JPH0687017A - 冷間圧延設備の潤滑剤供給方法およびその装置 - Google Patents

冷間圧延設備の潤滑剤供給方法およびその装置

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JPH0687017A
JPH0687017A JP26667692A JP26667692A JPH0687017A JP H0687017 A JPH0687017 A JP H0687017A JP 26667692 A JP26667692 A JP 26667692A JP 26667692 A JP26667692 A JP 26667692A JP H0687017 A JPH0687017 A JP H0687017A
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JP
Japan
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lubricant
rolling
tank
supply
circulation
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JP26667692A
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English (en)
Inventor
Keiji Takato
啓嗣 高遠
Satoru Hirabayashi
哲 平林
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンデムコールドミルなどの冷間圧延設備に
対する潤滑剤供給方法およびその装置に関し、圧延設備
を目的を大幅に異ならしめた2以上の圧延操業に利用
し、その効率的な運用を経済的且つ有効に図る。 【構成】 同一圧延設備内において光沢や粗さなどの表
面特性を異にした冷間圧延を行うに当り、共通の配管、
ポンプ、バルブ等の潤滑剤供給機器系に対し2以上の潤
滑剤循環系を採用し、それら潤滑剤循環系の何れか一方
による潤滑剤の供給循環条件下における圧延後に前記供
給機器系に対する潤滑剤の洗浄処理をなし、次いで他方
の潤滑剤供給循環条件下による圧延を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンデムコールドミルな
どの冷間圧延設備に対する潤滑剤供給方法およびその装
置に関するもので、圧延設備を目的が大幅に異らしめら
れた2以上の圧延作業に利用し、その効率的な運用を経
済的且つ有効に図ろうとするもである。
【0002】
【従来の技術】金属帯を冷間圧延するタンデムコールド
ミルなどにおいて用いられる圧延油などは潤滑剤として
必須のものであり、この圧延油に要求される特性は圧延
される金属帯の如何により様々のものがあり、例えば以
下の如くである。 圧延時の摩擦係数を下げることにより圧延荷重や圧
延動力を低減する圧延潤滑性。 金属帯およびミル本体の汚れを少くするミルクリー
ン性。 金属帯の高い表面光沢や粗さを確保する表面性状。 金属帯の種類による潤滑剤との反応性。
【0003】従って上記した〜のような特性を満足
するため、従来においては一般的に圧延油の組成、濃
度、粒径などを種々に変えたものを採用し圧延設備に供
給して圧延を実施するようにしている。
【0004】なおこのような一般法によるものに対し、
潤滑性や粘度、濃度あるいは温度などを変えた2系統の
潤滑剤を供給することについては、特公昭63−610
87、特公昭57−59769、特開平1−30970
5、同218710、特開平2−37911、同201
05、同147105、特公昭59−33443、特開
昭63−264212、特開平3−184609などが
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記したような
