JP6482685B2 - 高周波増幅器及び増幅器モジュール - Google Patents

高周波増幅器及び増幅器モジュール Download PDF

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Description

この発明は、信号を増幅する複数のトランジスタが縦続に接続されている高周波増幅器と、複数の高周波増幅器を実装している増幅器モジュールとに関するものである。
例えば、非特許文献1に開示されている高周波増幅器は、信号を増幅するトランジスタの入出力端子に対して、高調波で4分の1波長の長さを有するオープンスタブと、位相調整線路とからなる高調波整合回路が接続されている。
トランジスタの入出力端子に高調波整合回路が接続されているため、高効率な動作を実現することができる。
K. Yamanaka, Y. Tuyama, H. Ohtsuka, S. Chaki, M. Nakayama, and Y. Hirano, "Internally-matched GaN HEMT High Efficiency Power Amplifier for Space Solar Power Stations," APMC2010, pp.119 - 122, DEC, 2010.
従来の高周波増幅器は以上のように構成されているので、多段に縦続接続される場合、トランジスタの段間には高調波整合回路が接続される。この高調波整合回路は、オープンスタブを用いて構成しているため、前段側のトランジスタにより増幅された信号に含まれている高調波についてのショート点が、前段側のトランジスタと後段側のトランジスタとを繋ぐ主線路に形成される。このため、前段側のトランジスタにより増幅された信号に含まれている高調波が当該ショート点で反射されて、その高調波が前段側のトランジスタに戻り、その高調波が後段側のトランジスタには供給されない。したがって、後段側のトランジスタでは、信号を増幅するに際して、前段側のトランジスタにより増幅された信号に含まれている高調波を利用することができないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、後段側のトランジスタが信号を増幅する際、前段側のトランジスタにより増幅された信号に含まれている高調波を利用することができる高周波増幅器を得ることを目的とする。
また、この発明は、上記の高周波増幅器を複数実装している増幅器モジュールを得ることを目的とする。
この発明に係る高周波増幅器は、信号を増幅する前段側のトランジスタと、前段側のトランジスタと縦続に接続されており、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を利用して、増幅後の信号を増幅する後段側のトランジスタと、前段側のトランジスタと後段側のトランジスタとの段間に接続されており、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波の通過を阻止して、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を後段側のトランジスタに供給する高調波供給回路と、高調波供給回路と並列に接続されており、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の通過を阻止して、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタに供給する基本波供給回路とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、前段側のトランジスタと後段側のトランジスタとの段間に接続されており、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波の通過を阻止して、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を後段側のトランジスタに供給する高調波供給回路と、高調波供給回路と並列に接続されており、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の通過を阻止して、前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタに供給する基本波供給回路とを備えるように構成したので、後段側のトランジスタが信号を増幅する際、前段側のトランジスタにより増幅された信号に含まれている高調波を利用することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による高周波増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による高周波増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による高周波増幅器の基本波供給回路10を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による高周波増幅器を示す構成図である。 高調波と基本波の位相差と、トランジスタ2の動作効率との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態4による高周波増幅器を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面にしたがって説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波増幅器を示す構成図である。
