JPH0689157B2 - 絶縁性材料の接着方法とそのための装置並びにその接着に使用する交番磁束によって磁気ヒステリシス発熱させるのに適した発熱材 - Google Patents

絶縁性材料の接着方法とそのための装置並びにその接着に使用する交番磁束によって磁気ヒステリシス発熱させるのに適した発熱材

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JPH0689157B2
JPH0689157B2 JP2155752A JP15575290A JPH0689157B2 JP H0689157 B2 JPH0689157 B2 JP H0689157B2 JP 2155752 A JP2155752 A JP 2155752A JP 15575290 A JP15575290 A JP 15575290A JP H0689157 B2 JPH0689157 B2 JP H0689157B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、樹脂等の絶縁性材料を、発熱体を含む樹脂を
加熱することにより接着する方法,装置及びこれに用い
る発熱材に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、樹脂の加熱接着方法として高周波誘導加熱法を用
いる方法がある。この方法は元来、導電体を一様に加熱
できるため、広く工業的に用いられている方法であり、
例えば鋼管や鋼板等の導電性物質にゴムやプラスチック
等の絶縁性材料をラミネートする際などに用いられてい
る。
また、特公昭52-65号公報に開示されているように、樹
脂は絶縁物質であるので被接着物である樹脂の接合部位
に、鉄粉等の導電性材料を発熱物質(以下「サセプタ
ー」という)として含む導電性複合体を発熱材として挿
入し、該発熱材に対し誘導加熱によって加熱している
が、この加熱では、一般にサセプターのサイズに応じて
誘導加熱による十分な発熱を得るため、高周波誘導加熱
装置を用い1MHz〜13MHzという高周波電流を印加し上記
接合部位を加熱溶融又は硬化して接着している。
一方、各種樹脂の工業材料としての応用が進むにつれ
て、被接着物がともに樹脂等の絶縁性材料の加熱接着方
法の改良が強く要求されている。即ち、例えば、被接着
物が合成樹脂の場合、その薄層化、小型化、形状の複雑
化に伴って、発熱材自体の薄層化、小型化が必須とな
り、そのためには、接着効果の優れた発熱材であること
が強く要求されている。
また、接着後も接着部位に残存して黒色〜茶褐色を呈す
るサセプターの含有量の低下を図ることが、樹脂の色彩
の淡色化、透明化など、多様化している樹脂に対する接
着技術の適用、応用範囲の拡大の面からも要望されてい
る。
上記の高周波誘導加熱による接着法において用いられる
発熱材中には導電性金属粉がサセプター物質として含ま
れているが、これには通常鉄粉が広く用いられている。
しかしながら、一般に鉄粉は微細になると酸化され易
く、また錆を発生すると導電性が低下するため、前述の
特公昭52-65号公報の「従来の誘導熱溶封方法において
は、比較的大粒の、即ち直径が0.05〜20ミル(0.001〜
0.5mm)またはそれ以上の鉄粒子を熱発生のサセプター
組成に使用するのが一般であった。」の記載の通り、錆
が発生し難い比較的大きな鉄粒子が用いられている。
また、錆の発生は、発熱性能を低下する外、接着強度を
劣化するなど好ましくないため、錆びない材料として磁
性酸化鉄粉末やフェライト粉末をサセプターとして用い
ることが一部で行われている。
しかし、これらサセプターは、上述した高周波誘導加熱
法による場合には、磁性酸化鉄粉末やフェライト粉末が
絶縁に近い高抵抗物質であるため渦電流が発生し難く、
鉄粉等の金属粉に比べて効率の悪い発熱体であった。
また、従来、樹脂接着用の高周波誘導加熱装置は、高周
波電源と該高周波電源に接続されているヘアピン型コイ
ル、マルチターン型コイル等の導電体のみで構成された
コアを有しない導電性加熱コイルからなる誘導加熱装置
とから構成されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の公知の高周波誘導加熱による接着方法は、発熱体
