JPH0684758U - 電気自動車のバッテリ充電用電源 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 利便性の高い電気自動車のバッテリ充電用電
源を提供する。 【構成】 可とう性基板４上の可とう性太陽電池１より
なる太陽電池部と、この太陽電池部を収納する収納部２
と、この太陽電池部とバッテリ５のインターフェイスを
なす出力電力制御部３とから主として構成され、この電
源を電気自動車７の車体の一部に設置し、充電をする際
には太陽電池部を一部または全部引き出して車体の上部
に展開し、充電が終了したら収納部２に収納する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気自動車のバッテリ充電用電源に係わり、特に、太陽電池部を可 とう性材料で構成した収納式太陽光発電装置によりバッテリの充電を行う電気自 動車のバッテリ充電用電源に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、電気自動車のバッテリの充電に使用される太陽光発電装置は、太陽電 池パネルで構成される太陽電池部を、架台、屋根、車体等に取り付けて固定して 使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、太陽光発電装置の太陽電池部を固定した従来の方法には、以下 の様な課題が存在する。

【０００４】 すなわち、太陽光発電装置はその発電原理から単位面積当たりの発電出力が小 さく、またその発電出力はその面積に比例する。従って、ある程度の出力を得よ うとすると、太陽電池部の面積も大きなものが必要とされる。しかしながら太陽 電池部を固定とすると太陽電池パネルの面積は、視界確保などの問題から、屋根 の一部や、ボンネット上面等に納まる大きさに制限され、車体上部の面積を有効 に使用することはできなかった。

【０００５】 また、自動車の車体、特に屋根に太陽電池を装着して利用するサンルーフ式の バッテリーチャージャーが開発されている。この方式によれば、太陽電池部は常 時自動車の屋根部に露出している故に、物を載せたり、ぶつかったりして不注意 による外圧によって太陽電池部が損傷する等の問題がある。

【０００６】 さらに、太陽電池部を屋根部に固定とした場合、太陽電池部は常時太陽光や風 雨に曝される結果となり、損傷、汚損はもちろんのこと、太陽電池の寿命に係わ る耐候劣化を早める原因となったり、また、車体のデザインにも制約を与えるこ とになる。

【０００７】 また駐車時に、車体の近くに太陽電池パネルを広げて充電する方法もあるが、 大きなパネルの出し入れは面倒であり、また駐車スペース以外に別なスペースが 必要となる。

【０００８】 本考案は、上例に見られるような使用状態もしくは使用環境において発生する 欠点を排除し、利便性の高い、太陽光発電装置を利用した電気自動車のバッテリ 充電用電源を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、太陽光発電装置の占有面積の大部分 をなす太陽電池部に可とう性の太陽電池を使用し、充電に使用する時はそれを車 体の一部に設置された収納部から引き出して車体上に展開して使用し、使用しな い時には巻き取りあるいは折りたたみ式の方法で収納部に収納することを特徴と するものである。

【００１０】 本考案によるバッテリ充電用電源では、基本構成として図１に示すように可と う性基板４上の可とう性太陽電池１よりなる太陽電池部と、この太陽電池部を収 納する収納部２と、この太陽電池部とバッテリのインターフェイスをなす出力電 力制御部３とから主として構成される。そしてこの電源を車体の一部に設置し、 充電をする際には太陽電池部を一部または全部引き出して車体の上部に展開し、 充電が終了したら収納部２に収納するものである。

【００１１】 以下本考案によるバッテリ充電用電源について理解を容易にするために実施例 に基づいて更に詳細に説明する。

【００１２】

【実施例】

図２は、本考案に係わる電気自動車のバッテリ充電用電源の実施例を示したも のである。

【００１３】 図２（ａ）において、７はバッテリ５を搭載した電気自動車である。この図で は、図１に示した巻き取り収納式バッテリ充電装置が自動車後部、ここではトラ ンクルーム内に設置されており、可とう性基板４上に形成された可とう性太陽電 池１で構成されるシート状の太陽電池部が、巻き取り収納部２から引き出され、 電気自動車７のボディ上部に全体にわたって展開され、覆いかぶさっている状態 を示している。この太陽電池部は、出力電力制御部３を介してバッテリ５に接続 されている。

