JPH0684807A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
半導体素子の製造方法Info
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- JPH0684807A JPH0684807A JP23570292A JP23570292A JPH0684807A JP H0684807 A JPH0684807 A JP H0684807A JP 23570292 A JP23570292 A JP 23570292A JP 23570292 A JP23570292 A JP 23570292A JP H0684807 A JPH0684807 A JP H0684807A
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- substrate
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 気相成長法を用い元素原料の交互供給モード
で単原子層の成長を行う際に、面方位による成長膜厚の
制御を可能とし、選択成長により半導体素子を製造する
方法を提供する 【構成】 化合物半導体基板に(001)面あるいは
(111)B面と、(111)A面とを有する台地状の
構造の素子基板を作製し、引き続く気相成長法によりII
I 族元素の原料とV族元素の原料を交互に供給し、III
族−V族化合物半導体層を成長させる際に、V族元素の
原料供給後のパージ時間を変化させることにより、(0
01)面の成長膜厚と(111)A面の成長膜厚を変化
させる 【効果】 (001)面と(111)A面で膜厚の異な
る層を作製できる。
で単原子層の成長を行う際に、面方位による成長膜厚の
制御を可能とし、選択成長により半導体素子を製造する
方法を提供する 【構成】 化合物半導体基板に(001)面あるいは
(111)B面と、(111)A面とを有する台地状の
構造の素子基板を作製し、引き続く気相成長法によりII
I 族元素の原料とV族元素の原料を交互に供給し、III
族−V族化合物半導体層を成長させる際に、V族元素の
原料供給後のパージ時間を変化させることにより、(0
01)面の成長膜厚と(111)A面の成長膜厚を変化
させる 【効果】 (001)面と(111)A面で膜厚の異な
る層を作製できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気相成長法を用いた半
導体素子の製造方法に係り、特に量子効果を有する半導
体素子の製造方法に関する。
導体素子の製造方法に係り、特に量子効果を有する半導
体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】同一の半導体基板上に形成される半導体
素子の横方向の量子効果制御は、所定の領域にマスクを
設けた後、イオンの注入,拡散、あるいはエッチングを
行うことで不必要な領域を高抵抗化,混晶化、あるいは
取り除くことによって行っている。
素子の横方向の量子効果制御は、所定の領域にマスクを
設けた後、イオンの注入,拡散、あるいはエッチングを
行うことで不必要な領域を高抵抗化,混晶化、あるいは
取り除くことによって行っている。
【0003】また、近年、選択成長が注目されており、
通常の有機金属気相成長法やクロライド法では結晶面方
位による成長速度の違いを利用して特定面方位に能動層
を作製することが行われている。これについては、ガリ
ウム砒素やアルミニウムガリウム砒素のMOCVD法に
よる成長において幾つか報告されている。例えば、特開
平2−137316号公報では、(111)B面上にヘ
テロ界面を形成し、2次元電子ガスの細線であるファセ
ット量子細線を作製する技術が開示されている。
通常の有機金属気相成長法やクロライド法では結晶面方
位による成長速度の違いを利用して特定面方位に能動層
を作製することが行われている。これについては、ガリ
ウム砒素やアルミニウムガリウム砒素のMOCVD法に
よる成長において幾つか報告されている。例えば、特開
平2−137316号公報では、(111)B面上にヘ
テロ界面を形成し、2次元電子ガスの細線であるファセ
ット量子細線を作製する技術が開示されている。
【0004】また、T.Fukui et al.,S
JAP AP902220 No.434では、(11
