JPH0689365B2 - 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉 - Google Patents

粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉

Info

Publication number
JPH0689365B2
JPH0689365B2 JP62299486A JP29948687A JPH0689365B2 JP H0689365 B2 JPH0689365 B2 JP H0689365B2 JP 62299486 A JP62299486 A JP 62299486A JP 29948687 A JP29948687 A JP 29948687A JP H0689365 B2 JPH0689365 B2 JP H0689365B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
density
sintering
pores
sintered body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62299486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01142002A (ja
Inventor
純一 太田
邦明 小倉
重彰 高城
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP62299486A priority Critical patent/JPH0689365B2/ja
Publication of JPH01142002A publication Critical patent/JPH01142002A/ja
Publication of JPH0689365B2 publication Critical patent/JPH0689365B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <発明の目的> 産業上の利用分野 本発明は粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉に係り、詳し
くは、高密度の焼結材料が得られるアトマイズ予合金鋼
粉に係る。
従来の技術 近年、粉末冶金法による焼結部品の製造は著しい伸びを
示し、焼結部品の適用範囲が広がりつつある。しかし、
焼結合金には気孔が存在し、この気孔が機械的諸性質に
悪影響を及ぼす欠点があった。このため、焼結合金の焼
結密度はできるだけ高いことが必要で、鉄系焼結材料で
は7.6g/cm3(密度比96%)程度以上が望まれている。
一方、強度レベルを向上させるために合金元素を添加
し、固溶強化による特性改善も行なわれている・合金元
素の添加方法としては予め、溶鋼時に添加する予合金法
が最も均質な固溶状態を作ることができ、良好な特性が
得られるが、反面、合金元素の固溶硬化によって圧縮性
の低下を招くことになる。
そこで、圧縮性改良の試みとして、例えば、特公昭45−
9649号公報に開示されているように、内部の純鉄粉の圧
縮性を保ちつつ鉄粉表面だけに合金成分を拡散付着させ
る方法が示されている。しかし、鉄粉表面に拡散付着し
た合金元素を基地鉄中に十分固溶させ、均質な合金を得
るためには、高温焼結や長時間焼結を行なう必要があ
り、製造プロセスに大きな制約を受けるという難点があ
る。
一方、焼結体や焼結前の成形体の高密度化手段をみる
と、熱間静水圧法(以下、HIP法という。)が提案さ
れ、一般化されている。この方法では粉末の成形体や焼
結体等の多孔質体に等方的に静水圧を加えるために、成
形体や多孔質体の表面を緻密質な材料で被覆する必要が
ある。このため、特開昭56−090901号公報に開示されて
いるように目的形状をした耐熱容器中に粉末を充填した
