JPH068489Y2 - パレット検査装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1)産業上の利用分野 本願考案は、パレットの破損状態を自動的に検査する装
置に関する。

(2)従来技術 第１図に示す如くパレット１は段ボール箱等をその上に
積み上げ、フォークリフトで運搬する際に用いられるも
のであるが、平面を形成する上下の平板２とそれらを結
合させているリブ材３より構成されている。そして木製
のパレットは安価で多く利用されているが、破損もし易
く、なかでも平板２にその傾向が著しく、従来はその検
査に人が目視により行っていた。

(3)考案が解決しようとする問題点 しかし前述の従来方法であると、個人差によるバラツ
キ、見落し、さらにはスペースおよび労力の関係上積み
上げたまま検査するため、パレット個々には見えない部
分もでてくる等の問題点があった。これらの原因により
不良パレットでもパスすることがあり、パレットに荷物
を載せたとき荷崩れ等のトラブルが生じることがあっ
た。

このような現状に鑑み本願考案者は鋭意研究の結果、パ
レットの平板に対応させて光電管等の検出センサーを配
置し、パレットをそのセンサーに沿って移動させればパ
レットの破損を検出することができるという知見の基に
本願考案を完成させた。

すなわち本願考案は、平面を形成する上下の平板とそれ
らを結合させるリブ材よりなりスノコ状に形成されたパ
レットの破損状態を該平板の長手方向に移送させながら
検査する下記(a)〜(b)からなるパレット検査装置であ
る。

(a)積層パレットを上下動させるパレット昇降装置、該
昇降装置で持ち上げた積層パレットの下より２番目以上
の下降を防止して支持するパレット支持装置、及び該昇
降装置により下降させた最下位のパレットを次工程にお
くる搬送装置よりなるパレット供給装置 (b)該パレット供給装置より送られたパレットを移動さ
せる搬送装置、該搬送装置上のパレットの平板に対向し
その移動方向に対して直角方向に配置されパレットの破
損状態を検査する複数の破損パレット検出センサーより
なるパレット検査装置 (c)パレット検査装置より送られたパレットを受ける搬
送装置、該搬送装置上に送られたパレットを上下動させ
るパレット昇降装置、該パレット昇降装置により上動さ
れたパレットと係合し検査済みのパレットを支持するパ
レット支持装置よりなる正常パレット積層装置、同じく
パレット検査装置より送られたパレットを受ける搬送装
置、該搬送装置上に送られたパレットを上下動させるパ
レット昇降装置、該パレット昇降装置により上動された
パレットと係合し検査済みのパレットを支持するパレッ
ト支持装置よりなる不良パレット積層装置、検査装置の
信号に応じて作動し正常パレット積層装置と不良パレッ
トのうち上流側に配置されたものの何れか一方の下流側
に設けられ正常パレットと不良パレットを選別するパレ
ットストッパー、及び最下流に設けられパレットを停止
させる固定式パレットストッパーから形成され、検査済
みのパレットを積み上げるパレット積層装置 (d)前記(a)〜(c)の作用をシーケンス制御する手段 (4)問題点を解決するための手段 先ず第２図において５は本願に係るパレット自動検査装
置を示し、検査のため積み上げられたパレット１を１枚
づつ次工程へ移送するパレット供給装置７、該装置７よ
り供給されたパレット１を検査するパレット検査装置
８、および検査済のパレット１をを積み上げるパレット
積層装置９より構成され、そしてパレット積層装置９は
正常パレット積層装置１０と不良パレット積層装置１１
より構成されている。

６はパレット自動検査装置５の全般の作動を制御するコ
ントローラーである。

そして先ず第２図および第３図を基にパレット供給装置
７から説明するに、１２はパレット１を次工程に移送す
る搬送装置で、例えばチェーンコンベアが好適であり、
これはパレット検査装置８およびパレット積層装置９で
も同様である。そしてフォークリフトである枚数積み上
げられたパレット１はこの搬送装置１２の上に供給され
る。この際積み上げるパレット１の方向は検査のため
に、搬送方向が平板２の長手方向になるようにする。

１３はシリンダー１４およびパレット支持部材１５より
成るパレット支持装置で、搬送装置１２の上方にそれを
挟んで相対応して１対設置される。そしてパレット支持
装置１３は後述する如く、積み上げられたパレット１の
うち下から２番目に位置するパレット１Ａと係合し該パ
レット１Ａより上のパレット１を空中に浮かす如く支持
して、最下部に位置するパレット１Ｂのみをパレット検
査装置８へ送る作用を成す装置である。パレット支持部
材１５はクランク状の形をして成り、一端１９がシリン
ダー１４のロッドにピン固定されており、１つの直角部
を支点２１としてシリンダー１４の作用で回転自在に構
成されている。

