JPH0688173A - 超高磁束密度一方向性電磁鋼板用素材 - Google Patents
超高磁束密度一方向性電磁鋼板用素材Info
- Publication number
- JPH0688173A JPH0688173A JP4240701A JP24070192A JPH0688173A JP H0688173 A JPH0688173 A JP H0688173A JP 4240701 A JP4240701 A JP 4240701A JP 24070192 A JP24070192 A JP 24070192A JP H0688173 A JPH0688173 A JP H0688173A
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- flux density
- steel sheet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 変圧器等に用いられる一方向性電磁鋼板の鉄
損(磁区制御後)を極限まで下げるため、磁束密度をよ
り高める。 【構成】 SL成分系一方向性電磁鋼板用素材にBiを
0.0005〜0.05%含有させる。 【効果】 上記Bi添加により成品の磁束密度が1.9
5T以上2Tにも達し、従来品の1.93T程度を大き
く超え、超高磁束密度一方向性電磁鋼板と呼べるものが
得られる。
損(磁区制御後)を極限まで下げるため、磁束密度をよ
り高める。 【構成】 SL成分系一方向性電磁鋼板用素材にBiを
0.0005〜0.05%含有させる。 【効果】 上記Bi添加により成品の磁束密度が1.9
5T以上2Tにも達し、従来品の1.93T程度を大き
く超え、超高磁束密度一方向性電磁鋼板と呼べるものが
得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス等の鉄心に用
いられる{110}〈001〉方位即ちゴス方位を高度
に発達させた高磁束密度一方向性電磁鋼板を製造するの
に好適な素材に関する。ここで、素材とは鋼塊、スラブ
或いは熱延板を指す。
いられる{110}〈001〉方位即ちゴス方位を高度
に発達させた高磁束密度一方向性電磁鋼板を製造するの
に好適な素材に関する。ここで、素材とは鋼塊、スラブ
或いは熱延板を指す。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、軟磁性材料として
主にトランスその他の電気機器の鉄心材料に使用されて
いるもので、磁気特性としては励磁特性と鉄損特性が良
好でなくてはならない。
主にトランスその他の電気機器の鉄心材料に使用されて
いるもので、磁気特性としては励磁特性と鉄損特性が良
好でなくてはならない。
【0003】この励磁特性を表す指標として通常磁束密
度B8 (磁場の強さ800A/m における磁束密度)やB
10が用いられ、鉄損特性を表す指標としてW17/50 (5
0Hzで1.7Tまで磁化させたときの単位重量あたりの
鉄損)やW13/60 等が用いられている。
度B8 (磁場の強さ800A/m における磁束密度)やB
10が用いられ、鉄損特性を表す指標としてW17/50 (5
0Hzで1.7Tまで磁化させたときの単位重量あたりの
鉄損)やW13/60 等が用いられている。
【0004】一方向性電磁鋼板は製造工程の最終段階の
900℃以上の温度での仕上げ焼鈍工程で2次再結晶を
起こさせ、鋼板面に{110}面、圧延方向に〈00
1〉軸をもったいわゆるゴス組織を発達させることによ
って得られている。そのなかでも磁束密度B8 が1.8
8T以上の優れた励磁特性をもつものは高磁束密度一方
向性電磁鋼板と呼ばれている。
900℃以上の温度での仕上げ焼鈍工程で2次再結晶を
起こさせ、鋼板面に{110}面、圧延方向に〈00
1〉軸をもったいわゆるゴス組織を発達させることによ
って得られている。そのなかでも磁束密度B8 が1.8
8T以上の優れた励磁特性をもつものは高磁束密度一方
向性電磁鋼板と呼ばれている。
【0005】高磁束密度一方向性電磁鋼板の代表的製造
方法としては特公昭40−15644号公報、特公昭5
1−13469号公報があげられる。現在世界的規模で
生産されている高磁束密度一方向性電磁鋼板は上記2特
許を基本として生産されていると云える。