図1では、2つのトランジスタが縦続に接続されている高周波増幅器の例を示しているが、3つ以上のトランジスタが縦続に接続されている高周波増幅器であってもよい。
図1において、トランジスタ1は信号を増幅する前段側のトランジスタである。
トランジスタ2はトランジスタ1により増幅された信号を増幅する後段側のトランジスタである。
この実施の形態1では、トランジスタ1,2がバイポーラトランジスタである例を説明する。図1では、トランジスタ1,2の入力端子がベース端子1a,2a、トランジスタ1,2の出力端子がコレクタ端子1b,2bであり、トランジスタ1,2のエミッタ端子1c,2cがグランドと接続されている例を示している。ただし、トランジスタ1,2の入力端子及び出力端子の接続形態はあくまで一例である。
この実施の形態1では、トランジスタ1,2がバイポーラトランジスタである例を説明するが、トランジスタ1,2がバイポーラトランジスタであるものに限るものではなく、例えば、電界効果トランジスタなどであってもよい。例えば、トランジスタ1,2が電界効果トランジスタであれば、トランジスタ1,2の入力端子がゲート端子、トランジスタ1,2の出力端子がドレイン端子、トランジスタ1,2のソース端子がグランドと接続される接続形態などが考えられる。
高調波供給回路3はトランジスタ1の出力端子であるコレクタ端子1bと、トランジスタ2の入力端子であるベース端子2aとの間に接続され、前段側のトランジスタ1により増幅された信号に含まれている基本波の通過を阻止して、その信号に含まれている高調波を後段側のトランジスタ2に供給する回路である。
高調波供給回路3の回路構成として、例えば、トランジスタ1により増幅された信号に含まれている高調波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る高調波整合回路などが考えられる。
基本波供給回路4は高調波供給回路3と並列に接続されており、前段側のトランジスタ1により増幅された信号に含まれている高調波の通過を阻止して、その信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタ2に供給する回路である。
基本波供給回路4の回路構成として、例えば、トランジスタ1により増幅された信号に含まれている基本波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る基本波整合回路などが考えられる。
バイアス回路5はトランジスタ2のベース端子2aにバイアス電圧を印加する回路である。
図1では、バイアス回路5が、トランジスタ2のベース端子2aと接続されている例を示しているが、トランジスタ1とトランジスタ2の間であれば、接続箇所はどこでもよく、例えば、トランジスタ1のコレクタ端子1bと接続されていてもよい。
次に動作について説明する。
トランジスタ1は、増幅対象の信号であるRF(radio frequency)信号が入力端子であるベース端子1aから入力されると、そのRF信号を増幅し、出力端子であるコレクタ端子1bから増幅後のRF信号を出力する。
高調波供給回路3は、トランジスタ1のコレクタ端子1bから増幅後のRF信号を受けると、そのRF信号に含まれている基本波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている高調波を後段側のトランジスタ2のベース端子2aに供給する。
基本波供給回路4は、トランジスタ1のコレクタ端子1bから増幅後のRF信号を受けると、そのRF信号に含まれている高調波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタ2のベース端子2aに供給する。
トランジスタ2は、高調波供給回路3から高調波がベース端子2aに供給され、基本波供給回路4から基本波がベース端子2aに供給されると、その基本波と高調波が重ね合されている信号を増幅し、出力端子であるコレクタ端子2bから増幅後の信号を出力する。
ここで、トランジスタ2は、高効率な動作を実現するために、高効率動作の実現が可能なF級増幅器や、逆F級増幅器などが用いられることがある。
F級増幅器や逆F級増幅器などの高効率増幅器では、増幅素子であるトランジスタの出力側に高調波の電力を反射させる反射回路を備えており、その反射回路が、トランジスタの非線形性に起因して生じる高調波の電力をトランジスタ側に反射させ、トランジスタが、RF信号を増幅する際、その高調波の電力を利用することで、高効率な動作を実現している。
高効率増幅器では、入力端子から電流がトランジスタに供給されている際に、そのトランジスタの出力端子に現れる電圧と、その電流との積である電力が最小になるときに、最も高効率な動作が実現される。即ち、その電流の波形と、その電圧の波形との重なりが最小になるときに、最も高効率な動作が実現される。
例えば、高効率増幅器がF級増幅器である場合、その電流波形と電圧波形の重なりが最小になるのは、その電流波形が矩形波f(x)になるときであり、また、高効率増幅器が逆F級増幅器である場合、その電流波形と電圧波形の重なりが最小になるのは、その電圧波形が矩形波f(x)になるときである。
このとき、矩形波f(x)の基本波及び高調波の成分をフーリエ級数で展開すると、下記の式(1)のようになる。
Figure 0006482685
式(1)において、xは基本波の位相である。
式(1)より、振幅が小さい5倍波以上の高調波を無視すると、基本波の振幅に対して、3倍波の高調波の振幅が3分の1になるとき、電流波形又は電圧波形が矩形波f(x)に近づいて、効率が向上する。