そして次に２２は搬送装置１２における１対のチェーン
２３の間に設置されるパレット昇降装置で、シリンダー
２４およびそのロッドに固定されているパレット支持板
２５より構成され、パレット１を昇降させる作用をす
る。なお２０は搬送装置１２を駆動するモーターであ
る。

次に第２図および６図においてパレット検査装置８は主
に破損パレット検出センサー２６および搬送装置２７か
らなり、パレット供給装置７より送られてきたパレット
１を該装置２７で移動させながら検査を行う。

破損パレット検出センサー２６はパレット１の上下の平
板２に対応させて、その移動方向とは直角方向に直線状
に設置される。本実施例においては破損パレット検出セ
ンサー２６をパレット１を上下方向より挟む如く設置し
た例を示したが、荷物が積層されるのは上側であるた
め、場合によっては、下側のセンサーを省略してもよ
い。

また破損パレット検出センサー２６としてはリミットス
イッチ、光電管スイッチ等が挙げられるが、特に耐久性
等の点から限定反射型光電管スイッチが好ましく、その
スイッチ自体が発光した光の反射の有無でパレット１の
破損状態を検査するものである。

またパレット１の周辺部は破損しやすく、一部の破損で
もそれが原因で荷崩れすることもあるため、必要に応じ
第６図に示す如くパレットの端部は複数のセンサーで検
査しても良い。そして破損パレット検出センサー２６の
信号はコントローラー６へ送信される。

そして次にパレット積層装置９であるが、先ず正常パレ
ット積層装置１０から説明するに、第２図および第７図
において２８はパレット検査装置８と兼用の搬送装置
で、また、２９はパレット昇降装置で前記パレット供給
装置７のパレット昇降装置２２と構成、設置位置とも同
様である。

３０はパレット１と係合しそれを空中に浮かすごとく支
持するパレット支持装置で、一端が支点３１となって回
転自在に形成されてなる棒状の支持部材３２、および支
持部材が水平位置より下に回転させないためのストッパ
ー３３より成り、パレット支持装置３０はラチェット機
構の様な作用をなす。本パレット支持装置３０は前記の
同装置１３と異なって、支持部材３２はパレット１の上
昇により回転するよう構成されているので、該装置３０
は動力手段を有していない。

次に第１１図において３４はパレットストッパーで、シ
リンダー３５およびそのロッドにピン固定されているパ
レットストップ部材３６より成り、搬送装置２８で送ら
れてきた検査済みのパレット１を選択的にコントローラ
ー６により停止させる作用をする。なお４０は搬送装置
２８のチェーンである。

そして次に不良パレット積層装置１１であるが、第１０
図に示すように前記正常パレット積層装置１０とほぼ同
じ構成で、搬送装置３７、パレット支持装置３８、固定
式パレットストッパー３９、およびパレット昇降装置４
１より構成され、搬送装置３７は不良パレットが検出さ
れたときのみ作動すればよいので、正常パレット積層装
置１０の搬送装置２７とは別体に構成した方が好まし
い。

以下に本願考案の作用を説明するに、まずある枚数積み
上げられたパレット１はフォークリフト等によりパレッ
ト供給装置７の搬送装置１２に第３図に示す如く供給さ
れ、次いでパレット昇降装置２２によりある高さ、すな
わちパレット支持部材１５と下から２番目のパレット１
Ａにおける平板２間の中空部とが係合する高さまで持上
げられる。この際パレット支持部材１５は第３図の如く
開かれた状態で、パレット１とは係合状態にはない。そ
して次いでパレット支持装置１３を作動させて、パレッ
ト支持部材１５と持ち上げられたパレット１のうち下か
ら２番目のパレット１Ａとを第４図に示す如く係合させ
る。その後パレット昇降装置２２を降下させ最下部のパ
レット１Ｂのみを第５図の如く搬送装置１２上に載置さ
せる。この状態になった時点で搬送装置１２を作動させ
て、パレット１を１枚づつパレット検査装置８へ移動さ
せる。

