JPH0690757B2 - 通行車両撮影装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は，有料道路の料金所などで通行料金を支払わ
ずに不正に通行する車両の撮影など，道路を通行する車
両を撮影する通行車両撮影装置の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

有料道路の料金所などで通行料金を支払わずに不正に通
行する車両の撮影には，従来フイルム式のスチールカメ
ラが使用されているが，フイルムの現像や写真の焼き付
けなどに多大の時間と人手が必要であり，即時に不正者
を追跡するには問題があつた。

また，このような車両の撮影は，上記の料金所のほか，
暴走行為を行う車両，駐車場の管理などにも必要とされ
ることが多い。

ここでは，料金所を例に説明する。

第４図は，従来有料道路の料金所で使用されている通行
車両撮影装置の構成図であり，図において，（１）は道
路，（２）は料金所のブース，（３）は徴収員，（４）
は対象車としての車両，（５）は操作スイツチ，（６）
は操作スイツチ（５）からのカメラ制御信号，（７）は
位置センサーであり，投光器（7a），受光器（7b）及び
処理回路（7c）とから構成されていて，（８）は位置セ
ンサー（７）からの位置検出信号，（９）はアンド回
路，（10）はアンド回路（９）からの撮影指令信号，
（11）はスチールカメラ，（12）は照明光源としてのス
トロボである。

ここで，徴収員（３）はブース内（２）について料金徴
収を行うが，車両（４）が不正通行であると認知した場
合，操作スイツチ（５）を押すようになつている。ま
た，位置センサー（７）は，投光器（7a）から発射した
光を受光器（7b）で受光し，投光器（7a）からの光が遮
られた場合，受光器（7b）には規定の強さ以上の光が受
光できないことから車両の存在を検出するようにしたも
のであり，存在の有無を処理回路（7c）で判断し車両が
投光器（7a）と受光器（7b）との間を横切つた時に位置
検出信号（８）を出力する。この位置センサー（７）は
スチールカメラ（11）の前方例えば7m程度の予め定めて
おいた位置に設置してある。また，アンド回路（９）は
カメラ制御信号（６）と位置検出信号（８）とを入力と
しカメラ制御信号（６）がオンの条件下で位置検出信号
（８）が入力された場合に撮影指令信号（10）を出力
し，シヤツター駆動手段（図示せず）によつてスチール
カメラ（11）のシヤツターを切り車両を撮影する。

このような構成において，徴収員（３）は車両（４）か
らその車両の種類に対応して通行料金を徴収し，車両
（４）を通行させる。徴収員（３）は，正規に通行する
車両に対しては，操作スイツチ（５）を押さないために
操作スイツチ（５）からのカメラ制御信号（６）はオフ
であり，車両（４）が位置センサー（７）の位置に到達
し位置検出信号（８）がオンとなつてもアンド回路
（９）からは撮影指令信号は出力されない。一方，車両
（４）が不正通行車両であると認知した場合には，操作
スイツチ（５）が押されカメラ制御信号（６）がオンと
なる。この状態で車両（４）が位置センサー（７）の地
点に到達すると位置検出信号（６）が出力され，アンド
回路（９）からは撮影指令信号（10）が出力される。ス
チールカメラ（11）は，この撮影指令信号（10）を受け
てシヤツターが切られストロボ（12）からは照明光が発
射され，車両（４）を撮影する。

このようにして不正通行車両をスチールカメラで撮影し
フイルムに記録として残すようになつている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来，通行車両撮影装置は車両スチールカメラで撮影
し，フイルムに残すようになつているが，現像や焼き付
けなどの処理に時間と労力が必要であつた。また，車両
（４）の画像は一枚のフイルムに残るのみでどのように
して通行したかなどの記録ができない問題点もある。

この発明はかかる課題を解決するためになされたもので
あり，スチールカメラの代わりTVカメラを使用し，車両
の通行状況を動画像で記録，また所定の撮影位置に車両
が到達した時にストロボで照明し鮮明な静止画像で撮影
できる通行車両撮影装置を実現することを目的としてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

この発明にかかる通行車両撮影装置は，車両が撮影地点
に到達したことを検出する位置センサーと，撮影手段と
してシヤツターを内蔵したTVカメラと，照明手段として
のストロボと，上記TVカメラからの画像を一時記憶する
画像メモリと，画像メモリからの画像をビデオテープに
記録するVTR（Video Tape Recorder）とを備え，上記TV
カメラを制御するカメラ制御器と，照明手段としてのス
トロボと，徴収員が操作する操作スイツチとから構成
し，上記カメラ制御器によつて上記TVカメラを動画モー
ドと静止画モードとの切り換えを行い，徴収員が上記ス
イツチを押すことによつて上記TVカメラは，シヤツター
を開放にした通常の撮影，すなわち動画モードでの撮影
を開始する。一方，上記位置センサーが車両を検出した
時には，上記TVカメラはシヤツターを開閉し，例えばシ
ヤツタ速度1/1000秒程度での高速の静止画像撮影を行
う。この時，上記ストロボはシヤツターに同調，対象車
を照明する。