従来技術の一般法によるときは前述したような総べての
特性を満足させることが現実上不可能であるからミルに
よって要求される特性を特定化することが必要であり、
即ちミル毎に圧延する材料特性が限定される。
【0006】従って圧延ミルを多数準備することが多様
な圧延目的を達する上において不可欠であり、しかも一
方においてはそれら多数の圧延ミルにおいて作動の休止
しているものが多いこととならざるを得ず、圧延ミルの
運用上大きな支障となっている。
【0007】このような従来一般法によるものの不利を
それなりに解消すべく提案されている前記特公昭63−
61087などによるものは潤滑性や粘度、濃度、温度
などを変えた2系統の潤滑剤を供給することによりそれ
なりの効果が得られるとしても基本的には同じ系統ない
し基油の潤滑剤についての変化を図り、あるいは供給さ
れる圧延スタンドを前段と後段の如きに区分する程度の
ものであるから圧延設備の利用を基本的に変更するよう
なことはできず、また少くとも数十リットル以上の潤滑
剤が供給付着されているこの種圧延設備においてその切
換えを有効に達成するには相当の時間に亘る運動を必要
とし、その間の圧延は不適切なものとならざるを得な
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決することについて検討を重
ね、複数個の循環タンクと循環ポンプおよび戻しポンプ
とそれら循環タンクからミル部分に到る圧延油循環共通
部分を洗浄するための洗浄タンクとを用い、何れか一方
の圧延油供給循環条件下での圧延後に圧延油循環共通部
分の洗浄処理をなし、次いで他方の圧延油供給循環条件
下による圧延を行うことにより圧延すべき材料に求めら
れる特性に応じた圧延油をミル部分へ適切に切換え供給
せしめ、前述したような課題の有効解決と図ったもので
あって、以下の如くである。
【0009】(1) 同一圧延設備において光沢や粗さ
などの表面特性を異にした冷間圧延を行うに当り、共通
の配管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤供給機器系に対し2
以上の潤滑剤循環系を採用し、それら潤滑剤循環系の何
れか一方による潤滑剤の供給循環条件下における圧延後
に前記供給機器系に対する潤滑剤の洗浄処理をなし、次
いで他方の潤滑剤供給循環条件下による圧延を行うこと
を特徴とする冷間圧延設備の潤滑剤供給方法。
【0010】(2) 2以上の潤滑剤循環系の何れか一
方による潤滑剤供給循環条件下での圧延後に潤滑剤清浄
処理をなすに当り、共通の配管、ポンプ、バルブ等の潤
滑剤供給機器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し空
状態とすることを特徴とする前記(1)項に記載した冷
間圧延設備の潤滑剤供給方法。
【0011】(3) 共通の配管、ポンプ、バルブ等の
潤滑剤供給機器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し
空状態とした後に温水を前記共通の供給機器系に供給循
環する洗浄処理をなし、該温水を排液すると共に別の潤
滑剤供給循環条件下による圧延を行うことを特徴とする
前記(2)項に記載した冷間圧延設備の潤滑剤供給方
法。
【0012】(4) 同一圧延設備に設けられた共通の
配管、ポンプ、バルブ等から成る潤滑剤供給機器系を形
成すると共に該圧延設備に2以上の潤滑剤収容タンクを
もった潤滑剤循環系を形成し、前記圧延設備に設けられ
た潤滑剤受とそれら潤滑剤循環系との間に上記供給機器
系および潤滑剤循環系の潤滑剤を前記潤滑剤収容タンク
に戻すための戻しポンプを設けると共に前記供給機器系
部分に外気吸入口を設け、しかも該供給機器系部分に対
し洗浄液タンクからの圧送供給系を設けたことを特徴と
する冷間圧延設備の潤滑剤供給装置。
