JPH0684676A - 樹脂結合磁石の製造方法 - Google Patents
樹脂結合磁石の製造方法Info
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- JPH0684676A JPH0684676A JP4236074A JP23607492A JPH0684676A JP H0684676 A JPH0684676 A JP H0684676A JP 4236074 A JP4236074 A JP 4236074A JP 23607492 A JP23607492 A JP 23607492A JP H0684676 A JPH0684676 A JP H0684676A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、原料粉末の流動性、磁気特性
や機械的強度を大きく損うことなく、成形時の摩擦、発
熱を低減し、成形効率を改善するとともに、寸法精度が
高い樹脂結合磁石を連続かつ効率的に製造することが可
能な樹脂結合磁石の製造方法を提供することにある。 【構成】本発明に係る樹脂結合磁石の製造方法は、磁石
粒子と、結合剤としての樹脂粒子と、潤滑剤との混合体
を成形用金型内に充填した後に圧縮成形して成形体を形
成し、得られた成形体中の樹脂成分を硬化せしめること
により、磁石粒子を樹脂によって一体に結合する樹脂結
合磁石の製造方法において、上記潤滑剤として２重量％
以下の二硫化モリブデン（ＭｏＳ2 ）粉末を混合体中に
添加することを特徴とする。また上記二硫化モリブデン
とともに、２重量％以下の黒鉛粉末を複合添加すること
により、成形体の抜き出し圧力を低減することができ樹
脂結合磁石の量産性および歩留りを高めることができ
る。
や機械的強度を大きく損うことなく、成形時の摩擦、発
熱を低減し、成形効率を改善するとともに、寸法精度が
高い樹脂結合磁石を連続かつ効率的に製造することが可
能な樹脂結合磁石の製造方法を提供することにある。 【構成】本発明に係る樹脂結合磁石の製造方法は、磁石
粒子と、結合剤としての樹脂粒子と、潤滑剤との混合体
を成形用金型内に充填した後に圧縮成形して成形体を形
成し、得られた成形体中の樹脂成分を硬化せしめること
により、磁石粒子を樹脂によって一体に結合する樹脂結
合磁石の製造方法において、上記潤滑剤として２重量％
以下の二硫化モリブデン（ＭｏＳ2 ）粉末を混合体中に
添加することを特徴とする。また上記二硫化モリブデン
とともに、２重量％以下の黒鉛粉末を複合添加すること
により、成形体の抜き出し圧力を低減することができ樹
脂結合磁石の量産性および歩留りを高めることができ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂結合磁石の製造方法
に係り、特に成形時における原料の成形型への付着を防
止し、高品質で高い寸法精度を有する樹脂結合磁石を連
続かつ効率的に製造することが可能な樹脂結合磁石の製
造方法に関する。
に係り、特に成形時における原料の成形型への付着を防
止し、高品質で高い寸法精度を有する樹脂結合磁石を連
続かつ効率的に製造することが可能な樹脂結合磁石の製
造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来からＮｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石、Ｓｍ−
Ｃｏ系磁石など、高い磁気特性を有する希土類永久磁石
粒子等を樹脂によって一体に結合した樹脂結合磁石が、
家電製品、各種電子機器、計測器、車輌等に広く使用さ
れている。
Ｃｏ系磁石など、高い磁気特性を有する希土類永久磁石
