JPH068957U - 電子写真装置のプロセスユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は良好なトナー搬送効果を有しながら安
価な残留トナー搬送ローラを用いることにより経済性を
高めた電子写真装置のプロセスユニットを提供すること
を目的とする。 【構成】感光体ドラム１１と、転写行程後に感光体ドラ
ムに滞留している残留トナーを掻き落とすクリーニング
ブレード１５と、掻き落とされたトナーを受ける受け部
を有しトナーを収容するトナー収容ケースと、このトナ
ー収容ケースの受け部に設けられ回転によりトナー収容
ケースの内部に搬送する搬送ローラ２１とを備え、搬送
ローラはプラスチック成形品で形成され、且つ搬送ロー
ラには、その中心軸線の周囲を囲む複数のトナー搬送用
羽根が形成されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電子写真装置のプロセスユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

電子写真装置においては、部品の保守点検を容易にするために感光体ドラムと 、この感光体ドラムの周囲に設けられるクリーニングブレード、残留トナー収納 部および残留トナー搬送ローラを一緒にまとめて組合せたプロセスユニットを装 備した方式のものがある。 図７は電子写真装置における従来のプロセスユニットを示している。

【０００３】 図中１はプロセスユニット、２は現像装置である。プロセスユニット１は、感 光体ドラム１１、帯電装置１２およびクリーニング装置１３が一体に組合された ものである。

【０００４】 感光体ドラム１１は図示しない回転装置により図示矢印方向に回転される。帯 電装置１２は感光体ドラム１１の上側にその軸方向に沿って設けられている。ク リーニング装置１３は帯電装置１２に対して感光体ドラム１１の回転方向上流側 （図示下側）に設けられたもので、トナー収容ケース１４、クリーニングブレー ド１５、搬送ローラ１６、逆止弁１７を有している。

【０００５】 トナー収容ケース１４は感光体ドラム１１の軸方向長さに相当する長さを有す るもので、感光体ドラム１１の軸方向に沿って設けられ、感光体ドラム１１に面 する部分が開放されている。トナー収容ケース１４は、その開放部１４ｂから底 面部および両側の側部が感光体ドラム１１に向けて張出してトナー受け部１４ａ となっている。また、トナー収容ケース１４の上部は着脱可能に組合された蓋部 １４ｃとされている。なお、感光体ドラム１１、帯電装置１２はトナー収容ケー ス１４の両側部に支持されている。

【０００６】 クリーニングブレード１５は感光体ドラム１１の軸方向長さに相当する長さを 有する。クリーニングブレード１５は、トナー収容ケース１４のトナー受け部１ ４ａの上側において感光体ドラム１１の軸方向に沿って配置され、クリーニング ブレード１５はトナー収容ケース１４の蓋部１４ｃに取付けられた弾性を有する 取付け体１９に取付けられている。クリーニングブレード１５は取付け体１８に より圧力を加えられて感光体ドラム１１の表面に接触している。

【０００７】 搬送ローラ１６はローラ軸１６ａの周囲に円柱形のスポンジ体１６ｂを取付け たもので、感光体ドラム１１の軸方向長さに相当する長さを有している。搬送ロ ーラ１６はトナー収容ケース１４のトナー受け部１４ａの上側に感光体ドラム１ １の軸方向に沿って設けられ、ローラ軸１６ａの両端はトナー収容ケース１４に 回転自在に支持されている。そして、搬送ローラ１６は図示しない回転装置によ り図示矢印方向に回転される。

【０００８】 逆止弁１７は感光体ドラム１１の軸方向長さに相当する長さを有する金属弾性 板あるいはポリエチレンシートなどの樹脂弾性板からなるものである。逆止弁１ ７はトナー収容ケース１４の開放部１４ｂに位置して蓋部１４ｃに取付けられ、 搬送ローラ１６におけるトナー収容ケース１４の内側に面した部分に圧力をもっ て接触して、搬送ローラ１６とトナー収容ケース１４との間の間隙を閉じている 。

