JPH039485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車のリヤシートに関するものであ
る。

〈従来技術〉 自動車のフロントシートに着座している乗員が
背中を後方に倒して寝そべるようにして休息する
場合に、フロントシートを前方にスライドさせ、
背もたれを後方に傾倒している。この場合、車室
内長が長くフロントシートとリヤシートとの間隔
が十分あるときはフロントシートの背もたれを全
後傾させてリヤシートの座部と継いで広い面積で
楽な姿勢で寝そべることができるが、車室内長が
短い場合には、フロントシートの背もたれがリヤ
シートの座部上とラツプして全後傾することがで
きず、広い面積が得られない欠点がある。

〈考案の目的〉 本考案の目的は、リヤシートの背もたれを利用
し、後傾倒したフロントシートの背もたれと同一
面で、しかもその角度が極力水平となるようにし
たことである。

〈考案の構成〉 本考案の特徴とする構成は、背もたれを左右に
分割したリヤシートにおいて、この背もたれの下
端両側部を支点にして前後方向に旋回可能なヒン
ジロツドの上端を前記背もたれの背面中央部に枢
着し、前記背もたれの背面の上端部にステーを引
き起こし並びに折りたたみ自在に枢着すると共
に、リヤシートの後方のフロア上に前記ステーの
係止具を固設し、背もたれの下端部に背もたれを
通常使用状態でロツクするロツク装置を有し、フ
ロントシートの背もたれのヘツドレスト装着穴に
着脱可能であり、前記リヤシートの下端部を支持
する支持具を備えたものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１はリヤシートであり、座
部２並びに背もたれ３より構成されている。４は
フロントシート、５はフロントシート４の背もた
れである。

本考案によるリヤシート１の具体的構成につい
て第２図を加えて説明する。リヤシート１の背も
たれ３は、フロントシート１の背もたれ５と同様
に左右に分割され、かつ座部２とも分離されてい
る。

前記背もたれ３の下端両側部を支点として旋回
可能なヒンジロツド６が設けられる。その構成
は、ヒンジロツド６の下端にはプレート７が背も
たれ３の下端両側方に固着され、その両端に折り
まげられた両側片８が枢着され、背もたれ３の下
端両側部の車体に固設した支持部材９と前記両側
片８とをピン１０によつて枢着結合した構造であ
る。従つて、ヒンジロツド６は前記ピン１０を支
点にして旋回可能となつているものである。

このヒンジロツド６の上端を背もたれ３の背面
３ａに取付金具１１によつて枢着する。この枢着
位置は背もたれ３の背面３ａの上下方向の略中間
点が適当である。従つて、このヒンジロツド６を
枢着した背もたれ３は、ヒンジロツド６自体の旋
回動と、前記背面３ａの枢着で背もたれの下端を
フロントシート４の方向に引き起してヒンジロツ
ド６を支えにして傾斜可能となる。

この背もたれ３の傾斜状態で、後傾状態とした
フロントシート４の背もたれ５の上端と前記背も
たれ３の下端部とを連結可能とする。その連結手
段としては、第３図に示すＵ字形の支持具１２を
フロントシート４の背もたれ５の上端に有するヘ
ツドレスト装着用の穴を利用して、これに装着し
背もたれ３の下端部を支持具１２に保持させるよ
うにしたものである。

リヤシート１の背もたれ３を通常の使用状態で
ロツクするロツク装置が設けられている。その１
つは、背もたれ３の下端部に、また他の１つは上
側部に設けられている。上側部のロツク装置２０
は車体に対して背もたれ３を直接ロツクするもの
である。また下端部のロツク装置は、背もたれ３
の下端部をヒンジロツド６が固着されているプレ
ート７に対してロツクするものである。この下端
部のロツク装置の構造は、プレート７に固着した
ブラケツト１３に軸１４を回転自在に支持し、そ
の両端にフツク１６を固設する。また、プレート
７の両側片８には前記フツク１６が係脱するロツ
クピン１７を固設し、軸１４上に設けたスプリン
グ21によりフツク１６をロツクピン１７に係合す
る方向に回動力を付勢した構成であり、軸１４に
はフツク１６を係脱操作するための柔軟材のスト
ラツプ１５が取付けられている。