【0013】(5) 潤滑剤循環系における潤滑剤収容
タンクが浄化タンクと汚損タンクより成り、それら汚損
タンクと浄化タンクとの間に清浄化処理機構を設けたこ
とを特徴とする前記(4)項に記載した冷間圧延設備の
潤滑剤供給装置。
【0014】(6) 洗浄液タンクとして所定温度以上
に加温された温水タンクを用い、しかも該温水タンクと
供給機器系とに亘って形成される洗浄液循環系にバルブ
を介して廃液ポンプと廃液タンクとを接続したことを特
徴とする前記(4)項に記載した冷間圧延設備の潤滑剤
供給装置。
【0015】(7) 各圧延スタンドに供給される潤滑
剤を冷却して供給して圧延によるロール部分の冷却を図
り、温水タンクよりの洗浄液の供給循環に際しては前記
冷却を停止するようにしたことを特徴とする前記(6)
項に記載した冷間圧延設備の潤滑剤供給装置。
【0016】
【作用】同一圧延設備において光沢や粗さなどの表面特
性を異にした冷間圧延を行うに当り、共通の配管、ポン
プ、バルブ等の潤滑剤供給機器系に対し複数の潤滑剤循
環系を採用し、それら潤滑剤循環系の何れか一方による
潤滑剤の供給循環条件下における圧延後に前記供給機器
系に対する潤滑剤の洗浄処理をなし、次いで他方の潤滑
剤供給循環条件下による圧延を行うことにより単一の圧
延設備において複数の圧延油供給条件下での圧延を効率
的に実現せしめ、特に相互に混合することによる性能劣
化の認められる潤滑剤を用いた圧延をもその性能劣化な
しに実現せしめ、複数種の圧延油による目的を大幅に異
ならしめた圧延を行わしめる。
【0017】複数の潤滑剤循環系の何れか一方による潤
滑剤供給循環条件下での圧延後に潤滑剤清浄処理をなす
に当り、共通の配管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤供給機
器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し空状態とする
ことにより共通給油機器系および圧延設備に対する先行
圧延油の洗浄処理を容易且つ能率化する。
【0018】共通の配管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤供
給機器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し空状態と
した後に温水を前記共通の供給機器系に供給循環する洗
浄処理をなし、該温水を排液すると共に他方の潤滑剤供
給循環条件下による圧延を行うことにより比較的低コス
トで能率的な洗浄を実現し、また圧延油ロスの少い圧延
油切換え操作を実現する。
【0019】同一圧延設備に設けられた共通の配管、ポ
ンプ、バルブ等から成る潤滑剤供給機器系を形成すると
共に該圧延設備に複数の潤滑剤収容タンクをもった潤滑
剤循環系を形成し、前記圧延設備に設けられた潤滑剤受
とそれら潤滑剤循環系との間に上記供給機器系および潤
滑剤循環系の潤滑剤を前記潤滑剤収容タンクに戻すため
の戻しポンプを設けると共に前記供給機器系部分に外気
吸入口を設け、しかも該供給機器系部分に対し洗浄液タ
ンクからの圧延供給系を設けたことにより前記切換操作
時において共通給油機器系および圧延設備における残留
油分の抜き取りを容易且つ完全化し、洗浄を容易として
有効な圧延油の切換供給を可能ならしめ、また圧延油の
損失が少い経済的な操業を可能とする。
【0020】潤滑剤循環系における潤滑剤収容タンクが
浄化タンクと汚損タンクより成り、それら汚損タンクと
浄化タンクとの間に清浄化処理機構を設けたことにより
循環使用される潤滑剤を浄化して有効な利用を図る。
【0021】洗浄液タンクとして所定温度以上に加温さ
れた温水タンクを用い、しかも該温水タンクと供給機器
系とに亘って形成される洗浄液循環系にバルブを介して
廃液ポンプと廃液タンクとを接続したことにより、温水
を利用した簡易低コストな清浄化処理を有効かつ適切に