り、粉末成形体をガラス質で覆った後、この成形体を静
水圧で加圧し、緻密質体を得ている。
なお、この方法では粉末充填や表面被覆に容器や被覆材
を用いために、加圧処理前で装入や封入や封入する工程
と加圧処理後、除去する工程を要し、製造工程が複雑に
なるばかりでなく、経済上の問題点も抱えている。
このことから、表面被覆を必要としないHIP法として、
米国特許第4591482号(1986年5月27日)に開示される
方法がある。これによると、微粒の金属粉を圧粉した成
形体を焼結後に静水圧で加圧するものである。
この方法によって高密度化するときには、表面被覆を行
なわないため、焼結体の気孔を閉塞化する必要がある。
このためには、静水圧による加圧時に過度的に高い温度
を加え、表面に被覆層を形成する必要があり、製造条件
の厳密な管理やコントロールを行なうという製造上の難
点がある。更に、使える粉末が325メッシュ以下で好ま
しくは10ミクロン以下で要求され、組成も限定されるこ
とがあって、汎用性に乏しいという欠点がつきまとう。
発明が解決しようとする問題点 本発明はこれらの問題点の解決を目的とし、具体的に
は、予め合金化された溶鋼をアトマイズ法により粉末化
した予合金粉末であるにも拘らず、微粉末のみでなく、
比較的多量に粗粉末を含んで粒度が適正に調整されてい
るために、高密度の焼結体が製造できる粉末冶金用アト
マイズ予合金鋼粉を提供する。
<発明の構成> 問題点を解決するための手段ならびにその作用 すなわち、本発明に係るアトマイズ予合金鋼粉は、重量
%でMo:1.5〜20%若しくはW:3.0〜20%を含むか、Moな
らびにWは含量で 1.5<Mo+W<20% の条件で含み、残部がFeおよび不可避的不純物とからな
って、粉末粒径が250μm以下であって、なかでも、粉
末粒径10〜44μmを15%以上を含み、粉末粒径100〜250
μmを5〜20%含有して成ることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る合金鋼粉は、Mo又はWを含む
か、MoならびにWを含むMo−W−Fe系の予合金粉であっ
て、静水圧を利用したHIP法により高密度焼結体を得る
ことができる原料粉である。
特に、HIP処理下で生ずる高密度化について、焼結体の
空孔に対する閉空孔の割合を90%以上とするために、拡
散の早いα相形成元素(フェライトフォーマー)を添加
し、その上で成分の範囲ならびに粒度構成を定め、予合
金粉末特有の高硬度を利用して密度を達成する。
また、本発明に係る合金鋼粉は低〜高合金に属し、溶融
後にアトマイズにより衝撃粉砕して粉末化した所謂アト
マイズ粉である。
したがって、製造過程から明らかなように、粉自体の中
には気孔はほとんどないが、主に焼結体全体の中で粉末
同志が合体して気孔が生じる。
このところは、予合金鋼粉の粒度や、MoおよびWの添加
量などを最適条件に組み合わせ、本発明を完成した。
以下、順次に、本発明に係る鋼粉について説明する。
まず、MoあるいはW、またはMoおよびWを含ませる。
すなわち、FeはFe単味でα→γ変態点を有し、通常の焼
結温度である1000〜1350℃ではγ相である。ところが、
γ相のFeの自己拡散速度はα相の拡散速度に比較してか
なり遅いため、焼結に長時間を必要とする。そのため、
密度上昇が鈍く、気孔の閉塞化が進行しないことにな
る。
そこで、合金元素を添加することによって、Feの変態を
押さえ、α相単相とすることが必要である。
すなわち、鉄中に固溶し、α相を形成するフェライトフ
ォーマーとしての機能を有する元素には、Mo、Al、Cr、
Si、P、Sn、Ti、V、W、Zrなどがある。これらの元素
のうち、MoあるいはW、またはMoおよびWを含ませる
と、次の通りの効果が達成できる。
酸素との親和力が比較的弱く、安価な水アトマイズ法で
製造した場合も、その水アトマイズ時における酸化がガ
ス還元等によって容易に還元することができ、かつ、鉄
