JPH068754Y2 - アームレストの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、シートバックに枢軸部材によりアームレスト
本体を支持し、該アームレスト本体を前記枢軸部材を中
心にしてシートバックに沿わせた収納位置と略水平な前
倒位置とに揺動するようにしたアームレストの取付構造
に関する。

「従来の技術」 従来のアームレストの取付構造としては、例えば、第３
図に示すようなものがある。

すなわち、リヤシートバック１のフレーム２中央に支持
ブラケツト３がそれぞれ固設され、支持ブラケツト３に
枢支用の孔４と枢支用の孔４を中心とする円弧形の長孔
５とが穿設され、リヤシートバック１に沿ってアームレ
スト本体６が配され、アームレスト本体６の基端部に枢
支用の孔４に回動可能に嵌合する枢軸７が螺着されると
ともに、円弧形の長孔５に移動可能に挿通して円弧形の
長孔５の両端縁５ａ，５ｂにそれぞれ当接する揺動角度
規制用のピン８とが植設されている。

また、近年、アームレスト本体をリヤシートバックから
取外し、リヤシートバックに車室内からトランクルーム
に連通する連通口を開設するようにしたり、取外したア
ームレスト本体を枕体として利用したりすることが行な
われている。そのため、リヤシートバックにアームレス
ト本体を簡単に着脱するようにしたものが望まれてい
る。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来のアームレストの取付構
造では、リヤシートバック１側の枢支用の孔４および円
弧形の長孔５に、枢軸７および揺動角度規制用のピン８
をそれぞれ挿通し、挿通した状態を保ちながら枢軸７を
アームレスト本体６側に螺合するため、組付工数が多
く、生産コストが嵩む要因になり、また、リヤシートバ
ック１にアームレスト本体６を簡単に着脱することがで
きない構成になっていて使い勝手がよくないという問題
点があった。

本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、組付工数を減らして生産コストを低減すること
ができるとともに、極めて使い勝手がよいアームレスト
の取付構造を提供することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とするところ
は、 シートバックに枢軸部材によりアームレスト本体を支持
し、該アームレスト本体を前記枢軸部材を中心にしてシ
ートバックに沿わせた収納位置と略水平な前倒位置とに
揺動するようにしたアームレストの取付構成において、 前記シートバックの取付部と前記アームレスト本体の基
端部との一方に、前記枢軸部材を設けるとともに、前記
枢軸部材を通る前後方向線上に揺動角度規制用のピン部
材を植設し、 前記シートバックの取付部と前記アームレスト本体の基
端部との他方の部位に、前記アームレスト本体が前記収
納位置と該収納位置より前方の離脱位置とに前後移動し
た際に前記枢軸部材が相対的に挿通して嵌脱可能な挿通
溝を形成するとともに、前記アームレストが前記収納位
置と前記前倒位置とに揺動した際に、前記ピン部材が案
内されるガイド溝を穿設し、 前記アームレスト本体が前記離脱位置から前記収納位置
に移動した際に、前記枢軸部材を抜けないよう弾撥的に
係止する弾性部材を前記挿通溝の奥部に装着したことを
特徴とするアームレストの取付構造に存する。

「作用」 アームレスト本体を収納位置より前方の離脱位置に一時
的に保持し、枢軸部材と揺動角度規制用のピン部材とを
通る前後方向線上に挿通溝が位置するようにする。

次に、アームレスト本体を後方に移動させると、枢軸部
材が先行して挿通溝に挿入し、続いてピン部材が挿通溝
に挿入する。さらに、アームレスト本体を後方に移動さ
せると、アームレスト本体が収納位置になる。前後し
て、枢軸部材が弾性部材により弾撥的に係止され、挿通
溝から抜け得なくなり、アームレスト本体がシートバッ
ク側に簡単に装着される。

この状態において、アームレスト本体を略水平な前倒位
置に揺動すると、アームレスト本体が枢軸部材を中心に
して揺動する。それに応じて、ピン部材は挿通溝からガ
イド溝内へ移り、ガイド溝いに沿って相対的に変位す
る。