行わしめる。
【0022】各圧延スタンドに供給される潤滑剤を冷却
して供給して圧延によるロール部分の冷却を図り、温水
タンクよりの洗浄液の供給循環に際しては前記冷却を停
止するようにしたことにより圧延時における潤滑剤を利
用した圧延ロール部分の冷却を図り、しかも切替時にお
いて温水を利用した有利な清浄化処理を有効に行わせ
る。
【0023】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施態様を添付図面に示すものについて先ずその装置を
説明すると、図1に示す如くであって、複数組のワーク
ロール1aおよびバックアップロール1bからなる冷間
圧延設備が形成され、鋼帯10はそのワークロール1
a、1a間を通過し圧延を受けるように構成されている
ことは一般の冷延設備と同じである。
【0024】本発明においては前記のような冷延設備2
0に対し第1系統清浄潤滑剤タンク11と第2系統清浄
潤滑剤タンク12および第1系統汚損潤滑剤タンク21
と第2系統汚損潤滑剤タンク22とが設けられ、これら
の清浄潤滑剤タンク11、12からの取出管11a、1
2aは連結管13で連結されると共に潤滑剤主ポンプ4
が設けられ、該潤滑剤主ポンプ4からの給液管14はク
ーラー5を介して前記冷延設備20の各ロールスタンド
に対する吐出手段15に導かれている。
【0025】また前記したような構成のものにおいて、
取出管11a、12aを連結する連結管13は上記主ポ
ンプ4より更に側方へ延出して排出ポンプ8に連結さ
れ、該排出ポンプ8の廃液タンク9と前記第2系統汚損
潤滑剤タンク22に導かれる排出管16に接続されてい
る。又廃液タンク9には前記した各スタンドにおけるオ
イルパン17からの排液管19が導かれ、該排液管19
は前記した各汚損潤滑剤タンク21、22と共に温水タ
ンク6にも連結されている。
【0026】なお温水タンク6からの排水管18は上記
廃液タンク9に導かれ、汚損潤滑剤タンク22はポンプ
24を介して清浄機構7に連結されているが、該清浄機
構7は接続管23、25によって第1、第2系統の各清
浄潤滑剤タンク11、12と連結され、更に第1系統清
浄潤滑剤タンク11と清浄機構7の入側とは別の連結管
26で接続されている。
【0027】なお図面においてQ1 、Q2 はエヤー吸入
口であって、クーラー5から各吐出手段15に到る潤滑
剤供給系において適宜に外気を吸入させるのが吸入口Q
1 であり、また前記連結管13に対して外気吸入を図っ
ているのが吸入口Q2 であって、これらの吸入口Q1
2 にはそれぞれバルブV17、V18が設けられ、常時は
1 、Q2 が閉塞されているが外気吸入時にはバルブV
17、V18を開披して外気吸入を図る。
【0028】また、上記排出管16にはバルブV1 〜V
3 、排液管19にはバルブV4 、V5 、連結管13には
バルブV6 、V7 が潤滑剤主ポンプ4部分に設けられ、
各汚損潤滑剤タンク21、22への導入部にもバルブV
8 、V9 、清浄機構7の入側にもバルブV10、V11、そ
の出側におけるバルブV12、V13、温水タンク6に対し
てもバルブV14、V15が夫々配設されていることは図示
の通りである。
【0029】上述した第1系統汚損潤滑剤タンク21と
第1系統清浄潤滑剤タンク11とは連結管29で連結さ
れ、該連結管29には圧送ポンプ28とフィルター27
および該フィルター27とタンク11との間にバルブV
19が設けられており、タンク21内の汚損潤滑剤を浄化
してタンク11に送るようになっている。
【0030】即ち従来からの1系統圧延油により圧延を
行う場合においては潤滑剤主ポンプ4が停止した場合
に、汚損タンクに戻ってくるのはオイルパンで受けた使
用済圧延油の自由落下したもの程度であり、通常配管に
は多量の圧延油が残されたままとなっている。然し本発
明のように部分的に配管やバルブを共有する2系統とし
