JPH0688799A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH0688799A
JPH0688799A JP3262972A JP26297291A JPH0688799A JP H0688799 A JPH0688799 A JP H0688799A JP 3262972 A JP3262972 A JP 3262972A JP 26297291 A JP26297291 A JP 26297291A JP H0688799 A JPH0688799 A JP H0688799A
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進二 谷川原
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
Takayuki Yamaguchi
隆行 山口
Wasaburo Ota
和三郎 太田
Junji Manaka
順二 間中
Shigeki Takano
重樹 高野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に空中に張り出して設けられた両持ち
もしくは片持ち梁の上に設けられた検知装置における発
熱部を温度上昇させた際に、両持ち(エアブリッジ形
状)もしくは片持ち(カンチレバー形状)梁に働く負荷
を軽減するガスセンサの提供。 【構成】 基板、その基板上に空中に張り出して設けら
れた電気絶縁性材料からなる張り出し部、前記張り出し
部上に設けられたガス感知層を有するガスセンサにおい
て、前記張り出し部が上方向にわん曲していることを特
徴とするガスセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、雰囲気中にガスが存在すること
を検知するためのガスセンサとそれに使用するガスセン
サ用ヒーターに関する。
【0002】
【従来技術】図1、図2に示す従来例のガスセンサ用電
熱器では、発熱部20が空中に支持されることによっ
て、空気の微少な熱伝導により基板との熱絶縁を行い、
基板への熱拡散を最小にすることを特徴としている。従
って発熱部20は壁面13への接触を防止するように加
工されている。そのために図2の断面図に示す発熱部2
0は、そり曲がりや、たるみのない平面構造になってい
る。しかし、発熱部20は200〜600℃で動作させ
る都合上高温度で軟化するため、特に中央付近はたるみ
が発生し熱膨張により伸びて曲がり、壁面底部に接触し
たり亀裂や割れが発生する欠点がある。また、高温動作
時に膜にストレスが働き各層間での付着力低下を起こし
膜ハガレを発生させることにもなる。また、図3から明
らかなように発熱部が熱膨張した時の逃げの余地がない
ため発熱部を支えている支持部16に、ずれのストレス
が集中し張り出し部の根元に亀裂が発生する欠点があ
る。
【0003】
【目的】本発明は、図1〜3で示される基板上に空中に
張り出して設けられた両持ちもしくは片持ち梁の上に設
けられた検知装置における発熱部20を温度上昇させた
際に、両持ち(エアブリッジ形状)もしくは片持ち(カ
ンチレバー形状)梁に働く負荷を軽減しようとすること
を目的とする。
【0004】
【構成】本発明は、基板、その基板上に空中に張り出し
て設けられた電気絶縁性材料からなる張り出し部、前記
張り出し部上に設けられたガス感知層を有するガスセン
サにおいて、前記張り出し部が上方向にわん曲している
ことを特徴とするガスセンサに関する。前記ガスセンサ
は、前記ガス感知層が、金属酸化物半導体よりなるガス
検知材料であるときは、ガスの存否、ガスの種類を検知
するセンサとして機能する。また、前記ガス感知層が、
発熱素子と受熱素子よりなるガス流量検出部材であると
きは、ガスの流量センサとして機能する。
【0005】本発明は、張り出し部が上方向にわん曲し
ているので、張り出し部が真直ぐな構造体に比較してス
トレスのかかり具合が異なり、ストレスにより生ずる悪
影響を回避することができる。図4においては水平方向
の熱膨張によるずれを上下に逃がし、膜はがれを防ぐた
めに架橋部をわん曲させる例を示す。この場合、面方向
の熱膨張によるずれは上下に変位するだけであって、支
持部へ負荷が増さない。また、高温度で材料が軟化して
いてもアーチ型構造に支えられているためたるみにく
く、図5に示すように垂直方向の力が水平方向に分散さ
れるので荷重負荷が軽減される。図8から図11に示す
ガスセンサの例においてはさらに張り出し部上にセンサ
材料を積層させると荷重負荷が増すので、電熱器にセン