さらに、傾斜した背もたれ３の上端部の安定性
を保持させるために背面３ａの上方にステー１８
が取付金具２２により引き起し並びに折りたたみ
自在に設けられ、リヤシート１の後方のフロア上
には引き起したステー１８を係止する係止具１９
が固着されている。

本考案は上記の通りの構造であるから、通常使
用状態では第１図に示すように、背もたれ３は座
部２に対し所定の傾斜角度で直立している。この
とき、上側部のロツク装置２０は車体に対して直
接ロツクされ、また下端部はフツク１６がプレー
ト７の両側片８に設けられているロツクピン１７
に係合している。

次にフロントシート４の背もたれ５を後傾状態
として寝そべる場合には、第４図に示すように、
フロントシート４の背もたれ５を後傾倒させる。
このときヘツドレストの装着穴に支持具１２を装
着する。

一方、リヤシート１の背もたれ３は上側部のロ
ツク装置２０を解除すると共に、ストラツプ１５
によつてロツクピン１７に係合しているフツク１
６を解脱させる。これにより背もたれ３はヒンジ
ロツド６を支えとして、その下端部をフロントシ
ート４側へ引き起し可能となる。従つて、第５図
に示すように、背もたれ３の下端を引き起して前
記したフロントシート４の背もたれ５の上端に装
着している支持具１２に支持させて連結すること
によりフロントシート４の背もたれ５とリヤシー
ト１の背もたれ３とによる同一面の傾斜面が得ら
れるのである。尚、このとき、背もたれ３の背面
３ａの上方に取付けられているステー１８を引き
起して係止具１９に係止させる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、リヤシートの背
もたれの下端部を前方に引き起し可能とし、後傾
斜したフロントシートの背もたれ上端と連結可能
としたものであるから、車室内長の短い車両の場
合でも広い面積で、しかも極力水平な角度に近い
傾斜面が得られ、楽な姿勢で寝そべつて休息がで
きる。また、傾斜したリヤシートの背もたれの上
方部はステーにて支えられるので、安定性を確保
している。さらに、フロントシート並びにリヤシ
ートの背もたれを後傾したときには、両背もたれ
の後傾角度が極力水平となり安楽な姿勢がとれる
と共に、リヤシートの背もたれの下端部はフロン
トシートの背もたれのヘツドレスト装着穴に装着
した支持具で支持されているため、連結点の部位
の強度が向上する。

また、ヒンジロツドの下端部が背もたれの枢着
支点であるため背もたれの前倒しも可能である等
の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の側面図、第２図は本考案の具
体的な構成例を示す斜視図、第３図は支持具の斜
視図、第４図及び第５図は本考案の作用状態を示
す説明図である。 １……リヤシート、３……背もたれ、４……フ
ロントシート、５……背もたれ、６……ヒンジロ
ツド、７……プレート、８……両側片、９……支
持部材、１０……ピン、１１……取付金具、１２
……支持具、１４……軸、１５……ストラツプ、
１６……フツク、１７……ロツクピン、１８……
ステー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背もたれを左右に分割したリヤシートにおい
   て、この背もたれの下端両側部を支点にして前後
   方向に旋回可能なヒンジロツドの上端を前記背も
   たれの背面中央部に枢着し、前記背もたれの背面
   の上端部にステーを引き起し並びに折りたたみ自
   在に枢着すると共に、リヤシートの後方のフロア
   上に前記ステーの係止具を固設し、背もたれの下
   端部に背もたれを通常使用状態でロツクするロツ
   ク装置を有し、フロントシートの背もたれのヘツ
   ドレスト装着穴に着脱可能であり、前記リヤシー
   トの下端部を支持する支持具を備えて成る自動車
   のリヤシート。