JPH0690118A - 電力増幅器 - Google Patents

電力増幅器

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JPH0690118A
JPH0690118A JP26420192A JP26420192A JPH0690118A JP H0690118 A JPH0690118 A JP H0690118A JP 26420192 A JP26420192 A JP 26420192A JP 26420192 A JP26420192 A JP 26420192A JP H0690118 A JPH0690118 A JP H0690118A
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fet
power
harmonic
trapezoidal
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JP26420192A
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Yukihiro Toyoda
幸弘 豊田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】移動通信器及び携帯用送信機に使用される電力
増幅器に関し、出力電力の飽和点より前から電力付加効
率が最大になるようにすることを目的とする。 【構成】 入力信号と局部発振器周波数を混合器5に入
力して高調波成分を発生させ、これら高調波のうちの第
2高調波又は第2高調波と第3高調波との組合せを取り
出してその振幅及び位相を基本波に対して調整し且つ合
成することにより梯形電圧波形を形成することと、リミ
ッタ回路を用いて梯形電圧波形を形成し、両梯形電圧波
形の動作角を最小にして電力増幅したのち基本波成分の
みを取り出すように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力増幅器に関し、特に
送信機等に用いられる電力増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の携帯用電話器,通信および放送の
送信機等に用いられている電力増幅器は普通、FET
(トランジスタも含む)の電力付加効率を高くするため
に図13に示す波形を備えたC級電力増幅器が採用され
ている。
【0003】即ち、FETのゲ−トのバイアス電圧は遮
断点より深く掛けて、入力信号を供給しドレン電流流通
角はπ以下になるようにする。
【0004】このような状態は図14に示されており、
流通角2θ1 が小さいほどFETの電力付加効率が高い
ことがわかる。余り流通角を小さくすることは、それだ
け大振幅の励振入力電力を必要とするので、電力増幅回
路の電力付加効率は良くならないこととなる。
【0005】電力増幅器のドレン電圧が低い間にドレン
電流を流すことが出来れば電力付加効率が高くなる。そ
れには梯形波形を用いれば良いこととなる。
【0006】以上の観点から、現在盛んに用いられてい
る携帯用電話器の電力増幅器の回路系は,図15に示す
ように、正弦波の入力信号をFETのゲ−トへ供給
し、FETがA級動作になるように、バイアス電源4
0によりバイアス電圧VGSを掛ける。図16に示すよう
に、ゲ−トへ供給した電圧波形の振幅が大きいので、ド
レン電源41からドレンに流れる電流IDSSとしては電
圧波形の最大振幅のところで飽和した擬似方形波が発生
する。
【0007】この擬似方形波をB級動作をしている電力
用FETのゲ−トへ供給して電力増幅し、そのドレン
から取り出した出力信号に含まれる第2高調波2f0 を
並列共振回路51で阻止し、第3高調波3f0 は先端開
放スタブ53で阻止し、基本波f0 のみを取り出すよう
にしている。
【0008】図17に示すシングル電力増幅器は図15
に示す電力増幅器の問題点を改良した。この電力増幅器
の動作については正弦波の入力信号をFETのゲ−ト
へ供給し、増幅器FETの出力には高調波が発生す
る。この高調波の中から基本波は帯域通過フィルタ25
