JPH068738B2 - 電磁流量計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用可能性〕 本発明は、１つの巻線を支持する心部及び該心部に固着
され測定管の曲率に適合された磁極片を各々備え、外部
から測定管にはめこむことのできる、２個の磁極と、外
部ヨークとによつて、磁気系統が形成され、該外部ヨー
クは、測定管を内部に締込むために用いられる軸向きね
じが外部ヨークの外側に配されるような形状を備えてい
る、電磁流量計に関する。

〔従来の技術〕

この形式の以前から知られている電磁流量計（ドイツ公
開特許公報第３２２５２２６号、第２８Ａ図）によれ
ば、絶縁層を備えた内側の測定管は、非磁性材料からで
きており、壁厚が薄い。磁極片を用いることによつて測
定管内の磁界分布が適切になる。ハウジングの主要部
は、管の直径に従つて規格化された軸向きねじ円の内側
に配されている。ハウジングは、巻線を取付けるため
に、互に向い合つた両側において、径方向外方に膨出
し、２つの軸向きねじの間から外方に延長している。そ
のため寸法が比較的大きくなる。また磁気回路の損失も
増大する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の課題は、寸法が小さく、磁気回路の損失も減少
するように、冒頭に述べた形式の電磁流量計を改良する
ことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この課題は、本発明によれば、該外部ヨークは、少くと
も１つの成形板片から成り、該心部は、Ｕ字形に折曲さ
れた板片部分であり、その中間部分は、やはり板片から
成る磁極片の曲率に適合され、脚部分の外側端は、それ
に続いているヨーク部分と一体的に結合され、前記巻線
は、湾曲したほぼ矩形のうず巻ばねであり、これらの渦
巻ばねの円周方向にオフセツトされた側面は、所属する
磁極片と軸向きねじ円の内部に延在するヨーク部材との
間に配されることによつて解決される。

ヨーク及び心部のために成形板片を使用したことによ
り、鉄の量は、必要なだけの値に減少する。そのため渦
電流は、特に減少する。巻線域内の磁路の径方向延長
は、心部のわずかな高さに制限されるため、磁路の長さ
は比較的短かくなる。円周方向の心部の延長が軸向きね
じにより制限されないため、Ｕ字形に曲げられた板片の
中間部分と所属する磁極片との間の接触面は比較的大き
くなる。そのため巻線の巻数は際立つて減少する。うず
巻コイル形の巻線を使用すると、流量計のハウジング全
体を軸向きねじ円の内部に延在させうるように巻線を配
置することは容易に可能となる。これには成形板片の薄
い壁厚も寄与する。作動中に発生する力特に軸方向の締
込み力に耐えうる壁厚のセラミツク製測定管を使用する
ことができる。更に、自己誘導も小さいため、直流の方
向が慣用されるように反転された後に巻線に生ずる測定
信号の電圧ピークからの減衰時間が短くなる。その結果
として、準静止状態が成立している測定期間が長くな
る。また板片から製造するため、装置の製造コストが低
廉になる。装置の構造は、広汎な測定管の直径に適合さ
れ、その場合に、同一の電気的データのうず巻コイル
（従つて、同一の評価回路）が使用可能となる。

心部は、約４０゜−５０゜の角度に延長させることが好
ましい。これにより、磁極片と心部との間の接触面が所
望のように大きくなるため、残留空隙による磁気回路の
負荷が減少する。

磁極片自身は、約９０゜の角度に亘り延長させる。この
円周方向の長さは、巻線のそれとほぼ合致するため、磁
極片とヨークとの間に巻線をしつかりと保持することが
できる。更に、このように大きさを定めた磁極片によつ
て、測定管内に、測定にとつて好ましい磁界分布が得ら
れる。

板片の厚さは、約１mmとすることが好ましい。この厚さ
は、板材の幅を勘案して、磁束を足る値であり、渦電流
損失は際立つて減少する。

Ｕ字形の板片の脚部の高さは、６−１２mm程度の値とす
るべきであり、それに対応して、測定管の先に径方向に
突出するヨークの長さ及び磁路の長さも減少する。

ヨークは、好ましくは、２つのほぼ同一の成形板片から
成るものとし、この板片は、中間に心部を有し、少くと
も一方の互に重なり合つた先端において、互に連結され
ている。重なり域の面積は広いため、この個所に不可避
的に発生する空隙による磁気回路の大きな負荷は避けら
れる。

特に、両方の成形板片の両端は、扁平であり、互に平行
に延長している。

本発明の別の実施態様によれば、成形板片は、Ｕ字形に
曲げた板片の両側にローブを有し、これらのローブは、
うず巻コイルの軸方向にオフセツトされた側面を外側か
ら掴んでいる。そのため遮へい部分は、巻線全体に広汎
に延在している。これらのローブは、成形板片の打抜き
及び折曲の際に非常に容易に形成しうる。