方法としては特公昭40−15644号公報、特公昭5
1−13469号公報があげられる。現在世界的規模で
生産されている高磁束密度一方向性電磁鋼板は上記2特
許を基本として生産されていると云える。
【0006】然るに上記特許に基づく製品の磁束密度B
8 は1.88乃至高々1.95T程度であり、3%Si
鋼の飽和磁束密度2.03Tの95%程度の値を示して
いるに過ぎない。
8 は1.88乃至高々1.95T程度であり、3%Si
鋼の飽和磁束密度2.03Tの95%程度の値を示して
いるに過ぎない。
【0007】更に本出願人は先に特公昭61−6089
6号公報で従来の1350℃以上もの高温スラブ加熱を
回避する方法を開示した。しかしこの方法で製造される
製品も磁束密度は高磁束密度一方向性電磁鋼板と呼ばれ
る1.93T程度の磁束密度しか示していないのが実状
である。
6号公報で従来の1350℃以上もの高温スラブ加熱を
回避する方法を開示した。しかしこの方法で製造される
製品も磁束密度は高磁束密度一方向性電磁鋼板と呼ばれ
る1.93T程度の磁束密度しか示していないのが実状
である。
【0008】然るに近年省エネルギー、省資源への社会
的要求は益々厳しくなり、一方向性電磁鋼板の鉄損低
減、磁化特性改善への要求も熾烈になってきている。一
方技術的には鉄損低減化の手法としてレーザー照射等の
磁区制御技術が特公昭58−5968号公報、特公昭5
7−2252号公報等により確立され、この方法では更
なる高磁束密度材への要求が鉄損低減への手段として強
くなっている。
的要求は益々厳しくなり、一方向性電磁鋼板の鉄損低
減、磁化特性改善への要求も熾烈になってきている。一
方技術的には鉄損低減化の手法としてレーザー照射等の
磁区制御技術が特公昭58−5968号公報、特公昭5
7−2252号公報等により確立され、この方法では更
なる高磁束密度材への要求が鉄損低減への手段として強
くなっている。
【0009】即ち、従来の高磁束密度一方向性電磁鋼板
の磁束密度B8 を更に理想方位に近づける手段の出現が
待たれているのが現状である。
の磁束密度B8 を更に理想方位に近づける手段の出現が
待たれているのが現状である。
【0010】この目標達成のための手段として本発明者
は特公昭57−1565号公報で従来のAl入り高磁束
密度一方向性電磁鋼板の溶鋼に炭酸塩含有物を添加する
方法を提案した。しかしこの方法は実験室的には実現性
があるが、工業規模では実施されていないのが実状であ
る。
は特公昭57−1565号公報で従来のAl入り高磁束
密度一方向性電磁鋼板の溶鋼に炭酸塩含有物を添加する
方法を提案した。しかしこの方法は実験室的には実現性
があるが、工業規模では実施されていないのが実状であ
る。
【0011】更に本出願人は特公昭58−50295号
公報で温度勾配焼鈍法を提案した。この方法で初めて安
定して磁束密度B8 が1.95T以上の製品が得られる
ようになった。しかしこの方法は工場サイズのコイルフ
ォームで実施する場合、コイル一端から加熱し、反対端
部は温度勾配をつけるため冷却するという非常に熱エネ
ルギー的損失を伴うため工業生産としては問題点を大き
くはらんでいた。
公報で温度勾配焼鈍法を提案した。この方法で初めて安
定して磁束密度B8 が1.95T以上の製品が得られる
ようになった。しかしこの方法は工場サイズのコイルフ
ォームで実施する場合、コイル一端から加熱し、反対端
部は温度勾配をつけるため冷却するという非常に熱エネ
ルギー的損失を伴うため工業生産としては問題点を大き
くはらんでいた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を回避し極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向性
電磁鋼板の製造を可能にすることを目的とする。
点を回避し極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向性
電磁鋼板の製造を可能にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、次の通りである。 1)重量で、C:0.03〜0.15%、Si:2.5
〜4.0%、Mn:0.10〜0.80%、S:0.0
