JP2581482B2 - 磁気テープ - Google Patents

磁気テープ

Info

Publication number
JP2581482B2
JP2581482B2 JP7281299A JP28129995A JP2581482B2 JP 2581482 B2 JP2581482 B2 JP 2581482B2 JP 7281299 A JP7281299 A JP 7281299A JP 28129995 A JP28129995 A JP 28129995A JP 2581482 B2 JP2581482 B2 JP 2581482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
audio signal
signal
recording
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7281299A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08255424A (ja
Inventor
滋行 伊藤
由純 綿谷
孝雄 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7281299A priority Critical patent/JP2581482B2/ja
Publication of JPH08255424A publication Critical patent/JPH08255424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2581482B2 publication Critical patent/JP2581482B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の利用分野】本発明は映像信号と音声信号とが同
一トラック上に重畳されて記録された磁気テープにおい
て、隣接記録トラックからのクロストークに基づく雑音
を低減できるような音声信号が記録された磁気テープに
関するものである。 【0002】 【発明の背景】従来より、輝度信号を周波数変調(FM
変調)し、色度信号を上記FM変調輝度信号の下側に周
波数変換して記録する磁気記録再生装置(以下、VTR
と言う。)における音声信号の記録方法の1つとして、
FM変調した音声信号と上記映像信号とを回転ヘッドに
て同一磁気テープ上に重畳記録する方法(以下、音声F
M重畳方式という。)が知られている。ところで、近年
の記録密度向上は目覚ましいものであり、約十年前のV
TRに比べて17倍もの高密度記録を達成している。そし
て、このような高密度記録技術の進歩にともない、カセ
ットの小型化や回転シリンダ径の小型化などにより、コ
ンパクト化を計ったVTRが開発され始めている。これ
ら小型VTRでは、小型・軽量化や磁気テープ走行速度
の低速度化等のため、今までの固定ヘッドを用いる音声
信号記録方式では、ワウ・フラッタ特性、再生S/Nや
再生周波数帯域等の点で十分な性能を得る事が困難とな
ってきており、上述した音声FM重畳方式などの新たな
音声記録再生方式を採用する必要性が増している。音声
FM重畳方式の特徴としては、 (1)テープ走行速度むらによる時間軸変動の影響を受
けにくいのでワラ・フラッタ特性が良い。 【0003】(2)再生周波数帯域がテープ層高速度に
依存しておらず、広帯域化が可能である。 【0004】などがあげられる。 【0005】ここで、上述した音声信号を音声FM重畳
方式にて記録再生するVTRの記録周波数スペクトラム
について考えてみる。 【0006】音声信号搬送波の中心周波数は、輝度信号
及び色度信号に与える影響が最小になるように決めなく
てはならない。また、小型VTR、特に回転シリンダ径
の小さいVTRでは、テープとヘッドの相対速度が低く
なるため記録周波数帯域が狭く、輝度信号搬送波の中心
周波数をあまり高く設定できない。そこで、音声信号搬
送波の中心周波数は、FM変調輝度信号の下側で、でき
るだけ低い周波数とせざるをえない。 【0007】図1および図2に映像信号とFM音声信号
との記録時の周波数スペクトラムの一例を示す。図1
は、FM変調輝度信号Y1と周波数変換色度信号C1の
間にFM変調音声信号A1を配した一例、図2は周波数
