JPH0691682A - 自己離型性の優れたポリウレタン及び/又はポリウレア成形物の製造方法 - Google Patents

自己離型性の優れたポリウレタン及び/又はポリウレア成形物の製造方法

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JPH0691682A
JPH0691682A JP3260955A JP26095591A JPH0691682A JP H0691682 A JPH0691682 A JP H0691682A JP 3260955 A JP3260955 A JP 3260955A JP 26095591 A JP26095591 A JP 26095591A JP H0691682 A JPH0691682 A JP H0691682A
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満成 池本
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蔀 増子
Kazuki Sasaki
和起 佐々木
Hachiro Wada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応射出成形によるポリウレタン及び/
又はポリウレア樹脂成形物の製造法において、特定の内
部離型剤を使用することにより、金型からの良好な剥離
性を有し、且つ塗装性、物性の優れた成形物を提供す
る。 【構成】(a)有機ポリイソシアネート (b)ポリオール及び/又はポリアミン、鎖長延長剤 (c)内部離型剤 (d)必要に応じて発泡剤、助剤 を用いて反応射出成形によりポリウレタン及び/又はポ
リウレア成形物を製造する方法において、内部離型剤と
して高級脂肪酸のジルコニウム塩を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン及び/又
はポリウレア成形物の製造方法に関する、より詳しくは
反応射出成形によりポリウレタン及び/又はポリウレア
成形物の製造において、特定の内部離型剤を使用する製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン及び/又はポリウレア成形
物は、機械的特性、例えば、引張り強さ、耐熱性、耐衝
撃性等優れており、反応射出成形により得られる成形品
は自動車部品類、電子部品類や家具等に使用されてい
る。しかしながら、ウレタン結合やウレア結合は、樹脂
骨格の分子構造にもよるが、金属への接着性を有してい
るために、成型品を金型から脱型するのに外部又は内部
離型剤が必要とされている。ポリウレア樹脂はポリウレ
タン樹脂よりも反応性が速いため、外部離型剤を使用す
ることにより、ある程度の連続脱型性は可能であるが、
成型品の脱型をより容易にするための方法として、
【0003】例えば、外部離型剤としては、(イ)オル
ガノシランを金型に塗布し、ポリシロキサンを成形させ
る方法(特公平3−11248号)、(ロ)イソブチレ
ンオリゴマー及びワックスからなる離型剤(特公平3−
11604号)、(ハ)含ハロゲンポリエーテルを主成
分とする離型剤(特公平3−9848号)等を使用する
ことが記載されている。
【0004】これらの方法は、ポリウレタン及び/又は
ポリウレア成形物の製造において、金型と成形物界面と
の接着力を減少させるものであり、反応射出成形にある
程度有効である。しかし、外部離型剤は、離型性に必ず
しも満足できないこと、使用する離型剤の配合に手間が
かかり、又成形品に付着した離型剤により成形品の表面
が荒れたり、複雑な形状の金型に離型剤を均一に塗布す
るには熟練を要する等の問題点がある。
【0005】又、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を
使用する方法(特開昭60−245622号)が記載さ
れている。しかしステアリン酸亜鉛はポリオールへの溶
解性が悪く常温で放置すると沈降し分離する。ポリオー
ルとの相溶性を改善るためアミン系化合物と混合してポ
リオールへ添加しているが、原料調製に手間がかかる欠
点があり、また、離型性においても改善が要求されてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタン及び/又
はポリウレア成形物の製造において、内部離型剤を加え
てもポリオール溶液の安定性、物性、離型性及び塗装性
も優れ、且つ経時によってブリード現象の少ない内部離
型剤について鋭意研究を重ねた結果、特定の高級脂肪酸
の金属塩を使用することにより目的を達成することを見
出し本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、 (a)有機ポリイソシアネート (b)ポリオール及び/又はポリアミン、鎖長延長剤 (c)内部離型剤 (d)必要に応じて発泡剤、助剤 を用いて反応射出成形によりポリウレタン及び/又はポ
リウレア成形物の製造において、(c)内部離型剤とし
て下記一般式 (1) (R−COO)4 Zr (1) (式中Rは炭素数8〜25を含有するアルキル基を示
す。)で表わされる高級脂肪酸のジルコニウム塩をポリ
オール100重量部に対して0.5〜5.0重量部を用
いることを特徴とする自己離型性の優れたポリウレタン
及び/又はポリウレア成形物の製造方法である。
【0008】本発明に使用される有機ポリイソシアネー
トとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイ
ソシアネート、脂環式ポリイソシアネートなどがある。
例えばジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリ
レンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ
る。又、上記ジイソシアネートの重合体や2官能以上の
ポリオール等と前記のジイソシアネート化合物及びその
重合体との反応で得られるイソシアネート基を有するポ
リイソシアネートであるポリメリックポリイソシアネー
ト、イソシアネートのポリオールアダクト、ウレトジオ
ン、イソシアヌレート、カルボジイミド変性体等も含ま
れる。
【0009】本発明のポリオールは公知のものが使用で
