JPH0692014A - 板状レンズにマークを標示する方法 - Google Patents

板状レンズにマークを標示する方法

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JPH0692014A
JPH0692014A JP4244899A JP24489992A JPH0692014A JP H0692014 A JPH0692014 A JP H0692014A JP 4244899 A JP4244899 A JP 4244899A JP 24489992 A JP24489992 A JP 24489992A JP H0692014 A JPH0692014 A JP H0692014A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板状レンズ1にマーク形状の溝1aを形成し
て該マーク形状の溝にホットスタンプシート3をホット
スタンプ処理してマーク(本例ではT字形マーク)を標
示したレンズを改良して、ホットスタンプがマーク形状
の溝1aからハミ出すオーバースタンプを防止し、か
つ、マークの立体感を強調して、質感を向上させる。 【構成】 マーク形状の溝1aの周囲に、オーバースタ
ンプ防止用の輪郭溝1b,又は着色縁どり5,6などの
手段を施した後、板状レンズ1の裏面に裏面塗装9を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明な板状部材の表面
に立体感の有るマークを標示する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】板状レンズの表面に立体感を有する文
字,記号,図形もしくはこれらの組合せよりなるマーク
を表示する技術として、該板状レンズの面にマーク形状
の溝を形成して、この溝の内面に真空蒸着法を用いて金
属薄膜を成膜する技術が公知である。この技術によれば
金属色調および金属光沢を有するマークが立体的に表示
される。しかし乍ら、この真空蒸着処理は工程が複雑で
あって一般に、a.凹面部アンダーコート(マスク塗
装)、b.乾燥硬化、c.凹面部真空蒸着(マスク蒸着
処理)、d.凹面部トップコート(マスク塗装)、e.
乾燥硬化、f.オーバー蒸着除去(アルカリ洗浄)、
g.繰り返し水洗、h.純水洗、i.水切り乾燥、j.
凹面部以外の着色処理、k.乾燥硬化といった工程を経
なければならないので歩留りも悪く製造原価が高い。上
述の真空蒸着以外にインサートモールデイング技術も公
知であるが、箔膜が高価である上に、成形処理物の形状
などについての制約が多い。比較的簡単に立体的なマー
クを表示し得る技術としてホットスタンプによる方法が
有る。図2はその工程説明図である。図2(A)に示す
ように透明な板状レンズ1の片面にマーク形状の溝1a
を予め設けておく。この溝1aの断面形状は浅いV字形
をなしている。このV字形に対応する山形部2aを設け
た刻印治具によって、前記マーク形状溝1aに向けてホ
ットスタンプシート3を矢印P方向に押圧し、図2
(B)のように挾みつけ、マーク形状の転写を行う。こ
の場合、図2(B)に示したように、溝1aの凹面の角
ψと刻印治具2の山形凸面の角ψとが正確に一致しない
と、ホットスタンプシート3が破れるなどの不具合を生
じる。こうした不具合を防止するため、図3に示す方法
が有効である。同図(A)に示した刻印治具4は弾性変
形可能な材料で構成されていて、その山形部4aの角φ
は、マーク形状の溝1aの谷の角θよりも僅かに小さく
構成されている。このような刻印治具4を用いてホット
スタンプ加工をすると、その初期には図3(B)のよう
に中央部が当接し、ホットスタンプシート3と板状レン
ズ1との間に存在する空気を側方に追い出しつつ同図
(C)のようになり、刻印治具4の山形部は溝1aの角
θと同じ頂角に弾性変形して、ホットスタンプシート3
を介して相互に密着する。この方法は本発明者が創作
し、本出願人が別途出願中の未公知の発明(特願平3−
164307)である。
【0003】本発明者は上記先願に係る発明の出願の
後、さらに実用化試験を続け、充分な実用的効果を確認
したが、なお、次に述べるような改良の余地が有ること