中の固溶した時に鋼粉の焼入性を高め、また、焼入材の
焼戻し抵抗を高める。
次に、以上のMoまたはWなどの合金元素は予合金法で添
加する。
添加方法には純鉄粉に添加元素粉末を混合して調整す
る、所謂混粉法や純鉄粉の表面に拡散付着させる部分拡
散法がある。しかし、いずれも合金元素が通常の焼結に
よって鉄基地中に拡散し、完全に均質な合金化の状態は
得られない。さらに、このことが合金元素の不均一性に
よる熱処理材の寸法変化や組織の不安定を招くことにな
る。
これら添加方法に比較して溶鋼の段階で添加元素を合金
化して合金鋼粉とした場合、熱処理歪が減少して、合金
元素の均質な焼結体組織が得られるという利点があり、
本発明では予合金法で添加した。
次に、合金元素のうち、Mo量は1.5〜20重量%(以下、
単に%で示す。)添加し、その理由を示す。
Moは前述のようにα相を出現させて焼結を促進し、気孔
の閉塞化を進めるために、添加する。
1.5%未満では予合金鋼粉で焼結時にα相単一相を形成
し難く、他方20%を越うるとFe中に過剰にMoが固溶する
ために、固溶硬化の程度が非常に大きくなり、圧粉密度
の低下が著しく、焼結によっても密度上昇が得られな
い。
これらのことは次の実験によって確かめられた。
すなわち、Moを鉄粉に均質に固溶させ、Moを1.0〜25.0
%含有する予合金粉末を水アトマイズ法により作製し、
これを成形、焼結後、水銀ポロシメーターを用いて閉気
孔率を求めた。
その結果、Moが1.5%未満ではα相単相にならず、90%
以上の閉気孔率が得られなかった。閉気孔率とは焼結体
に存在する気孔のうち、外部と通じない気孔の体積分率
を表したもので、閉気孔の割合が増すほど、加圧ガス雰
囲気下で焼結すると、気孔の除去される体積が増し、高
密度の達成するためには有効となる。すなわち、粉末成
形体を容器に封入しなくても、また、表面を緻密質材で
覆わなくても、加圧焼結を行なうことによって気孔を消
滅させることが可能となるのである。
一方、Moが20%を越える場合は合金成分による鋼粉の固
溶硬化のために圧粉密度が低下し、焼結体は高密度にな
らないため、90%以上の閉気孔率が得られなかった。続
いて、加圧処理を行ない焼結密度を測定すると90%以上
の閉気孔率を有する焼結体では焼結体に残留する気孔の
90%以上が除去され、99%以上の高密度焼結体が得られ
た。
以上の理由からMo量を1.5〜20%とした。
次に、W量を3.0〜20%とした理由を示す。
WはMoと同様にフェライトフォーマーである。しかし、
3.0%以下では焼結時にα相の形成が困難となり、20%
以上では予合金鋼粉が硬化しすぎるために、圧縮性を阻
害し、圧粉密度の低下が著しく、焼結によっても高密
度、すなわち、気孔の閉塞化が進まない。これらのこと
はMoの場合と同様にして確認した。
次に、Mo、Wはこれらを併せて添加し、MoおよびWによ
って同等あるいはそれ以上の効果も達成できる。
この場合、MoおよびWの合計量が1.5%未満ではα相の
形成が損なわれ、少なくとも1.5%以上必要である。
MoとWの合計量を20%以内に制限した場合には鉄中に合
金元素が固溶して圧縮性を劣化する程度を最小限に抑え
ることができるので、Mo+Wは1.5〜20%の範囲とし
た。
以上のようにMo、Wを添加するほか、アトマイズ予金粉
の粒度は、10〜44μmの粒子を15%以上、100〜250μm
の粒子を5〜20%含むよう調整する。
一般に、予合金鋼粉は合金元素の固溶硬化によって圧縮
性が阻害され、このところが大きい欠点を云われてい
る。
しかし、100〜250μmの比較的粗粒を5〜20%含ませる
ことによって、圧粉密度を向上させることが可能とな
る。一方、10〜44μmの微粒を15%以上含ませる。これ
によって、焼結時に緻密化を促進させ、閉気孔の形成が
容易となる。
これらのことは以下の実験によって確認された。
すなわち、水アトマイズ法によってMo:1.5〜20%、W:0.
