JPH09188760A - ポリイソイミド溶液の製造方法 - Google Patents
ポリイソイミド溶液の製造方法Info
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- JPH09188760A JPH09188760A JP27582296A JP27582296A JPH09188760A JP H09188760 A JPH09188760 A JP H09188760A JP 27582296 A JP27582296 A JP 27582296A JP 27582296 A JP27582296 A JP 27582296A JP H09188760 A JPH09188760 A JP H09188760A
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- Japan
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- polyamic acid
- polyisoimide
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性に優れたポリイミド成形体を得ること
ができるポリイソイミド溶液の製造方法を提供する。 【解決手段】 特定の構成単位よりなるポリアミド酸と
溶媒とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加
して前記ポリアミド酸をイソイミド化することを特徴と
するポリイソイミド溶液の製造方法。
ができるポリイソイミド溶液の製造方法を提供する。 【解決手段】 特定の構成単位よりなるポリアミド酸と
溶媒とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加
して前記ポリアミド酸をイソイミド化することを特徴と
するポリイソイミド溶液の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れたポ
リイミド成形体を得ることができるポリイソイミド溶液
の製造方法に関するものである。
リイミド成形体を得ることができるポリイソイミド溶液
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは耐熱性、耐薬品性などに優
れており、電気・電子部品や航空宇宙材料として広く用
いられている。しかしポリイミドは、その優れた耐薬品
性のために溶媒に溶解しにくく、溶液から直接成形する
ことは困難であった。そこで、ポリイミドの成形体は、
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液から成形
した後に、熱的又は化学的な処理を施してイミド化を行
うという2段階のプロセスを経て得るのが一般的であっ
た。しかし、ポリアミド酸はイミド化の際に水分子の脱
離が起こり、このことが成形時の大きな収縮や最終成形
体の性能低下を引き起こす原因となっていた。
れており、電気・電子部品や航空宇宙材料として広く用
いられている。しかしポリイミドは、その優れた耐薬品
性のために溶媒に溶解しにくく、溶液から直接成形する
ことは困難であった。そこで、ポリイミドの成形体は、
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液から成形
した後に、熱的又は化学的な処理を施してイミド化を行
うという2段階のプロセスを経て得るのが一般的であっ
た。しかし、ポリアミド酸はイミド化の際に水分子の脱
離が起こり、このことが成形時の大きな収縮や最終成形
体の性能低下を引き起こす原因となっていた。
【0003】ところで、ポリイミドの前駆体の一つであ
るポリイソイミドは、イミド化の際に水分子などの低分
子の脱離が起きず、そのうえ、ポリイソイミドはポリイ
ミドに比べて溶媒に対する溶解性が良いという特徴を持
つ。このためポリイミドの前駆体としてポリイソイミド
を用いることにより、ポリアミド酸で生じる問題を解決
することができる。
るポリイソイミドは、イミド化の際に水分子などの低分
子の脱離が起きず、そのうえ、ポリイソイミドはポリイ
ミドに比べて溶媒に対する溶解性が良いという特徴を持
つ。このためポリイミドの前駆体としてポリイソイミド
を用いることにより、ポリアミド酸で生じる問題を解決
することができる。
【0004】従来、ポリイソイミドは、熱溶融性や溶媒
溶解性を向上させる目的で合成されることが多く、分子
鎖中に屈曲性の置換基が導入されることが多かった。こ
のため溶媒可溶性のポリイソイミドから得られるポリイ
ミドは、ガラス転移点(Tg)が350℃以下であるこ
とが多く、溶媒に溶解するかわりにポリイミド本来の特
性である耐熱性を犠牲にする結果となっていた。
溶解性を向上させる目的で合成されることが多く、分子
鎖中に屈曲性の置換基が導入されることが多かった。こ
のため溶媒可溶性のポリイソイミドから得られるポリイ
ミドは、ガラス転移点(Tg)が350℃以下であるこ
とが多く、溶媒に溶解するかわりにポリイミド本来の特
性である耐熱性を犠牲にする結果となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本発
明の課題は、イミド転化後のTgが350℃以下に存在
しない耐熱性に優れたポリイソイミドと溶媒とよりなる
ポリイソイミド溶液の製造方法を提供することにある。
明の課題は、イミド転化後のTgが350℃以下に存在
しない耐熱性に優れたポリイソイミドと溶媒とよりなる
