JPH0690769B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH0690769B2
JPH0690769B2 JP2102936A JP10293690A JPH0690769B2 JP H0690769 B2 JPH0690769 B2 JP H0690769B2 JP 2102936 A JP2102936 A JP 2102936A JP 10293690 A JP10293690 A JP 10293690A JP H0690769 B2 JPH0690769 B2 JP H0690769B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は周波数変調(FM変調)音声信号を回転ヘッドに
て記録する磁気記録再生装置における隣接記録トラック
からのクロストークに基づく雑音を低減すると共にヘッ
ド切替時に発生する雑音など他の雑音も低減する音声信
号の磁気記録再生装置に関するものである。
〔発明の背景〕
従来より、輝度信号を周波数変調(FM変調)し、色度信
号を上記FM変調輝度信号の下側に周波数変換して記録す
る磁気記録再生装置(以下、VTRと言う。)における音
声信号の記録方法の1つとして、FM変調した音声信号と
上記映像信号とを回転ヘッドにて同一磁気テープ上に重
畳記録する方法(以下、音声FM重畳方式という。)が知
られている。ところで、近年の記録密度向上は目覚まし
いものがあり、約十年前のVTRに比べて17倍もの高密度
記録を達成している。そして、このような高密度記録技
術の進歩にともない、カセットの小型化や回転シリンダ
径の小型化などにより、コンパクト化を計ったVTRが開
発され始めている。これら小型VTRでは、小型・軽量化
や磁気テープ走行速度の低速度化等のため、今までの固
定ヘッドを用いる音声信号記録方式では、ワウ・フラッ
タ特性、再生S/Nや再生周波数帯域等の点で十分な性能
を得る事が困難となってきており、上述した音声FM重畳
方式などの新たな音声記録再生方式を採用する必要性が
増している。音声FM重畳方式の特徴としては、 (1)テープ走行速度むらによる時間軸変動の影響を受
けにくいのでワラ・フラッタ特性が良い。
(2)再生周波数帯域がテープ層高速度に依存しておら
ず、広帯域化が可能である。
などがあげられる。
ここで、上述した音声信号を音声FM重畳方式にて記録再
生するVTRの記録周波数スペクトラムについて考えてみ
る。
音声信号搬送波の中心周波数は、輝度信号及び色度信号
に与える影響が最小になるように決めなくてはならな
い。また、小型VTR、特に回転シリンダ径の小さいVTRで
は、テープとヘッドの相対速度が低くなるため記録周波
数帯域が狭く、輝度信号搬送波の中心周波数をあまり高
く設定できない。そこで、音声信号搬送波の中心周波数
は、FM変調輝度信号の下側で、できるだけ低い周波数と
せざるをえない。
第1図および第2図に映像信号とFM音声信号との記録時
の周波数スペクトラムの一例を示す。第1図は、FM変調
輝度信号Y1と周波数変換色度信号C1の間にFM変調音声信
号A1を配した一例、第2図は周波数変換色度信号C1の下
側にFM変調音声信号A2を配した一例である。
一般にVTRでは、トラッキングの余裕度を得るためと、
記録時テープ速度と異なるテープ速度にて再生する、い
わゆる可変速再生を行うために、ビデオトラック幅に対
してヘッド幅を広くした幅広ヘッドを用いる。したがっ
て音声FM重畳方式では上記幅広ヘッド及びトラッキング
ずれ等のため隣接ビデオトラックの信号をも再生する
と、該隣接ビデオトラックのFM音声信号の影響(以下、
隣接妨害という。)により、再生音声信号中に大変耳障
りな雑音が生じてしまうという問題がある。
特に、高記録密度化をはかる場合、ビデオトラック幅が
狭くなるため、トラッキングずれ等による隣接妨害が大
きな問題である。
第3図は磁気テープ21に形成されるビデオトラックT1
T2と、ビデオヘッドHの位置を模式図に示す平面図であ
る。
ここで、上記隣接妨害により生ずる雑音D(t)は、第
3図に示すごとくトラッキングがずれた場合、ビデオヘ
ッドHがトレースしようとしているビデオトラックT1
ら得られる第1のFM音声信号(第3図Aの部分より得ら
れる信号で、以下、希望FM音声信号という。)のレベル
をa、隣接ビデオトラックT2から得られる第2のFM音声