に主に渦電流を誘起させることにより、この損失エネル
ギーを熱に変換することを目的にするものであるから、
前述のとおり微細なサセプターを加熱するには、数MHz
の相当高い高周波電源装置を用いることが必要であっ
た。また、磁性酸化鉄粉末やフェライト粉末と樹脂とを
複合化した発熱材を用いた場合は、鉄粉等の金属粉を用
いる場合に比べ、抵抗が大であるので充分な発熱を誘起
させるためには、より高い周波数の高周波電源装置を用
いることが必要であった。
その為、電源周波数が高いことによって装置が大型かつ
高価なものとなり、また電波障害が起き易く、周辺機器
に対する妨害等に対処する必要があった。さらに加熱コ
イルを含む回路のインピーダンスが大きいためKHz帯、
特に400KHz以下の高周波加熱装置と比較すると電圧が高
く、漏電や感電などの危険があった。
したがって、樹脂等の絶縁性材料を短時間に加熱接着す
ることができ、出来るだけ低い周波数の高周波電源装置
を用いることによって、安全で品質が安定しており、か
つ、電波障害がない接着装置の使用を可能とする樹脂材
等の絶縁性材料の接着方法並びにその接着用加熱装置及
びこの接着方法に使用する発熱材の提供が切望されてき
た。
本発明は上記の接着方法、及び、この方法の実施に使用
する接着用加熱装置、並びに、この接着方法で使用する
発熱材を開発することを課題としてなされたものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するためになされた本発明において、接
着方法の構成の一つは、酸化鉄粉,フェライト粉及びこ
れらの混合物より選択された保磁力Hcが200Ocを超える
磁性粉と樹脂とから成り、該磁性粉の含有量が0.1%以
上50%未満である発熱材を接着されるべき絶縁性材料の
被接着面間に挿入し、高周波発生装置と励磁コイル及び
電磁コアとで構成された交番磁界発生手段を前記絶縁性
材料を介して前記発熱材に作用させるように配すると共
に、交番磁界を発生させて該発熱材内に交番磁束を印加
し、前記発熱材中の磁性粉を磁気ヒステリシス発熱させ
ることにより、前記発熱材中の樹脂を硬化又は溶融させ
て接着することを特徴とするものであり、他の構成は、
酸化鉄粉,フェライト粉及びこれらの混合物より選択さ
れた保磁力Hcが50Oe以上200Oe以下の磁性粉と樹脂とか
ら成り、該磁性粉の含有量が50〜90%である発熱材を接
着されるべき絶縁性材料の被接着面間に挿入し、高周波
発生装置と励磁コイル及び電磁コアとで構成された交番
磁界発生手段を前記絶縁性材料を介して前記発熱材に作
用させるように配すると共に、交番磁界を発生させて該
発熱材内に交番磁束を集中印加し、前記発熱材中の磁性
粉を磁気ヒステリシス発熱させることにより、前記発熱
材中の樹脂を硬化又は溶融させて接着することを特徴と
するものであり、これらの接着方法における発熱材に対
して印加する交番磁界の強さは、発熱材中の磁性粉の保
磁力の1〜15倍であり、また、これらの接着方法におけ
る交番磁界発生手段における交番磁界の周波数は1〜40
0KHzであり、更に、この接着方法に使用する交番磁界発
生装置の構成は、高周波電源と該電源に接続される励磁
コイルと電磁コアから成り、該電磁コアの端部磁極面
が、請求項1〜4のいずれかに記載の方法における被接
着面間に挟持された発熱材に対し、絶縁性材料を介して
対向配置されるように構成したことを特徴とするもので
あり、更にまた、この方法による接着に使用する交番磁
束によって磁気ヒステリシス発熱させるのに適した発熱
材の構成は、磁性粉と樹脂とから成り、該磁性粉が酸化
鉄粉,フェライト粉及びこれらの混合物より選択された
平均最大径が1μm以下で、50Oe以上の保磁力を有し、
その含有量が0.1〜90%であることを特徴とするもので
ある。
なお、磁気接着方法における「磁気ヒステリシス発熱」
とは、磁気ヒステリシス損による発熱をいう。
〔作用〕
本発明において最も重要な点は、樹脂と磁性粉末とから
なる複合磁性体を発熱材とし、該発熱材に電磁コアと励
磁コイルによって構成された磁界発生装置を用いて交番
磁界を集束印加したとき、磁性粉末の磁気ヒステリシス
