JPH068978U - 隠蔽用粘着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 葉書の文字記載面の隠蔽用に用いられる粘着
シートにおいて、記載内容の読み取り時に葉書から剥離
される表紙の剥離性の均一化を図る。 【構成】 隠蔽性を有する表紙１の裏面に第１樹脂層
２、第２樹脂層３、粘着剤層４を順に設ける。粘着剤層
４上に離型紙５を接着する。第１樹脂層２を無極性高分
子で形成する。第２樹脂層３を極性高分子で形成して無
極性高分子と極性高分子の表面張力の相違によって第１
樹脂層２と第２樹脂層３間における剥離を容易とする。
葉書の文書記載面の隠蔽に際しては、離型紙５を剥離し
て葉書に貼付け、表紙１によって文書記載面を隠蔽す
る。記載内容の読み取りに際しては、第１樹脂層２と第
２樹脂層３間を剥離して表紙１を取り除く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、葉書の記載内容を受取人以外に見られるのを防止する場合等に使 用される隠蔽用粘着シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、記載事項を受取人以外に見られることを避ける文書を封書を郵送する代 りに、受取人が被覆を除去して記載内容を知ることができるようにした形式の葉 書が利用されるようになっている。

【０００３】 この形式の葉書は、隠蔽性を有する表紙の裏面に透明フィルムを熱可塑性樹脂 を介して低温溶融接着又は加圧接着して透明フィルムの剥離を容易とし、その透 明フィルムの裏面に粘着剤層を設けた粘着シートを葉書の文書記載面に貼り付け て複層化するもので、受取人が表紙をはがせば透明フィルムで被覆された文書が 現れ、受取人は透明フィルムを透して記載内容を知ることができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記複層化構造の葉書においては、透明フィルムを低温溶融接着又 は加圧接着する際の温度管理又は圧力管理がきわめて困難であり、表紙の剥離性 にバラツキが発生し易く、コストも高いという問題がある。

【０００５】 この考案は、上記の問題点を解決し、隠蔽性を有する表紙の剥離性の均一化を 図ること、および、コストの低減を図ることを技術的課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案においては、隠蔽性を有する表紙の裏 面に、無極性高分子から成る第１樹脂層と、極性高分子から成る第２樹脂層と、 粘着剤層とを順に設け、上記粘着剤層の裏面に離型紙を接着した構成を採用した のである。

【０００７】

【作用】

上記のように構成すれば、無極性高分子から成る第１樹脂層の表面張力は、極 性高分子から成る第１樹脂層と比較して著しく低いため、第１樹脂層と第２樹脂 層とは密着状態に保持されるが完全な接着状態とならず、その第１樹脂層と第２ 樹脂層の界面において容易に剥離させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【０００９】 図１に示すように、隠蔽性を有し、印刷性に優れた表紙１の裏面には無極性高 分子から成る第１樹脂層２と、極性高分子から成る第２樹脂層３と、粘着剤層４ とが順に設けられ、上記粘着剤層４上に離型紙５が接着されている。

【００１０】 ここで、第１樹脂層２を形成する無極性高分子として、ポリエチレン、ポリプ ロピレン等を挙げることができ、経済性、加工性の面においてポリエチレンを用 いるのが好ましい。

【００１１】 一方、第２樹脂層３を形成する極性高分子として、ウレタン樹脂、アクリル樹 脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、ビニル系樹脂等を挙げること ができる。

【００１２】 また、粘着剤層４として、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤を用いること ができる。

【００１３】 上記の構成から粘着シートの製造に際しては、表紙１の裏面に高密度ポリエチ レン等から成る無極性高分子樹脂を溶融押出して第１樹脂層２を形成し、その第 １樹脂層２上にウレタン樹脂等から成る極性高分子を塗布し、乾燥させて表面基 材Ａを形成する。この表面基材Ａとは別に、離型紙５上にアクリル樹脂系粘着剤 を塗布して乾燥させたのち、上記表面基材Ａに貼り合わせる方法を採用すること ができる。

【００１４】 上記の構成から成る粘着シートにおいて、第１樹脂層２を形成する無極性高分 子は、第２樹脂層３を形成する極性高分子に比較して表面張力が著しく低いため 、第１樹脂層２と第２樹脂層３は密着状態に保持されるが接着状態とはならず、 第１樹脂層２と第２樹脂層３の界面において容易に剥離させることができる。

【００１５】 葉書の記載内容の隠蔽に際しては、離型紙５を剥離し、図２に示すように、葉 書１０の文書記載面に表面基材Ａに残る粘着剤層４を接着する。その接着により 、葉書１０の文書記載面は表紙１によって隠蔽される。

【００１６】 記載内容の読み取りに際しては、第１樹脂層２と第２樹脂層３間より剥離して 表紙１を取り除き、第２樹脂層３および粘着剤層４を透かして記載内容を読み取 る。

【００１７】 粘着シートの上記のような使用方法は、葉書の差出し人および受取り人の双方 に知らせる必要があるため、表紙１にはその使用方法が印刷されている。

【００１８】 なお、第１樹脂層２を形成する無極性高分子は着色された隠蔽性を有するもの であってもよい。そのような無極性高分子を用いることによって隠蔽性をさらに 向上させることができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように、この考案に係る粘着シートにおいては、第１樹脂層を形成する 無極性高分子と第２樹脂層を形成する極性高分子の表面張力の相違を利用して表 紙を剥離させるため、表紙の剥離性を均一化することができると共に、第１樹脂 層の形成に押出し方法を採用することができ、一方、第２樹脂層の形成に塗布方 法を採用することができるため、それぞれの樹脂層の形成に特別困難な管理を必 要とせず、コストの低減に効果を挙げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る粘着シートの一実施例を示す断
面図

【図２】同上粘着シートの使用例を示す断面図

【符号の説明】

１ 表紙 ２ 第１樹脂層 ３ 第２樹脂層 ４ 粘着剤層 ５ 離型紙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 隠蔽性を有する表紙の裏面に、無極性高
   分子から成る第１樹脂層と、極性高分子から成る第２樹
   脂層と、粘着剤層とを順に設け、上記粘着剤層の裏面に
   離型紙を接着した隠蔽用粘着シート。