JPH0688164A - 高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線 - Google Patents
高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線Info
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- JPH0688164A JPH0688164A JP18046993A JP18046993A JPH0688164A JP H0688164 A JPH0688164 A JP H0688164A JP 18046993 A JP18046993 A JP 18046993A JP 18046993 A JP18046993 A JP 18046993A JP H0688164 A JPH0688164 A JP H0688164A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、印刷線の幅が50μm以下、且つ
印刷線の線幅バラツキが2μm以下、に適した高精度ス
クリーンが安定して得られる高精度印刷スクリーン用の
線径バラツキがない超長尺、高精度超極細鋼を提供す
る。 【構成】 重量%で、C:0.70〜0.90,Si:
0.15〜0.25,Mn:0.40〜0.60,P:
0.01以下,S:0.01以下,N:0.0004以
下,O:0.0004以下残部Fe及び不可避的不純物
からなり、線径が20μm以下であって外径偏差が0.
2μm以下であり、引張り強さ300〜400kg/m
m2 、及び伸び2〜4%の特性を有し、オールパーライ
ト組織であることを特徴とする高精度印刷スクリーン用
超長尺、高精度超極細鋼線。
印刷線の線幅バラツキが2μm以下、に適した高精度ス
クリーンが安定して得られる高精度印刷スクリーン用の
線径バラツキがない超長尺、高精度超極細鋼を提供す
る。 【構成】 重量%で、C:0.70〜0.90,Si:
0.15〜0.25,Mn:0.40〜0.60,P:
0.01以下,S:0.01以下,N:0.0004以
下,O:0.0004以下残部Fe及び不可避的不純物
からなり、線径が20μm以下であって外径偏差が0.
2μm以下であり、引張り強さ300〜400kg/m
m2 、及び伸び2〜4%の特性を有し、オールパーライ
ト組織であることを特徴とする高精度印刷スクリーン用
超長尺、高精度超極細鋼線。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線、厚膜I
C、抵抗体等のエレクトロニックス関連分野において、
スクリーン印刷法で使用する高精度スクリーン用の超長
尺・高精度超極細鋼線に関するものである。
C、抵抗体等のエレクトロニックス関連分野において、
スクリーン印刷法で使用する高精度スクリーン用の超長
尺・高精度超極細鋼線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高精度印刷を行うスクリーン印刷法にお
いて、印刷に使用するスクリーンは、一般に印刷線の幅
が100μm以下であり、且つ印刷線の線幅バラツキが
±10μm以下の特性を具えていなければならず、特に
最近では、プリント配線、厚膜IC、抵抗体等のエレク
トロニックス関連の分野では、印刷線の幅が50μmと
なるような極細線の印刷に適したスクリーンが要求され
ている。
いて、印刷に使用するスクリーンは、一般に印刷線の幅
が100μm以下であり、且つ印刷線の線幅バラツキが
±10μm以下の特性を具えていなければならず、特に
最近では、プリント配線、厚膜IC、抵抗体等のエレク
トロニックス関連の分野では、印刷線の幅が50μmと
なるような極細線の印刷に適したスクリーンが要求され
ている。
【0003】極細線の印刷に適したスクリーン(以下高
精度スクリーンという。)は、これに使用する超極細鋼
線の素材特性で決定され、高強度・低延性、超極細
線、超長尺・高寸法精度の物性を同時に満足すること
が必要である。
精度スクリーンという。)は、これに使用する超極細鋼
線の素材特性で決定され、高強度・低延性、超極細
線、超長尺・高寸法精度の物性を同時に満足すること
が必要である。
【0004】従来の鋼線は、表1にその特性を示したよ
うに、機械的性質は高精度スクリーンの素材要求を満足
するものの、線径バラツキが大きく、この点で印刷線幅
50μm以下の超極細線の印刷に適したスクリーンを製
造することができない。また、工業的にも外径精度の優
れた超長尺の超極細鋼線が得られず、大型高精度スクリ
ーンの商品製造が困難である。
うに、機械的性質は高精度スクリーンの素材要求を満足
するものの、線径バラツキが大きく、この点で印刷線幅
50μm以下の超極細線の印刷に適したスクリーンを製
造することができない。また、工業的にも外径精度の優
れた超長尺の超極細鋼線が得られず、大型高精度スクリ
ーンの商品製造が困難である。
【0005】
【表1】
【0006】一方、超極細鋼線として例えば特開平2−
129342号公報には高炭素鋼にCrを0.1〜0.