損失によって発熱し短時間に樹脂を溶融または硬化させ
ることができるという事実である。
本発明において使用する発熱材は、磁性粉末と樹脂とか
らなる複合磁性体であって、磁性粉末としては磁性酸化
鉄粉末や各種組成のフェライト粉末等を1種または2種
以上を混合して使用するものであり、該磁性粉末の磁気
特性は、飽和磁化σsが50emu/g以上で保磁力Hcが50Oe
以上であることを条件とする。
磁性粉末の形状は、立方体状のもの,球状のもの,六角
形状のもの、針状のものいずれでもよい。
球状のもの、立方体状のものは平均径で0.1μm以上の
ものが好ましく、針状のものは長径が0.1μm以上、短
径が0.01μm以上であることが望ましい。
本発明における発熱材中の樹脂と磁性粉末との混合割合
は、磁性粉末の磁気特性及び磁性粉末の樹脂中への分散
と充填性を勘案しながら、磁性粉末の保磁力Hcが50〜20
0Oeの場合、50〜90重量%、更に好ましくは50〜85重量
%である。この場合、磁性粉末が50重量%未満である場
合には、最大磁束密度Brが1000G以上の発熱材が得られ
難く、本発明の目的とする短時間での発熱効果が低い。
磁性粉末が90重量%を超える場合には、磁性粉末の樹脂
中への充填及び分散が困難となる。
本発明における発熱材中の樹脂と磁性粉末との混合割合
は、磁性粉末の保磁力Hcが200Oeを超える場合、磁性粉
末が50重量%未満、好ましくは5〜30重量%である。磁
性粉末が50重量%を越える場合には、樹脂の接着力が限
定されるほか、場合によっては、発熱効果が大き過ぎ、
樹脂の劣化を招く可能性が高い。また有効な発熱を得る
ために必要な磁性粉末の量を考慮すれば、その下限値
は、0.1重量%である。
本発明における樹脂としては、ポリプロピレン,ポリエ
チレン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,これらのコポ
リマー等の熱可塑性樹脂、及び、メラミン,フェノー
ル,エポキシ,不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を
使用することができる。
これら樹脂と磁性粉末を混合した発熱材は、ペースト状
又は固形状のいずれでもよく、固形状で使用する場合に
は、ペレット状,シート状等接合部位に応じて適宜その
形状を選択すればよい。
混合された発熱材は、絶縁性を有し、保磁力Hc50Oe以
上、最大磁束密度Bmが1000G以上、好ましくは1200G以上
である。
保持力Hcが50Oe未満であると磁気ヒステリシス損が小さ
すぎ、また、発熱材の最大磁束密度Bmが1000G未満であ
る場合、又は、発熱材の残留磁束密度Br/保磁力Hcが1.3
未満である場合には、保磁力が小さいときは磁気ヒステ
リシス損が小さくなるので本発明の目的とする充分な発
熱が得られないことがある。従って、残留磁束密度Br/
保磁力Hcが1.3以上の磁性を有するものとすると好結果
が得られることが多い。
また、本発明によれば、絶縁性材料として、熱可塑性樹
脂や熱硬化性樹脂、或は、FRP材等の加熱接着加工が可
能であることはもちろん、絶縁性被接着物の組み合わせ
は、樹脂同士のほか、樹脂と樹脂以外の木材,耐熱性繊
維成形物,ガラス,セラミックス等との組み合せであっ
ても加熱接着加工ができる。
本発明において、磁性粉末をサセプターとして用いる上
で最も重要なことは、サセプター又はサセプターが分散
した複合磁性体の磁気特性と交番磁界発生用電源コアか
ら生じる磁界の強さとを適切にマッチングさせることで
ある。
一般にサセプター等の有する保磁力を上回る強さの交番
磁界をその発熱材に印加することが最低必要であり、1
〜15倍の強さの磁界を印加することによってサセプター
より十分な磁気ヒステリシス損に基く発熱を引き出すこ
とができる。印加交番磁界がサセプター等の保磁力の1
倍未満の場合は、発熱効率が低下し、また、10倍を越え
る交番磁界を印加しても発熱効率にはあまり影響がない
ので、加熱の省力化及び加熱装置の簡略化を考慮すれ
ば、2〜10倍程度がよく、できれば5〜10倍程度が好ま
しい。
更に、本発明における発熱材に加える交番磁界は、高周
波電源とこの電源に接続される励磁コイルと電磁コアと
によって構成された交番磁界発生装置からなる樹脂等の
