JPH0689141B2 - ポリアミドイミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドイミドの製造方法

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JPH0689141B2 JP16685988A JP16685988A JPH0689141B2 JP H0689141 B2 JPH0689141 B2 JP H0689141B2 JP 16685988 A JP16685988 A JP 16685988A JP 16685988 A JP16685988 A JP 16685988A JP H0689141 B2 JPH0689141 B2 JP H0689141B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はポリアミドイミドの製造方法に関し、更に詳し
くは溶融成形が可能でかつ機械特性、耐熱性に優れた芳
香族ポリアミドイミドを効率よく製造する方法に関す
る。
〈従来技術〉 トリメット酸無水物またはその官能性誘導体と芳香族ジ
アミンまたはその官能性誘導体との反応により各種のポ
リトリメリットアミドイミドが得られることはよく知ら
れている。これらのうち芳香族ジアミンとして3,4′−
ジアミノジフェニルエーテルを用いたものは成形性に優
れた耐熱性樹脂としてその製造法が検討されている。
例えば、米国特許第3860559号には、アミド系あるいは
フェノール系溶剤中リン化合物を触媒としてトリメリッ
ト酸無水物と芳香族ジアミンとを加熱重縮合する方法が
記載されている。また欧州特許公開第0210851号及び特
開昭63-10630号には、生成するポリマーと相溶し得る低
分子化合物(例えばジフェニルスルホン)の存在下にお
いてトリメリット酸無水物と3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテルを加熱重縮合する方法が記載されている。上
記の各方法は無溶媒では高粘度のため溶融重合困難なポ
リアミドイミドを溶解乃至可塑化して溶融重合するもの
であるが、これらの方法では重合に極めて長時間を要
し、重合反応が終了した組成物から溶剤もしくは低分子
化合物を除去してポリマーを分離する工程が必須である
ため、工程が煩雑となる上、得られたポリマーが分岐状
になりやすいという問題がある。分岐状ポリマーは見か
け上重合度は高くても、その成形品の機械特性は極めて
不十分なものとなり好ましくない。
このポリマーの分岐を防ぐ方法として、芳香族ジアミン
の代りにその低級脂肪酸アミドを用いる方法が考えられ
るが、この方法では芳香族ジアミンを用いる場合より更
に重合反応が遅くなるという問題がある。
〈発明の目的〉 本発明の目的は、従来法の問題を解消し、線状で高重合
度のポリアミドイミドを効率よく工業的に有利に製造す
る方法を提供することにある。
〈発明の構成〉 かかる本発明の目的は、(A)芳香族トリカルボン酸及
び/またはその酸無水物と(B)下記式(I)で示され
るジアミン成分とを、 加熱重縮合することを特徴とするポリアミドイミドの製
造方法によって達成することができる。
以下、本発明の方法について詳述する。
本発明方法において(A)成分として用いる芳香族トリ
カルボン酸は、下記一般式(III)で表わされる化合物
である。
[但し、式中Arは2つの結合手の位置が隣接する、3価
の芳香族基である] 上記一般式(III)におけるAr(3価の芳香族基)とし
ては、 等が例示できる。これらのうち特に が好ましい。具体的化合物としてはトリメリット酸が特
に好ましい。
更に、本発明方法において(A)成分として用いる芳香
族トリカルボン酸の酸無水物は、上記一般式(III)で
表わされる化合物の酸無水物であり、特にトリメリット
酸無水物が好ましい。
本発明方法においては、上記芳香族トリカルボン酸及び
/又はその酸無水物の一部を、ジカルボン酸,テトラカ
ルボン酸,テトラカルボン酸無水物等で置換しても良
い。かかる化合物の具体例としては、テレフタル酸,イ
ソフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,ジフェニルジカ
ルボン酸,コハク酸,アジピン酸,セバチン酸,デカン
ジカルボン酸,シクロヘキサンジカルボン酸,ピロメリ
ット酸,ピロメリット酸無水物,ジフェニルテトラカル
ボン酸,ジフェニルテトラカルボン酸無水物,ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸,ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物等があげられる。これらは全酸成分当り、40
