JPH0649322B2 - 熱可塑性樹脂の押出成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の押出成形方法

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JPH0649322B2
JPH0649322B2 JP1251782A JP25178289A JPH0649322B2 JP H0649322 B2 JPH0649322 B2 JP H0649322B2 JP 1251782 A JP1251782 A JP 1251782A JP 25178289 A JP25178289 A JP 25178289A JP H0649322 B2 JPH0649322 B2 JP H0649322B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体のフィルム状の成形に適した押出成形方法に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕 一般にスチレン系重合体等の熱可塑性樹脂、特にポリス
チレンはラジカル重合によって製造されたものが使用さ
れ、フィルムやシートとして食品包装,雑貨の包装また
は工業材料分野等に広く利用されている。しかし、立体
規則性がアタクチック構造のポリスチレンから得られる
製品は、耐熱性,耐薬品性,機械的強度に劣るという欠
点を有しているため、その利用分野は限定されていた。
一方、本発明者らのグループは、上記の欠点を解消すべ
く鋭意研究を重ねた結果、先般シンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体を開発した(特開昭62−1
04818号明細書)。
しかしながら、このシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体は、結晶構造を有するというその特徴が
故に、一般的なスチレン系重合体より押出温度を高くせ
ざるを得ず、分解劣化を生じるおそれがある。そのた
め、このようなシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体(以下、SPSと略称することがある。)を
押出成形するにあたっては、冷却条件,使用する装置な
どに特別な配慮が必要であるなど、様々な問題があっ
た。
また、特開昭62−259809号公報に提案されてい
る方法は、押出成形後に急冷することにより優れた性状
の押出成形体が得られるが、その具体的な方法,条件等
に至るまでの具体的な記載はなく、実際的ではなかっ
た。またここには、SPSの溶融温度は記載されている
が、フィルム,シート等の帯状部材の製造時に重要な表
面温度、すなわち成形時に温度が最も低くなり製造した
製品の外観に重要な影響を与える表面温度に関しては言
及されておらず、より実際的な方法の開発が課題となっ
ていた。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するため、具体
的な製造装置による実際的な条件を種々検討し、効率の
良い押出成形方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、SPSを、特定の温度条件下で押出すととも
に特定の冷却方法を採用することにより、上記不都合を
克服できることを見出した。本発明は、かかる知見に基
いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂をフィルム状あるいは
シート状に押出し、冷却水を流通したスリット中に、冷
却水の流れ方向と同方向に導入して成形する方法におい
て、熱可塑性樹脂がシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体であり、押出直後の表面温度が該重合体
の融点より5〜60℃高い温度となるように押出し、冷
却水の温度を該重合体のガラス転移点より5℃低い温度
以下とすることを特徴とする熱可塑性樹脂の押出成形方
法を提供するものである。
本発明に係る成形方法が対象とする成形素材は、シンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体である。こ
のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体に
おけるシンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシ
ンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成さ
れる主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル
基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもので
あり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気
共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−N
MR法により測定されるタクティシティーは、連続する
複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイ
アッド,3個の場合はトリアッド,5個の場合はペンタ
ッドによって示すことができるが、本発明に言うシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常
はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以
上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましく
は50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリ
スチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化
スチレン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニ
ル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこ
れらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体
を指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャリー
ブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニ
ルナフタレン),ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポ
リ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチ
レン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレ
ン)などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレ
ン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、ポリ
(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。さらに、こ
れらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分として
は、上記スチレン系重合体のモノマーのほか、エチレ
ン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オクテン等のオレ
フィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等のジエンモ
ノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマ
ー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニ
トリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。
なお、これらのうち特に好ましいスチレン系重合体とし
ては、ポリスチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ
(ハロゲン化スチレン),水素化ポリスチレン及びこれら
の構造単位を含む共重合体が挙げられる。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不
存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニ
ウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上
記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合すること
により製造することができる(特開昭62−18770
8号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)
については特開平1−46912号公報、これらの水素
化重合体は特開平1−178505号公報記載の方法な
どにより得ることができる。
このスチレン系重合体は、分子量について特に制限はな
いが、重量平均分子量が 100,000 以上、好ましくは 30
0,000 以上である。さらに、分子量分布についてもその
広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可能で
ある。さらにこのスチレン系重合体には、一般に使用さ
れている熱可塑性樹脂,ゴム,無機充填剤,酸化防止
剤,可塑剤,相溶化剤,着色剤などを添加することがで
きる。
本発明の方法は、このようなSPSをフィルムあるいは
シート状に押出成形するものである。このときに用いる
押出機やTダイなどは、一般に使用されているものをそ
のまま用いることができる。押出成形にあたって、押出
直後の溶融樹脂の表面温度を、該樹脂の融点(Tm)より
5〜60℃高い温度、すなわち〔(Tm+5℃)〜(Tm+
60℃)〕となるように押出温度や押出速度を設定す
る。表面温度が(Tm+5℃)未満であると、押出時のメ
ルトフラクチャーなどにより外観不良が発生することが
ある。また表面温度が(Tm+60℃)を超えると樹脂が
分解して劣化することがあり、好ましくない。
本発明では、上記温度範囲で押出した成形物(フィルム
状あるいはシート状物)を、冷却水を流通(通水)させて
いるスリット中に、冷却水の流れ方向と同方向に導入し
て冷却する。このとき冷却水の流れ方向と成形物の導入
方向が逆方向では、成形物の表面に冷却ムラによる縦筋
が発生して外観不良の原因となる。また冷却水が静止し
ていると、成形物の表面に冷却水の沸騰によるクレータ
ー状の痘痕が発生することがある。冷却水の温度は、S
PSの種類や成形物の厚さ,押出速度などにより適宜に
設定することができるが、SPSのガラス転移温度(T
g)より5℃低い温度以下、すなわち(Tg−5℃)以下
とすることが好ましい。冷却水温度が(Tg−5℃)を超
えると、冷却後の巻取りあるいは引取りライン中で成形
物の破壊を生じることがあるため好ましくない。
たとえばTmが270℃,Tgが100℃のSPSをフィル
ム,シートに押出成形する場合には、押出直後の表面温
度を275〜330℃とし、好ましくは冷却水の温度を
95℃以下にすることにより、性状,外観に優れた成形
品を製造することができる。
なお水冷法としては特開昭58−173621号公報に
記載された方法等、公知の様々な方法を採用でき、水冷
装置や引取り装置も、一般に使用されているものを用い
ることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
参考例 (スチレン系重合体の製造) 反応容器に、溶媒としてトルエン2と、触媒成分とし
てテトラエトキシチタニウム5ミリモル及びメチルアル
ミノキサンをアルミニウム原子として500ミリモル加
え、50℃においてこれにスチレン15を加え、4時
間重合反応を行った。
反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗浄
し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥してスチレン
系重合体(ポリスチレン)2.5kgを得た。次に、この重合
体をメチルエチルケトンを溶媒としてソックスレー抽出
し、抽出残分95重量%を得た。このものの重量平均分
子量は、800,000 であった。また1,2−ジクロロベン
ゼンを溶媒とする13C−NMR測定による分析から、シ
ンジオタクチック構造に起因する143.35ppmに吸
収が認められ、そのピーク面積から算出したラセミペン
タッドでのシンジオタクティシティーは、96%であっ
た。このようにして得られたポリスチレンに、酸化防止
剤としてビス(2,4−ジ−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト及びテトラキス〔メチレン
(3,5−ジ−ブチル−ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)〕メタンをおのおの0.1重量部ずつ混合し、直径4
0mmの二軸押出機にて押出してペレット化した。
なお得られたスチレン系重合体(SPS)の融点は27
0℃,ガラス転移温度は100℃であった。
実施例1 上記参考例で得たSPSを120〜150℃にて2〜5
時間乾燥した後、押出機として直径30mmの一軸押出機
(L/D=26)を用い、押出量を6.9kg/時間、押出
機の温度分布を、投入口付近290℃,中間部300
℃,先端部310℃,Tダイ部310℃として、肉厚0.
5mmのシートを押出成形した。このときの押出直後のシ
ートの温度を非接触型温度計〔高感度赤外線温度計(サ
ーモトレイサー6−T08A−S)三栄測器(株)製〕を
用いて測定したところ302℃(Tm+32℃)であっ
た。
次に、押出後のシートを、90℃(Tg−10℃)の冷却水
を通水したスリット中に、冷却水の流れと同方向に導入
して冷却した。
得られたシートの表面状態,巻取り性,分解劣化の有無
を第1表に示す。
実施例2〜4及び比較例1〜5 押出直後の表面温度,冷却水の温度,冷却水の通水方向
とシート導入方向をそれぞれ第1表に示すようにしたこ
と以外は、実施例1と同様に操作してシートを押出成形
した。得られたシートの表面状態,巻取り性,分解劣化
の有無を第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明の方法によれば、耐熱性,耐薬品
性,機械的強度に優れ、さらに表面状態の良好なSPS
フィルムまたはシートを効率良く安価に製造することが
できる。
このようにして製造されたフィルムやシートは、食品を
はじめとする各種製品の包装材料あるいは各種工業材料
として有効に利用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂をフィルム状あるいはシート
    状に押出し、冷却水を流通したスリット中に、冷却水の
    流れ方向と同方向に導入して成形する方法において、熱
    可塑性樹脂がシンジオタクチック構造を有するスチレン
    系重合体であり、押出直後の表面温度が該重合体の融点
    より5〜60℃高い温度となるように押出し、冷却水の
    温度を該重合体のガラス転移点より5℃低い温度以下と
    することを特徴とする熱可塑性樹脂の押出成形方法。
JP1251782A 1989-09-29 1989-09-29 熱可塑性樹脂の押出成形方法 Expired - Fee Related JPH0649322B2 (ja)

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