サを併設した場合においては、そり曲がりを有すること
によりなお一層効果が大きい。なお、張り出し部の曲が
り角度が水平に対して60度以下の角度を維持する場合
が特に好ましい(三角形の型)。又、図6のように支持
部側の層を厚く、例えばt′の厚みは従来例と比較し高
々30%増しとするとよい。又、張り出し寸法d′は全
長dの高々30%位が良い。図6まではエアブリッジ形
状について述べたがカンチレバーについても同様で図7
に示す。発熱部20は支持部16から先端付近に沿って
そり曲がりを持たせる。
【0006】梁部の製造方法 図6に沿って梁部(エアブリッジ形状のものもカンチレ
バー形状のものも同じ)製造方法を説明する。例えば、
Si、Al、Cu、Ni、Cr、ステンレス、コバー
ル、Mo、W、Al23、SiO2、ガラス、セラミッ
ク、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性基板14
上に、まず下部層21としてSiO2、MgO、Al2
3、Ta25、TiO2等の電気絶縁性材料を0.3〜3
μm程度、蒸着、スパッタリング、CVD等の成膜法を
用いて形成する。この成膜時においては真空度を10-6
〜10-3Torr以下にすることが望ましく、後述する
焼締め処理において密度が増し収縮しない様に、高真空
度雰囲気中で成膜し、できるだけ空孔率を減じて高密度
にさせておく必要がある。次に上部層22として発熱体
層および取出し電極1等を構成するNiCr、Ir、P
t、Ir−Pt合金、SiC、TaN、カンタル合金等
の導電性抵抗発熱材料を0.1〜3μm程度、蒸着、ス
パッタリング等により成膜する。この上部層22を所定
の形状にフォトエッチングしパターン形成する。さらに
保護被覆層18を積層する場合においては、下部層21
と同等の電気絶縁性材料を使用し同等の条件にて成膜す
れば良い。ここで上部層22及び保護被覆層18は下部
層21から引続き成膜されるため、表面状態のあらさや
段差が増し、また膜厚が増すほど粒度が大きくなり、空
孔や欠陥を多く含むため焼締め処理後においては下部層
よりさらに収縮させることが可能となり、梁部のそり曲
がりが形成できる。また、上部層22及び保護被覆層1
8の成膜時においては、下部層の成膜時の場合よりも真
空度を下げて10-4〜10-2Torr程度にしておけ
ば、空孔を多く含む膜質が得られ、やはり焼締め処理後
において収縮させることもできる。次に、基板14に空
洞部15をエッチングによって形成すると下部層21、
上部層22からなる梁部あるいは下部層21、上部層2
2、保護被覆層18からなる梁部ができる。さらにこれ
を350〜800℃で焼締めを行えば所定のそり曲がり
形状が得られる。なお、空洞部15を形成する前に焼締
めを行っても空洞部形成後に上部層22、保護被覆層1
8の収縮しようとする力により基板14から束縛されて
いた力が無くなるため、やはりそり曲がり形状が得られ
る。従って焼締め処理と空洞部15の形成の順序は特定
しなくても可能である。
【0007】
【実施例】
実施例1 図6では電熱器の場合を示したものであり、保護被覆層
18を含めているが無くても良い。電熱器としては周囲
の温度変化に応じて上部層22の発熱体層自身の電気抵
抗値が変化するので、これを検出すれば温度検出センサ
として利用できるし、周囲の雰囲気の湿度変化に対して
も高湿度の時は発熱部の温度が湿度により熱放散を受け
て下降するので湿度検出センサとしても利用できる。
【0008】実施例2 また、電熱器として図12、図13では流量センサに適
用した場合を示す。一連の共通の空洞部45上に2コ以
上の電熱器を併設し、一方を発熱素子42a、他方を受
熱素子42bとして用い、各素子は下部層41、発熱体
層42、保護被覆層48の積層構造をなし、材料、形成
条件及び焼締め条件等は図6の場合と同等にすると、図
13からも明らかな様にそり曲がり形状の梁部を形成
し、強度を維持することができる。なお、図12におい
て流体が流体の流れ40方向に向かうと、発熱素子42
aに流体が接触した際流体の温度が上昇し、さらに流れ
が進んで高温の流体が受熱素子42bに達すると受熱素
子42bの温度が上昇し、受熱素子の発熱体層42の抵
抗値が流量に応じて変化するので流量センサとして利用
することができる。ここで、電極部43は配線接続用ボ
ンディングパッド43a、43b、43c、43dから
なり43a、43b間に一定電力を印加して発生するジ
ュール熱により発熱素子42aの温度を上昇させ、流体
の温度を受熱素子42bで受けてその時の電気抵抗値を
43c、43d間で検出することができる。
