JPH0691194A - 中空シリカ粉末の分級法と低誘電率多層基板の製造方法 - Google Patents

中空シリカ粉末の分級法と低誘電率多層基板の製造方法

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JPH0691194A
JPH0691194A JP24106692A JP24106692A JPH0691194A JP H0691194 A JPH0691194 A JP H0691194A JP 24106692 A JP24106692 A JP 24106692A JP 24106692 A JP24106692 A JP 24106692A JP H0691194 A JPH0691194 A JP H0691194A
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JP
Japan
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hollow silica
powder
silica powder
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particles
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JP24106692A
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Shigenori Aoki
重憲 青木
Hiroshi Kamezaki
洋 亀▲崎▼
Kishio Yokouchi
貴志男 横内
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低誘電率多層基板に関し、表面粗度の低減を
目的とする。 【構成】 中空シリカ粉末に応力を加えて粒径の大きな
粉末を選択的に破壊した後、この粉末を溶液中に分散さ
せ、浮上した粉末のみを回収することを特徴として中空
シリカ粉末の分級法を構成し、この方法により分級した
中空シリカ粉末と硼珪酸ガラス粉末との混合物を主成分
とし、この混合物に可塑剤,バインダおよび溶剤を加
え、混練した後に成形してグリーンシートを作り、この
グリーンシートを位置合わせして積層し、一体化した後
に焼成することを特徴として低誘電率多層基板の製造方
法を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空シリカ粉末の分級法
と低誘電率多層基板の製造方法に関する。大量の情報を
迅速に処理する必要から信号の周波数は益々向上して光
通信も行われている。
【0002】こゝで、このような高速な信号を処理する
電子回路が形成される多層回路基板は、電気信号の遅延
時間τができるだけ少なく、また配線間の漏話が少ない
ことが必要であり、これを達成するためには、次の
(1)式に示すように基板の誘電率εが小さいことが必
要である。
【0003】 τ∝ε1/2 /c …(1) 但し、εは基板の誘電率 cは光の速度
【0004】
【従来の技術】発明者等はこのような問題を解決する手
段として基板材料としてガラスセラミックスを用いるこ
とを提案している。
【0005】すなわち、アルミナ( Al2O3,ε≒10) を
主成分とするグリーンシートは1300℃以上の焼成温度を
必要とするのに対し、アルミナ粉と硼珪酸ガラス粉との
混合物を主成分とするガラスセラミック・グリーンシー
トは焼成温度を1000℃以下に低下することができ、その
ため配線パターンの形成材料として抵抗率の小さいCu(
融点1084℃) を使用することができる。
【0006】然し、このようなガラスセラミックス基板
の誘電率は4〜6であり、信号の遅延時間を短縮する目
的には不充分である。そこで、発明者等はセラミック基
板の低誘電率化を実現する方法としてアルミナなどのセ
ラミックスの代わりに中空シリカ( 石英)粉末を使用す
ることを提案している。
【0007】すなわち、シリカ( SiO2) は誘電率εが3.
8 と無機誘電体のうちでは最も低いが、中空とすること
により空気との複合誘電体を形成することができ、次の
(2)式に示すように誘電率を更に低下することができ
る。
【0008】 ε0 =( ε1 ・ε2)/(ε1 v2+ε2v1) …(2) 但し、 ε0 は複合誘電率、 v1 は全容積に対しε1 なる誘電体(石英) の占める割
合、 v2 は全容積に対しε2 なる誘電体(空気)の占める割
合、 なお、中空シリカ粉末はメトキシシリケート〔Si(OCH3)
4]やエトキシシリケート[Si(OC2H5)4]などの有機硅素化
合物と発泡材とを混合霧化した後に加熱分解する際、発
泡剤が気泡となるのを利用して作ることができ、粒径が
100 μm 以上と大きなものは現在、コンクリートの増量
材や樹脂成形体の軽量材として使用されている。
【0009】発明者等はガラスセラミックスを構成する
セラミックスの代わりに中空シリカ粉末を用いることに
より低誘電率化したガラス基板の使用を提案している。
すなわち、中空シリカ粉末と硼珪酸ガラス粉末との混合
物に可塑剤,バインタおよび溶剤を加え、混練した後に
成形してグリーンシートを作り、このグリーンシートに
バイアホールを形成する孔開けを行った後、導体ペース
ト例えば銅(Cu) ペーストをスクリーン印刷して導体パ
ターンを形成し、次に、このグリーンシートを位置合わ
せして積層し、一体化した後に焼成することにより多層
回路基板を形成するものである。
【0010】このようにして形成した多層回路基板は基
板上に半導体チップを装着するために、バイアホールと
接続する導体線路やボンディング・パッドなどを形成す
る必要がある。
【0011】こゝで、ボンディング・パッドの形成は真
空蒸着法などにより金(Au)などの薄膜を形成した後、写
真蝕刻技術( フォトリソグラフィ) を用いて行われてい
るが、微細な導体線路やボンディング・パッドを精度よ
く形成するには予め多層セラミック回路基板の表面を研
磨して平坦化しておくことが必要である。
【0012】然し、構成原料として中空シリカ粉末を含
むグリーンシートを用いて形成した多層基板の表面粗度
は中空シリカ粉末を含まないで形成した多層基板の表面
粗度に較べて非常に大きく、そのまゝでは微細パターン
を精度よく形成することができない。
【0013】こゝで、入手可能な粒径が小さな中空シリ
カ粉末の平均粒径は数10μm であり、この厚さは導体線
路の厚さと同等か或いはこれよりも大きい。そこで、分
級して粒径の大きな中空シリカ粉末を除くことが必要で
ある。
【0014】なお、平均粒径が数μm の微細粉末を大量
に回収する方法として風力分級が知られているが、中空
シリカ粉末は比重が小さいために平均粒径約10μm , 最
大粒径50μm までの分級が限界である。
【0015】そこで、より微細な中空シリカ粉末を得る
方法を実用化する必要があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】中空シリカ粉末と硼珪
酸ガラス粉末との混合物を主成分としてグリーンシート
を作り、このグリーンシートを積層し、一体化した後に
焼成して得る多層基板は、低誘電率化は達せられるもの
ゝ、粒径の大きな中空シリカを含むために表面粗度が大
きく、そのまゝでは微細パターンを精度よく形成するこ
とは困難である。
【0017】そこで、中空シリカ粉末を分級し、粒径の
大きな中空シリカ粉末を除くことが課題である。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題は中空シリカ
粉末に応力を加えて粒径の大きな粉末を選択的に破壊し
た後、この粉末を溶液中に分散させ、浮上した粉末のみ
を回収することを特徴として中空シリカ粉末の分級法を
構成する。
【0019】そして、この方法により分級した中空シリ
カ粉末と硼珪酸ガラス粉末との混合物を主成分とし、こ
の混合物に可塑剤,バインダおよび溶剤を加え、混練し
た後に成形してグリーンシートを作り、このグリーンシ
ートを位置合わせして積層し、一体化した後に焼成する
ことを特徴として低誘電率多層基板の製造方法を構成す
ることにより達成することができる。
【0020】
【作用】先に記したように中空シリカ粉末はメトキシシ
リケート〔Si(OCH3)4]やエトキシシリケート[Si(OC2H5)
4]などの有機硅素化合物と発泡材を混合霧化した後に加
熱分解する際、発泡剤が気泡となるのを利用して作られ
ているが、発明者等は粒径の大きな中空シリカ粉末は発
泡の割合が高いものが多く、このことは粒径が小さな中
空シリカ粉末に較べて肉厚が薄いことに着目した。
【0021】そこで、何らかの応力を加えると肉厚の薄
いものから壊れると想定した。一方、中空シリカ粉末の
みを選別回収する方法として中空シリカ粉末は比重が1
以下であり、中空でないものは比重が1以上であるのを
利用し、水に浮くか沈むかにより分別する方法が公知で
ある。(特願平3-190055)そこで、本発明は応力を加え
て肉厚の薄い中空シリカ粉末を破壊することにより粒径
の大きな中空シリカ粉末を除くものである。
【0022】こゝで、応力を加える方法としては、粉体
を加圧して壊す方法と、粉体を含む溶液を高速攪拌して
粉体を衝突させて壊す方法とがある。本発明はこのよう
にして粒径の大きな中空シリカ粉末を破壊した後、水中
に分散させて浮いたものを回収する方法をとることによ
り粒径の小さな中空シリカ粉末を得るもので、この粉末
を使用することによ表面粗度の少ない低誘電率基板を作
るものである。
【0023】
【実施例】
実施例1:(加圧による破壊分級) 平均粒径が20μm で比重が約0.5 の中空シリカ粉末を10
0 g秤量し、これを直径が30 mm の金型の中に入れ、一
軸プレスを用い5〜40MPaの4種類の圧力で加圧した。
【0024】そして、加圧後のそれぞれの粉末を純水中
に分散させ、浮上したのもののみを回収し、150 ℃の恒
温層中で1時間乾燥させた後、粒度分布を測定した。図
1はかゝる中空シリカ粉末の粒度分布曲線であって、無
処理のものに較べて加圧圧力が増すに従って粉末の分布
の中心が微細粒径のほうにシフトしていることが判る。 実施例2:(攪拌による破壊分級) 平均粒径が20μm で比重が約0.5 の中空シリカ粉末を10
0 g秤量し、これをエチールアルコール1リットル中に
分散させ、ホモジナイザー(特殊機化工業製)を用い、
回転速度を三種類変えて高速攪拌した。
【0025】次に、この粉末を純水中に分散させ、浮上
したのもの回収し150 ℃の恒温層中で1時間乾燥させた
後、粒度分布を測定した。図2はかゝる中空シリカ粉末
の粒度分布曲線であって、無処理のものに較べて攪拌速
度が増すに従って粉末の分布の中心が微細粒径のほうに
シフトしているのが判る。 実施例3:(多層基板の形成) 次の組成の原料を用いてガラスセラミックスを形成し
た。
【0026】 中空シリカ粉末(圧力20MPaで破壊分級したもの)… 20g 硼珪酸ガラス (平均粒径5μm ,比重2.5) … 200g ポリビニルブチラール樹脂(バインダ) … 10 g ジブチルフタレート(可塑剤) … 10 g エチルアルコール (溶剤) … 200 g を加え、混合攪拌装置(品名5DMV,三英製作所製)
を用いて混練した後、ドクターブレード法により厚さが
200 ±50μm のグリーンシートを形成した。
【0027】このグリーンシートを100mm 角の大きさに
打ち抜いた後、10枚積層し、50℃で10MPaの圧力を加え
て一体化した後、窒素(N2)気流中で1000℃で焼成を行っ
た。また、破壊分級を行なわない中空シリカ粉末を用い
た以外は上記組成と全く同様にして比較試料を作成し
た。
【0028】この両者について表面粗度を粗さ計(三豊
社製)を用いて測定したところ、破壊分級を行なった基
板の平均粗さが0.5 μm であるのに対し、従来基板の平
均粗さが0.8 μm と大きかった。
【0029】
【発明の効果】ガラス基板は構成材として中空ガラス粉
を使用することにより誘電率を下げることができるもの
ゝ表面粗度が大きいと云う問題があったが、本発明の実
施により、表面粗度を少なくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧破壊処理を行なったものゝ粒度分布曲線で
ある。
【図2】攪拌破壊処理を行なったものゝ粒度分布曲線で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空シリカ粉末に応力を加えて粒径の大
    きな粉末を選択的に破壊した後、該粉末を溶液中に分散
    させ、浮上した粉末のみを回収することを特徴とする中
    空シリカ粉末の分級法。
  2. 【請求項2】 前記応力の付与が中空シリカ粉末を型に
    充填し、外部よりの加圧により行なうことを特徴とする
    請求項1記載の中空シリカ粉末の分級法。
  3. 【請求項3】 前記応力の付与が中空シリカ粉末を溶液
    中に分散させ、該溶液の高速攪拌により行なうことを特
    徴とする請求項1記載の中空シリカ粉末の分級法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法により分級した中空
    シリカ粉末と硼珪酸ガラス粉末との混合物を主成分と
    し、該混合物に可塑剤,バインダおよび溶剤を加え、混
    練した後に成形してグリーンシートを作り、該グリーン
    シートを位置合わせして積層し、一体化した後に焼成す
    ることを特徴とする低誘電率多層基板の製造方法。
JP24106692A 1992-09-10 1992-09-10 中空シリカ粉末の分級法と低誘電率多層基板の製造方法 Withdrawn JPH0691194A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013121703A1 (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 株式会社トクヤマシルテック 新規な特性プロファイルを有するシリカバルーン材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013121703A1 (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 株式会社トクヤマシルテック 新規な特性プロファイルを有するシリカバルーン材料
KR20140125365A (ko) * 2012-02-13 2014-10-28 가부시키가이샤 토쿠야마 실테크 신규한 특성 프로파일을 갖는 실리카 벌룬 재료
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