た場合には配管内の圧延油が総て排出ポンプ8で汚損タ
ンクに戻ってくるので、主ポンプ停止後も圧送ポンプ2
8により清浄タンク11側へ送ることが必要である。即
ち第1系統圧延油供給系に第2系統圧延油供給系を追加
したため汚損タンク21への戻り量が多く、第1系統圧
延油タンクがオーバフローすることとなる。
【0031】そこで上記のようにフィルター27および
バルブV19を設け、主ポンプ4の停止後、排出ポンプ8
および自由落下により汚損タンク21に戻った圧延潤滑
剤は清浄タンク11のレベルをみながら圧送ポンプ28
によって清浄タンク11に移送され、清浄タンク11の
レベルが最大となったところでバルブV19を閉じ、フィ
ルター27に潤滑剤を蓄積させることができ、このフィ
ルター27が満杯となったところで圧送ポンプ28を停
止する。つまりフィルター27がバッファとして作用
し、総ての圧延油をオーバフローすることなく第1系統
のタンクおよび供給系に蓄積することができ、フィルタ
ー27の有効利用で各タンク11、21の容量を小とす
ることが可能である。
【0032】更に前記したクーラー5については主ポン
プ4より各吐出手段15部分に送られる潤滑剤を冷却す
るものであって内部に冷却水が供給されるように成って
いるクーラー5に対し潤滑剤が供給通過されることによ
って一定温度以下に冷却し圧延時における素材加工熱、
ローラ素材間摩擦熱などによる昇温化を防止するもので
あるが、後述するような温水タンク6よりの温水ブロー
時には該クーラー5における供給を停止することによっ
て冷却なしで温水を通過させるものである。
【0033】上記した図1に示したような装置における
運転操業状態は図2以下に示す如くであり、先ず第1系
統潤滑剤による圧延作業は図2に示す状態で実施され
る。即ちバルブV8 を開とし、バルブV9 を閉とすると
共に主ポンプ4を駆動し、タンク11からの潤滑剤を各
スタンドに送って圧延し、また各スタンドからの潤滑剤
をタンク21に受け、該タンク21の潤滑剤をフィルタ
ーなどで清浄化してタンク11に供給すると共にタンク
11から導出した潤滑剤を清浄化機構7で浄化して再び
タンク11に戻して操業する。
【0034】このような第1系統潤滑剤による圧延に対
し第2系統潤滑剤による圧延作業は図4に示す如くであ
って、バルブV8 を閉、バルブV9 を開、バルブV4
閉とし、第2系統清浄潤滑剤タンク12からの潤滑剤を
バルブV16を介して前記主ポンプ4により各ロールスタ
ンドに供給し、各スタンドからの潤滑剤を汚損タンク2
2に受ける。タンク22の潤滑剤は清浄化機構7で処理
し、清浄潤滑剤タンク12に戻すものである。
【0035】この図4に示した状態による圧延操業後の
清浄化に当っては、先ず図5に示すように切換えるもの
で、図4の場合に閉であったバルブV7 を開とし、また
バルブV2 を開とすると共にV3 を閉して排出ポンプ8
を駆動する。即ち、第2系統圧延油による圧延時の圧延
共用部分および第2系統潤滑剤の図4に示したような流
通系内における潤滑剤はすべて汚損タンク22に抜き取
り排出される。またこの第2系統潤滑剤による圧延後の
潤滑剤抜き取りは図5に示すようにエアー吸入口Q2
開披されると共にバルブV16とV4 が閉、バルブV9
開とされ、排出ポンプ8の駆動によって各スタンド吐出
手段15からの潤滑剤と管路23内の潤滑剤を共に汚損
潤滑剤タンク22に戻し、空状態とする。
【0036】なお前記した図2の第1系統潤滑剤による
圧延後の潤滑剤抜き取りについては図3に示す如くであ
って、エアー吸入口Q2 が開放されバルブV18が開放さ
れると共にバルブV8 が開のままとされ、排出ポンプ8
が駆動すると圧延設備各ロールスタンドの吐出手段側潤
滑剤はライン13内潤滑剤と共に汚損潤滑剤タンク21
に戻され、各スタンドのオイルパン17からの潤滑剤は
汚損潤滑剤タンク22に抜き取られて何れのラインも空