粒子等を樹脂によって一体に結合した樹脂結合磁石が、
家電製品、各種電子機器、計測器、車輌等に広く使用さ
れている。
【０００３】Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石は、Ｓｍ−Ｃｏ系磁
石と比較して残留磁束密度Ｂｒが大きく、等方性の樹脂
結合磁石とした場合でも最大エネルギ積（ＢＨ）max が
７〜１０ＭＧＯｅと比較的大きく、高磁気特性を必要と
する機器の磁石材料として使用されている。
石と比較して残留磁束密度Ｂｒが大きく、等方性の樹脂
結合磁石とした場合でも最大エネルギ積（ＢＨ）max が
７〜１０ＭＧＯｅと比較的大きく、高磁気特性を必要と
する機器の磁石材料として使用されている。
【０００４】従来のＮｄ−Ｆｅ−Ｂ系樹脂結合磁石は、
一般に次のようなプロセスを経て製造される。すなわ
ち、磁石粒子と、結合剤となるエポキシ樹脂粒子、カッ
プリング剤とを所定の配合比で混合して原料混合体を調
製する。次に得られた原料混合体を成形用金型のキャビ
ティに充填し、原料混合体を圧縮成形して成形体を形成
する。しかる後に、得られた成形体を熱処理して樹脂成
分を硬化（キュアリング）せしめることにより、各磁石
粒子が樹脂によって一体に結合された樹脂結合磁石が形
成される。
一般に次のようなプロセスを経て製造される。すなわ
ち、磁石粒子と、結合剤となるエポキシ樹脂粒子、カッ
プリング剤とを所定の配合比で混合して原料混合体を調
製する。次に得られた原料混合体を成形用金型のキャビ
ティに充填し、原料混合体を圧縮成形して成形体を形成
する。しかる後に、得られた成形体を熱処理して樹脂成
分を硬化（キュアリング）せしめることにより、各磁石
粒子が樹脂によって一体に結合された樹脂結合磁石が形
成される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂結合磁石の製造方法によれば、一般に減摩剤を
原料混合体中に添加せずに６〜８ton/cm2 程度の高い加
圧力で圧縮成形していたため、成形時における金型と原
料混合体との摩擦力が大になり、また摩擦による発熱量
も大きく、種々の弊害を生じていた。
来の樹脂結合磁石の製造方法によれば、一般に減摩剤を
原料混合体中に添加せずに６〜８ton/cm2 程度の高い加
圧力で圧縮成形していたため、成形時における金型と原
料混合体との摩擦力が大になり、また摩擦による発熱量
も大きく、種々の弊害を生じていた。
【０００６】すなわち、成形時における発熱量が大きく
なるため、樹脂等が金型に付着し易くなり、この付着が
さらに摩擦力の増大を招き、付着の急増に繋るという悪
循環に陥り、結果として成形体が金型に固着してしまう
ため、成形体の抜き圧が高くなり、成形型からの抜出し
が困難になったり、抜出し時に成形体が欠けたりして製
品の歩留りが低下してしまう問題点があった。また上記
付着を未然に防止するためには、成形用金型の清掃や離
型剤の塗布、注油等を高頻度で行う必要があり、成形効
率が低迷する上に、成形機の保守管理に多大な労力およ
び時間を有する欠点があった。
なるため、樹脂等が金型に付着し易くなり、この付着が
さらに摩擦力の増大を招き、付着の急増に繋るという悪
循環に陥り、結果として成形体が金型に固着してしまう
ため、成形体の抜き圧が高くなり、成形型からの抜出し
が困難になったり、抜出し時に成形体が欠けたりして製
品の歩留りが低下してしまう問題点があった。また上記
付着を未然に防止するためには、成形用金型の清掃や離
型剤の塗布、注油等を高頻度で行う必要があり、成形効
率が低迷する上に、成形機の保守管理に多大な労力およ
び時間を有する欠点があった。
【０００７】上記の欠点を解消する一手段として、ステ
アリン酸亜鉛などの金属塩類やワックス類を主成分とす