0)方向への成長を利用したラテラル量子細線、四面体
量子ドット等の製作方法が提案されている。この外に、
v溝上への成長でv溝の底の部分の成長速度が速くなる
ことを利用して量子細線レーザの作製を試みた例も報告
されている(R.Bhat etl.,J.Crys
t.Growth 93,850(1988))。
JAP AP902220 No.434では、(11
0)方向への成長を利用したラテラル量子細線、四面体
量子ドット等の製作方法が提案されている。この外に、
v溝上への成長でv溝の底の部分の成長速度が速くなる
ことを利用して量子細線レーザの作製を試みた例も報告
されている(R.Bhat etl.,J.Crys
t.Growth 93,850(1988))。
【0005】そして、成長膜厚を正確に制御する技術と
して原料を交互に供給し、1分子層での吸着飽和を利用
して1原子層ずつ成長させる単原子層成長方法が米国特
許明細書第4058430号(1977)に開示されて
いる。この方法は、成長層の厚さを確実に1層ずつ制御
しようとするものであり、膜厚の制御性がよいこと、お
よび通常の気相性方法に比べて低温で成長させることが
できるという利点がある。
して原料を交互に供給し、1分子層での吸着飽和を利用
して1原子層ずつ成長させる単原子層成長方法が米国特
許明細書第4058430号(1977)に開示されて
いる。この方法は、成長層の厚さを確実に1層ずつ制御
しようとするものであり、膜厚の制御性がよいこと、お
よび通常の気相性方法に比べて低温で成長させることが
できるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるフォト
リソプロセスで横方向の構造作製を行う場合は、縦方向
の構造を結晶成長で作成した後に複雑なマスクプロセス
を通す必要があり、かつ微細加工の制御性については選
択成長方法に劣る。一方、選択成長を用いた方法では、
量子細線や量子箱などが辛うじて作製できているが、成
長温度が高いために微小な領域では面がダレルために理
想的な微小ファセットが作製できないという問題があ
る。(しかし、v溝の底の部分の成長速度が速くなるこ
とを応用したものでは面がダレルことを積極的に利用し
ている。) また、元素原料の交互供給モードによる気相成長を行う
単原子層の成長においては、1サイクルで必ず1原子層
が成長するため、選択成長は考慮されていなかった。
リソプロセスで横方向の構造作製を行う場合は、縦方向
の構造を結晶成長で作成した後に複雑なマスクプロセス
を通す必要があり、かつ微細加工の制御性については選
択成長方法に劣る。一方、選択成長を用いた方法では、
量子細線や量子箱などが辛うじて作製できているが、成
長温度が高いために微小な領域では面がダレルために理
想的な微小ファセットが作製できないという問題があ
る。(しかし、v溝の底の部分の成長速度が速くなるこ
とを応用したものでは面がダレルことを積極的に利用し
ている。) また、元素原料の交互供給モードによる気相成長を行う
単原子層の成長においては、1サイクルで必ず1原子層
が成長するため、選択成長は考慮されていなかった。
【0007】本発明の目的は、気相成長法を用い元素原
料の交互供給モードで単原子層の成長を行う際に、面方
位による成長膜厚の制御を可能とし、選択成長により半
導体素子を製造する方法を提供することにある。
料の交互供給モードで単原子層の成長を行う際に、面方
位による成長膜厚の制御を可能とし、選択成長により半
導体素子を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、化合物半導体基板に(001)面あるい
は(111)B面と、(111)A面とを有する台地状
の構造の素子基板を作製し、引き続く気相成長法により
III 族元素の原料とV族元素の原料を交互に供給し、II
I 族−V族化合物半導体層を成長させる際に、V族元素
の原料供給後のパージ時間を変化させることにより、
(001)面の成長膜厚と(111)A面の成長膜厚を
変化させる方法に特徴を有する。
に、本発明は、化合物半導体基板に(001)面あるい
は(111)B面と、(111)A面とを有する台地状
の構造の素子基板を作製し、引き続く気相成長法により
III 族元素の原料とV族元素の原料を交互に供給し、II
I 族−V族化合物半導体層を成長させる際に、V族元素
