)を確立している。
同伴ガス源55は、任意的であり且つ同伴ガス源50と同一であっても異なっていてもよく、ガスライン56とシール作動接触し、ガスライン56と流体連通している。ガスライン56は、次に、粒子入口開口部26近位の頂部31とシール作動接触している。同伴ガス源55は、ガスライン56;頂部31の粒子入口開口26、石英ガラス管インサート30を経て石英ガラス管20の密閉体積空間21まで、頂部31の粒子出口開口27(全てフロースルーオーブンアセンブリ2の成分);ガラス導管70を経て漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42まで逐次流体連通しており、それによって、同伴ガス源55から最終的には漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの第2のガス流路(図示せず)を確立している。前述のように、第1のガス流路と第2のガス流路(図示せず)とは互いに部分的に重複している。
真空源60及び真空ライン61は任意的である。真空源60は、真空ライン61とシール作動接触し、真空ライン61と流体連通しており、真空ライン61は可変動弁(adjustable valve)62及び63を含んでいる。真空ライン61は、次に漏斗アセンブリ4の玉継手48とシール作動接触しており、それによって、密閉体積空間42から漏斗アセンブリ4の多孔質フィルターフリット41及び真空ライン61を経て最終的には真空源60までの減圧ガス流路(図示せず)を確立している。真空源60の例は、水流アスピレーター及び乾湿両用電気掃除機(wet-and-dry vacuum cleaner)[例えば、Craftools,Inc.(New York、New York、USA)のSHOP−VAC(登録商標)カタログ番号584−24−27]である。
マノメーター65及びガスライン66は任意的である。マノメーター65は、ガスライン66とシール作動接触し、流体連通しており、ガスライン66は次に、アクセス開口部47近位のカバー45とシール作動接触させて配置され、それによって、マノメーター65と焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42との間の、ガスライン66を介した減圧検知連通を確立している。
図1の連続供給炉アセンブリ1は、前記フロースルーオーブンアセンブリ2、粉末添加用漏斗アセンブリ3、漏斗アセンブリ4、同伴ガス源50、ガスライン51、同伴ガス源55、ガスライン56、真空源60、真空ライン61、マノメーター65、ガスライン66及びガラス導管70から組み立てる。フロースルーオーブンアセンブリ2の管状炉オーブン10の密閉体積空間15内に石英ガラス管20を垂直に配置し、石英ガラス管20を、例えば金属クランプ(図示せず)又はブラケット(図示せず)で固定する。頂部31及び底部32を、それぞれ、フランジ継手37及び36で石英ガラス管20とシール作動接触させて配置及び固定する。石英ガラス管インサート30を、粒子入口開口部26近位の頂部31とシール動作接触(例えば摩擦嵌合)させて部分的に挿入及び配置する。ガラス捕集カップ34を、玉継手35で底部32とシール動作接触させて配置及び固定する(例えば金属クランプによって(図示せず))。石英ガラス管インサート30の粒子出口開口85近位に、粉末添加用漏斗アセンブリ3の一部(図示せず)を配置及び固定する(例えば金属クランプによって(図示せず))。粉末添加用漏斗3の駆動手段受容エレメント88と回転可能に作動接触する状態で、オーガー駆動手段(図示せず;AD/DC歯車モーターモデルno.1LPZ9(Dayton)、全速時に27回転/分で回転)を配置する。同伴ガス源50と同伴ガス入口開口28近位の底部32との間に、同伴ガス源50及び底部32とシール作動接触させて、ガスライン51を配置する。同伴ガス源55と粒子入口開口26近位の頂部31との間に、同伴ガス源55及び頂部31とシール動作接触させて、ガスライン56を配置する。粒子出口開口27近位の玉継手38に位置する頂部31とアクセス開口46近位のカバー45との間に、頂部31及びカバー45とシール動作接触させて、ガラス導管70を配置する。カバー45を、焼結ガラス漏斗40(例えば容積3リットル,粗目の多孔率(coarse porosity)を有する多孔質フィルターフィリット41を有する)とシール作動接触させて配置する。焼結ガラス漏斗40の玉継手48と真空源60との間に、玉継手48及び真空源60とシール作動接触させて、真空ライン61を配置する。アクセス開口47近位のカバー45とマノメーター65との間に、カバー45及びマノメーター65とシール作動接触させて、ガスライン66を配置する。従って、このようにして連続供給炉アセンブリ1を組み立てることにより、前述した流体連通、流路(図示せず)及び(シール)作動連結が確立される。
酸化グラファイトの熱剥離のための連続供給炉アセンブリ1の運転は、同伴ガス供給源50から第1の同伴ガス流路(図示せず)を経て漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの、第1の流速(例えば100標準立方フィート/時(scfh);即ち2800リットル/時(L/時))の同伴ガスの流れを最初に確立することによって行う。更に、同伴ガス源55から第2の同伴ガス流路(図示せず)を経て漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42までの、第2の流速(例えば10scfh、即ち280L/時)の同伴ガスの流れを確立する。第1の流速は第2の流速より速く、いずれの流速も調節可能である。漏斗アセンブリ4の密閉体積空間42から減圧ガス流路(図示せず)を経て真空源60までわずかに減圧のガス流を確立して、マノメーター65が、焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42中の圧力が周囲圧力よりわずかに低い(例えば周囲圧力より0.25インチH2O、即ち、0.062キロパスカル低い)ことを示すようにする。所望の値への密閉空間42中の減圧の調整は、真空ライン61の可変動弁63の開閉を徐々に行うことによって行う。管状炉オーブン10の発熱体(図示せず)を作動させ、石英ガラス管20の密閉体積空間21に600〜約1600℃の安定な運転温度が確立されたことがK型熱電対33によって示されるまで、フロースルーオーブンアセンブリ2の管状炉オーブン10の密閉体積空間15を加熱する。粒子リザーバー80に、酸化グラファイト粒子(図示せず)、好ましくは本発明の第1の態様に従って製造された凍結乾燥単離酸化グラファイトを装填する。粒子リザーバー80の頂部にカバー81を載せる。前記オーバー駆動手段(図示せず)を作動させて、駆動手段受容エレメントを矢印89で示されるように、時計方向に回転させることによって雄ねじ付きオーバー87を回転させ、それによって(凍結乾燥)酸化グラファイト粒子(図示せず)を、粒子リザーバー80から雄ねじ付きオーバー87を通り越して、粒子出口開口部85を経て下流に輸送する。粒子出口開口部85において、(凍結乾燥)酸化グラファイト粒子(図示せず)は、重力と同伴ガス源55から石英ガラス管インサート30を経て石英ガラス管20の密閉体積空間21に入る同伴ガス(図示せず)の第2の流れとを受けて、落下する。(凍結乾燥)酸化グラファイト粒子(図示せず)は、石英ガラス管インサート30で始まって引き続き石英ガラス管20の密閉体積空間21で、迅速に熱剥離されて、高度剥離グラファイト粒子(図示せず)、好ましくは超高度剥離グラファイト(図示せず)を生成する。同伴ガス源50及び55からの同伴ガス(図示せず)は、密閉体積空間21から頂部31の粒子出口開口部27の外へ(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)を運搬する。