JPH0689763B2 - 圧力補償付流量制御弁 - Google Patents

圧力補償付流量制御弁

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JPH0689763B2
JPH0689763B2 JP6864787A JP6864787A JPH0689763B2 JP H0689763 B2 JPH0689763 B2 JP H0689763B2 JP 6864787 A JP6864787 A JP 6864787A JP 6864787 A JP6864787 A JP 6864787A JP H0689763 B2 JPH0689763 B2 JP H0689763B2
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鋭機 和泉
康雄 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、油圧シリンダ、油圧モータなどのアクチュエ
ータの動作を制御するための流量制御弁に係わり、特に
主弁をシート弁で構成し、主弁を制御するパイロット弁
に圧力補償手段を関連させた圧力補償付流量制御弁に関
する。
(従来の技術) 近年、油圧機器を小形化、軽量化する目的から油圧制御
の高圧化が図られており、そのため油圧シリンダ、油圧
モータなどのアクチュエータの動作を制御する流量制御
弁として、液漏れの少ないシート弁が使用されつつあ
る。このようなシート弁を備えた流量制御弁の一例が特
許出願公表昭58−501781号公報に開示されている。
この従来例の流量制御弁は、弁体の変位に対応して開度
を変化させる可変絞りと、入口ポートにその可変絞りを
介して連通し、可変絞り前後の差圧に応答して弁体を変
位させる制御圧力室とを有するシート弁からなる主弁
と、制御圧力室と出口ポートとの間に接続され、操作手
段の作動により開度を変化させてパイロット流量を変化
させるパイロット弁とを備え、パイロット流量の変化に
より可変絞り前後の差圧を変化させて弁体を変位させ、
主弁の入口ポートと出口ポートとの間にパイロット流量
を増幅した大流量を得るようにしている。
ところで、油圧ショベルなどの建設機械の油圧回路にお
いては、作業時の負荷の大きさが一定でないのでアクチ
ュエータの負荷を駆動する圧力(以下、アクチュエータ
圧という)も大きく変動する傾向があり、アクチュエー
タ圧が変動すれば、流量制御弁の前後の差圧(以下、負
荷圧という)も変動する。このため上述したようなシー
ト弁からなる流量制御弁においては、操作手段の操作に
より弁開度が一定に保たれていてもアクチュエータ圧の
変動により流量も変動する。すなわち、アクチュエータ
圧が増大すれば流量制御弁の負荷圧は減少し、流量も減
少する。アクチュエータ圧が減少すれば流量制御弁の負
荷圧は増大し、流量も増大する。したがって操作手段の
操作により流量制御弁の開度を制御しても、流量を正確
に制御することができない。この傾向は油圧制御が高圧
化すればするほど顕著になる。そこでこのような高圧の
油圧制御に使用される流量制御弁においては圧力補償手
段を設け、流量制御弁の負荷圧が変動しても流量を正確
に制御できるようにすることが望まれる。上述した特許
出願公表昭58−501781号公報においても、この点を考慮
し、パイロット弁に関連させて圧力補償手段を設け、主
弁の負荷圧が変動しても主弁流量を正確に制御できるよ
うにした実施例が開示されている。
すなわちこの従来例においては、主弁の圧力制御室とパ
イロット弁との間のパイロット通路に、主弁に作用する
負荷圧の増加に応じて変位し、パイロット通路を絞り、
パイロット流量を減少させて主弁の開度を小さくする減
圧弁を設け、主弁の負荷圧が増加したときにその減圧弁
の作用で主弁流量が一定になるようにしている。
一方、従来流量の制御用として広く用いられているもの
に、スプール弁からなる流量制御弁があり、これは一般
的に、操作手段としてパイロット油圧や電磁力によるも