の原料供給後のパージ時間を変化させることにより、
(001)面の成長膜厚と(111)A面の成長膜厚を
変化させる方法に特徴を有する。
【0009】すなわち、本発明は、化合物半導体基板に
(001)面あるいは(111)B面と、(111)A
面の何れかを有する台地状の構造をもつ素子基板を作製
する素子基板形成工程と、上記素子基板上にIII 族元素
の原料とV族元素の原料を交互に供給して気相成長法に
よりIII 族−V族化合物半導体層を成長させるIII 族−
V族化合物半導体層成長工程とを少なくとも含む半導体
素子の製造方法において、前記V族元素の原料を供給
後、当該V族元素の原料のパージ時間を変化させること
により前記(001)A面のV族元素のみを選択的に前
記素子基板から離脱させるV族元素離脱工程を具備した
ことを特徴とする。
(001)面あるいは(111)B面と、(111)A
面の何れかを有する台地状の構造をもつ素子基板を作製
する素子基板形成工程と、上記素子基板上にIII 族元素
の原料とV族元素の原料を交互に供給して気相成長法に
よりIII 族−V族化合物半導体層を成長させるIII 族−
V族化合物半導体層成長工程とを少なくとも含む半導体
素子の製造方法において、前記V族元素の原料を供給
後、当該V族元素の原料のパージ時間を変化させること
により前記(001)A面のV族元素のみを選択的に前
記素子基板から離脱させるV族元素離脱工程を具備した
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明は、化合物半導体基板に(0
01)面あるいは(111)B面と、(111)A面の
何れかを有する台地状の構造をもつ素子基板を作製する
素子基板形成工程と、上記素子基板上にIII 族元素の原
料とV族元素の原料を交互に供給して気相成長法により
III 族−V族化合物半導体層を成長させるIII 族−V族
化合物半導体層成長工程とを少なくとも含む半導体素子
の製造方法において、前記V族元素の原料を供給後、当
該V族元素の原料のパージ時間を変化させることにより
前記(001)A面のV族元素のみを選択的に前記素子
基板から離脱させるV族元素離脱工程と、前記(00
1)面あるいは(111)B面と、(111)A面とに
異なる膜厚のIII 族−V族化合物半導体を成長させて面
方位によって異なった量子閉じ込め効果を示すヘテロ構
造を作製するヘテロ構造作製工程とを具備したことを特
徴とする。
01)面あるいは(111)B面と、(111)A面の
何れかを有する台地状の構造をもつ素子基板を作製する
素子基板形成工程と、上記素子基板上にIII 族元素の原
料とV族元素の原料を交互に供給して気相成長法により
III 族−V族化合物半導体層を成長させるIII 族−V族
化合物半導体層成長工程とを少なくとも含む半導体素子
の製造方法において、前記V族元素の原料を供給後、当
該V族元素の原料のパージ時間を変化させることにより
前記(001)A面のV族元素のみを選択的に前記素子
基板から離脱させるV族元素離脱工程と、前記(00
1)面あるいは(111)B面と、(111)A面とに
異なる膜厚のIII 族−V族化合物半導体を成長させて面
方位によって異なった量子閉じ込め効果を示すヘテロ構
造を作製するヘテロ構造作製工程とを具備したことを特
徴とする。
【0011】
【作用】III 族−V族化合物半導体の気相成長法では、
適当な温度でIII 族の有機金属あるいは塩素化物とV族
の水素化合物を交互に供給することにより、前記III 族
の化合物半導体とV族の化合物半導体が単原子層ずつ成
長する原子層エピタキシャル成長が可能である。
適当な温度でIII 族の有機金属あるいは塩素化物とV族
の水素化合物を交互に供給することにより、前記III 族
の化合物半導体とV族の化合物半導体が単原子層ずつ成
長する原子層エピタキシャル成長が可能である。
【0012】ジンクブレンド型III 族−V族化合物半導
体の場合、(001)面では図4に示したようにIII 族
原子10とV族原子20は共に2本の結合を有する。ま
た、(111)B面ではV族原子20が基板と3本の結
合を有するため、どちらの面方位もV族元素は離脱し難
い。一方、(111)A面では図5に示したように、II
I 族原子10は基板と3本の結合を持つが、V族原子2
0は1本の結合しか有しないため、V族元素は基板から
離脱し易い。
体の場合、(001)面では図4に示したようにIII 族