る減摩剤（潤滑剤）を原料混合体中に添加する方法も考
えられる。
アリン酸亜鉛などの金属塩類やワックス類を主成分とす
る減摩剤（潤滑剤）を原料混合体中に添加する方法も考
えられる。
【０００８】しかしながらこの方法によれば、成形時に
おける、ある程度の摩擦の低減や離型の容易化は図られ
るが、これらの減摩剤は製品となる樹脂結合磁石の機械
的強度を大きく阻害する問題点がある。
おける、ある程度の摩擦の低減や離型の容易化は図られ
るが、これらの減摩剤は製品となる樹脂結合磁石の機械
的強度を大きく阻害する問題点がある。
【０００９】一方、上記機械的強度を損うことなく摩擦
を低減する潤滑剤として黒鉛（グラファイト）を添加す
る方法も採用されている。しかしながら、黒鉛のみの添
加では、摩擦低減効果は得られる反面、原料粉末混合体
の流動性を阻害する問題点がある。すなわち、原料混合
体の金型充填性が劣化し、成形効率が低下してしまう。
特に通常の粉砕法で得られたＮｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粒子
は、Ｓｍ−Ｃｏ系磁石粒子と比較して鱗片状の不定形状
を呈しているため、金型内への均一充填が困難であり、
成形体の寸法精度、形状精度が低下してしまう欠点があ
った。
を低減する潤滑剤として黒鉛（グラファイト）を添加す
る方法も採用されている。しかしながら、黒鉛のみの添
加では、摩擦低減効果は得られる反面、原料粉末混合体
の流動性を阻害する問題点がある。すなわち、原料混合
体の金型充填性が劣化し、成形効率が低下してしまう。
特に通常の粉砕法で得られたＮｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粒子
は、Ｓｍ−Ｃｏ系磁石粒子と比較して鱗片状の不定形状
を呈しているため、金型内への均一充填が困難であり、
成形体の寸法精度、形状精度が低下してしまう欠点があ
った。
【００１０】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、原料粉末の流動性、磁気特性や機械
的強度を大きく損うことなく、成形時の摩擦、発熱を低
減し、成形効率を改善するとともに、寸法精度が高い樹
脂結合磁石を連続かつ効率的に製造することが可能な樹
脂結合磁石の製造方法を提供することを目的とする。
されたものであり、原料粉末の流動性、磁気特性や機械
的強度を大きく損うことなく、成形時の摩擦、発熱を低
減し、成形効率を改善するとともに、寸法精度が高い樹
脂結合磁石を連続かつ効率的に製造することが可能な樹
脂結合磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る樹脂結合磁石の製造方法は、磁石粒子
と、結合剤としての樹脂粒子と、潤滑剤との混合体を成
形用金型内に充填した後に圧縮成形して成形体を形成
し、得られた成形体中の樹脂成分を硬化せしめることに
より、磁石粒子を樹脂によって一体に結合する樹脂結合
磁石の製造方法において、上記潤滑剤として２重量％以
下、好ましくは１重量％以下の二硫化モリブデン（Ｍｏ
Ｓ2 ）粉末を混合体中に添加することを特徴とする。
め、本発明に係る樹脂結合磁石の製造方法は、磁石粒子
と、結合剤としての樹脂粒子と、潤滑剤との混合体を成
形用金型内に充填した後に圧縮成形して成形体を形成
し、得られた成形体中の樹脂成分を硬化せしめることに
より、磁石粒子を樹脂によって一体に結合する樹脂結合
磁石の製造方法において、上記潤滑剤として２重量％以
下、好ましくは１重量％以下の二硫化モリブデン（Ｍｏ
Ｓ2 ）粉末を混合体中に添加することを特徴とする。
【００１２】また上記二硫化モリブデンと共に、２重量