前倒位置に揺動したアームレスト本体の先端部を持ち上
げるようにすると、アームレスト本体が枢軸部材を中心
にして揺動し、ピン部材がガイド溝に沿って前記とは反
対方向へ相対的に変位し、ガイド溝から挿通溝に移る。

収納位置にあるアームレスト本体を弾性部材の付勢力に
抗して前方に引くようにすると、枢軸部材が弾性部材か
ら外れ、ピン部材および枢軸部材がそれぞれ挿通溝から
抜け、アームレスト本体がシートバックから簡単に外れ
るものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示している。

第１図に示すように、リヤシードバック１０ａのフレー
ム部材１０は横長の矩形状に形成され、上フレーム部１
１と下フレーム部１１ａとに補強部材１２が架設される
とともに、Ｓばね部材１３が張設されている。

フレーム部材１０の補強部材１２には、ベース部材１２
ａを介して一対の支持ブラケツト１４の基端部がそれぞ
れ溶着され、支持ブラケツト１４の先端部１４ｂが前方
へ延ばされている。

フレーム部材１０、補強部材１２およびＳばね部材１３
には、図略したパッド部材が当てがわれ、それらが同じ
く図略した表皮部材に被覆されている。

一対の支持ブラケツト１４は互いに対称的に構成されて
おり、以下、一方の支持ブラケツト１４を代表して説明
し、他方の支持ブラケツト１４の説明に代える。

第１図および第２図に示すように、支持ブラケツト１４
の先端部１４ｂには枢軸部材１６が植設されている。枢
軸部材１６の先端部は内側方向へ向けられている。同じ
く、支持ブラケツト１４の基端部１４ａには枢軸部材１
６を通る前後方向線上に揺動角度規制用のピン部材１７
が植設されている。ピン部材１７の先端部も内側方向へ
向けられている。

アームレスト本体２０の基端部には、立てた状態におい
て入り口２２を後方へ向けて、前方へ凹入する挿通溝２
１が形成されている。挿通溝２１はアームレスト本体２
０の側方へも開いており、その溝幅は枢軸部材１６の径
の大きさとほぼ等しくなっている。

挿通溝２１の奥部２３を中心とし、枢軸部材１６とピン
部材１７との距離を半径とする円弧状断面形にガイド溝
２５が形成されている。ガイド溝２５もアームレスト本
体２０の側方へ開いており、その溝幅はピン部材１７の
径の大きさとほぼ等しくなっている。

ガイド溝２５の基端２６が挿通溝２１と繋っており、ガ
イド溝２５の先端２７がアームレスト本体２０を立てた
状態において挿通溝２１の奥部２３の下方へ位置するよ
うに設定されている。

第２図に示すように、挿通溝２１の奥部２３には、挿通
溝２１と同じく入り口を後方へ向けたコ字状の弾性部材
３０が挿着されている。すなわち、入り口は弾性部材３
０の両端部３１の間隔を枢軸部材１６の径の大きさより
極めて形成されている。

挿通溝２１の奥部２３と弾性部材３０の両端部３１とに
より、枢軸部材１６を回動可能かつ前後移動不能に外嵌
する嵌合部が形成されている。

アームレスト本体２０の先端部には、リヤシードバック
１０ａに沿った収納位置から略水平な前倒位置にアーム
レスト本体２０を引き倒す際の引き部材２８が縫着され
ている。

次に作用を説明する。

第１図に示すように、アームレスト本体２０は離脱位置
に一時的に保持されている。このとき、アームレスト本
体２０側の挿通溝２１の入り口２２は、後方に向けられ
ている。

次に、アームレスト本体２０を後方に押し付け、挿通溝
２１の入り口２２に枢軸部材１６が挿入するようにし、
さらに、アームレスト本体２０を後方に押し付けるよう
にすると、枢軸部材１６に続いてピン部材１７が挿通溝
２１に挿通し、やがて、枢軸部材１６が弾性部材３０の
両端部３１の復元力に抗して弾性部材３０の入り口を押
し開き、挿通溝２１の奥部２３に到達する。

枢軸部材１６が挿通溝２１の奥部２３に到達すると、弾
性部材３０の復元力により、第２図に示すように、入り
口が再び狭くなり、枢軸部材１６が弾性部材３０により
弾撥的に係止され、挿通溝２１から抜け得なくなる。

