JPH0687009A - ロールの自動管理方法及びそのロール - Google Patents

ロールの自動管理方法及びそのロール

Info

Publication number
JPH0687009A
JPH0687009A JP26559992A JP26559992A JPH0687009A JP H0687009 A JPH0687009 A JP H0687009A JP 26559992 A JP26559992 A JP 26559992A JP 26559992 A JP26559992 A JP 26559992A JP H0687009 A JPH0687009 A JP H0687009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
rolls
work
management
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26559992A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Sasaki
伸二 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP26559992A priority Critical patent/JPH0687009A/ja
Publication of JPH0687009A publication Critical patent/JPH0687009A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロールを実際に様々な目的に使用していく上
で付随して発生するロール自体に関係する各管理作業及
びそのための作業管理を効率的且つ円滑に行っていく。 【構成】 ロールが新品時に有し加えてその使用によっ
て生じるそのロールに固有なロール情報に基づいてロー
ルを使用する上で付随して発生するロールの各管理作業
をコンピュータから出力される指令信号に従って順次行
うに際し、ロール26に固有なロール情報をそのロール
自体に機器により検出及び入力可能にICチップ28等
により付与しておき、新品時に有し加えてその使用によ
って生じるロール26に固有なロール情報の全部又は一
部を適時に入力しつつ、当該ロール自体から検出される
ロールに固有なロール情報に基づき前記指令信号に従っ
て指定されたロールに少なくとも合致したロールを用い
て指示された管理作業を順次自動的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロールを実際に様々な
目的に使用していく上で付随して発生するロール自体に
関係する各管理作業及びそのための作業管理を効率的且
つ円滑に行っていくためのロールの自動管理方法と、こ
の方法を実施するのに好適なロールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に各種の製品を製造する工場等にお
いては、多数の工程を形成する諸設備ラインにおいて、
製品を製造するために必要な諸々の加工ロール,各工程
中から最終までの製品や諸物品を移送,搬送するための
ロール,その他に多種多様な機能を果たす莫大な本数の
ロールが保有され、使用されている。しかもこれらのロ
ールにおける余備ロールから遊休ロールまで含めると更
に莫大な本数のロールが保有されている。
【0003】このようなロールを比較的多量に保有し使
用する金属帯の圧延設備ラインを例に採り上げて説明す
ると、熱間圧延設備ラインや冷間圧延設備ラインや調質
圧延設備ラインなどに大別され、圧延設備の形式は多様
である。かかる多様な金属帯の圧延設備におけるワーク
ロール及び補強ロール(中間ロール,バックアップロー
ル等)の配置に関して分類すると、4段式や6段式に代
表される多段式や20段のセンジミヤミルとかローンミ
ルに代表されるクラスタミルの如き多重式等がある。ま
た金属帯の圧延方向に関して分類すると、圧延方向を正
逆交互にとって圧延する可逆(レバース)式,2スタン
ド以上をシリーズに組合せて一方向に連続的に圧延する
連続(タンデム)式等がある。また、このように多様な
金属帯の圧延設備には、直接圧延に係わる圧延ロールと
してのワークロールや補強ロール等の他に、例えば搬送
や移送用のロール,デフレクタロール,ピンチロール,
張力調整や形状矯正用のロール,ルーパーロール,スナ
バーロール等々の多種多様で多数なロールが保有され、
使用されている。
【0004】工場内には、多数の設備ラインがあり、そ
の中で更に金属帯の圧延設備ライン(以下、この圧延設
備のみを単に圧延機と呼ぶことがある)だけを採り上げ
てみても、多様な圧延設備が多数設置されているので、
その使用ロールは多種多様で莫大な本数が保有され、使
用されているのである。かかる多様で多数設置されてい
る金属帯の圧延設備ラインの中で、更に具体的に冷間圧
延設備ラインの一つでありレバース式,タンデム式のい
ずれも存在する代表的な20段センジミヤミルラインの
一つを採り上げて、その圧延ロール(以下、単にロール
と言うことがある)寸法の径だけから見ても、ワークロ
ールが最小であって、各中間ロール,バックアップロー
ルと外側方向に配置されるロールになるに従ってワーク
ロールよりも径が大きくなっており、従って少なくとも
ロール寸法の径だけに関しても3種以上の種類がある。
この同様な目的で同じ機能を有するワークロールの寸法
径にしても、形式(機種)や号機が異なれば、これまた
異なりロール保有本数の増加理由となる。
【0005】このようなロールの径を含む寸法や形状や
構造の相違、はたまたベアリングを内蔵するロールチョ
ックの有無等の違いによって、ロールの種類及びそのロ
ール保有本数が非常に増加するのである。そして、この
ような冷間圧延設備ラインのセンジミヤミルにおいて、
圧延に使用されロール組替によってミルから引き出され
たロール(以下、単に旧ロールと言うことがある)に
は、新ロールと違って使用中にロール表面が偏摩耗し、
その表面肌や仕上げ状態が変化し、その表面に疵や汚れ
が生じていて、そのまま使用すると圧延される製品の表
面品質,寸法制度,形状などの品質を低下させることに
なるので、冷間圧延標準やロール管理標準などに取り決
められた規定に従って各ロールのロール組替を行い、新
旧ロールを頻々と交換し旧ロールは研摩等による補修等
を施して次の使用まで保管されるのであるが、この通常
研摩や異常研摩によって新品時から廃却時に至るまで各
ロールの径は径小化し変化していくのである。またこの
ような理由によって、各ロールの保有本数が一層増加し
ていくのである。
【0006】さて、このように例示した金属帯の冷間圧
延設備ラインが設置されている冷間圧延工程では、かか
る多数の各ロールをその種類や少なくともロール管理面
からロール毎に付与されロール自体に付記されているロ