必要ならば、各同伴ガス源50及び55からの同伴ガスの第1の流れ若しくは第2の流れ又は第1の流れと第2の流れの両方(図示せず)を調節して(例えば可変動弁(図示せず)によって)、管状炉オーブン10の密閉体積空間21に使用されている個々の運転温度においてグラファイト粒子(図示せず)に望ましい滞留時間を得る。滞留時間は、例えば高速度写真によって測定でき、好ましくは0.02〜20秒、一部の態様では0.2〜2秒、例えば1秒である。石英ガラス管20の粒子出口開口27から押し出された(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)は、ガラス導管70を経て焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42に流れ込む。その結果、(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)が多孔質フィルターフリット41の上に蓄積し、真空源60による密閉体積空間42中のわずかに減圧の条件の影響を受けて、多孔質フィルターフリット41上で若干圧縮される。焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42中の圧力が、(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)の捕集の間に周囲圧力(例えば101キロパスカル)に向かって上昇する場合には、可変動弁63を更に閉じて焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42中に望ましい減圧条件を回復させるのが望ましいと考えられる。管状炉オーブン10には1100℃の発熱体を備える前述のシリーズ3210オーブンを用い、粉末添加用漏斗アセンブリ3には粉末添加用漏斗カタログ番号Z41837−1及びプラスチックカバー81を用い、焼結ガラス漏斗40には3リットルの粗目焼結ガラスフリット漏斗を用い、オーガー駆動手段(図示せず)にはAD/DC歯車モーターモデルno.1LPZ9を用い且つ真空源60には乾湿両用電気掃除機を用い、同伴ガス源50からの同伴ガスの第1の流速2800L/時及び同伴ガス源55からの同伴ガスの第2の流速280L/時並びに石英ガラス管20の密閉体積空間21中の1000℃の運転温度を確立し、篩い分けされたメッシュサイズ−25/+60の酸化グラファイトを120グラム(g)/分供給すると、連続供給炉アセンブリ1は、1時間当たり60gの超高度剥離グラファイト生成物を生成できる。
(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)は、前記熱剥離運転の間又は後に、焼結ガラス漏斗40から任意の常法によって取り出す。例えば、前述のように充分な量の(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)が捕集された場合には、フロースルーオーブンアセンブリ2の管状炉オーブン10の発熱体(図示せず)をオフにし且つ全てを所望の回復温度(例えば25℃)まで冷ますことによって、連続供給炉アセンブリ1の運転を停止する。回復温度に達したら、同伴ガス(図示せず)の第1の流れ及び第2の流れを停止し、真空源60をオフにし、可変動弁63をゆっくり開けることによって焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42を周囲圧力まで再加圧する。カバー45からガラス管70を抜き、カバー45を取り外し、得られた捕集(超)高度剥離グラファイトを焼結ガラス漏斗40から回収する。更に、玉継手35において底部32からガラス捕集カップ34を外した後にガラス捕集カプ34に入った可能性のある任意の材料(例えば剥離されなかった酸化グラファイト)を除去する。
連続供給炉アセンブリ1の配置及び構成の変形形態も企図する。例えばフロースルーオーブンアセンブリ2は、図1に示されるように垂直に配置する代わりに、水平に配置することもできる。別法として、フロースルーオーブンアセンブリ2は、粉末添加用漏斗アセンブリ3の雄ねじ付きオーバーが左から右に下方に傾斜する以外は、図1に示される通りである。第1のガス流路(図示せず)を通る同伴ガスの流れは、石英ガラス管インサート30を通る酸化グラファイト粒子の流入流れに対して並流でも向流でもよい。向流は図1について前述したものである。別法として、同伴ガス源50及び55並びにガスライン51及び56、ガラス導管70、マノメーター65、ガスライン66、真空ライン61、真空源60、漏斗アセンブリ4を使用しない。代わりに、ガラス捕集カップ34を拡大し、酸化グラファイト粒子を、重力下で石英ガラス管20の密閉体積空間21を落下させることによって、(超)高度剥離グラファイト粒子をガラス捕集カップ34に捕集させる。
連続供給炉アセンブリ1の運転の変更形態を企図する。例えば前段落で記載したように、充分な量の(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)の捕集後に連続供給炉アセンブリ1の熱剥離運転を停止する代わりに、連続供給炉アセンブリ1の連続運転中に、捕集(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)を焼結ガラス漏斗40の密閉体積空間42から取り出す。捕集(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)は、更なる(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)をも捕集しながら、常法によって、例えばマノメーター65を、(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)を容器(図示せず)中に吸引する捕集手段(例えばバッグハウスフィルター)を有する別の真空源(図示せず)に動作連結されたスノーケル(図示せず)と交換することによって、定期的又は連続的に取り出すことができる。次に、スノーケル(図示せず)をマノメーター65と交換し、更なる追加の(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)を引き続き捕集する。別法として、漏斗アセンブリ4のカバー45が更に第3の開口部(図示せず)を規定することができ、スノーケルが、第3の開口部(図示せず)近位のカバー45とシール動作接触することができる。理論的には、酸化グラファイトが粉末添加用漏斗アセンブリ3の粒子リザーバー80中に装填され続け(周期的又は連続的に酸化グラファイトの噴霧乾燥機供給源などから)且つ(超)高度剥離グラファイト粒子(図示せず)が漏斗アセンブリ4の漏斗40から周期的又は連続的に取り出されるならば、連続供給炉アセンブリ1は、掃除又は保守が必要となるまで、永久に運転できる。
引用によって内容を組み入れることを許可する米国などの特許実務上、この発明の詳細な説明中で参照する各米国特許、米国特許出願、米国特許出願公開公報、PCT国際特許出願及びそれに対応するWO公報の全内容(特に明記しない限り)を、引用によって組み入れる。本明細書の記載と、引用によって組み入れられる特許、特許出願若しくは特許出願公開公報又はそれらの一部分の記載とが矛盾する場合には、本明細書の記載が優先する。
本明細書において、数値範囲の任意の下限又は数値範囲の任意の好ましい下限は、その数値範囲の任意の上限又はその数値範囲の任意の好ましい上限と組合せて、その範囲の好ましい態様又は態様を規定できる。各数値範囲は、その範囲内に含まれる、有理数及び無理数の両方の全ての数値を含む(例えば約1〜約5の範囲は、例えば、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
化合物名とその構造との間に矛盾がある場合には、構造が優先する。
括弧を用いずに記載された単位付きの数値、例えば2インチと、括弧を用いて記載された対応する単位付き数値、例えば(5センチメートル)とが矛盾する場合には、括弧を用いずに記載された単位付きの数値が優先する。