7〜10%含有した予合金鋼粉をつくり、これを還元、焼
鈍後、解砕し、粒度調節を行ない、100〜250μmの粗粒
粉を0〜25%、10〜44μmの微粉を18%含む各種鋼粉を
調整した。
これら鋼粉を用いて、成形、焼結し、その後、閉気孔率
を求めたところ、次の通りの結果が得られた。
100〜250μmの粗粒粉が5%未満の場合、通常知られる
ように、予合金鋼粉は圧縮性が劣るという結果であっ
た。これに対し、粗粒粉が5%以上、つまり、5〜20%
含む鋼粉では圧縮性が改善されて高圧粉密度が得られ
た。その後の焼結によっても、微粉が18%含むところか
ら、圧粉体では微粉によって緻密化が進行し、気孔の閉
塞化が進み、閉気孔率は90%以上となった。これを加圧
焼結すると、99%以上の高密度、焼結体が得られた。
一方、25%を越える粗粒を含んだ鋼粉を用いた焼結体中
には粗大な気孔が残留し、微粒の焼結性に優れる微粉が
18%も含まれているのにも拘らず、閉気孔率は上昇せ
ず、続いて行なった加圧処理によっても気孔が除去され
ない。このため、99%以上の高密度が得られなかった。
また、全体としての粒度は250μm以下とする必要があ
る。これをこえると、焼結密度が低下すると共に、焼結
後の表面粗度が増加する。このため、製品の粒度構成と
して100〜250μmの粒子を5〜20%、10〜44μmの粒子
を15%以上の範囲にする。
実施例 以下、実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜4) 水アトマイズ法によって、Moの含有量が1.8、5.0、11.
0、18.0%の実施例1〜4および1.0、25.0%の比較例1
および2の予合金鋼粉を作製した。その後、H2雰囲気で
1000℃×25分還元し解砕した後、800℃×20分、H2雰囲
気中で焼鈍処理を行ない、解砕時に粒度を調節して100
〜250μmの粒子を12%、10〜44μmの粒子を18%含む
粉末を作製した。これにステアリン酸亜鉛を1%添加混
合し、7ton/cm2の圧力で直径11.3mm、高さ11.3mmの圧粉
体を成形後、これを600℃で1時間脱ろうし、乾燥水素
中で1250℃で1時間焼結した。その後、焼結体を静水圧
によるHIP加圧装置に装入し、Arガス、100気圧で1300
℃、1時間の加圧焼結を行なった。焼結体の開気孔体積
を水銀ポロシメーターを用いて測定し、閉気孔の体積分
率(すなわち、閉気孔率)を求めた。また、加圧処理後
の焼結体密度をアルキメデス法によって求め、これらの
結果を第1表に示す。
第1表からMoの添加量によって閉気孔率が変化し、α相
量はMo量に強く依存していることがわかる。すなわち、
実施例1〜4はα相の出現によって緻密化が容易に促進
され、気孔の閉塞化が進み、閉気孔率が極めて高い、90
%以上を達成した。
その結果、閉気孔は加圧処理によってほぼ完全に消滅
し、加圧焼結後の密度は99%以上となり、良好な緻密質
体が得られた。これに反して比較例1はMo量が少ないの
でα相の出現が不充分となり、焼結が十分進まず、閉気
孔率が28%と低いために加圧焼結後の密度が上昇しなか
った。
また、比較例2はMo量が多いのにも拘らず、その量が過
剰であるため、かえって、固溶硬化性が高く鋼粉の圧縮
性が悪化し、圧粉密度が低いものであった。すなわち、
気孔体積が大きく焼結後でも気孔の残留が目立った。そ
のため、加圧後の焼結体は低密度となったと考えられ
る。
(実施例5〜7) 水アトマイズ法によってMo含有量が5%の予合金鋼粉を
作製後、実施例1と同様な還元処理を施し、解砕時に10
0〜250μmの粗粒を0〜25%、10〜44μmの微粒を10〜
70%含む粉末を作製した。実施例1〜4と同様な方法で
成形、焼結し、加圧処理を施した。焼結体の閉気孔率と
加圧処理後の密度を測定した結果を第2表に示す。
第2表から実施例5〜7は100〜250μmの粗粒を5〜20
%、10〜44μmを18〜70%含むことによって、圧縮性の
劣化を防ぎかつ焼結性を良好に保つことが可能となり、
閉気孔率90%以上の極めて高い値が得られ、その後の加
圧焼結では、閉気孔がつぶされ99%以上の高密度が得ら
れた。
比較例3は100〜250μmの粗粒粉が全く無いので、圧粉
密度が低下し、焼結後も密度の上昇がみられなかった。
そのため、気孔は外部と通じており、閉気孔率が50%以
下で加圧処理を施しても99%以上の高密度は得られなか
った。
また、比較例4は粗粒が12%含まれているが、10〜44μ
mの微粉が15%未満であるため、焼結密度の増加が得ら
れず、十分な閉気孔率にならなかった。
比較例5は100〜250μmの粗粒粉が25%と過剰にあるた
め、成形時に形成される粗大な気孔が焼結によっても収
縮せずに残る。従って、閉気孔率が50%以下で加圧処理
に有効な閉気孔率は得られなかった。
(実施例8〜10) 水アトマイズ法によってWの含有量が3.5、10.0、18.0
%の実施例7〜9、1.0、25.0%の比較例6および7の
予合金鋼粉を作製した後、H2雰囲気で1000℃×30分還元
し解砕した後、800℃×20分、H2雰囲気中で焼鈍処理を
施した。解砕時に粒度を調節することによって177〜250
μmの粗粒を12%、10〜44μmの微粉を18%含む粉末を
作製した。
実施例1〜4と同様な方法で成形焼結後、焼結体の閉気