のを使用している。このような流量制御弁においても、
同様にアクチュエータ圧が変動し、流量制御弁の負荷圧
が変動すると流量も変動するが、この場合は前述したシ
ート弁による流量制御弁の場合と異なり、流量制御弁の
負荷圧(前後の差圧)が増加すると、流体力(フローフ
ォース)の作用によりスプールが開弁方向に変位し、流
量が減少する傾向がある。そこでこのような負荷圧によ
る流量の変動を改善するため、同様に種々の圧力補償手
段が工夫されており、その一例として特開昭56−66567
号公報に、スプールの形状に工夫をして流体力を低減さ
せたものが提案されている。すなわちこの従来例におい
ては、スプール開度が増加するに従って流出角が減少す
るようにスプールランドの角部に、全体が所定の角度で
傾斜する主ノッチと、所定のエッジ角度を持つ、主ノッ
チより幅の狭い補助ノッチとを設け、圧力補償手段付の
スプール弁としている。
(発明が解決しようとする問題点) 特許出願公表昭58−501781号公報に開示されている圧力
補償付流量制御弁においては、シート弁からなる主弁、
パイロット弁に加えてさらに圧力補償手段として減圧弁
を配置しなければならず、それだけでも部品点数が増
え、回路構成も複雑になるばかりでなく、減圧弁にはア
クチュエータ圧の高圧が作用するため、油圧制御の高圧
化のため減圧弁の液漏れに対する配慮をしなければなら
ず、このため減圧弁の構成自体も複雑となり(上記特表
昭第19図実施例)、これが全体構成を一層複雑とし、流
量制御弁の価格を高価なものとしていた。
またこの従来例においては、パイロット弁の操作手段と
して操作レバーの動きを機械的にスプールに伝達する機
構を採用しているため、パイロット弁に作用する負荷圧
(前後の差圧)の変動による流量の変動を考えた場合、
上述した流体力の作用によるスプールを閉弁方向に動か
す力は、操作レバーとの機械的な接続を介して支持さ
れ、流体力によるスプールの変位を阻止することができ
る。しかしながら操作手段としてパイロット圧力、電磁
力によるものを採用した場合、特に駆動力の小さい電磁
力によるものを採用した場合には、そのような流体力の
作用によるスプールを閉弁方向に動かす力に対向するこ
とができず、スプールの変位を阻止することができなく
なる。したがって上述した圧力補償手段としての減圧弁
を配置しても、パイロット弁の負荷圧が変動するとパイ
ロット弁に負荷圧の変動による流量の変動が生じるた
め、それが増幅されて主弁流量にも現れ、主弁流量が大
きく変動することになる。
一方、特開昭56−66567号公報の圧力補償付流量制御弁
においては、スプールランドの角部に設けられた傾斜溝
と平行溝とにより流体力を小さくし、流体力によるスプ
ール変位を低減させる構成であるため、圧力補償が得ら
れる流量範囲が傾斜溝と平行溝がある小流量範囲に限ら
れ、結局スプール開度の大きな大流量範囲においては流
体力をうまく制御できず、安定した圧力補償をすること
ができない。
したがって本発明の目的は、シート弁からなる主弁と、
主弁を制御するパイロット弁とを備えた流量制御弁にお
いて、構造が簡単であり、かつ大流量範囲においても流
量制御を安定した圧力補償の下に行うことができる圧力
補償付流量制御弁を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明の圧力補償付流量制御弁は、上記目的を達成する
ため、弁体の変位に対応して開度を変化させる可変絞り
と、入口ポートにその可変絞りを介して連通し、可変絞
り前後の差圧に応答して弁体を変位させる制御圧力室と
を有するシート弁からなる主弁と、制御圧力室と出口ポ
ートとの間に接続され、操作手段の作動により開度を変
化させてパイロット流量を変化させるパイロット弁とを
備え、パイロット流量の変化により可変絞り前後の差圧
を変化させて弁体を変位させ、主弁の入口ポートと出口
ポートとの間にパイロット流量を増幅した大流量を得る
と共に、パイロット弁に関連させて圧力補償手段を設