変換色度信号C1の下側にFM変調音声信号A2を配し
た一例である。 【0008】一般にVTRでは、トラッキングの余裕度
を得るためと、記録時テープ速度と異なるテープ速度に
て再生する、いわゆる可変速再生を行うために、ビデオ
トラック幅に対してヘッド幅を広くした幅広ヘッドを用
いる。したがって音声FM重畳方式では上記幅広ヘッド
及びトラッキングずれ等のため隣接ビデオトラックの信
号をも再生すると、該隣接ビデオトラックのFM音声信
号の影響(以下、隣接妨害という。)により、再生音声
信号中に大変耳障りな雑音が生じてしまうという問題が
ある。 【0009】特に、高記録密度化をはかる場合、ビデオ
トラック幅が狭くなるため、トラッキングずれ等による
隣接妨害が大きな問題である。 【0010】図3は磁気テープ21に形成されるビデオト
ラックT1,T2と、ビデオヘッドHの位置を模式図に示
す平面図である。 【0011】ここで、上記隣接妨害により生ずる雑音D
(t)は、図3に示すごとくトラッキングがずれた場
合、ビデオヘッドHがトレースしようとしているビデオ
トラックT1から得られる第1のFM音声信号(図3A
の部分より得られる信号で、以下、希望FM音声信号と
いう。)のレベルをa、隣接ビデオトラックT2から得
られる第2のFM音声信号(図3Bの部分よりえられる
信号で、以下、妨害FM音声信号という。)のレベルを
bとし、希望FM音声信号と妨害FM音声信号との差周
波数をΔωとすると、 【0012】 【数1】 【0013】と表わされる。ここでtは時間を表わす。
すなわち、隣接妨害雑音D(t)は、希望FM音声信号
と妨害FM音声信号との差周波数Δω(ビート周波数)
の正弦波として出力され、その振幅は妨害FM音声信号
と希望FM音声信号との振幅比b/aとその差周波数Δ
ωとに比例するものと考えられる。そこで上述のVTR
における隣接妨害を軽減するため、幾つかの方法が考え
られており、その1つの方法としてビデオトラックとそ
の隣接ビデオトラックとの間に無記録部分(ガードバン
ド)を形成する方法がある。しかしながら、ガードバン
ドを形成する方法では、磁気テープの利用効率が極めて
低く、高密度記録を計ることは不可能である。他の方法
として、1本のビデオトラックを描く1走査毎にヘッド
ギャップの傾き(アジマス角度ψ)の異なる回転ヘッド
により映像信号を記録し、アジマス損失を利用してガー
ドバンド及び隣接妨害雑音をなくす方法(アジマス記録
方式)がある。ここで、アジマス損失Laは、テープ上
のビデオトラック幅W、アジマス角度ψ、記録波長λと
すると、 【0014】 【数2】【0015】と表わせる。ここで、πは円周率を表わ
す。したがって、このアジマス記録方式では、記録波長
が短くなるほど、また一般的にビデオヘッドが隣接トラ
ックをトレースする幅が狭いほど、そしてアジマス角度
ψを大きくするほど、アジマス損失Laが大きくなり隣
接妨害を軽減できる。ここで、図4にアジマス記録方式
により隣接妨害が軽減されることを示すアジマス角度、
周波数対アジマス損失の特性の一特性例を示す。これは
トラック幅TWが58μm、相対速度vが5.8m/Sの場合
で、記録信号の周波数が629KHzと3.4MHzの特性例
である。ところで、音声FM重畳方式における音声搬送
波の中心周波数は、上述したごとくあまり高い周波数に
設定できず、かつ高記録密度化を計るためにはビデオヘ
ッドがトレースしてしまう隣接ビデオトラックの幅をあ
まり狭く出来ないので、実用上問題のないレベルまで隣
接妨害を減じるには、上述したごとくアジマス角度ψを
大きくするしかなく、上記数値例のVTRにおいて、F
M音声搬送波周波数を1.3MHzとした場合、アジマス
角は20度以上必要である。しかしながら、アジマス角度
ψをあまり大きくすると、磁気テープとヘッド間の相対
的な出力がcosψ倍となって、再生能力が減少してしま
うこと、歩留り等のビデオヘッド製造上の問題、及びト
ラッキングずれによりヘッド切換時点等の再生信号の時
間軸不連続、いわゆるスキューが生じてしまう。 【0016】ここで、スキュー量tは、トラッキングず
れ量x、アジマス角ψ、ヘッド・テープ間相対速度Vh
とすると 【0017】 【数3】 【0018】と表わせ、アジマス角によって大きく変化
する。また、特に、テープ速度を高速にして再生する、