【0009】実施例3 図8、図9は、本発明の1実施例を示したガスセンサ1
0の平面図および断面図であって、略正方形の形状をし
た基板1の上に一体的に構成されている。図示した如
く、基板1の左上角部及び右下角部には台座部1b、1
bが形成されており基板1の他の部分に凹所1aを形成
している。これらの台座部1b、1b間に架橋して電気
的絶縁性材料からなる下部層4aが形成されており、空
中に張り出した架橋構造を構成している。下部層4a上
には一対の検出用リード5a、5bが端部を互いに対向
させ且つ所定距離離隔して配設されており、その対向領
域部分には所定の半導体材料からなるガス検出層7が形
成されておりガス検出領域を画定している。ガス検出層
7は検出用リード5a及び5bの対向端部に夫々接触し
て設けられており、ガスの吸着によりその抵抗値が変化
し、その変化を検出することによってガスの検出を行
う。検出用リード5a、5bは互いに反対方向へブリッ
ジ3上を延在しており、夫々の台座1b、1b上に絶縁
層を介して設けられている検出用電極9a、9bに接続
されている。下部層4a上にはそれぞれ上部層に相当す
る検出用リード5a、5bと並列的に延在してヒータリ
ード8cが設けられており、台座部1b、1b上に夫々
設けられているヒータ用電極8a、8bに接続されてい
る。このヒータリード8cには、電流を印加させて検出
用半導体層7を加熱しガス検出させる。尚、本実施例に
おいては、ガス検出領域を除いて検出用リード5a、5
bとヒータリード8cは電気的絶縁性の材料からなる被
覆層で完全に被覆されており、ブリッジ3上において検
出用リード5a、5bとヒータリード8cとはこの被覆
層によって電気的に分離されている。図9は、図8のX
−X線断面図であり、本発明の「そり曲がり構造」の両
持ち梁部すなわち架橋構造(エアブリッジ形)を端的に
示すものである。下部層4aはガス検出層7、検出用リ
ード5a、5b、ヒータリード8cを支持し、電極間の
絶縁を行なう為の絶縁耐熱層である。耐熱性があり絶縁
性が高くヒータ材料と線膨張率の近い材料、例えばSi
2、Al23、MgO、Si34、Ta25等を使用
する。本実施例では、SiO2をスパッタリングによ
り、0.3〜2μmの厚さに形成している。この時Ar
圧力は10-3Torr以下にして膜の密度を増すように
する。また真空蒸着法によって形成しても良い。検出用
リード5a、5b、ヒータリード8cのパターンから成
る電気導電材料としては、NiCr、Ir、Pt、Ir
−Pt合金、SiC、TaN、カンタル等を蒸着、スパ
ッタリング等で0.2〜2μmの厚さに成膜しフォトエ
ッチングによりパターン形成する。4bは、保護被覆層
であり、本実施例では、SiO2、Al23、MgO、
Si34、Ta25等を蒸着、CVD、スパッタリング
等で0.2〜3μm成膜後フォトエッチングする。これ
により、検出用リードとヒータリードとは夫々別々に絶
縁層で取り囲まれることとなり互いに電気的に分離され
る。次にガスセンサとして動作させるために金属酸化物
半導体材料や触媒材料からなる検出部7を併設し350
〜800℃、好ましくは450℃で、0.5〜10hr
程度加熱処理することによって検出部7の積層の荷重に
も耐えうるそり曲り形状が得られる。金属酸化物半導体
材料としてSn、Zn、Fe、Ti、In、Ni、W、
Cd、V等の酸化物をスパッタリング、蒸着、CVD等
の方法で形成し、所定の形状にフォトエッチングする。
触媒材料を用いたガスセンサの例であれば図6の電熱器
において保護被覆層18の代りにPd、Pt微粒子、あ
るいはPt−Pd合金等を単独もしくはシリカ・アルミ
ナ・バインダーと混合させて金属酸化物半導体材料の場
合と同等の方法で形成すれば良い。すなわち、Pdを蒸
着、スパッタリングした後にシリカ・アルミナを蒸着、
スパッタリングする工程を交互にくりかえすか、シリカ
・アルミナを成膜した後にPdを成膜するなどの方法を
用いる。
【0010】実施例4 図10は、本発明の更に別の実施例を示しており、これ
は前述した実施例の場合には架橋構造としたのに対し
て、片持ち梁構造とした場合である。即ち、本実施例の
ガスセンサ30は、空中に張り出す部分としてのブリッ
ジ33を有しているが、このブリッジ33は架橋構造で
はなく、片持ち梁構造である。従って、基板31には右
下角部にのみ台座部31bが形成されており、片持ち梁
状のブリッジ33はそこから空中に張り出して延在して
いる。ブリッジ33上には、ヒータリード38cと検出
用リード35a及び35bが並設して設けられており、
検出用リード35aと35bとは離隔して並設されてお
り、その先端部間に接続してガス検出用の半導体層37