絶縁性材料の接着用加熱装置を高周波電源に接続させて
用いて印加させることが肝要である。
本発明に係る磁気ヒステリシス損による発熱を利用した
樹脂等の接着用加熱装置(以下、本発明装置という。)
を図面を参照して詳しく説明すれば、次の通りである。
第1図は、本発明装置の原理を説明するための構成の一
態様を示した要部の斜視図である。
本発明装置は、この第1図に示す通り、高周波電源5と
この電源5にリード線によって接続されている導電性励
磁コイル2とE型電磁コア2個を対向して配置した電磁
コア1から成り、電磁コア1及び導電性励磁コイル2か
らなる加熱装置の磁極間空隙4に、被接着面間に磁性体
を含有する発熱材(図示せず)を介在させた絶縁性材料
である樹脂3を設置し、高周波電源5により交番磁界を
印加すると、発熱材中に交番磁界を高効率に集束させる
ことができる。
一般に、磁気ヒステリシス損による発熱Ph(W)は、下
記の一般式で示される通り、交番磁界の周波数及び磁束
密度に大きく左右される。
Ph=η・f・Bm1・6V η:ヒステリシス係数 f :交番磁界の周波数 Bm:最大磁束密度 V:被加熱物の体積 従って、電磁コア1及び導電材料たる励磁コイル2によ
って構成された加熱装置による本発明装置を用いた場合
には、発生する交番磁界を電磁コアなどの磁性材料によ
り集束させ、発熱材に印加する交番磁界の磁束密度を増
加することができるので、短時間に高効率で発熱を生起
させることができる。
即ち、加熱装置に電磁コアを使用すると電磁コアを使用
しない従来の加熱装置に比べ、その発生する磁界は集束
され、電磁コアの比透磁率の倍数で増加するからであ
る。従って、必要な高周波電源の周波数は、1〜400KHz
という低い周波数で磁性粉末の磁気ヒステリシス損を利
用して発熱させることができ、その結果、電波障害が起
きにくく、高周波電源を含む加熱装置全体も小型化,低
価格化でき、また、これによって回路全体のインピーダ
ンスが下がるので、安全性の面でも向上した樹脂等の絶
縁性材料の接着用加熱装置を実現出来たのである。
以上のように、本発明によれば、樹脂と磁性粉末とから
なる複合磁性体を発熱材とし、該発熱材に電磁コアと励
磁コイルによって構成された磁界発生装置を用いて交番
磁界を集束印加することによって、磁性粉末の磁気ヒス
テリシス損を専ら利用して発熱させ、より短時間に樹脂
を溶融または硬化させることができる。また、本発明に
おける樹脂の接着においては、低い周波数、殊に、1〜
400KHzという電波障害のない低い周波数帯域の高周波電
源装置を適切に使用できる。
更に、発熱材のサセプターとしての保磁力Hcが200Oeを
越える磁性粉末を含む発熱材を用いた場合には、発熱効
果が優れていることに起因して、その含有量を可及的に
低下させることができる。
また、本発明による場合には、殊に、1〜400KHzという
低い高周波電源を用いるので渦電流が発生し難く、発熱
は主として磁気ヒステリシス損によるものであるから、
その発熱量は発熱材である複合磁性体の磁気的性質に依
存し、従って、被接着物の加熱温度を、発熱材の温度特
性等の磁気特性を適切に選択することにより、容易に任
意な温度で制御することができる。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明を説明する。
本発明における磁性粉末及び発熱材の電気特性は、高抵
抗測定器により、また、磁気特性は、振動試料型磁力計
により測定した値で示した。交番磁界は、磁界発生手段
たる加熱装置に印加される高周波電圧の測定値から計算
して求めた値で、周波数は、高周波波形をシンクロスコ
ープで計測することにより得た値で示した。
実施例に使用した発熱材は以下の説明するように製造
し、その製造条件及び電磁気特性を表1−1〜表1−2
に示す。
発熱材1 ブロックコポリマーポリプロピレン(J-609H・宇部興産
(株)製)に電気抵抗率1012Ωcm、Hc=1300e、σs=8
0emu/gのマグヘマイト粉80重量%が加えられた混合物
を、熱間2本ロールを用い180℃で5分間混練した。
この混練物を分散し、熱間プレスにて200℃で5分間保
持、さらに冷却プレスにて5分間冷却して100×100×0.