本明細書中で使用する、「1つの(a,an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ(種)の(at least one)」及び「1つ(種)又はそれ以上の(one or more)」は同義で用いる。本明細書中に記載した本発明の任意の面(aspect)又は態様(embodiment)において、数値に関する表現中の用語「約」をその表現から削除すると、本発明の別の面又は態様を提供すると考えられる。用語「約」を使用する前者の面又は態様において、「約」の意味はその使用状況から解釈できる。好ましくは、「約」は、その数値の90〜100%又はその数値の100〜110%又はその数値の90〜110%を意味する。本明細書中に記載した本発明の任意の面又は態様において、オープンエンドの用語「〜を含んでなる(comprising, comprise)」など(「〜を含む(including)」、「〜を有する(having)」及び「〜を特徴とする(characterized by)」と同義である)は、それぞれの部分的に閉じた表現「〜から本質的になる(consisting essentially of, consist essentially of)」など又はそれぞれの閉じた表現「〜からなる(consisting of, consist)」などによって置き換えると、本発明の別の面又は態様を提供すると考えられる。本明細書において、先行する要素(element)(例えば成分(ingredient))のリストに言及する場合、「それらの混合物」、「それらの組合せ」などの表現は、列挙される要素の全てを含む、任意の2つ(種)又はそれ以上を意味する。構成員の列挙に使用する用語「又は(若しくは)」は、特に明記しない限り、列挙された構成員を個別に又は任意の組合せで意味し、個々の構成員の任意の1つを記載する更なる態様を提供する(例えば「10%又はそれ以上」という表現を記載している態様において、「又は」は、「10%」を記載する別の態様及び「10%超」を記載する更に別の態様を提供する)。用語「複数」は2つ(種)又はそれ以上を意味し、各複数は、特に明示しない限り、独立して選択される。
用語「Brunauer−Emmett−Teller表面積」及び「BET表面積」は同義であり、P/P0比0.3のヘリウム中30%の窒素が、液体窒素温度において試験サンプルに吸着される方法を用いて測定される値を意味する。この方法では、その測定を行うための測定位置を有するQuantachrome Monosorb BET表面積分析装置(Quantachrome Instruments(Baynton Beach、Florida、USA))を用いる。自重を計量したキュベット中に試験サンプル(例えば高度剥離グラファイトなどの剥離グラファイト)を装填し、試験サンプルを200℃及び大気圧において10分間ガス抜きする。キュベットを分析装置の測定位置に入れ、10分間パージさせる。窒素/ヘリウムガスを液体窒素温度において吸収させ、次いで室温において脱着させて、脱着シグナルを得る。シグナル読み取り値を平方メーター(m2)で記録する。分析装置からサンプルを取り出し、その最終サンプル質量を測定する。積算脱着シグナルを最終サンプル質量で割って、BET表面積を平方メーター/グラム(m2/g)で得る。更に2つの試験サンプルを用いて繰り返す。3つのランのBET表面積を平均して、最終BET表面積を求める。
用語「密閉体積空間(enclosed volumetric space)」は、大部分が1つ又は複数の要素と境界を接し、それによって規定される三次元領域を意味する。1つ又は複数の要素は、好ましくは、その三次元領域とその1つ若しくは複数のエレメントの外側に配置された別の三次元領域との流体連通を可能にする1つ又はそれ以上の開口部を更に規定する。
用語「同伴ガス(entraining gas)」は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス又は還元ガス(例えば水素ガス)などの気体状又は蒸気状物質を意味する。還元ガスは、本発明の第3の態様の方法において生成される単離された剥離グラファイトの残留酸素含量を制御するのに有用である。
用語「剥離する(exfoliate)」、「剥離された(exfoliated)」、「剥離(exfoliation)」などは、部分的に離層する(delaminate)こと、完全に離層すること、好ましくは両者が混在することを意味する。剥離度は、多数の層状の積み重ね粒子(layered-stacking particle)を含む剥離材料の数平均積層数(number average layer stacking)を求めることによって特徴付けることができる。
用語「流体(fluid)」は液体又は、好ましくは気体状物質もしくはその中に粒子が懸濁された流動性粒子懸濁液を意味する。
粒度分析法及び装置は、当業者にはよく知られている。好ましくは、粒度は、Microtrac S3500 Particle Size Analyzer(Advanced Research Tools Corporation(Downers Grove、Illinois、USA))を用いて酸化グラファイト及び(剥離)グラファイトの2−プロパノール中分散液について測定する。粒度分布は重要ではなく、一部の態様では単分散、二峰性(bimodal)又は多峰性(polymodal)と特徴付けられる。
特に明記しない限り、「元素周期表」という表現は、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC))によって発行された公式な周期表(2007年6月22日版)を指す。また、1つ又は複数の族への言及は全て、この周期表に示されている1つ又は複数の族に関するものとする。
用語「作動接触(operative contact)」は、2つの要素が直接的又は間接的に触れていること(touching)(例えば、図1の10及び14)を意味し、要素は互いに作動連結していてもいなくてもよい。作動接触の形態は作動接触によって2つの要素が良好に触れている(例えば、おそらく例えば他方の要素に対する一方の要素の回転又は原動力(motive force)に応答して互いに接近及び離間する要素の若干の屈曲とは異なった方法で、2つの要素を互いに相対的に同じ位置に保持する)ならば、重要ではない。作動接触の好適な形態は当業界で知られている。作動連結を伴わない作動接触の例は、精密嵌合及び摩擦嵌合である。精密嵌合は、2つの要素間に潤滑剤又はグリースを使用してもしなくてもよい。有用な潤滑剤の一例は、シリコーン系真空グリースである。
用語「作動連結(operative connection)」は、2つの要素が、種々の固定手段の任意の1つ又はそれ以上によって互いに直接的又は間接的にしっかりとつながっていること(joining)を意味する。固定手段の選択は固定手段が良好な作動連結を提供する(例えばおそらく原動力に応答して要素が互いに接近及び離間する要素の若干の屈曲とは異なった方法で、2つの要素を互いに相対的に同じ位置に保持する)ならば、重要でない。好適な固定手段は当業界で知られている。好適な固定手段の例は、接着剤、クランプ、締結手段、例えばピン、ねじ、リベット、合せピン及び他のメカニカルファスナー並びにスナップ嵌めである。
用語「シール(sealing)」は、漏れ、特に流体、粒状固体又は両者の漏れに備えて固定することを意味する。漏れに備える好適な固定手段は当業界で知られている。漏れに備える固定は、例えば精密乾式嵌合(close tolerance dry fit)によって実施することもできるし、又はシール手段を用いることもできる。好適なシール手段の例はガスケット、Oリング、ゴム堰及び実質的に不溶な(流体中に)物質(例えばシリコーン系グリース)である。