け、前記主弁の負荷圧が変動しても主弁流量を正確に制
御できるようにした圧力補償付流量制御弁において、パ
イロット弁の操作手段を比例ソレノイドとし、パイロッ
ト弁の弁部分を、スプール開度が増加するに従って流出
角が減少するようにスプールランドの角部に、全体が所
定の角度で傾斜する主ノッチと、所定のエッジ角度を持
つ、主ノッチより幅の狭い補助ノッチとを設けた、圧力
補償手段付のスプール弁としたことを特徴としている。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の好適実施例を説明すると、
第1図において符号1は、本発明の圧力補償付流量制御
弁を全体的に示し、この流量制御弁1はシート弁からな
る主弁2と、この主弁2を制御するパイロット弁3とか
らなっている。
主弁2は、入口ポート4と出口ポート5の形成された弁
ハウジング6を有し、この実施例においては入口ポート
4は圧油供給源としての油圧ポンプPに接続され、出口
ポート5は負荷Wを駆動するアクチュエータとしての油
圧シリンダAに接続されている。弁ハウジング6内には
弁座7が形成され、弁体8がこの弁座7に対して接触、
離隔するよう密封移動可能に収納されている。また弁ハ
ウジング内の弁座7の反対側には、弁体8よりも大きな
直径の制御圧力室9が形成され、この圧力制御室9内に
弁座7から遠い側に位置する弁体8の頭部10が配置され
ている。
弁体8の外周には複数の溝11が形成され、この溝11の上
端を郭定する壁面11aは、閉弁位置において制御圧力室
9の下端を郭定する壁面9aよりも僅かに上方に位置決め
され、この壁面9a,11aの間に、弁体8の変位に対応して
開度を変化させる可変絞り12が形成される。
このような構成により制御圧力室9は、入口ポート4に
溝11および可変絞り12を介して連通し、可変絞り12に圧
油の流れが生じないときは制御圧力室9内の圧力は入口
ポート4の圧力とほぼ同じになり、弁体8の下端に作用
する出口ポート6の圧力と上端に作用する入口ポート4
の圧力との差に起因して、弁体8を閉弁方向に付勢する
力が作用し、弁体8が閉じられる。可変絞り12に流れが
生じると、可変絞り12の前後に差圧が発生し、制御圧力
室9内の圧力が入口ポート4の圧力より小さくなり、弁
体8を開弁方向に付勢する力が発生し、弁体8は開弁方
向に動かされる。このとき可変絞り12の開度は弁体8の
変位が大きくなるにしたがって大きくなり、その前後の
差圧は逆に小さくなるので、弁体8を開弁方向に付勢す
る力は弁体8の変位に反比例して小さくなり、ある所定
の変位において弁体8に作用する力が釣り合い、弁体8
が停止する。すなわち制御圧力室9は、可変絞り前後の
差圧に応答して弁体8を変位させることになる。
弁ハウジング6にはまた、制御圧力室に連通する第1の
パイロットポート13と、出口ポート5に連通する第2の
パイロットポート14が形成され、この第1および第2の
パイロットボート13,14にパイロット管路15,16を介して
パイロット弁3が接続されている。
パイロット弁3は、入口ポート20と出口ポート21の形成
された弁ハウジング22を有し、入口ポート20は管路15を
介して主弁の制御圧力室9に接続され、出口ポート21は
管路16を介して主弁の出口ポート5に接続されている。
弁ハウジング22内にはスプール23が密封移動自在に収納
されており、スプール23は、出口ポート21に連通する環
状溝24を開閉するランド24を有し、スプール弁を構成し
ている。弁ハウジング22内にはまた、スプール23の一端
を閉弁方向に付勢するばね26が配設されている。
弁ハウジング22のばね26と反対側の端部には、操作手段
としての比例ソレノイド27が配置され、この比例ソレノ
イド25は、通常の通り図示しない操作レバーに電気的に
接続され、そのコイル27aに電流が流れると電磁力によ
り、コア27bに接続されたプッシユロッド27cを介してス
プール23をばね24の力に抗し押圧し、その電磁力に比例
した距離だけスプール23を変位させ、それに対応したス