原子10とV族原子20は共に2本の結合を有する。ま
た、(111)B面ではV族原子20が基板と3本の結
合を有するため、どちらの面方位もV族元素は離脱し難
い。一方、(111)A面では図5に示したように、II
I 族原子10は基板と3本の結合を持つが、V族原子2
0は1本の結合しか有しないため、V族元素は基板から
離脱し易い。
【0013】このため、V族元素の原料を供給後のパー
ジ時間を長くすることで1原子層吸着していたV族原子
20は離脱し、交互に1層ずつ吸着させることが可能と
なる。このような工程で成長させた場合、(001)面
あるいは(111)B面は1原子層ずつ成長するが、
(111)A面では1サイクルの成長膜厚が1原子層に
満たなくなる。逆に、V族元素の原料供給後のパージ時
間を短くすることで、V族原子の離脱を防止し、(11
1)A面でも交互に1層ずつ吸着させることが可能とな
る。
ジ時間を長くすることで1原子層吸着していたV族原子
20は離脱し、交互に1層ずつ吸着させることが可能と
なる。このような工程で成長させた場合、(001)面
あるいは(111)B面は1原子層ずつ成長するが、
(111)A面では1サイクルの成長膜厚が1原子層に
満たなくなる。逆に、V族元素の原料供給後のパージ時
間を短くすることで、V族原子の離脱を防止し、(11
1)A面でも交互に1層ずつ吸着させることが可能とな
る。
【0014】このことを確認するために、光の反射を用
いてGaAs表面からのAsの離脱過程を観測した。そ
の結果、離脱の時定数は(001)面では500°Cで
170秒であるのに比較して、(111)A面では45
0°Cで10秒、500°Cで0.8秒であることが分
かった。なお、(111)B面では、550°C以下で
はAsを離脱させることが不可能であった。
いてGaAs表面からのAsの離脱過程を観測した。そ
の結果、離脱の時定数は(001)面では500°Cで
170秒であるのに比較して、(111)A面では45
0°Cで10秒、500°Cで0.8秒であることが分
かった。なお、(111)B面では、550°C以下で
はAsを離脱させることが不可能であった。
【0015】このように、GaAs(001)面で単原
子層成長が可能な500°C近傍では、As原料の供給
後、数秒間のパージ時間を設けることでGaAs(00
1)面あるいは(111)B面の最表面のAsはそのま
まにして、GaAs(111)A面の最表面のAsだけ
を離脱させることができる。上記したような条件でトリ
メチルガリウムとアルシンを用いて有機金属気相成長法
の単原子層エピタキシャル成長モードで450°Cから
500°Cの温度でGaAsを成長させた。
子層成長が可能な500°C近傍では、As原料の供給
後、数秒間のパージ時間を設けることでGaAs(00
1)面あるいは(111)B面の最表面のAsはそのま
まにして、GaAs(111)A面の最表面のAsだけ
を離脱させることができる。上記したような条件でトリ
メチルガリウムとアルシンを用いて有機金属気相成長法
の単原子層エピタキシャル成長モードで450°Cから
500°Cの温度でGaAsを成長させた。
【0016】交互供給モードの成長は、トリメチルガリ
ウム供給→水素パージ→アルシン供給→水素パージの順
で、それぞれ2秒、2秒、5秒、2秒とし、400サイ
クルの成長を行った。そして、成長膜の厚さを測定した
結果、(001)面は460°C以下では1サイクル当
たり1原子層に満たなかったが、470°Cから500
°Cまで1サイクル当たり1原子層の成長が確認され
た。しかし、(111)A面は450°Cから500°
Cまで1サイクル当たり略々0.5から0.6原子層の
成長膜厚であった。
ウム供給→水素パージ→アルシン供給→水素パージの順
で、それぞれ2秒、2秒、5秒、2秒とし、400サイ
クルの成長を行った。そして、成長膜の厚さを測定した
結果、(001)面は460°C以下では1サイクル当
たり1原子層に満たなかったが、470°Cから500
°Cまで1サイクル当たり1原子層の成長が確認され
た。しかし、(111)A面は450°Cから500°
Cまで1サイクル当たり略々0.5から0.6原子層の
成長膜厚であった。
【0017】この測定では、GaAs(111)A面の
最表面のAsが略々完全に離脱しても1サイクル当たり
の成長膜厚はゼロになっていなかったが、単原子層エピ