Ｕ字形に曲げた板片の中央部は、好ましくは、ほぼ矩形
の平面とする。これにより、巻線の周囲長さを最小とし
て、磁極片との接触面を最大とすることが可能となる。

うず巻コイルを１０００巻とし、そのオーム抵抗値を約
５０オームとすることが望ましい。種々の大きさの測定
管についてコイルをこの値に対し規格化できるため、種
々の管径に対して統一形の評価回路が使用される。

本発明の更に別の実施態様によれば、磁極片の板材は、
うず巻コイルの内面を掴むための、導電−非磁性材料製
の遮へい部分を備えていてもよい。そのため巻線は、接
地部分を環状に囲んでいる。この遮へい部分は、特に銅
製としてもよい。

板片は、好ましくはリベツトによつて互に連結すること
ができ、これによつて非常に廉価な取付けが得られる。

次に本発明の好ましい実施例を図面に従つて一層詳細に
説明する。

〔実施例〕

第１図に示した電磁流量計は、測定管２（この場合、セ
ラミツク材料からできている）の内部断面域１内の流量
を測定するために用いられる。そのため、測定管２内に
磁界が２個の磁極片３、４により形成される。流量に比
例する測定電圧Ｕｍに比例する測定電圧Ｕｍは、直径上
に向い合うように対称面内に配された２つの測定電極
５、６から取出される。測定管２は、端面が２つの案内
管のフランジの間にあるように配されている。これらの
フランジは、軸向きねじ７（軸向きねじ円８の円周上に
配されている）によつて締着されている。円８の直径及
びその円周上に配されたねじ７の数は、公称直径に依存
して規格化される。

流量計のハウジング１０は、完全に、ねじ７により囲ま
れた空間の内部に存在している。ハウジング１０は、２
つの成形板片１１、１２から成り、これらの板片は、平
行な端部１３−１６のところで互に大きな表面に亘つて
重なり合うように、リベツト１７、１８により互に固着
されている。各各の板片１１、１２の中間域には、心部
１９があり、この心部は、約４０゜−５０゜に亘り延長
している中間部分２０と、各々６−１２mmの高さの脚部
分２１、２２とを備えている。脚部分２１、２２は、対
応した板片１１のひと続きの湾曲した形状のヨーク部分
２３、２４と一体になつている。中間部分２０は、所属
する磁極片３と同じ曲率を有し、磁極片３自身は、ほぼ
９０゜の角度に亘つて延長し、測定管２の外周形状に適
合している。磁極片３と中間部分２０とは、リベツト２
５により互に固着されている。ほぼ正方形の大きな表面
に亘る突当りが生ずる。

ヨーク部分２３、２４と磁極片３の突出部分との間に、
各１つのうず巻コイル２６、２７の形の巻線が配設され
ている。うず巻コイル２６、２７は各々約１０００巻か
ら成り、約５０オームのオーム抵抗値を有する。うず巻
コイル２６、２７の軸方向にオフセツトされた側面に
は、ローブ２８−３１が重ね合されている。そのため成
形板片１１は、Ｕ字形に湾曲した心部１９よりも軸方向
の幅が大きくなつている。板片１１は、ひと先ず打抜か
れ、次に、所望の形状に曲げられる。各々の磁極片３の
外面には、銅板の形の遮へい部分３２が保持され、図示
のように点溶接により固定されている。他のうず形コイ
ル２７にも同様の銅板３４が固定されている。そのた
め、うず形コイル２６、２７は、接地された部分によつ
て環状に囲まれている。電極５、６の端子は、ハウジン
グ１０の側面開口３５、３６を経て外部に引出すことが
できる。接地端子３７は、更に打抜きによつて形成す
る。

作動時には、第４図に示すように、電流工が巻線に供給
される。この電流は、所定の、例えば１２０ms の時間
隔で方向が反転される。測定電圧Ｕｍは、各々の反転の
直後にピーク値を示した後、徐々に減衰するので、本来
の測定は、反転後少し経過してから、従つて、時間隔ａ
の間に行なうことができる。その以前の減少時間ｂは、
本発明による流量計の場合には、比較的短いため、与え
られた反転周期に対して比較的長い測定時間（時間隔
ａ）が利用可能となる。これは、うず巻コイル２６、２
７の巻数が少ないため自己誘導が小さい値に保たれるこ
とによつて可能となる。巻数の減少は、戻り磁路が、絶
対に必要な鉄しかもたないため、渦電流損失が減少する
ためであり、それはまた、この戻り磁路のうち径方向に
延長する部分が短かいことと、空隙を生じうる全ての表
面が大表面積の重なり部分により形成されていることと
による。ハウジング１０は、軸向きねじ円８の内部は完
全に含まれているため、隣接した軸向きねじ７の中間の
スペースには全く留意しなくともよく、全体として小形
で廉価な流量測定装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による流量計の横断面図、第２図は、
２つの成形板片の端面図、第３図は、上部成形板片の上
面図、第４図は、巻線電流工と測定電圧Ｕｍとの関係を
示す線図である。 符号の説明 ２…測定管、３，４…磁極片、７…軸向きねじ、８…軸
向きねじ円、１１，１２…成形板片、１９…心部（板片
部分）、２０…中間部分、２１，２２…脚部分、２３，
２４…ヨーク部分、２６，２７…うず巻コイル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コンスタンテイン ラシチオタキス デンマーク国 5550 ランゲスコーヴ ダ ルゴルツヴエイ 13 (72)発明者 アラン スコフガールド ペデルセン デンマーク国 6400 ゾンデルボルグ カ スタニーアレ 25 (72)発明者 ジヨン ニユーループ デンマーク国 6400 ゾンデルボルグ ア ルスガーデ 11 ベー