から最大レベルで取り出し、第3高調波は帯域通過フィ
ルタ21で取り出す。第3高調波の電圧振幅は基本波の
電圧振幅に比べて非常に小さいので電圧利得可変形増幅
器22で更に増幅し、増幅した出力電圧波形は位相器2
3で基本波の電圧波形の振幅最大の位置で逆位相になる
ように調整して増幅器FETで擬似方形波にしてい
る。増幅器FET及びFETで増幅して基本波f0
の並列共振器で形成した変成器T1 から基本波を取り出
している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
に示す電力増幅器の回路系での擬似方形波には基本周波
波f0 ,第2高調波2f0 ,第3高調波3f0 が含まれ
ている(実際には,第4高調波以上も含まれているが、
電圧波形の振幅が小さいので無視できる)が、図15に
示すように出力回路に基本波f0 の並列共振器が接続さ
れていないことと、必ず図16に示すような擬似方形波
になるとは言えない。
【0010】このような擬似方形波で電力増幅したと言
っても、擬似方形波の動作角θ1 は90゜であるので図
18の一点斜線で示すように、出力電力も電力付加効率
も低く、通常の携帯用電話器において要求されている出
力の低いFETで大きな出力電力と大きな電力付加効率
を得ることが出来ないことと、電池(電源)の消耗が大
きいと言う問題点があった。
【0011】図17に示すシングル電力増幅器の回路系
は電力付加効率は良くなるが、回路系が複雑である。そ
れは増幅器1で高調波を発生させた第2高調波及び第3
高調波の電圧波形の振幅が非常に小さいので、さらに電
圧利得可変形増幅器22で増幅しなければならないし、
歪みのない電圧利得可変形増幅器22を用いないと、こ
の増幅器22で高調波を発生して擬似方形波を歪まし、
さらに増幅器1及び増幅器22を用いることによって直
流電流が多く流れて直流電力の消費が大きくなること
と、回路系が複雑になるので携帯用電話器に用いること
が出来ないと言う問題点があった。
【0012】従って本発明は、電力増幅器の回路系が簡
単で直流電力(電池)の消費が出来るだけ少なく大きな
出力電力と出力飽和点より前で電力付加効率が最大とな
るような電力増幅器を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係わる電力増幅器は、図1に示すように
基本波を入力して梯形波形を発生する梯形波発生部1
と、該梯形波形の動作角をできるだけ小さく大きな出力
電力と出力飽和点より前で電力付加効率が最大となるよ
うな電力増幅器を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係わる電力増幅器は、図1に示すように
基本波を入力して梯形波形を発生する梯形波発生部1
と、該梯形波形の動作角を小さくして増幅するFET増
幅部2と、該FET増幅部2の出力信号を電力増幅する
FET増幅部3と、該FET増幅部3の出力信号の内か
ら基本波を取り出す出力整合部4と、を備えている。
【0015】次の他の実施例に於ては、図2に示すよう
に平衡形混合器(5−1)と局部発振器(5−2)及び
振幅位相調整部(6)の回路系で図1に示す梯形波形を
発生させる梯形波発生部1と同様な機能をするようにな
し、その動作については平衡形混合器(5−1)に基本
波周波数と局部発振器(5−2)の周波数を入力して高
調波を発生する高調波発生部5と、該高調波発生部5で
発生された高調波成分のうちの第3高調波のみを取り出
してその振幅及び位相を該基本波に対して調整して該基
本波と合成することにより梯形波形(擬似方形波)を形
成する振幅位相調整部6と、該振幅位相調整部6の出力
から得られる梯形波形の動作角を小さくして増幅するF
ET増幅部7と、該FET7の出力信号を電力増幅する
FET8の出力信号の基本波成分を取り出す出力整合部
9と、を備えている。
【0016】前項に述べた他の実施例の回路構成におい
て電力付加効率を大きくするに不可欠な梯形波形を形成
するに該基本波と第3高調波の組合せの代わりに基本波
と第2高調波又は基本波と第2高調波及び第3高調波と
組合せて用いても良い。