を確認した。図4はその説明図である。(A)図に示す
ように板状レンズ1にマーク状の溝(本例ではT字形状
の溝)である。そのB−B断面を同図(B)に示す。前
記マーク形状の溝1aは浅いV字状をなしている。この
板状レンズ1は(B)図に示すような平板状レンズの場
合もあり、(C)図に示すようなプリズムレンズの場合
もある。いずれの場合においても前記の浅いV字状の溝
1aの上にホットスタンプシート3を置いて、図3を参
照して説明したような手順でホットスタンプ処理したと
き、図4(B),(C)に仮想線で示したように、浅い
V字状溝1aからハミ出したオーバースタンプ部分3a
が発生する。このようなオーバースタンプが出来ると、
図4(A)に仮想線で示したオーバースタンプ3aのご
とく、マーク形状の輪郭が不規則となり、著しく商品価
値を低下せしめる。図5(A)〜(D)は、それぞれ、
上記オーバースタンプを防止する手段(詳しくはオーバ
ースタンプによる商品価値の低下を防止するための構
成)を示す。これらの構成は本発明者が創作して別途出
願手続中の未公知の考案である。図5(A)の構成は、
ホットスタンプシート3を押圧するマーク形状の溝1a
の周囲に、その輪郭を縁どる形の輪郭溝1bを設けてあ
る。これにより、溝1aと溝1bとの境界に鋭いエッジ
Eが形成される。その結果、ホットスタンプシート3が
マーク形状の溝1aからハミ出した部分は、図外の刻印
治具(図3参照、図面参照番号4)で押圧されたとき、
上記の鋭いエッジEで切断,除去される。図5(B)の
構成は、板状レンズ1の表側(マーク形状の溝1aが設
けられていない側)に、マーク形状の周囲を縁どる形の
着色縁度理5が描かれている。これにより、ホットスタ
ンプシート3を押圧したときオーバースタンプ3aを生
じても、このオーバースタンプ3aは着色縁どり5に隠
れて外観に現れず、意匠的価値を損なわない。図5
(C)の構成は、マーク形状の溝1aの周囲に、平坦な
頂面を有する突条1cを設けて、その頂面に着色6を施
してある。この着色は前記マーク形状の輪郭に沿って、
これを縁どる形になる。このように構成すると、オーバ
ースタンプを生じても、該オーバースタンプは着色縁ど
りに隠れて、外観に現われない。図5(D)は、(A)
図に示した輪郭溝1bを設けるとともに、その溝底の平
坦な面に、(C)図におけると同様ないし類似の着色縁
どり6を施してある。マーク形状の溝1aの輪郭に沿っ
て、周囲のレンズ面に対して段差を有する平坦な帯状の
面を形成して、該平坦面に着色縁どりを描くという意味
において、(D)図の構成は(C)図の構成と本質的に
同様である。本発明においてオーバースタンプを防止す
る手段とは、図5(A)ないし(D)に示した構成の何
れか一つを意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記未公
知の発明(特願平3−164307号)が所期の目的を
達成し得たことを確認し、かつ、該未公知発明における
欠点としてのオーバースタンプの問題を前掲の図5
(A)〜(D)に示した構成の考案によって解消し得る
ことを確認した。本発明の目的は、上記の考案によって
オーバースタンプを防止された板状レンズを更に改良し
て、前記未公知の発明の効果および上記考案の効果を妨
げることなく、該板状レンズに標示されるマークの立体
感をいっそう強調してその質感をより向上せしめ得る方
法を提供して、商品価値をさらに向上せしめることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明方法の基本的な原理について、その
実施例に対応する図1を参照しつつ略述すると、前記
(A)〜(D)に示したオーバースタンプ防止手段の何
れか少なくとも一つを施して、ホットスタンプシート3
を押圧してマークを標示した後、板状レンズの裏面側
に、ホットスタンプシート3およびその周辺を覆う裏面
塗装を施す。この板状レンズ1は、ホットスタンプを施
されていない平面側(図5において下面側)から眺める
ように作られているので、裏面とはマーク形状の溝1a
が形成されている側の面(換言すればホットスタンプ3
を押圧されている側の面)である。上述の原理に基づく
具体的な手順として、本発明に係る板状レンズにマーク