したがって、トランジスタ2が、入力端子であるベース端子2aから入力される基本波と比べて、振幅が3分の1である3倍波の高調波が入力されるときに、高効率な動作が実現される。
トランジスタ2が、F級増幅器や逆F級増幅器などの高効率増幅器で構成されている場合、反射回路を備えているため、RF信号を増幅する際、トランジスタ2の非線形性に起因して生じる3倍波の高調波の電力を利用することができるが、一般的に、トランジスタ2の非線形性に起因して生じる3倍波の高調波の電力は小さく、3倍波の高調波の振幅は、基本波の振幅の3分の1よりかなり小さい。
したがって、トランジスタ1とトランジスタ2の段間に、高調波供給回路3が接続されていなければ、トランジスタ2を高効率で動作させることが困難であるが、この実施の形態1では、前段側のトランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する高調波供給回路3がトランジスタ1とトランジスタ2の段間に接続されているため、3倍波の高調波の振幅を、基本波の振幅の3分の1に近づけて、トランジスタ2の効率を高めることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、前段側のトランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている基本波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている高調波を後段側のトランジスタ2に供給する高調波供給回路3と、前段側のトランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタ2に供給する基本波供給回路4とを備えるように構成したので、後段側のトランジスタ2がRF信号を増幅する際、前段側のトランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波を利用することができる。したがって、後段側のトランジスタ2の高効率動作を実現することができる効果が得られる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、トランジスタ2のベース端子2aにバイアス電圧を印加するバイアス回路5が、トランジスタ2のベース端子2aと接続されているものを示したが、バイアス回路が基本波供給回路の内部に実装されているものであってもよい。
図2はこの発明の実施の形態2による高周波増幅器を示す構成図であり、図2において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
基本波供給回路10は高調波供給回路3と並列に接続されており、図1の基本波供給回路4と同様に、前段側のトランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている基本波を後段側のトランジスタ2に供給する回路である。
基本波供給回路10は、図1の基本波供給回路4と異なり、内部にバイアス回路を実装している。
図3はこの発明の実施の形態2による高周波増幅器の基本波供給回路10を示す構成図であり、図3において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。図3では、図面の簡略化のため、高調波供給回路3を省略している。
主線路11はトランジスタ1のコレクタ端子1bとトランジスタ2のベース端子2aとを繋いでいる線路である。
基本波整合回路12は例えば低域通過フィルタ、高域通過フィルタ又は帯域通過フィルタを含むフィルタ回路12a,12b、あるいは、それらのフィルタが組み合わされているフィルタ回路12a,12bから構成されており、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている基本波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る回路である。
ここでは、2つのフィルタ回路12a,12bから構成されている基本波整合回路12の例を示しているが、基本波整合回路12は、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている基本波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する回路であればよく、フィルタ回路12a,12bから構成されているものに限るものではない。
例えば、高調波の通過を阻止して、基本波の通過を許容する機能を有する基本波の波長の4分の1の長さを有する伝送線路、インピーダンス変換トランス、あるいは、インピーダンス変換バランなどから基本波整合回路12を構成することができる。
バイアス回路13は主線路11とシャントに接続され、トランジスタ2のベース端子2aにバイアス電圧を印加する回路であり、バイアス回路13は、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波についてのショート点を主線路11に形成するように作用する。
伝送線路13aは一端がフィルタ回路12aとフィルタ回路12bの接合点12cに接続され、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている基本波の波長の4分の1の長さを有する線路である。
DCカット回路13bは伝送線路13aの他端とグランド間に接続されて、直流成分を遮断する回路であり、例えば、コンデンサ、オープンスタブ、基本波の波長の4分の1より長い線路を有するショートスタブ、あるいは、インターデジタルキャパシタなどから構成される。
電源13cは伝送線路13aの他端とグランド間に接続されており、バイアス電圧を出力する。