孔率を求めた。続いて加圧処理を行ない、加圧焼結体の
密度を求めた結果を第3表に示す。
第3表からわかるように、実施例8〜10はα相を出現さ
せるW量、すなわち、3.5、10.0、18.0%のW添加は気
孔の閉塞化に極めて有効である。その結果、加圧処理に
よって気孔が消滅し、99.5%以上の高密度が得られた。
比較例6はW量が少なくα相量が少なかったため、緻密
化が進まず、気孔の42%が閉塞したに過ぎなかった。従
って、加圧処理を施しても95%の密度で焼結体には残留
気孔がみられた。
比較例7はW量が25%と多く、Fe−W化合物を形成し易
くなり、焼結の促進が妨げられたことによって気孔が閉
塞化しなかった。従って、加圧処理を施しても95.8%の
密度で、緻密質な焼結体は得られなかった。
(実施例11、12) 実施例9で用いたW含有量が10%の予合金鋼粉を仕上げ
解砕の時点で粒度を100〜250μmの粗粒を0〜25%、10
〜44μmの微粒を18%含むように調節した粉末を作製し
た。
実施例1〜4と同様な方法で成形、焼結し、加圧処理を
施した焼結体の閉気孔率と加圧処理後の密度を測定した
結果を第4表に示す。
粗粒の粒度構成を5%、12%とした実施例11、12は閉気
孔率95%以上の加圧焼結に有効な閉気孔率が達成され
た。しかし、比較例8は粗粒が全くないため、予合金鋼
粉では圧粉密度が上らず、その結果、気孔の閉塞化が46
%と加圧焼結には極めて不利な焼結体となった。
比較例9は粗粒が25%と非常に多いため、成形時に粗粒
間に存在した大きな空隙が焼結後でも収縮しきれずに存
在する。従って、閉気孔率は38%と低く、加圧焼結後の
密度も上昇しないという結果になった。
(実施例13) 水アトマイズ法によってMoおよびWを第5表に示すよう
な合金量になるように鋼粉を作製し、実施例1〜4と同
様な条件で還元し、粒度調節した粉末を作製した。
これらの粉末を用いて実施例1〜4と同様な方法で成
形、焼結後、焼結体の閉気孔率を求めた。
次に、加圧処理を行ない、加圧焼結後の密度を測定し、
これらの結果を第5表に示す。
第5表から明らかなように、実施例13は十分なα相が形
成され、緻密化が進み、気孔の閉塞が容易に進んだ。そ
の結果、気孔の90%が閉塞化し、加圧処理後99%以上の
高焼結密度が得られた。
比較例10は合金添加量が少なかったため、α相の形成が
不十分で焼結が進まず、閉気孔率が45%と低く、従っ
て、加圧焼結体の密度も95%で気孔が残留した。
比較例11は合金添加量が多いために、鋼粉の圧縮性が劣
り、圧粉密度が低く、焼結後も密度上昇はみられなかっ
た。その結果、閉気孔率43%でまだ外部と通じる開気孔
が残留するため、加圧処理による気孔消滅の十分な効果
が得られなかった。
上述のように、本発明鋼粉を用いた焼結材は特に気孔の
閉塞が容易に進み、加圧処理によって99%以上の高密度
焼結体が製造可能である。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明は、重量%でMo:1.5〜20%
またはW:3.0〜20%のうち少なくとも1種以上を含み、
とくに、MoならびにWを併せて含む場所は、 1.5<Mo+W<20% の条件を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物とから
なるとともに、粉末の粒径が全て250μm以下であっ
て、その中で10〜44μmの粒子を15%以上、100〜250μ
mの粒子を5〜20%含有させる。
したがって、本発明鋼粉を用いると、Mo、Wなどが含ま
れ、適正径の粒子が配合されているために、粉末成形体
を容器に入れることなしに、HIP処理によって、加圧焼
結を行なうと、高密度焼結体を得ることができ、微細な
粉末粒子のみを用いなくとも、機械的性質が向上した焼
結体が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でMo:1.5〜20%若しくはW:3.0〜20
    %を含むか、MoならびにWは合量で 1.5<Mo+W<20% の条件で含み、残部がFeおよび不可避的不純物とからな
    って、粉末粒径が250μm以下であって、なかでも、粉
    末粒径10〜44μmを15%以上を含み、粉末粒径100〜250
    μmを5〜20%含有して成ることを特徴とする粉末冶金
    用アトマイズ予合金鋼粉。
JP62299486A 1987-11-27 1987-11-27 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉 Expired - Fee Related JPH0689365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62299486A JPH0689365B2 (ja) 1987-11-27 1987-11-27 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62299486A JPH0689365B2 (ja) 1987-11-27 1987-11-27 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01142002A JPH01142002A (ja) 1989-06-02