いわゆるサーチ再生時は、画面上に数多くのスキューが
発生し、画質劣化が大きく問題となる。ゆえに、アジマ
ス記録方式で音声FM重畳方式における隣接妨害を減じ
るには限度があり、実用上十分なレベルであるとは言え
ない。 【0019】また、もう1つの他の方法としては、ビデ
オトラック幅と同じヘッド幅をもつ再生ヘッドにて再生
する方法がある。この方法の問題点は高密度記録化によ
りビデオトラック幅が小さくなるにつれて実用上十分な
レベルまで隣接妨害を低減するためにはトラッキング精
度を非常に高めなくてはならない点と記録時の磁気テー
プ走行速度と異なる走行速度にて再生する、いわゆる可
変速再生が困難なことである。 【0020】上記2つの問題点を解決する手段として
は、ビデオトラック上をビデオヘッドが自動的に正確に
トレースするオートトラッキング方法を導入することが
考えられる。このオートトラッキング方法では、ビデオ
トラック上のどこをトレースしているかを検出する検出
ヘッドや、トラッキングずれを起した場合にビデオヘッ
ド位置を修正するための電気−機械変換素子、例えば、
バイモルフ等が必要となり、機械及び回路が極めて複雑
になるだけでなく、信頼性も低下するなど大きな問題が
ある。 【0021】以上説明した三方法は、妨害FM音声信号
と希望FM音声信号との振幅比を小さくして、隣接妨害
雑音D(t)を減少させようとしたが、他の方法として、
音声信号をFM変調するときの周波数偏移量を増加する
ことによって、再生音声信号レベルを大きくし、隣接妨
害雑音を抑圧する方法が考えられる。この方法は、周波
数偏移量を増加させても、第(1)式に示すように隣接
妨害雑音は希望波と妨害波との差周波数に比例するが、
一方、差周波数の成分を持っているため可聴周波数帯域
外に出してしまい、可聴帯域内の成分はほとんど増加し
ないという事を利用している。すなわち、音声信号の周
波数偏移量を2倍に増やせば再生音声出力信号レベルは
2倍となるが、可聴帯域内の隣接妨害雑音はほぼ一定で
あるため、隣接妨害は実質上6dB減ったことになるの
である。 【0022】しかしながら、上述のごとく音声信号の周
波数偏移量を増加させるためには、周波数偏移量増加分
だけ、音声信号記録に必要な周波数帯域を広げなくては
ならず、図1、図2に示したFM変調輝度信号Y1ある
いは周波数変換色度信号C1の占有帯域を減少させる
か、または、輝度信号搬送波の中心周波数より高い周波
数に設定しなければならない。 【0023】上記FM変調輝度信号あるいは周波数変換
色度信号の占有帯域を減少させることは、画像の鮮鋭度
の劣化や過渡特性劣化に色のにじみなどの画質劣化を招
くことになる。また、輝度信号搬送波の中心周波数の引
き上げは、記録波長の短波長化を招き、それを避けるた
めには回転シリンダ径を増大させねばならず、小型化す
る上での大きな問題点となってしまう可能性がある。 【0024】さらに、音声信号占有帯域が広くなると、
FM変調輝度信号及び周波数変換色度信号の側帯波など
映像信号からの妨害を受けやすくなり、いわゆるバズ音
の発生による音質劣化も生じやすい。 【0025】以上、述べたように各種方法にはそれぞれ
欠点があり、単独の方法では上記音質FM重畳方式にお
いて実用上十分なレベルまで隣接妨害を軽減し、なおか
つ、高記録密度と可変速再生などの多機能化及び機構
上、回路上の小型化を計ることが困難である。 【0026】そこで、上述の各種方式の欠点を補う方法
として、FM変調音声信号と映像信号とを重畳してアジ
マス記録することの効果と、音声信号の周波数偏移量を
実効的に増加させ、上述の差周波数をほぼ可聴帯域外と
なす手段として、記録時に音声信号の振幅に応じて振幅
や振幅周波数特性などを変化させ、再生時には変化させ
た特性を元に戻すことによって雑音を抑制する雑音除去
回路を付加することの効果との相乗効果により、隣接妨
害雑音を実用上十分なレベルまで低減し、かつ、高密度
記録と可変速再生などの多機能化及び機構系、回路系の
小型化とを同時に実現できる方法が考えられる。この方
法は、アジマス記録方式によるアジマス損失での隣接妨
害の低減効果と、音声信号の周波数偏移量を増加させる
と1つは差周波数が可聴帯域外に出してしまい、可聴帯
域内の成分はほとんど増加しない性質と隣接妨害雑音の
成分が高域に移動し、聴感上の不快感が減少することを
利用して隣接妨害雑音を抑圧する効果との相乗効果によ