が形成されている。本実施例では、ヒータリード38c
は検出用リード35a及び35bを取りまく様に設けら
れている。尚、図11は、図10の装置の片持ち梁ブリ
ッジ33の長手方向に沿っての断面を示している。図1
1は、本発明の「そり曲がり構造」の片持ち梁部(カン
チレバー形)を端的に示すものである。なお、図中34
aはヒータリード38cを支持し、電極間の絶縁を行う
ための絶縁耐熱層を示し、34eは絶縁層を示し、35
は検知用リードを示し、39は電極を示す。
【0011】
【効果】本発明は、張り出し部が上方向にわん曲して形
成されているので、ストレスが張り出し部の根元にかか
らず、根元に割れ目が発生することがなく、張り出し部
の膜はがれ現象もない。また、上方向にわん曲している
ので、従来型のように張り出し部が空洞部にたれ下が
り、信頼性が低下するという欠点が解消された。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から知られている基板上に張り出した梁部
上に検知部を有するガスセンサの平面図である。
【図2】図1のガスセンサのX−X線断面図を示す。
【図3】梁部にストレスがかかる状態説明図である。
【図4】梁部にストレスがかかる状態説明図である。
【図5】梁部にストレスがかかる状態説明図である。
【図6】本発明の梁部の製造方法を説明するためのエア
ブリッジ形の本発明ガスセンサの概略図である。
【図7】本発明の梁部の製造方法を説明するためのカン
チレバー形の本発明ガスセンサの概略図である。
【図8】本発明ガスセンサの梁部を架橋構造とした場合
の1実施例を示した平面概略図である。
【図9】図8のX−X線断面図である。
【図10】本発明ガスセンサの梁部を片持ち構造とした
場合の1実施例を示した平面概略図である。
【図11】図10のX−X線断面図である。
【図12】本発明の流量センサとしての1例を示す平面
図である。
【図13】図12のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 基板 1a 凹所 1b 台座部 3 ブリッジ 4a 下部層 4b 保護被覆層 5a 検出用リード 5b 検出用リード 7 ガス検出層 8a ヒータ用電極 8b ヒータ用電極 8c ヒータリード 9a 電極 9b 電極 10 ガスセンサ 11 基板 13 壁面 15 空洞部 16 支持部 17 支持部 18 保護被覆層 20 発熱部 21 下部層 22 上部層(発熱体) 23 取り出し電極 30 ガスセンサ 31 基板 31b 台座部 33 ブリッジ 34a 絶縁耐熱層 34e 絶縁層 35a 検出用リード 35b 検出用リード 37 ガス検出層 38a ヒータ用電極 38b ヒータ用電極 38c ヒータリード 39 電極 39a 電極 39b 電極 40 流体 41 下部層 42 発熱体層 42a 発熱素子 42b 受熱素子 43 電極部 43a 配線接続用ボンディングパッド 43b 配線接続用ボンディングパッド 43c 配線接続用ボンディングパッド 43d 配線接続用ボンディングパッド 45 空洞部 46 基板 48 保護被覆層
フロントページの続き (72)発明者 山口 隆行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 太田 和三郎 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 間中 順二 東京都大田区大森西1丁目9番17号 リコ ー精器株式会社内 (72)発明者 高野 重樹 東京都大田区大森西1丁目9番17号 リコ ー精器株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板、その基板上に空中に張り出して設
    けられた電気絶縁性材料からなる張り出し部、前記張り
    出し部上に設けられたガス感知層を有するガスセンサに
    おいて、前記張り出し部が上方向にわん曲していること
    を特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記ガス感知層が、金属酸化物半導体よ
    りなるガス検知材料である請求項1記載のガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記ガス感知層が、発熱素子と受熱素子
    よりなるガス流量検知部材である請求項1記載のガスセ
    ンサ。
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