なお，ストロボ光による高速シヤツター画像によつて運
転者，車両とも画像のぶれの少ない鮮明な画像が得られ
る。

〔作用〕

この発明においては，通行車両の通行状況を動画で撮影
できるほか，撮影位置ではストロボ照明による静止画像
が撮影できる。これらの画像はVTRに収録されているた
め，直ちに再生できるほか，通行状況も記録されている
ため通行車両の追跡が容易となる。

〔実施例〕

第１図は，この発明の一実施例の構成図であり，図にお
いて，（13）はTVカメラ，（14）はTVカメラ（13）を動
画モードとするかシヤツター動作をさせて静止画モード
とするかを切り換えるカメラ制御器，（15）はカメラ制
御器（14）からのモード信号，（16）はTVカメラ（13）
からのビデオ信号，（17）は画像処理回路（20）からの
映像信号，（18）はVTRである。

なお，図中（１）〜（８）及び（12）は第４図の同一符
号と同等機能を有する。ここで,TVカメラ（13）は，例
えば「映像情報」，第20巻，第９号,P41〜46にあるフレ
ームトランスフアー形のCCD素子（Charge Coupled Devi
ce）を撮像素子としており，シヤツターを開放状態にし
た通常の動画での撮影のほか，高速度のシヤツター動作
も可能になつている。上記のCCDにはイメージエリアと
ストレツジエリアとがあり，イメージエリアで画像を光
電変換し，その電荷をストレツジエリアに高速で転送す
ることによつて電子シヤツター動作ができ静止画像も撮
影できる。動画撮影とシヤツター撮影による静止画撮影
の切り換えは,TVカメラに制御信号（図示せず）を与え
ることによつて実現される。また，画像処理回路（20）
は,TVカメラ（13）からの画像を画像データとして記憶
するものであり半導体メモリー素子を中心に構成してあ
る。第２図は画像処理回路（20）の詳細を説明する図で
あり，図において（21）はTVカメラからのビデオ信号
（16）をその電圧の大小に対応したデジタル量に変換す
るA/D変換器（Analog to Digital Converter），（22）
はビデオ信号（16）から垂直同期信号と水平同期信号と
を抽出する同期信号分離回路，（23）は同期信号分離回
路（22）からの垂直同期信号と水平同期信号によつてビ
デオ信号（16）の１画素毎のメモリアドレスを出力する
アドレスカウタンであつて内蔵するクロツク（図示せ
ず）を垂直同期信号と水平同期信号とによつてカウント
アツプしてメモリアドレスを決定するアドレスカウン
タ，（24）はA/D変換器（21）の出力を記憶する画像メ
モリ，（25）はD/A変換器（Digital to Analog Convert
er）であり，画像メモリ（24）に蓄積された画像を再び
映像信号（17）として取り出すようになつている。

画像処理回路（20）は，このように構成されており，撮
影された画像は,A/D変換器（21）によつて量子化され１
画面分の画像として画像メモリ（24）に蓄積される。こ
の時，ビデオ信号（16）に乗つている垂直同期信号は１
枚の撮影画像の区切りを与えるものであり，アドレスカ
ウンタ（23）のリセツトを行なう。また，水平同期信号
は走査線１本に対して出力され，この水平同期信号によ
つてアドレスカウンタ（23）では，画像の水平方向の座
標を決定すべく内蔵のクロツクをカウントアツプし１画
素毎画像メモリのアドレスを決定し,A/D変換器（21）か
ら出力される量子化された画像データを画像メモリ（2
4）に蓄積する。また，画像メモリ（24）の画像はD/A変
換器（25）を経由して映像信号（17）として取り出され
る。

第１図において，車両（４）が不正通行車両と判断した
場合には，徴収員（３）は走査スイツチ（５）をオンに
する。この時カメラ制御信号（６）がオンとなり,VTR
（18）が起動し，カメラ制御器（14）からのモード信号
（15）は動画モードが出力され,TVカメラ（13）はシヤ
ツターを開放にし，動画モードで撮影を開始する。この
動画モードによる撮影は，車両（４）が位置センサー
（７）によつて検出されるまで継続し車両（４）の通行
状決がTVカメラ（13）によつて撮影され，このビデオ信
号（16）は画像処理回路（20）を経由してVTR（18）に
記録される。

車両（４）が位置センサー（７）の位置に到達すると，
投光器（7a）から受光器（7b）への光が遮断され，処理
回路（7c）からは位置検出信号（８）が出力される。カ
メラ制御器（14）は，この位置検出信号（８）を受け，
モード信号（15）は静止画モードに変わる。TVカメラ
（13）はモード信号（15）が静止画モードになるとシヤ
ツターを駆動し静止画像を一枚撮影する。この時ストロ
ボもシヤツター動作に合わせて発光，車両（４）を撮影
する。この静止画像も画像処理回路（20）を経由してVT
R（18）に記録される。このようにして，不正通行車両
の画像を動画と静止画とで記録に残すことができる。な
お，図示はしていないが，静止画像を撮影した後は自動
的にVTRを停止，カメラ制御器（14）のモード信号（1
5）をオフとし撮影を停止させることもできる。