タキシャル成長モードでも(001)面あるいは(11
1)B面と(111)A面では成長膜厚が薄くなること
が示された。なお、(001)面と(111)面では1
原子層の厚さが異なるため、1原子層ずつ成長させても
厳密には15%ほど(111)面が厚くなる。
最表面のAsが略々完全に離脱しても1サイクル当たり
の成長膜厚はゼロになっていなかったが、単原子層エピ
タキシャル成長モードでも(001)面あるいは(11
1)B面と(111)A面では成長膜厚が薄くなること
が示された。なお、(001)面と(111)面では1
原子層の厚さが異なるため、1原子層ずつ成長させても
厳密には15%ほど(111)面が厚くなる。
【0018】この(111)A面が1サイクルあたり1
原子層に満たない特性を利用して、低温の単原子層エピ
タキシャル成長モードにおいて、(111)A面の膜厚
を(001)面あるいは(111)B面より薄くした量
子井戸構造を作製することが可能となる。また、低温で
選択成長が可能となるために微細構造も面がダレルこと
なく作製可能となる。
原子層に満たない特性を利用して、低温の単原子層エピ
タキシャル成長モードにおいて、(111)A面の膜厚
を(001)面あるいは(111)B面より薄くした量
子井戸構造を作製することが可能となる。また、低温で
選択成長が可能となるために微細構造も面がダレルこと
なく作製可能となる。
【0019】このように、(001)面あるいは(11
1)A面基板を用いてケミカルエッチング等で構成した
隣合う(001)面および(111)A面よりなる台地
状構造を有する素子基板に有機金属気相成長法を用いて
交互供給モードで半導体層を成長させる際に、V族元素
の原料供給後のパージ時間を長くした単原子層エピタキ
シャル成長を行わせることによって、(001)面より
(111)A面の膜圧が薄い構造を有する半導体素子を
1回の成長で製造することができる。
1)A面基板を用いてケミカルエッチング等で構成した
隣合う(001)面および(111)A面よりなる台地
状構造を有する素子基板に有機金属気相成長法を用いて
交互供給モードで半導体層を成長させる際に、V族元素
の原料供給後のパージ時間を長くした単原子層エピタキ
シャル成長を行わせることによって、(001)面より
(111)A面の膜圧が薄い構造を有する半導体素子を
1回の成長で製造することができる。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を参照して
詳細に説明する。図1,図2,図3は本発明による半導
体素子の製造方法の1実施例の説明図であって、1は半
絶縁性のGaAs基板、2はマスク、3は台地状構造に
形成した素子基板、4はGaAsバファー層、5はAl
0.3 Ga0.7 Asバッファー層、6はAl0.5 Ga0.5
Asバリアー層、7,8は井戸層である。
詳細に説明する。図1,図2,図3は本発明による半導
体素子の製造方法の1実施例の説明図であって、1は半
絶縁性のGaAs基板、2はマスク、3は台地状構造に
形成した素子基板、4はGaAsバファー層、5はAl
0.3 Ga0.7 Asバッファー層、6はAl0.5 Ga0.5
Asバリアー層、7,8は井戸層である。
【0021】まず、図1に示したように、半絶縁性のG
aAs基板1上の〔-110〕方向にレジストをパターニ
ングして得たライン状のマスク2を形成する。このマス
ク2の幅Wは3μmとする。マスク2を形成したGaA
s基板1を硫酸系エッチング液(H2 SO4 :H
2O2 :H2 O=8:1:1)に浸してエッチング処理
した後、マスク2を剥離する。
aAs基板1上の〔-110〕方向にレジストをパターニ
ングして得たライン状のマスク2を形成する。このマス
ク2の幅Wは3μmとする。マスク2を形成したGaA
s基板1を硫酸系エッチング液(H2 SO4 :H
2O2 :H2 O=8:1:1)に浸してエッチング処理
した後、マスク2を剥離する。
【0022】図2は上記エッチング処理してマスクを剥
離した後のGaAs基板(素子基板)を示すもので、3
−1は上面、3−2は斜面、3−3は谷部、3は素子基
板である。同図に示したように、上記エッチング処理に
よって、上面3−1と谷部3−3が(001)面で構成
され、斜面3−2が(111)A面で構成された台地状
構造を有する素子基板3が得られる。このとき、上面3
−1の幅はサイドエッチのため2μmとなっている。
