JPH0541949Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、特にシートの中央部に設けられる車
両用ベンチシートにおけるアームレストに関す
る。

［従来の技術］ 一般に、自動車などのリヤシートは、第５図に
示す如く２人用のベンチシート１が用いられてい
る。このベンチシート１には、シートバツク２の
ほぼ中央部にあつて所定の高さに収納凹部３が設
けられ、収納凹部３内にアームレスト４が出し入
れ可能に格納されている。

アームレスト４は、収納凹部３内にあつて取付
ブラケツト等からなる支持部材５を介して回動可
能に取り付けられており、第６図に示す如く収納
凹部３から回動しながら引出してシートクツシヨ
ン６上に支持されて肘掛けとして使用される。

シートバツク２は前倒し可能に設けられてお
り、シートクツシヨン６上に前倒しした状態でシ
ートバツク２の背面を荷台として使用できるよう
になつている。

このように、収納凹部３内に格納するタイプの
アームレストでは、不使用時に格納されてシート
バツク２の一部を形成する構成となつているの
で、操作性に優れていることに加えて、見た目が
よくかつ邪魔になることがないという利点があ
る。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来のアームレスト４は、支持
部材５が収納凹部３の両側に位置しているので、
アームレスト４を取り付ける際に組み付け難く、
作業性が悪かつた。また、この種のアームレスト
４は、収納凹部３の内壁に押圧された状態で格納
保持されるようになつているものが多い。このた
め、シートバツク２をシートクツシヨン６上にい
きよいよく前倒しするとき、第７図に示す如く収
納凹部３からアームレスト４が飛び出して、アー
ムレスト４の先端部がシートクツシヨン６の上面
に当り易く、またアームレスト４がシートクツシ
ヨン６上に支持された状態でシートバツク２を前
倒しすると、アームレスト４とシートクツシヨン
６が干渉し、干渉部が摩耗され易いばかりでな
く、円滑な前倒し操作が損なわれるという不具合
もあつた。

なお、アームレストを収納凹部にロツク可能に
格納するようにしたものも知られている。しかし
ながら、ロツク構造としてはアームレストを収納
凹部に押し込めたときにバネ圧などにより自動的
にロツクし、逆にアームレストを収納凹部から引
き出すときはバネ圧に抗して引き出すという簡易
なものが多く、前述の不具合に対して完全な解決
策ではなかつた。また、結合強度が高いロツク装
置を採用することも考えられるが、シートバツク
およびアームレスト構造が複雑となり、しかもア
ームレストの使い勝手も悪くなるので簡単には採
用できなかつた。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、従来の利点に加えて、アームレストを組み
付ける作業性を向上でき、またシートバツクの前
倒し操作をスムースに行える車両用ベンチシート
のアームレストを提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の車両用ベ
ンチシートにおけるアームレストは、シートバツ
クが中央部上下方向に形成された収納凹部を有
し、この収納凹部に格納される起立状態から、シ
ートクツシヨン上に前倒し可能に設けられる車両
用ベンチシートにおけるアームレストにおいて、
前記アームレストは、前記シートクツシヨンの中
央後端側に一体に立設された支持部材を介して起
倒自在、かつ、起立状態で前記収納凹部に格納可
能に取り付けてなることを要旨としている。

［作用］ 以上の構成からなる車両用ベンチシートのアー
ムレストは、シートクツシヨンに支持部材を介し
て取り付けられる。ここで、支持部材としては、
例えば、取付ブラケツト等をクツシヨンフレーム
から上面外部に突設しておき、同取付ブラケツト
にアームレストをネジ等で起倒自在に取り付ける
ようにする。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例について添付図面を参
照しながら説明する。

第１図は本考案を適用した車両用ベンチシート
におけるアームレストを概略的に示す全体斜視
図、第２図はアームレストを収納した状態を示す
側面図、第３図はアームレストを前倒しした状態
を示す側面図、第４図はシートバツクを前倒しし
た状態を示す側面図である。

図に示す車両用ベンチシートとしてのリヤシー
ト１０は、フロアに取り付けられたシートクツシ
ヨン１１と、シートクツシヨン１１側に取り付け
られたアームレスト１３と、下端部を支点として
シートクツシヨン１１面に前倒しされるととも
に、中央部に収納凹部１４を有するシートバツク
１２とから構成されている。

シートクツシヨン１１には、後端側にあつて中
央部位に一対の支持部材としての取付ブラケツト
１５が突出され、取付ブラケツト１５にアームレ
スト１３が起倒自在に取り付けられている。

取付ブラケツト１５は、基部がパツドにインサ
ートされたフレーム１６に固定されており、前記
パツドを被覆する表皮材を貫通して突設されてい
る。取付ブラケツト１５の突出部には、アームレ
スト１３が止めネジなどにより回動可能に連結さ
れる。

アームレスト１３は、従来とほぼ同様な構成と
なつており、後部の両側部が取付ブラケツト１５
に対応する取付部に設定されていて、例えば取付
ブラケツト１５の突出部外側から止めネジ等を前
記取付部に挿着することにより取り付けられる。