【００１４】 次に、上記実施例の使用例を説明する。 通常、太陽電池部は、電気自動車７の車体の一部に設けられた収納部２に巻き 取られて収納されている。本実施例では収納部２は出力電力制御部３と共に電気 自動車７のトランクルーム内に設けられている。バッテリ５の充電をするために は、太陽電池部を収納部２から取り出して車体上面部に展開する。

【００１５】 その際、風等により太陽電池部が移動したり、めくれたりせぬようにその一部 を車体に固定し得るのが望ましい。例えば、太陽電池部の裏面の一部または全体 にわたってマグネット部材を設け、このマグネット部材の吸引力で自動車のボデ ィに脱着自在に固定してもよいし、自動車のボディ、特に屋根の一部にガイドを 設け、上記太陽電池部の周縁部が、ガイドを通して取り出しまたは収納できるよ うに構成してもよい。太陽電池部の引出し側先端にバンパー等に固定るすフック を取りつけてもよい。

【００１６】 いずれにせよ、太陽電池部が巻き取り収納式となっていることにより、車体の 一部に設置された収納部２から太陽電池部を引き出して固定するだけの簡単な操 作で太陽電池部を起電状態に展開することができるし、また充電をやめて太陽電 池部を収納部２へ収納する作業も、固定部を取り外して収納部２に巻き取るだけ の操作で簡単に行うことができる。

【００１７】 普通、電気自動車の充電は、充電スタンドにおいて商用電源を利用した充電器 によって行なわれる。この為、充電の際は、充電電源のある場所を探さなければ ならないという不都合があったが、本考案によれば、太陽光の当たっている場所 に電気自動車７を駐車して太陽電池部を収納部２から引き出してそれを太陽光に 曝しておきさえすれば充電は可能となる。

【００１８】 上記の実施例では、例えば朝出社してから夕方退社するまでの時間を屋外駐車 場に駐車するような自動車の使用方法において特に最適であるが、このような通 勤用の車に限らず、例えば通学、通院、買物、レジャー等で天気の良い日に戸外 にて長時間駐車する場合に適している。特に夏場においては、太陽電池部で窓を 覆うことで、充電しつつ車内温度の上昇を抑えることができる。

【００１９】 なお、上述の実施例では、太陽電池部を収納する収納部２をトランクルーム内 に設けたが、収納部は車体の一部にあればどこにあってもかまわない。窓枠、車 体下面、ドア部などの適当な位置に設けてもよい。図２（ｂ）に示すように自動 車の車体後部とバンパー６の間に配置してもよい。この場合車内のスペースは全 く使用せず、かつ外形のデザインを崩すこともないため好都合である。また１車 体に収納部を複数個設けてもよい。

【００２０】 また、特に図示されていないが、太陽電池部を収納部２に巻き取るための巻き 取り軸は、手巻き式、機械式、電動式のいづれの駆動方式であってもよい。

【００２１】 本実施例では、太陽電池部を収納部内へ巻き取る方式としたが、適当な大きさ に折り畳んだり、折り畳んだものをさらに巻き取る方式としたり、あるいは適当 な伸縮機と共に使用することにより伸縮自在に収納する方式としてもよい。

【００２２】 また、本実施例では太陽電池部は矩形状シート構造としたが、車体の外形に対 応させて、太陽電池部の幅を変化させたり、部分的に折り畳み構造の太陽電池部 を設けるなどして車体上部のみならず車体側面に太陽電池部を展開できる構造と することで、車体表面の面積を有効に活用することができる。

【００２３】 また、可とう性基板４を透明部材とし、可とう性太陽電池１をシースルータイ プとし、全体としてシースルー（見透しできる構成）にすることによって、車の 窓を覆うような使用法であっても、車内から窓外を見透すことができる。

【００２４】 また可とう性太陽電池は可とう性基板の上面、下面のどちらの側に形成されて いても良い。

【００２５】 さらに、太陽電池部を収納部２から引き出す際に、任意の位置で固定できるよ うに調節可能とすること、即ち、太陽電池部の占有面積を車体上部全体にわたっ て覆うものだけとするのではなく、任意に調節しうるような構成とすることによ って、車の外形や、使用条件や使用環境、或いは、バッテリーの充電状態に即応 した任意の調整が実現できる。当然、走行中の充電も可能である。