離した後のGaAs基板(素子基板)を示すもので、3
−1は上面、3−2は斜面、3−3は谷部、3は素子基
板である。同図に示したように、上記エッチング処理に
よって、上面3−1と谷部3−3が(001)面で構成
され、斜面3−2が(111)A面で構成された台地状
構造を有する素子基板3が得られる。このとき、上面3
−1の幅はサイドエッチのため2μmとなっている。
【0023】この素子基板3を有機金属気相成長装置に
入れ、基板温度を700°Cとし、III 族元素の原料と
してトリメチルガリウムとトリメチルアルミニウム、V
族元素の原料としてアルシンを用いて、量子井戸構造の
バリアーを作製するため通常の有機金属気相成長モード
でGaAsとAlGaAsの成長を行った。まず、図3
に示したように、基板温度700°CにおいてGaAs
バッファー層5を0.5μm成長させる。
入れ、基板温度を700°Cとし、III 族元素の原料と
してトリメチルガリウムとトリメチルアルミニウム、V
族元素の原料としてアルシンを用いて、量子井戸構造の
バリアーを作製するため通常の有機金属気相成長モード
でGaAsとAlGaAsの成長を行った。まず、図3
に示したように、基板温度700°CにおいてGaAs
バッファー層5を0.5μm成長させる。
【0024】さらに、Al0.5 Ga0.5 Asバリアー層
6を1.0μm成長させる。ここで、(001)面と
(111)面で異なった膜厚の井戸層7,8を成長させ
るために、基板温度を480°Cに下げ、III 族元素の
原料としてトリメチルガリウム、V族元素の原料として
アルシンを用いて、交互供給モードでGaAsの成長を
35回行った。
6を1.0μm成長させる。ここで、(001)面と
(111)面で異なった膜厚の井戸層7,8を成長させ
るために、基板温度を480°Cに下げ、III 族元素の
原料としてトリメチルガリウム、V族元素の原料として
アルシンを用いて、交互供給モードでGaAsの成長を
35回行った。
【0025】このときのトリメチルガリウムおよびアル
シンの供給量は、トリメチルガリウム(−12°C)が
1cc/min、アルシン(100%)が1cc/mi
nである。交互供給モードの成長は、トリメチルガリウ
ム供給→水素パージ→アルシン供給→水素パージの順
で、それぞれ2秒,2秒,2秒,5秒とアルシン供給後
の水素パージ時間を長くしてある。
シンの供給量は、トリメチルガリウム(−12°C)が
1cc/min、アルシン(100%)が1cc/mi
nである。交互供給モードの成長は、トリメチルガリウ
ム供給→水素パージ→アルシン供給→水素パージの順
で、それぞれ2秒,2秒,2秒,5秒とアルシン供給後
の水素パージ時間を長くしてある。
【0026】この上に、成長温度を650°Cにして通
常の金属有機物気相成長法でバリアー層としてAl0.5
Ga0.5 As層9を0.5μm成長させる。上記のよう
にして作製したGaAsを活性層に持つ量子井戸を顕微
ホトルミネッセンスで調べたところ、室温での測定で
(001)面からは850nmにピークを持つ発光が観
測された。一方、(111)A面では、830nm近傍
にピークを持つ発光が観測されている。これは(00
1)面上の交互供給GaAs層7に較べて(111)A
面上の交互供給GaAs層8の膜厚が薄いために発光波
長が短波長側にシフトしたことを示す。
常の金属有機物気相成長法でバリアー層としてAl0.5
Ga0.5 As層9を0.5μm成長させる。上記のよう
にして作製したGaAsを活性層に持つ量子井戸を顕微
ホトルミネッセンスで調べたところ、室温での測定で
(001)面からは850nmにピークを持つ発光が観
測された。一方、(111)A面では、830nm近傍
にピークを持つ発光が観測されている。これは(00
1)面上の交互供給GaAs層7に較べて(111)A
面上の交互供給GaAs層8の膜厚が薄いために発光波
長が短波長側にシフトしたことを示す。
【0027】このように、単原子層成長条件でも、交互
供給モードのシーケンスにおいてV族元素の原料供給後
のパージ時間を変化させることにより、(001)面と
(111)A面で膜厚の異なる層が作製でき、量子井戸
の井戸層にこの方法を適用することにより、2つの(1
11)A面で囲まれた(001)面に横方向の電子の閉
じ込め構造を制作することができる。
供給モードのシーケンスにおいてV族元素の原料供給後