％以下、より好ましくは１重量％以下の黒鉛粉末を複合
添加するとさらによい。
％以下、より好ましくは１重量％以下の黒鉛粉末を複合
添加するとさらによい。
【００１３】二硫化モリブデン（ＭｏＳ2 ）は、圧縮成
形時の原料混合体と成形用金型との摩擦を低減する潤滑
剤、減摩剤として有効であり、原料混合体に対して２重
量％以下、好ましくは１重量％以下の割合で添加され
る。添加量が２重量％を超えると最終製品としての樹脂
結合磁石の強度特性および磁気特性を低下せしめるた
め、添加量は上記範囲内に限定される。
形時の原料混合体と成形用金型との摩擦を低減する潤滑
剤、減摩剤として有効であり、原料混合体に対して２重
量％以下、好ましくは１重量％以下の割合で添加され
る。添加量が２重量％を超えると最終製品としての樹脂
結合磁石の強度特性および磁気特性を低下せしめるた
め、添加量は上記範囲内に限定される。
【００１４】上記二硫化モリブデンはステアリン酸亜鉛
などの従来の減摩剤や離型剤と異なり、上記範囲内の添
加量であれば、製品樹脂結合磁石の機械的強度および磁
気特性を阻害することが少ない。しかも黒鉛に比べて原
料粉末の流動性を殆ど阻害しないとうメリットがある。
但し、二酸化モリブデン単独添加の場合には、黒鉛単独
添加に比べて、抜き圧の低減効果がやや少ないため、あ
る程度の黒鉛粉末（グラファイト）を上記ＭｏＳ2 と複
合的に添加するとさらによい。この場合、黒鉛の添加量
は２重量％以下、より好ましくは１重量％以下が適当で
ある。
などの従来の減摩剤や離型剤と異なり、上記範囲内の添
加量であれば、製品樹脂結合磁石の機械的強度および磁
気特性を阻害することが少ない。しかも黒鉛に比べて原
料粉末の流動性を殆ど阻害しないとうメリットがある。
但し、二酸化モリブデン単独添加の場合には、黒鉛単独
添加に比べて、抜き圧の低減効果がやや少ないため、あ
る程度の黒鉛粉末（グラファイト）を上記ＭｏＳ2 と複
合的に添加するとさらによい。この場合、黒鉛の添加量
は２重量％以下、より好ましくは１重量％以下が適当で
ある。
【００１５】上記のように、二硫化モリブデンと黒鉛粉
末を複合添加することにより、原料混合体の流動性を阻
害することなく、寸法精度が高い製品が得られると同時
に成形体の抜き圧を大幅に低減することが可能であり、
樹脂結合磁石の量産性および製品歩留りを高めることが
できる。
末を複合添加することにより、原料混合体の流動性を阻
害することなく、寸法精度が高い製品が得られると同時
に成形体の抜き圧を大幅に低減することが可能であり、
樹脂結合磁石の量産性および製品歩留りを高めることが
できる。
【００１６】なお減摩剤として黒鉛粉末を添加すること
は一部のＳｍ−Ｃｏ系樹脂結合磁石の製造プロセスで試
行されている。しかしながら黒鉛粉末のみを添加すると
原料粉末の流動性が低下し成形型内への原料供給性が悪
化し、成形型キャビティ内への充填速度のばらつき、成
形体の寸法精度のばらつき、プレス成形方向の寸法のば
らつき、密度のばらつきが拡大するなどの悪影響があ
る。またＳｍ−Ｃｏ系磁石粉末のように比較的流動性の
良い原料を使用する場合は、上記影響が問題となること
は少ないが、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粉末のように鱗片形
状を有する磁石粉末を使用する場合は、粉末自体がもと
より流動性が悪い上に、さらに黒鉛粉末を添加すること
により流動性の悪化が顕著になる。
は一部のＳｍ−Ｃｏ系樹脂結合磁石の製造プロセスで試
行されている。しかしながら黒鉛粉末のみを添加すると
原料粉末の流動性が低下し成形型内への原料供給性が悪
化し、成形型キャビティ内への充填速度のばらつき、成
形体の寸法精度のばらつき、プレス成形方向の寸法のば