次に動作について説明する。
基本波供給回路10以外は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは、基本波供給回路10について説明する。
基本波供給回路10の基本波整合回路12は、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の通過を阻止して、そのRF信号に含まれている基本波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する回路である。
したがって、トランジスタ1のコレクタ端子1bから出力されたRF信号に含まれている高調波は、理想的には、基本波整合回路12を通過しないが、高調波の若干の電力が基本波整合回路12を通過する可能性がある。
しかし、この実施の形態2では、主線路11とシャントに接続されているバイアス回路13の伝送線路13aが、基本波の波長の4分の1の長さを有する線路であるため、基本波整合回路12におけるフィルタ回路12aとフィルタ回路12bの接合点12cからバイアス回路13側を見込んだインピーダンスが、基本波でオープン、偶数倍波の高調波でショートとなる。
このため、フィルタ回路12aとフィルタ回路12bの接合点12cに、偶数倍波の高調波についてのショート点が形成される。
したがって、トランジスタ1のコレクタ端子1bから出力されたRF信号に含まれている偶数倍波の高調波は、ショート点が形成されている接合点12cで反射されて、トランジスタ1のコレクタ端子1b側に戻るため、そのRF信号に含まれている偶数倍波の高調波がトランジスタ2のベース端子2aに供給されなくなる。
つまり、バイアス回路13は、偶数倍波の高調波の遮断機能を備えており、基本波整合回路12だけで基本波供給回路10を構成する場合よりも、偶数倍波の高調波の遮断性能を高めることができる。
この実施の形態2では、バイアス回路13が、偶数倍波の高調波の遮断機能を備えているものを示したが、例えば、オープンスタブを接合点12cに接続するなどによって、奇数倍波の高調波の遮断機能を備えるようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、基本波供給回路10が、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている基本波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る基本波整合回路12と、主線路11とシャントに接続され、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波についてのショート点を主線路11に形成するバイアス回路13とから構成されているので、図1の基本波供給回路4よりも、偶数倍波の高調波の遮断性能を高めることができる。したがって、上記実施の形態1よりも確実にトランジスタ2の高効率動作を実現することができる効果が得られる。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、高調波供給回路3が、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る高調波整合回路で構成されている例を示したが、その高調波整合回路と、高調波の位相を調整する位相調整器とから構成されているものであってもよい。
図4はこの発明の実施の形態3による高周波増幅器を示す構成図であり、図4において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
高調波供給回路20は高調波整合回路21と位相調整器22から構成されている。
高調波整合回路21は例えば高域通過フィルタなどから構成され、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る回路である。
位相調整器22は高調波整合回路21を通過した高調波の位相を調整する回路である。
次に動作について説明する。
上記実施の形態1,2では、電流波形又は電圧波形を矩形波f(x)に近づけて、トランジスタ2の動作効率を高めるために、RF信号に含まれている高調波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する高調波供給回路3をトランジスタ1とトランジスタ2の段間に接続している。
しかし、トランジスタ2のベース端子2aに供給する高調波と基本波の位相差と、トランジスタ2の動作効率との間には一定の関係があるため、高調波の位相を調整すれば、さらに、トランジスタ2の動作効率を高めることができることがある。
図5は高調波と基本波の位相差と、トランジスタ2の動作効率との関係を示す説明図である。
図5において、横軸に示している∠Γ(2f)は、RF信号に含まれている2倍波の高調波と基本波との位相差を示し、縦軸に示しているΔPAEはトランジスタ2の動作効率を示している。
位相差とトランジスタ2の動作効率との関係は、前段側のトランジスタ1のサイズや、RF信号の周波数などによって変化するが、図5の例では、位相差が約215[deg]のとき、トランジスタ2の動作効率が最高になっている。以下、トランジスタ2の動作効率が最高になるときの位相差を∠Γs,maxで表すものとする。
位相調整器22は、事前に設定されている位相調整量ΔMだけ、高調波整合回路21を通過した高調波の位相を調整し、位相調整後の高調波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する。