パレット検査装置８では前述の通り破損パレット検出セ
ンサー２６によりパレット１の検査を行い、正常か不良
かの判断をする。

そこで先ず正常と判断されたパレット１については、パ
レットストッパー３４を作動させて正常パレット積層装
置１０で停止するようコントローラー６により指示す
る。この際搬送装置２７も停止させる。正常パレット積
層装置１０で停止されたパレット６は、パレット昇降装
置２９により持上げられる。このときパレット支持部材
３２がパレット６の上面と接触し、該支持部材３２はそ
のまま支点３１を中心として回転し、その後さらに上昇
するとパレット支持部材３２はパレット支持板３０の直
上部のパレット１Ｃの中空部と第８図に示す如く係合す
る。

この状態になった時点でパレット昇降装置２９を降下さ
せると、ストッパー３３の作用とあいまってパレット１
はパレット支持装置３０により第９図に示す如く中空に
浮かぶごとく支持され、以下次々と積み上げられその後
搬出される。

次にパレット検査装置８で不良と判断されたパレット１
は、パレットストップ部材３６を下げて正常パレット積
層装置１０を通過させ、搬送装置３７も作動させて不良
パレット積層装置１１へと送られる。次いで固定式パレ
ットストッパー３９により定位置で停止され、同時に搬
送装置３７も停止されてパレット１の積み上げが正常パ
レット積層装置１０と同様に行われ、ある程度まとまっ
た時点で搬出され、修理される。

以上説明した本願考案における各機器の作動タイムチャ
ートを第１２図に示す。同図において先ず最初は正常パ
レットの場合、次いで第２番目に不良パレットの場合の
作動タイムチャートをそれぞれ示し、これら一連の作動
はコントローラー６により制御される。

(5)考案の効果 本願考案は以上の如く構成されており、パレットの検査
能率および精度も大幅に向上し、パレットに荷物を載せ
たときのトラブルが解消された。

【図面の簡単な説明】

第１図はパレットの斜視図、第２図はパレット自動検査
装置の正面概略図、第３図は第２図の３−３視断面図、
第４，５図はパレットの供給状況を示す作動図、第６図
は第２の６−６視断面図、第７，８図はパレットの積み
上げを示す作動図、第９図は第２図の９−９視断面図、
第１０図は第２図の１０−１０視断面図、第１１図は第
２図のＡ部詳細図、第１２図は各機器の作動タイムチャ
ート図をそれぞれ示す。 なお図面において１はパレット、５はパレット自動検査
装置、６はコントローラー、７はパレット供給装置、８
はパレット検査装置、９はパレット積層装置、１０は正
常パレット積層装置、１１は不良パレット積層装置、１
２，２７，２８，３７は搬送装置、１３，３０，３８は
パレット支持装置、２２，２９はパレット昇降装置、２
６は破損パレット検出センサー、３４はパレットストッ
パー、３９は固定式パレットストッパーをそれぞれ示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面を形成する上下の平板とそれらを結合
   させるリブ材よりなりスノコ状に形成されたパレットの
   破損状態を該平板の長手方向に移送させながら検査する
   下記(a)〜(d)からなるパレット検査装置。 (a)積層パレットを上下動させるパレット昇降装置、該
   昇降装置で持ち上げた積層パレットの下より２番目以上
   の下降を防止して支持するパレット支持装置、及び該昇
   降装置により下降させた最下位のパレットを次工程に送
   る搬送装置よりなるパレット供給装置 (b)該パレット供給装置より送られたパレットを移動さ
   せる搬送装置、該搬送装置上のパレットの平板に対向し
   その移動方向に対して直角方向に配置されパレットの破
   損状態を検査する複数の破損パレット検出センサーより
   なるパレット検査装置 (c)パレット検査装置より送られたパレットを受ける搬
   送装置、該搬送装置上に送られたパレットを上下動させ
   るパレット昇降装置、該パレット昇降装置により上動さ
   れたパレットと係合し検査済みのパレットを支持するパ
   レット支持装置よりなる正常パレット積層装置、 同じくパレット検査装置より送られたパレットを受ける
   搬送装置、該搬送装置上に送られたパレットを上下動さ
   せるパレット昇降装置、該パレット昇降装置により上動
   されたパレットと係合し検査済みのパレットを支持する
   パレット支持装置よりなる不良パレット積層装置、検査
   装置の信号に応じて作動し正常パレット積層装置と不良
   パレットのうち上流側に配置されたものの何れか一方の
   下流側に設けられ正常パレットと不良パレットを選別す
   るパレットストパー、および最下流に設けられパレット
   を停止させる固定式パレットストッパーよりなる、検査
   済みのパレットを積み上げるパレット積層装置 (d)前記(a)〜(c)の作用をシーケンス制御する手段