3%添加することにより、2次スケールの機械的剥離性
向上させることが開示され、また特開平3−94013
号公報には、表面に加工歪を有するNiめっき被覆層が
形成された線径100μm以下、引張り強さ300kg/
mm2 以上の極細線が提示されている。前者はホースワイ
ヤー、タイヤコード等に用いられ線径0.25mm程度の
ものであり、後者は高強度の超極細鋼線であるが、高い
外径精度が要求される印刷用スクリーンに関しての技術
開示はない。
129342号公報には高炭素鋼にCrを0.1〜0.
3%添加することにより、2次スケールの機械的剥離性
向上させることが開示され、また特開平3−94013
号公報には、表面に加工歪を有するNiめっき被覆層が
形成された線径100μm以下、引張り強さ300kg/
mm2 以上の極細線が提示されている。前者はホースワイ
ヤー、タイヤコード等に用いられ線径0.25mm程度の
ものであり、後者は高強度の超極細鋼線であるが、高い
外径精度が要求される印刷用スクリーンに関しての技術
開示はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにスクリ
ーン印刷の紗等に使用される鋼線特性は厳しく、印刷線
の幅が100μm以下、且つ印刷線の線幅バラツキが±
10μm以下、さらに最近のエレクトロニックス関連に
おいては一層の高密度化が推進され、配線等の印刷では
線幅50μmの極細線印刷に適した高精度スクリーンが
安定して得られることが要望されている。
ーン印刷の紗等に使用される鋼線特性は厳しく、印刷線
の幅が100μm以下、且つ印刷線の線幅バラツキが±
10μm以下、さらに最近のエレクトロニックス関連に
おいては一層の高密度化が推進され、配線等の印刷では
線幅50μmの極細線印刷に適した高精度スクリーンが
安定して得られることが要望されている。
【0008】本発明は、上記した要望に応えるものであ
り、高精度印刷スクリーン用の線径バラツキがない超長
尺、高精度超極細鋼を提供することを目的とする。
り、高精度印刷スクリーン用の線径バラツキがない超長
尺、高精度超極細鋼を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、重量%でC :0.70〜0.90%,S
i:0.15〜0.25%,Mn:0.40〜0.60
%,P :0.01%以下,S :0.01%以下,N
:0.0004%以下,O :0.0004%以下,
残部Fe及び不可避的不純物からなり、線径が20μm
以下であって、外径偏差が0.2μm以下であり、引張
り強さ300〜400kg/mm2 、及び伸び2〜4%の特
性を有し、オールパーライト組織であることを特徴とす
る高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線で
ある。
に本発明は、重量%でC :0.70〜0.90%,S
i:0.15〜0.25%,Mn:0.40〜0.60
%,P :0.01%以下,S :0.01%以下,N
:0.0004%以下,O :0.0004%以下,
残部Fe及び不可避的不純物からなり、線径が20μm
以下であって、外径偏差が0.2μm以下であり、引張
り強さ300〜400kg/mm2 、及び伸び2〜4%の特
性を有し、オールパーライト組織であることを特徴とす
る高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線で
ある。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明は
高精度スクリーン用材料として、鋼成分を特定して必要
な適性強度、延性とし、オールパーライト鋼超極細線を
高精度印刷に適した20μm以下の線径を有すると共に
外径偏差0.2μmの精度とする。
高精度スクリーン用材料として、鋼成分を特定して必要
な適性強度、延性とし、オールパーライト鋼超極細線を
高精度印刷に適した20μm以下の線径を有すると共に
外径偏差0.2μmの精度とする。
【0011】まず本発明の成分を特定した理由を説明す
る。Cは鋼線に強度を付与するために添加する。本発明
においては引張り強さ300〜400kg/mm2 の範囲と
するが、0.70%未満ではこの強度を得ることができ
ず、また0.90%を超えると強度が大きくなり過ぎス
クリーン材料として適性の範囲から外れる。好ましくは
0.80〜0.88%とするのがよい。Siは脱酸剤と
して添加するものであり、また添加量が多くなると加工
性が劣化する。そのために0.15〜0.25%の範囲
とする。MnもSiと同様に脱酸剤としての役割を果た
すと共に強度付与する元素であり、この目的のために
0.40〜0.60%、好ましくは0.45〜0.55
%の範囲で添加する。Pは不純物として含有するが粒界
に偏析し、加工性を劣化させる。そのためにその含有量
はできるだけ少量に抑えるべきであり、本発明では0.