本発明の第2の態様の連続供給炉アセンブリは、当業界で有用であることが知られている1種又はそれ以上の材料で構成できる。その例は金属(例えばチタン)、金属合金(例えば鋼、ステンレス鋼及びHASTELLOY(登録商標)(Haynes International,Inc.)合金)、ガラス(例えばホウケイ酸ガラス)、断熱材並びにそれらの組合せである。ポリテトラフルオロエチレンも材料として企図される(例えば導管としてガラス導管70の代わりに)。
連続供給炉アセンブリは1つ又はそれ以上の他の部材を更に備えることができる。このような部材の例は、温度調節器;フロースルーオーブンへの酸化グラファイトの流速を制御する手段(例えば3);オーブン温度、酸化グラファイトの流速、同伴ガスの流速、圧力変化などの1つ又はそれ以上の変化に応答して、連続供給炉アセンブリの運転を自動的に停止する手段;及び第3の態様の方法において生成される単離剥離グラファイトを後処理する手段(「後処理手段」)である。後処理手段は、例えば単離剥離グラファイトの圧縮手段(例えば60)、粒径の縮小若しくは拡大手段、洗浄手段又は酸化手段若しくは還元手段、プラズマ処理手段又は官能化手段(例えばカルボキシなどの官能基によって)である。連続供給炉アセンブリを更に構成できる他の部材の例は、計器(例えば圧力計若しくは温度計又は両者)、可変動弁、動作連結するための部分(例えばブラケット及びクランプ)、電子部品(例えば電気スイッチ及び電気照明)、冷却エレメント、追加発熱体、粒子流れ調節装置(例えばじゃま板)及びサンプリング開口部である。
本発明は、フロースルーオーブンの密閉体積空間(例えば15)を600〜1600℃、好ましくは600〜1500℃、より好ましくは800〜1200℃の前述の運転温度まで加熱できるという前提で、任意の好適なフロースルーオーブン(例えば10)を企図する。
本発明は粒状前駆体材料を連続的に添加するための手段(例えば図1の3)を企図する。好ましくは粒状前駆体材料を連続的に添加するための手段(例えば3)は、粉末添加用漏斗(例えば3)又は振動フィーダー[例えばVibratory Feeders Inc.(Colchester,Connecticut,USA)から市販されているもの及びSchenck-AccuRate Tuf-Flex(商標)Volumetric Feeder(Schenck-Accurate,Inc.(Whitewater、Wisconsin、USA))]を含む。
本発明は、粒状生成物材料を捕集する任意の好適な手段(例えば図1の40)を企図する。好ましくは粒状生成物材料を捕集するため手段(例えば40)は、フィルター(例えば焼結ガラスフィルター(例えば40)、バッグハウスフィルター、サイクロンフィルター又はメッシュスクリーン);液体噴霧器(例えば除去される剥離グラファイトと接触して剥離グラファイトを捕集する捕集液(例えば水)の霧化スプレーを作り出す1つ又はそれ以上のノズル);電極と地面若しくは対極との間に電場を使用し、それらの間に除去剥離グラファイトを捕集する捕集手段(例えば移動ステンレス鋼ベルト)が配置されている電気集塵装置;又は遠心分離機を含む。
用語「塩素酸塩」は陰イオンClO3 -及び1種又はそれ以上の無機陽イオンを含む無機イオン性物質を意味し、無機陽イオンはその物質が全体として中性であるように選択される。好ましくは塩素酸塩は塩素酸カリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カルシウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム又は塩素酸ナトリウム、より好ましくは固体塩素酸カリウム、更に好ましくは水性塩素酸ナトリウムを含む。一部の態様において、塩素酸塩は固体粉末の形態である。他の態様において、塩素酸塩は塩素酸塩の水溶液、好ましくは少なくとも塩素酸ナトリウム0.1モル/リットル、即ち0.1モル濃度(M)の塩素酸ナトリウム水溶液を含む。
用語「グラファイト」は、X線回折によって測定された場合に、特有の結晶構造を有する結晶性炭素から本質的になる固体粒子を意味する。グラファイト粒子は、炭素原子から本質的になる多数の平面シートの層の積み重ねを含む。用語「グラファイト」は、場合によっては当業界において、多数のグラファイト粒子を意味するのに用いられる。好ましくはグラファイトは粉末若しくはフレーク又はそれらの混合物の形態である。好適な出発グラファイトの例は商品名Asbury 3775(Asbury Graphite Mills Inc.)及びTIMREX(登録商標)GA96/10(Timcal Graphite and Carbon,Inc.)で市販されている。
好ましくはグラファイトはメッシュ番号−10又はそれ以上であると特徴付けられる粒度を有する粒子から本質的になる(例えば−100メッシュのグラファイト)。−10メッシュのグラファイトは、−10メッシュのスクリーンを通過できるグラファイトを意味する。グラファイトは、メッシュ番号が、より好ましくは約−100メッシュ又はそれ以上、更に好ましくは約−300メッシュ又はそれ以上であると特徴付けられる粒度を有する粒子から本質的になる。更に好ましいのは、約−325メッシュのグラファイト(即ち粒子は約44μm又はそれ以下である)である。粒度とメッシュ番号とは逆相関する。微細なグラファイトが好ましいが、粗いグラファイトも使用可能である。
グラファイトの剥離(即ち部分的な離層又は部分的な離層及び完全な離層)によって、グラファイト粒子の多数の平面シートを、剥離グラファイトを含むより小さい積み重ねの混合物又は剥離グラファイトとグラフェンとを含むより小さい積み重ねの混合物に分離する。「グラフェン(Graphene)」は炭素原子から本質的になる、1原子厚の平面シート(即ち、小板)であり、約2630m2/gの理論Brunauer−Emmett−Teller(BET)表面積を有する。用語「グラフェン」は、場合によっては、当業界で多数のグラフェン粒子又は高度剥離グラファイトを意味するのに用いられる。
用語「剥離グラファイト(exfoliated graphite)」は酸化グラファイト又はグラファイト層間化合物の剥離によって得られる、15m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する任意の炭素材料を意味する。好適なグラファイト層間化合物の例は商品名GRAFGuard(登録商標)160−50N(GRAFTech Inc.,Advanced Energy Technologies Division(Parma、OH)及びHP-50(HP Material Solutions(Northridge、CA))で市販されている。個々の剥離グラファイトは、この明細書においては、既に記載したように約15〜約150m2/gのBET表面積を有すると特徴付けられる従来の剥離グラファイトと、高度剥離グラファイトとに分類できる。用語「高度剥離グラファイト」は200m2/g超、好ましくは400m2/g超、典型的には400〜1500m2/gのBET表面積を有する剥離グラファイトを意味する。好ましくは高度剥離グラファイトは500mg2/g又はそれ以上、より好ましくは700m2/g超、更に好ましくは800m2/g又はそれ以上、更に好ましくは900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する。900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する高度剥離グラファイトは、場合によっては、本明細書中で「超高度剥離グラファイト」と称する。より大きいBET表面積が通常は好ましいが、高度剥離グラファイトは、本発明の一部の態様では1400m2/g又はそれ以下、他の態様では1300m2/g又はそれ以下、更に他の態様では1200m2/g又はそれ以下のBET表面積を有する。