第３図は，この発明の他の実施例の構成図を示してい
る。図において，（30）はデータ発生器であり内部には
時計（31）と設置地点設定部（32）とがあり，時計（3
1）では，月，日，時，分，秒等の時刻データを生成す
る。また，設置地点設定部（32）はROM（Read Only Mem
ory）などで構成される記憶素子に予め設置地点名が入
力されている。（40）は画像合成器であり，ビデオ信号
（16）中にデータ発生器（30）からのデータを画像とし
て重畳し一枚の画面にする画像合成器である。このよう
に構成することによつて画像中に時刻データや場所デー
タを挿入することができ後日の処理に便利となる。

なお，実施例では位置センサー（７）として投光器（7
a）と受光器（7b）を使用した光電式のもので説明した
が，この他超音波式，ルーブコイル式等同等のものがあ
る。また，記録媒体としてVTRを使用したが，光デイス
ク等でも良い。また,TVカメラとし電子シヤツター動作
が可能なもので説明したが，電子シヤツターができない
場合には，機械式シヤツターを付加することによつても
同等の機能が実現できる。

通常の実施例では料金所の不正通行車両の撮影を例にし
たが，暴走族の撮影，駐車場でも車両の撮影等に利用す
ることも可能である。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したとおり，通行車両を動画と静止
画とで記録することができ，かつVTRを記録媒体として
いるため即時に再生できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す通行車両撮影装置の
構成図，第２図は画像処理回路の詳細図，第３図はこの
発明の他の実施例を示す通行車両撮影装置の構成図，第
４図は従来の通行車両撮影装置の構成図である。 図において，（１）は道路，（２）はブース，（３）は
徴収員，（４）は車両，（５）は操作スイツチ，（６）
はカメラ制御信号，（７）は位置センサー，（８）は位
置検出信号，（９）はアンド回路，（10）は撮影指令信
号，（11）はスチールカメラ，（12）はストロボ，（1
3）はTVカメラ，（14）はカメラ制御器，（16）はビデ
オ信号，（17）は映像信号，（18）はVTR,（20）は画像
処理回路，（21）はA/D変換器，（22）は同期信号分離
回路，（23）はアドレスカウンタ，（24）は画像メモ
リ，（25）はD/A変換器，（30）はデータ発生器，（3
1）は時計，（32）は設置地点設定部，（40）は画像合
成器である。 なお，図中，同一符号は同一あるいは相当部分を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の通行状態を撮影する通行車両撮影装
   置において、シャッター動作が可能なTVカメラと、上記
   TVカメラからの画像を一時記憶する画像処理回路と、上
   記画像処理回路からの映像信号を磁気テープ等に記録す
   る録画器と、上記TVカメラの前方の予め定めておいた地
   点に設置し、上記車両が上記地点に到達した場合に位置
   検出信号を発する位置センサーと、操作スイッチと、上
   記操作スイッチと上記位置センサーの出力信号により上
   記TVカメラの動作モードを動画と静止画に切り換えるカ
   メラ制御器とを備え、上記操作スイッチをオンにした場
   合、上記カメラ制御器によって上記TVカメラのシャッタ
   ーを開放した動画モードとするとともに上記録画器をオ
   ンし、上記TVカメラによって動画撮影を開始させるとと
   もに、上記位置センサーが上記車両を検出した場合に上
   記位置センサーからの上記位置検出信号によって、上記
   カメラ制御器を静止画モードとし上記TVカメラのシャッ
   ターを駆動して静止画像を撮影し、上記録画器によって
   上記の動画と静止画とを録画器に記録させるようにした
   ことを特徴とする通行車両撮影装置。
2. 【請求項２】車両の通行状況を撮影する通行車両撮影装
   置において、シャッター動作が可能なTVカメラと、設置
   点や時刻データ等を発生するデータ発生器と、上記TVカ
   メラからのビデオ信号に上記データ発生器からの時刻及
   び設置地点データを重畳し一枚の画像とする画像合成器
   と、上記画像合成器からの信号を一時記憶する画像処理
   回路と、上記画像合成器からの画像データを磁気テープ
   等に記録する録画器と、上記TVカメラの前方の予め定め
   ておいた地点に設置し、上記車両が上記地点に到達した
   場合に位置検出信号を発する位置センサーと、操作スイ
   ッチと、上記操作スイッチと位置センサーの出力信号に
   より上記TVカメラの動作モードを動画と静止画に切り換
   えるカメラ制御器とを備え、上記操作スイッチをオンに
   した場合、上記カメラ制御器によって上記TVカメラのシ
   ャッターを開放した動画モードとするとともに上記録画
   器をオンし、上記TVカメラによって動画撮影を開始させ
   るとともに、上記位置センサーが上記車両を検出した場
   合に上記位置センサーからの上記位置検出信号によっ
   て、上記カメラ制御器を静止画モードとし上記TVカメラ
   のシャッターを駆動して静止画像を撮影し、上記データ
   発生器によって通行時刻データや設置地点データととも
   に上記録画器によって上記の動画と静止画とを録画器に
   記録させるようにしたことを特徴とする通行車両撮影装
   置。