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１つの巻線を支持する心部及び該心部に固
   着され測定管の曲率に適合された磁極片を各々備え、外
   部から測定管にはめこむことのできる、２個の磁極と、
   外部ヨークとによつて、磁気系統が形成され、該外部ヨ
   ークは、測定管を内部に締込むために用いられる軸向き
   ねじが外部ヨークの外側に配されるような形状を備えて
   いる、電磁流量計であつて、該外部ヨークが、少くとも
   １つの成形板片（１１、１２）から成ることと、前記心
   部がＵ字形に折曲された板片部分（１９）であり、その
   中間部分（２０）は、やはり板片から成る磁極片（３、
   ４）の曲率に適合され、脚部分の外側端は、それに続い
   ているヨーク部分（２３、２４）と一体的に結合された
   ことと、前記巻線は、湾曲したほぼ矩形のうず巻コイル
   （２６、２７）であり、うず巻コイル（２６、２７）の
   円周方向にオフセツトされた側面は、所属する磁極片と
   軸向きねじ円(８)の内部に延在するヨーク部分（２３、
   ２４）との間に配されていることを特徴とする電磁流量
   計。
2. 【請求項２】心部（１９）を約４０゜−５０゜の角度に
   亘り延在させたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の電磁流量計。
3. 【請求項３】磁極片（３、４）を約９０゜の角度に亘り
   延在させたことを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第２項記載の電磁流量計。
4. 【請求項４】板片の厚さを約１mmとしたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１−３項のいずれか１項記載の電磁
   流量計。
5. 【請求項５】Ｕ字形の心部（１９）の脚部分（２１、２
   ２）の高さを６−１２mmとしたことを特徴とする特許請
   求の範囲第１−４項のいずれか１項記載の電磁流量計。
6. 【請求項６】外部ヨークが、ほぼ同一の２つの成形板片
   （１１、１２）によつて形成され、成形板片（１１、１
   ２）が中間部に心部（１９）を有し、少くとも互に重な
   る先端（１３−１６）のところで互に結合されたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１−５項のいずれか１項記
   載の電磁流量計。
7. 【請求項７】２つの成形板片（１９、１３）の先端（１
   ３−１６）が扁平であり、互に平行に延長することを特
   徴とする特許請求の範囲第６項記載の電磁流量計。
8. 【請求項８】成形板片（１１、１２）の幅をＵ字形に曲
   げた心部（１９）の幅よりも大きくしたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１−７項のいずれか１項記載の電磁
   流量計。
9. 【請求項９】成形板片（１１、１２）が、Ｕ字形に曲げ
   た部分（１９）の両側に、ローブ（２８−３１）を有
   し、これらのローブが、うず形コイル（２５、２７）の
   軸方向にオフセツトされた側面を外側から掴むことを特
   徴とする特許請求の範囲第８項記載の電磁流量計。
10. 【請求項１０】Ｕ字形に曲げた心部（１９）の中間部分
    (20)がほぼ矩形の形状を有することを特徴とする特許請
    求の範囲第１−９項のいずれか１項記載の電磁流量計。
11. 【請求項１１】うず形コイル（２６、２７）が各々１０
    ００巻を有し、オーム抵抗値は約５０オームであること
    を特徴とする特許請求の範囲第１−１０項のいずれか１
    項記載の電磁流量計。
12. 【請求項１２】磁極片の板片が、うず形ばね（２６、２
    ７）の内面を掴むための、導電性−非磁性材料からでき
    ている遮へい部分（３２、３４）を有することを特徴と
    する特許請求の範囲第１−１１項のいずれか１項記載の
    電磁流量計。
13. 【請求項１３】遮へい部分（３２、３４）が銅板である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第１２項記載の電磁流
    量計。
14. 【請求項１４】板片相互をリベツト（１７、１８、２
    ５）によつて相互に固定したことを特徴とする特許請求
    の範囲第１−１３項のいずれか１項記載の電磁流量計。