【０００９】 そして、感光体ドラム１１が矢印方向に回転されて次に述べる記録プロセスが 行われる。感光体ドラム１１の表面は帯電装置１２により帯電され、次に図示し ない露光装置により露光されて静電静像が形成される、次に、感光体ドラム１１ の表面には現像装置２によりトナーＴが与えられてトナー像が形成され、さらに 図示しない転写装置により感光体ドラム１１の表面のトナー像が図示しない記録 紙に転写される。転写行程で感光体ドラム１１の表面に存在するトナーの全てが 記録紙に付着せず、一部のトナーは感光体ドラム１１の表面に残留する。

【００１０】 次に感光体ドラム１１の表面に残留するトナーＴは感光体ドラム１１の表面に 接触するクリーニングブレード１５によって掻き落される。感光体ドラム１１か ら掻き落されたトナーＴはトナー収容ケース１４のトナー受け部１４ａで受け止 められる。ここで、トナー受け部１４ａに落下したトナーＴは図示矢印方向に回 転されている搬送ローラ１６によりトナー収容ケース１４の内部に搬送される。 このようにトナー受け部１４ａに落下したトナーＴが順次トナー収容ケース１４ の内部に搬送されることにより、トナー受け部１４ａにトナーＴの滞留がない。

【００１１】 なお、逆止弁１７が搬送ローラ１６におけるトナー収容ケース１４の内側に面 した部分に接触しているので、トナー収容ケース１４に収容されているトナーＴ が搬送ローラ１６とトナー収容ケース１４との間の間隙を通ってトナー受け部１ ４ａへ逆流することを阻止される。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】

従来、搬送ローラ１６には高い搬送効果を有するためにスポンジローラを用い ている。しかし、このスポンジは搬送ローラ１６としては高価である

【００１３】 ところが、通常プロセスユニット１は消耗品として定期的に交換されるために 、プロセスユニット１のコストがランニングコストに反映される。このため、搬 送ローラ１６にコストが高いスポンジローラを使用すると、プロセスユニット１ の価格が上昇する。この結果、電子写真装置のランニングコストが高くなるとい う問題があった。

【００１４】 本考案は前記事情に基づいてなされたもので、クリーニング装置に良好なトナ ー搬送効果を有しながら安価であるトナー搬送用のローラを用いることにより経 済性を高めた電子写真装置のプロセスユニットを提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】 本考案の電子写真装置は、感光体ドラムと、転写行程後に前記感光体ドラムに 滞留している残留トナーを掻き落とすクリーニングブレードと、掻き落とされた 前記残留トナーを受ける受け部を有しこの受け部で受けた前記トナーを収容する トナー収容ケースと、このトナー収容ケースの前記受け部に設けられ前記受け部 で受けた前記トナーを回転により前記トナー収容ケースの内部に搬送するトナー 搬送用搬送ローラとを備え、前記搬送ローラはプラスチック成形品で形成され、 且つ前記搬送ローラには、その中心軸線の周囲を囲む複数のトナー搬送用羽根が 形成されていることを特徴とする。 また、搬送ローラは、各羽根の頂点を直線で結ぶ縁部を有する補強リブが形成 されている。

【００１６】

【作用】

搬送ローラが回転すると、その中心軸線の周囲に形成された複数の羽根がトナ ー受け部にあるトナーを掻いて確実にトナー収容ケースの内部に搬送する。搬送 ローラを形成するプラスチック成形品はスポンジに比較して安価であり、トナー 搬送ローラのコストを低減することができる。

【００１７】 また、搬送ローラには各羽根の頂点を結ぶ縁部を有する補強リブが形成されて いるので機械的強度が大きい。そして、搬送ローラの補強リブの縁部と、トナー 収容ケースに収容されているトナーが外部に逆流することを阻止する逆止弁とが 接触する点が、搬送ローラの羽根の頂点を結ぶ直線上に位置する。すなわち、搬 送ローラの羽根の頂点と逆止弁とが接触する。このため、トナー収容ケースの内 部にあるトナーが、搬送ローラの羽根の頂点と逆止弁との間を通ってトナー収容 ケースの外部へ漏れ出すことがない。このため、搬送ローラに補強リブを形成す ることによるクリーニング機能への悪影響を回避することができる。