モル%以下、更には30モル%以下、特に20モル%以下の
割合で用いることが好ましい。
一方、本発明方法において(B)成分として用いるジア
ミン成分は、下記式(I)で示される化合物である。
この式(I)において、R1,R2はH又はR3COを示し、こ
れらは夫々同一又は異っていてもよい。なおR3は炭素数
1〜3のアルキルを示し、具体的にはメチル,エチル,
プロピルを挙げることができる。R3としてはこれらのう
ちメチルが好ましい。上記式(I)においてR1とR2は、
その合計量に対して5〜60モル%がHであり、95〜40モ
ル%がR3COであることが必要である。従って(B)成分
は、実質上、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、そ
のモノアミド及びそのジアミドより選ばれた化合物から
なる混合物である。
本発明者らの研究によれば、芳香族カルボン酸と芳香族
アミンとからアミドが生成する反応速度は、芳香族カル
ボン酸と芳香族アミンの低級脂肪酸アミドとからアミド
が生成する反応速度とほぼ同程度であるが、酸無水物と
芳香族アミンとからイミドが生成する反応速度は、酸無
水物と芳香族アミンの低級脂肪酸アミドからイミドが生
成する反応速度及び上記アミド生成反応速度に比べ著し
く速いこと、及び、ジアミンを単独で用いた場合には、
該ジアミンの低級脂肪酸アミドを単独で用いた場合より
反応は速いが、この場合にはフリーのアミンが高温で長
時間さらされるため、得られるポリマーが分岐状となり
やすいことが判明した。
本発明方法は、上記の知見に基づいて、上記A成分(芳
香族トリカルボン酸)と反応させる成分(B成分)にお
いてその40〜95モル%を低級脂肪酸アミドとし、残りを
ジアミンのままで反応させるものであり、かくしてイミ
ド化反応は反応の速いアミンにより実施して重合速度を
高め、かつ得られるポリマーの分岐を防ぐようにしたも
のである。
従って、本発明方法においては上記式(I)におけるR1
及びR2におけるHとR3COとの割合が重要であり、上記式
(I)においてR1とR2はその合計量に対して10〜55モル
%がHであることがより好ましく、15〜50モル%がHで
あることが特に好ましい。
本発明方法において(B)成分として用いるジアミンと
しては、上記式(I)で示されるものの一部を下記の如
きジアミン及び/またはその低級脂肪酸アミドで置きか
えてもよい。
かかるジアミンとしては、具体的には、p−フェニレン
ジアミン、m−フェニレンジアミン、トリレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4′−ジアミノジフェニル、3,3′−ジメチル−
4,4′−ジアミノジフェニル、4,4′−ジアミノベンゾフ
ェノン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−
ジアミノジフェニルスルホン、エチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメ
チレンジアミン等があげられる。またアミドを形成する
低級脂肪酸としては例えば酢酸,プロピオン酸等が挙げ
られるが、特に酢酸が好ましい。これらは全ジアミン成
分当り40モル%以下、更には30モル%以下、特に20モル
%以下で用いることが好ましい。ジアミンの使用割合
は、通常(A)成分に対し実質的に当モルである。
本発明方法においては、(A)成分及び(B)成分とと
もに少割合のアミノカルボン酸例えばp−アミノ安息香
酸,m−アミノ安息香酸等を併用し、共重合させても良
い。このアミノカルボン酸の割合は全繰返し単位当り30
%以下、特に20%以下が好ましい。
上記ジアミン成分(B)を重縮合に供する場合には上記
式(I)で示される各成分、すなわち、3,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、そのモノアミドまたはジアミド
誘導体を上記式(I)におけるR1とR2がその合計量に対
して5〜60モル%がHとなる割合で用いてもよいが、3,
4′−ジアミノジフェニルエーテルと下記式(II)で示
される低級脂肪酸の酸無水物の所定量を用い、 R3CO−O−OCR3 …(II) [R3は上記と同じ] 両者を重縮合反応容器中で反応させ、該反応系内におい
て実質上(B)成分を生成せしめるようにしてもよく、
工業的にはこの方法が最も有利である。
本発明方法においては、いずれの場合も上記各成分を加
熱重縮合することにより目的とするポリアミドイミドが
得られる。かかる加熱重縮合反応は溶融状態、あるいは
固相状態で実施される。この際の反応温度は、好ましく
は200〜360℃、より好ましくは220〜350℃、特に好まし
くは240〜340℃であり、反応によって生成する水または