01%以下にする。Sも不純物として含まれるが硫化物
を形成し、加工性を劣化させるためにできるだけ少なく
する必要がある。そのために0.01%以下にする。N
は、その含有量が高くなると疲労特性、すなわちスクリ
ーンとして繰り返し使用した場合にスクリーンを構成す
る「紗」用の超極細鋼線が劣化し、破断を起こす原因と
なる。これを防止するためにはできるだけ少なくするこ
とがよく、0.0004%以下にする必要がある。Oは
鋼中に不可避的に含有するが、加工性や強度に悪影響を
及ぼすために、0.0004%以下にする。また、A
l,Ti等の脱酸材を添加して無害化を図ってもよい。
る。Cは鋼線に強度を付与するために添加する。本発明
においては引張り強さ300〜400kg/mm2 の範囲と
するが、0.70%未満ではこの強度を得ることができ
ず、また0.90%を超えると強度が大きくなり過ぎス
クリーン材料として適性の範囲から外れる。好ましくは
0.80〜0.88%とするのがよい。Siは脱酸剤と
して添加するものであり、また添加量が多くなると加工
性が劣化する。そのために0.15〜0.25%の範囲
とする。MnもSiと同様に脱酸剤としての役割を果た
すと共に強度付与する元素であり、この目的のために
0.40〜0.60%、好ましくは0.45〜0.55
%の範囲で添加する。Pは不純物として含有するが粒界
に偏析し、加工性を劣化させる。そのためにその含有量
はできるだけ少量に抑えるべきであり、本発明では0.
01%以下にする。Sも不純物として含まれるが硫化物
を形成し、加工性を劣化させるためにできるだけ少なく
する必要がある。そのために0.01%以下にする。N
は、その含有量が高くなると疲労特性、すなわちスクリ
ーンとして繰り返し使用した場合にスクリーンを構成す
る「紗」用の超極細鋼線が劣化し、破断を起こす原因と
なる。これを防止するためにはできるだけ少なくするこ
とがよく、0.0004%以下にする必要がある。Oは
鋼中に不可避的に含有するが、加工性や強度に悪影響を
及ぼすために、0.0004%以下にする。また、A
l,Ti等の脱酸材を添加して無害化を図ってもよい。
【0012】本発明鋼線は上記の成分からなり、長尺超
極細線を製造するには、通常熱間圧延で成形した数mmφ
の鋼線材を表面スケールを除去した後、さらに2次伸線
し100〜300μmφにした細線素材を、多段ダイス
伸線法により伸線する。この多段ダイス伸線に当たって
は、細線素材を鉛浴中に浸漬し、或いは不活性雰囲気中
で熱処理(パテンティング)して均質なパーライト組織
とし、必要によってはNi等で表面処理した後、潤滑油
を供給しながら多段ダイスで伸線する。これにより高精
度印刷に適する線径20μm以下で引張り強さ300〜
400kg/mm2、伸び2〜4%の機械的性質を有する超
極細鋼線を得ることができる。
極細線を製造するには、通常熱間圧延で成形した数mmφ
の鋼線材を表面スケールを除去した後、さらに2次伸線
し100〜300μmφにした細線素材を、多段ダイス
伸線法により伸線する。この多段ダイス伸線に当たって
は、細線素材を鉛浴中に浸漬し、或いは不活性雰囲気中
で熱処理(パテンティング)して均質なパーライト組織
とし、必要によってはNi等で表面処理した後、潤滑油
を供給しながら多段ダイスで伸線する。これにより高精
度印刷に適する線径20μm以下で引張り強さ300〜
400kg/mm2、伸び2〜4%の機械的性質を有する超
極細鋼線を得ることができる。
【0013】印刷用スクリーンを構成する「紗」用の超
極細鋼線(素線)は、製造上或いは要求印刷精度などの
条件から、必要物性が異なるが、印刷線幅50μm以
下、好ましくは30μm以下の高精度極細線印刷とする
には「紗」の製織限界、印刷ズレ、寿命限界から図1に
真歪との関係で示すように適性範囲が存在する。すなわ
ち、素線引張り強さを300kg/mm2 、好ましくは33
0kg/mm2 以上にすることにより素線の真直性がよく、
且つ「紗」張りの際の張力を大きくできて、印刷スキー
ジー方向の素線ズレを防止しうるために印刷ズレを起さ
ないと共に、繰返し使用寿命を著しく延長できる。従っ