【0017】更に本発明では、図3に示すプッシュプル
電力増幅回路構成に示すように、プッシュプル電力増幅
器の励振用に図1乃至図2に示す電力増幅器のいずれか
を用いれば良く、該位相反転器10と14及び共振回路
14と、該入力整合部11と該FET増幅部12との二
つ用いてプッシュプル回路構成にしている。
【0018】
【作用】図1に示した本発明に係る電力増幅器において
は、基本波f0を入力して梯形波形発生部1で梯形波形
を形成して出力する。
【0019】このようにして形成された梯形波形を、梯
形波形に含まれている基本波f0 と第3高調波3f0 及
び第5高調波5f0 (実際には、第7高調波以上も含ま
れているが、電圧波形の振幅が小さいので無視できる)
が通過できるようなFET増幅部2の回路にしてあり、
梯形波形の動作角を小さくさせるにFET増幅部2でお
こなって、動作角の小さくなった梯形波形を電力増幅す
るFET増幅部3に与えると共に出力整合部4において
基本波成分のみが取り出され出力されることとなる。
【0020】図2に示した本発明の二番目に係るシング
ル電力増幅器においては、平衡形混合器(5−1)に基
本波f0 と局部発振器(5−2)周波数fL を入力して
種々の高調波を発生して振幅位相調整部6に与えると、
この振幅位相調整部6では基本波f0 と共に高調波周波
数の内第3高調波3f0 のみを取り出し且つその振幅と
位相を調整して基本波f0 と合成して梯形波形を形成し
て出力されることになる。
【0021】このようにして形成された梯形波形に含ま
れる基本波f0 と第3高調波3f0の周波数が通過でき
るようなFET増幅部7の回路にしてある。梯形波形の
動作角を小さくさせるにFET増幅部7でおこなって、
動作角の小さくなった梯形波形を電力増幅するFET増
幅部8に与えると共に出力整合部9において基本波f0
のみが取り出され出力されることとなる。
【0022】図2のシングル電力増幅器において梯形波
形を形成するに基本波f0 と第3高調波3f0 を採用し
たが、この第3高調波の代わりに基本波f0 と第2高調
波2f0 又は基本波f0 と第2高調波2f0 及び第3高
調波3f0 とを組合せて用いることができ、これらの各
高調波は振幅位相調整部6で梯形波形にし、梯形波形の
動作角を小さくするにFET増幅部7でおこない動作角
の小さくなった梯形波形を電力増幅するにFET8に与
えると共に、出力整合部9において基本波f0のみが取
り出されるようになっている。
【0023】また、図3に示した本発明に係るプッシュ
プル電力増幅器の回路構成においては入力信号を梯形波
形にし、梯形波形の動作角を小さくさせて電力増幅さ
せ、この電力増幅した出力信号をプッシュプル電力増幅
器を動作させる励振段にすることは図1乃至図2に示す
電力増幅器のいずれかを用いれば良く、並列に設けた入
力整合部11−1,11−2及び電力増幅するFET増
幅部12−1,12−2と、共振回路とが設けられてお
り、これらの二つの組合せの入力側には位相反転部10
が設けられると共に出力側においても位相反転部14が
設けられている。
【0024】したがって励振段からの出力信号は位相反
転器10の入力へ供給され出力側には大きさ等しく位相
の異なる0゜と180゜の二つの梯形波形になり、入力
整合部11−1には位相角0゜、入力整合部11−2に
対しては位相角180゜梯形波形が与えられ、これらの
梯形波形を電力増幅するにFET増幅部12−1,12
−2でおこない、電力増幅された位相角180゜と0゜
の梯形波形は共振回路へ供給して梯形波形に保ち、二つ
の梯形波形は位相反転部14で位相反転されることによ
り基本波のみを取り出す。
【0025】このようにして本発明では、高効率電力増
幅器に不可欠な梯形波形をリミッタ回路で形成した。他
の実施例の発明では、梯形波形を発生させた梯形波形発
生部1に変わるものとして梯形発生部は高調波の電圧波
形の振幅と位相を調整して基本波と高調波とを合成して
梯形波形を形成した。両者の梯形波形の動作角を小さく
してFET電力増幅部へ供給することによりドレン電圧
の低い間にドレン電流が流れるので、電力付加効率を上
げることができ、図18及び図19に実線で示すように