10%以下、酸可溶性Al:0.010〜0.065
%、N:0.0030〜0.0150%を基本成分とす
る一方向性電磁鋼板用素材において、0.0005〜
0.05%のBiを含有せしめることを特徴とする超高
磁束密度一方向性電磁鋼板用素材。
ろは、次の通りである。 1)重量で、C:0.03〜0.15%、Si:2.5
〜4.0%、Mn:0.10〜0.80%、S:0.0
10%以下、酸可溶性Al:0.010〜0.065
%、N:0.0030〜0.0150%を基本成分とす
る一方向性電磁鋼板用素材において、0.0005〜
0.05%のBiを含有せしめることを特徴とする超高
磁束密度一方向性電磁鋼板用素材。
【0014】2)重量で、C:0.03〜0.15%、
Si:2.5〜4.0%、Mn:0.10〜0.80
%、S:0.010%以下、酸可溶性Al:0.010
〜0.065%、N:0.0030〜0.0150%と
Sn:0.05〜0.50%を基本成分とする一方向性
電磁鋼板用素材において、0.0005〜0.05%の
Biを含有せしめることを特徴とする超高磁束密度一方
向性電磁鋼板用素材。
Si:2.5〜4.0%、Mn:0.10〜0.80
%、S:0.010%以下、酸可溶性Al:0.010
〜0.065%、N:0.0030〜0.0150%と
Sn:0.05〜0.50%を基本成分とする一方向性
電磁鋼板用素材において、0.0005〜0.05%の
Biを含有せしめることを特徴とする超高磁束密度一方
向性電磁鋼板用素材。
【0015】以下本発明の詳細について説明する。本発
明者はいわゆる高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束密度
を更に高めるべく種々の研究を重ねているが、窒化アル
ミニウムを主インヒビターとする一方向性電磁鋼板用の
素材にBiを添加含有せしめることにより現在市販され
ている高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束密度B8 =
1.93T程度をはるかに超える1.95T以上、2T
にもおよぶ超高磁束密度一方向性電磁鋼板を製造するこ
とに成功した。
明者はいわゆる高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束密度
を更に高めるべく種々の研究を重ねているが、窒化アル
ミニウムを主インヒビターとする一方向性電磁鋼板用の
素材にBiを添加含有せしめることにより現在市販され
ている高磁束密度一方向性電磁鋼板の磁束密度B8 =
1.93T程度をはるかに超える1.95T以上、2T
にもおよぶ超高磁束密度一方向性電磁鋼板を製造するこ
とに成功した。
【0016】本発明の成分組成の限定理由を説明する。
Cは0.03%未満では2次再結晶が不安定になり、ま
た2次再結晶した場合でも磁束密度が極めて劣化するの
で好ましくない。一方0.15%超では脱炭焼鈍工程で
の脱炭が不完全になりやすく、成品での磁気時効を引き
起こすので好ましくない。
Cは0.03%未満では2次再結晶が不安定になり、ま
た2次再結晶した場合でも磁束密度が極めて劣化するの
で好ましくない。一方0.15%超では脱炭焼鈍工程で
の脱炭が不完全になりやすく、成品での磁気時効を引き
起こすので好ましくない。
【0017】Siは2.5%未満では成品の渦電流損が
増大し、また4.0%超では常温での冷延が困難になり
いずれも好ましくない。
増大し、また4.0%超では常温での冷延が困難になり
いずれも好ましくない。
【0018】Sについては成品において線状細粒を生じ
させないためには0.010%以下に限定する必要があ
る。
させないためには0.010%以下に限定する必要があ
る。
【0019】Mnは高い磁束密度を得るためには0.1
0〜0.80%が必要でその範囲を逸脱すると磁束密度
が劣化するので好ましくない。
0〜0.80%が必要でその範囲を逸脱すると磁束密度
が劣化するので好ましくない。
【0020】酸可溶性Alは高磁束密度一方向性電磁鋼
板製造のための主要インヒビター構成元素であり、0.
010%未満では量的に不足しインヒビター強度が不足
する。一方0.065%超では析出窒化アルミニウムが
粗大化し、結果としてインヒビター強度を低下させるの
で好ましくない。
板製造のための主要インヒビター構成元素であり、0.