り隣接妨害雑音を低減しており、かつ、アジマス記録方
式を採用しているので、高密度記録は無論可能である。 【0027】さらに、この方法には以下のような特徴を
も備えている。 【0028】1つに隣接妨害低減分だけビデオトラック
幅をさらに狭く出来るため高密度記録が行えること、2
つに隣接妨害雑音以外のノイズも低減できること、3つ
に実際の音声信号の周波数偏移量が小さくても良いため
に記録に必要な周波数帯域が少なくてよいこと、4つに
上記FM変調音声信号の記録時使用周波数帯域が小さく
てよいことから周波数偏移量をただ増大させる方法に比
べて、輝度信号の記録波長を長くできるため、回転シリ
ンダ径を小さく出来、小型化が計れること、5つにバイ
モルフ素子(電気機械変換素子)などを用いたオート・
トラッキングなどの複雑な機構・回転を用いなくても可
変速再生が行えることなど数多くの利点が生ずる。しか
しながら、音声FM重畳方式の記録再生系は、FM変調
特有のノイズレベルがノイズ周波数に比例する、いわゆ
る三角ノイズをノイズレベル一定の白色雑音とするため
にプリエンファシス回路及びディエンファシス回路を備
えている。そのため、単に音声信号入力端に上記周波数
偏移量を実効的に増加させる手段を付加したのでは、該
周波数偏移量を実効的に増加させる手段で音声信号の振
幅や振幅周波数特性を変化させたのち、さらにプリエン
ファシス回路の作用で高周波部分を強調するため、FM
変調器への入力が大きくなりすぎて過変調を生じ易くな
り、その結果、過変調による音質劣化を生じてしまう欠
点がある。これを防止するには、入力音声信号のレベル
を絞ることが考えられるが、これでは、平均的な周波数
偏移量が下がってしまい、上記隣接妨害雑音を低減する
効果が薄れてしまうことになり問題である。 【0029】 【発明の目的】本発明の目的は、映像信号と音声信号と
が同一トラック上に重畳されて記録された磁気テープに
おいて、音声信号記録に必要な周波数帯域を広げること
なく、かつ隣接トラック間で生じる妨害に基づく雑音を
低減できるように、音声信号が記録されている磁気テー
プを提供するものである。 【0030】 【発明の概要】本発明は、記録時に音声信号をプリエン
ファシスし、プリエンファシスされた音声信号の周波数
偏移量を実効的に増加させさらに音声信号の振幅に応じ
て音声信号の振幅や振幅周波数特性を変化させたのちF
M変調して記録し、再生時にはFM変調後変化させた特
性を元に戻したのちディエンファシスすることによっ
て、過変調による音質劣化が生じにくくするものであ
る。 【0031】上述のごとく、音声FM重畳方式における
隣接妨害雑音の低減方法として、記録時に音声信号の振
幅に応じて振幅や振幅周波数特性を変化させて、実効的
な周波数偏移量を増加させてFM変調記録し、再生時は
FM復調後変化させた特性を元に戻すことにより雑音を
抑圧する方法と、アジマス記録方式とを併用する方法は
大変有効であるが、単に音声FM重畳方式の入力端子に
付加するプリエンファシス特性との関係で過変調を生じ
易くなってしまう。そこで、本発明では、記録時にまず
音声信号をプリエンファシスし、その後、該音声信号の
振幅や振幅周波数特性を変化させ、実効的に周波数偏移
量を増加させてFM変調したのち映像信号に重畳してア
ジマス記録を行い、再生時はFM復調したのち、上記変
化させた特性を元に戻したのち、ディエンファシスする
方法を用いて、過変調を生じにくくするものである。 【0032】 【発明の実施例】以下、本発明を図に示す実施例によっ
て説明する。 【0033】図5は本発明の磁気記録再生装置によって
音声信号を記録する回転ヘッド形VTRの音声信号記録
回路の一実施例を示す回路構成図である。また図6は、
本発明の記録方法によって記録された磁気テープを再生
するVTRの音声信号再生回路の一実施例を示す回路構
成図である。図5において、入力端子1から入力された
音声信号はプリエンファシス回路2を通ったのち、1/
2圧縮回路3にて図7に示す圧縮−伸長特性に従い、圧
縮−伸張のクロス点よりも大きな振幅部分は小さいレベ
ルに、小さい振幅部分はノイズレベルよりも大きくなる
ようにレベルが変化される。ここで、1/2圧縮回路3
はプリエンファシスされた音声信号を入力とする検出回
路4の出力信号で利得が制御され、プリエンファシスさ
れた音声信号のダイナミックレンジを1/2に圧縮す