プール開度を得るようになっている。
スプールランド25の角部には、第2図および第3図に拡
大して示すように、全体が所定の角度θ1で傾斜した主
ノッチ28と、所定のエッジ角度θ2を持つ、主ノッチよ
り幅の狭い補助ノッチ29とが形成され、図示実施例では
補助ノッチ29は主ノッチ28の中に形成され、補助ノッチ
29の中に、所定のエッジ角度θ3を持つ、補助ノッチ29
よりさらに幅の狭い第2の補助ノッチ30が形成され、こ
のような主ノッチと補助ノッチの組み合わせが円周方向
に4組配列されている。後述する理由により、第1の補
助ノッチ29の端部エッジは主ノッチ28と同じ位置にあ
り、第2の補助ノッチ30の端部エッジは主ノッチ28およ
び第1の補助ノッチ29より少し後方(第2図で見て右
方)に位置している。
このような主ノッチと補助ノッチとの組み合わせによ
り、スプール開度が増加するにしたがって流出角が減少
するようになっている。以下その理由を説明する。
第2図において、スプール23が比例ソレノイド27により
駆動されて、スプール開度xが零から所定の開度まで開
かれたとすると、流体は、ノッチ28〜30と弁ハウジング
22とにより形成されるオリフィス部を通って流れ、その
オリフィス部の開口面積aに対応した流量が得られる。
このような状態においてオリフィス部を通る流体の流れ
を考えると、オリフィス部には主ノッチ28に沿った主要
な流れlと、補助ノッチ29,30に沿った補助的な流れm,n
が存在し、主要な流れlは、オリフィス部を通るとき補
助的な流れm,nに押し上げられて、全体的に主要な流れ
lの角度θよりも大きな流出角φの流れとして流出す
る。すなわち補助的な流れm,nは流出角φを増加させる
作用をする。
一方この補助的な流れm,nは、スプール開度xが小さい
ほど主要な流れlに強く作用するので、主要な流れlを
大きく押し上げ、流出角φを大きくする。すなわち補助
的な流れm,nが流出角φを増加させる作用はスプール開
度xが小さいほど大きく、スプール開度xが増加するに
したがって小さくなる。したがって流出角φはスプール
開度xが増加するにしたがって減少することになる。
そして特にこの実施例においては、第2の補助ノッチ30
の端部エッジを上述したように主ノッチ28および第1の
補助ノッチ29に対してずらして配置したので、補助的な
流れnによる押し上げ作用が補助的な流れmによる押し
上げ作用よりも遅れて生じ、全体的になだらかに、スプ
ール開度xの増加に対して流出角φを減少させる。
このようなスプール開度xと流出角φの関係を図示すれ
ば、第4図に示すようである。すなわちスプール開度x
が小さい領域においては流出角φは大きく、スプール開
度xが所定の開度x1近傍まで増加する範囲においては、
第1および第2の補助ノッチ29,30に沿った補助的な流
れm,nの押し上げ力が順次作用して、流出角φを次第に
減少させ、スプール開度xが所定の開度x1近傍を越えた
範囲において、補助的な流れm,nの押し上げ作用が消失
し、流出角φはほぼ一定となる。スプール23は、小流量
を制御するパイロット弁3のスプールであるため、スプ
ール開度x1より小さい範囲で駆動されるように構成され
ている。
なおこのときスプール開度xの変化に対するオリフィス
部の開口面積aの変化は、同じ第4図に示すようにな
る。すなわち補助ノッチ29,30の存在するスプール開度x
2までの範囲においては、これら補助ノッチの加算分に
より開口面積aが増加し、開口面積aの増加率はスプー
ル開度xの小さい範囲において大きく、スプール開度x
が大きくなるにしたがって小さなり、一方スプール開度
xが開度x2を越えた範囲では開口面積aはほぼ一定とな
る。
このような主ノッチと補助ノッチとの組み合わせによ
り、油圧シリンダAの負荷Wを駆動する圧力、すなわち
アクチュエータ圧が変動し、主弁2に作用する負荷圧
(前後の差圧)が変動しても流量を正確に制御すること
を可能とする圧力補償手段が構成される。以下その理由
を説明する。
まず一般的な流量制御弁において負荷圧の変動により流