3mm厚のシート状をなす接着用の発熱材を作製した。
発熱材2〜6 樹脂の種類、磁性粉末の種類並びに配合割合、熱間ロー
ルの温度を種々変化させた以外は発熱材1と同様にして
接着用発熱材を作製した。
発熱材7 一液型エポキシ樹脂50gに発熱材1と同一の磁性粉末50
重量%が加えられたペースト状の発熱材を作製した。
発熱材8 ブロックコポリマーポリプロピレン(J-609H、宇部興産
(株)製)70gにHc=220Oe,σs=80emu/gの立方体状マ
グネタイト30gが加えられた混合物を熱間ロールを用い
5分間混練し、該混練物を分散して熱間プレスで成形
し、0.5mm厚さのシート状をなす発熱材を作製した。
発熱材9〜13 磁性粉末の種類及び配合割合を種々変化させた以外は、
発熱材8と同様にして発熱材を作製した。
発熱材14 一液加熱硬化型エポキシ樹脂90gに針状マグヘマイト
(保磁力420Oe)10gを混入し、粉末が液中樹脂中に均一
に分散したペースト状の発熱材を作製した。
発熱材15〜19 磁性粉末の種類及び配合割合を種々変化させた以外は、
発熱材14と同様にして発熱材を作成した。
実施例1 マンガン亜鉛フェライト焼結体E型コア2個を用いてそ
の一方に励磁コイルを巻いてできた一対の電磁コアから
成る磁路形成部分に、間に発熱材1を挟んだ2枚のポリ
プロピレンシート(幅20mm、長さ50mm、厚み5mm)を、
加圧しながら、その接合部位を設置し、次いで、表2に
示す電気条件で交番磁界を印加した。20秒間で接合部は
融着して、2枚は強力に接着していた。
実施例2〜7、比較例1,2 発熱材の種類、被接着加工材料の種類、電気条件並びに
交番磁界等の接着加工条件を種々変えた以外は実施例1
と同様にして接着加工した。このときの主要条件を表2
に示す。実施例2〜7で得られた樹脂の接合部は実施例
1と同様に強力に接着していた。
比較例1及び2で得られた樹脂の接合部は、焼けこげて
接着していなかった。
上記実施例1〜7と比較例1,2の成成積まとめて表2に
示す。
実施例8 発熱材8のシート片を高周波電源及びE型フェライトコ
アと鋼管コイルからなる加熱装置(第一高周波工業
(株)製)中に置き、出力0.4KW、周波数90KHzの条件で
交番磁場を発生させ、このシート片の温度を鋼コンスタ
ンタン熱電対により測定したところ、60秒で180℃に温
度上昇し、同温度で安定化した。
また、前記発熱材8のシート片をポリプロピレン板(宇
部興産(株)製、3mm厚、軟化点164℃)2枚の間に挟
み、同条件で発熱させたところ、ポリプロピレン板はこ
のシート片との界面で溶融し、強固に接着された。
表3に、この接着条件及び発熱結果を示した。
実施例9〜13 発熱材9〜13を実施例8と同様にして発熱させた。
表3に、接着条件及び発熱結果を示した。
実施例14 発熱材14のペーストを二枚のガラス板(MATUNAMIスライ
ドグラス、1mm厚)に厚さが0.5mmになるように挟み、実
施例8で用いた加熱装置中に置いて、出力0.5KW、周波
数95KHzの条件で交番磁界を発生させ、ペーストの温度
を鋼コンスタンタン熱電対により測定したところ12秒で
130℃に上昇し、同温度にて安定するとともにペースト
は硬化しガラス板は強固に接着していた。
表4に接着条件及び発熱結果を示した。
実施例15〜19 発熱材15〜19を実施例14と同様にして発熱させたところ
いずれの場合もガラス板は強固に接着していた。表4
に、接着条件及び発熱結果を示した。
比較例3 磁性粒子の含有率を20wt%とした以外は、発熱材7と同
様にして発熱材ペーストを作成した。このペーストを実
施例14と同様の条件下で交番磁界を印加したところ、交
番磁界印加後150秒経過しても硬化に有効な発熱は生起
せず、ガラス板は未だ接着していなかった。
比較例4 磁性粒子の含有率を70wt%とした以外は、発熱材14と同
様にして発熱材ペーストを作成した。このペーストを実
施例14と同様の条件下で交番磁界を印加したところ、急
激な発熱により発煙しペーストは劣化した。
次に、本発明装置について、その具体例、使用例並びに
比較例により説明する。
具体例1 第2図に示す斜視図の通り、本発明装置の一例は、U型
電磁コア(TDK製 材質:H7C4、形式:UU80)を6個用い
て1組のコアに形成した電磁コア1を2個用意し、その
一方の電磁コア1に直径4mmの鋼管を7ターン巻いて励