入力電力が低い点から最大の電力付加効率を得ることが
出来る。
【0026】
【実施例】図4は本発明に係るシングル電力増幅器の回
路図を示したもので、この回路図において、図1に示し
た梯形波発生部1はリミッタ回路の抵抗10と二個のダ
イオ−ド11及び12と、ダイオ−ドにバイアス電圧を
与えるバイアス電源13及び14と、リミッタ回路から
の直流成分を除去する結合静電容量15と、リミッタ回
路から得られる梯形波形の周波数成分は基本波f0 と第
3高調波3f0 及び第5高調波5f0 (実際には、第7
高調波以上も含まれているが、電圧波形の振幅が小さい
ので無視できる)で、これらの高調波成分が最大レベル
でFETのゲ−トへ供給できるインピ−ダンス整合回
路16と、FETのバイアス電圧を与えるバイアス電
源17と、FETのゲ−トへ供給された梯形波形と同
じになるように並列共振回路18,19−1及び19−
2とを縦続接続回路にドレン電源43が接続されて構成
されている。
【0027】また、図1に示したFET増幅部2は、F
ETで増幅された梯形波形の動作角θ1 を決めるため
にFETでおこない。FETについては入力信号中
の直流成分を除去する結合静電容量20とゲ−トバイア
スVGSを与える為のバイアス電源21とドレンからの出
力信号に対して基本波f0 と第3高調波3f0 及び第5
高調波5f0 をそれぞれ取り出すために並列共振回路2
2と23及び24とが縦続接続されてドレン電源43に
接続されている。FETについてはFETの出力信
号を電力増幅する。FETの出力信号における直流成
分を除去する為の結合静電容量30とゲ−トバイアスV
GSを与える為のバイアス電源31とが設けられている。
【0028】そして出力整合部4においては、FET
の出力における第3高調波3f0 及び第5高調波5f0
を反射させる為の並列共振回路(阻止フィルタ)41及
び42と、同じくFETの出力における基本波f0 の
みを取り出す並列共振回路40と、この並列共振回路4
0の出力信号を取り出す変成器T1 と、この変成器T1
から更に基本波f0 を取り出す為の帯域通過フィルタ4
4で構成されており、並列共振回路40はドレン電源が
接続されている。
【0029】本発明に係るシングル電力増幅器の動作に
おいては、リミッタ回路に入力信号を供給したとき、そ
の基本周波数f0 と第3高調波3f0 及び第5高調波5
f0とが生じ、図5に示す梯形電圧波形が得られる。
【0030】図5に示す例では、梯形電圧波形の平坦な
部分は図9に示す基本波f0 の振幅を1とすると第3高
調波3f0 の振幅は1/6〜1/7にしたときの梯形波
形にほぼ等しい状態になるように図4に示す電圧E1 1
3と電圧E2 14の電圧を調整しておこなうと、図5に
示すように梯形電圧波形の平坦な部分が比較的広くなっ
ており、最も好ましい梯形波形となる。
【0031】このようにしてFETのドレンから得ら
れる梯形波形が図5に示す梯形電圧波形と同じであるこ
とと、最大出力が得られるようにドレン側に並列共振回
路18と19−1及び19−2を縦続接続してあり、そ
の出力がFETに与えるようになっており、このよう
にしてFETに供給され梯形波形は増幅され、FET
のドレン側で同じ梯形波形を保っために並列共振回路
22と23及び24を縦続接続してある。この梯形波形
をB級増幅するFETに供給し、電力増幅され並列共
振回路40と41及び42で最大出力が得られ、帯域通
過フィルタ44より基本波f0 が出力されるようになっ
ている。
【0032】図4に示した回路図では基本波f0 と第3
高調波3f0 及び第5高調波5f0を用いる場合を示
し、図5に示す理想的な梯形波形が得られても動作角θ
1 についてはその値を大きく取ると電力増幅器の電力付
加効率は低下するために電力付加効率が大きくなる動作
角θ1 になるようにバイアス電源21がバイアス電圧V
GSを設定することとなる。
【0033】梯形波形の理想的な動作角θ1 の値は図6
に示すように70゜〜74゜が最も好ましいことを実験
結果から確かめられている。
【0034】上記のような動作角θ1 を選定する方法に
ついてはFETのゲ−トへ供給するバイアス電源21