低級脂肪酸を系外に留去させながら行う。上述の反応温
度は比較的低い温度から反応の進行に従って徐々に昇温
して行くことが好ましい。
その際の反応雰囲気は常圧,加圧,減圧のいずれでも良
いが、反応により生ずる副生成物を系外に除去するた
め、常圧乃至減圧とすることが好ましい。また反応は窒
素ガス,アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましい。
反応時間は特に制限はないが、好ましくは10分〜50時
間、より好ましくは10分〜40時間、特に好ましくは30分
〜30時間程度である。
上記重縮合により、N−メチル−2−ピロリドン中濃度
1g/dl,温度35℃で測定した還元粘度が、0.4以上のポリ
アミドイミドを得るようにするのが好ましい。還元粘度
が0.4より小さい場合得られる成形品の機械特性が不十
分となり好ましくない。得られるポリマーの還元粘度
は、より好ましくは、0.45以上、特に好ましくは0.5以
上とする。
上記重縮合の際、所望により、生成するポリマーと相溶
性を有し、かつ該ポリマーと実質的に非反応性である低
分子化合物を共存させることもできる。かかる低分子化
合物の使用は本発明方法では必須としないが、その可塑
化作用によりポリマーの溶融粘度を低下させ、高重合度
のポリマーを比較的低い粘度のままで重縮合することが
できるという利点を有する。
かかる低分子化合物としては、例えばジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジフェノキシジフェニルスルホン、4,4′−
ビス(4−または3−または2−オクチルフェノキシ)
ジフェニルスルホン等のスルホン系化合物、トリエチル
イソシアヌレート、トリブチルイソシアヌレート等のイ
ソアヌレート系化合物、ヘキサメチレンビスフタルイミ
ド、ドデカメチレンビスフタルイミド、4,4′−ビスフ
タルイミドジフェニルエーテル、N,N′−ビスオクチル
ピロメリットイミド等のイミド系化合物を例示すること
ができる。
また、この際の低分子化合物の使用割合は生成するポリ
マーに対して好ましくは5〜200重量%、より好ましく
は10〜100重量%、特に好ましくは20〜70重量%程度の
量である。上記低分子化合物を使用した場合、目的とす
るポリアミドイミドは低分子化合物との混合物として得
られるが、その場合は、混合物のまま成形に供してもよ
いし、低分子化合物を分離してから成形に供してもよ
い。低分子化合物の分離は該低分子化合物のみを溶解す
る有機溶剤による抽出処理等により行うことができる。
本発明の目的とするポリアミドイミドは、溶融粘度が高
く、上記低分子化合物を使用しない場合、溶融重合可能
な範囲内では十分な高重合度のポリマーを得ることは困
難となる。しかし、本発明方法では、溶融重合したポリ
マーを、更に固相重縮合することにより、より高重合度
のポリマーを得ることができる。溶融重縮合に引続いて
固相重縮合する場合には、溶融重縮合段階において前述
の条件下において測定した還元粘度が、0.2以上となる
まで重縮合することが好ましい。還元粘度が0.2より小
さい場合には固相重縮合工程において長時間を要するた
め好ましくない。
上記溶融ポリマーを固相重縮合できるようにするために
は、溶融ポリマーを固化させ、かつその固体状態におい
てポリマーを結晶化させるなどして、例えばポリマーの
ガラス転移温度以上の如き重縮合反応が進行し得る温度
においてポリマーが溶融あるいは融着等を起こさないよ
うにすることが必要である。このような固体状態を得る
方法は特に制限しないが、例えば溶融重合ポリマーを熱
処理して結晶化させる方法(熱処理法),溶融重合ポリ
マーを溶剤処理して結晶化させる方法(溶剤処理法)等
を採用することができる。
上記熱処理法の場合、溶融ポリマーを一旦冷却固化して
再度熱処理してもよいし、溶融重合から連続的に熱処理
してもよいが、後者の方が好ましい。この際の熱処理温
度は好ましくは250〜330℃、より好ましくは260〜320℃
程度である。熱処理時間はポリマーが結晶化するに足る
時間であればよく、これは熱処理温度によっても異なる
が好ましくは5分〜3時間、より好ましくは10分〜2時
間程度である。熱処理雰囲気は窒素,アルゴン等の不活
性ガス雰囲気下、常圧乃至減圧下が好ましい。
一方上記溶剤処理法においては、溶融重縮合ポリマーの
チップを該ポリマーは溶解しないが膨潤させ得る有機溶
剤(例えばアセトン,メチルエチルケトン,ジオキサン
等)中に浸漬して結晶化させる方法、また場合によって
は溶融重縮合したポリマーを該ポリマーを溶解する有機
溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドン,ジメチル