のパージ時間を変化させることにより、(001)面と
(111)A面で膜厚の異なる層が作製でき、量子井戸
の井戸層にこの方法を適用することにより、2つの(1
11)A面で囲まれた(001)面に横方向の電子の閉
じ込め構造を制作することができる。
【0028】本実施例では、有機金属気相成長法を用い
たが、クロライド法等の単原子層成長の可能な成長法で
あれば、水素中または真空中で(111)A面の最表面
のV族元素の離脱に適用することができる。また、本実
施例では基板の(001)面を使用したが、(111)
A面あるいは(111)B面を用いることもできるもの
である。
たが、クロライド法等の単原子層成長の可能な成長法で
あれば、水素中または真空中で(111)A面の最表面
のV族元素の離脱に適用することができる。また、本実
施例では基板の(001)面を使用したが、(111)
A面あるいは(111)B面を用いることもできるもの
である。
【0029】さらに、本発明は上記実施例で説明したG
aAsの成長が本質的なものではなく、その他のIII 族
−V族化合物半導体でも、基本的に(001)面に較べ
(111)A面でV族元素が離脱し易く、上記と同様に
その他のIII 族−V族化合物半導体に適用できるもので
ある。
aAsの成長が本質的なものではなく、その他のIII 族
−V族化合物半導体でも、基本的に(001)面に較べ
(111)A面でV族元素が離脱し易く、上記と同様に
その他のIII 族−V族化合物半導体に適用できるもので
ある。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
単原子層エピタキシャル成長の条件のもとでの元素原料
の交互供給モードのシーケンスにおいて、V族元素の原
料供給後のパージ時間を変化させることにより、(00
1)面と(111)A面で膜厚の異なる層を作製でき
る。
単原子層エピタキシャル成長の条件のもとでの元素原料
の交互供給モードのシーケンスにおいて、V族元素の原
料供給後のパージ時間を変化させることにより、(00
1)面と(111)A面で膜厚の異なる層を作製でき
る。
【0031】この方法を量子井戸の井戸層に適用するこ
とにより、2つの(111)A面で囲まれた(001)
面では実質的に横方向の量子準位の変化を生ぜしめるこ
とができ、これを利用して電子の閉じ込め構造が作製で
きる。さらに、(001)面の幅を小さくすることによ
り、量子細線構造の作製も可能となる。
とにより、2つの(111)A面で囲まれた(001)
面では実質的に横方向の量子準位の変化を生ぜしめるこ
とができ、これを利用して電子の閉じ込め構造が作製で
きる。さらに、(001)面の幅を小さくすることによ
り、量子細線構造の作製も可能となる。
【0032】また、従来は高温でしか行えなかった選択
成長が低温領域で行うことができるようになったため、
面ダレが無くなり、選択成長を利用した微細下降の制御
性を向上することができる。
成長が低温領域で行うことができるようになったため、
面ダレが無くなり、選択成長を利用した微細下降の制御
性を向上することができる。
【図1】 本発明による半導体素子の製造方法の1実施
例の部分工程の説明図である。
例の部分工程の説明図である。
【図2】 本発明による半導体素子の製造方法の1実施
例の部分工程の説明図である。
例の部分工程の説明図である。
【図3】 本発明による半導体素子の製造方法の1実施
例の部分工程の説明図である。
例の部分工程の説明図である。
【図4】 半導体基板の(001)面におけるIII 族,
V族の結合状態を説明する模式図である。
V族の結合状態を説明する模式図である。
【図5】 半導体基板の(111)A面におけるIII
族,V族の結合状態を説明する模式図である。
族,V族の結合状態を説明する模式図である。
図1,図2,図3において、1・・・・半絶縁性のGa
As基板、2・・・・マスク、3−1・・・・上面、3
−2・・・・斜面、3−3・・・・谷部、4・・・・G
aAsバファー層、5・・・・Al0.3 Ga0.7 Asバ
ッファー層、6・・・・Al0.5 Ga0.5 Asバリアー
層、7,8・・・・井戸層、9・・・・Al0.5 Ga
0.5 Asバリアー層。図4,図5において、10・・・
・III 族元素、20・・・・V族元素。
As基板、2・・・・マスク、3−1・・・・上面、3
−2・・・・斜面、3−3・・・・谷部、4・・・・G