前後してアームレスト本体２０はリヤシートバック１０
ａに沿った収納位置になり、アームレスト本体２０がリ
ヤシードバック１０ａ側に装着される。このとき、ピン
部材１７は挿通溝２１の中間部にあってガイド溝２５の
基端２６を臨んでいる。

この状態において、引き部材２８を引いてアームレスト
本体２０を前方へ倒すようにすると、アームレスト本体
２０が枢軸部材１６を中心にして揺動する。それに応じ
て、ピン部材１７が挿通溝２１からガイド溝２５内へ移
って、ガイド溝２５に沿って変位し、ピン部材１７がガ
イド溝２５の先端２７に当接し、前後してアームレスト
本体２０は略水平な前倒位置になる。

アームレスト本体２０を前倒位置から再び収納位置に揺
動すると、ピン部材１７がガイド溝２５に沿って前記と
は反対方向へ変位し、やがてガイド溝２５から挿通溝２
１に移る。

収納位置にあるアームレスト本体２０を弾性部材３０の
付勢力に抗して手前側に引くようにすると、弾性部材３
０の入り口が開いて枢軸部材１６が弾性部材３０から外
れる。

さらに、アームレスト本体２０を手前側に引くと、ピン
部材１７および枢軸部材１６がそれぞれ挿通溝２１から
抜ける。すなわち、アームレスト本体２０がリヤシート
バック１０ａから簡単に外れる。外したアームレスト本
体２０を枕体として利用することができる。

前記実施例においては、リヤシードバック１０ａ側に枢
軸部材１６とピン部材１７とをそれぞれ設け、アームレ
スト本体２０側に挿通溝２１とガイド溝２５とをそれぞ
れ形成したものを示したが、反対の態様であってもよい
ことはいうまでもない。

「考案の効果」 本考案に係るアームレストの取付構造によれば、アーム
レスト本体をシートバックに装着する際には、枢軸部材
と揺動角度規制用のピン部材とを通る前後方向線上に挿
通溝の入口を向け、収納位置より前方の離脱位置にアー
ムレスト本体を一時的に保持し、そのままシートバック
の取付部側に押し付けるようにすればよく、反対にアー
ムレスト本体をシートバックから外すには、アームレス
ト本体を収納位置にした後、アームレスト本体を前方へ
引き抜くだけでよいので、シートバックにアームレスト
本体を簡単に着脱することができ、組付工数が減って生
産コストを低減することができるとともに、使い勝手を
極めてよくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示しており、
第１図はアームレストの取付構造を示す全体斜視図、第
２図は同じく要部側面図、第３図は従来例を示してお
り、アームレストの取付構造を示す全体斜視図である。 １０……フレーム部材 １０ａ……リヤシートバック １４……支持ブラケツト（取付部） １６……枢軸部材 １７……揺動角度規制用のピン部材 ２０……アームレスト本体 ２１……挿通溝 ２５……ガイド溝 ３０……弾性部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートバックに枢軸部材によりアームレス
   ト本体を支持し、該アームレスト本体を前記枢軸部材を
   中心にしてシートバックに沿わせた収納位置と略水平な
   前倒位置とに揺動するようにしたアームレストの取付構
   造において、 前記シートバックの取付部と前記アームレスト本体の基
   端部との一方に、前記枢軸部材を設けるとともに、前記
   枢軸部材を通る前後方向線上に揺動角度規制用のピン部
   材を植設し、 前記シートバックの取付部と前記アームレスト本体の基
   端部との他方の部位に、前記アームレスト本体が前記収
   納位置と該収納位置より前方の離脱位置とに前後移動し
   た際に前記枢軸部材が相対的に挿通して嵌脱可能な挿通
   溝を形成するとともに、前記アームレストが前記収納位
   置と前記前倒位置とに揺動した際に、前記ピン部材が案
   内されるガイド溝を穿設し、 前記アームレスト本体が前記離脱位置から前記収納位置
   に移動した際に、前記枢軸部材を抜けないよう弾撥的に
   係止する弾性部材を前記挿通溝の奥部に装着したことを
   特徴とするアームレストの取付構造。