010%未満では量的に不足しインヒビター強度が不足
する。一方0.065%超では析出窒化アルミニウムが
粗大化し、結果としてインヒビター強度を低下させるの
で好ましくない。
【0021】Nも酸可溶性Al同様に主インヒビター構
成元素であり、上記範囲を逸脱するとインヒビターの最
適状態を壊すので好ましくない。
成元素であり、上記範囲を逸脱するとインヒビターの最
適状態を壊すので好ましくない。
【0022】更にSnについては薄手成品の2次再結晶
を安定化させる元素として有効であり、また2次再結晶
粒径を小さくする作用もあり、0.05%以上の添加が
必要であり、0.50%を超えてもその作用効果が飽和
するのでコストアップの点から0.50%以下に限定す
る。
を安定化させる元素として有効であり、また2次再結晶
粒径を小さくする作用もあり、0.05%以上の添加が
必要であり、0.50%を超えてもその作用効果が飽和
するのでコストアップの点から0.50%以下に限定す
る。
【0023】本発明の特徴であるBiの添加含有量は
0.0005〜0.05%の範囲が有効である。0.0
005%未満では磁束密度の向上がわずかであり、また
0.05%超では磁束密度向上の効果が飽和するととも
に熱延板の端部に割れが発生するので上限を0.05%
に限定する。
0.0005〜0.05%の範囲が有効である。0.0
005%未満では磁束密度の向上がわずかであり、また
0.05%超では磁束密度向上の効果が飽和するととも
に熱延板の端部に割れが発生するので上限を0.05%
に限定する。
【0024】一方向性電磁鋼板用素材にBiを添加含有
せしめることは特開昭50−72817号公報、特開昭
51−78733号公報、特開昭53−39922号公
報等に記載されているが、これらの特許は何れも必須の
インヒビターとしてS,Seを含有し、且つSb,As
等と同様の作用効果を持つ元素の一つとしての意味であ
り、Sbの代替元素としての位置づけにしか過ぎない。
せしめることは特開昭50−72817号公報、特開昭
51−78733号公報、特開昭53−39922号公
報等に記載されているが、これらの特許は何れも必須の
インヒビターとしてS,Seを含有し、且つSb,As
等と同様の作用効果を持つ元素の一つとしての意味であ
り、Sbの代替元素としての位置づけにしか過ぎない。
【0025】更にこれらの特許は本質的にAlをインヒ
ビター元素として含有せず、本発明とはその性格を全く
異にするものと云える。更にBiを含有せしめることは
特開昭51−107499号公報、特開昭63−100
127号公報にも記載されている。
ビター元素として含有せず、本発明とはその性格を全く
異にするものと云える。更にBiを含有せしめることは
特開昭51−107499号公報、特開昭63−100
127号公報にも記載されている。
【0026】なるほどこれらの特許では必須のインヒビ
ターとしてAlを含有している点では本発明と同様では
あるが、何れもSb,As等の同一作用元素の位置づけ
で、従ってBi添加含有の実施例の記載もなく、本発明
のようなBiの特異な磁束密度向上作用を窺わせるもの
は全くなく、Bi添加の思想、性格を異にするものと云
える。
ターとしてAlを含有している点では本発明と同様では
あるが、何れもSb,As等の同一作用元素の位置づけ
で、従ってBi添加含有の実施例の記載もなく、本発明
のようなBiの特異な磁束密度向上作用を窺わせるもの
は全くなく、Bi添加の思想、性格を異にするものと云
える。
【0027】次に製造プロセス条件について説明する。
上記の如く成分を調整した超高磁束密度一方向性電磁鋼
板用素材は通常の如何なる溶解法、造塊法を用いた場合
でも本発明の素材とすることができる。
上記の如く成分を調整した超高磁束密度一方向性電磁鋼
板用素材は通常の如何なる溶解法、造塊法を用いた場合
でも本発明の素材とすることができる。
【0028】次いでこの電磁鋼板用素材は通常の熱間圧
延により熱延コイルに圧延される。この場合スラブ加熱
温度は1270℃以下のいわゆる低温スラブ加熱が望ま
しい。
延により熱延コイルに圧延される。この場合スラブ加熱
温度は1270℃以下のいわゆる低温スラブ加熱が望ま
しい。
【0029】引き続いて1ステージの冷間圧延または中
間焼鈍を含む複数ステージの冷間圧延によって最終板厚
とするが、高磁束密度一方向性電磁鋼板を得ることから
最終冷延の圧延率(1ステージの冷間圧延の場合はその
圧延率)は65〜95%の強圧下が好ましい。最終圧延
以外のステージの圧延率は特に規定しなくてもよい。最