量が変動する理由を説明する。
流量制御弁として比例ソレノイドによって制御されるス
プール弁を考えた場合、一般的に、あるスプール開度に
ある弁のオリフィス部を通る流体の流量は下記の式で表
わされる。
この式において、Qは流量、cは流量係数、aはオリフ
ィス部の開口面積、ρは流体の密度、PLは流量制御弁の
負荷圧(前後の差圧−入口ポートと出口ポートとの間の
差圧)である。
したがってこの式からだけでは、流量Qは負荷圧PLに比例して増加するように見える。
しかしながら一般的に、このようなオリフィス部を通る
流体流においては、オリフィス部の絞り作用によりスプ
ールに比例ソレノイドの電磁力に対向する閉弁方向の流
体力(フローフォース)が作用しており、その流体力を
Fとするとスプールは下記の釣り合いの式の下に所定の
開度に保持される。
Fd=Kx+Ff (2) この式においてFdは比例ソレノイドの駆動力(一定)、
Kはスプールを閉弁方向に付勢するばねのばね乗数、x
はスプール開度、Ffは流体力である。そして流体力Ffは
一般的に下記の式で表わされる。
Ff=2caPLcosφ (3) この式において、φは上述した流出角である。
(2)式と(3)式より、負荷圧PLが増加すると流体力
Ffが増加し、スプール開度xが減少することが分かろ
う。そして従来のスプール弁においては、スプール開度
xが減少するとそれに比例してオリフィス部の開口面積
aが減少する。すなわち開口面積aは、負荷圧PLの1乗
に比例して減少する。
したがって負荷圧PLが増加すると、一方において流量Q
は負荷圧PLに比例して増加しようとし、また一方において負荷圧PL
の1乗に比例してオリフィス部の開口面積aが減少し、
これに比例して流量Qも減少しようとし、結局1乗に比
例する要素のほうが強いので、全体的には流量Qは、第
5図の破線で示すように減少する。これが従来の負荷圧
の変動による流量の変動である。
一方(3)式においてcosφは流出角φが大きくなるに
したがって小さくなるので、この式より流体力Ffは、流
出角φが大きくなるにしたがって小さくなることが分か
る。したがって本発明においては、上述したように補助
ノッチ29,30に沿った補助的な流れm,nにより流出角φを
大きくすることにより、スプール23に作用する流体力Ff
はそのような補助ノッチ29,30がない場合に比べて小さ
くなる。すなわちスプール23は、第4図に示すスプール
開度x1よりも小さい範囲においては、もともと従来より
も流体力Ffが小さい状態で上記(2)の釣り合いの下に
所定の開度に保持されることになる。
そしてこのようなスプール弁において、スプール23が開
度x1よりも小さい所定のスプール開度x0に保持された状
態で負荷圧PLが変動、例えば増加したとすると、上述し
たように(3)式にて表わされる流体力Ffが増加し、こ
の流体力の増加により開度xが小さくなり、オリフィス
部の開口面積aも小さくなる。一方このとき、第4図か
ら分かるように、スプール開度xが減少すると流出角φ
は大きくなり、やはり上述したように流体力Ffは小さく
なる。すなわち流体力Ffは、一方においては負荷圧PL
増加により増加しようとし、また一方においては流出角
φの増加により減少しようとし、結局本発明では、流出
角φの増加による減少分だけ負荷圧PLの増加による流体
力の増加分が小さくなり、流出角φが一定である従来の
場合よりも流体力の増加が抑制される。したがって流体
力の増加によるスプール開度xの減少も抑制され、オリ
フィス部の開口面積aの減少も小さくなる。すなわち流
出角φが一定である従来の場合に比べて、同じ負荷圧の
変動に対してより大きな開口面積aの開度でスプール23
は保持される。
したがって上記(1)式において、負荷圧PLの1/2乗に
比例する流量Qの増加と、オリフィス部の開口面積aの
減少による流量Qの減少とをほぼ同じ程度とすることが
でき、流量Qは第5図に実線で示すように、ほぼ一定に
保たれる。すなわち圧力補償がなされる。
なお本実施例においては、上述したように、主ノッチ28