ポリイソイミド溶液の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有するポリ
イソイミドはイミド転化後のTgが350℃以下に存在
せず、充分な耐熱性を有し、かつ有機溶媒に溶解すると
いう知見を得、この知見に基づいて本発明に到達した。
解決すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有するポリ
イソイミドはイミド転化後のTgが350℃以下に存在
せず、充分な耐熱性を有し、かつ有機溶媒に溶解すると
いう知見を得、この知見に基づいて本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、下記式(1)
で示される構成単位を20モル%以上有し、残りが下記
式(2)で示される構成単位からなるポリアミド酸と溶
媒とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加し
て前記ポリアミド酸をイソイミド化することを特徴とす
るポリイソイミド溶液の製造方法である。
で示される構成単位を20モル%以上有し、残りが下記
式(2)で示される構成単位からなるポリアミド酸と溶
媒とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加し
て前記ポリアミド酸をイソイミド化することを特徴とす
るポリイソイミド溶液の製造方法である。
【0008】
【化2】
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明において、ポリイソイミド溶液は、式(1)
で示される構成単位を20モル%以上有し、残りが式
(2)で示される構成単位からなるポリアミド酸と溶媒
とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加して
該ポリアミド酸をイソイミド化することによって製造さ
れる。このポリイソイミドは、イミド転化後のTgが3
50℃以下に存在しないものである。
る。本発明において、ポリイソイミド溶液は、式(1)
で示される構成単位を20モル%以上有し、残りが式
(2)で示される構成単位からなるポリアミド酸と溶媒
とからなるポリアミド酸溶液に、脱水縮合剤を添加して
該ポリアミド酸をイソイミド化することによって製造さ
れる。このポリイソイミドは、イミド転化後のTgが3
50℃以下に存在しないものである。
【0010】ここで用いるポリアミド酸溶液は、後述す
るようなポリアミド酸を溶解する溶媒中でピロメリット
酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及
び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて
得られるポリアミド酸溶液でもよいし、別に製造したポ
リアミド酸を溶媒に溶解したものを用いてもよい。
るようなポリアミド酸を溶解する溶媒中でピロメリット
酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及
び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させて
得られるポリアミド酸溶液でもよいし、別に製造したポ
リアミド酸を溶媒に溶解したものを用いてもよい。
【0011】また、ポリイソイミドが式(1)で示され
る構成単位が20モル%より少ないと、溶媒に対する溶
解性が悪くなることがある。さらに、式(1)で示され
る構成単位の比率は、30〜80モル%であることが溶
解性や高重合度のポリイソイミドを得る点でより好まし
い。式(1)で示される構成単位が80モル%より多い
と、高重合度のポリイソイミドを得ることが困難となる
ことがあるが、高重合度を必要としない用途には問題な
く使用できる。
る構成単位が20モル%より少ないと、溶媒に対する溶
解性が悪くなることがある。さらに、式(1)で示され
る構成単位の比率は、30〜80モル%であることが溶
解性や高重合度のポリイソイミドを得る点でより好まし
い。式(1)で示される構成単位が80モル%より多い
と、高重合度のポリイソイミドを得ることが困難となる
ことがあるが、高重合度を必要としない用途には問題な
く使用できる。
【0012】式(1)及び式(2)で示される構成単位
よりなるポリイソイミドは、ピロメリット酸二無水物、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及び4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルから合成されたポリアミド
酸をイソイミド化して得られる。
よりなるポリイソイミドは、ピロメリット酸二無水物、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及び4,4’−
ジアミノジフェニルエーテルから合成されたポリアミド
酸をイソイミド化して得られる。
【0013】ポリイソイミド溶液におけるポリイソイミ
ドの濃度は1〜50重量%、さらに10〜30重量%が
好ましい。1重量%未満では成形体を得ることが困難で
あり、50重量%を超えると高粘度となるので取扱いが
困難となることがある。
ドの濃度は1〜50重量%、さらに10〜30重量%が
好ましい。1重量%未満では成形体を得ることが困難で
あり、50重量%を超えると高粘度となるので取扱いが
困難となることがある。
【0014】ポリアミド酸のイソイミド化は、ポリアミ
ド酸が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒に溶解しているポリアミド酸溶液に、脱水