アセトアミド等)に溶解し、該ポリマー溶液をポリマー
を溶解しない溶剤(例えば水,メタノール,アセトン
等)を用いて再沈殿させて固化させる方法等を採用する
ことができる。溶剤処理した後、熱処理するなど上記の
溶剤処理法と熱処理法を併用することも可能である。
本発明方法により製造されるポリアミドイミドは上記方
法により結晶化させることができ、固相重縮合すること
が可能となる。
固相重縮合温度は、ポリマーの重縮合反応は進行するが
固体状ポリマーの融着が起らない温度範囲であればよ
く、好ましくは250〜330℃、より好ましくは260〜320℃
程度である。固相重縮合時間は特に制限しないが、好ま
しくは30分〜40時間、より好ましくは1〜30時間程度で
ある、固相重縮合の雰囲気としては窒素ガス,アルゴン
ガス等の不活性ガス雰囲気下が好ましく、また、常圧乃
至減圧下が好ましい。かかる固相重縮合によって還元粘
度0.4以上のポリマー、好ましくは0.45以上、さらに好
ましくは0.5以上のポリマーとする。
本発明のポリアミドイミドの製造法における好ましい実
施態様としては、トリメリット酸無水物、3,4′−ジミ
ノジフェニルエーテル及び無水酢酸の各反応成分を、ま
ず加熱溶融重縮合せしめて還元粘度0.2以上のポリマー
を得、引き続き熱処理して該ポリマーを結晶化させて固
化させた後、更に固相重縮合せしめる方法を挙げること
ができる。溶融ポリマーを固化させる際には静置したま
までもよいし、撹拌等によりポリマーに剪断力を加え、
固化と同時にポリマーを粉末状乃至粒状に粉砕してもよ
い。
この好適な実施態様においては、低分子化合物を用いる
ことなく、溶融重縮合−熱処理−固相重縮合という一連
の工程により、きわめて効率的に分岐の少ない高重合度
のポリアミドイミドが得られる。
なお、本発明のポリアミドイミドを製造するに際し、所
望により各種重合触媒,安定剤,核剤,滑剤,着色剤等
の添加剤を配合せしめてもよい。
〈発明の効果〉 上述の如き本発明の方法によれば、線状でかつ高重合度
のポリマーを効率的に製造することができる。すなわ
ち、従来トリメリット酸及び/又はその酸無水物と3,
4′−ジアミノジフェニルエーテルとから得られるポリ
アミドイミドは、非晶性乃至難結晶性と考えられていた
が、本発明のポリマーは線状で規則性が良好なためか上
述の方法により容易に結晶化させることができ、固相法
により重縮合することが可能で高重合度のポリマーを得
ることができる。
従って本発明の方法によるポリアミドイミドは、耐熱
性,機械物性,寸法安定性,耐溶剤性,成形性に優れ、
繊維,フィルム,プラスチック等あるいは各種複合材料
の原料として極めて有用である。
〈実施例〉 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳述するが、
実施例中「部」は「重量部」を意味する。還元粘度は本
文中記載の条件にて測定し、ガラス転移温度(Tg),融
点(Tm)はDSCを用い10℃/分の昇温速度で測定した。
実施例1 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル200部及び無水酢酸143部を撹拌装置,留出系
を備えた反応容器に入れ、窒素気流中常圧で200℃より3
00℃まで約90分かけて撹拌しつつ昇温し生成する酢酸を
留出させた。次いで15分かけて約10mmHgの弱真空減圧
し、更に1mmHg以下の高真空とした。この溶融反応時、
ポリマーの粘度は徐々に上昇した。高真空反応を10分間
実施した後(ポリマーの還元粘度は0.29に達した)、撹
拌を止め同条件で30分間熱処理したところ、褐色透明な
溶融ポリマーは徐々に固化して淡茶色不透明となった。
引き続き同条件で120分固相重縮合反応したところ、還
元粘度0.58,Tg241℃のポリマーが得られた。同ポリマー
には325℃にTmが観測された。
上述の如くして得られたポリマーを、高化式フローテス
ターを用い温度350℃で0.5mmφ×1.0mmLのノズルより溶
融押出した。得られたモノフィラメントは褐色透明で極
めて強靱であった。また該モノフィラメントをDSC測定
したところ、Tgは242℃であったが、Tmはもはや観測で
きなかった。
実施例2 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアセトアミドジ
フェニルエーテル170部、及び3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル80部を実施例1と同様な反応容器に入れ、窒
素気流中常圧で240℃に加熱溶融し、これを約80分で320
℃まで昇温して生成する酢酸を留去させた。
次いで、20分間で約10mmHgの弱真空まで徐々に減圧した
ところ、ポリマーは褐色透明な高粘度の溶融物となった