と補助ノッチ29,30の組み合わせを採用することによ
り、流出角φだけでなくオリフィス部の開口面積aも、
第4図に示すように変化させるている。このことは、ス
プール開度がある開度、例えば上記開度x0からある量だ
け減少したとき、それに対応したオリフィス部分の開口
面積aの減少分が、そのような工夫のない、開口面積a
がスプール開度xに直線的に比例する従来の場合に比べ
て、より小さくなることを意味する。したがって上述し
た負荷圧の増加があったとき、上記(1)式におけるオ
リフィス部の開口面積aの減少はさらに小さくなり、負
荷圧PLの1/2乗に比例して増加する流量成分を、より効
果的に相殺することができ、より正確な圧力補償を行う
ことができる。
このように構成された本発明の流量制御弁において、パ
イロット弁3の比例ソレノイド27に通電され、スプール
23が所定の開度に開かれると、パイロット弁3を通して
パイロット流量が流れ、主弁2の可変絞り12の前後にそ
の流量に対応した差圧が発生する。このため弁体8の頭
部10に作用する閉弁方向の力が小さくなり、閉弁位置に
あった弁体8は前述したように開弁し、パイロット流量
に対応した位置で保持される。したがって主弁2には、
パイロット流量に比例した、増幅された大きな流量が得
られる。
このような状態において、例えばアクチュエータAの負
荷Wが軽くなり、主弁2の入口ポート4と出口ポート5
の差圧すなわち主弁2の負荷圧が増大すると、これに対
応してパイロット弁3の入口ポート20と出口ポート21の
差圧すなわちパイロット弁3の負荷圧が増大する。この
とき本発明のパイロット弁3においては、上述したよう
に、負荷圧PLが増加してもパイロット流量はほとんど変
動しない。したがって主弁2の流量も変動せず、圧力補
償がなされる。
また、パイロット弁3により制御されるパイロット流量
自体は小流量であり、このパイロット弁のスプール23に
圧力補償用の主ノッチ28、補助ノッチ29,30を設けたた
め、スプール23をスプール開度x1より小さい範囲で駆動
されるように構成することができ、この範囲ではスプー
ル開度xに応じて流出角φが変化し、スプール開度の全
範囲において圧力補償されたパイロット流量の制御がな
される。このため、主弁2においても小流量範囲だけで
なく大流量範囲においても流量制御を安定した圧力補償
の下に行うことができる。
以上のように本実施例では、パイロット弁にスプールラ
ンドの角部に主ノッチと補助ノッチを切っただけという
簡単な構成であるにもかかわらず、圧力補償された流量
制御を大流量範囲まで安定して行うことができ、しかも
その圧力補償された大流量の制御を、駆動力の小さな比
例ソレノイドによって行うことができる。
なお以上の実施例において、主弁2を構成するシート弁
は第1図に示すような形状の弁体8を有するものとして
説明したが、これのみに限られず、弁体の変位に対応し
て開度を変化させる可変絞りと、入口ポートにその可変
絞りを介して連通し、可変絞り前後の差圧に応答して弁
体を変位させる制御圧力室とを有する構成であるなら
ば、他の構成であってもよい。
またパイロット弁3における主ノッチと補助ノッチとの
組み合わせも、第2図に示した実施例に限られず、種々
の構成を採用することができる。例えば第2図に示した
実施例においては、補助ノッチ28,29のエッジ角度θ2
およびθ3をほぼ直角としたが、第6図に示すように、
θ2およびθ3よりも大きなエッジ角度θ2Aおよびθ3A
を持つ補助ノッチ29A,30Aとすることができ、また図示
はしないがθ2およびθ3よりも小さな鋭角とすること
ができる。なお第6図の実施例においてはさらに、製作
の都合上、補助ノッチの底面形状が第2図に示すものと
異なっている。すなわち補助ノッチ29A,30Aの底面は、
それぞれ、エッジ角度を規定する端面40に直行する平面
部分41,42と、それに連続する円弧面部分43,44とからな
っている。これは、円弧面部分43,44を切削する回転カ