る。1/2圧縮回路3の出力信号は、FM変調器5でF
M変調される。FM変調器5の出力は低域通過フィルタ
(LPF)6にて不要帯域成分を除去されたのち、加算
器7で入力端子8より入力される映像信号と加算され、
磁気ヘッド9にて磁気テープ10上にアジマス記録され
る。 【0034】上記したように、この記録系では、プリエ
ンファシスされた音声信号のダイナミックレンジが1/
2に圧縮され、1/2圧縮された信号がFM変調器に入
力されるため、単に上述の周波数偏移量を実効的に増加
させる手段を入力端に付加する方法に比べて、過変調を
生じにくくなり、かつ、平均的周波数偏移量も大きく記
録できる。 【0035】次に図6の音声信号再生回路において、磁
気テープ10より磁気ヘッド9にて再生された信号は、帯
域通過フィルタ(BPF)11に入力される。BPF11
は、再生信号よりFM音声信号を抽出する。ここで、抽
出されたFM音声信号中の希望FM音声信号と妨害FM
音声信号とのレベル比は、たとえば、アジマス角±17
度、音声搬送波周波数1.3MHz、トラック幅18.5μ
m、ビデオヘッド幅25μmとすると約22dBである。ま
た、磁気ヘッド9にて再生された信号は、出力端子19よ
り映像信号再生回路(図示せず)へも出力される。抽出さ
れたFM音声信号は、FM復調器12にて音声信号に復調
される。復調された音声信号はLPF13にてFM搬送波
のもれ等を除去されたのち、ホールド回路14で、ヘッド
切替に伴う雑音を前値保持にて処理される。ここで、ホ
ールド回路14は入力端子20より入力されるヘッド切替信
号に同期した制御信号にて、一定期間、前値保持動作を
行う。 【0036】ホールド回路14の出力信号は、ダイナミッ
クレンジ1/2に圧縮されたままなので、2倍伸張回路
15にて元のダイナミックレンジに伸張する。ここで、2
倍伸張回路15は、ホールド回路14の出力信号を入力と
する検出回路16の出力信号で利得制御され、復調された
音声信号のダイナミックレンジを2倍に伸張する。伸張
された信号は、ディエンファシス回路17を通って、出力
端子18より出力される。2倍伸張回路15で伸張された再
生音声信号は、ノイズレベルも同じ伸張動作を受け、小
さい雑音レベルとなるので、隣接妨害雑音の抑えられた
音声信号として出力される。 【0037】すなわち、例えば、FM変調5は音声入力
信号が0dBのとき±100KHzの周波数偏移が生じるよ
うに動作し、プリエンファシスされた音声入力信号が−
20dBであったとすると、この−20dBの音声入力信号が
圧縮回路3により圧縮されずにそのままFM変調器5に
よりFM変調されると、 【0038】 【数4】 【0039】の周波数偏移が生ずる。このFM変調信号
が隣接するビデオトラックT1、T2として記録され、ビ
デオヘッドHにより同時に再生されると、ビデオトラッ
クT1、T2から読出された2つの再生信号の瞬時周波数
の差周波数は0から20KHzの範囲となり、すべての隣
接妨害雑音が20KHz以下の可聴周波数帯域内となる。
しかし、−20dBの音声入力信号が1/2圧縮回路3に
より−10dBの信号に圧縮されてFM変調されるとその
周波数偏移は±31.5KHzの周波数偏移となり、隣接妨
害雑音の周波数(2つの再生信号の瞬時周波数の差周波
数)は0から63KHzの範囲に分布することになり、大
半の隣接妨害雑音を20KHz以上の可聴周波数帯域外の
周波数にすることができる。換言すれば、0から20KH
zに分布する隣接妨害雑音が0から63KHzの範囲に分
布する隣接妨害雑音に周波数的に拡散されるので、可聴
周波数帯域内の雑音エネルギが減少して隣接妨害雑音は
ほとんど感知されなくなる。仮りにこの場合差周波数が
正弦波状に変化したとすると全期間の約80%が可聴周波
数以上となる。これを一般的に表すと、入力信号が0d
Bのときの周波数偏移が±θKHzであるFM変調器5
に対して、周波数偏移がすべて±10KHz以内(差周波
数が20KHz以下)となる上限の入力レベルは、 【0040】 【数5】 【0041】であるのに対し、この上限の入力レベルが
1/2圧縮回路3により、 【0042】 【数6】 【0043】に圧縮されてFM変調器5に入力されると
その周波数偏移は、 【0044】 【数7】 【0045】以内(即ち差周波数では 【0046】 【数8】 【0047】以下)となる。したがって、圧縮されない