らつき、密度のばらつきが拡大するなどの悪影響があ
る。またＳｍ−Ｃｏ系磁石粉末のように比較的流動性の
良い原料を使用する場合は、上記影響が問題となること
は少ないが、Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系磁石粉末のように鱗片形
状を有する磁石粉末を使用する場合は、粉末自体がもと
より流動性が悪い上に、さらに黒鉛粉末を添加すること
により流動性の悪化が顕著になる。
【００１７】したがって、磁石粉末としてＮｄ−Ｆｅ−
Ｂ系磁石粉末を使用する場合には、原料粉末の流動性を
阻害することが少ないＭｏＳ2 と共に、抜き圧低減効果
が高い黒鉛粉末を複合添加することが製品品質および量
産性を高めるために特に有効である。
Ｂ系磁石粉末を使用する場合には、原料粉末の流動性を
阻害することが少ないＭｏＳ2 と共に、抜き圧低減効果
が高い黒鉛粉末を複合添加することが製品品質および量
産性を高めるために特に有効である。
【００１８】
【作用】本発明に係る樹脂結合磁石の製造方法によれ
ば、機械的強度特性に与える影響が少ない二硫化モリブ
デンを潤滑剤として原料混合体に所定量添加しているた
め、原料混合体の圧縮成形時における成形用型との摩擦
や発熱を効果的に防止でき、成形体の抜き圧を低減させ
ることができる。さらに連続成形数を増加させることが
できるため、磁石製造装置の保守管理が簡素化し、磁石
の製造効率を大幅に改善することができる。
ば、機械的強度特性に与える影響が少ない二硫化モリブ
デンを潤滑剤として原料混合体に所定量添加しているた
め、原料混合体の圧縮成形時における成形用型との摩擦
や発熱を効果的に防止でき、成形体の抜き圧を低減させ
ることができる。さらに連続成形数を増加させることが
できるため、磁石製造装置の保守管理が簡素化し、磁石
の製造効率を大幅に改善することができる。
【００１９】また原料混合体の流動性を阻害することが
少ないＭｏＳ2 を使用し、または流動性を阻害する黒鉛
の添加量を少量に抑制しているため、黒鉛を単独に通常
量添加した場合と異なり、原料混合体の成形用型への均
一充填が可能となり、成形体を高い寸法精度で形成する
ことができる。
少ないＭｏＳ2 を使用し、または流動性を阻害する黒鉛
の添加量を少量に抑制しているため、黒鉛を単独に通常
量添加した場合と異なり、原料混合体の成形用型への均
一充填が可能となり、成形体を高い寸法精度で形成する
ことができる。
【００２０】
【実施例】次に本発明を以下の実施例を参照して、より
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【００２１】実施例１ Ｎｄ−Ｆｅ−Ｂ系急冷磁石粉末（ＭＱパウダー，ＭＱＰ
−Ｂ：ＧＭ社製）を９７．８ｗｔ％と、熱硬化性エポキ
シ樹脂粉末を２ｗｔ％と、チタネート系カップリング剤
を０．２ｗｔ％とを秤量配合し、ダルトンミキサーにて
均一攪拌して調合粉を調製し、得られた調合粉に対して
潤滑剤として平均粒径１μｍの MoS2を１重量％均一に
添加して原料混合体を調製した。
−Ｂ：ＧＭ社製）を９７．８ｗｔ％と、熱硬化性エポキ
シ樹脂粉末を２ｗｔ％と、チタネート系カップリング剤
を０．２ｗｔ％とを秤量配合し、ダルトンミキサーにて
均一攪拌して調合粉を調製し、得られた調合粉に対して
潤滑剤として平均粒径１μｍの MoS2を１重量％均一に
添加して原料混合体を調製した。
【００２２】次に得られた原料混合体２０ｇを内径２０
mmのキャビティを有する成形用金型に充填し、８ton/cm
2 の成形圧力で圧縮成形後、成形用金型から成形体を抜
き出す際に必要な抜き出し圧力（抜き圧）を測定し、表
１に示す結果を得た。
mmのキャビティを有する成形用金型に充填し、８ton/cm