信号(第3図Bの部分より得られる信号で、以下、妨害
FM音声信号という。)のレベルをbとし、希望FM音声信
号と妨害FM音声信号との差周波数をΔωとすると、 と表わされる。ここでtは時間を表わす。すなわち、隣
接妨害雑音D(t)は、希望FM音声信号と妨害FM音声信
号との差周波数Δω(ビート周波数)の正弦波として出
力され、その振幅は妨害FM音声信号と希望FM音声信号と
の振幅比b/aとその差周波数Δωとに比例するものと考
えられる。そこで上述のVTRにおける隣接妨害を軽減す
るため、幾つかの方法が考えられており、その1つの方
法としてビデオトラックとその隣接ビデオトラックとの
間に無記録部分(ガードバンド)を形成する方法があ
る。しかしながら、ガードバンドを形成する方法では、
磁気テープの利用効率が極めて低く、高密度記録を計る
ことは不可能である。他の方法として、1本のビデオト
ラックを描く1走査毎にヘッドギャップの傾き(アジマ
ス角度ψ)の異なる回転ヘッドにより映像信号を記録
し、アジマス損失を利用してガードバンド及び隣接妨害
雑音をなくす方法(アジマス記録方式)がある。ここ
で、アジマス損失Laは、テープ上のビデオトラック幅
W、アジマス角度ψ、記録波長λとすると、 と表わせる。ここで、πは円周率を表わす。したがっ
て、このアジマス記録方式では、記録波長が短くなるほ
ど、また一般的にビデオヘッドが隣接トラックをトレー
スする幅が狭いほど、そしてアジマス角度ψを大きくす
るほど、アジマス損失Laが大きくなり隣接妨害を軽減で
きる。ここで、第4図にアジマス記録方式により隣接妨
害が軽減されることを示すアジマス角度、周波数対アジ
マス損失の特性の一特性例を示す。これはトラック幅TW
が58μm,相対速度vが5.8m/Sの場合で、記録信号の周波
数が629KHzと3.4MHzの特性例である。ところで、音声FM
重畳方式における音声搬送波の中心周波数は、上述した
ごとくあまり高い周波数に設定できず、かつ、高記録密
度化を計るためにはビデオヘッドがトレースしてしまう
隣接ビデオトラックの幅をあまり狭く出来ないので、実
用上問題のないレベルまで隣接妨害を減じるには、上述
したごとくアジマス角度ψを大きくするしかなく、上記
数値例のVTRにおいて、FM音声搬送周波数を1.3MHzとし
た場合、アジマス角は20度以上必要である。しかしなが
ら、アジマス角度ψをあまり大きくすると、磁気テープ
とヘッド間の相対的な出力がcosψ倍となって、再生能
力が減少してしまうこと、歩留り等のビデオヘッド製造
上の問題、及びトラッキングずれによりヘッド切換時点
等の再生信号の時間軸不連続、いわゆるスキューが生じ
てしまう。
ここで、スキュー量tは、トラッキングずれ量x,アジマ
ス角ψ,ヘッド・テープ間相対速度Vhとすると と表わせ、アジマス角によって大きく変化する。また、
特に、テープ速度を高速にして再生する、いわゆるサー
チ再生時は、画面上に数多くのスキューが発生し、画質
劣化が大きく問題となる。ゆえに、アジマス記録方式で
音声FM重畳方式における隣接妨害を減じるには限度があ
り、実用上十分なレベルであるとは言えない。
また、もう1つの他の方法としては、ビデオトラック幅
と同じヘッド幅をもつ再生ヘッドにて再生する方法があ
る。この方法の問題点は高密度記録化によりビデオトラ
ック幅が小さくなるにつれて実用上十分なレベルまで隣
接妨害を低減するためにはトラッキング精度を非常に高
めなくてはならない点と記録時の磁気テープ走行速度と
異なる走行速度にて再生する、いわゆる可変速再生が困
難なことである。
上記2つの問題点を解決する手段としては、ビデオトラ
ック上をビデオヘッドが自動的に正確にトレースするオ
ートトラッキング方法を導入することが考えられる。こ
のオートトラッキング方法では、ビデオトラック上のど
こをトレースしているかを検出する検出ヘッドや、トラ
ッキングずれを起した場合にビデオヘッド位置を修正す
るための電気−機械変換素子、例えば、バイモルフ等が
必要となり、機械及び回路が極めて複雑になるだけでな
く、信頼性も低下するなど大きな問題がある。
以上説明した三方法は、妨害FM音声信号と希望FM音声信
号との振幅比を小さくして、隣接妨害雑音D(t)を減
少させようとしたが、他の方法として、音声信号をFM変
調するときの周波数偏移量を増加することによって、再
生音声信号レベルを大きくし、隣接妨害雑音を抑圧する
方法が考えられる。この方法は、周波数偏移量を増加さ
