JPH0688329B2 - スチレン系重合体フィルムの加圧熱成形方法 - Google Patents

スチレン系重合体フィルムの加圧熱成形方法

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JPH0688329B2
JPH0688329B2 JP1273851A JP27385189A JPH0688329B2 JP H0688329 B2 JPH0688329 B2 JP H0688329B2 JP 1273851 A JP1273851 A JP 1273851A JP 27385189 A JP27385189 A JP 27385189A JP H0688329 B2 JPH0688329 B2 JP H0688329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シンジオタクチック構造で結晶構造を有する
スチレン系重合体を用いた、スチレン系重合体のフィル
ム又はシートの加圧熱成形に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、一般に使用されてきたスチレン系重合体、特にポ
リスチレンはラジカル重合によって製造された非結晶性
のものであるが、これらのフィルムやシートを加圧熱成
形して食品包装、雑貨の包装あるいは工業材料分野等に
広く利用されてきた。しかし、立体規則性がアタクチッ
ク構造のポリスチレンから得られるこれらの製品は、耐
熱性、耐薬品性,機械的強度に劣るという欠点を有して
いるため、その利用分野は限定されていた。
一方、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂のフィルム
の圧空成形は既に行われていたが(例えば、実公昭61-3
0829)、非結晶性のスチレン系重合体の上記問題点又は
その解決方法については開示されていない。
本発明者のグループは、上記のスチレン系重合体の欠点
を解消すべく研究を行ったところ、先般シンジオタクチ
ック構造を有する結晶性のスチレン系重合体を開発する
ことに成功した(特開昭62-104818号)。
しかしながら、このシンジオタクチック構造で結晶構造
を有するスチレン系重合体は、結晶構造を有するという
その特徴が故に、従来の非結晶性スチレン系重合体より
押出温度を高くせざるを得ず、さらに製造されたフィル
ム,シート等の帯状部材を熱成形する際のドローダウン
が大きく、成形不良現象が発生するなど成形性について
は様々な問題を含んでいた。
そこで本発明者は上記結晶構造を有するスチレン系重合
体特有のこれら成形上の課題を解決するために、具体的
な製造装置による実際的な条件を種々検討し、効率の良
い熱成形方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、シンジオタクチック構造で結晶構造を有する
スチレン系重合体からなる特定の分子量を持つフィルム
等を一定の温度範囲に加熱するとともに特定の加圧成形
を行うことにより、物性の優れたスチレン系樹脂製成形
品を得ることができることを見出した。本発明は、かか
る知見に基いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、加熱圧縮空気を用いるスチレン系重
合体フィルム又はシートの加圧熱成形方法において、ス
チレン系重合体としてシンジオタクチック構造で結晶構
造を有し、重量平均分子量が100,000以上のスチレン系
重合体を用い、フィルム又はシートを該スチレン系重合
体のガラス転移温度ないしガラス転移温度より100℃高
い温度に加熱し、かつ加熱圧縮空気の温度を前記加熱さ
れたフィルム又はシートの温度ないし200℃に調節して
行うことを特徴とするスチレン系重合体フィルム又はシ
ートの加圧熱成形方法を提供するものである。
本発明の方法は、スチレン系重合体としてシンジオタク
チック構造で結晶構造を有するスチレン系重合体を成形
素材の対象とするものである。このスチレン系重合体に
おけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシ
ンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成さ
れる主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル
基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもので
あり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気
共鳴法(13C-NMR法)により定量される。13C-NMR法によ
り測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構
成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個
の場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示
すことができるが、本発明に言うシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイア
ッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミ
ペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオ
タクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(アルキ
ルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ(ア
ルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あ
るいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。
なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ
(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ
(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャリーブチル
スチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニル
ナフタレン),ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポ
リ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチ
レン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチ
レン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルス
チレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)な
ど、ポリ(アルコキシスチレン)としては(メトキシス
チレン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
さらに、これらの構造単位を含む共重合体のコモノマー
成分としては、上記スチレン系重合体のモノマーのほ
か、エチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オクテ
ン等のオレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等
のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエ
ンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、ア
クリロニトリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。
なお、これらのうち本発明の目的に対して特に好ましい
スチレン系重合体としては、ポリスチレン,ポリ(アル
キルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),水素化
ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙
げられる。
このようなシンジオタクチック構造で結晶構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキ
ルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系
単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重
合することにより製造することができる(特開昭62-187
708号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレ
ン)については特開平1-46912号公報、これらの水素化
重合体は特開平1-178505号公報記載の方法などにより得
ることができる。
本発明に係る成形方法の対象とするこの上記スチレン系
重合体は、分子量については、重量平均分子量が100,00
0以上であることが必要であるが、好ましくは300,000以
上である。重量平均分子量が100,000未満では本発明の
課題の一つである耐熱性の向上が図れない。なお、分子
量分布についてはその広狭は制約がなく、様々なものを
充当することが可能である。
本発明の方法では、このシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体に更に、一般に使用されている非晶
性の熱可塑性樹脂,ゴム,無機充填剤,酸化防止剤,可
塑剤,相溶化剤,着色剤,造核剤などを添加することが
できる。
本発明は、このようなシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体(以下、SPSということもある)を主
成分とするフィルムやシートを加圧熱成形するにあた
り、まず、そのガラス転移温度(Tg)乃至ガラス転移温
度より100℃高い温度(Tg+100℃)に加熱する。すなわ
ち、まず一定の長さの巻かれたフィルムやシートを、間
欠的に一定の長さで送る送り装置に挿入し、これを、一
般的なフィルム,シートの加熱手段を用いた加熱装置に
て、上記温度範囲に加熱する。この加熱は間接加熱の場
合にはヒーターを、また直接加熱の場合には熱板を所定
の温度に設定することにより行うことができる。上記フ
ィルムやシートの加熱温度がTgに満たないときには、成
形を充分に行うことが困難であり、良好な型再現性が得
られない。またTg+100℃を超えると、ドローダウンが
大きくなり、ブリッジなどが発生して良好な成形品を得
ることができない。
また、加熱圧縮空気の温度は上記フィルムやシートの加
熱温度乃至200℃の範囲とすることが必要である。フィ
ルムやシートの加熱温度未満では、型再現性が低下す
る。また200℃を超えると成形品の冷却不足により、成
型後の金型からの離型の際に変形することがあり、その
うえ成形装置の価格も高くなるため好ましくない。
なお、このとき用いる加熱圧縮空気の圧力は、1.1〜5.0
kg/cm2の範囲とすることが好ましい。
このような特定のスチレン系重合体のフィルムやシート
を特定された温度に加熱し、特定された加熱圧縮空気を
用いて成形する成形装置としては、従来から同様な目的
のために一般に使用されているものをそのまま用いるこ
とができる。
以上のごとく、シンジオタクチック構造で結晶構造を有
し、特定の重量平均分子量を持つスチレン系重合体のフ
ィルムまたはシートを使用し、特定された温度に加熱
し、特定の温度に加熱された圧縮空気を用いて成形する
ことにより、従来の非結晶性スチレン系重合体に係る成
形品では達成することができなかった耐熱性を有するス
チレン系重合体に付与することができるとともに、低温
での成形も可能となる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
参考例(スチレン系重合体の製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と、触媒成分とし
てテトラエトキシチタニウム5ミリモル及びメチルアル
ミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル加
え、50℃においてこれにスチレン15を加え、4時間重
合反応を行った。反応終了後、生成物を塩酸−メタノー
ル混合液で洗浄し、触媒成分を分解除去した。次いで乾
燥してスチレン系重合体(ポリスチレン)2.5kgを得
た。次に、この重合体をメチルエチルケトンを溶媒とし
てソックスレー抽出し、抽出残分95重量%を得た。この
ものの重量平均分子量は、800,000であった。また1,2−
ジクロロベンゼンを溶媒とする13C-NMR測定による分析
から、シンジオタクチック構造に起因する143.35ppmに
吸収が認められ、そのピーク面積から算出したラセミペ
ンタッドでのシンジオタクティシティーは、96%であっ
た。
このようにして得られたポリスチレンに、酸化防止剤と
してビス(2,4−ジ−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト及びテトラキス〔メチレン(3,5
−ジ−ブチル−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メ
タンをおのおの0.1重量部ずつ混合し、直径40mmの二軸
押出機にて押出してペレット化した。なお得られたスチ
レン系重合体(SPS)の溶融温度(Tm)は270℃,ガラス
転移温度(Tg)は100℃であった。
実施例1 上記参考例で得られたSPSを120〜150℃にて2〜5時間
乾燥した後、押出機として直径30mmの一軸押出機(L/D
=26)を用い、押出量を6.9kg/時間、押出機の温度分布
を投入口付近290℃,中間部300℃,先端部310℃,Tダイ
部310℃として幅170mm,肉厚0.5mmの帯状部材(シート)
を押出成形し、温度60℃の冷却ロールで急冷した。この
ものの結晶化度は20%,厚みムラは+30%であった。
次いでこのシートを間接加熱により100℃(Tg)に加熱
し、成形装置にて径80mm,深さ40mmの金型を使用して容
器を成形した。このとき、加熱圧縮空気の圧力は3.0kg/
cm2,温度は160℃(Tg+60℃)とした。なおプラグには
シンタチックホーム(商品名)を用いた。
得られた容器の型再現性,不良現象の有無および耐熱性
の評価結果を第1表に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜3 シートの加熱温度,加熱圧縮空気の圧力及び温度をそれ
ぞれ第1表に示す条件とした以外は、実施例1と同様に
操作して容器を成形した。得られた容器の型再現性,不
良現象の有無および耐熱性の評価結果を第1表に示す。
比較例4 樹脂材料としてSPSに代えて、従来の非晶質のアタクチ
ック構造のポリスチレン(aPS)を用い、加熱温度,加
熱圧縮空気の圧力及び温度を第1表に示す条件とした以
外は、実施例1と同様に操作して容器を成形した。得ら
れた容器の型再現性,不良現象の有無および耐熱性の評
価結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の方法によれば、シンジオタクチッ
ク構造で結晶構造を有し、重量平均分子量が100,000以
上のスチレン系重合体を主成分とするフィルムやシート
を特定の温度条件で加圧熱成形することにより、従来の
非結晶性のスチレン系重合体では達成できなかった特
性、特に耐熱性に優れた成形品の製造を効率良く安価に
製造することができる。
このようにして製造された成形品は食品をはじめとする
各種製品の包装材料あるいは各種工業材料として有効に
利用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱圧縮空気を用いるスチレン系重合体フ
    ィルム又はシートの加圧熱成形方法において、スチレン
    系重合体としてシンジオタクチック構造で結晶構造を有
    し、重量平均分子量が100,000以上のスチレン系重合体
    を用い、フィルム又はシートを該スチレン系重合体のガ
    ラス転移温度ないしガラス転移温度より100℃高い温度
    に加熱し、かつ加熱圧縮空気の温度を前記加熱されたフ
    ィルム又はシートの温度ないし200℃に調節して行うこ
    とを特徴とするスチレン系重合体フィルム又はシートの
    加圧熱成形方法。
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