aAsバファー層、5・・・・Al0.3 Ga0.7 Asバ
ッファー層、6・・・・Al0.5 Ga0.5 Asバリアー
層、7,8・・・・井戸層、9・・・・Al0.5 Ga
0.5 Asバリアー層。図4,図5において、10・・・
・III 族元素、20・・・・V族元素。
Claims (2)
- 【請求項1】 化合物半導体基板に(001)面あるい
は(111)B面と、(111)A面の何れかを有する
台地状の構造をもつ素子基板を作製する素子基板形成工
程と、上記素子基板上にIII 族元素の原料とV族元素の
原料を交互に供給して気相成長法によりIII 族−V族化
合物半導体層を成長させるIII 族−V族化合物半導体層
成長工程とを少なくとも含む半導体素子の製造方法にお
いて、 前記V族元素の原料を供給後、当該V族元素の原料のパ
ージ時間を変化させることにより前記(001)A面の
V族元素のみを選択的に前記素子基板から離脱させるV
族元素離脱工程を具備したことを特徴とする半導体素子
の製造方法。 - 【請求項2】 化合物半導体基板に(001)面あるい
は(111)B面と、(111)A面の何れかを有する
台地状の構造をもつ素子基板を作製する素子基板形成工
程と、上記素子基板上にIII 族元素の原料とV族元素の
原料を交互に供給して気相成長法によりIII 族−V族化
合物半導体層を成長させるIII 族−V族化合物半導体層
成長工程とを少なくとも含む半導体素子の製造方法にお
いて、 前記V族元素の原料を供給後、当該V族元素の原料のパ
ージ時間を変化させることにより前記(001)A面の
V族元素のみを選択的に前記素子基板から離脱させるV
族元素離脱工程と、前記(001)面あるいは(11
1)B面と、(111)A面とに異なる膜厚のIII 族−
V族化合物半導体を成長させて面方位によって異なった
量子閉じ込め効果を示すヘテロ構造を作製するヘテロ構
造作製工程とを具備したことを特徴とする半導体素子の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23570292A JPH0684807A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 半導体素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23570292A JPH0684807A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 半導体素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0684807A true JPH0684807A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16989963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23570292A Pending JPH0684807A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 半導体素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684807A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010114384A (ja) * | 2008-11-10 | 2010-05-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | フォトニック結晶面発光レーザおよびフォトニック結晶面発光レーザの製造方法 |
-
1992
- 1992-09-03 JP JP23570292A patent/JPH0684807A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010114384A (ja) * | 2008-11-10 | 2010-05-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | フォトニック結晶面発光レーザおよびフォトニック結晶面発光レーザの製造方法 |
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