ッターと平面部分41,42を切削するエンドミルとにより
補助ノッチ29A,30Aを切削加工した結果であり、これに
より補助ノッチの製作を容易にすることができる。
また第2図に示す実施例では2つの補助ノッチ29,30を
設けたが、第7図に示すように1つの補助ノッチ29Bを
設けるだけでもよく、この場合でもそれに沿った補助的
な流れが主ノッチ28Bに沿った主要な流れを押し上げ、
流出角φを調整することができる。
さらに第2図の実施例では、主ノッチ27の中に補助ノッ
チ29,30を設けたが、第8図に示すように、スプールラ
ンド25Cの円周方向に主ノッチ28Cおよび補助ノッチ29C,
30Cを並べて設けることもでき、この場合でも補助ノッ
チ29C,30Cに沿った補助的な流れがそれに隣接して流れ
る主ノッチ28Cの主要な流れに作用し、流出角φを調整
することができるものである。
なお主ノッチと補助ノッチとの組み合わせにつき、上記
実施例を適宜組み合わせることもできることは明らかで
あろう。
(発明の効果) 以上明らかなように本発明の流量制御弁においては、シ
ート弁からなる主弁を、比例ソレノイドにより駆動され
る、スプールに主ノッチと補助ノッチの形成されたパイ
ロット弁によって行うようにしたので、構造が簡単であ
り、しかも比例ソレノイドの小さな駆動力によっても、
圧力補償された流量制御を大流量範囲まで安定して行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による流量制御弁の全体を示
す概略図であり、第2図は第1図に示したパイロット弁
のスプールランド角部の一部断面拡大図であり、第3図
は第2図のIII−III線に沿った断面図であり、第4図は
第2図に示す主ノッチと補助ノッチを持つパイロット弁
における、スプール開度と流出角の関係およびスプール
開度とオリフィス部の開口面積との関係を示す特性図で
あり、第5図は、同パイロット弁の負荷圧と流量の関係
を示す特性図であり、第6図、第7図および第8図は、
それぞれ、パイロット弁のスプールランド角部に形成さ
れる主ノッチと補助ノッチの組み合わせの他の実施例を
示す断面図である。 図中、符号1……流量制御弁、2……主弁(シート
弁)、3……パイロット弁、4……入口ポート、5……
出口ポート、8……弁体、9……制御圧力室、12……可
変絞り、23……スプール、25……スプールランド、27…
…比例ソレノイド、28……主ノッチ、29,30……補助ノ
ッチ、x……スプール開度、φ……流出角、Q……流
量、PL……負荷圧

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁体の変位に対応して開度を変化させる可
    変絞りと、入口ポートにその可変絞りを介して連通し、
    可変絞り前後の差圧に応答して弁体を変位させる制御圧
    力室とを有するシート弁からなる主弁と、制御圧力室と
    出口ポートとの間に接続され、操作手段の作動により開
    度を変化させてパイロット流量を変化させるパイロット
    弁とを備え、パイロット流量の変化により可変絞り前後
    の差圧を変化させて弁体を変位させ、主弁の入口ポート
    と出口ポートとの間にパイロット流量を増幅した大流量
    を得ると共に、パイロット弁に関連させて圧力補償手段
    を設け、前記主弁の負荷圧が変動しても主弁流量を正確
    に制御できるようにした圧力補償付流量制御弁におい
    て、 パイロット弁の操作手段を比例ソレノイドとし、パイロ
    ット弁の弁部分を、スプール開度が増加するに従って流
    出角が減少するようにスプールランドの角部に、全体が
    所定の角度で傾斜する主ノッチと、所定のエッジ角度を
    持つ、主ノッチより幅の狭い補助ノッチとを設けた、圧
    力補償手段付のスプール弁としたことを特徴とする圧力
    補償付流量制御弁。
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