用語「酸化グラファイト」及び「インターカレート酸化グラファイト(intercalated graphite oxide)」は、グラファイトを酸化させることによって得られる、炭素原子及び酸素原子を含み、酸素原子のほとんど(全てではないが)が炭素原子の一部に共有結合している材料を意味する。用語「酸化グラファイト」は、場合によっては、当業界で多数の酸化グラファイト粒子を意味する、好ましくは酸化グラファイトは炭素元素及び酸素元素から本質的になる。一部の態様において、酸化グラファイト(例えば捕集酸化グラファイト)は更に、比較的少量の(例えば5重量%未満の)無機不純物から本質的になる。
用語「無機の硝酸陰イオン源(inorganic source of nitrate amin)」は硝酸、無機硝酸塩又はそれらの混合物を意味する。用語「無機硝酸塩」は、陰イオンNO3 -と1種又はそれ以上の無機陽イオンとを含む、炭素原子を含まないイオン性物質を意味し、無機陽イオンは、その物質が全体として中性であるように選択される。一部の態様において、無機の硝酸陰イオン源は硝酸である。一部の態様において、無機の硝酸陰イオン源は無機硝酸塩である。一部の態様において、無機の硝酸陰イオン源は硝酸と無機硝酸塩との混合物である。
用語「硝酸」は、発煙HNO3、濃HNO3又はそれらの混合物を意味する。「濃硝酸」は、形式的にはHNO3及び水から本質的になり、HNO3が、濃硝酸混合物の総重量に基づき、少なくとも65重量%であるが、86重量%又はそれ以下である濃硝酸混合物を意味する。「発煙硝酸」は、発煙硝酸混合物を意味し、発煙硝酸混合物の総重量に基づき、86重量%超のHNO3、水及び、場合によっては、二酸化窒素(NO2)を含む。一部の態様において、グラファイトの酸化に使用する硝酸は濃硝酸である。
好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アンモニウム(即ち固体若しくは水性NH4NO3)又は式M(NO3y(式中、Mは元素周期表の第1族、第2族及び第3族のいずれかの金属であって、金属は、それぞれ、+1、+2又は+3の形式(formal)酸化状態にあり;yは1、2又は3の整数であって、M(NO3yが全体として中性であるように選択される)の金属硝酸塩を含む。より好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム又は硝酸バリウムである。無機硝酸塩は固体の形態、水溶液の形態又はそれらの組合せ(例えば水溶液中の固体懸濁液)である。無機硝酸塩及び塩素酸塩がいずれも固体形態である場合には、本発明の第1の態様の方法において使用する反応混合物は、酸化グラファイトの製造を可能にするのに充分な量の水を含む。好ましくは、固体の無機硝酸塩の代わりに、無機硝酸塩の水溶液を用いる場合には、水の量は他の状況で対応する無機硝酸塩水溶液の調製に使用されたであろう量である。好ましくは無機硝酸塩は水溶液の形態であり、より好ましくは水溶液の濃度は無機硝酸塩の少なくとも0.1モル/リットル、即ち0.1モル濃度(M)である。
用語「精製水(purified water)」は、物理的に処理されて不純物が除去されている、好ましくは実質的に全ての(即ち99重量%超の)不純物が除去されている、分子式H2O(式中、Hは水素であり、Oは酸素である)を有する物質を意味する。このような精製水の個別の例は、蒸留水、脱イオン水、浸透処理水(osmotically-processed water)、濾過水、紫外線酸化処理水、電気透析水及びこれらの任意の2種又はそれ以上の組合せである。好ましくは、精製水は脱イオン水又は蒸留水を含む。
用語「硫酸」は発煙H2SO4、濃H2SO4又はそれらの混合物を意味する。「濃硫酸」は、形式的にはH2SO4及び水から本質的になり、H2SO4が、濃硫酸混合物の総重量に基づき、少なくとも90重量%である濃硝酸混合物を意味する。「発煙硫酸」は、形式的には三酸化硫黄(SO3)、H2SO4及び水から本質的になり、SO3が好ましくは発煙硫酸混合物の30重量%以下である発煙硝酸混合物を意味する。一部の態様において、グラファイトの酸化に使用する硫酸は濃硫酸である。
反応混合物を構成する出発原料(即ち硫酸、硝酸、水、グラファイト及び塩素酸塩)は種々のベンダーから市販されている。本発明は商業的ベンダーから入手されない1種又はそれ以上の出発原料の使用も企図する。好ましい方法はWO2007/047084に記載されており、より好ましい方法はWO2009/018204に記載されている。
一部の態様において、本発明は、反応混合物中における種々の濃度のグラファイトの使用を企図する。このような態様において、反応混合物中のグラファイト濃度は、好ましくは少なくとも2重量%である。
一部の態様において、本発明は、反応混合物中における種々の濃度の硫酸の使用を企図する。このような態様において、反応混合物中の硫酸濃度は様々であることができるが、好ましくは少なくとも50重量%である。
一部の態様において、本発明は種々の反応混合物温度での反応の実施を企図する。このような態様において、反応は好ましくは0℃又はそれ以上の反応混合物温度で実施する。また好ましくは、反応混合物の温度は約55℃又はそれ以下に保持される。塩素酸塩が固体塩素酸ナトリウムである場合には、反応混合物の温度は、好ましくは40℃又はそれ以上で且つ100℃又はそれ以下、より好ましくは約55℃又はそれ以下である。
反応時間、即ち塩素酸塩の添加開始時点から始まるStaudenmaier反応の実施時間に特に制限はない。反応は、好ましくは反応開始後30時間以内に、より好ましくは反応開始後24時間以内に、更に好ましくは反応開始後6時間以内にクエンチする。多くの場合、反応時間の最初の4時間以内に広範な酸化が既に起こっている。好ましくは、このような状態で好適な反応時間が達成された後、例えば反応混合物を撹拌しながら過剰の精製水(例えば脱イオン水)に添加することによって、反応をクエンチする。次いで、得られた酸化グラファイト生成物は、例えば濾過、遠心分離又はデカンテーションによって、好ましくは濾過によって、反応混合物から分離することができる。得られた捕集酸化グラファイトは残留水及びおそらく無機不純物(例えば残留硫酸、硫酸塩、硝酸塩、反応副生成物又はそれらの2種若しくはそれ以上の組合せ)を含むであろう。捕集酸化グラファイトは、任意的に、追加精製水で洗浄して、例えば若干、ほとんど又は全ての無機不純物を除去することができる。捕集酸化グラファイトは、洗浄の実施の有無にかかわらず、好ましくは次に、例えば約60〜80℃での一夜のオーブン乾燥によって、又はより好ましくは凍結乾燥によって、更に好ましくは30℃若しくはそれ以下の温度での凍結乾燥によって乾燥させて、乾燥単離酸化グラファイト(例えば、オーブン乾燥又は凍結乾燥単離酸化グラファイト)を得る。また好ましくは、単離酸化グラファイトを粉砕及び篩い分けして、粒度に従って酸化グラファイトのサブグループを生成する。異なるサブグループは、異なる連続供給炉アセンブリにその構成及び寸法に従って使用するのに最適と考えられる。一部の態様においては、オーブン乾燥単離酸化グラファイトを熱剥離させて、400〜800m2/gのBET表面積を有する高度剥離グラファイトを生成する。一部の態様においては、凍結乾燥単離酸化グラファイトを熱剥離させて、900〜1500m2/gのBET表面積を有する超高度剥離グラファイトを生成する。
本発明は、種々の方法で反応混合物を形成することを企図する。一部の態様において、第1の態様の方法は、連続法(即ち出発原料の中断のない投入による流動反応混合物の生成)又はより好ましくは回分法(即ち定量の出発原料の投入による独立した1つだけの反応混合物の生成)である。回分法には、実験室規模の方法及び製造規模の方法がある。