状態となる。
【0037】前記した図2または図4に示すような排出
ポンプ8の駆動による潤滑剤抜取り後の温水を利用した
洗浄処理としては図6に示すように温水タンク6から主
ポンプ4を駆動してクーラー5、吐出手段15に温水を
送り、ロールに吐出洗浄し、しかもオイルパン17で受
けられた洗浄温水を管路19を介して温水タンク6に循
環させる。
【0038】また、温水タンク6からの温水が上記のよ
うに循環されて温水タンク6に戻り始めた時点を例えば
温水タンク6のレベル計などで検出し、このような戻り
始めからタイマーによりある時間は廃液タンク9に送液
する。即ち図7に示すようにそれまで閉じられていたバ
ルブV14を開とし、管路18から廃液タンク9に送り、
前記したように温水タンク6に戻った汚損廃水を廃液タ
ンク9に導く。この場合においては温水タンク6のレベ
ル低下がないように外部から同等の温水を補給する。
【0039】このタイマーを使用する場合には、前記の
ように温水がタンク6に戻り始める時間は予め予定し得
るから供給開始後一定時間が繰返した時点で図7におけ
るバルブV4 を閉、バルブV5 を開とすることにより当
初配管内を洗浄した後の汚損温水を廃液タンク9に送液
することができる。この場合において温水タンク6の湯
面レベル低下を外部からの温水補給によってカバーす
る。
【0040】本発明により同一圧延設備で、光沢、粗さ
などの表面特性を異にした冷間圧延を行う場合におい
て、第1系統潤滑剤で圧延している場合は第2系統潤滑
剤はタンク内アジテータの攪拌のみを受ける程度であっ
て長時間に亘り第2系統を使用しないような場合には潤
滑剤の性能劣化を避け得ない。即ちこのような場合には
本発明のものは適宜に図9に示すように部分変更して実
施できる。
【0041】即ち、一方のタンク群である第2系統清浄
潤滑剤タンク12と第2系統汚損潤滑剤タンク22をオ
ーバフロー管30で連結し、また圧送ポンプ24からバ
ルブV10間と接続管25とを連継管31で接続してお
き、バルブV9 、V16、V1 、V10およびV12を閉と
し、圧送ポンプ24により両タンク12、22間を循環
させるもので、このようにすることにより貯留状態にあ
る潤滑剤全般を適切に流動せしめ、その静止状態化によ
る性能劣化を適切に防止し、長時間経過後の切換使用に
当って直ちに有効な潤滑作用を得しめる。
【0042】本発明者等が前記したような装置について
具体的に第1系統潤滑剤として軟鋼圧延用である鉱油ベ
ースのミルクリーン用圧延油を用い、また第2系統潤滑
剤としてエステル系のステンレス鋼用圧延油を採用し、
これらの両潤滑剤を上述したような操法で切換実施した
場合について説明すると、先ずこのような場合には従来
からの実施結果として双方の油分が図8に示すように4
%以上となることにより、粒径、粘度への影響が発生
し、下記するような圧延状態劣化が急激に発生すること
となるものである。 ステンレス材圧延中・・・粒径大による表面光沢低下、
スリップ、ヒートスクラッチ、チャタリング発生 軟鋼材圧延中・・・ミルクリーン材で、圧延油の鋼板へ
のプレートアウト性が変化し、カーボン汚れ発生。他ヒ
ートスクラッチ、高圧下材でのチャタリング発生。
【0043】然して前記したような本発明により平均生
産能率250t/hr(月産15万トン)の圧延設備にお
いて、第1系統および第2系統の各清浄タンクおよび汚
損タンクの容量が夫々70000リットルで、エマルジ
ョン型潤滑剤吐出量が第1、第2スタンドにおいて夫々
4000リットル/min、第3スタンドが6000リ
ットル/min、第4スタンドが7000リットル/m
in、第5スタンドが8000リットル/minの条件
で運転操業した場合に、排出ポンプ8を駆動し先行圧延
時における潤滑剤を抜き取ってから新しい潤滑剤を供給
して圧延した場合には該抜き取りなしの場合の対油混入
率を約4分の1に減少することが可能であるが対油で3.