一般的に、高周波増幅器による増幅対象の信号であるRF信号に含まれている2倍波の高調波と基本波との位相差∠Γは、設計段階で既知である。
このため、高調波整合回路21により調整された高調波の位相と、基本波との位相差∠Γs,modが、トランジスタ2の動作効率が最高になる位相差∠Γs,maxと一致するように、高調波整合回路21の位相調整量ΔMが事前に設定される。
ΔM=|∠Γs,mod−∠Γ| (2)
これにより、位相調整器22が事前に設定されている位相調整量ΔMだけ、高調波整合回路21を通過した高調波の位相をプラス方向又はマイナス方向に調整することで、位相差∠Γs,modが、トランジスタ2の動作効率が最高になる位相差∠Γs,maxと一致するようになる。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、高調波供給回路20が、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている高調波の周波数で、トランジスタ1の出力インピーダンスと、トランジスタ2の入力インピーダンスとの整合を図る高調波整合回路21と、高調波整合回路21を通過した高調波の位相を調整する位相調整器22とから構成されているので、上記実施の形態1,2よりも更にトランジスタ2の動作効率を高めることができる効果がある。
この実施の形態3では、高調波整合回路21の出力側に位相調整器22が接続されている例を示しているが、高調波整合回路21の入力側に位相調整器22が接続されているものであってもよい。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、高周波増幅器が、高調波整合回路21と位相調整器22から構成されている高調波供給回路20を実装しているものを示したが、高調波供給回路20が、さらに、高調波の振幅を減衰させる高調波減衰器を備えるようにしてもよい。
図6はこの発明の実施の形態4による高周波増幅器を示す構成図であり、図6において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
高調波供給回路30は高調波整合回路21、位相調整器22及び高調波減衰器31から構成されている。
高調波減衰器31は位相調整器22により位相が調整された高調波の振幅を減衰させる回路である。
上記実施の形態1〜3では、電流波形又は電圧波形を矩形波f(x)に近づけて、トランジスタ2の動作効率を高めるために、RF信号に含まれている高調波をトランジスタ2のベース端子2aに供給する高調波供給回路3又は20をトランジスタ1とトランジスタ2の段間に接続している。
式(1)から明らかなように、5倍波以上の高調波を無視すると、トランジスタ2のベース端子2aに供給する3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1であるときにトランジスタ2の動作効率が最も高くなり、3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1よりも大きくなると、トランジスタ2の動作効率が低下する。
一般的には、トランジスタ1により増幅されたRF信号に含まれている3倍波の高調波の振幅は、基本波の振幅の3分の1よりも、かなり小さいため、高調波供給回路3又は20が、RF信号に含まれている高調波をトランジスタ2のベース端子2aに供給しても、3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1よりも大きくなることは少ない。
しかし、前段側のトランジスタ1のサイズが大きくて、トランジスタ1から出力されるRF信号の電力が大きい場合や、そのRF信号の周波数が低い場合などでは、トランジスタ1から出力されるRF信号に含まれている高調波の振幅が大きくなり、その結果、トランジスタ2のベース端子2aに供給される3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1よりも大きくなることがある。
そこで、この実施の形態4では、3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1よりも大きくなる場合でも、トランジスタ2の高い動作効率を実現するため、高調波供給回路30が、高調波の振幅を減衰させる高調波減衰器31を備えている。
なお、高調波供給回路30が、高調波整合回路21を備えることで、トランジスタ2のベース端子2aにおいて、3倍波の高調波の振幅がどのぐらいの大きさになるかは、設計段階で既知である。このため、この実施の形態4では、3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1と一致するような減衰量が高調波減衰器31に事前に設定されているものとする。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、高調波供給回路30が、高調波の振幅を減衰させる高調波減衰器31を備えるように構成したので、高調波供給回路30が、高調波整合回路21を実装することで、3倍波の高調波の振幅が、基本波の振幅の3分の1よりも大きくなる場合でも、トランジスタ2の高い動作効率を実現することができる効果を奏する。
この実施の形態4では、位相調整器22の出力側に高調波減衰器31が接続されている例を示しているが、高調波整合回路21の入力側又は位相調整器22の入力側に高調波減衰器31が接続されているものであってもよい。