本発明による典型的な回分法においては、好ましくは硫酸及び無機の硝酸陰イオン源を最初に混ぜ合わせてから、他の出発原料を添加する。無機の硝酸の陰イオン源が固体無機硝酸塩である場合には、分量の水も添加する。硫酸、無機の硝酸陰イオン源及び、あるとすれば、水の量は前述の通りである。硫酸、無機の硝酸陰イオン源及びあるとすれば水の混合後に、ニトロニウムイオンの形成のための充分な時間、例えば3分〜4時間をみておく。次いで、好ましくはグラファイトが本質的に均一に分散されるまで撹拌しながら、グラファイトを硫酸/無機の硝酸陰イオン源の混合物に加えて、硫酸/グラファイト混合物/無機の硝酸陰イオン源の混合物を得る。これにより、グラファイト−ニトロニウム中間体を形成できる。次に、塩素酸塩を分けて又は一度に硫酸/無機の硝酸陰イオン源/グラファイトの混合物に添加するが、添加は分けて行うのが好ましい。塩素酸塩の添加後、得られた反応混合物を、所望の量の酸化グラファイトが形成されるまで撹拌する。
一部の態様においては、硫酸と無機の硝酸陰イオン源との混合によってニトロニウムイオン(NO2+)を形成するか、又は硫酸、無機の硝酸陰イオン源及びグラファイトの混合によってニトロニウムイオン−グラファイト複合体又はニトロニウムイオン−グラファイト複合体及びニトロニウムイオン(NO2+)の両方を形成する。好ましくは、反応混合物中の出発原料、ニトロニウムイオン又はニトロニウムイオン−グラファイト複合体の存在を、反応の間中(即ちリアルタイムで)監視し、より好ましくはラマン分光法によって、特にWO2009/018204A1の10頁、22行〜15頁、17行及び16頁、22行〜17頁、3行に記載されたようにして監視する。
本発明の好ましい態様において、出発原料の量は、反応混合物中の過剰のニトロニウムイオンが反応全体を通じて本質的に最小限に抑えられるように、選択する。ニトロニウムの濃度は、反応の監視によって適切な量の出発原料及びそれらの適切な添加時期を用いることで本質的に最小限に抑える。過剰のニトロニウムの濃度を本質的に最小限に抑えることによって、より高いBET表面積を有する剥離グラファイトの製造に有用な単離酸化グラファイトが得られることが判明した。
本発明は、第3の態様の方法において任意の酸化グラファイトを使用することを企図する。この方法に使用する酸化グラファイトは、水分含量が、好ましくは5重量%未満、より好ましくは2重量%未満、更に好ましくは1重量%未満の乾燥酸化グラファイトであるのが望ましい。本発明は、乾燥酸化グラファイトを生成させるために酸化グラファイトを乾燥させる(即ち酸化グラファイトから水を除去する)任意の手段を企図する。酸化グラファイトの好適な乾燥手段の例は誘導加熱、マイクロ波加熱、凍結乾燥、より好ましくは第1の態様の方法による凍結乾燥である。
本発明は、溶液法、超音波処理又は熱処理を含む種々の方法のいずれかによって酸化グラファイトから高度剥離グラファイトを形成することを企図する。好ましいのは、約250〜約2000℃、より好ましくは約500〜約1600℃、更に好ましくは約1000℃の温度での熱剥離である。熱剥離は、実質的に不活性の雰囲気下で、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン又はそれらの混合物から本質的になる雰囲気下で行う。典型的な手法については後述する。使用前に、高度剥離グラファイト(典型的には毛羽だった黒色)をブレンダー又は他のホモジナイザー中で均質化することができる。場合によっては、高度剥離グラファイトは、真空バッグ又は金属ダイなどの変形可能な空間又は容器中に入れられた分量の高度剥離グラファイトにそれぞれ中圧を適用することによって、軽く圧縮することもできる。
一部の態様において、第3の態様の方法の連続供給工程(c)は、フロースルーオーブンを通って粒子生成物材料の捕集手段に向かって下降する酸化グラファイトの重力落下を含む。好ましくは、第3の態様の方法は同伴ガス源を設ける工程を更に含み、フロースルーオーブンがガス入口開口部を更に規定し、ガス入口開口部が粒子出口開口部から離間して配置され、同伴ガス源がフロースルーオーブンのガス入口開口部、密閉体積空間及び粒子出口開口部並びに粒子生成物材料捕集手段と逐次流体連通し、それによってガス流路を確立している。連続除去工程(c)は、同伴ガスを、同伴ガス源からフロースルーオーブンのガス入口開口部、密閉体積空間及び粒子出口開口部を逐次的に通って粒子生成物材料捕集手段まで流し、それによってガス流路を通る同伴ガスの流れを確立することを含む。一部の実施態様において、同伴ガスの流れは一定である。一部の実施態様において、同伴ガスの流れは一定でない(例えば、パルス状である)。
一般的方法
酸化グラファイトのStaudenmaier合成
酸化グラファイトの製造を、Staudenmaier(Staudenmaier,L.、Ber.Dtsh.Chem.Ges.、1898、31、1484)の方法に従って、固体塩素酸カリウム(KClO3)塩11グラム(g);グラファイト(−325メッシュ;Alfa Aesar(Ward Hill、Massachusetts、USA)のAlfa Aesarカタログ番号43209から入手した天然フレーク)1g;濃(98重量%)H2SO4 17.9ミリリットル(mL)及び濃(70重量%)硝酸9.5mL(HNO3 0.15mol)を用いて行う。氷浴及び撹拌を用いて、得られた撹拌反応混合物の温度を24時間にわたって0〜5℃に保持する。24時間後、反応混合物を脱イオン水に添加することによって反応混合物をクエンチし、遠心分離又は濾過を行い(後述の表I中に示す通り)、得られた酸化グラファイトケークを追加の脱イオン水で洗浄する(後述の表I中に示す通り)。得られた洗浄酸化グラファイトケークを独立した第1の部分と第2の部分に分割する:第1の部分は以下の比較例1に記載するようにしてオーブン乾燥し、第2の部分は実施例1aに後述するようにして凍結乾燥する。
比較例1:酸化グラファイトのオーブン乾燥
酸化グラファイトのStaudenmaier合成において前述のようにして製造した酸化グラファイトの第1の部分をガラス皿に移し、オーブン中で80℃において一定重量まで乾燥させて、比較例1のオーブン乾燥酸化グラファイトを得る。複数の部分に分割する。
比較例2〜4:オーブン乾燥酸化グラファイトの熱剥離による高度剥離グラファイトの生成
水平に配置された管状炉を用いる、オーブン乾燥酸化グラファイトの回分式熱剥離。比較例1のオーブン乾燥酸化グラファイトの0.1〜0.3gの部分を、一端に石英ループを装着した石英ボートに加え、締まり嵌めステンレス鋼細目スクリーンでカバーする。流速2リットル/分の高純度無水窒素ガス雰囲気/パージ下で以下を実施する。石英熱分解管を装着した水平配置管状炉を900℃(比較例2及び3)又は1000℃(比較例4)まで予熱する。石英ボート及び酸化グラファイト微粉の一部を石英熱分解管の入口で1分間予熱して、微粉から空気及び水分を除去し、次いで石英ボート及び予熱された酸化グラファイト微粉の一部を石英熱分解管の中央に挿入して、900℃又は1000℃においてそれぞれ30秒間加熱する。石英ボートを引き戻し、得られた材料を炉管の入口で1分間冷まし、次いでそれを管から完全に取り出し、室温まで冷まして、比較例2〜4の高度剥離グラファイトをそれぞれ得る。それらの一部分を用いて、前述の方法に従ってBET表面積を求め、比較例2及び3については、メジアン粒径も求める。BET表面積及びメジアン粒径を後述の表Iに報告する。
前段落に記載した回分式熱剥離法の欠点は、水平配置管状炉の時間当たりの生産能が、石英ボートの酸化グラファイト収容力並びに加熱時間及び冷却時間の組合せによって制限されることである。石英ボートは、酸化グラファイトを室温で装填し、整定値温度まで加熱し、次いで室温に冷却し戻すことによって、高度剥離グラファイト生成物を取り出す必要がある。石英ボートの酸化グラファイト収容力が大きいほど、石英ボートの加熱時間及び冷却時間を長くなる。例えば、典型的な実験室規模の大きさの水平配置管状炉を用いる場合、石英ボートは酸化グラファイトを最大で約8g収容する。石英ボートの加熱及び冷却サイクル全体は約1時間を要し、典型的には約3.5gの高度剥離グラファイト生成物を生成し、実験室規模の大きさの水平配置管状炉の回分式生産能は1時間当たり高度剥離グラファイト約3.5gとなる。回分式の熱剥離の別の欠点は、遅くて不均一な酸化グラファイト加熱速度に関連している。酸化グラファイトの量が増加するにつれて、回分式加熱速度は遅くなり、また、酸化グラファイト粒子の床内の位置によって異なる。大規模な量では、回分式加熱速度は、生成される得られる剥離グラファイト生成物の品質が低下するほどひどく低下する。更に、個々の粒子の熱履歴は、酸化グラファイト床の位置によって異なり、生成物の性質にばらつきを生じるおそれがある。