5%の混入が認められ、一部圧延材で前記圧延状態悪化
により圧延不可、あるいはヒートスクラッチ抑制の為に
圧延速度が低下した(薄物能率約10%低下)。
【0044】これに対し前記した排出ポンプ8による抜
き取り後に温水タンク6からの温水を供給して洗浄後に
次の潤滑剤を供給して引続き圧延した場合には混入率が
0.08%であって、ステンレス鋼の圧延に当ってヒート
クラッチの発生や表面光沢の低下がなく圧延および設備
運転上全く支障のない好ましい圧延継続をなすことがで
きた。
【0045】また上記のような切換圧延を実施した場合
において廃液タンク9への油の流出は200リットル/
回以下と僅少であり、更に潤滑剤切替による圧延設備休
止時間は切替開始によるポンプ停止が110秒、潤滑剤
排出が420秒、温水洗浄が120秒、温水排出が78
0秒、新しい潤滑剤によるポンプの運転供給が135秒
であって25〜27分程度で切換運転が達成できること
が確認された。
【0046】また、上記とは別に平均生産能率が80t/
hr(月産5万トン)の圧延設備で第1、第2の清浄およ
び汚損潤滑剤タンク容量がが30000リットルであ
り、同じくエマルジョン型潤滑剤吐出量が第1、第2ス
タンドで各2000リットル/min 、第3スタンドで3
000リットル/min 、第4スタンドで4000リット
ル/min 、第5スタンドで5000リットル/min で運
転操業した場合には切替圧延による廃液タンク9への油
の流出量が80リットル/回以下であって、その他につ
いても上述したところと同様に好ましい操業をなすこと
ができた。
【0047】なお上記した実施態様のものは2系統の循
環潤滑剤タンクを用いた場合であるが、本発明のものは
更に3系統以上の循環潤滑剤タンクを用いる場合につい
ても同様に実施し得ることは明かである。
【0048】本発明において用いられる潤滑剤としては
各種潤滑剤が単味で用いられることは勿論であるが、ま
たそれら潤滑剤に水を添加混合し適当な濃度としたエマ
ルジョンタイプの潤滑剤や場合によっては一方の潤滑剤
として水自体を採用することができる。特に水に対して
数%ないしそれ以下の低濃度とされたエマルジョン型潤
滑剤を用いて圧延するような場合において好ましい特性
を発揮することができる。
【0049】上記した本発明によるものは前記したよう
なステンレス鋼帯などの鋼帯のみならず、アルミニウム
系や銅系、TiやNi系などの各種非鉄金属、更にはそれら
の合金による各金属帯に対し適宜実施することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
単一の圧延設備において相互に混入を許さないような複
数の圧延潤滑剤を用いた圧延を実施せしめることがで
き、それによって目的を著しく異にした圧延を可能と
し、しかもその切換えを簡易に行わせ、圧延油相互の混
入が好ましくない条件下において好ましい清浄化を図
り、混入の少い有利な切換えを可能とし、設備コストの
低減と設備の効率的利用を適切に得しめるなどの効果を
有しており、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による設備の概要を比較的簡易な2系統
切換えの場合について示した説明図である。
【図2】その第1系統潤滑剤による圧延状態の説明図で
ある。
【図3】その図2に示した圧延後の排出操作状態につい
ての説明図である。
【図4】その第2系統潤滑剤による圧延状態の説明図で
ある。
【図5】その図4に示した圧延後の潤滑剤排出操作状態
についての説明図である。
【図6】その温水による洗浄操作状態についての説明図
である。
【図7】図6に示した状態からタイマーを利用した切換
操作状態の説明図である。
【図8】この種圧延設備において異質潤滑剤の混合によ
る影響状態を要約して示した図表である。
【図9】図1に示したものの第2系統清浄潤滑剤および
第2系統汚損潤滑剤部分についての変形例を示した部分
的説明図である。
【符号の説明】