終冷延前には950〜1200℃で30秒〜30分間の
焼鈍を行い、急冷によりAlNの析出制御を行う。最終
成品板厚に圧延した冷延板を続いて通常の方法で脱炭焼
鈍を行う。脱炭焼鈍の条件は特に規定しないが、好まし
くは700〜900℃の温度範囲で30秒〜30分間湿
潤な水素または水素、窒素の混合雰囲気で行うのがよ
い。脱炭焼鈍によって製品に有害な炭素を除去すると同
時に1次再結晶が起こる。
間焼鈍を含む複数ステージの冷間圧延によって最終板厚
とするが、高磁束密度一方向性電磁鋼板を得ることから
最終冷延の圧延率(1ステージの冷間圧延の場合はその
圧延率)は65〜95%の強圧下が好ましい。最終圧延
以外のステージの圧延率は特に規定しなくてもよい。最
終冷延前には950〜1200℃で30秒〜30分間の
焼鈍を行い、急冷によりAlNの析出制御を行う。最終
成品板厚に圧延した冷延板を続いて通常の方法で脱炭焼
鈍を行う。脱炭焼鈍の条件は特に規定しないが、好まし
くは700〜900℃の温度範囲で30秒〜30分間湿
潤な水素または水素、窒素の混合雰囲気で行うのがよ
い。脱炭焼鈍によって製品に有害な炭素を除去すると同
時に1次再結晶が起こる。
【0030】1次再結晶後の鋼板に2次再結晶焼鈍時の
インヒビターを強化するための窒化処理を施す。この方
法は既に公知の方法で行えばよい。その後鋼板表面に2
次再結晶焼鈍における焼き付き防止およびグラス被膜生
成のためMgOを主成分とする通常の組成の焼鈍分離剤
を塗布する。
インヒビターを強化するための窒化処理を施す。この方
法は既に公知の方法で行えばよい。その後鋼板表面に2
次再結晶焼鈍における焼き付き防止およびグラス被膜生
成のためMgOを主成分とする通常の組成の焼鈍分離剤
を塗布する。
【0031】2次再結晶焼鈍は1000℃以上の温度で
5時間以上、水素または窒素またはそれらの混合雰囲気
で行う。引き続き余分の焼鈍分離剤を除去後、コイル巻
ぐせを矯正するための連続焼鈍を行い、同時に絶縁被膜
を塗布、焼き付けする。更に必要に応じてレーザー照射
等の磁区細分化処理を施す。磁区細分化の方法は特に限
定する必要はない。
5時間以上、水素または窒素またはそれらの混合雰囲気
で行う。引き続き余分の焼鈍分離剤を除去後、コイル巻
ぐせを矯正するための連続焼鈍を行い、同時に絶縁被膜
を塗布、焼き付けする。更に必要に応じてレーザー照射
等の磁区細分化処理を施す。磁区細分化の方法は特に限
定する必要はない。
【0032】
(実施例1)C:0.06%、Si:3.2%、Mn:
0.13%、S:0.007%、酸可溶性Al:0.0
28%、N:0.008%を含有する珪素鋼にBiを
0.0002〜0.05%添加含有せしめた。鋼塊を1
150℃で分塊圧延した後1150℃に再加熱し直ちに
熱延し、1.8mmの熱延板とした。
0.13%、S:0.007%、酸可溶性Al:0.0
28%、N:0.008%を含有する珪素鋼にBiを
0.0002〜0.05%添加含有せしめた。鋼塊を1
150℃で分塊圧延した後1150℃に再加熱し直ちに
熱延し、1.8mmの熱延板とした。
【0033】熱延板に1100℃の焼鈍を施し、0.2
3mmまで冷延した。引き続き830℃で脱炭焼鈍を行
い、次いでアンモニア含有雰囲気で750℃、30秒間
窒化処理を施した。
3mmまで冷延した。引き続き830℃で脱炭焼鈍を行
い、次いでアンモニア含有雰囲気で750℃、30秒間
窒化処理を施した。
【0034】この鋼板にMgOを主成分とする焼鈍分離
材を塗布後1200℃の仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼
鈍後の板に残留する粉を除粉後60×300mmの磁気測
定試料を剪断し、850℃で歪取り焼鈍を行って磁気測
定に供した。Bi含有量と製品磁束密度の関係を表1に
示す。
材を塗布後1200℃の仕上げ焼鈍を行った。仕上げ焼
鈍後の板に残留する粉を除粉後60×300mmの磁気測
定試料を剪断し、850℃で歪取り焼鈍を行って磁気測
定に供した。Bi含有量と製品磁束密度の関係を表1に
示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1より明らかな如くBi添加により従来
法では到底得られないようなB8 が1.95T以上のす
ばらしい製品が得られた。
法では到底得られないようなB8 が1.95T以上のす
ばらしい製品が得られた。
【0037】(実施例2)実施例1で得られた製品に5
mmピッチでレーザーを照射し、磁区細分化処理を行っ