比較例5:ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−高度剥離グラファイト複合材料の製造 比較例4の超高度剥離グラファイトの110ミリグラム(mg)の部分をトルエン(100g)中に懸濁させ、懸濁液を超音波浴中で20時間、超音波処理し、超音波処理懸濁液のアリコートを粒度分析のために取り出す。残りの超音波処理懸濁液に、ELVAX(商標)4987(E.I.DuPont de Nemours and Company(Wilmington、Delaware、USA)(即ちポリ(エチレン−co−酢酸ビニル))の12.5重量%溶液15.2gを加え、得られた混合物を30分間、超音波処理する。混合物を回転蒸発によって蒸発乾固させ(一定重量まで)、残留固形分を真空オーブン中で80℃において一夜乾燥させる。加熱された金型を用いて、得られた乾燥生成物を180℃で長方形のディスクにプレスして、比較例5のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料を得る。比較例5のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料を以下のようにして抵抗率によって特徴付ける。ディスクの厚さ、幅及び長さをセンチメートルで測定する。ディスクに刻みを付け、低温破壊させる(cold fracture)。得られた破壊エッジに導電性の銀を塗装し、抵抗計を用いてオーム単位で表される電気抵抗を測定する。下記式:抵抗率=電気抵抗×ディスク厚×(ディスク幅÷ディスク長)(空間的寸法は全てセンチメートルである)を用いて抵抗率を計算する。比較例5のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料の抵抗率は72オーム−センチメートルである。
本発明の非限定的な例を以下に記載する。
実施例1a:酸化グラファイトの凍結乾燥
酸化グラファイトのStaudenmaier合成において前述したようにして製造した洗浄酸化グラファイトの第2の部分を脱イオン水で約400mLに希釈し、撹拌して、コロイド状酸化グラファイト粒子の茶色の均一分散懸濁液を生成させる。400mLの懸濁液の一部を60mLの体積測定シリンジ(volumetric syringe)中に吸引し、吸引された部分を、撹拌液体窒素を含む容器中に注入して、酸化グラファイトの液体窒素中水性懸濁液を得る。前記400mL懸濁液の400mL全てが凍結され且つ液体窒素中に懸濁されるまで、前記の吸引及び注入を数回繰り返す。凍結された酸化グラファイト水性懸濁液及び液体窒素を40メッシュのステンレス鋼篩パン(sieve pan)に通して、凍結された酸化グラファイト水性懸濁液を液体窒素から分離する。分離された凍結酸化グラファイト水性懸濁液の一部を数個のトールガラス容器(例えばフリーカー(fleaker))中に分配し、トールガラス容器の口を多孔質濾紙ディスクでカバーする。ダイヤル式バイメタル温度計を凍結酸化グラファイト水性懸濁液中に挿入し、凍結酸化グラファイト水性懸濁液を含むトールガラス容器を凍結乾燥室に入れ、凍結乾燥室を排気して、トールガラス容器の凍結内容物からの水の昇華を開始させる。凍結乾燥プロセスの間中、酸化グラファイトを含む凍結内容物の温度は−20〜−30℃で推移する。1週間後、トールガラス容器は、周囲温度の実施例1aの凍結乾燥単離酸化グラファイトを含んでいる。凍結乾燥単離酸化グラファイト生成物を取り出し、更なる使用のために保存する。
実施例1b:凍結乾燥単離酸化グラファイトの熱剥離による超高度剥離グラファイトの生成
比較例1のオーブン乾燥酸化グラファイトの代わりに、実施例1aの凍結乾燥単離酸化グラファイトを用いて実施例1bの超高度剥離グラファイトを得る以外は、比較例2の手法に従う。一部分を用いて、前述の方法に従ってBET表面を求め、メジアン粒径も求める。BET表面積及びメジアン粒径を、後述の表Iに報告する。
実施例2〜7:凍結乾燥単離酸化グラファイトの熱剥離による、超高度剥離グラファイトの生成
表Iに後述する酸化グラファイトケーク洗浄手法を用いて洗浄酸化グラファイトの第2の部分をそれぞれ得る以外は、前述した酸化グラファイトのStaudenmaier合成を繰り返す。実施例1aに記載した手法に従って洗浄酸化グラファイトの各第2の部分を凍結乾燥させて、凍結乾燥単離酸化グラファイトをそれぞれ得る。各凍結乾燥単離酸化グラファイトを実施例1bの手法に従って熱剥離させて、実施例2〜7の超高度剥離グラファイトをそれぞれ得る。実施例2〜7の超高度剥離グラファイトの一部分を用いて、前述の方法に従ってそれらのBET表面積を求める。BET表面積及びメジアン粒径を後述の表Iに報告する。
実施例8a〜8e:オーブン乾燥酸化グラファイトの連続供給熱剥離
比較例1のオーブン乾燥酸化グラファイトの一部分をブレンダー中で粉砕し、粉砕された部分を、積み重ねられた8インチ(20センチメートル)ステンレス鋼篩スクリーンに通して篩い分けする。以下のU.S.メッシュサイズ((該当するサブポーション番号)メッシュサイズ):(8a)+25メッシュ;(8b)−25/+60メッシュ;(8c)−60/+80メッシュ;(8d)−80/+120メッシュ;及び(8e)−120メッシュ(「+」は篩によって保持される粒子を示し、「−」は篩を通過する粒子を示す)を有する、篩い分けされた酸化グラファイトサブポーションを捕集する。図1の連続供給炉アセンブリ1を用いて、底部32内にガラス捕集カップ34を配置し、剥離されなかった酸化グラファイトを捕集する。管状炉オーブン10を1000℃まで加熱し、同伴ガス源50からの同伴窒素ガスの流速を0.5〜0.4リットル/分に設定する。導管70は、ポリテトラフルオロエチレンチューブからなる。真空源60は水流アスピレーターからなる。別の実験において、粒子リザーバー80に、篩い分けされた酸化グラファイトサブポーション8a〜8eを装填し、それらの連続供給を開始して、篩い分けされた酸化グラファイトがフロースルーオーブンアセンブリ2の管状炉オーブン10の石英ガラス管20の密閉体積空間21中に落下するようにし、各超高度剥離グラファイト生成物8a〜8eを漏斗アセンブリ4の多孔質フィルターフリット41上に捕集する:質量収率40%。反応流の終了後、各捕集超高度剥離グラファイト生成物の一部分を用いて、そのBET表面積を求める。後述の表Iに報告するように、篩い分けされた酸化グラファイトサブポーション8a〜8eから製造された超高度剥離グラファイト生成物のBET表面積は827〜953m2/gの範囲であった。最良の運転挙動(例えば石英ガラス管20の密閉体積空間21中における、篩い分けされた酸化グラファイトの密度及び滞留時間)は、篩い分けされた酸化グラファイトサブポーション8b(−25/+60メッシュ)について観察される。
典型的な実験室規模の大きさの連続供給炉アセンブリ1を用いた場合、直前の段落に記載した酸化グラファイトの連続供給熱剥離は、1時間当たり高度剥離グラファイト約120gの速度で、高度剥離グラファイトを生成できる。
Figure 2014237587
実施例9:ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料