せても、第(1)式に示すように隣接妨害雑音は希望波
と妨害波との差周波数に比例するが、一方、差周波数の
成分を持っているため可聴周波数帯域外に出してしま
い、可聴帯域内の成分はほとんど増加しないという事を
利用している。すなわち、音声信号の周波数偏移量を2
倍に増やせば再生音声出力信号レベルは2倍となるが、
可聴帯域内の隣接妨害雑音はほぼ一定であるため、隣接
妨害は実質上6dB減ったことになるのである。
しかしながら、上述のごとく音声信号の周波数偏移量を
増加させるためには、周波数偏移量増加分だけ、音声信
号記録に必要な周波数帯域を広げなくてはならず、第1,
2図に示したFM変調輝度信号Y1あるいは周波数変換色信
号C1の占有帯域を減少させるか、または、輝度信号搬送
波の中心周波数より高い周波数に設定しなければならな
い。
上記FM変調輝度信号あるいは周波数変換色度信号の占有
帯域を減少させることは、画像の鮮鋭度の劣化や過渡特
性劣化に色のにじみなどの画質劣化を招くことになる。
また、輝度信号搬送波の中心周波数の引き上げは、記録
波長の短波長化を招き、それを避けるためには回転シリ
ンダ径を増大させねばならなず、小型化する上での大き
な問題点となってしまう可能性がある。
さらに、音声信号占有帯域が広くなると、FM変調輝度信
号及び周波数変換色度信号の側帯波など映像信号からの
妨害を受けやすくなり、いわゆるバズ音の発生による音
質劣化も生じやすい。
以上、述べたように各種方法にはそれぞれ欠点があり、
単独の方法では上記音質FM重畳方式において実用上十分
なレベルまで隣接妨害を軽減し、なおかつ、高記録密度
と可変速再生などの多機能化及び機構上、回路上の小型
化を計ることが困難である。
そこで、上述の各種方式の欠点を補う方法として、FM変
調音声信号と映像信号とを重畳してアジマス記録するこ
との効果と、音声信号の周波数偏移量を実効的に増加さ
せ、上述の差周波数をほぼ可聴帯域外となす手段とし
て、記録時に音声信号の振幅に応じて振幅や振幅周波数
特性などを変化させ、再生時には変化させた特性を元に
戻すことによって雑音を抑制する雑音除去回路を付加す
ることの効果との相乗効果により、隣接妨害雑音を実用
上十分なレベルまで低減し、かつ、高密度記録と可変速
再生などの多機能化及び機構系,回路系の小型化とを同
時に実現できる方法が考えられる。この方法は、アジマ
ス記録方式によるアジマス損失での隣接妨害の低減効果
と、音声信号の周波数偏移量を増加させると1つは差周
波数が可聴帯域外に出してしまい、可聴帯域内の成分は
ほとんど増加しない性質と隣接妨害雑音の成分が高域に
移動し、聴感上の不快感が減少することとを利用して隣
接妨害雑音を抑圧する効果との相乗効果により隣接妨害
雑音を低減しており、かつ、アジマス記録方式を採用し
ているので、高密度記録は無論可能である。
さらに、この方法には以下のような特徴をも備えてい
る。
1つに隣接妨害低減分だけビデオトラック幅をさらに狭
く出来るため高密度記録が行えること、2つに隣接妨害
雑音以外のノイズも低減できること、3つに実際の音声
信号の周波数偏移量が小さくても良いために記録に必要
な周波数帯域が少なくてよいこと、4つに上記FM変調音
声信号の記録時使用周波数帯域が小さくてよいことから
周波数偏移量をただ増大させる方法に比べて、輝度信号
の記録波長を長くできるため、回転シリンダ径を小さく
出来、小型化が計れること、5つにバイモルフ素子(電
気機械変換素子)などを用いたオート・トラッキングな
どの複雑な機構・回路を用いなくても可変速再生が行え
ることなど数多くの利点が生ずる。しかしながら、音声
FM重畳方式の記録再生系は、FM変調特有のノイズレベル
がノイズ周波数に比例する、いわゆる三角ノイズをノイ
ズレベル一定の白色雑音とするためにプリエンフアシス
回路及びデイエンフアシス回路を備えている。そのた
め、単に音声信号入力端に上記周波数偏移量を実効的に
増加させる手段を付加したのでは、該周波数偏移量を実
効的に増加させる手段で音声信号の振幅や振幅周波数特
性を変化させたのち、さらにプリエンフアシス回路の作
用で高周波部分を強調するため、FM変調器への入力が大
きくなりすぎて過変調を生じ易くなり、その結果、過変
調による音質劣化を生じてしまう欠点がある。これを防
止するには、入力音声信号のレベルを絞ることが考えら
れるが、これでは、平均的な周波数偏移量が下がってし