きる。開始剤として水、多価アルコール、多価フェノー
ル、アルカノールアミン、モノあるいはポリアミンなど
を使用し、環状エーテル類を付加重合させたポリエーテ
ルポリオールが好ましい。このポリエーテルポリオール
の官能基数は、2から8が好ましく、さらには2から3
が好ましい。
【0010】開始剤としての多価アルコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリト
ール、メチルグリコキサイド、デキストロール、ソルビ
トール、シュークロースなどが挙げられる。開始剤とし
ての多価フェノールとしては、フェノール−アルデヒド
初期縮合物、ビスフェノールA、ビスフェノールFなど
が挙げられる。
【0011】開始剤としてのアルカノールアミンとして
は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、ジイソプロピルアミン、モノあるい
はポリアミンとしては、アニリン、ジアミノジフェニル
メタン、トリレンジアミン、エチレンジアミンなどが挙
げられる。環状エーテル類としては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピ
クロルヒドリンおよびこれらのハロゲン置換化合物など
が挙げられる。本発明のポリアミンは公知のものが使用
できる。上記ポリエーテルポリオールをアミノ化したも
のがあり、好ましくは官能基数が2以上であり分子量が
200〜5000であるが、これらに限られるものでは
ない。
【0012】本発明で使用される鎖長延長剤としては、
多価アルコール、アルカノールアミン、ポリエーテルポ
リオール、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミンなどの
活性水素化合物がある。好ましい鎖長延長剤としては、
上記の化合物のうち2個以上の活性水素基を有し、分子
量が500以下のものである。例えば多価アルコールと
してはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、N−アルキル置換ジエタノール
アミン、芳香族ポリアミンとしては1−メチル−3,5
−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−
3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,
3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,
5,3′,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジ
フェニルメタンなどが挙げられる。
【0013】本発明で使用される内部離型剤としては、
一般式(R−COO)4 Zr(式中Rは炭素数8〜25
を含有するアルキル基を示す。)で表わされる高級脂肪
酸のジルコニウム塩である。高級脂肪酸としては例えば
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラギン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸
などが挙げられる。好ましくは炭素数18のステアリン
酸であり、この内部離型剤はポリオールに溶解させて使
用するが、ポリオールに溶解しにくい場合は、可溶化剤
を使用するとよい。可溶化剤としてはリン系化合物とし
て、例えばポリ(ジプロピレングリコール)フェニルフ
ォスファイト(DHOP)、フェニルネオペンチレング
リコールフォスファイト、ヘプタキス(ジプロピレング
リコール)トリフォスファイト、テトラフェニルジプロ
ピレングリコールフォスファイト(THOP)である。
アミン系化合物として、例えばN,N−N′,N′−テ
トラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン
(EDA−p4)が挙げられる。 好ましい可溶化剤は
リン系化合物である。
【0014】本発明に必要に応じて使用することができ
る発泡剤、助剤としては、発泡剤として不活性低沸点溶
剤と反応性発泡剤の2種があり、前者としては、塩化メ
チレン、三塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、
ジクロロジフルオロメタン、アセトン、ヘキサンなどが
挙げられ、更に窒素ガスや空気なども包含される。後者
としては水が挙げられ、アゾ化合物のように室温より高
い温度で分解して気体を発生するものも含まれる。
【0015】また助剤としては、整泡剤、触媒などがあ
り、整泡剤としては、例えばオルガノポリシロキサン、
オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合
体、ポリオキシアルキレン側鎖を有するポリアルケニル
シロキサンなどのシリコーン系界面活性剤、およびカチ
オン系、アニオン系、非イオン系界面活性剤などが挙げ
られる。
【0016】触媒としては、例えばトリエチルアミン、
トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチル
モノエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキ
サンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミンなど
のアミン類、例えばスタナスオクトエート、ジブチル錫
ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫メ
チルカプタイド、ジブチル錫メルカプタイド、テトラブ
チル−1,3−ジアセトキシジスタノキサン、テトラブ
チル−1,3−ジラウロイルオキシジスタノキサンなど
の有機金属化合物、第3級アミン類のカルボン酸塩など
の従来公知のものが使用でき、これらの混合物も挙げら
れる。反応射出成形は、ポリオール成分とイソシアネー
ト成分の少なくとも2成分を調製し、高圧で衝突させ反
応混合物とし、この反応混合物を金型に充填し成形品を
得る方法である。ポリオール成分はポリオール及び/又
はポリアミン、鎖延長剤、内部離型剤、必要に応じて発
砲剤、助剤からなる。