て、印刷幅50μm以下の高精度印刷が容易に且つ安定
して達成できる。また400kg/mm2 を超えると高密度
「紗」の製網の際、線の剛性、硬さが強すぎて製網抵抗
が強くなり正確な織目の構成が困難となる。好ましくは
390kg/mm2 以下とするのがよい。
極細鋼線(素線)は、製造上或いは要求印刷精度などの
条件から、必要物性が異なるが、印刷線幅50μm以
下、好ましくは30μm以下の高精度極細線印刷とする
には「紗」の製織限界、印刷ズレ、寿命限界から図1に
真歪との関係で示すように適性範囲が存在する。すなわ
ち、素線引張り強さを300kg/mm2 、好ましくは33
0kg/mm2 以上にすることにより素線の真直性がよく、
且つ「紗」張りの際の張力を大きくできて、印刷スキー
ジー方向の素線ズレを防止しうるために印刷ズレを起さ
ないと共に、繰返し使用寿命を著しく延長できる。従っ
て、印刷幅50μm以下の高精度印刷が容易に且つ安定
して達成できる。また400kg/mm2 を超えると高密度
「紗」の製網の際、線の剛性、硬さが強すぎて製網抵抗
が強くなり正確な織目の構成が困難となる。好ましくは
390kg/mm2 以下とするのがよい。
【0014】現在使用されている高精度スクリーン印刷
用素線としてはポリエステルおよびステンレスが有るが
その材質特性はポリエステルで引張り強さ80kg/mm2
・伸び25%、ステンレスで引張り強さ150kg/mm2
・伸び10%であり、高精度印刷に必要な紗張り強度に
耐え得る素線径としてはポリエステルで30μmφ、ス
テンレスで23μmφが現状である。この場合紗のオー
プニングおよびオープニング率はポリエステルで30μ
mφ×350メッシュで43μmおよび35%となり、
ステンレスの場合は23μmφ×400メッシュで40
μmおよび43%のスクリーン用紗が工業的に使用され
ている。本発明の場合は引張り強さでポリエステルの
4.5倍、ステンレスの2.5倍となるため、紗の線径
を細くでき20μmφ×200メッシュの場合、オープ
ニングで107μm、オープニング率で70%とインク
の通過性が良く精細線の印刷に適した紗を得ることがで
きる。
用素線としてはポリエステルおよびステンレスが有るが
その材質特性はポリエステルで引張り強さ80kg/mm2
・伸び25%、ステンレスで引張り強さ150kg/mm2
・伸び10%であり、高精度印刷に必要な紗張り強度に
耐え得る素線径としてはポリエステルで30μmφ、ス
テンレスで23μmφが現状である。この場合紗のオー
プニングおよびオープニング率はポリエステルで30μ
mφ×350メッシュで43μmおよび35%となり、
ステンレスの場合は23μmφ×400メッシュで40
μmおよび43%のスクリーン用紗が工業的に使用され
ている。本発明の場合は引張り強さでポリエステルの
4.5倍、ステンレスの2.5倍となるため、紗の線径
を細くでき20μmφ×200メッシュの場合、オープ
ニングで107μm、オープニング率で70%とインク
の通過性が良く精細線の印刷に適した紗を得ることがで
きる。
【0015】また、伸びが4%を超えると、製網地の網
目のズレおよび印刷時のスキージ圧による線(ワイヤ)
のズレ、さらには紗の反力を利用したインク切れ(版離
れ)の良さが得られにくく、印刷精度は悪くなる。一
方、伸びが少ないとしなやかさが減少して製網加工性が
悪くなり、加工時の張力および筬による負荷で断線する
こともあるため、伸びは2〜4%が望ましい。
目のズレおよび印刷時のスキージ圧による線(ワイヤ)
のズレ、さらには紗の反力を利用したインク切れ(版離
れ)の良さが得られにくく、印刷精度は悪くなる。一
方、伸びが少ないとしなやかさが減少して製網加工性が
悪くなり、加工時の張力および筬による負荷で断線する
こともあるため、伸びは2〜4%が望ましい。
【0016】一方、図2に30μm線印刷時の素線外径
偏差と印刷ズレの関係を示すが印刷線幅を精細化するに
は、線径のバラツキを無くすることが重要であり、線径
偏差(外径精度)が0.2μmを超えると、「紗」のオ
ープニングが均質にならず、押し出されるインクの通過