を図7に示すように遮断点以上に掛け、FETのドレ
ン側でサンプリングオシログラフで観測しながらほぼ7
4゜と思われる位置にバイアス電圧VGSを合わせる。
【0035】図19において、入力電力対出力電力及び
電力付加効率の特性曲線が示されており、増幅器の中心
周波数0.8GHz一定にして入力電力16から25d
Bmまで変化させたとき出力電力は29から39.5d
Bmまで、電力付加効率は45.5から61%まで変化
したことを示しており、携帯用電話などにおいて好まし
い特性となっていることが分かる。
【0036】図8は本発明に係る電力増幅部の回路図を
示したもので、この回路図では基本波f0 と第3高調波
3f0 とを用いている。
【0037】この回路図において、図2に示した高調波
発生部1は平衡形混合器50と局部発振器51とで構成
され、振幅位相調整部6は平衡形混合器50の出力信号
に含まれる種々の高調波の中から第3高調波3f0 のみ
を取り出す帯域通過フィルタ61と、この出力信号の位
相を変化させる移相器62と、この移相器62の出力信
号内の直流成分を除去する結合静電容量63と、平衡形
混合器50の出力信号の中から基本波f0 のみを取り出
す帯域通過フィルタ60と、ゲ−トバイアス電圧VGS6
7の直流成分を除去する結合静電容量64と、結合静電
容量63及び64の各出力信号を入力して合成するデュ
アルゲ−トFETと、このFETにゲ−トバイアス
電圧VGSを与えるバイアス電源67と、デュアルゲ−ト
FETのゲ−ト1とゲ−ト2の前に基本波f0 と第3
高調波3f0 の周波数成分が最大レベルで取り出される
整合回路65及び66とで構成されている。
【0038】また、図8に示したFETの出力信号の
中から基本波f0 と第3高調波3f0 をそれぞれ取り出
す為の並列共振回路68及び69を縦続接続回路で構成
されており、この縦続接続回路はドレン電源92に接続
されている。
【0039】更に、図2に示したFET増幅部7は、基
本波f0 と第3高調波3f0 の梯形波形(合成波形)の
動作角を決めるためにFETでおこない。FETに
ついてはFETの出力信号中の直流成分を除去する結
合静電容量70とゲ−トバイアスVGSを与える為のバイ
アス電源71とドレンからの出力信号に対して基本波f
0 及び第3高調波3f0 をそれぞれ取り出すために並列
共振回路72及び73とが縦続接続されてドレン電源9
2に接続されている。
【0040】FET増幅部8はFETについてはFE
Tの出力信号を電力増幅する。FETの出力信号に
おける直流成分を除去する為の結合静電容量80とゲ−
トバイアスVGSを与える為のバイアス電源81とが設け
られている。
【0041】そして出力整合部9においては、FET
の出力における第3高調波3f0 を反射させる為の並列
共振回路(阻止フィルタ)90と、同じくFETの出
力における基本波成分f0 のみを取り出す並列共振回路
91と、この並列共振回路91の出力信号を取り出す変
成器T2 と、この変成器T2 から更に基本波f0 を取り
出す為の帯域通過フィルタ93とで構成されており、並
列共振回路91はドレン電源92が接続されている。
【0042】このような本発明に係る電力増幅器の動作
においては、平衡形混合器50に局部発振器51の周波
数fL と入力信号を供給したとき、その基本周波数f0
と共に種々の高調波が生じるが、この内基本波f0 は帯
域通過フィルタ60により、また第3高調波3f0 は帯
域通過フィルタ61により得られ、この出力信号の電圧
波形の振幅の調整は帯域通過フィルタ21の結合度でお
こない、位相は移相器62により位相角をあわせること
によりFETで基本波f0 と第3高調波3f0 が合成
され、図9に示される梯形電圧波形(合成電圧波形)が
得られる。
【0043】図9に示す例では、基本波f0 の電圧波形
の振幅最大のθ=0の位置で第3高調波の電圧波形が逆
相になるように移相器62で調節する。そして基本波f
0 の振幅を1とすると第3高調波3f0 の振幅は1/6
〜1/7にした場合を示しており、梯形電圧波形の平坦
な部分が比較的広く擬似方形波に近くなっていることが