比較例4の超高度剥離グラファイトの代わりに、実施例8bの超高度剥離グラファイト生成物を用いる以外は、比較例5の各手法に従って、実施例9のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料を製造し、その抵抗率を計算する。実施例9のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料の抵抗率は30オーム−センチメートルである。したがって、実施例9のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料は、前述のように72オーム−センチメートルのより高い抵抗率を有する比較例5のポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)−超高度剥離グラファイト複合材料よりも、導電性の高い充填剤である。
前記実施例及び前記表Iのデータによって示されるように、Staudenmaier合成又はその変法によって本発明の第1の態様の方法に従ってグラファイトから製造された凍結乾燥単離酸化グラファイトは、Staudenmaier合成又はその変法によってグラファイトから製造されたオーブン乾燥酸化グラファイトの品質に比べて、特に充填剤用の高度剥離グラファイトを製造するための中間体として、実質的に高い品質を有している。例えば本発明の第1の態様の方法によって製造された凍結乾燥単離酸化グラファイトは、900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する超高度剥離グラファイト生成できるのに対し、オーブン乾燥酸化グラファイトから製造された超高度剥離グラファイトのBET表面積は783m2/g又はそれ以下である。更に、前者の超高度剥離グラファイト(凍結乾燥単離酸化グラファイトから製造)のメジアン粒径は、後者の超高度剥離グラファイト(オーブン乾燥酸化グラファイトから製造)のメジアン粒径よりも著しく小さい。前記実施例は本発明の第2の態様の連続供給炉アセンブリが、第3の態様の連続供給熱剥離方法において有用であり、従来の回分式熱剥離方法によって製造される対応するポリマー−超高度剥離グラファイト複合材料の抵抗率よりも著しく低い(その50%未満の)抵抗率を有するポリマー−超高度剥離グラファイト複合材料の製造に使用できる超高度剥離グラファイトを連続して製造することを示している。
本発明をその好ましい態様に従って前述したが、本発明の開示の精神及び範囲内において変更が可能である。したがって、本出願は、本明細書中に開示した一般原則を用いた本発明の全ての変形形態、使用形態又は適合形態を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野において知られている又は慣例的な実施の範囲内に入り且つ添付した「特許請求の範囲」の範囲内である、本発明の開示からの逸脱も網羅するものとする。
以下に、本発明の関連態様を記載する。
態様1.(a)以下の出発原料:硫酸、無機の硝酸陰イオン源、第1の量の塩素酸塩及びグラファイトを含み、液体部分と固体部分とを有する混合物を、反応器中で混合し;
(b)前記反応混合物を反応させて、酸化グラファイトを形成し;
(c)前記酸化グラファイトを反応混合物の大部分の液体部分から分離して、捕集酸化グラファイトを得;そして
d)前記捕集酸化グラファイトを凍結乾燥して、凍結乾燥単離酸化グラファイトを生成する工程を含んでなる凍結乾燥単離酸化グラファイトの製造方法であって、前記凍結乾燥単離酸化グラファイトが、凍結乾燥単離酸化グラファイトの総重量に基づき、5重量%未満の水を含み且つ1000℃における30秒間の熱剥離によって900m2/g又はそれ以上のBET(Brunauer-Emmett-Teller)表面積を有する高度剥離グラファイトを得ることを特徴とする凍結乾燥単離酸化グラファイトの製造方法。
態様2.前記工程(c)の捕集酸化グラファイトを、前記凍結乾燥工程(d)で更に処理することなく、直接使用する態様1に記載の方法。
態様3.前記工程(c)の捕集酸化グラファイトを、前記凍結乾燥工程(d)に使用する前に、水洗する態様1に記載の方法。
態様4.フロースルーオーブン、粒状前駆体材料の連続添加手段及び粒状生成物材料の捕集手段を含んでなる連続供給炉アセンブリであって、前記フロースルーオーブンが、離間した粒子入口開口及び粒子出口開口並びに前記粒子入口開口と前記粒子出口開口との間の密閉体積空間を規定し、前記フロースルーオーブンが、前記密閉体積空間を600〜約1600℃の温度において加熱でき、第1の粒状材料の連続添加手段が前記フロースルーオーブンの粒子入口開口、密閉体積空間及び粒子出口開口並びに粒状生成物材料の捕集手段と逐次流体連通し、それによって粒子流路が確立されている連続供給炉アセンブリ。
態様5.前記フロースルーオーブンがガス入口開口を更に規定し、前記ガス入口開口が粒子出口開口から離間して配置され且つフロースルーオーブンの密閉体積空間及び粒子出口開口並びに粒子生成物材料捕集手段と逐次流体連通し、それによってガス流路が確立されている態様4に記載の連続供給炉アセンブリ。
態様6.(a)粒状前駆体材料の連続添加手段が酸化グラファイトを収容しており且つ連続供給炉アセンブリのフロースルーオーブンの密閉体積空間が600〜約1600℃の温度に加熱されている、態様4又は5に記載の連続供給炉アセンブリを用意し;(b)前記粒状前駆体材料を連続的に添加する手段から粒子入口開口を通して連続供給炉のフロースルーオーブン中に酸化グラファイトを連続的に供給して、剥離グラファイトを生成させ;(c)前記剥離グラファイトを、前記フロースルーオーブンからその粒子出口開口を経て、連続的に除去して、除去された剥離グラファイトを得;そして(d)前記除去剥離グラファイトを、粒子生成物材料の捕集手段を用いて、捕集して単離された剥離グラファイトを得ることによって粒子流路を通る連続粒子の流れを確立する工程を含んでなる、剥離グラファイトを連続的に製造する酸化グラファイトの熱剥離方法。
態様7.前記方法が同伴ガス源を設ける工程を更に含んでなり、前記フロースルーオーブンがガス入口開口を更に規定し、前記ガス入口開口が粒子出口開口から離間して配置され、前記同伴ガス源がフロースルーオーブンのガス入口開口、密閉体積空間及び粒子出口開口並びに粒子生成物材料捕集手段と逐次流体連通状態にあり、それによってガス流路が確立されており、且つ前記連続除去工程(c)が同伴ガス源からフロースルーオーブンのガス入口開口、密閉体積空間及び粒子出口開口を逐次的に通って粒子生成物材料捕集手段まで、同伴ガスが流れることによってガス流路を通る同伴ガスの流れが確立されている、態様6に記載の方法。

Claims (3)

  1. (a)以下の出発原料:硫酸、無機の硝酸陰イオン源、塩素酸塩及びグラファイトを含み、液体部分と固体部分とを有する混合物を、反応器中で混合し;
    (b)前記反応混合物を反応させて、酸化グラファイトを形成し;
    (c)前記酸化グラファイトを反応混合物の大部分の液体部分から分離して、捕集酸化グラファイトを得;そして
    (d)前記捕集酸化グラファイトを凍結乾燥して、凍結乾燥単離酸化グラファイトを生成する工程を含んでなる凍結乾燥単離酸化グラファイトの製造方法であって、前記凍結乾燥単離酸化グラファイトが、凍結乾燥単離酸化グラファイトの総重量に基づき、5重量%未満の水を含み且つ1000℃における30秒間の熱剥離によって900m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する高度剥離グラファイトを得ることを含んでなる凍結乾燥単離酸化グラファイトの製造方法。
  2. (a)以下の出発原料:硫酸、無機の硝酸陰イオン源、塩素酸塩及びグラファイトを含み、液体部分と固体部分とを有する混合物を、反応器中で混合し;
    (b)前記反応混合物を反応させて、酸化グラファイトを形成し;そして
    (c)前記酸化グラファイトを反応混合物の大部分の液体部分から分離して、捕集酸化グラファイトを得ることを含んでなる酸化グラファイトの製造方法。
  3. 前記工程(c)の捕集酸化グラファイトを、前記凍結乾燥工程(d)に使用する前に、水洗する請求項1に記載の方法。
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