ときは差周波数すべてが可聴周波数帯域内となる 【0048】 【数9】 【0049】のような入力信号レベルでも圧縮されてF
M変調器5に入力されると、隣接するビデオトラックT
1,T2から同時に再生された2つの信号の瞬時周波数の
差周波数が可聴周波数20KHz以上となるような周波数
偏移がFM変調信号に生じることになり、隣接妨害が低
減される。すなわち、周波数偏移が±10KHzを超える
ような周波数偏移がもたらされていれば、隣接妨害に基
づく雑音を低減できる。 【0050】ここで、上記VTRにてFM音声信号を再
生した場合の隣接妨害雑音の雑音周波数スペクトラムの
一特性例を、1/2圧縮回路3及び2倍伸張回路15より
なる雑音除去回路を用いた場合と用いない場合とに分け
て図8に示す。図8において、Iは雑音除去回路がない
場合、IIは雑音除去回路を用いた場合をそれぞれ示す。
図8より明らかなように、雑音除去回路を用いた場合
は、隣接妨害雑音を約20dB程度改善できることがわか
る。 【0051】本発明は、過変調による音質劣化が生じに
くく、かつ、実用上十分なレベルまで隣接妨害を低減で
き、その上、前述した数多くの利点も合わせて生ずる。
なお、本実施例で説明した雑音除去回路は、振幅周波数
特性を変化させるものではなく、単にダイナミックレン
ジを圧縮伸張するものであるが、その他の方法、例えば
振幅周波数特性をも変化させて雑音除去の動作をするも
のなどでも良い。また、記録時に音声信号の特定の帯域
の信号レベルに応じて、振幅、振幅周波数特性を変化さ
せて雑音除去の動作を行うものでも、本発明に使用する
ことができる。さらに、雑音除去回路として記録時に音
声信号の振幅および振幅周波数特性の両方を変化させる
場合は、振幅周波数特性をまず変化させ、その後振幅を
変化させるのが、過変調を防止する上で最良である。再
生時は変化させた特性を元に戻せばよい。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いれ
ば、以下に示すような効果が得られる。 【0053】1.広い周波数帯域をもつ磁気テープを必
要とすることなく、従来と同じ周波数帯域を持つ磁気テ
ープにて、音声と映像の記録が可能であり、かつ実用上
十分なレベルまで隣接妨害を低減できる。 【0054】2.見かけ上の音声信号の周波数偏移量を
増加させ、差周波数を可聴帯域外とする方法であるの
で、磁気テープの音声信号に必要な周波数帯域幅が小さ
くてよい。 【0055】3.音声信号の周波数偏移量を単に増加さ
せる方法ではないので、音声信号に必要な周波数帯域を
広げる必要がなくなり、FM変調輝度信号のあるいは周
波数変換色信号の占有帯域を減少させることなく、隣接
妨害雑音の少ない音声を記録できる。つまり、画質を劣
化させることなく雑音を低減できる。 【0056】4.音声信号の周波数占有帯域が小さくて
よいことから、映像信号の影響、いわゆる映像バズによ
る音質劣化が生じにくい。 【0057】5.音声信号搬送波の中心周波数がFM変
調輝度信号の下側であるため、輝度信号及び色信号に与
える影響が最小になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】音声FM多重方式における信号周波数スペクト
ルの例を示す周波数スペクトル図。 【図2】音声FM多重方式における信号周波数スペクト
ルの例を示す周波数スペクトル図。 【図3】隣接妨害の説明のための磁気テープの平面図。 【図4】アジマス角度、記録波長対アジマス損失の特性
を示す特性図。 【図5】本発明を用いた音声信号記録回路の一実施例を
示す回路構成図。 【図6】本発明を用いた音声信号再生回路の一実施例を
示す回路構成図。 【図7】1/2圧縮回路及び2倍伸張回路の入力特性
図。 【図8】隣接妨害雑音減少の効果を示す隣接妨害雑音振
幅の周波数特性図である。 【符号の説明】 1… プリエンファシス回路、3…1/2圧縮回路、
4,16…検出回路、15…2倍伸張回路、17…ディエンフ
ァシス回路。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.その長手方向に対して所定の角度傾斜した記録軌跡
    に、音声信号と映像信号とが記録された磁気テープであ
    って、前記記録軌跡に記録された音声信号は、圧縮比2
