JPH0692553A - 紙葉類処理装置の出入れ機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】紙幣の集積および繰出し処理を行なう紙葉類処
理装置の出入れ機構において、部品点数の低減や機構の
小型化等を図ることともに、紙葉類の集積が紙幣の種類
や状態に関わりなく円滑に行なえるようにすること。 【構成】集積部４の上面開口部一側に、取込みを行なう
取込みローラと繰出しを行なう繰出しローラとの両機能
を有する出入れローラ１１を架設するとともに、この出
入れローラ１１に対し、重ね出しを防止しするとともに
紙葉類に対する腰付けを行なうため、繰出し方向には回
転せず取込み方向に回転し、出入れローラ１１周面の溝
１１ａに当該周面１６ａをオーバラップさせた状態で架
設する分離腰付けローラ１６を、紙幣搬送路１５を介し
て対設した紙葉類処理装置の出入れ機構６。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、銀行業務に
おいて用いられる紙幣や定形用紙等の紙葉類を装置内部
の集積部に上下方向へ平積みして集積処理し、また、集
積部に集積された紙葉類を上層部より順次繰出し処理す
るような紙葉類処理装置の出入れ機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】上述したような紙葉類の集積及び繰出し
を行なう紙葉類処理装置の出入れ機構には、例えば、実
願昭６１−１７０５１７号のように、紙葉類を集積する
集積部の上面開口部一側に紙葉類取込み機構を設け、他
側に紙葉類繰出し機構を設けたものがある。

【０００３】上述の紙葉類取込み機構は、集積部の上面
開口部一側に、取込み方向に回転する取込みローラを対
接するとともに、集積部内に紙葉類を自重落下させる時
に前後の紙葉類が衝突したり、２枚目の紙葉類が１枚目
の紙葉類の下に潜り込んだりすることを防止するための
羽根車を設けて構成している。また上述の紙葉類繰出し
機構は、集積部の上面開口部他側に、繰出し方向に回転
する繰出しローラを設け、この繰出しローラに、紙葉類
の重ね出しを防止するため、繰出し方向に回転しない分
離ローラを対接して構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のように
２つの機構、すなわち紙葉類取込み機構と紙葉類繰出し
機構とを配設する構造を採用すると、部品点数が多く、
コスト高になるとともに、機構が大型化し、また高い信
頼性が得られないという問題点がある。

【０００５】また、紙葉類取込み機構の羽根車は、取込
まれる紙葉類の後端を叩く作用をするだけであり、紙葉
類の自重落下時に、紙葉類の形状維持し円滑な落下を行
なわせる、いわば腰を付けるような作用がないので、紙
葉類の種類や疲労度によっては完璧な効果を期待できな
いという難点もある。

【０００６】そこでこの発明は、紙葉類取込み機構にお
ける取込みローラと紙葉類繰出し機構における繰出しロ
ーラとの両機能を有する出入れローラを設けるととも
に、この出入れローラに、重ね出しを防止し、紙葉類に
対する腰付けを行なう分離腰付けローラを対設すること
で、上述した問題点を解決することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るための手段を実施例の図２を用いて説明すると、その
構成は、集積部４の内部に紙葉類Ｙ…の集積及び繰出し
を許容するために昇降する昇降板５を設け、上記集積部
４の上面開口部一側に、紙葉類Ｙ…を繰出す繰出し方向
と、紙葉類Ｙ…を取込む取込み方向とに回転し、周面に
複数本の溝を形成した出入れローラ１１を架設するとと
もに、該出入れローラ１１に、上記繰出し方向には回転
せず上記取込み方向に回転し、上記出入れローラ１１周
面の溝に当該周面をオーバラップさせた状態で架設する
分離腰付きローラ１６を、紙葉類Ｙ…の搬送路１５を介
して対設した紙葉類処理装置の出入れ機構６であること
を特徴とする。