を標示する方法は、透明な板状レンズの面にマーク形状
の、断面V字状ないしU字状の溝を設け、上記の溝の内
面にホットスタンプシートを押圧してマークを標示した
レンズにおいて、上記マーク形状の、断面V字状ないし
U字状の溝の外周に、該マーク形状の輪郭に沿って、オ
ーバースタンプを防止する手段を施し、ホットスタンプ
シートを押圧した後、該透明な板状レンズのホットスタ
ンプを施されている側の面に、塗装することを特徴とす
る。
【0006】
【作用】上記の方法は、板状レンズにホットスタンプ処
理を施した後に裏面を塗装するので、前述の真空蒸着法
における欠点(工程が複雑で歩留が悪く、コスト高)が
解消されており、ホットスタンプ法における刻印治具に
関する困難は前記未公知の発明によって解消されてお
り、オーバースタンプの問題は図5(A)〜(D)ずれ
かの構成によって解消されていて、本発明による裏面塗
装はこれらの発明,考案の効果を妨げない。さらに、本
発明を適用して施される裏面塗装は、板状レンズの質感
をいっそう向上させ、マークの立体感がより強調という
効果を奏する。
【0007】
【実施例】図1(A)〜(D)は、それぞれ本発明方法
の1実施例を示す。これらの実施例はそれぞれ、図5
(A)〜(D)に示した先行技術(別途出願手続中の未
公知の考案)に本発明を適用して、その質感,立体感を
いっそう向上させたものであって、図5におけると同一
の図面参照番号を付したものは上記先行技術におけると
同様ないし類似の構成部分である。図1(A)〜(D)
に示すごとく、それぞれオーバースタンプ防止手段を施
してホットスタンプシート3をマーク形状の溝1aの内
面に押圧した後、スプレーガン8によって板状レンズ1
の裏面側(図において上面側)に裏面塗装9を施す。こ
れにより、板状レンズを表側(図において下側)から見
たとき、マーク形状部の立体感が強調され、マーク形状
以外の部分の質感が向上する。図1の実施例におけるマ
ーク形状の溝1aは、その断面が浅いV字形をなしてい
るが、この溝の底部が丸味を有する形状(なすわち浅い
U字状)てあっても、本実施例におけると同様の作用,
効果が得られる。
【0008】
【発明の効果】板状レンズに成形されたマーク形状の溝
にホットスタンプを施すマーク標示方法に本発明を適用
して、オーバースタンプ防止手段を施した後、板状レン
ズの裏面に塗装を施すと、マーク形状部分の立体感が強
調され、マーク形状の質感が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板状レンズにマークを標示する方
法を説明するための模式的な断面図である。
【図2】板状レンズにマーク形状の溝を設けてホットス
タンプを施す作業の工程説明図である。
【図3】未公知の発明に係るホットスタンプ方法を説明
するための、断面図に角度を記入した図である。
【図4】ホットスタンプ処理における課題としてのオー
バースタンプを説明するための断面図である。
【図5】オーバースタンプを防止するための未公知の考
案を説明するための模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…板状レンズ、1a…マーク形状の溝、1b…オーバ
ースタンプ防止用の輪郭溝、2…刻印治具、3…ホット
スタンプシート、3a…オーバースタンプ、4…弾性を
有する刻印治具、E…鋭いエッジ、5,6…着色縁ど
り、8…スプレーガン、9…裏面塗装。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な板状レンズの面にマーク形状の、
    断面V字状ないしU字状の溝を設け、上記の溝の内面に
    ホットスタンプシートを押圧してマークを標示したレン
    ズにおいて、 上記マーク形状の、断面V字状ないしU字状の溝の外周
    に、該マーク形状の輪郭に沿って、オーバースタンプを
    防止する手段を施し、ホットスタンプシートを押圧した
    後、該透明な板状レンズのホットスタンプを施されてい
    る側の面に、塗装することを特徴とする、板状レンズに
    マークを標示する方法。
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