ール識別番号(ロール番号,ロールNo.)によって区別
して行われるロールの「保管」,常に指定されたロール
識別番号に合致したロールを使用するために他のロール
と正確に識別するロールの「識別」,保管場所で区別さ
れ指定された保管位置に指定されたロール識別番号通り
のロールが保管されているロール群から冷間圧延標準や
ロール管理標準などの各規定に則り且つ後記説明する圧
延材料の圧延作業指令(書)に沿えるようにロールの寸
法・形状・構造やロール材質等による種類によって経済
的にしかもロール管理面から効率的に適合するロールを
選ぶロールの「選択」,選択されたロールをロール組替
して冷間圧延設備中に組込むためのロールの「供給搬
送」,引き出された旧ロールを保管場所の指定された保
管位置に返却し保管するロールの「返却搬送」,この旧
ロールの表面を研摩し偏摩耗や疵や汚れを除去して指定
されたロール表面肌に仕上げるロールの「研摩」,この
旧ロール表面全体に付着している油脂類や汚れ及びこの
ロールに付帯することもあるベアリングとかロールチョ
ック内に付着している油脂類や汚れをも除去し清浄にす
るロールの「洗浄」,ロールの寸法や表面肌の計測・検
査とかベアリングやロールチョック等を着脱したりして
整備するロールの「整備」,これらのロールに係わる各
作業を行うための台車や天井クレーン移送装置を用いて
冷間圧延設備と保管場所との間に配置されている諸装置
間のロールの「搬送」や「移送」など、諸々の各作業
(本発明においてはこれらの各作業を一括してロール管
理作業と言い、一方ロール管理面からは同じく一括して
ロール作業管理と言う)が付随して発生する。従って、
この冷間圧延工程に設置されている冷間圧延設備の近辺
には、前述した各ロール管理作業を行うロール管理作業
域やロール組替域が付設されているのである。
【0007】そこで、このような金属帯の冷間圧延工程
で前記各規定に則り生産計画や工程計画に従って工程停
止することなく円滑に冷間圧延して行くに際しては、前
以って圧延作業指令が出されるが、それには圧延材料,
圧延条件(圧延速度,圧下力,張力等),実際に圧延に
使用する各ロール識別番号(ワークロールNo.を初めと
する各ロールNo.)等が指定されている。この指令書の
作成するに当っては、実際に圧延に使用するワークロー
ルを初めとする各ロールを特定し識別できると共に管理
上で必要なロール情報を指定しなければならないのであ
るが、通常以下に説明するような事情や理由によって最
も小量なロール情報で簡単であって最も基本的で確実な
ロールに固有な情報である各ロールの識別番号(ロール
No.)のみを指定することが多い。このロールの新品時
から廃却時に至るまでのロールに固有な情報としては、
新品時に有するロールに固有な情報であるロール諸元と
しての、ロール製造メーカ,製造番号,製造及び入荷年
月日,ロールの寸法・形状・構造,ロール肌(ロール表
面仕上げ),ロール材質,用途(種類),識別番号(ロ
ールNo.)等と、その使用に当って予め機能別に定めた
そのロールとペアやセットとなる各ロール同士の組合せ
された識別番号(ロールNo.)群等とがあり、一方その
後の使用によって生じ廃却時に至るまでのそのロールに
固有なロール情報として年月日付でロールの実寸法径,
研摩回数,研摩量,洗浄回数,整備回数,事故の有無や
その内容,異常研摩量,ロール肌(ロール表面仕上げ)
の変更やロールのペアやセットの変更等とがある。
【0008】このようなロールの新品時から廃却時に至
るまでのロールに固有な情報は全てロール管理台帳等又
はコンピュータに記録・記憶されているのであるが、ロ
ール自体(ロール現品)にも必要なロール情報が付与さ
れているのである。そして、前述の如く円滑に冷間圧延
していくためには、圧延材料や圧延条件等に沿い新ロー
ル同士のペアやセットで使用される組合せ使用条件をも
踏まえて適合する各新ロールを、前記ロール管理台帳等
々に記録・記憶されている新旧の諸ロール中から選択し
特定しておき、前以って使用できるように補修等の準備
を行い、前記指令書の作成に当り指定するのである。こ
の新ロール同士の組合せ使用条件としての例えば上下ワ
ークロールのペアとか上側又は下側における複数本の各
中間ロールやバックアップロールの組合せセットとかを
も踏まえて適合する各新ロールを選択することが、直接
圧延制度に影響し、特に圧延製品の表面品質や寸法や形
状等の品質向上やその維持に重要なのでその正確さを必
要とする。従って、このようにロールを特定し指定する
のに、ロール自体に指定されたロールと他のロールとが
識別できると共にロール管理上で必要なロール情報を付
与しておかねばならないのである。
【0009】しかしながら、ロール自体にロール情報を
付与するにしても、他の物品と非接触な部位であって一
旦付与されたロール情報が消失しない部位であると共に
目視により正確に照合・確認し得て他と識別し易い部位
に付与しなければならないので、その位置が非常に限定
されると共にその面積も狭小にならざるを得ないのであ
る。しかも硬いロール表面に消失しないように付与する
ためには、人手によってポンチで打刻するか、電気ペン
や電気溶接でマーキングするしかなくて、比較的大きな
付与面積を必要とするので、前述の如き全てのロール情
報をとても付与できず、最小且つ簡単であって最も基本
的で重要な各ロールの識別番号(ロールNo.)程度しか
付与できなかったのである。従って、指令書の作成に当
り、この各ロールの識別番号のみを指定する程度しかで
きなかったのである。
【0010】さて、このようにして作成し出された圧延
作業指令に従ってロール組替し指定された各ロールを圧
延開始時においては冷間圧延設備(冷間圧延機)に組み
込み、圧延開始後においては圧延製品の品質向上及び維
持のために特にワークロールをその取替頻度高く適時に
ロール組替しては引き出された各旧ロールを、補修等し
ていつでも使用できるように準備し保管しておかねばな
らない。このような冷間圧延工程における各圧延ロール
管理作業状況を、例えば以下の実施例により図面を用い
て説明する。
【0011】図1はこのようなロール管理作業状況の一
例を示す作業動態図である。この図1において、金属帯
の冷間圧延工程に設置されている冷間圧延設備ライン中
の圧延機1の側方にはロール組替域2とロール管理作業
域3とが付設されている。このロール管理作業域3内に
は、ロール種毎に分けて保管するロールラック群4,5
及び6,ロール洗浄装置7,ロールグラインダ8及び
9,天井クレーン10,高さ調節可能なロールパレット
積載装置11,12,13及び14が設置され、上下2
段のロールパレット積載用棚を有するロール台車15及
び16が備えられている。また、ロール組替域2にはロ
ールパレット積載装置17及び18が設置され、ロール
組替台車19が備えられている。
【0012】冷間圧延を開始するときは、先ず圧延作業
指令に従って新ロール同士のペアやセットとしての組合
せ使用条件に沿ってその指定に合致する各新ロールを天
井クレーン10によりロールラック群4,5又は6から
ロールパレット積載装置11上のロールパレットに搬送
して並べる(ロールの流れは図1中に矢印で示す。以下
同じ)。次いでロール台車15をこのロールパレット積
載装置11に隣接させ、新ロールが並置されたロールパ
レットをロール台車15の上段棚に移送する。しかる後
にこのロール台車15をロール組替域2のロールパレッ
ト積載装置17まで移動させてこれに隣接させ、ロール
パレットをロールパレット積載装置17に移送する。次
いでロール組替台車19をロールパレット積載装置17
に隣接させ、新ロールを1本づつこれに移送する。余分
の新ロールを載せた又は空のロールパレットは、ロール
台車15に移送される。そして各新ロールを積載したロ
ール組替台車19は圧延機1まで移動されて、所定のロ
ール組替を行い各新ロールを圧延機1内に組み込む。ロ
ール台車15は、その圧延が完了すると元の位置に戻り
ロールパレットがロールパレット積載装置11又は12
に移送され、そのロールパレット上に残余の新ロールが
あるときは天井クレーン10によりロールラック群4,
5又は6に返却搬送されて一連の新ロールの選択,識
別,供給搬送や移送,新ロールの圧延機1への組込み,
返却搬送,保管といったロール管理作業が終了する。
【0013】次に圧延開始後に所定量の圧延がなされて
からロールを組み替えるときは、先ずロール組替台車1
9を圧延機1まで移動させてその上に圧延機1から各旧
ロールを引き出し、その後に前述のようにして各新ロー
ルを組み込む。ロール組替台車19で引き出された各旧
ロールは、適当な時期(ロールパレット1つに並べ得る
本数を超えないうちであり、例えば4本以内)にロール
パレット積載装置18上のロールパレットに移送し、次
いでこれをロール台車16(必要に応じて移動させる)
の上段に移送し、しかる後にロール台車16の下段に積
載していた空のロールパレットをロールパレット積載装
置18(必要に応じて高さを調節する)上に移送し、ロ
ール台車16はロール管理作業域3のロールパレット積
載装置13又は14の位置まで移動させ隣接させて各旧
ロールを並置したロールパレットをこれに移送する。次
いで天井クレーン10により各旧ロールをロールパレッ
ト上からロールラック群4,5又は6に返却搬送して一
連の旧ロールの圧延機からの引出し,識別,返却搬送や
移送,保管といったロール管理作業が終了する。
【0014】更にロールラック群4,5又は6に保管さ
れている各旧ロールを、間違えないように照合し確認し
て他のロールと識別しながら、研摩,洗浄及びロールの
寸法や表面肌を計測・検査したりベアリングやロールチ
ョック等を着脱したりするロールの整備等を行って新ロ
ールとして準備するときは、ロールラック群4,5又は
6からロール作業管理上で指定に合致する旧ロールを天
井クレーン10によりロールグラインダ8又は9へ直接
的に又は新旧ロールの仮置きと移送作用を果たす移送装
置81,91を介して間接的に搬送且つ移送し、また洗
浄装置7やロール整備装置20に搬送して行い、それぞ
れ作業終了して新品ロールとなったら逆に返却搬送しロ
ールラック群4,5又は6に戻していつでも使用できる
ように保管しておくのが一般的である。しかしそのとき
の状況によってロールパレット積載装置13,14から
それぞれ直接に搬送してきて、それぞれ作業を行い終了
したら同様にして保管することもある。いずれにして、
これらの各ロール管理作業にあって、ロールの選択,識
別,研摩,洗浄,整備,搬送や移送,保管作業が行われ
るのである。そして、以上に詳述したほぼ全ての各ロー
ル管理作業の実績や結果は、作業年月日付でロール管理
台帳等々に記録・記憶されるのである。
【0015】さて従来においては、以上に圧延作業指令
に従って指令された各圧延ロールを用いて圧延する実施
例によって詳細に説明したように、各ロールを単に圧延
に限らず実際に様々な目的に使用していくに際して付随
して発生する各ロールの諸々の管理作業が、その殆ど全
てを人手によりその操作なども手動によって行われてい
た。また前述したように、多種多様で莫大な保有本数の
ロールにそれぞれ固有な莫大なロール情報量をロール管
理台帳等々へ一々記録・記憶させたり、実際に何ら支障
なく効率的且つ円滑に各ロールを準備し保管しておいて
は即使用していけるようにするために当該ロール管理台
帳等々から適合するロールを効率良く経済的に適時に選
択し指定したり、その指定されたロールを間違いなく識
別しながら前記諸々の管理作業が指示された通り行われ
いつでも使用できるように準備し保管できるようにした
りするなど、各ロールの諸々の作業管理を行わねばなら
ないが、これも人為的に行われていたのである。
【0016】しかしながら人手や手動によって行われる
各ロールの諸々の管理作業は、例えば指定されたロール
を目視にて照合し他のロールと識別しながら行う天井ク
レーン10による搬送作業を見ても、必らずクレーン運
転や玉掛け作業を必要とするためにその作業時間が長く
なり、能率や生産性の面でも安全面でも問題であり、そ
して常に作業者がロールと一緒に移動する必要があって
諸々の人為的なミスの発生や何よりも人手を要する欠点
があった。また、人為的に行われる各ロールの諸々の作
業管理においては、人為的なミスも多く、特定のロール
ばかり用いてしまうなど使用するロールの指定面や管理
作業を行っていく上での細かな指示面などで偏ってしま
いロール作業管理全体としてのバランスを欠き、使用中
のロールばかりか予備ロールや遊休ロールの保有本数が
増えるなど効率的且つ経済的なロール作業管理ができず
に問題であり、その管理自体にも大きく人手を要する欠
点があった。特にロール取替が頻繁に行われ、ワークロ
ールの取替頻度の多い種々の圧延工程においてこれらの
問題や欠点の影響は大きい。
【0017】そこで最近、このような多種多様で保有本
数の多い各ロールの諸々の管理作業及びそのための作業
管理全般の完全自動化が推進されており、前述の如き問
題や欠点を解消し省力化延いては無人によるロールの自
動管理化が図られている。このような自動管理ができる
ようにするために、圧延標準,ロール管理標準などの各
規定を整備し、この各規定に則りかかる各ロールの諸々
の管理作業及びそのための作業管理全般が効率的且つ円
滑に自動的に推進できるように体系化された所定の管理
作業フロー並びに管理システムが予め構成されている。
そしてこの所定の管理作業フロー並びに管理システムに
沿って、各ロールの諸々の管理作業及びそのための作業
管理が実行できるように、完全自動化に必要な機器,装
置,様々な機能作用を果たす多数のセンサーなどを備え
高精度に確実に制御作動し得る設備体勢(ハード面)を
整備し、管理目的・管理範囲及び機能作用のそれぞれ異
なる多数のコンピュータ群(ハード,ソフト両面)を有
機的,体系的に結合しランさせてかかる設備体勢全体が
自動的に作動されるようにしている。
【0018】従って、このロールの自動管理に関与する
多数のコンピュータ群中に、前記説明した各ロールの全
ロール情報と、前記ロール組替域2及びロール管理作業
域3内の全域に亘って通常予め平面的或いは立体的に位
置決めされている多数のロール規制位置(各番地)にそ
れぞれ保持され所在しているロール自体に固有なロール
情報(例えばロール識別番号)が自動的に且つ必要に応
じて末端機から逐一入力され記憶されており、当該コン
ピュータ群から直接に或いは経由して各ロールに対して
前述したような所定の管理作業フロー及び管理システム
に沿う圧延作業指令による指定や具体的な管理作業の指
示が順次出力されるようになっているのである。
【0019】例えば前述の実施例におけるロールの自動
管理においては、各圧延ロールについてその新品時に有
し加えて使用によって生じた実寸法径の径小化していく
変化,肌(表面仕上げ)の変更,ロールのペアやセット
の組合せ条件の変更,場合によって起こるロール識別番
号(ロールNo.)の変更等が逐一入力され記憶されてい
る各ロールに固有なロール情報を基準にして、圧延作業
指令における圧延材料,圧延条件等との関連でコンピュ
ータ群により選択し特定されて指定を受けたロールが、
ロールラック群4,5又は6に保管されているその規制
位置(コンピュータ群に記憶されている番地)を出発点
として、コンピュータ群から出力されたこの指定ロール
への具体的な管理作業の指示に従って、順次指示された
通りこのような出発点から圧延機のロール組替(ロール
の組込み,引出し)位置までの間に存在する各種装置及
びその装置内で、識別,搬送,移送,着脱,研摩,洗
浄,整備,保管,ロール組替といったロール管理作業が
自動的に行われるようになっているのである。
【0020】ところがこのようなロールの自動管理にお
いて、前述の如く各ロールの諸々の管理作業のいくつか
が、ロール組替域2及びロール管理作業域3で同時平行
して完全に自動的に行われる場合に、以下に説明するよ
うな諸問題や欠点があった。
【0021】 或るロールについての自動的なロール
管理作業に不測の事態、例えば圧延中の圧延材料の破断
等が生じたり,或る管理作業(処理)を行う装置が故障
したりしたときは、他の各ロールの管理作業は邪魔され
ず自動のまま極力続行できるようにし、その時のそのロ
ール管理作業のみを他の各ロールの管理作業を邪魔しな
いように先行して止むを得ず手動に切り換えて事故処理
する必要がある。そして事故処理が終ってから再び自動
的にロール管理作業を再開しようとするとき、前記手動
への切替によってコンピュータ群の中ではこのロールに
対する指定や管理作業の指示は消えており、即ちこのロ
ールはロール管理作業フローからは消えているから、こ
のロールを再び指定し、この指定を受けたロールへの管
理作業を指示すると共に作業フロー中の再出発点をコン
ピュータ群に入力する必要がある。そしてこのロールに
固有なロール情報は前記不測の事態発生前の進捗状態ま
で記憶されているので、これを調べてこのように入力す
ることはできるが、どうしても人手を介して行わねばな
らないという問題点であった。
【0022】 このようなロールの自動管理におい
て、指定された各ロールが指示された管理作業を正確に
順次行っていくためには、コンピュータ群によって予め
記憶されている各ロールに固有なロール情報を基準にし
特定されて実際に指定したロール情報(例えばその中の
一つがロール識別番号である)と、このロール情報に従
って指示された管理作業の行われるロール現品とが確実
に一致する必要がある。このようなロール現品の確認
は、従来においては前述の如くロールの非常に限定され
た位置で狭小な曲面形状をなす外周面に人手によって比
較的大きくて不揃に付与された打刻印やマーキング(例
えばロール識別番号,ロールNo.等)であるので、最小
且つ簡単であって最も基本的で重要な各ロールの識別番
号ですら各ロールのいくところ全てで人が目視して照合
し確認せねばならず、精度良く機械的に読み取ったり検
出したりすることは不可能であり、実質的なロールの自
動管理ができない問題があった。従って、人の目視によ
らず指定を受けたロール自体(ロール現品)を自動的に
確実に照合し確認できること、つまりロールに付与され
たロール情報を自動的に確実に検出し得て照合・確認で
きて他のロールと識別できることが必要不可欠であっ
た。
【0023】 前記ロールラック群4,5又は6や各
装置やこの各装置間に予め立体的に位置決めされている
多数の各ロール規制位置(各番地)に、そしてコンピュ
ータ群に記憶されているこの各番地に、管理目標(目
的)通り所定の各ロール自体(各ロール現品)が一旦正
確に保持されると共にそれらの所在番地が記憶されてい
たとしても、この正常な状態が狂ってしまうことがあ
る。即ち、記憶されている現所在番地に当然所在してい
る筈のロール現品がないという状態が出現する問題があ
る。このためにも、指定されたロール現品に付与されて
いるロール情報を人の目視によらず自動的に常時又は適
時に確実に検出し照合・確認できて他のロールと識別し
得ると共に、かかる現所在番地に指定を受けた該当ロー
ル現品が間違いなく所在しているか否かを確認できるこ
とが必要である。この記憶されている現所在番地に該当
するロール現品がないという状態が出現するのは、前記
項に記載した不測の事態に対して人手や手動を介して
行われるロール現品確認ミスやコンピュータ群への未入
力・入力ミスなどの事故処理ミスとか、前述したように
そのロール自体の使用において生じる肌(表面仕上げ)
の変更やロールのペア及びセットの崩れによる組合せ条
件の変更や場合によって起る識別番号(ロールNo.)の
変更などによって生じ人手や手動を介して行われるロー
ル現品確認ミスやコンピュータ群への未入力・入力ミス
等々の原因による。
【0024】 そこでロール現品に付与され自動的に
検出可能なロール情報の付与手段として、人手による打
刻印やマーキングに替えて、前述したロール自体の使用
において生じる諸々の変更にも簡単に対応できるよう
に、図2に示す如く印刷等によらず貼替え自在なバーコ
ードラベル27を支障のないロールの一端部に貼付し
た。このバーコードラベル27の貼付によるロール情報
の付与手段は、 イ)バーコードラベル27の貼付やその貼替えにおいて
ロール軸芯に平行又は直角にうまく貼付できないので精
度良く検出できない場合が起こる、 ロ)通常バーコードラベル27に取り込めるロール情報
量は、ロール識別番号程度の極く少量のものであり、多
量に入力しておいてより充分に照合・確認し他のロール
とより自動的に確実に識別したり、他の有効利用ができ
ない、 ハ)一旦貼付したバーコードラベル27内に取り込んだ
ロール情報を変更,抹消,入れ替えなどするとき、ロー
ル情報を付与する最初のラベル貼付に始まり一々入手に
よって貼り替えしなければならない、 ニ)バーコードラベル27内に一旦取り込んだロール情
報を単に読み取る,検出するだけであり、実際にそのロ
ールの使用によって生じる新たなロール情報や前述した
様々な変更などのその他の必要な情報を自動的に入力で
きない、といった諸々の問題や欠点があったのである。
【0025】従って以上に詳述したように、止むを得な
い場合を除き完全にロールの自動管理を行っていく上
で、実質的なロール自動管理化ができないなど色々と解
消すべき問題や欠点があり、いずれにしても人手や手動
によらざるを得ず、手間,暇がかかる上にミスも多く、
前記例示した冷間圧延工程のように多種多様なロールを
多数保有していて高頻度に行われるロール組替に備えて
諸々のロール管理作業及びそのための作業管理を効率的
且つ円滑に自動的に推進しようとしても、不測の事態の
発生も少なくなく、諸々のミスも発生し、付与できるロ
ール情報量が少なすぎたりして、その度に入手,時間を
要し、ロールの自動管理化ができなかったり或いは折角
実施した自動管理化の効果が半減したりするのである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、様々な目的
にロールを使用していく上で付随して発生するロールそ
のものの諸々の管理作業及びそのための作業管理を行う
ロールの自動管理において、前述したような諸問題や欠
点を解消し、効率的で円滑なロールの完全な自動管理を
行い得るようにすることを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々検討した
結果、ロールの自動管理を行うためにその設備体勢を整
備し、この設備体勢が自動的に作動できるように体系的
に結合したコンピュータ群を備えた設備体勢全体を準備
しておいて、ロールの諸々の管理作業及びそのための作
業管理全般を推進するための所定の管理作業フロー並び
に管理システムに沿って自動的に実行できるように、例
えば冷間圧延など様々な目的で使用する総てのロールに
対してその固有なロール情報をそのロール自体に機器に
より読取り(検出)及び入力可能に付与しておき、その
ロールの新品時に有し加えてその使用によって生じる固
有なロール情報の全部又は一部を適時に入力しつつ、当
該ロール自体から検出される固有なロール情報に基づき
前記コンピュータ群から発信されるロール指定信号並び
にそのロールへの管理作業指示信号を含む指令信号に従
って、指定を受けたロールか否か照合し識別しながら少
なくとも指定に合致したロールを確実に用いて、前記ロ
ールの諸々の管理作業における指示された管理作業を順
次自動的に行うことと、そのロールに固有なロール情報
がロール自体の特定位置に機器により適時且つ適量に検
出及び入力可能に付与し得るロールを用いることによ
り、前記課題を解決できることを究明して本発明を成し
た。
【0028】以下、本発明に係るロールの自動管理方法
及びこの方法を実施するのに好適なロールについて、図
示し実施例を用いて詳細に説明する。図3は本発明方法
において使用するロールの特定位置にロール情報を付与
する状態の実施例を示す斜視図、図4は図3のA−A線
断面図、図5はロールの諸々の管理作業においてロール
自動搬送装置等を用いてロールの自動搬送作業を行う一
つの管理作業例を示す説明図である。
【0029】ロールの自動管理におけるロールの諸々の
管理作業のうちでも、ロールの自動的な搬送作業は最も
基本的な管理作業の一つであって頻繁に行われ、この自
動化による省力効果は大きく、完全自動化するためには
必ず行わねばならないものである。図1を利用して説明
すると、ロールの搬送作業そのものは、ロール管理作業
域3においてロールラック群4,5又は6に保管される
ロールの規制位置(番地)を出発点とすると共に最終点
として、主として天井クレーン10によって行われる。
【0030】そこで次に、このようなロールの各管理作
業における主要作業である天井クレーン10によるロー
ルの搬送作業の自動化について説明する。この自動化
は、主として天井クレーン10そのものの自動搬送装置
化と、この天井クレーン10によって着脱容易にロール
を保持し保管するために立体的に正確に位置決めされた
多数のロール規制位置(番地)の設けられているロール
ラックの設置など設備体勢の整備とを要し、図5に示す
ように先ず自動化された自動天井クレーン21を本出願
人の出願に係る先願(特開平4−89796号公報参
照)を引用して概略説明する。この自動天井クレーン2
1は、建屋内の天井を一定の直線方向(紙面に対し垂直
方向)に走行する本体フレーム220を基台とする走行
装置22と、この本体フレーム220上をその走行方向
と直角に横行する横行フレーム230を基台とする横行
装置23と、この横行フレーム230に鉛直方向に昇降
可能に設置されたロール保持移動装置24とから成り、
各装置においてロール26を着脱し受渡しする各所定の
規制位置(番地)に基づく停止位置に前記走行装置2
2,横行装置23及びロール保持移動装置24をそれぞ
れ制御し停止させる停止機構を備え、なお且つ前記ロー
ル保持移動装置24がこの装置24に保持されたロール
26を前記各所定の規制位置に着脱し受渡しするための
移動機構として、昇降機構241,回転機構242,水
平移動機構243,昇降機構241による昇降に上下移
動を補足する上下動機構244,ロールホルダー間隔調
節機構245を備えて成っている。
【0031】この自動天井クレーン21の機能作用を説
明する。格別図示していないコンピュータ群から発信さ
れる指令(ロール指定信号並びにそのロールへの管理作
業指示信号)に従って、走行装置22と横行装置23と
によってロール保持移動装置24をその搬送作業対象の
指定ロールが存在する規制位置(番地)例えば図4に例
示するロール26がその番地に正確に横架されたロール
ラック25の上方に移動させ、昇降機構241によって
ロール保持移動装置24を適切な位置まで降下させ、回
転機構242によってロールホルダー246を指定ロー
ル26に向け、ホールダー間隔調節機構245によって
ロールホルダー246(左右2個あり)の間隔を指定ロ
ールの長さに適合するように調節し、矢印a方向に移動
する水平移動機構243によってロールホルダー246
を搬送作業対象の指定ロール26の真下に移動させ、上
下動機構244によってロールホルダー246を少しだ
け上昇させてその上に指定ロール26を載架させ、水平
移動機構243によって元の位置の上方に位置させ、昇
降機構241によってロール保持移動装置24全体を上
昇させる。次いで走行装置22と横行装置23とによっ
て指示された搬送作業先の上方にロール保持移動装置2
4を位置させ、後は前記に準じて目的とする規制位置
(番地)に指定ロール26を正確に渡すのである。そし
てこのような各部の各移動,載架,回転,停止等の調節
動作は、このような各部や搬送作業先の各装置及びその
経路の随所に多数配置されている種々のセンサーやその
センサー同士の相互作用を受けて、駆動モータの回転数
の制御,各部の回転方向やその回転量,油圧シリンダの
作動距離の制御等の手段によって前記コンピュータ群か
らの指定や指示などの指令の通りに行われて、各部は所
定の位置に正確に作動し位置するのである。
【0032】このようなロールの自動管理においては、
前記例示したように、自動制御される自動天井クレーン
21によって、同じく自動制御される各装置の間を所定
の管理作業フロー(例えば図1によって前記説明したロ
ールの各管理作業の流れを基準とするように)に沿い、
体系的に結合されたコンピュータ群から順次発信(出
力)されるかかる指令に従って、ロール26をロールラ
ック25を出発点且つ最終点として各装置のそれぞれの
規制位置(番地)の間を単に搬送作業を行って受渡しす
るだけではなくて、同様にして前述した如くロール26
に対して選択,識別,移送,着脱,研摩,洗浄,整備,
保管,ロール組替(ロールの組込みや引出し)といった
各ロール管理作業を自動的に行いながら所定の管理作業
コースを進行していくのである。
【0033】このようなロールの自動管理下における管
理作業は、図1に例示したロール組替域2並びにロール
管理作業域3にあっても、通常は複数のロールが複数の
装置内或いはその各規制位置(番地)においてそれぞれ
同時に進行していることが多いのである。例えばロール
ラック群4,5又は6からロールが自動天井クレーン2
1によりロールパレット積載装置11に搬送されてお
り、ロール台車16が旧ロールの並置されているロール
パレットを上段に載せてロールパレット積載装置13に
向かって移動中であり、ロールグラインダー8とロール
洗浄装置7とにはロールが装着されてそれぞれ研摩,洗
浄中であり、これらの各管理作業が同時に進行している
場合が多いのである。このような自動的なロールの管理
作業中に、どれかの管理作業例えば圧延中の圧延材料の
破断が発生するという不測の事態が発生したときは、圧
延機の自動運転を停止して事故処理を行い、その不測の
事態に遭遇し関与したロールの管理作業のみを他の各ロ
ールの管理作業の進行を邪魔しないように止むを得ず手
動に切り替えて事故処理し、他の各ロールの管理作業は
そのまま自動的に続行させるのである。その際、事故処
理のため手動への切替によってコンピュータ群の中には
その不測の事態に関与したロールに対しての指令(ロー
ル指定や管理作業指示)は消えているから、このロール
を再び指定し、この指定を受けたロールへの管理作業を
再び指示すると共に管理作業フロー中の再出発点をコン
ピュータ群に入力する必要がある。
【0034】この時、このロールに固有なロール情報を
このロール自体の特定位置に機器により自動的に読取り
(検出)及び入力可能なロールを使用しており、予めこ
のロールの新品時に有し加えてその使用開始から前記不
測の事態発生前までの進捗状態などロールに固有なロー
ル情報をロール自体に記憶させておくこともできるの
で、このようなロール自体から機器を通じてコンピュー
タ群の中へ再び入力することもできるし、このように入
力されたロール自体からの固有な多数のロール情報と前
以って逐一入力しコンピュータ群中に記憶されているこ
のロールに関しての多数のロール情報とを人手を介し目
視によることなく自動的に充分に照合し相互チェック
(両者のロール情報同士のダブルチェック)して確認で
きるので、このロール自体(ロール現品)を他のロール
とより正確に識別し得ることができると共にコンピュー
タ群からの指定ロールに正確に合致したロールを用いて
確実な再指令を出すことができるのである。
【0035】このように、ロールに固有なロール情報を
ロール自体に機器により単に読み取り(検出)できるだ
けでなく入力することもできるロールを用い、そのロー
ル自体にその新品時に有し加えてその使用によって生じ
る諸々の固有な多数のロール情報の全部又は適量な一部
を適時に入力し記憶させたロールを使用することは、前
述したような不測の事態が発生したときに的確な対応が
極力人手を介することなくできるだけでなく、基本的に
コンピュータ群からの指令に対するロール自体(ロール
現品)の識別作業が自動的に行われて現品確認され、一
方コンピュータ群中に記憶されている諸々のロール情報
も絶えず自動的にチェックを受けながら現品確認される
ので異常状態も発見できるし正常な記憶状態が狂ってし
まうことがなく、ロールに対する確実な管理作業の指令
並びにそのための作業管理が可能となって、実質的なロ
ールの完全自動管理ができるようになるのである。
【0036】また比較的長期に滞留する諸々の余備ロー
ルや遊休ロール自体にもかかる固有なロール情報を正確
に入力し保管しておくことも可能となり、仮にコンピュ
ータ群中に記憶されているこれらのロール情報が前述し
たように諸々の原因によって狂ってしまう状態に陥って
も照合し再確認して正常化することができる。更にロー
ルを再生したり特殊な肌(表面仕上げ)に加工処理した
りするときに他工場など遠隔地に輸送した場合に、その
遠隔地先でもロール自体から入力し記憶されているロー
ル情報(ロールの履歴)を自動的に読み取り(検出
し)、ロールの現品確認や実寸法径等をはじめチェック
することができるのである。
【0037】さて、このような諸々のロール自体の特定
位置にそのロールに固有なロール情報を比較的多量に機
器により読取り(検出)及び入力可能に付与する手段
(仕方)の態様はいくつかある。このように付与できる
ロール自体の特定位置は、前記従来の技術において説明
したように、ロール自体の非常に限定された位置で曲面
形状をなす狭小な面積であるから、図3の実施例及びこ
の図3のA−A線断面を図示する図4にその付与状態の
事例が示されるように、ICチップ28,光ディス
クなどに使用されているような光による記録担体29,
磁気ディスクや磁気フィルムなどに使用されているよ
うな磁気による記録担体30,電磁石をSNを変えて
並列したもの31等をロール26の端部におけるかかる
狭小な面積内に配置し固定しておくのである。より具体
的には図4に示すようにロール26の端部に僅かなロー
ル凹部32を形成し、このロール凹部32に前記ICチ
ップ28等を正確に配置し、その上を透明な合成樹脂等
の保護膜(板でも良い)33でカバーし固定しておくの
である。これらから実際に付与されているロール情報を
読取り(検出)及び入力し得る機器としては、につい
ては広くはデジタル集積回路を具備する装置で、につ
いては光学的な手段により光による記録担体に情報の読
み書きの行える光記録装置で、については磁気ヘッド
で、については磁極の入れ替え読み取り機である。そ
して、これらの機器は、例えば図1に示すロール組替域
2並びにロール管理作業域3内にそれぞれ配置されてい
るロールラック4,5及び6(25)、自動天井クレー
ン21、ロールパレット積載装置(11〜14,17〜
18)、ロールグラインダ8,9又はその移送装置8
1,91、洗浄装置7、必要に応じてロールの搬送経路
中等々のうちの任意なものの適切な箇所に、好適な機器
を通常複数設置しておくのが好ましく、しかも設置され
たいずれの機器も前記コンピュータ群に入出力可能に接
続されているのである。一方、前記したように保護膜
(板でも良い)33でカバーし固定しておけば、水分や
湿気,圧延油,研摩油,洗浄液などに対して前記ICチ
ップ28等を劣化し変化させないので好ましい。またロ
ールの回転停止位置に関係なく、ロールの回転を停止さ
せない状態でロール情報を読取り(検出)及び入力する
ことも可能なのである。
【0038】
【発明の効果】以上に詳述した本発明に係るロールの自
動管理方法及びそのロールにおいては、多種多様で多数
保有している各ロールを自動管理するために有機的,体
系的に結合されたコンピュータ群から発信される指令信
号に従って、その指定されたロールに少なくとも合致し
たロールを用いて、様々な目的に使用されるロールを実
際に使用していく上で付随して発生するロールそのもの
の各管理作業のうちの指示された管理作業を順次確実に
行うことができるのであり、つまり止むを得えない場合
を除き人手を介さず目視や手動によることなく各ロール
の諸々の管理作業及びそのための作業管理全般をバラン
ス良く,円滑で効率的に,経済的に完全自動化が可能と
なり実質的なロールの自動管理ができるのであり、より
具体的には以下に列挙するような効果を揚げることがで
き、その工業的価値は非常に大きなものがある。
【0039】 ロールに固有で多量なロール情報を、
ロールへの指令信号を発信するコンピュータ群へ一極集
中的に逐一入力するだけでなく、そのロール自体(ロー
ル現品)にも適時適量入力し記憶させておくことができ
るので、ロールの行く所に人がついてまわり目視により
指定ロールか否か照合し確認して他のロールと識別する
こともなく、自動的に照合し正確に識別できるし、コン
ピュータ群の中に記憶されているところの立体的に位置
決めされている規制位置(番地)に指定されたロールに
合致するロールを確実に所在させることができる。 ロールの自動管理を行っていくに際して、色々な不
測の事態が発生し、使用ロールのペアやセットなどロー
ル組合せ条件の変更や仕上肌の変更や場合によってはロ
ール識別番号の変更等といった諸々の変更が出現するの
で、コンピュータ群の中の記憶内容に次第に狂いが生じ
ていく、つまり現場的にはロールの現品管理が不正確に
なっていく場合があるが、ロール自体に付与されている
ロール情報とコンピュータ群の中に記憶されているロー
ル情報及びその所在番地とをその都度自動的に照合して
は相互チェックを行うことができるので、かかる異常状
態を発見できるし正常化することができる。 そして、このような不測の事態の対応処理、諸々な
変更処理などを行うに際しては、ロール自体(ロール現
品)に直接に触れて人手を介すことなく、端末機から迅
速且つ容易に行うことができる。 従って、前記,,項によって、各ロールの管
理作業及びそのための作業管理が、諸々のミスも殆どな
くなり、偏りもなく全体としてバランスがとれて何より
も確実な指示のもとに行えるようになる。 よって、単に省力或いは単なる監視業務程度の管理
で済むようになり、例えば圧延材料の品質向上や維持な
どロールの使用目的を円満に果たし、ロール保有本数の
節域とが全体としての生産性向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール管理作業状況の一例を示す作業動態図で
ある。
【図2】従来においてバーコード及びそのラベルを使用
するロールのロール情報付与状態の1実施例を示す斜視
図である。
【図3】本発明方法において使用するロールの特定位置
にロール情報を付与する状態の実施例を示す斜視図であ
る。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】ロールの諸々の管理作業においてロール自動搬
送装置等を用いてロールの自動搬送作業を行う一つの管
理作業例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧延機 2 ロール組替域 3 ロール管理作業域 4,5,6 ロールラック群 7 ロール洗浄装置 8,9 ロールグラインダ 81,91 ロールグラインダの移送装置 10 天井クレーン 11,12,13,14 ロールパレット積載装置 15,16 ロール台車 17,18 ロールパレット積載装置 19 ロール組替台車 20 ロール整備装置 21 自動天井クレーン 22 走行装置 220 本体フレーム 23 横行装置 230 横行フレーム 24 ロール保持移動装置 241 昇降機構 242 回転機構 243 水平移動機構 244 上下動機構 245 ロールホルダー間隔調節機構 246 ロールホルダー 25 ロール規制位置(番地)を有するロールラック 26 ロール 27 バーコード(ラベル) 28 ICチップ 29 光ディスク 30 磁気ディスク,磁気フィルム 31 電磁石 32 ロール凹部 33 保護膜(板)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロールが新品時に有し加えて使用によっ
    て生じるそのロールに固有なロール情報に基づいて、ロ
    ールの選別,識別,搬送,移送,着脱,研摩,洗浄,整
    備,保管等のロールを使用する上で付随して発生するロ
    ールの各管理作業をコンピュータから出力される指令信
    号に従って順次行うロールの自動管理において、前記ロ
    ールに固有なロール情報をそのロール自体に、機器によ
    り検出及び入力可能に付与しておき、新品時に有し加え
    て使用によって生じるそのロールに固有なロール情報の
    全部又は一部を適時に入力しつつ、当該ロール自体から
    検出されるロールに固有なロール情報に基づき前記指令
    信号に従って指定されたロールに少なくとも合致したロ
    ールを用いて前記ロールの各管理作業における指示され
    た管理作業を順次自動的に行うことを特徴とするロール
    の自動管理方法。
  2. 【請求項2】 ロールに固有なロール情報がそのロール
    自体の特定位置に機器により検出及び入力可能に付与さ
    れていることを特徴とするロール。
  3. 【請求項3】 ロール情報がICチップにより付与され
    ている請求項2に記載のロール。
  4. 【請求項4】 ロール情報が光による記録担体により付
    与されている請求項2に記載のロール。
  5. 【請求項5】 ロール情報が磁気による記録担体により
    付与されている請求項2に記載のロール。
  6. 【請求項6】 ロール情報が電磁石をSNを変えて並列
    したものにより付与されている請求項2に記載のロー
    ル。
JP26559992A 1992-09-09 1992-09-09 ロールの自動管理方法及びそのロール Withdrawn JPH0687009A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26559992A JPH0687009A (ja) 1992-09-09 1992-09-09 ロールの自動管理方法及びそのロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26559992A JPH0687009A (ja) 1992-09-09 1992-09-09 ロールの自動管理方法及びそのロール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0687009A true JPH0687009A (ja) 1994-03-29

Family

ID=17419369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26559992A Withdrawn JPH0687009A (ja) 1992-09-09 1992-09-09 ロールの自動管理方法及びそのロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0687009A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010012482A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Nisshin Steel Co Ltd ロール情報管理部材
JP2010201440A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Nisshin Steel Co Ltd ロールショップ管理システム
JP2013121618A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 遠隔操作可能な圧延ロール組替装置
CN108732895A (zh) * 2017-04-21 2018-11-02 富士施乐株式会社 旋转体、纸张搬送装置、定影装置以及图像形成装置
US11642865B2 (en) 2017-04-14 2023-05-09 Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems, Ltd. Corrugated cardboard sheet manufacturing system
WO2023188460A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 尾高ゴム工業株式会社 ロール

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010012482A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Nisshin Steel Co Ltd ロール情報管理部材
JP2010201440A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Nisshin Steel Co Ltd ロールショップ管理システム
JP2013121618A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 遠隔操作可能な圧延ロール組替装置
US11642865B2 (en) 2017-04-14 2023-05-09 Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems, Ltd. Corrugated cardboard sheet manufacturing system
CN108732895A (zh) * 2017-04-21 2018-11-02 富士施乐株式会社 旋转体、纸张搬送装置、定影装置以及图像形成装置
JP2018180487A (ja) * 2017-04-21 2018-11-15 富士ゼロックス株式会社 回転体、用紙搬送装置、定着装置及び画像形成装置
WO2023188460A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 尾高ゴム工業株式会社 ロール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW300211B (ja)
JP5557455B2 (ja) ロールショップ管理システム
US5880965A (en) Method of controlling a sheet metal machining line and apparatus for controlling the same
JP6029928B2 (ja) 切断設備
JPH0687009A (ja) ロールの自動管理方法及びそのロール
US3892113A (en) Method and apparatus for transporting and storing heavy commodities
JPS6337006A (ja) 物品仕分け設備
JP5557462B2 (ja) ロールショップ管理システム
JP3080099B2 (ja) スラブ供給ヤード
JP2001253530A (ja) 搬送コンベア
JPH10230438A (ja) 加工具の交換システム
JP5570747B2 (ja) ロールショップ管理システム
JPH07108305A (ja) ロールショップの操業方法
JPS60108259A (ja) 加工システムにおけるパレット異常処理装置
JPH02236604A (ja) 自律分散形加工セルの情報処理装置
JP5637696B2 (ja) ロールショップ管理システム
JP3451649B2 (ja) シートロール加工設備
JP5525844B2 (ja) ロールショップ管理システム
JP3989119B2 (ja) 物品保管管理システム
JPH06183526A (ja) 物流センターの棚卸システムとその方法
JPH03142150A (ja) 自動加工システム
JPS58109256A (ja) 自動加工工程におけるワークのプリセットシステム装置
JPH04199305A (ja) 生産管理システム
JPH02185348A (ja) 板金生産設備
JP3974285B2 (ja) 物品保管管理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19991130