【０００８】

【作用】すなわち、上述の構成によれば、集積部内に紙
葉類を集積する場合には、集積を許容する位置に昇降板
を降下し、続いて出入れローラを取込み方向に回転駆動
し、分離腰付けローラを取込み方向に回転させて、相互
の周面のオーバラップによって紙葉類を波状に変形して
腰付けを行ないつつ、昇降板上に自重落下させる。この
とき昇降板を、紙葉類の集積量の増加に対応して下降さ
せ、集積部に多数枚の紙葉類を平積みして集積する。

【０００９】一方、集積部内の紙葉類を繰出す場合に
は、繰出しを許容する位置に昇降板を上昇して、昇降板
上に集積した紙葉類を出入れローラに押圧し、この出入
れローラを繰出し方向に回転駆動するとともに、繰出し
方向に回転しない分離腰付けローラによって重ね出しを
防止しつつ、出入れローラの繰出し力により紙葉類を集
積部外部に繰出す。このとき所定の押圧力を維持するた
めに紙葉類の集積量の減少に対応して昇降板を上昇移動
させて、集積部内の紙葉類を順次繰出し処理する。

【００１０】

【発明の効果】上述の結果、この発明によると、集積部
の上面開口部の一側に設けた一つの出入れローラを中心
にして紙葉類の集積及び繰出し処理を行うので、従来の
ように取込み機構と繰出し機構とを別々に設ける場合に
比して、部品点数を低減することができ、コストを抑え
ることができる。また、一方の機構を取除くことにな
り、その分だけ装置の小型化を図ることができる。この
ため、限られたスペース内に複数の集積ユニットを配設
することができ、取扱い枚数が多くなる時に備えて紙葉
類の集積容量を増やしたり、取扱う紙葉類の種類を増や
したりすることが容易に行なえる。

【００１１】そしてまた、紙葉類の集積時には、紙葉類
は出入れローラと分離腰付けローラとのオーバラップに
よって波状に湾曲され、この事によって紙葉類は、形状
の維持が可能で円滑な落下が行なえる、いわば腰のある
状態になり、紙葉類の種類や状態に関わりなく、羽根車
の作用だけでは得られない、自重落下による整然とした
集積が完璧に行なえる。

【００１２】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は紙葉類の一例として自動預金支払機に内
蔵されて紙幣の入出金処理を行う紙幣処理装置の出入れ
機構を示し、図４において、この紙幣処理装置１の内部
には、金種別に紙幣Ｙを集積する４基の各紙幣集積ユニ
ット２…と、繰出しエラーや取忘れの紙幣Ｙを回収する
紙幣回収ユニット３とを並設している。

【００１３】上述の紙幣集積ユニット２は、縦長で箱形
状に形成した集積部４の内部に、多数枚の紙幣Ｙを上下
方向に平積みして集積するための昇降板５を昇降可能に
設けるとともに、この集積部４の上面開口部に、紙幣Ｙ
の集積及び繰出し機能を備えた出入れ機構６を一体的に
設けて構成している。

【００１４】上述の昇降板５は、集積部４の側壁４ａに
沿って架設したガイド軸７上に昇降板５の基部を摺動可
能に係合し、このガイド軸７の上下両端部に軸支した各
プーリ８，８間に昇降ベルト９を張架するとともに、こ
の昇降ベルト９の端部を昇降板５の基部に固定して、駆
動モータ（図示省略）の駆動力により各プーリ８，８を
介して昇降ベルト９を正逆回転することで、集積部４内
に集積される紙幣Ｙの集積及び繰出しを許容するために
昇降板５を昇降移動する。

【００１５】この昇降板５の上部には、集積部４内に搬
入された紙幣Ｙが水平横姿勢で落下して平積みされ、そ
の集積量に対応して昇降板５を昇降し、連続的に搬入さ
れる紙幣Ｙの落下を妨げない一定の落下空間を形成す
る。