【００１８】

【実施例】

本考案の第一の実施例について図１ないし図３を参照して説明する。

【００１９】 この実施例は図７に示すプロセスユニット１を引用したものである。図１はプ ロセスユニット１および現像装置２を示している。図１において図７と同じ部分 は同じ符号を付して示している。

【００２０】 図２１は搬送ローラで、全体が硬質の合成樹脂からなるプラスチック成形品と して形成されている。図２にも示すように搬送ローラ２１は、軸２１ａ、４個の トナー搬送用羽根２１ｂ、複数の補強リブ２１ｃが一体に形成されている。軸２ １ａは感光体ドラム１１の軸方向長さと同じ長さを有している。

【００２１】 ４個の羽根２１ｂは軸２１ａを中心としてその周囲に４５度の角度を存して放 射状に形成されている。各羽根２１ｂは軸２１ａからの長さが同じであり、夫々 軸２１ａの中心軸線方向に沿ってその全長にわたって形成されている。

【００２２】 補強リブ２１ｃは軸１２ａの両端および軸方向に所定間隔を存し複数の位置に 形成されている。各補強リブ２１ｃは４個の羽根２１ｂの間隙部を埋める板状を なすもので、４個の羽根２１ｂの各頂点を直線で結ぶ縁部２１ｄを有している。 すなわち、各補強リブ２１ｃは４個の羽根２１ｂの各頂点を直線で結ぶ四角形に 板状をなしている。なお、ここで各羽根２１ｂの各頂点を直線で結ぶ縁部とは、 隣合う羽根２１ｂの頂点を最短の直線で結ぶものであり、途中で屈曲するものは 含まれない。このように補強リブ２１ｃを形成することにより軸２１ａおよび各 羽根２１ｂの強度すなわち搬送ローラ２１の機械的強度を高めることができる。

【００２３】 軸２１ａの長さはトナートナー収容ケース１４の両側壁の間の間隔と同じであ る。軸２１ａの両端には軸線方向に延長部２１ｅが形成されている。この延長部 ２１ｅはトナー収容ケース１４の両側壁に回転可能に挿通支持されるものである 。

【００２４】 このように構成された搬送ローラ２１は図１および図３に示すように従来の場 合と同様にトナー収容ケース１４のトナー受け部１４ｂの上側において感光体ド ラム１と平行に配置され、軸２１ａの延長部２１ｅがトナー受け部１４ａの両側 壁に挿通される。一方の延長部２１ｅには図示しない歯車が取付けられ、これは 回転装置の歯車に噛合される。また、逆止弁１７の下部が搬送ローラ２１の羽根 ２１ｂおよび補強リブ２１ｃに弾性をもって接触する。

【００２５】 そして、回転装置により軸２１ａが回転され、軸２１ａとともに各羽根２１ｂ が回転される。図３に示すように各羽根２１ｂは回転しながらトナー受け部１４ ｂに載っている残留トナーＴを順次掻いてトナートナー収容ケース１４の内部に 向けて運び、開放部１４ｓから内部に送り込む。このようにしてトナー受け部１ ４ｂにおける残留トナーＴは搬送ローラ２１に各羽根２１ｂによって確実にトナ ートナー収容ケース１４の内部に搬送される。

【００２６】 ここで、搬送ローラ２１の回転に伴い逆止弁１７に接触する各羽根２１ｂの頂 点および補強リブ２１ｃの縁部２１ｄが順次変化してゆく。各羽根２１ｂの頂点 が逆止弁１７に接触している時には、トナートナー収容ケースの内部にあるトナ ーが、搬送ローラの羽根の頂点と逆止弁との間を通って外部へ漏れ出すことがな い。