性およびインクとの濡れ性のバラツキとなり、精細線印
刷線幅のバラツキが大きくなって印刷精度を劣化させ
る。本発明は外径偏差を0.2μm以下とするものであ
るが、この様な高精度の外径を得るには、例えば以下の
ような方法を採用することにより達成させられる。
偏差と印刷ズレの関係を示すが印刷線幅を精細化するに
は、線径のバラツキを無くすることが重要であり、線径
偏差(外径精度)が0.2μmを超えると、「紗」のオ
ープニングが均質にならず、押し出されるインクの通過
性およびインクとの濡れ性のバラツキとなり、精細線印
刷線幅のバラツキが大きくなって印刷精度を劣化させ
る。本発明は外径偏差を0.2μm以下とするものであ
るが、この様な高精度の外径を得るには、例えば以下の
ような方法を採用することにより達成させられる。
【0017】すなわち、多段ダイス伸線法で超極細線を
伸線するのであるが、減面ダイスの負荷は大きく、ダイ
スの磨耗も必ずしも均一にはならない。特に、天然ダイ
ヤモンドをダイスに使用する場合には結晶方向に磨耗が
進行して偏磨耗となり、従って、長尺の超極細線を得よ
うとすればこれに伴って最終製品の外径精度が劣化す
る。この様なダイス偏磨耗による製品寸法精度は、減面
ダイスを使用する上で避けられない。そのため、本発明
は最終段減面ダイスの後に回転ダイスを使用し、この回
転ダイスを連続或いは間欠的に回転させることによって
前段の減面ダイスで不可避的に発生・成長する被減面線
材のダイスマーク凸部を回転の都度圧下すると共に回転
ダイス自体のダイス面の磨耗を均一化して偏磨耗を抑制
する。また、この際回転ダイスには、結晶方向が無いか
分散(不規則)していて偏磨耗が起こりにくい焼結ダイ
ヤモンドや人造単結晶ダイヤモンドを使用することが好
ましく、さらに伸線ラインにおいて、前段を高減面、後
段を軽減面とし、特に終段側では減面率を低下させてダ
イスの減面負荷を軽減させるようにすることが望まし
く、これによりダイスの偏磨耗をより一層抑制すること
ができる。
伸線するのであるが、減面ダイスの負荷は大きく、ダイ
スの磨耗も必ずしも均一にはならない。特に、天然ダイ
ヤモンドをダイスに使用する場合には結晶方向に磨耗が
進行して偏磨耗となり、従って、長尺の超極細線を得よ
うとすればこれに伴って最終製品の外径精度が劣化す
る。この様なダイス偏磨耗による製品寸法精度は、減面
ダイスを使用する上で避けられない。そのため、本発明
は最終段減面ダイスの後に回転ダイスを使用し、この回
転ダイスを連続或いは間欠的に回転させることによって
前段の減面ダイスで不可避的に発生・成長する被減面線
材のダイスマーク凸部を回転の都度圧下すると共に回転
ダイス自体のダイス面の磨耗を均一化して偏磨耗を抑制
する。また、この際回転ダイスには、結晶方向が無いか
分散(不規則)していて偏磨耗が起こりにくい焼結ダイ
ヤモンドや人造単結晶ダイヤモンドを使用することが好
ましく、さらに伸線ラインにおいて、前段を高減面、後
段を軽減面とし、特に終段側では減面率を低下させてダ
イスの減面負荷を軽減させるようにすることが望まし
く、これによりダイスの偏磨耗をより一層抑制すること
ができる。
【0018】さらに本発明には、回転ダイスに続いて最
終段にスキンパス・ダイスをタンデムに配置することが
効果的である。スキンパスダイスは減面処理された細線
に軽微な減面を与えて整径するものであり、回転ダイス
と組合わせて実施することにより、回転ダイスで発生す
る微小な線径バラツキを改善し、外径精度の高い製品が
得られる。
終段にスキンパス・ダイスをタンデムに配置することが
効果的である。スキンパスダイスは減面処理された細線
に軽微な減面を与えて整径するものであり、回転ダイス
と組合わせて実施することにより、回転ダイスで発生す
る微小な線径バラツキを改善し、外径精度の高い製品が
得られる。
【0019】
【実施例】表2に示す化学成分(wt%)の線径20μm素
線を、図3に示す多段ダイス伸線ラインで160km連続
製造した。素線の機械的性質及び平均外径精度も表1に
併記した。試料No.1は本発明例、No.2は同一化
学成分(wt%)の比較例であり、これらの素線を200