【００１６】前述の出入れ機構６は、図１、図２および
図３に示すように、集積部４の上面開口部の中央位置
に、昇降板５上に集積された最上面の紙幣Ｙと対向して
繰出し方向のみに間欠回転駆動する補助ローラ１０を架
設し、集積部４の上面開口部の右側位置に、紙幣集積時
において、集積部４内部に紙幣Ｙを取込む取込み方向に
回転駆動し、紙幣繰出し時において、集積部４外部に紙
幣Ｙを繰出す繰出し方向に回転駆動する出入れローラ１
１を架設している。

【００１７】上述の補助ローラ１０は、支軸１２により
軸支した可動レバー１３の先端部に枢着され、紙幣繰出
し時に於いて、昇降板５により押上げられる最上面の紙
幣Ｙに対して適性押圧力が加わる押圧位置に下動し、紙
幣集積時において、昇降板５上に集積された最上面の紙
幣Ｙに対して上方に所定間隔に離間した待機位置に上動
する。

【００１８】前述の出入れローラ１１は、周面に複数本
の溝部１１ａ，１１ａを形成し、周面の全周ゴム部１１
ｂの一部に、凹凸のある部分ゴム部１１ｃを設けてい
る。そして、この出入れローラ１１の右側周面に沿っ
て、２枚の各ガイド板１４，１４からなる紙幣搬送路１
５を集積部４内と連通して形成し、この紙幣搬送路１５
を介して下方位置に、分離腰付けローラ１６を対設して
いる。この分離腰付けローラ１６の対設は、ゴムで形成
された周面１６ａ，１６ａが上述の出入れローラの溝１
１ａ，１１ａに対して適宜オーバラップするように設定
して行ない、また、一方向クラッチ１６ｂにより繰出し
方向の回転を阻止し、取込み方向の回転を可能としてい
る。

【００１９】また、上述の紙幣搬送路１５の右側部には
支軸１７を架設し、この支軸１７に軸支した可動レバー
１８の下端部に対し、出入れローラ１１の下部周面と対
接するタッチローラ１９を枢着し、タッチローラ１９と
同軸上であって、出入れローラ１１との対向を避けた位
置には、紙幣Ｙよりも幅狭間隔に隔てて一対の各羽根車
２０，２０を枢着している。

【００２０】上述のタッチローラ１９と羽根車２０，２
０は、上述した可動レバー１８の回動により上下動が可
能であり、紙幣の集積時には上動してタッチローラ１９
の周面を出入れローラ１１の下部周面に対接し、羽車２
０を取込み方向に回転して、集積部４側に搬入される紙
幣Ｙの後端部を、羽根車２０に周設したフィルムのよう
な可撓性の各羽根板２０ａ…で集積部４側に叩き落とす
ように設定されており、また紙幣の繰出し時には下動し
て紙幣搬送路１５よりも下方の待機位置に位置する。

【００２１】また、前述の紙幣搬送路１５側と対応する
出入れローラ１１の右側周面には、紙幣Ｙの取込み及び
繰出しをガイドする一対の各ガイドローラ２１，２１を
対接している。

【００２２】さらに、上述の紙幣搬送路１５上には、紙
幣集積時において収納ラインＡと紙幣搬送路１５とを接
続する側に回動し、紙幣繰出し時において繰出しライン
Ｂと紙幣搬送路１５とを接続する側に回動するフラッパ
２２を軸支している。

【００２３】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、紙幣処理装置１の集積及び繰出し動作を説明
する。まず、紙幣集積ユニット２の集積部４内に紙幣Ｙ
を集積する場合には、図２に示すように、集積を許容す
る位置に昇降板５を下降して、集積部４内に搬入される
紙幣Ｙの落下を妨げない一定の落下空間を形成し、補助
ローラ１０を上動して待機位置に保持し、そして可動レ
バー１８を上動して出入れローラ１１の下部周面にタッ
チローラ１９を対接する。