JPH0689365B2 true JPH0689365B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=17873193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62299486A Expired - Fee Related JPH0689365B2 (ja) 1987-11-27 1987-11-27 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0689365B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7347884B2 (en) 2003-08-18 2008-03-25 Jfe Steel Corporation Alloy steel powder for powder metallurgy
US7384446B2 (en) 2004-04-22 2008-06-10 Jfe Steel Corporation Mixed powder for powder metallurgy
US10265766B2 (en) 2013-06-07 2019-04-23 Jfe Steel Corporation Alloy steel powder for powder metallurgy and method of producing iron-based sintered body

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05287302A (ja) * 1992-04-07 1993-11-02 Nkk Corp 高密度粉末焼結チタン合金の製造方法
US5264022A (en) * 1992-05-05 1993-11-23 Teledyne Industries, Inc. Composite shot
US5713981A (en) * 1992-05-05 1998-02-03 Teledyne Industries, Inc. Composite shot
US6270549B1 (en) 1998-09-04 2001-08-07 Darryl Dean Amick Ductile, high-density, non-toxic shot and other articles and method for producing same
US6527880B2 (en) 1998-09-04 2003-03-04 Darryl D. Amick Ductile medium-and high-density, non-toxic shot and other articles and method for producing the same
US7267794B2 (en) 1998-09-04 2007-09-11 Amick Darryl D Ductile medium-and high-density, non-toxic shot and other articles and method for producing the same
US6248150B1 (en) 1999-07-20 2001-06-19 Darryl Dean Amick Method for manufacturing tungsten-based materials and articles by mechanical alloying
US6447715B1 (en) 2000-01-14 2002-09-10 Darryl D. Amick Methods for producing medium-density articles from high-density tungsten alloys
US7217389B2 (en) 2001-01-09 2007-05-15 Amick Darryl D Tungsten-containing articles and methods for forming the same
US6749802B2 (en) 2002-01-30 2004-06-15 Darryl D. Amick Pressing process for tungsten articles
WO2003064961A1 (en) 2002-01-30 2003-08-07 Amick Darryl D Tungsten-containing articles and methods for forming the same
US7059233B2 (en) 2002-10-31 2006-06-13 Amick Darryl D Tungsten-containing articles and methods for forming the same
US7383776B2 (en) 2003-04-11 2008-06-10 Amick Darryl D System and method for processing ferrotungsten and other tungsten alloys, articles formed therefrom and methods for detecting the same