(ポリマーの還元粘度は0.33であった)。次に撹拌を止
め同温度で約1mmHgの高真空として30分間熱処理したと
ころ、溶融ポリマーは次第に固化し、淡茶色不透明とな
った。更に同条件で固相重縮合を100分間続けた。得ら
れたポリマーは還元粘度0.67,Tg243℃であり、また325
℃にTmが観測された。
実施例3 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル200部及び無水酢酸120部を実施例1と同様な
反応容器に入れ窒素気流中常圧下200℃で撹拌下加熱溶
融させ約60分で280℃まで昇温し同温度で常圧から約10m
mHgまで15分間で徐々に減圧とした。
更に1mmHg以下の高真空で40分間熱処理したところポリ
マーは固化した。この際高真空反応約5分で撹拌は停止
した。得られたポリマーは還元粘度0.33であった。該ポ
リマーを反応容器からとり出し10−20メッシュの粒径に
粉砕し、撹拌装置,真空留出系を備えた反応器に入れ撹
拌しながら0.6mmHgの高真空下280℃で2時間,300℃で8
時間反応させたところ、還元粘度は0.71となった。この
固相重縮合時、固体ポリマーは融解あるいは融着するこ
となく撹拌可能であった。
実施例4 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル200部、無水酢酸115部及び4,4′−ジフェニ
ルジフェニルスルホン150部を撹拌装置,真空留出系を
備えた反応容器に入れ、窒素気流中常圧下240℃で30分
次いで330℃まで約60分で昇温し、生成する水及び酢酸
を留去させた。次いで同温度で15分で約10mmHgの弱真空
まで徐々に減圧とし、更に1mmHg以下の高真空として2.5
時間重縮合した。得られたポリマーは褐色透明で均一な
溶融物であった。
該ポリマーをチップ化して還流ジオキサン中に浸漬して
4,4′−ジフェニルジフェニルスルホンを抽出したとこ
ろ、還元粘度0.71のポリマーが得られた。
実施例5 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル200部、無水酢酸150部及びトリフェニルホス
フィン2.6部を撹拌装置,真空留出系を備えた反応容器
に入れ、窒素気流中250℃で30分間加熱重縮合させ、次
いで約60分かけて340℃まで昇温した。昇温後、約15分
かけて10mmHgまで徐々に減圧とし、次いで0.5mmHgの高
真空とし、90分間溶融重縮合を実施した。
上記重縮合後、溶融ポリマーは徐々に粘度が上昇し、生
成する水及び酢酸が留出した。得られたポリマーは還元
粘度0.61,Tg242℃であった。
比較例 トリメリット酸無水物192部、3,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル200部を撹拌装置,真空留出系を備えた反応
容器に入れ、窒素気流中260℃で30分、次いで300℃まで
約30分で昇温し、同温度で約15mmHgの弱真空となるまで
約15分で徐々に減圧とし、次に1mmHg以下の高真空とし
た。高真空反応直後の溶融ポリマーは還元粘度0.36であ
ったが、10分後、溶融ポリマーは次第に増粘し、N−メ
チル−2−ピロリドンに不溶となり、ポリマーが分岐,
ゲル化したことが確認された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族トリカルボン酸及び/又はそ
    の酸無水物と、(B)下記式(I)で示されるジアミン
    成分とを、加熱重縮合することを特徴とするポリアミド
    イミドの製造方法。
  2. 【請求項2】(A)芳香族トリカルボン酸及び/又はそ
    の酸無水物と、(B′)3,4′−ジアミノジフェニルエ
    ーテルと、(C)下記式(II)で示される低級脂肪酸無
    水物とを、加熱重縮合させ、反応系中で上記式(I)で
    示されるアミン成分(B)を生成せしめることを特徴と
    する請求項(1)に記載のポリアミドイミドの製造方
    法。 R3CO−O−OCR3 …(II) [式中R3は上記式(I)と同義]
  3. 【請求項3】上記(A)成分と(B)成分とを、あるい
    は上記(A)成分と(B′)成分と(C)成分とを、還
    元粘度(N−メチル−2−ピロリドン中、濃度1g/dl,温
    度35℃で測定)が0.2以上となるまで溶融重縮合し、次
    いで固相重縮合により還元粘度が0.4以上となるまで重
    合度を上昇せしめることを特徴とする請求項(1)又は
    (2)に記載のポリアミドイミドの製造方法。
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