磁コイル2を設置し、これら2個の電磁コア1を第2図
のように対向配置して加熱装置を形成した。この加熱装
置の対向した電源コア1の中央部に形成された磁極の空
隙4は、磁極端面が幅40mm、奥行き90mmであって磁極間
空隙の長さが20mmであった。
上記加熱装置において、導電性励磁コイル2を形成する
銅管の端末をリード線を用いて高周波電源装置5(第一
高周波工業(株)製 H1-HEATER1050)と接続した。
具体例2 第3図の正面図に示す本発明装置の別例においては、U
−I電磁コア1(TDK製 材質:H7C4、形式:U180)を用
い、このU型コアに直径4mmの銅管を12ターン巻いて励
磁コイル2を設置し、これにI型コアを対向配置して加
熱装置に形成した。この加熱装置では、U型電磁コア1
の磁極端面が20mm×30mmであって、磁極間の空隙4の長
さは適宜変えることができる。
上記第3図に示した加熱装置は具体例1と同様にして、
導電性励磁コイル2の端末をリード線で高周波電源5に
接続した。
具体例3 第4図の斜視図に示す本発明装置の他の例においては、
I型電磁コア1(TDK製 材質:H7C4、形式:EI-70)1個
を用い、これに直径4mmの銅管を8ターン巻いて励磁コ
イル2を設置し加熱装置を形成した。この加熱装置の磁
極端面は30mm×10mmの角形であった。
上記加熱装置は具体例1と同様に、導電性励磁コイル2
の端末をリード線で高周波電源5に接続した。
比較装置1 従来から使用されている電磁コアを有しない、ヘアピン
形の加熱装置を高周波電源に接続した。
比較装置2 従来から使用されている電磁コアを有しない、マルチタ
ーン型の加熱装置を高周波電源に接続した。
実施例20 第2図に示した本発明装置の一例を使用し、発熱材1を
挟んだ2枚のポリプロピレンシート(幅20mm、長さ50m
m、厚み5mm)の接合部位を空隙4に設置し、次いで、表
5に示す電気条件で銅管製励磁コイル2に冷却水を通し
ながら交番磁界を印加した。20秒間で接合部は融着し
て、2枚のシートは強力に接着していた。
実施例21〜27、比較例5,6 加熱装置の種類、発熱材の種類、及び、被接着物である
加工材料の種類、並びに、電気条件及び交番磁界等の接
着加工条件を種々変えた以外は実施例20と同様にして接
着加工してみた。
このときの主要条件を表5に示す。この実施例21〜27で
得られた樹脂の接合部は実施例20と同様に強力に接着し
ていた。
比較例5及び6の場合は、交番磁界を印加してから150
秒経過しても発熱は生起せず、樹脂の接合部は、未だ接
着していなかった。
以上説明したように、本発明によれば従来接着が困難で
あった絶縁性材料をそれ同士であっても低周波の高周波
加熱手段によって容易かつ強固に接着することができる
ので、例えば、ガラス同士やFRP同士を接着して形成し
た複雑な形状,構造の製品を容易に製造することができ
る。また、例えばFRP製品上に樹脂系の着彩を施したり
耐久性の樹脂被覆を施した製品を容易に製造することが
出来る。
〔発明の効果〕
本発明における絶縁性材料の接着方法によれば、樹脂と
保磁力が50Oeを超える磁性粉末とからなる複合磁性体を
発熱材とし、電磁コアと導電材料から構成された磁界発
生装置によって印加される交番磁界による磁気ヒステリ
シス損により発熱させるので、接着に必要な加熱昇温が
容易となり、そのため、一方では、磁性粉末の含有量を
低くすることができ、樹脂等の接着性能が向上され、発
熱材の薄層化、小型化が可能となり、更に使用樹脂の適
用範囲が拡大できることとなり、他方、低い周波数、殊
に、1〜400KHzの高周波電源を使って短時間に樹脂の接
着加工ができ、したがって、入手が容易な電源装置の使
用が可能であることによって、安全で品質が安定してお
り、しかも、電波障害のない接着方法を容易に実施でき
るので、工業的、経済的に有利である。
また、本発明装置は、1〜400KHzの低い周波数、特に10
0KHz以下の高周波電源の使用が可能であることによっ
て、接着作業を安全に行うことができて接着品質は安定
しており、かつ、低周波数での出力ゆえ電波障害のない
樹脂等の接着用加熱装置である。従って、設備の小型
化、付帯設備の簡素化等が可能となり、一方、発熱材の
温度特性等の磁気特性を適切に選択することにより、発
熱温度を所望の温度に安定させることが容易となるの
で、工業的、経済的にも有利である。