わかる。このような梯形電圧波形は最も好ましい。
【0044】このようにしてFETのドレンから得ら
れる梯形電圧波形が図9に示す梯形電圧波形と同じであ
ることと、最大出力が得られるようにドレン側に並列共
振回路68及び69を縦続接続してあり、その出力がF
ETに与えるようになっており、このようにしてFE
Tに供給される梯形電圧波形は増幅され、FETの
ドレン側で同じ梯形電圧波形に保っために並列共振回路
72及び73を縦続接続してある。この梯形電圧波形を
B級増幅するFETに供給し、電力増幅され並列共振
回路90及び並列共振回路91を介して変成器T2 より
最大出力が得られ、帯域通過フィルタ93より基本波成
分f0 が出力されるようになっている。
【0045】図8に示した回路図では基本波f0 と第3
高調波3f0 を用いる場合を示したが、基本波f0 と第
2高調波2f0 を用いても良く、この場合には帯域通過
フィルタ61は第2高調波2f0 の周波数に合せたもの
を、並列共振回路69、73、90も第2高調波2f0
の周波数に合せたものを用いると良い。
【0046】このように基本波f0 と第2高調波2f0
を用いた場合には、図10に示すように、基本波f0 の
電圧波形の振幅を1とすると第2高調波の電圧波形の振
幅は1/3で、第2高調波の位相角を45°遅らせれば
θ=0の位置で逆位相となり、梯形電圧波形の平坦な部
分が広くなり、高効率増幅器に不可欠な梯形電圧波形が
得られる。
【0047】図11に示す梯形電圧波形は基本波f0 と
第2高調波2f0 及び第3高調波3f0 を用いた場合を
示してあり、この場合には第2高調波2f0 の電圧波形
の振幅は1/7であり位相差は45°とし、第3高調波
3f0 の振幅は1/10である。FETのゲ−ト側に
は3分配回路を採用し、図8の回路構成とは別に第2高
調波2f0 の帯域通過フィルタと位相器を縦続接続し、
また並列共振回路69,73,90に加えて別の並列共
振回路2f0 をそれぞれ縦続接続する回路構成とすれば
良い。
【0048】上記のような各回路図を記述したように、
図9〜図11に示すような理想的な梯形電圧波形が得ら
れても動作角θ1 についてはその値を大きく取ると電力
増幅器の電力付加効率は低下するために電力付加効率が
大きくなる動作角θ1 になるように図8に示すバイアス
電源71がバイアス電圧VGSを設定することとなる。
【0049】この流通角2θ1 によってドレン効率がど
のように変化するかは図14に示した通りであるが、理
想的な動作角θ1 の値は図9の場合70゜〜74゜が最
も好ましいことを実験結果から確かめられている。ま
た、図10の場合78゜〜83゜の範囲内に、図11の
場合には75゜〜80゜範囲内に選べば良いことにな
る。
【0050】上記のような動作角θ1 を選定する方法に
ついてはFETのゲ−トへ供給するバイアス電源71
を図7に示すように遮断点以上にバイアス電圧VGSを掛
け、FETのドレン側でサンプリングオシログラフで
観測しながらほぼ74゜と思われる位置にバイアス電圧
VGSを合わせる。
【0051】図8の電力増幅器の入力電力対出力電力及
び電力付加効率の特性曲線が図18に示されており、増
幅器の中心周波数0.8GHz一定にして入力電力16
から25dBmまで変化させたとき出力電力は29から
36.9dBmまで、電力付加効率は44から62.5
%まで変化したことを示しており、図15に示した高効
率増幅器の場合の電力付加効率(図18の一点斜線を参
照)より4.5%大きく得られており、携帯用電話など
において好ましい特性となっていることが分かる。
【0052】図12は図3に示した本発明に係るプッシ
ュプル電力増幅器の回路図を示したものであり、このは
回路図は図4に示すシングル電力増幅器のFETはプ
ッシュプル電力増幅器を動作させる励振段の役目をな
し、FETのドレン側には並列共振器32、33及び
34が縦続接続してあり、並列共振器32へドレン電源
35が接続してある。結合静電容量101はドレンの直
流電圧を除去するためにある。FETのドレンに接続
された並列共振器の両端には電力増幅された梯形波形が
生じ、その出力をFETのドレン側から結合静電容量