【００２６】

【考案の効果】

本考案により、太陽電池を用いた電気自動車のバッテリ充電用電源において、 極めて簡単に太陽電池部を展開、収納できるものとすることができた。

【００２７】 また、車体上部全体にわたって太陽電池部を展開して充電することができ、車 体上部の面積を有効に利用することができる。

【００２８】 また使用しない時は、太陽電池部を収納部に収納しておくことができるため、 衝撃や風雨による太陽電池の不用意な破壊や、特性劣化等を防ぐことができる。

【００２９】 また取り付けの自由度が高いため、どの様なデザインの車体であっても使用で き、設置箇所が固定された太陽電池では発電面積が制限されてしまう車体、例え ばオープンカーのような車体であっても、車体上部全体の面積を利用した太陽光 による充電を行うことができる。

【００３０】 また、駐車スペース以外にはなんらの余計な場所も必要としない。

【００３１】 また、極めてコンパクトに収納することができるため、車内容積の占有を最小 限に抑えられ、未使用時の収納スペースが節約できる。

【００３２】 以上のように、本考案の充電用電源は移動先で手軽に効率良く充電できる極め て高い利便性を有するものであり、工業上極めて有用なものである。 又、特に電気自動車のバッテリ充電のための電力を商用電源のみに依存するこ となく、その一部を太陽エネルギという再生可能なエネルギーで代替できること により、化石燃料の節約ひいては環境汚染防止への効果も期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のバッテリ充電装置の概略を示す。

【図２】 本考案に係わる実施例を示す。

【符号の説明】

１ 可とう性太陽電池 ２ 収納部 ３ 出力電力制御部 ４ 可とう性基板 ５ バッテリ ６ バンパー ７ 電気自動車

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気自動車のバッテリ充電用電源であっ
   て、可とう性基板上に形成された可とう性太陽電池より
   なる太陽電池部と、車体の一部に設置された、前記太陽
   電池部を収納するための収納部と、前記太陽電池部の出
   力電力を制御するための制御手段とを少なくとも有する
   ことを特徴とする電気自動車のバッテリ充電用電源。
2. 【請求項２】 太陽電池部の裏面の一部または全体にマ
   グネット部材を設けたことを特徴とする請求項１に記載
   の電気自動車のバッテリ充電用電源。
3. 【請求項３】 可とう性基板は透明部材よりなり、可と
   う性太陽電池はシースルータイプであることを特徴とす
   る請求項１に記載の電気自動車のバッテリ充電用電源。
4. 【請求項４】 収納部はバンパー部に配置されているこ
   とを特徴とする請求項１に記載の電気自動車のバッテリ
   充電用電源。
5. 【請求項５】 太陽電池部は車体上部および車体側面に
   展開できる構造であることを特徴とする請求項１に記載
   の電気自動車のバッテリ充電用電源。
6. 【請求項６】 電気自動車のバッテリ充電用電源であっ
   て、可とう性基板上に形成された可とう性太陽電池より
   なる巻き取りまたは折り畳み可能な太陽電池部と、車体
   の一部に設置された、前記太陽電池部を巻き取りまたは
   折り畳み収納するための収納部と、前記太陽電池部の出
   力電力を制御するための制御手段とを少なくとも有する
   ことを特徴とする電気自動車のバッテリ充電用電源。
7. 【請求項７】 太陽電池部の裏面の一部または全体にマ
   グネット部材を設けたことを特徴とする請求項６に記載
   の電気自動車のバッテリ充電用電源。
8. 【請求項８】 可とう性基板は透明部材よりなり、可と
   う性太陽電池はシースルータイプであることを特徴とす
   る請求項６に記載の電気自動車のバッテリ充電用電源。
9. 【請求項９】 収納部はバンパー部に配置されているこ
   とを特徴とする請求項６に記載の電気自動車のバッテリ
   充電用電源。
10. 【請求項１０】 太陽電池部は車体上部および車体側面
    に展開できる構造であることを特徴とする請求項６に記
    載の電気自動車のバッテリ充電用電源。