また、位相調整器22が高調波供給回路30に実装されておらず、高調波整合回路21の入力側又は出力側に高調波減衰器31が接続されているものであってもよい。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、後段側のトランジスタ2の高効率動作を実現することができる高周波増幅器を示したが、上記実施の形態1〜4のうち、いずれかの実施の形態の高周波増幅器を複数実装している増幅器モジュール、即ち、いずれかの実施の形態の高周波増幅器を複数直列に接続している信号線路や、いずれかの実施の形態の高周波増幅器が挿入されている信号線路を複数備えている増幅器モジュールを得るようにしてもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る高周波増幅器は、縦続に接続されているトランジスタのうち、後段側のトランジスタの動作効率を高めて、全体の動作効率を高める必要があるものに適している。
1 トランジスタ(前段側のトランジスタ)、1a ベース端子、1b コレクタ端子、1c エミッタ端子、2 トランジスタ(後段側のトランジスタ)、2a ベース端子、2b コレクタ端子、2c エミッタ端子、3 高調波供給回路、4 基本波供給回路、5 バイアス回路、10 基本波供給回路、11 主線路、12 基本波整合回路、12a,12b フィルタ回路、12c 接続点、13 バイアス回路、13a 伝送線路、13b DCカット回路、13c 電源、20 高調波供給回路、21 高調波整合回路、22 位相調整器、30 高調波供給回路、31 高調波減衰器。

Claims (5)

  1. 信号を増幅する前段側のトランジスタと、
    前記前段側のトランジスタと縦続に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を利用して、前記増幅後の信号を増幅する後段側のトランジスタと、
    前記前段側のトランジスタと前記後段側のトランジスタとの段間に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波の通過を阻止して、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を前記後段側のトランジスタに供給する高調波供給回路と、
    前記高調波供給回路と並列に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の通過を阻止して、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波を前記後段側のトランジスタに供給する基本波供給回路と
    を備えた高周波増幅器。
  2. 前記基本波供給回路は、
    前記前段側のトランジスタと前記後段側のトランジスタとを繋ぐ主線路に挿入され、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波の周波数で、前記前段側のトランジスタの出力インピーダンスと、前記後段側のトランジスタの入力インピーダンスとの整合を図る基本波整合回路と、
    前記主線路とシャントに接続され、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波についてのショート点を前記主線路に形成するバイアス回路とを備えていることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
  3. 前記高調波供給回路は、
    前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の周波数で、前記前段側のトランジスタの出力インピーダンスと、前記後段側のトランジスタの入力インピーダンスとの整合を図る高調波整合回路と、
    前記高調波の位相を調整する位相調整器とを備えていることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
  4. 前記高調波供給回路は、
    前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の周波数で、前記前段側のトランジスタの出力インピーダンスと、前記後段側のトランジスタの入力インピーダンスとの整合を図る高調波整合回路と、
    前記高調波の振幅を減衰させる高調波減衰器とを備えていることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
  5. 信号を増幅する高周波増幅器を複数備えており、
    前記高周波増幅器は、
    信号を増幅する前段側のトランジスタと、
    前記前段側のトランジスタと縦続に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を利用して、前記増幅後の信号を増幅する後段側のトランジスタと、
    前記前段側のトランジスタと前記後段側のトランジスタとの段間に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波の通過を阻止して、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波を前記後段側のトランジスタに供給する高調波供給回路と、
    前記高調波供給回路と並列に接続されており、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている高調波の通過を阻止して、前記前段側のトランジスタによる増幅後の信号に含まれている基本波を前記後段側のトランジスタに供給する基本波供給回路とを備えていることを特徴とする増幅器モジュール。
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