101を介して3dB180゜ハイブリッド結合器HC
102(位相反転部)の入力へ供給され出力側には大き
さ等しく位相の異なる0゜および180゜の二つの梯形
電圧波形が生じ、入力整合部11−1には位相角0゜、
入力整合部11−2に対しては位相角180゜の梯形波
形がそれぞれ最大レベルで取り出せるように入力整合
し、これらの梯形波形を電力増幅するにFET増幅部1
2−1,12−2でおこない、電力増幅された位相角1
80゜の出力は並列共振回路13−10,13−20及
び13−30、電力増幅された位相角0゜の出力には並
列共振回路13−11,13−21及び13−31,で
梯形波形が保てる。位相角180゜及び0゜の梯形波形
の出力は結合静電容量131及び132を介して3dB
180゜ハイブリッド結合器HC141(位相反転部)
へ供給して位相反転をおこない基本波f0のみ取り出す
帯域通過フィルタ151から出力させている。
【0053】
【発明の効果】以上記述したように本発明に係る電力増
幅器については、入力信号から基本波並びに高調波を発
生させ、基本波と第2高調波又は基本波と第3高調波そ
して基本波と第2高調波及び第3高調波との組合せ、そ
れらの振幅を調整して高調波の電圧波形の位相を基本波
のθ=0の位置で逆位相になるようにして梯形電圧波形
にした。またリミッタ回路を用いて梯形電圧波形も形成
した。両者の電圧波形を最小の動作角にして電力増幅し
た後基本波のみを取り出したので、移動用または電話用
の送信機において音声波を電力増幅する場合には最適な
動作角で梯形電圧波を形成したので電力付加効率の高い
電力増幅を行うことが出来ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシングル電力増幅器の構成を原理
的に示した回路図である。
【図2】本発明に係るシングル電力増幅器の構成を実施
例で示した回路図である。
【図3】本発明に係るプッシュプル電力増幅器の構成を
実施例で示した回路図である。
【図4】本発明に係るシングル電力増幅器(基本波+第
3高調波+第5高調波の場合)を示した回路図である。
【図5】本発明による基本波と第3高調波成分及び第5
高調波成分とを合成して得られた梯形電圧波形を示す波
形図である。
【図6】本発明により与えられる梯形電圧波形の動作角
を74゜としたときの出力波形を示す波形図である。
【図7】本発明により与えられる梯形電圧波形(合成電
圧波形)の動作角の決めたときの出力波形の関係を示す
波形図である。
【図8】本発明に係るシングル電力増幅器(基本波+第
3高調波の場合)を示した回路図である。
【図9】本発明による基本波と第3高調波とを合成して
得られた梯形電圧波形(合成電圧波形)を示す波形図で
ある。
【図10】本発明による基本波と第2高調波とを合成し
て得られた梯形電圧波形(合成電圧波形)を示す波形図
である。
【図11】本発明による基本波と第2高調波及び第3高
調波とを合成して得られた梯形電圧波形(合成電圧波
形)を示す波形図である。
【図12】本発明に係るプッシュプル電力増幅器(基本
波+第3高調波+第5高調波の場合)の回路図である。
【図13】C級電力増幅を行う場合のドレン電圧の波形
を示した曲線図である。
【図14】C級電力増幅器流通角とドレン効率との関係
を示した特性曲線図である。
【図15】従来のシングル電力増幅器の回路図である。
【図16】従来のシングル電力増幅器の入力波形と出力
波形を示す波形図である。
【図17】従来のシングル電力増幅器(基本波+第3高
調波の場合)の回路図である。
【図18】本発明及び従来のシングル電力増幅器の入力
電力に対する出力電力及び電力付加効率を示した特性曲
線図である。
【図19】本発明のシングル電力増幅器の入力電力に対
する出力電力及び電力付加効率を示した特性曲線図であ
る。
【符号の説明】
1 梯形波発生部 2 FET増幅部 3 FET増幅部 4 出力整合部 5 高調波発生部 (5−1)平衡形混合器 (5−2)局部発振器 6 振幅位相調整部 7 FET増幅部 8 FET増幅部 9 出力整合部 10 位相反転部 11 入力整合部 12 FET増幅部 13 共振回路 14 位相反転部 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本波を入力して梯形波形を発生する梯