US9046328B2 (en) 2011-12-08 2015-06-02 Environ-Metal, Inc. Shot shells with performance-enhancing absorbers
CN103695768B (zh) * 2013-12-25 2016-06-29 嵩县开拓者钼业有限公司 一种钨钼铁合金及其制备方法
US10260850B2 (en) 2016-03-18 2019-04-16 Environ-Metal, Inc. Frangible firearm projectiles, methods for forming the same, and firearm cartridges containing the same
US10690465B2 (en) 2016-03-18 2020-06-23 Environ-Metal, Inc. Frangible firearm projectiles, methods for forming the same, and firearm cartridges containing the same

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61104050A (ja) * 1984-10-27 1986-05-22 Toyota Motor Corp 高強度鉄系焼結合金

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61104050A (ja) * 1984-10-27 1986-05-22 Toyota Motor Corp 高強度鉄系焼結合金

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7347884B2 (en) 2003-08-18 2008-03-25 Jfe Steel Corporation Alloy steel powder for powder metallurgy
US7384446B2 (en) 2004-04-22 2008-06-10 Jfe Steel Corporation Mixed powder for powder metallurgy
US10265766B2 (en) 2013-06-07 2019-04-23 Jfe Steel Corporation Alloy steel powder for powder metallurgy and method of producing iron-based sintered body

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01142002A (ja) 1989-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0689365B2 (ja) 粉末冶金用アトマイズ予合金鋼粉
CN108367356B (zh) 用于粉末注射成型的铁基粉末
MX2013007653A (es) Polvos a base de hierro para moldeo por inyeccion de polvo.
US6468468B1 (en) Method for preparation of sintered parts from an aluminum sinter mixture
JPS6366362B2 (ja)
JP3401619B2 (ja) 高負荷可能な焼結部品の少なくとも摩耗層の製造方法
JP4060092B2 (ja) 粉末冶金用合金鋼粉およびその焼結体
CN107034375A (zh) 一种利用氢化钛粉制备高致密度钛制品的方法
JP2531624B2 (ja) 高靱性と高強度を有する有芯w合金焼結体の製造法
JPH07278609A (ja) 高密度焼結チタン合金の製造方法
JP2003531961A (ja) 親水コロイドの結合剤を炭素源として用いて炭素鋼の部品を焼結させる方法
JP3871825B2 (ja) 金属質粉成形素材の再圧縮成形体及びその再圧縮成形体から得られる焼結体並びにそれらの製造方法
JPS62188735A (ja) TiNi系合金線材又は板材の製造法
JPS5819738B2 (ja) コウミツドシヨウケツコウノ セイゾウホウホウ
JPH0689363B2 (ja) 粉末治金用高強度合金鋼粉
JP4158015B2 (ja) 焼結体の製造方法及び焼結体
JP2945115B2 (ja) 鉄系金属粉末製大型焼結体の製造方法
JPH1030136A (ja) 焼結チタン合金の製造方法
JPH07138602A (ja) 粉末冶金用低合金鋼粉
JPH06172810A (ja) タングステン合金焼結体の製造方法
JPH06100969A (ja) Ti−Al系金属間化合物焼結体の製造方法
JPS6389602A (ja) 粉末冶金用合金鋼粉の製造方法
JP5339770B2 (ja) 焼結体の製造方法
JP2766427B2 (ja) 鉄−クロム系焼結軟磁性材料の製造方法
JPH07113137B2 (ja) 焼結高速度鋼部材の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees