JPH068577U - 無機質壁板の接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 四周嵌合形式の壁板において、接続部分、特
に角部における防水性を改良することを目的とする。 【構成】 方形状をなす壁板１の隣接する周囲２辺１
Ａ、１Ｂには突出する接合片２、２が、他の周囲２辺１
Ｃ、１Ｄには前記突出接合片を受容する凹入接合溝３、
３が形成された四周嵌合方式の無機質壁板１を接続する
構造であって、互いに接続される壁板１、１の縦目地４
の裏面側４Ａに縦目地４に沿うリブ５Ａの突設された防
水板５が配設され、該防水板５のリブ外周に圧縮弾性を
有するシール材６が被せられ、該シール材６の被せられ
たリブ５Ａを挟んで前記壁板１、１が横方向に突きつけ
られ、該突きつけられた壁板１、１の縦目地４に隣接す
る横目地７、７には、圧縮弾性を有するテープ状のシー
ル材８が、前記接合片２と凹入接合溝３との接合界面に
沿って介挿されて上下方向壁板１、１が接続されて構成
され、各接合界面に介挿されるシール材６、８により防
水を完全とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は無機質壁板の接合構造に関し、詳しくは方形状をなす壁板の隣接す る周囲２辺には突出する接合片が、他の周囲２辺には前記突出接合片を受容する 凹入接合溝が形成された四周嵌合方式の無機質壁板の接続構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、セメント等を主成分として成形された無機質壁板は、接合時の相互の壁 板の接続及び防水性を確実とするため、上下に接続される壁板の上下端縁に互い に雌雄関係をなして嵌合する接合段部を形成することが行われている。 しかし、この種壁板を接合する場合、上下方向へは確実に接続できても横方向 の壁板の接合は単なる突き合わせとなるので、この部分の水密性確保には別途ジ ョイナー材等を使用する必要があり、施工が面倒となりまた完全な防水も困難と なる欠点があった。 このような欠点を解消するため、図５に示すように壁板Ａの隣接する２辺には 突出する接合片Ｂ、Ｂを、他の２辺には前記突出接合片を受容する凹入接合溝Ｃ 、Ｃを形成し、縦横方向に壁板を互いの接合片Ｂ、Ｃを嵌合させて接続していく 四周嵌合方式の構造とした壁板が提案されている。

【０００３】

【従来技術の問題点】

しかし、上記四周嵌合方式の壁板の場合、図６に示すように４枚の壁板Ａ…Ａ の接合角部における防水が完全に出来なくなる問題があった。 即ち、壁板Ａの突出接合片Ｂと凹入接合溝Ｃの位置関係より、壁板表面より裏 面へ直線的に貫通するピンホール状の孔Ｄ、Ｄが２ヵ所できこのピンホールを通 じて雨水が直接壁板裏面へと浸入することがあった。

【０００４】 このような問題を解消するため、壁板の接合部裏面に沿って防水用捨板金物を 延設し、壁面下部から排水するようにすることも行われるが、この場合防水用捨 板金物は縦目地部分に沿って壁面裏面の上下方向に全通配置する必要があるので 壁板を千鳥状配列とした場合、壁板を田字状配列とした場合に比べ２倍量以上の 防水用捨板金物を必要とし、不経済となると共に施工の手間もかかる欠点があっ た。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は上記問題点に鑑み、四周嵌合形式の壁板において、接続部分、特に 角部における防水性が良く、防水用捨板金物なども全く必要としない無機質壁板 の接合構造を提供することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、この考案の無機質壁板の接合構造は、方形状をなす壁板１の隣接する周 囲２辺１Ａ、１Ｂには突出する接合片２、２が、他の周囲２辺１Ｃ、１Ｄには前 記突出接合片を受容する凹入接合溝３、３が形成された四周嵌合方式の無機質壁 板１を接続する構造であって、互いに接続される壁板１、１の縦目地４の裏面側 ４Ａに縦目地４に沿うリブ５Ａの突設された防水板５が配設され、該防水板５の リブ外周に圧縮弾性を有するシール材６が被せられ、該シール材６の被せられた リブ５Ａを挟んで前記壁板１、１が横方向に突きつけられ、該突きつけられた壁 板１、１の縦目地４に隣接する横目地７、７には、圧縮弾性を有するテープ状の シール材８が、前記接合片２と凹入接合溝３との接合界面に沿って介挿されて上 下方向壁板１、１が接続されてなることを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

次にこの考案の実施例を説明する。

【０００８】 図１はこの考案の実施例の縦目地部分を説明するための要部分解斜視図、図２ は実施例の横目地部分を説明するための要部分解斜視図、図３は実施例の正面図 、図４は他の実施例の斜視図である。

【０００９】 この考案の無機質壁板の接合構造は、繊維補強セメント製とされた方形状をな す壁板１の隣接する周囲２辺１Ａ、１Ｂには突出する接合片２、２が、他の周囲 ２辺１Ｃ、１Ｄには突出接合片２、２を受容する凹入接合溝３、３が形成された 四周嵌合方式の無機質壁板１を接続する場合において、図１に示すように互いに 接続される壁板１、１の縦目地４の裏面側４Ａに縦目地４に沿うリブ５Ａの突設 された防水板５が配設され、防水板５のリブ５Ａ外周に圧縮弾性を有するシール 材６が被せられ、シール材６の被せられたリブ５Ａを挟んで壁板１、１が横方向 に突きつけられ、この突きつけられた壁板１、１の縦目地４に隣接する横目地７ 、７には、図２に示すように圧縮弾性を有するテープ状のシール材８、８が、接 合片２と凹入接合溝３との接合界面に沿って介挿されて上下方向壁板１、１が接 続されて構成されている。

【００１０】 上記実施例において、防水板５には図４に示すように、リブ５Ａ以外の基板部 ５Ｂにも圧縮弾性を有するシール材６Ａを貼着しても良い。

【００１１】

【作用】

この考案の無機質壁板１を接合する場合、図１に示すように壁板１、１を横方 向へ接続する時、その縦目地裏面４Ａに防水板５を配置し、シール材６の被せら れたリブ５Ａを縦目地４に介挿して壁板１、１を横方向に接続して固定し、次い で図２に示すように横目地７部分にテープ状のシール材８、８を粘着などにより 配置して、上下方向の壁板１、１を配置する。なお、上下方向に配置される壁板 １、１の縦目地４にも上記したシール材６の被せられたリブ５の延長部分が介挿 されるのは言うまでもない。

【００１２】 なお、図４のように、防水板５の基板部５Ｂにもシール材を貼着した場合は、 壁板１、１の横方向位置ずれが生じリブ５Ａを覆うシール材６の圧縮力が不足し た場合でも防水性が確保される。

【００１３】 以上より、四枚の壁板１…１が接続される部分は、縦目地４は防水材６とリブ ５Ａにより、また横目地は目地間に介挿した防水テープ８によりシールされるの で、この部分からの雨水の浸入は完全に防止できる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように、四周嵌合形式の壁板であっても、接合角部に おける隙間はシール材により完全に充填されるのでピンホールは全く出来ず、極 めて良好な防水性が得られる。また、防水施工を施す部分は接合角部に限って良 いので施工の最の部品点数の減少化も図れ経済的な施工ができるなど種々の実用 的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の縦目地部分を説明するため
の要部分解斜視図である。

【図２】実施例の横目地部分を説明するための要部分解
斜視図である。

【図３】実施例の正面図である。

【図４】他の実施例の斜視図である。

【図５】四周嵌合方式の無機質壁板の正面図である。

【図６】従来の接合構造を示す要部正面図である。

【符号の説明】

１ …方形状をなす壁板 １Ａ、１Ｂ…隣接する周囲２辺 １Ｃ、１Ｄ…他の周囲２辺 ２ …突出接合片 ３ …凹入接合溝 ４ …縦目地 ４Ａ …裏面側 ５Ａ …リブ ５ …防水板 ６ …シール材 ７ …横目地 ８ …テープ状のシール材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形状をなす壁板１の隣接する周囲２辺
   １Ａ、１Ｂには突出する接合片２、２が、他の周囲２辺
   １Ｃ、１Ｄには前記突出接合片を受容する凹入接合溝
   ３、３が形成された四周嵌合方式の無機質壁板１を接続
   する構造であって、互いに接続される壁板１、１の縦目
   地４の裏面側４Ａに縦目地４に沿うリブ５Ａの突設され
   た防水板５が配設され、該防水板５のリブ外周に圧縮弾
   性を有するシール材６が被せられ、該シール材６の被せ
   られたリブ５Ａを挟んで前記壁板１、１が横方向に突き
   つけられ、該突きつけられた壁板１、１の縦目地４に隣
   接する横目地７、７には、圧縮弾性を有するテープ状の
   シール材８が、前記接合片２と凹入接合溝３との接合界
   面に沿って介挿されて上下方向壁板１、１が接続されて
   なることを特徴とする無機質壁板の接合構造。