    形波発生部(1)と、 該梯形波発生部(1)で発生された梯形波形の動作角を
    小さくして増幅するFET増幅部(2)と、 該FET増幅部(2)の出力信号をさらに電力増幅する
    FET増幅部(3)と、該FET増幅部(3)の出力信
    号の内から基本波のみを取り出す出力整合部(4)と、 を備えたことを特徴とする電力増幅器。
  2. 【請求項2】 基本波と局部発振器(5−2)の周波数
    を平衡形混合器(5−1)に入力して高調波を発生する
    高調波発生部(5)と、 該高調波発生部(5)で発生された高調波成分のうちの
    第3高調波のみを取り出してその振幅及び位相を該基本
    波に対して調整して該基本波と合成することにより梯形
    波形を形成する振幅位相調整部(6)と、 該振幅位相調整部(6)の出力から得られる梯形波形の
    動作角を小さくして増幅するFET増幅部(7)と、 該FET増幅部(7)の出力信号をさらに電力増幅する
    FET増幅器(8)と、 該FET増幅器(8)の出力信号の内、該基本波のみを
    取り出す出力整合部(9)と、 を備えたことを特徴とする電力増幅器。
  3. 【請求項3】 該第3高調波の代わりに第2高調波を用
    いて梯形波形を形成して使用することを特徴とした請求
    項2記載の電力増幅器。
  4. 【請求項4】 該第3高調波の代わりに第2高調波及び
    第3高調波を用いて梯形波形を形成して使用することを
    特徴とした請求項2記載の電力増幅器。
  5. 【請求項5】 基本波を入力して梯形波形を発生する梯
    形波発生部(1)と、該梯形波発生部で発生された梯形
    波形の動作角を小さくして増幅するFET増幅部(2)
    と、 該FET増幅部の出力信号をさらに電力増幅するFET
    増幅部(3)と、該FET増幅部(3)の出力信号を位
    相角0゜と180゜に位相反転する位相反転部(10)
    と、 該位相反転部(10)の出力から得られる位相角0゜の
    出力信号を最大のレベルで取り出す入力整合部(11−
    1)及び該入力整合部(11−1)の出力信号を電力増
    幅するFET増幅部(12−1)と、 前記入力整合部(11−1)及びFET増幅部(12−
    1)に並列に設けられ、前記位相反転部(10)の出力
    から得られる位相角180゜の出力信号を最大レベルで
    取り出す入力整合部(11−2)及び該入力整合部(1
    1−2)の出力信号を電力増幅するFET増幅部(12
    −2)と、 前記FET増幅部(12−1)及びFET増幅部(12
    −2)の夫々から得られる梯形波形を保つための共振回
    路(13)と、 該共振回路(13)の出力から電力増幅された位相角1
    80゜と0゜の二つの出力信号を位相反転させて基本波
    を取り出す位相反転部(14)とでプッシュプル構成す
    ることを特徴とした電力増幅器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013539932A (ja) * 2010-09-09 2013-10-28 エムケーエス インスツルメンツ,インコーポレイテッド トランジスタ入力を不整合にする電力増幅器
JP2014179738A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Toshiba Corp 高周波広帯域増幅回路

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US9209760B2 (en) 2013-03-14 2015-12-08 Kabushiki Kaisha Toshiba High-frequency, broadband amplifier circuit

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