縮合剤を添加して、−10〜+20℃、特に0〜10℃
で、ポリアミド酸と反応させることによって行われる。
反応終了後、場合によっては副生成物を除去して目的の
ポリイソイミド溶液を得る。脱水縮合剤の添加量はポリ
アミド酸のカルボキシル基に1当量に対して、0.8当
量以上、特に1〜5当量用いることが好ましい。0.8
当量未満ではイソイミド化が不完全となることがある。
脱水縮合剤としては、これまでにポリアミド酸をイソイ
ミド化するのに用いられてきた公知の脱水縮合剤が用い
られる。このような脱水縮合剤として、例えば下記式
(3)で表されるN,N’−ジ置換カルボジイミドが挙
げられる。
ド酸が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の有機溶媒に溶解しているポリアミド酸溶液に、脱水
縮合剤を添加して、−10〜+20℃、特に0〜10℃
で、ポリアミド酸と反応させることによって行われる。
反応終了後、場合によっては副生成物を除去して目的の
ポリイソイミド溶液を得る。脱水縮合剤の添加量はポリ
アミド酸のカルボキシル基に1当量に対して、0.8当
量以上、特に1〜5当量用いることが好ましい。0.8
当量未満ではイソイミド化が不完全となることがある。
脱水縮合剤としては、これまでにポリアミド酸をイソイ
ミド化するのに用いられてきた公知の脱水縮合剤が用い
られる。このような脱水縮合剤として、例えば下記式
(3)で表されるN,N’−ジ置換カルボジイミドが挙
げられる。
【0015】
【化3】
【0016】式中R1 はアルキル基あるいはアリル基、
好ましくはn−ブチル、フェニル、メタ−トルイル、パ
ラ−トルイル、メタ−クロルフェニル、パラ−クロルフ
ェニル、メタ−ニトロフェニル、ジシクロヘキシル、パ
ラ−メトキシフェニル、α−ナフチル等の基である。こ
れらN,N’−ジ置換カルボジイミドの中でも、特に好
ましくはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドで
ある。このほかにも、脱水縮合剤として無水トリフルオ
ロ酢酸や、塩化チオニルなどが挙げられる。
好ましくはn−ブチル、フェニル、メタ−トルイル、パ
ラ−トルイル、メタ−クロルフェニル、パラ−クロルフ
ェニル、メタ−ニトロフェニル、ジシクロヘキシル、パ
ラ−メトキシフェニル、α−ナフチル等の基である。こ
れらN,N’−ジ置換カルボジイミドの中でも、特に好
ましくはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドで
ある。このほかにも、脱水縮合剤として無水トリフルオ
ロ酢酸や、塩化チオニルなどが挙げられる。
【0017】本発明で得られるポリイソイミド溶液は、
溶媒を除去すると共に成形し、イミド転化して、各種分
野に使用される。例えば、ポリイミドフィルムを製造す
る場合、ポリイソイミドの溶液を基板に流延し、乾燥し
てポリイソイミドのフィルムが基板上に形成された被覆
物を得、加熱してイミド化させることによって、ポリイ
ミド被覆物が得られ、さらに基板からポリイミドフィル
ムを剥離するとポリイミドフィルムが得られる。乾燥後
のポリイソイミドのフィルムが基板上に形成されている
被覆物からポリイソイミドのフィルムを剥離してイミド
転化するとポリイミドフィルムが得られる。ポリイソイ
ミドをポリイミドに転化するためのイミド化条件は20
0〜400℃に加熱すればよく、ポリイソイミドのTg
以上であることが好ましい。
溶媒を除去すると共に成形し、イミド転化して、各種分
野に使用される。例えば、ポリイミドフィルムを製造す
る場合、ポリイソイミドの溶液を基板に流延し、乾燥し
てポリイソイミドのフィルムが基板上に形成された被覆
物を得、加熱してイミド化させることによって、ポリイ
ミド被覆物が得られ、さらに基板からポリイミドフィル
ムを剥離するとポリイミドフィルムが得られる。乾燥後
のポリイソイミドのフィルムが基板上に形成されている
被覆物からポリイソイミドのフィルムを剥離してイミド
転化するとポリイミドフィルムが得られる。ポリイソイ
ミドをポリイミドに転化するためのイミド化条件は20
0〜400℃に加熱すればよく、ポリイソイミドのTg
以上であることが好ましい。
【0018】本発明において得られるポリイソイミド溶
液は、そのほかにも例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着
テープ、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、フレキ
シブルプリント配線板(FPC)用のフイルム等の製造
に用いられる。また、例えば、フッ素樹脂やグラフアイ
ト等を充填したしゅう動部材、ガラス繊維や炭素繊維で
強化した構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端
末絶縁用チユーブ等の成形材や成形品の製造に用いられ
る。また、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気
ヘツドスペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスの
スペーサ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・
ケーブル絶縁被覆用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙
断熱材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコー
テイング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆
浸透膜、ガス分離膜の製造に用いられる。さらに、耐熱
性を有する糸、織物、不織布などの製造にも用いられ
る。
液は、そのほかにも例えば、耐熱絶縁テープ、耐熱粘着
テープ、高密度磁気記録ベース、コンデンサー、フレキ
シブルプリント配線板(FPC)用のフイルム等の製造
に用いられる。また、例えば、フッ素樹脂やグラフアイ
ト等を充填したしゅう動部材、ガラス繊維や炭素繊維で
強化した構造部材、小型コイルのボビン、スリーブ、端
末絶縁用チユーブ等の成形材や成形品の製造に用いられ
る。また、パワートランジスターの絶縁スペーサ、磁気
ヘツドスペーサ、パワーリレーのスペーサ、トランスの
スペーサ等の積層材の製造に用いられる。また、電線・
ケーブル絶縁被覆用、太陽電池、低温貯蔵タンク、宇宙
断熱材、集積回路、スロットライナー等のエナメルコー
テイング材の製造に用いられる。また、限外ろ過膜、逆
浸透膜、ガス分離膜の製造に用いられる。さらに、耐熱
性を有する糸、織物、不織布などの製造にも用いられ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。ここで重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された
ポリスチレン換算の値である。このとき溶離液はテトラ
ヒドロフラン(THF)とジメチルホルムアミド(DM
F)の1:1混合溶媒を用いた。
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。ここで重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された
ポリスチレン換算の値である。このとき溶離液はテトラ
ヒドロフラン(THF)とジメチルホルムアミド(DM
F)の1:1混合溶媒を用いた。
【0020】実施例1 100mlの三つ口フラスコに4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルホン(DDS)1.862g(7.50mm
ol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DA
DE)1.502g(7.50mmol)、N−メチル
−2−ピロリドン(NMP)37.6gを入れて室温で
撹拌し、固形分を完全に溶解した。ここに、ピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA)3.272g(15.00m
mol)を粉体のまま添加し、室温で撹拌を続け、48
時間後にポリアミド酸の溶液を得た。このポリアミド酸
のMwは42,300であった。
ェニルスルホン(DDS)1.862g(7.50mm
ol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DA
DE)1.502g(7.50mmol)、N−メチル
−2−ピロリドン(NMP)37.6gを入れて室温で
撹拌し、固形分を完全に溶解した。ここに、ピロメリッ
ト酸二無水物(PMDA)3.272g(15.00m
mol)を粉体のまま添加し、室温で撹拌を続け、48
時間後にポリアミド酸の溶液を得た。このポリアミド酸
のMwは42,300であった。
【0021】この溶液を撹拌しながら0℃に保って、N
MP3.00gにN,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)0.70gを溶解した溶液を1時間か
けて添加した。DCC添加終了後室温に戻して24時間
撹拌を続け、オレンジ色の懸濁溶液を得た。この懸濁液
をろ過して副生成物のジシクロヘキシルウレアをろ別
し、ポリイソイミドの溶液を得た。この溶液をガラス板
上に厚みが200μmになるように塗工し、80℃で2
4時間減圧乾燥を行い、ポリイソイミドのフィルムを得
た。このフィルムを80℃5時間、300℃5時間熱処
理を行い、ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの
Tgを示差走査熱量測定によって調べた結果、350℃
以下でTgは観測されなかった。
MP3.00gにN,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)0.70gを溶解した溶液を1時間か
けて添加した。DCC添加終了後室温に戻して24時間
撹拌を続け、オレンジ色の懸濁溶液を得た。この懸濁液
をろ過して副生成物のジシクロヘキシルウレアをろ別
し、ポリイソイミドの溶液を得た。この溶液をガラス板
上に厚みが200μmになるように塗工し、80℃で2
4時間減圧乾燥を行い、ポリイソイミドのフィルムを得
た。このフィルムを80℃5時間、300℃5時間熱処
理を行い、ポリイミドフィルムを得た。このフィルムの
Tgを示差走査熱量測定によって調べた結果、350℃
以下でTgは観測されなかった。
【0022】実施例2 実施例1と同様に、100mlの三つ口フラスコにDD
S1.862g(7.50mmol)、DADE1.5
02g(7.50mmol)、NMP37.6gを入れ
て室温で撹拌し、固形分を完全に溶解した。ここに、P
MDA3.272g(15.00mmol)を粉体のま
ま添加し、室温で撹拌を続け、48時間後にポリアミド
酸の溶液を得た。このポリアミド酸溶液を0℃で撹拌し
ながら、ここに無水トリフルオロ酢酸(TFAA)6.