1a ワークロール 1b バックアップロール 4 潤滑剤主ポンプ 5 クーラー 6 温水タンク 7 清浄機構 8 排出ポンプ 9 廃液タンク 10 被圧延材 11 第1系統清浄潤滑剤タンク 11a 取出管 12 第2系統清浄潤滑剤タンク 12a 取出管 13 連結管 14 給液管 15 吐出手段 16 排出管 17 オイルパン 18 排水管 19 排液管 20 冷延設備 21 第1系統汚損潤滑剤タンク 22 第2系統汚損潤滑剤タンク 23 接続管 24 圧送ポンプ 25 接続管 26 連結管 27 フィルター 28 圧送ポンプ 29 連結管 30 オーバーフロー管 31 連継管 Q1 エヤー吸入口 Q2 エヤー吸入口 V1 〜V19 バルブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一圧延設備において光沢や粗さなどの
    表面特性を異にした冷間圧延を行うに当り、共通の配
    管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤供給機器系に対し2以上
    の潤滑剤循環系を採用し、それら潤滑剤循環系の何れか
    一方による潤滑剤の供給循環条件下における圧延後に前
    記供給機器系に対する潤滑剤の洗浄処理をなし、次いで
    他方の潤滑剤供給循環条件下による圧延を行うことを特
    徴とする冷間圧延設備の潤滑剤供給方法。
  2. 【請求項2】 2以上の潤滑剤循環系の何れか一方によ
    る潤滑剤供給循環条件下での圧延後に潤滑剤清浄処理を
    なすに当り、共通の配管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤供
    給機器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し空状態と
    することを特徴とする請求項1に記載した冷間圧延設備
    の潤滑剤供給方法。
  3. 【請求項3】 共通の配管、ポンプ、バルブ等の潤滑剤
    供給機器系における潤滑剤を潤滑剤タンクに戻し空状態
    とした後に温水を前記共通の供給機器系に供給循環する
    洗浄処理をなし、該温水を排液すると共に別の潤滑剤供
    給循環条件下による圧延を行うことを特徴とする請求項
    2に記載した冷間圧延設備の潤滑剤供給方法。
  4. 【請求項4】 同一圧延設備に設けられた共通の配管、
    ポンプ、バルブ等から成る潤滑剤供給機器系を形成する
    と共に該圧延設備に2以上の潤滑剤収容タンクをもった
    潤滑剤循環系を形成し、前記圧延設備に設けられた潤滑
    剤受とそれら潤滑剤循環系との間に上記供給機器系およ
    び潤滑剤循環系の潤滑剤を前記潤滑剤収容タンクに戻す
    ための戻しポンプを設けると共に前記供給機器系部分に
    外気吸入口を設け、しかも該供給機器系部分に対し洗浄
    液タンクからの圧送供給系を設けたことを特徴とする冷
    間圧延設備の潤滑剤供給装置。
  5. 【請求項5】 潤滑剤循環系における潤滑剤収容タンク
    が浄化タンクと汚損タンクより成り、それら汚損タンク
    と浄化タンクとの間に清浄化処理機構を設けたことを特
    徴とする請求項4に記載した冷間圧延設備の潤滑剤供給
    装置。
  6. 【請求項6】 洗浄液タンクとして所定温度以上に加温
    された温水タンクを用い、しかも該温水タンクと供給機
    器系とに亘って形成される洗浄液循環系にバルブを介し
    て廃液ポンプと廃液タンクとを接続したことを特徴とす
    る請求項4に記載した冷間圧延設備の潤滑剤供給装置。
  7. 【請求項7】 各圧延スタンドに供給される潤滑剤を冷
    却して供給して圧延によるロール部分の冷却を図り、温
    水タンクよりの洗浄液の供給循環に際しては前記冷却を
    停止するようにしたことを特徴とする請求項6に記載し
    た冷間圧延設備の潤滑剤供給装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100762483B1 (ko) * 2001-10-31 2007-10-02 주식회사 포스코 냉각압연용 보강롤 초크 윤활장치
JP2010502451A (ja) * 2007-06-08 2010-01-28 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト 圧延ロールを潤滑する方法と装置
CN103736757A (zh) * 2013-12-25 2014-04-23 烨辉(中国)科技材料有限公司 高质量冷轧钢卷生产用轧延机供油系统

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