た。その状態での磁気測定値を表2に示す。
mmピッチでレーザーを照射し、磁区細分化処理を行っ
た。その状態での磁気測定値を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2で明らかなようにBi含有材は磁束密
度が極めて高く、従って磁区細分化後の鉄損特性が0.
75W/kg以下の極めて優れた製品が得られ、最良値は
0.6W/kgにも達する。
度が極めて高く、従って磁区細分化後の鉄損特性が0.
75W/kg以下の極めて優れた製品が得られ、最良値は
0.6W/kgにも達する。
【0040】(実施例3)C:0.07%、Si:3.
3%、Mn:0.13%、S:0.006%、酸可溶性
Al:0.027%、N:0.009%、Sn:0.1
5%を含有する珪素鋼にBiを0.01%添加含有せし
めた。以後の工程は実施例1と同様に行った。結果を表
3に示す。
3%、Mn:0.13%、S:0.006%、酸可溶性
Al:0.027%、N:0.009%、Sn:0.1
5%を含有する珪素鋼にBiを0.01%添加含有せし
めた。以後の工程は実施例1と同様に行った。結果を表
3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】表3に示したようにBi添加により磁束密
度B8 が1.95T以上の極めて優れた特性の製品が得
られた。
度B8 が1.95T以上の極めて優れた特性の製品が得
られた。
【0043】
【発明の効果】本発明のBi含有超高磁束密度一方向性
電磁鋼板用素材を用いると、極めて磁束密度の高い製品
が得られるとともに磁区細分化処理後の鉄損特性も極め
て優れており、工業的に非常に価値の高い有益なものと
云える。
電磁鋼板用素材を用いると、極めて磁束密度の高い製品
が得られるとともに磁区細分化処理後の鉄損特性も極め
て優れており、工業的に非常に価値の高い有益なものと
云える。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.10〜0.80%、 S :0.010%以下、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%を含有し更に、 Bi:0.0005〜0.05%、 残部:Feおよび不可避的不純物からなる超高磁束密度
一方向性電磁鋼板用素材。 - 【請求項2】 重量で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.10〜0.80%、 S :0.010%以下、 酸可溶性Al:0.010〜0.065%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%を含有し更に、 Bi:0.0005〜0.05%、 残部:Feおよび不可避的不純物からなる超高磁束密度
一方向性電磁鋼板用素材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4240701A JPH0688173A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板用素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4240701A JPH0688173A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板用素材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0688173A true JPH0688173A (ja) | 1994-03-29 |
Family
ID=17063421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4240701A Pending JPH0688173A (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板用素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0688173A (ja) |
-
1992
- 1992-09-09 JP JP4240701A patent/JPH0688173A/ja active Pending
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