まい、上記隣接妨害雑音を低減する効果が薄れてしまう
ことになり問題である。
また、ヘッド切替時に生じる雑音など他の雑音の低減も
必要である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、周波数変調(FM変調)音声信号を記録
軌跡よりも幅の広い回転ヘッドにて隣接記録再生する方
法において、音声FM信号の隣接妨害に基づく雑音を低減
し、かつヘッド切替時に発生する雑音を低減することが
できる磁気記録再生装置を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、記録時に音声信号をプリエンフアシスし、プ
リエンフアシスされた音声信号の周波数偏移量を実効的
に増加させさらに音声信号の振幅に応じて音声信号の振
幅や振幅周波数特性を変化させたのちFM変調して記録
し、再生時にはFM変調後変化させた特性を元に戻したの
ちデイエンフアシスすることによって、過変調による音
質劣化が生じにくくするものである。
上述のごとく、音声FM重畳方式における隣接妨害雑音の
低減方法として、記録時に音声信号の振幅に応じて振幅
や振幅周波数特性を変化させて、実効的な周波数偏移量
を増加させてFM変調記録し、再生時はFM復調後変化させ
た特性を元に戻すことにより雑音を抑圧する方法と、ア
ジマス記録方式とを併用する方法は大変有効であるが、
単に音声FM重畳方式の入力端子に付加するプリエンフア
シス特性との関係で過変調を生じ易くなってしまう。そ
こで、本発明では、記録時にまず音声信号をプリエンフ
アシスし、その後、該音声信号の振幅や振幅周波数特性
を変化させ、実効的に周波数偏移量を増加させてFM変調
したのち映像信号に重畳してアジマス記録を行い、再生
時はFM復調したのち、上記変化させた特性を元に戻した
のち、デイエンフアシスする方法を用いて、過変調を生
じにくくするものである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例によって説明する。
第5図は本発明の磁気記録再生装置によって音声信号を
記録する回転ヘッド形VTRの音声信号記録回路の一実施
例を示す回路構成図である。また第6図は、本発明の記
録方法によって記録された磁気テープを再生するVTRの
音声信号再生回路の一実施例を示す回路構成図である。
第5図において、入力端子1から入力された音声信号は
プリエンスフアシス回路2を通ったのち、 にて第7図に示す圧縮−伸張特性に従い、圧縮−伸張の
クロス点よりも大きな振幅部分は小さいレベルに、小さ
い振幅部分はノイズレベルよりも大きくなるようにレベ
ルが変化される。ここで、1/2圧縮回路3はプリエンフ
アシスされた音声信号を入力とする検出回路4の出力信
号で利得が制御され、プリエンフアシスされた音声信号
のダイナミックレンジを1/2に圧縮する。1/2圧縮回路3
の出力信号は、FM変調器5でFM変調される。FM変調器5
の出力は低域通過フィルタ(LPF)6にて不要帯域成分
を除去されたのち、加算器7で入力端子8より入力され
る映像信号と加算され、磁気ヘッド9にて磁気テープ10
上にアジマス記録される。
上記したように、この記録系では、プリエンフアシスさ
れた音声信号のダイナミックレンジが1/2に圧縮され、1
/2圧縮された信号がFM変調器に入力されるため、単に上
述の周波数偏移量を実効的に増加させる手段を入力端に
付加する方法に比べて、過変調を生じにくくなり、か
つ、平均的周波数偏移量も大きく記録できる。
次に第6図の音声信号再生回路において、磁気テープ10
より磁気ヘッド9にて再生された信号は、帯域通過フィ
ルタ(BPF)11に入力される。BPF11は、再生信号よりFM
音声信号を抽出する。ここで、抽出されたFM音声信号中
の希望FM音声信号と妨害FM音声信号とのレベル比は、た
とえば、アジマス角±17度,音声搬送波周波数1.3MHz,
トラック幅18.5μm,ビデオヘッド幅25μmとすると約22
dBである。また、磁気ヘッド9にて再生された信号は、
出力端子19より映像信号再生回路(図示せず)へも出力
される。抽出されたFM音声信号は、FM復調器12にて音声
信号に復調される。復調された音声信号はLPF13にてFM
搬送波のもれ等を除去されたのち、ホールド回路14で、
ヘッド切替に伴う雑音を前値保持にて処理される。ここ
で、ホールド回路14は入力端子20より入力されるヘッド