【００２４】つぎに、出入れローラ１１とタッチローラ
１９と羽根車２０とを取込み方向に回転駆動し、分離腰
付けローラ１６は紙幣Ｙの取込みを許容する方向に回転
する。すると、集積部４内に搬入される紙幣は、出入れ
ローラ１１と分離腰付けローラ１６との相互のオーバラ
ップによって波形に湾曲され、ヒラヒラしない腰の付い
た状態で搬送される。そして落下する時に紙幣Ｙは、羽
根車２０の各羽根板２０ａ…により昇降板５上に叩き落
とされ集積部４内に集積される。なおこの時、紙幣Ｙの
集積量の増加に対応して昇降板５を適宜下降させる。

【００２５】一方、紙幣集積ユニット２の集積部４内に
集積された紙幣Ｙを繰出す場合には、第１図に示すよう
に、繰出しを許容する位置に昇降板５を上昇するととも
に、補助ローラ１０を押圧位置に下動して昇降板５上に
集積された最上面の紙幣Ｙに押圧し、可動レバー１８を
下動してタッチローラ１９および羽根車２０を紙幣搬送
路１５よりも下部の待機位置に保持する。

【００２６】つぎに、出入れローラ１１を繰出し方向に
連続回転駆動し、同時に、補助ローラ１０を繰出し方向
に間欠回転駆動して、昇降板５上に集積された最上面の
紙幣Ｙを、繰出し方向に回転しない分離腰付けローラ１
６によって重ね出しを防止しつつ、出入れローラ１１の
繰出し力によって紙幣搬送路１５を介して集積部４外部
に繰出し、紙幣Ｙの集積量の減少に対応して昇降板５を
上昇させ、所定枚数の紙幣Ｙを繰出し処理する。

【００２７】したがって、このように集積部４の上面開
口部の一側に設けた一つの出入れローラ１１を中心にし
て紙幣の集積および繰出し処理を行うので、取込み機構
と繰出し機構とを別々に設ける場合に比して、部品点数
を低減することができ、コストを抑えることができる。
また、一方の機構を取除くことになり、その分だけ紙幣
集積ユニット２の小型化を図ることができる。このた
め、限られたスペース内に複数の紙幣集積ユニット２を
配設することができ、取扱い枚数が多くなる時に備えて
紙幣の集積容量を増やしたり、取扱う紙幣の種類を増や
したりすることが容易に行なえる。

【００２８】そしてまた、紙幣の集積時には、紙幣は出
入れローラと分離腰付け腰付けローラとのオーバラップ
によって波状に湾曲され、この事によって紙幣は、形状
の維持が可能で円滑な落下が行なえる、いわば腰のある
状態になり、紙幣の種類や、流通期間の長さ等に関わり
なく、羽根車の作用だけでは得られない、自重落下によ
る整然とした集積が完璧に行なえる。なお、この発明
は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】出入れ機構の繰出し動作状態を示す縦断側面
図。

【図２】出入れ機構の集積動作状態を示す縦断側面図。

【図３】出入れ機構の集積動作状態を示す横断側面図。

【図４】出入れ機構を備えた紙幣処理装置の内部構成側
面図。

【符号の説明】

Ｙ…紙幣 １…紙幣処理装置 ４…集積部 ５…昇降板 ６…出入れ機構 １１…出入れローラ １１ａ…溝部 １５…紙幣搬送路 １６…分離腰付けローラ １６ａ…周面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置内部の集積部に多数枚の紙葉類を集積
   すべく取込み処理し、かつ、該集積部の集積紙葉類を外
   部に繰出し処理する紙葉類処理装置の出入れ機構であっ
   て、上記集積部の内部に紙葉類の集積及び繰出しを許容
   するために昇降する昇降板を設け、前記集積部の上面開
   口部一側に、紙葉類を繰出す繰出し方向と、紙葉類を取
   込む取込み方向とに回転し、周面に複数本の溝を形成し
   た出入れローラを架設するとともに、該出入れローラ
   に、上記繰出し方向には回転せず上記取込み方向に回転
   し、上記出入れローラ周面の溝に当該周面をオーバラッ
   プさせた状態で架設する分離腰付きローラを、紙葉類の
   搬送路を介して対設した紙葉類処理装置の出入れ機構。