尚、本発明装置は、発熱材を加熱することによって樹脂
を溶融または硬化させるものであるから樹脂等の接着用
の他、樹脂の溶融、硬化並びに成形を目的とする加熱装
置としても有効に利用出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の原理を説明する斜視図、第2図は
本発明装置の一例の斜視図、第3図は同じく本発明装置
の別例の斜視図、第4図は同じく他の例の斜視図であ
る。 1……電磁コア、2……励磁コイル、3……被接着材の
樹脂、4……磁極間空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 雅則 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目8番3号 第一高周波工業株式会社川崎工場内 (72)発明者 戸田 哲郎 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 宝来 茂 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (56)参考文献 特開 昭59−22231(JP,A) 実開 昭62−189123(JP,U) 実開 昭60−134294(JP,U)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化鉄粉,フェライト粉及びこれらの混合
    物より選択された保磁力Hcが200Oeを超える磁性粉と樹
    脂とから成り、該磁性粉の含有量が0.1%以上50%未満
    である発熱材を接着されるべき絶縁性材料の被接着面間
    に挿入し、高周波発生装置と励磁コイル及び電磁コアと
    で構成された交番磁界発生手段を前記絶縁性材料を介し
    て前記発熱材に作用させるように配すると共に、交番磁
    界を発生させて該発熱材内に交番磁束を印加し、前記発
    熱材中の磁性粉を磁気ヒステリシス発熱させることによ
    り、前記発熱材中の樹脂を硬化又は溶融させて接着する
    ことを特徴とする絶縁性材料の接着方法。
  2. 【請求項2】酸化鉄粉,フェライト粉及びこれらの混合
    物より選択された保磁力Hcが50Oe以上200Oe以下の磁性
    粉と樹脂とから成り、該磁性粉の含有量が50〜90%であ
    る発熱材を接着されるべき絶縁性材料の被接着面間に挿
    入し、高周波発生装置と励磁コイル及び電磁コアとで構
    成された交番磁界発生手段を前記絶縁性材料を介して前
    記発熱材に作用させるように配すると共に、交番磁界を
    発生させて該発熱材内に交番磁束を集中印加し、前記発
    熱材中の磁性粉を磁気ヒステリシス発熱させることによ
    り、前記発熱材中の樹脂を硬化又は溶融させて接着する
    ことを特徴とする絶縁性材料の接着方法。
  3. 【請求項3】前記発熱材に対して印加する交番磁界の強
    さを、発熱材中の磁性粉の保磁力の1〜15倍とする請求
    項1又は2に記載の接着方法。
  4. 【請求項4】交番磁界の周波数が1〜400KHzである請求
    項1〜3のいずれかに記載の接着方法。
  5. 【請求項5】磁性粉と樹脂とから成り、該磁性粉が酸化
    鉄粉,フェライト粉及びこれらの混合物より選択された
    平均最大径が1μm以下で、50Oe以上の保磁力を有し、
    その含有量が0.1〜90%であることを特徴とする交番磁
    束によって磁気ヒステリシス発熱させるのに適した発熱
    材。
  6. 【請求項6】高周波電源と該電源に接続される励磁コイ
    ルと電磁コアから成り、該電磁コアの端部磁極面が、請
    求項1〜4のいずれかに記載の方法における被接着面間
    に挟持された発熱材に対し、絶縁性材料を介して対向配
    置されるように構成したことを特徴とする交番磁界発生
    装置。
JP2155752A 1989-06-14 1990-06-14 絶縁性材料の接着方法とそのための装置並びにその接着に使用する交番磁束によって磁気ヒステリシス発熱させるのに適した発熱材 Expired - Fee Related JPH0689157B2 (ja)

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