切替信号に同期した制御信号にて、一定期間、前値保持
動作を行う。
ホールド回路14の出力信号は、ダイナミックレンジ1/2
に圧縮されたままなので、2倍伸張回路15にて元のダイ
ナミックレンジに伸張する。ここで、2倍伸彫回路15
は、ホールド回路14の出力信号を入力とする検出回路16
の出力信号で利得制御され、復調された音声信号のダイ
ナミックレンジを2倍に伸張する。伸張された信号は、
ディエンフアシス回路17を通って、出力端子18より出力
される。2倍伸長回路15で伸長された再生音声信号は、
ノイズレベルも同じ伸張動作を受け、小さい雑音レベル
となるので、隣接妨害雑音の抑えられた音声信号として
出力される。
すなわち、例えば、FM変調5は音声入力信号が0dBのと
き±100KHzの周波数偏移が生じるように動作し、プリエ
ンフアシスされた音声入力信号が−20dBであったとする
と、この−20dBの音声入力信号が圧縮回路3により圧縮
されずにそのままFM変調器5によりFM変調されると の周波数偏移が生ずる。このFM変調信号が隣接するビデ
オトラックT1,T2として記録され、ビデオヘッドHによ
り同時に再生されると、ビデオトラックT1,T2から読出
された2つの再生信号の瞬時周波数の差周波数は0から
20KHzの範囲となり、すべての隣接妨害雑音が20KHz以下
の可聴周波数帯域内となる。しかし、−20dBの音声入力
信号が1/2圧縮回路3により−10dBの信号に圧縮されてF
M変調されるとその周波数偏移は±31.5KHzの周波数偏移
となり、隣接妨害雑音の周波数(2つの再生信号の瞬時
周波数の差周波数)は0から63KHzの範囲に分布するこ
とになり、大半の隣接妨害雑音を20KHz以上の可聴周波
数帯域外の周波数にすることができる。換言すれば、0
から20KHzに分布する隣接妨害雑音が0から63KHzの範囲
に分布する隣接妨害雑音に周波数的に拡散されるので、
可聴周波数帯域内の雑音エネルギが減少して隣接妨害雑
音はほとんど感知されなくなる。仮りに個の場合差周波
数が正弦波状に変化したとすると全期間の約80%が可聴
周波数以上となる。これを一般的に表すと、入力信号が
0dBのときの周波数偏移が±θKHzであるFM変調器5に対
して、周波数偏移がすべて±10KHz以内(差周波数が20K
Hz以下)となる上限の入力レベルは であるのに対し、この上限の入力レベルが1/2圧縮回路
3により に圧縮されてFM変調器5に入力されるとその周波数偏移
以内(即ち差周波数では 以下)となる。したがって、圧縮されないときは差周波
数すべてが可聴周波数帯域内となる のような入力信号レベルでも圧縮されてFM変調器5に入
力されると、隣接するビデオトラックT1,T2から同時に
再生された2つの信号の瞬時周波数の差周波数が可聴周
波数20KHz以上となるような周波数偏移がFM変調信号に
生じることになり、隣接妨害が軽減される。
ここで、上記VTRにてFM音声信号を再生した場合の隣接
妨害雑音の雑音周波数スペクトラムの一特性例を、1/2
圧縮回路3及び2倍伸張回路15よりなる雑音除去回路を
用いた場合と用いない場合とに分けて第8図に示す。第
8図において、Iは雑音除去回路がない場合、IIは雑音
除去回路を用いた場合をそれぞれ示す。第8図より明ら
かなように、雑音除去回路を用いた場合は、隣接妨害雑
音を約20dB程度改善できることがわかる。
本発明は、過変調による音質劣化が生じにくく、かつ、
実用上十分なレベルまで隣接妨害を低減でき、その上、
前述した数多くの利点も合わせて生ずる。なお、本実施
例で説明した雑音除去回路は、振幅周波数特性を変化さ
せるものではなく、単にダイナミックレンジを圧縮伸張
するものであるが、その他の方法、例えば振幅周波数特
性をも変化させて雑音除去の動作をするものなどでも良
い。また、記録時に音声信号の特定の帯域の信号レベル
に応じて振幅、振幅周波数特性を変化させて雑音除去の
動作を行うものでも、本発明に使用することができる。
さらに、雑音除去回路として記録時に音声信号の振幅お
よび振幅周波数特性の両方を変化させる場合は、振幅周
波数特性をまず変化させ、その後振幅を変化させるの
が、過変調を防止する上で最良である。再生時は変化さ
せた特性を元に戻せばよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明を用いれば、以下に示すよ
うに、 1.簡単な回路構成にて、過変調による音質劣化が生じに
くく、かつ実用上十分なレベルまで隣接妨害に基づく雑
音を低減できる。
.ビデオトラック幅をさらに狭くすることができるため
高密度記録が行える。
3.隣接妨害雑音以外のヘッド切替雑音も効果的に低減で
きる。
4.見かけ上の音声信号の周波数偏移量を増加させる方法
であるので、記録に必要な周波数帯域幅が小さくてよ
い。
5.必要な周波数帯域幅が小さくてよいことから、回転シ
リンダ径を小さくできる。
6.複雑な機構,回路を用いなくとも良好な音質の可変速
再生が行える。
など数多くの特徴を有し、VTRの小形化に対してその効
果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、音声FM多重方式における信号周波
数スペクトルの例を示す周波数スペクトル図、第3図は
隣接妨害の説明のための磁気テープの平面図、第4図は
アジマス角度、記録波長対アジマス損失の特性を示す特
性図、第5図及び第6図は本発明を用いて音声信号記録
再生回路の一実施例を示す回路構成図、第7図は1/2圧
縮回路及び2倍伸張回路の入出力特性図、第8図は隣接
妨害雑音減少の効果を示す隣接妨害雑音振幅の周波数特
性図である。 1…プリエンフアシス回路、 3…1/2圧縮回路、4,16…検出回路、 15…2倍伸張回路、 17…デイエンフアシス回路。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声信号を圧縮する圧縮回路と、 圧縮された音声信号を周波数変調する周波数変調回路
    と、 周波数変調回路から出力された周波数変調音声信号と映
    像信号成分とを混合する混合手段と、 混合手段の出力を磁気テープ上にその長手方向に対して
    所定の角度傾斜した記録軌跡として記録軌跡幅よりも幅
    の広い回転ヘッドにて順次隣接記録する手段と、 上記幅の広い回転ヘッドにて磁気テープより信号を再生
    する手段と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により雑音除去する雑音除去回路と、 雑音除去回路の出力信号を伸長する伸長回路とからな
    り、 上記圧縮回路の圧縮率及び上記伸長回路の伸長率は2で
    あることを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】音声信号を圧縮する圧縮回路と、 圧縮された音声信号を周波数変調する周波数変調回路
    と、 周波数変調回路から出力された周波数変調音声信号と映
    像信号成分とを混合する混合手段と、 混合手段の出力を磁気テープ上にその長手方向に対して
    所定の角度傾斜した記録軌跡として記録軌跡幅よりも幅
    の広い回転ヘッドにて順次隣接記録する手段と、 上記幅の広い回転ヘッドにて磁気テープより信号を再生
    する手段と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により前値保持するホールド回路と、 ホールド回路の出力信号を伸長する伸長回路とからな
    り、 上記圧縮回路の圧縮率及び上記伸長回路の伸長率は2で
    あることを特徴とする磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】音声信号をプリエンファシスすると共に圧
    縮する記録音声信号処理回路と、 記録音声信号処理回路の出力信号を周波数変調する周波
    数変調回路と、 周波数変調回路から出力された周波数変調音声信号と映
    像信号成分とを混合する混合手段と、 混合手段の出力を磁気テープ上にその長手方向に対して
    所定の角度傾斜した記録軌跡として記録軌跡幅よりも幅
    の広い回転ヘッドにて順次隣接記録する手段と、 上記幅の広い回転ヘッドにて磁気テープより信号を再生
    する手段と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により雑音除去する雑音除去回路と、 雑音除去回路の出力信号を伸長するとともにデイエンフ
    ァシスする再生音声信号処理回路とからなり、 上記記録音声信号処理回路による圧縮作用の圧縮率及び
    上記再生音声信号処理回路による伸長作用の伸長率は2
    であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】音声信号をプリエンフアシスすると共に圧
    縮する記録音声信号処理回路と、 記録音声信号処理回路の出力信号を周波数変調する周波
    数変調回路と、 周波数変調回路から出力された周波数変調音声信号と映
    像信号成分とを混合する混合手段と、 混合手段の出力を磁気テープ上にその長手方向に対して
    所定の角度傾斜した記録軌跡として記録軌跡幅よりも幅
    の広い回転ヘッドにて順次隣接記録する手段と、 上記幅の広い回転ヘッドにて磁気テープより信号を再生
    する手段と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により前値保持するホールド回路と、 ホールド回路の出力信号を伸長するとともにデイエンフ
    アシスする再生音声信号処理回路とからなり、 上記記録音声信号処理回路による圧縮作用の圧縮率及び
    上記再生音声信号処理回路による伸長作用の伸長率は2
    であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】磁気テープ上にその長手方向に対して所定
    の角度傾斜した記録軌跡として順次隣接記録された周波
    数変調音声信号と映像信号成分との混合信号を記録軌跡
    幅よりも幅の広い回転ヘッドで再生する磁気ヘッド装置
    と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により雑音除去する雑音除去回路と、 雑音除去回路の出力信号を伸長する伸長回路とからな
    り、 上記伸長回路の伸長率は2であることを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  6. 【請求項6】磁気テープ上にその長手方向に対して所定
    の角度傾斜した記録軌跡として順次隣接記録された周波
    数変調音声信号と映像信号成分との混合信号を記録軌跡
    幅よりも幅の広い回転ヘッドで再生する磁気ヘッド装置
    と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により前値保持するホールド回路と、 ホールド回路の出力信号を伸長する伸長回路とからな
    り、 上記伸長回路の伸長率は2であることを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  7. 【請求項7】磁気テープ上にその長手方向に対して所定
    の角度傾斜した記録軌跡として順次隣接記録された周波
    数変調音声信号と映像信号成分との混合信号を記録軌跡
    幅よりも幅の広い回転ヘッドで再生する磁気ヘッド装置
    と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により雑音除去する雑音除去回路と、 雑音除去回路の出力信号を伸長するとともにデイエンフ
    アシスする再生音声信号処理回路とからなり、 上記再生音声信号処理回路による伸長作用の伸長率は2
    であることを特徴とする磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】磁気テープ上にその長手方向に対して所定
    の角度傾斜した記録軌跡として順次隣接記録された周波
    数変調音声信号と映像信号成分との混合信号を記録軌跡
    幅よりも幅の広い回転ヘッドで再生する磁気ヘッド装置
    と、 再生された信号から周波数変調音声信号を抽出するフィ
    ルタと、 フィルタ出力の周波数変調音声信号を周波数復調する復
    調回路と、 周波数復調された音声信号をヘッド切替信号に応じた信
    号により前値保持するホールド回路と、 ホールド回路の出力信号を伸長するとともにデイエンフ
    アシスする再生音声信号処理回路とからなり、 上記再生音声信号処理回路による伸長作用の伸長率は2
    であることを特徴とする磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5265616A (en) * 1975-11-26 1977-05-31 Toshiba Corp Signal recording and reproducing unit
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