この場合、取付ブラケツト１５がシートバツク
１２の格納凹部１４の前方に位置しているので、
アームレストの取付部はその分を考慮した前方位
置に設けられている。またアームレスト１３は取
付ブラケツト１５の枢支軸１５ａを支点として上
方向に回動操作されると、シートバツク１２の収
納凹部１４に押し込まれて、シートバツク１２の
一部を形成する大きさとなつている。

シートバツク１２は、中央部に設けられた収納
凹部１４を備え、シートクツシヨン１１の上面へ
前倒し可能に設置されている。収納凹部１４は下
部側がシートバツク１２の下端部まで連通してお
り、シートバツク１２を前倒しした状態で第４図
に示す如くアームレスト１３の後端部が収納凹部
１４からはみ出でるように設定されている。また
シートバツク１２は、アーム１７を介してシート
バツク１３に前倒し可能に連結されるとともに、
図示されていないが背面にロツク装置が設けられ
ており、同ロツク装置によつてフロア側に固定さ
れる。したがつて、シートバツク１２の前倒し操
作は、前記ロツク装置のロツクを解除してから行
なう。なお、シートバツク１２の前倒し構造とし
ては、例えばリクライニング機構を採用して、シ
ートバツク１２を角度調整可能にするとともに、
リクライニング機構のロツクを完全に解除するこ
とにより最前傾、つまり前倒しするタイプであつ
てもよい。

このように構成されたアームレスト１３は、取
付ブラケツト１５がシートクツシヨン６の平面部
分に位置しているので、シート構造として取付ブ
ラケツト１５の配置が容易となり、またアームレ
スト１３の取付作業を効率よく行える。つまり、
取付ブラケツト１５を従来の如く収納凹部に設け
たものに対して、シート構造を簡略化することが
でき、しかも止めネジ等を用いてアームレスト１
３を組み付ける場合の作業性を大きく向上でき
る。

また、シートバツク１２にリクライニング機構
を設定したタイプでは、シートバツク１２の角度
調整を行う場合にアームレスト１３がシートクツ
シヨン１１側に支持されているので、アームレス
ト１３とシートクツシヨン１１が干渉しないと言
う利点もある。

さらに、シートバツク１２を第４図に示す如く
前倒しした場合、アームレスト１３がシートクツ
シヨン１１側に支持されているため、従来のよう
にアームレスト１３がシートクツシヨン側にぶつ
かつてスムーズに前倒しできないという虞がな
く、またアームレスト１３とシートクツシヨン１
１の干渉が未然に防止できる。

なお、前記支持部材としての取付ブラケツト１
５は、他にも種々変形することができ、例えばヘ
ツドレスト用のステイとステイが着脱可能に係止
されるホルダーとから構成することができる。こ
の場合、ステイにヒンジ等を設け略90度だけ回動
するように設定する。また、取付ブラケツト１５
は、装飾用カバー等により被覆して外観処理を施
すことが好ましい。

［考案の効果］ 以上説明した通り、本考案に係る車両用ベンチ
シートにおけるアームレストにあつては、従来の
如くアームレスト取り付け用の支持部材がシート
バツクの収納凹部内にあり、ここに組み付ける構
造に対し、本考案は、アームレストの取り付け部
自体が収納凹部以外で、最も組み付け易いシート
クツシヨン側であることから、組み付け作業性を
向上できる。

また、アームレストはシートクツシヨンに一体
に立設された支持部材に取り付けられるので、肘
掛け状態で取り付けることになり、使用時の安定
保持性が確実に得られ、しかも、従来のようにシ
ートバツクを前倒しするとき等にアームレストと
シートクツシヨンとの干渉の虞もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した車両用リアシートを
示す全体斜視図、第２図は同シートのアームレス
トを格納した状態を示す側面図、第３図は同シー
トのアームレストを前方へ倒した状態を示す側面
図、第４図は同シートのシートバツクを前倒しし
た状態を示す側面図、第５図は従来例として示す
ベンチシートの概略全体斜視図、第６図は同シー
トのアームレストを前方へ倒した状態を示す側面
図、第７図は同シートのシートバツクを前倒しし
た状態を示す側面図である。 １０……車両用リヤシート（ベンチシート）、
１１……シートクツシヨン、１２……シートバツ
ク、１３……アームレスト、１４……収納凹部、
１５……取付ブラケツト（支持部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツクが中央部上下方向に形成された収
   納凹部を有し、この収納凹部に格納される起立状
   態から、シートクツシヨン上に前倒し可能に設け
   られる車両用ベンチシートにおけるアームレスト
   において、 前記アームレストは、前記シートクツシヨンの
   中央後端側に一体に立設された支持部材を介して
   起倒自在、かつ、起立状態で前記収納凹部に格納
   可能に取り付けてなることを特徴とする車両用ベ
   ンチシートにおけるアームレスト。