    で圧縮されており、その音声信号搬送波の中心周波数が
    FM変調輝度信号の下側で、かつその周波数偏移が±10
    KHzを超えるように周波数変調されていることを特徴
    とする磁気テープ。 2.互いに隣接する記録軌跡に記録された音声信号のア
    ジマス角は、相互に向きが異なっていることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の磁気テープ。 3.前記音声信号は、前記映像信号のFM変調輝度信号
    及び周波数変換色度信号の周波数占有帯域を減少させな
    いように周波数変調されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項及び第2項に記載の磁気テープ。
JP7281299A 1995-10-30 1995-10-30 磁気テープ Expired - Lifetime JP2581482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7281299A JP2581482B2 (ja) 1995-10-30 1995-10-30 磁気テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7281299A JP2581482B2 (ja) 1995-10-30 1995-10-30 磁気テープ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2102936A Division JPH0690769B2 (ja) 1990-04-20 1990-04-20 磁気記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08255424A JPH08255424A (ja) 1996-10-01
JP2581482B2 true JP2581482B2 (ja) 1997-02-12

Family

ID=17637142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7281299A Expired - Lifetime JP2581482B2 (ja) 1995-10-30 1995-10-30 磁気テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2581482B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08255424A (ja) 1996-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0125127B2 (ja)
KR920003521B1 (ko) 자기기록장치 및 자기기록 재생장치
JP2581482B2 (ja) 磁気テープ
JPH0125128B2 (ja)
JPH0130209B2 (ja)
JPH0458228B2 (ja)
JPH0690768B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH0690769B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH0622041B2 (ja) 周波数変調波の記録装置
JPS6120068B2 (ja)
JPH0316004A (ja) 音声雑音抑圧装置
JP2559564B2 (ja) ビデオテープレコーダ
JPH0316002A (ja) 音声信号処理装置
JPH022201B2 (ja)
JP2627967B2 (ja) ビデオテープレコーダ
JPH0115190B2 (ja)
JPH0130208B2 (ja)
JPH0130207B2 (ja)
JPH01303603A (ja) 磁気記録再生装置
JPH05276533A (ja) カラー映像信号と音声信号の磁気記録再生装置
JPS59186101A (ja) 磁気記録再生装置におけるドロツプアウト補償回路
JPH0355881B2 (ja)
JPS58197975A (ja) ビデオテ−プレコ−ダ
JPS59200594A (ja) クロマ信号処理回路
JPS6139784A (ja) 磁気記録再生方法