【００２７】 また、補強リブ２１ｃの縁部２１ｄが逆止弁１７に接触している時もトナーの 漏れ出しを阻止できる。すなわち、補強リブ２１ｃの縁部２１ｄは各羽根２１ｂ の頂点を最短の直線で結ぶものである。これにより逆止弁１７と補強リブ２１ｃ の縁部２１ｄとが接触する点が、羽根２１ｂの頂点を結ぶ直線上に位置する。つ まり、図３（ａ）に示すように羽根２１ｂの頂点と逆止弁１７とが接触する。こ のため、トナートナー収容ケース１４の内部にあるトナーＴが、羽根２１ｃの頂 点と逆止弁１７との間を通って外部へ漏れ出すことがない。従って、搬送ローラ ２１に補強リブ２１ｃを形成することによるクリーニング機能への悪影響を回避 することができる。

【００２８】 もし、図６（ａ）に示すように補強リブ２１ｃの縁部２１ｄが各羽根２１ｂの 頂点を円弧で結ぶものであり、補強リブ２１ｃが円形をなすものである場合には 、逆止弁１７と補強リブ２１ｃの縁部２１ｄとが接触する点が羽根２１ｂの頂点 を結ぶ直線より軸２１ａから離れる箇所に位置する。このため、補強リブ２１ｃ の縁部２１ｄと逆止弁１７とが接触した場合には、図６（ｂ）に示すように羽根 ２１ｂの頂点と逆止弁１７とが接触せず、トナートナー収容ケース１４の内部に あるトナーＴが、羽根２１ｃの頂点と逆止弁１７との間を通って外部へ漏れ出す ことになる。 搬送ローラに形態は第一の実施例に限定されるものでなく、軸、羽根および補 強リブを有するプラスチック成形品からなるものであれば良い。

【００２９】 図４は第二の実施例に用いる残留トナー搬送ローラを示している。図４におい て２２は搬送路押えロ−ラ、２２ａは軸、２２ｂは羽根、２２ｃは補強リブ、２ ２ｄは補強リブ２２ｃの縁部である。

【００３０】 図５は第三の実施例に用いる残留トナー搬送ローラを示している。図５におい て２３は搬送路押えロ−ラ、２３ａは軸、２３ｂは羽根、２３ｃは補強リブ、２ ３ｄは補強リブ２３ｃの縁部である。 なお、本考案は前述した実施例に限定されず、種々変形して実施することがで きる。

【００３１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の電子写真装置のプロセスユニットによれば、感光 体ドラムの残留トナーを取り除くクリーニング装置に、良好なトナー搬送効果を 有しながら安価であるトナー搬送用の搬送ローラを用いることにより経済性を高 めることができる。

【００３２】 また、搬送ローラは補強リブによって機械的強度が高められている。そして、 搬送ローラに補強リブを形成することによるクリーニング機能への悪影響を回避 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のプロセスユニットの第一の実施例を示
す断面図。

【図２】同実施例に用いる搬送ローラを示す図。

【図３】図２に示す搬送ローラの作用を示す図。

【図４】第二の実施例に用いる搬送ローラを示す図。

【図５】第三の実施例に用いる搬送ローラを示す図。

【図６】搬送ローラの比較例を示す図。

【図７】従来のプロセスユニットの一例を示す断面図。

【符号の説明】

１…プロセスユニット、１１…感光体ドラム、１２…帯
電装置、１３…クリーニング装置、１４…残留トナート
ナー収容ケース、１５…ブレード、１７…逆止弁、２１
…搬送ローラ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体ドラムと、転写行程後に前記感光
   体ドラムに滞留している残留トナーを掻き落とすクリー
   ニングブレードと、掻き落とされた前記残留トナーを受
   ける受け部を有しこの受け部で受けた前記トナーを収容
   するトナー収容ケースと、このトナー収容ケースの前記
   受け部に設けられ前記受け部で受けた前記トナーを回転
   により前記トナー収容ケースの内部に搬送する搬送ロー
   ラとを備え、前記搬送ローラはプラスチック成形品で形
   成され、且つ前記搬送ローラには、その中心軸線の周囲
   を囲む複数のトナー搬送用羽根が形成されていることを
   特徴とする電子写真装置のプロセスユニット。
2. 【請求項２】 搬送ローラには、各羽根の頂点を直線で
   結ぶ縁部を有する補強リブが形成されていることを特徴
   とする請求項１に記載の電子写真装置のプロセスユニッ
   ト。