メッシュのスクリーン印刷の紗に製織したものである。
さらに、試料No.3は市販ステンレス紗スクリーンの
23μm素線400メッシュおよび試料No.4は市販
ポリエステル紗スクリーンの30μm素線350メッシ
ュであり、表2注記の方法で印刷した。その結果を表2
に示したが、本発明によって得た超極細線を用いた紗で
のスクリーン印刷では比較例と対比すれば明らかのよう
に、印刷ズレが極めて少なく、極めて高精度の印刷を可
能としている。
線を、図3に示す多段ダイス伸線ラインで160km連続
製造した。素線の機械的性質及び平均外径精度も表1に
併記した。試料No.1は本発明例、No.2は同一化
学成分(wt%)の比較例であり、これらの素線を200
メッシュのスクリーン印刷の紗に製織したものである。
さらに、試料No.3は市販ステンレス紗スクリーンの
23μm素線400メッシュおよび試料No.4は市販
ポリエステル紗スクリーンの30μm素線350メッシ
ュであり、表2注記の方法で印刷した。その結果を表2
に示したが、本発明によって得た超極細線を用いた紗で
のスクリーン印刷では比較例と対比すれば明らかのよう
に、印刷ズレが極めて少なく、極めて高精度の印刷を可
能としている。
【0020】
【表2】
【0021】図3は、本発明を実施するラインの一例を
模式的に示したものである。ペイオフリール2にコイル
状に巻かれた鋼線素材(0.2mmφ材を鉛パテンティン
グ後Niめっきし0.044mmφに伸線した中間寸法の
鋼線素材)は、ガイドロールで案内され、キャプスタン
4a〜4dに連続して送り出される。キャプスタンは一
端より他端に向かって連続して径が変化する外面を有す
る巻取ドラムであって、鋼線素材1はキャプスタン4a
−4b間及び4c−4d間を巻回しながら引抜き力を与
えられ、小径部より大径部方向に複数段巻き回りながら
搬送される。5a〜5nは、キャプスタン4a−4b間
及び4c−4d間の鋼線素材通過位置に多段に配置され
た減面ダイスであり、且つ各減面ダイス5a〜5nの前
部には潤滑油供給ノズル6を設けており、潤滑油が付与
された状態で鋼線素材1を所定の減面率で延伸縮径す
る。減面率は後段になるに従い線速が早くなりダイスの
負荷が大きくなるので、初期の減面率を大きくし(13
%)、後段になるに従い軽減面率(5%)となるように
実施した。7は最終減面ダイス5nの後に設置した回転
ダイスであり、鋼線1に回転(連続)しながら前段の減
面ダイスで発生したダイスマーク凸部を圧下整径した。
減面率は0%とした。ダイスの回転は、回転機構と連結
せしめて連続的に1回転/200m伸線を行った。8は
回転ダイス7の後にタンデムに配置したスキンパス・ダ
イスであり、回転ダイスで発生する微小な線径バラツキ
や線癖を矯正・整径し、外径精度を向上させる。減面率
は実質的に付与する必要はなく、1%以下で十分であ
る。9は仕上げキャプスタン、9′はセパレートローラ
ー、10は製品巻取ボビンである。
模式的に示したものである。ペイオフリール2にコイル
状に巻かれた鋼線素材(0.2mmφ材を鉛パテンティン
グ後Niめっきし0.044mmφに伸線した中間寸法の
鋼線素材)は、ガイドロールで案内され、キャプスタン
4a〜4dに連続して送り出される。キャプスタンは一
端より他端に向かって連続して径が変化する外面を有す
る巻取ドラムであって、鋼線素材1はキャプスタン4a
−4b間及び4c−4d間を巻回しながら引抜き力を与
えられ、小径部より大径部方向に複数段巻き回りながら
搬送される。5a〜5nは、キャプスタン4a−4b間
及び4c−4d間の鋼線素材通過位置に多段に配置され
た減面ダイスであり、且つ各減面ダイス5a〜5nの前
部には潤滑油供給ノズル6を設けており、潤滑油が付与
された状態で鋼線素材1を所定の減面率で延伸縮径す
る。減面率は後段になるに従い線速が早くなりダイスの
負荷が大きくなるので、初期の減面率を大きくし(13
%)、後段になるに従い軽減面率(5%)となるように
実施した。7は最終減面ダイス5nの後に設置した回転
ダイスであり、鋼線1に回転(連続)しながら前段の減
面ダイスで発生したダイスマーク凸部を圧下整径した。