30g(30.0mmol)を徐々に加えた。TFAA
の添加と同時に溶液は発熱しながら鮮やかなオレンジ色
になった。TFAA添加終了後室温に戻し、24時間撹
拌を行ってイソイミド化を完全にし、ポリイソイミド溶
液を得た。
S1.862g(7.50mmol)、DADE1.5
02g(7.50mmol)、NMP37.6gを入れ
て室温で撹拌し、固形分を完全に溶解した。ここに、P
MDA3.272g(15.00mmol)を粉体のま
ま添加し、室温で撹拌を続け、48時間後にポリアミド
酸の溶液を得た。このポリアミド酸溶液を0℃で撹拌し
ながら、ここに無水トリフルオロ酢酸(TFAA)6.
30g(30.0mmol)を徐々に加えた。TFAA
の添加と同時に溶液は発熱しながら鮮やかなオレンジ色
になった。TFAA添加終了後室温に戻し、24時間撹
拌を行ってイソイミド化を完全にし、ポリイソイミド溶
液を得た。
【0023】比較例1 PMDA3.272g(15.00mmol)、DDS
0.372g(1.5mmol)、DADE2.720
g(13.5mmol)を用いたほかは実施例1と同じ
条件で合成を行い、ポリアミド酸溶液を得た。この溶液
の一部をとって固形分の分子量をGPCで測定したとこ
ろ、Mwは120,000であった。得られた溶液に実
施例1と同様にDCCを添加し、24時間反応させたと
ころポリマーが析出し、ゲル化した。このためポリイソ
イミドの溶液を得ることはできなかった。
0.372g(1.5mmol)、DADE2.720
g(13.5mmol)を用いたほかは実施例1と同じ
条件で合成を行い、ポリアミド酸溶液を得た。この溶液
の一部をとって固形分の分子量をGPCで測定したとこ
ろ、Mwは120,000であった。得られた溶液に実
施例1と同様にDCCを添加し、24時間反応させたと
ころポリマーが析出し、ゲル化した。このためポリイソ
イミドの溶液を得ることはできなかった。
【0024】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明によると、ポリイソイミド溶液を容易に製造すること
ができる。得られたポリイソイミド溶液は、イミド転化
後のTgが350℃以下に存在しない耐熱性に優れたポ
リイソイミドと溶媒とよりなり、この溶液からは耐熱性
に優れたポリイミド成形体を得ることができる。
明によると、ポリイソイミド溶液を容易に製造すること
ができる。得られたポリイソイミド溶液は、イミド転化
後のTgが350℃以下に存在しない耐熱性に優れたポ
リイソイミドと溶媒とよりなり、この溶液からは耐熱性
に優れたポリイミド成形体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式(1)で示される構成単位を20
モル%以上有し、残りが下記式(2)で示される構成単
位からなるポリアミド酸と溶媒とからなるポリアミド酸
溶液に、脱水縮合剤を添加して前記ポリアミド酸をイソ
イミド化することを特徴とするポリイソイミド溶液の製
造方法。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27582296A JPH09188760A (ja) | 1995-11-07 | 1996-10-18 | ポリイソイミド溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28840695 | 1995-11-07 | ||
JP7-288406 | 1995-11-07 | ||
JP27582296A JPH09188760A (ja) | 1995-11-07 | 1996-10-18 | ポリイソイミド溶液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09188760A true JPH09188760A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=26551635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27582296A Pending JPH09188760A (ja) | 1995-11-07 | 1996-10-18 | ポリイソイミド溶液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09188760A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001081456A1 (en) * | 2000-04-20 | 2001-11-01 | Teijin Limited | Polyimide film and process for producing the same |
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1996
- 1996-10-18 JP JP27582296A patent/JPH09188760A/ja active Pending
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