【0017】
【発明の効果】本発明により得られるポリウレタン及び
/又はポリウレア成形品は、反応射出成形機により成形
性に優れ、かつ金型からの良好な離型性を示し、また得
られた成形品の物性、塗装性も良好である。
【実施例】本発明について、実施例および比較例により
更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。実施例および比較例において、
「部」は全て「重量部」を、「%」は全て「重量%」を
意味する。実施例および比較例で使用した試料は以下の
通りである。 ポリオールB:水酸基価29.7のポリオキシプロピレ
ンポリオール。(FA−909;三洋化成工業の商品
名) ポリアミンA:アミン価56の2官能アミン末端ポリオ
キシプロピレン。(D−2000;テキサコ・ケミカル
の商品名) DETDA:3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトル
エンと3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエンが
8:2の混合物。 EDA−p4:N,N−N′,N′−テトラキス(2−
ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン。 DHOP:ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルフ
ォスファイト。 THOP:テトラフェニルジプロピレングリコールジフ
ォスファイト。 触媒A:トリエチレンジアミンとジプロピレングリコー
ルが1:2の混合物。 触媒B:ジブチル錫ジラウレート。
【0018】イソシアネートA:MDIをウレトンイミ
ン変性した、NCO含量29.1%の液状イソシアネー
トを水酸基価33のポリオキシプロピレンポリオール
(商品名FA−703;三洋化成工業製)で変性したN
CO含量22.7%の液状イソシアネート。 イソシアネートB:MDIをウレトンイミン変性した、
NCO含量29.1%の液状イソシアネートをポリオー
ルAで変性したNCO含量16.1%の液状イソシアネ
ート。
【0019】(ポリオール混合液の調製)それぞれのポ
リオール混合液の調製は以下に示す方法で行い、その組
成を表1に示す。 ポリオール混合液Aの調製 四つ口フラスコにポリオールB 100部とDETDA
25部及びステアリン酸ジルコニウム 2部を仕込み
100℃で10分攪拌混合して、ステアリン酸ジルコニ
ウムを原料ポリオールに溶解させた後、触媒A 0.3
部と触媒B 0.15部を加えて混合しポリオール混合
液Aを調製した。 ポリオール混合液B〜Fの調製 表1に示す組織でポリオール混合液Aと同様の方法で調
製した。
【0020】ポリオール混合液G〜Iの調製 表1に示す組成で内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を
用い、ポリオール混合液Aの調製と同様に100℃で1
0分攪拌混合した後、表1の触媒を加えた。但しポリオ
ール混合液Iはステアリン酸亜鉛と同量の可溶化剤 E
DA−p4を用いた。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1 イソシアネートAをA液として、ポリオール混合液Aを
B液として反応射出成形機(ポリウレタンエンジニアリ
ング製PU−50 RIM)を用いて図1に示す成形品
(W250×D180×t3mm)を、NCOインデッ
クス 105で行った。結果を表2に示す。
【0023】実施例2 B液としてポリオール混合液Bを用いた以外は実施例1
と同じ方法で成形を行った。結果を表2に示す。
【0024】実施例3〜6 表2に示すA液、B液を用い実施例1と同様の方法で成
形品を得た。結果を表2に示す。
【0025】比較例1〜3 表2に示すA液、B液を用い実施例1と同様の方法で成
形品を得た。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例1〜6により得られた成形品は、い
ずれも優れた金型からの離型性を示し、物性および塗装
性も良好であった。
【0028】実施例および比較例で示した樹脂の評価
は、以下の通りに行なった。 連続脱型回数:外部離型剤としてD−186(中京油脂
製)を初回のみ金型の表面に塗布し、成形品が破れるこ
となく脱型できる回数。 曲げ弾性率: JIS K−6911による。 伸び: JIS K−6301による。 ヒート・サグ: 10.16cm(4インチ)オーバーハング、
120℃×1hrによる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製品の外観図である。
【図2】製品の側面図である。
【図3】製品の断面図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月30日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 75/04 NFZ 8620−4J // B29K 75:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)有機ポリイソシアネート (b)ポリオール及び/又はポリアミン、鎖長延長剤 (c)内部離型剤 (d)必要に応じて発泡剤、助剤 を用いて反応射出成形によりポリウレタン及び/又はポ
    リウレア成形物の製造において、(c)内部離型剤とし
    て下記一般式 (1) (R−COO)4 Zr (1) (式中Rは炭素数8〜25を含有するアルキル基を示
    す。)で表わされる高級脂肪酸のジルコニウム塩をポリ
    オール100重量部に対して0.5〜5.0重量部を用
    いることを特徴とする自己離型性の優れたポリウレタン
    及び/又はポリウレア成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記一般式(1)に示した高級脂肪酸のジ
    ルコニウム塩がステアリン酸ジルコニウムであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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