減面率は0%とした。ダイスの回転は、回転機構と連結
せしめて連続的に1回転/200m伸線を行った。8は
回転ダイス7の後にタンデムに配置したスキンパス・ダ
イスであり、回転ダイスで発生する微小な線径バラツキ
や線癖を矯正・整径し、外径精度を向上させる。減面率
は実質的に付与する必要はなく、1%以下で十分であ
る。9は仕上げキャプスタン、9′はセパレートローラ
ー、10は製品巻取ボビンである。
【0022】以上のようなライン構成で本発明を実施す
ることにより、線径20μm以下の優れた外径精度(偏
差0.2μm以下)を有する超極細線を、ダイス交換を
することなしに160kmの長さに亘って製造することが
できる。
ることにより、線径20μm以下の優れた外径精度(偏
差0.2μm以下)を有する超極細線を、ダイス交換を
することなしに160kmの長さに亘って製造することが
できる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明は、高精度スクリー
ン用印刷の紗に最適であると共に、線幅50μm、好ま
しくは30μm以下の印刷をバラツキ無く可能ならしめ
る超高精度且つ超長尺の超極細鋼線を供給することがで
きる。
ン用印刷の紗に最適であると共に、線幅50μm、好ま
しくは30μm以下の印刷をバラツキ無く可能ならしめ
る超高精度且つ超長尺の超極細鋼線を供給することがで
きる。
【図1】高精度印刷スクリーンの適性強度特性を示す
図。
図。
【図2】素線の外径偏差と印刷ズレの関係を示す図。
【図3】本発明の製造ラインを模式的に示した説明図。
1:鋼線素材 2:ペイオフリール 3:ガイドロール 4a,4b,4c,4d:キャプスタン 5a,5n:減面ダイス 6:潤滑油供給ノズル 7:回転ダイス 8:スキンパス・ダイス 9:仕上げキャプスタン 9′:セパレートローラー 10:巻取ボビン
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で C :0.70〜0.90%, Si:0.15〜0.25%, Mn:0.40〜0.60%, P :0.01%以下, S :0.01%以下, N :0.0004%以下, O :0.0004%以下, 残部Fe及び不可避的不純物からなり、線径が20μm
以下であって、外径偏差が0.2μm以下であり、引張
り強さ300〜400kg/mm2 、及び伸び2〜4%の特
性を有し、オールパーライト組織であることを特徴とす
る高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18046993A JPH0688164A (ja) | 1992-07-23 | 1993-07-21 | 高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19731892 | 1992-07-23 | ||
JP4-197318 | 1992-07-23 | ||
JP18046993A JPH0688164A (ja) | 1992-07-23 | 1993-07-21 | 高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0688164A true JPH0688164A (ja) | 1994-03-29 |
Family
ID=26499987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18046993A Withdrawn JPH0688164A (ja) | 1992-07-23 | 1993-07-21 | 高精度印刷スクリーン用超長尺、高精度超極細鋼線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0688164A (ja) |
-
1993
- 1993-07-21 JP JP18046993A patent/JPH0688164A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001003 |