2 の成形圧力で圧縮成形後、成形用金型から成形体を抜
き出す際に必要な抜き出し圧力（抜き圧）を測定し、表
１に示す結果を得た。
【００２３】また上記原料混合体を原料供給フィーダを
使用して他の成形用金型に充填し、８ton/cm2 の成形圧
力で原料混合体を連続的に加圧成形し、外径３０mm、内
径２０mm、高さ２０mmのリング状成形体を多数調製し
た。この連続した加圧成形操作において、第１回目の加
圧成形から、成形用金型表面に原料混合体の付着を生
じ、成形体に傷痕（きず）や欠けが生じるまでに連続的
に可能であった成形回数を測定した。
使用して他の成形用金型に充填し、８ton/cm2 の成形圧
力で原料混合体を連続的に加圧成形し、外径３０mm、内
径２０mm、高さ２０mmのリング状成形体を多数調製し
た。この連続した加圧成形操作において、第１回目の加
圧成形から、成形用金型表面に原料混合体の付着を生
じ、成形体に傷痕（きず）や欠けが生じるまでに連続的
に可能であった成形回数を測定した。
【００２４】上記調製した原料混合体を使用し、同一成
形条件の下に外径３０mm、内径２５mm、高さ１０mmのリ
ング状試料を５０個成形し、それら試料の高さ方向の寸
法をそれぞれ測定し、そのばらつき３σ（標準偏差の３
倍値）を算出して、成形体の寸法精度を評価した。測定
結果を表１に示す。
形条件の下に外径３０mm、内径２５mm、高さ１０mmのリ
ング状試料を５０個成形し、それら試料の高さ方向の寸
法をそれぞれ測定し、そのばらつき３σ（標準偏差の３
倍値）を算出して、成形体の寸法精度を評価した。測定
結果を表１に示す。
【００２５】実施例２ 潤滑剤として平均粒径３μｍの黒鉛粉末を０．３ｗｔ％
と、平均粒径１μｍのＭｏＳ2 粉末を０．６ｗｔ％とを
添加した以外は実施例１と全く同一の成形条件下におい
て成形体を調製し、さらに樹脂を硬化せしめて樹脂結合
磁石を調製し、実施例１と同様に成形体の抜き出し圧
力、連続成形可能回数、成形体の寸法のばらつきおよび
結合磁石の磁気特性、密度、抗折強度を測定し、表１お
よび表２に示す結果を得た。
と、平均粒径１μｍのＭｏＳ2 粉末を０．６ｗｔ％とを
添加した以外は実施例１と全く同一の成形条件下におい
て成形体を調製し、さらに樹脂を硬化せしめて樹脂結合
磁石を調製し、実施例１と同様に成形体の抜き出し圧
力、連続成形可能回数、成形体の寸法のばらつきおよび
結合磁石の磁気特性、密度、抗折強度を測定し、表１お
よび表２に示す結果を得た。
【００２６】比較例１ 潤滑剤としての黒鉛粉末およびＭｏＳ2 を全く添加しな
い原料混合体を使用した以外は実施例１と同様に成形処
理して樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様に成形体
の抜き出し圧力、連続成形可能回数、成形体の寸法のば
らつきおよび樹脂結合磁石の密度、磁気特性および抗折
強度を測定し、表１および表２に示す結果を得た。
い原料混合体を使用した以外は実施例１と同様に成形処
理して樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様に成形体
の抜き出し圧力、連続成形可能回数、成形体の寸法のば
らつきおよび樹脂結合磁石の密度、磁気特性および抗折
強度を測定し、表１および表２に示す結果を得た。
【００２７】比較例２ 潤滑剤として黒鉛粉末のみを０．６ｗｔ％添加した原料
混合体を使用した以外は実施例１と同様に成形処理して
樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様の測定を行な
い、表１および表２に示す結果を得た。
混合体を使用した以外は実施例１と同様に成形処理して
樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様の測定を行な
い、表１および表２に示す結果を得た。
【００２８】比較例３ 潤滑剤としての従来のステアリン酸亜鉛を０．５ｗｔ％
添加した原料混合体を使用した以外は実施例１と同様に
成形処理して樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様の
測定を行ない、さらに、他の金型を使用し、磁気特性評
価用並びに密度測定用の成形体（外径２０mm、厚さ４mm
のディスク状）および抗折試験用成形体（６０mm×１０
mm×厚さ３mmの板状）をいずれも８ton/cm2 の圧力で成
形した。これらの成形体は、窒素雰囲気中で１５０℃、
２時間の加熱処理を行ない、樹脂成分を硬化させ樹脂結
合磁石とした後に測定試験に供した。
添加した原料混合体を使用した以外は実施例１と同様に
成形処理して樹脂結合磁石を調製し、実施例１と同様の
測定を行ない、さらに、他の金型を使用し、磁気特性評
価用並びに密度測定用の成形体（外径２０mm、厚さ４mm
のディスク状）および抗折試験用成形体（６０mm×１０
mm×厚さ３mmの板状）をいずれも８ton/cm2 の圧力で成
形した。これらの成形体は、窒素雰囲気中で１５０℃、
２時間の加熱処理を行ない、樹脂成分を硬化させ樹脂結
合磁石とした後に測定試験に供した。
【００２９】それらの測定試験結果を下記表１および表
２に示す。
２に示す。
【００３０】
【表１】
【００３１】
【表２】
【００３２】表１および表２に示す結果から明らかなよ
うに、実施例１に係る樹脂結合磁石においては、潤滑剤
としてＭｏＳ2 を使用しているため、成形時における原
料粉末の付着、摩擦、発熱を低減でき、寸法精度が高く
磁気特性、機械的強度に優れた成形体および樹脂結合磁
石を効率的に製造することができた。
うに、実施例１に係る樹脂結合磁石においては、潤滑剤
としてＭｏＳ2 を使用しているため、成形時における原
料粉末の付着、摩擦、発熱を低減でき、寸法精度が高く
磁気特性、機械的強度に優れた成形体および樹脂結合磁
石を効率的に製造することができた。
【００３３】特に実施例２においては、ＭｏＳ2 の添加
による潤滑効果に加えて、黒鉛粉末の複合添加による抜
き出し圧力低減効果が大きく、成形操作がより簡素にな
る。
による潤滑効果に加えて、黒鉛粉末の複合添加による抜
き出し圧力低減効果が大きく、成形操作がより簡素にな
る。
【００３４】一方、比較例１に示すように、潤滑剤を添
加しない場合は、抜き圧が高く、連続成形が困難であ
り、製造効率が低い。また比較例２のように、潤滑剤と
して黒鉛のみを添加した場合は、成形体の抜き圧低減効
果は顕著であるが、原料混合体の流動性が阻害されるた
め、製品の寸法のばらつきが大きくなり、形状精度が大
幅に低下した。さらに比較例３に示すように、潤滑剤と
して従来のステアリン酸亜鉛を使用した場合には、製品
の抗折強度が著しく低下してしまった。
加しない場合は、抜き圧が高く、連続成形が困難であ
り、製造効率が低い。また比較例２のように、潤滑剤と
して黒鉛のみを添加した場合は、成形体の抜き圧低減効
果は顕著であるが、原料混合体の流動性が阻害されるた
め、製品の寸法のばらつきが大きくなり、形状精度が大
幅に低下した。さらに比較例３に示すように、潤滑剤と
して従来のステアリン酸亜鉛を使用した場合には、製品
の抗折強度が著しく低下してしまった。
【００３５】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る樹脂結合磁
石の製造方法によれば、機械的強度特性に与える影響が
少ない二硫化モリブデンを潤滑剤として原料混合体に所
定量添加しているため、原料混合体の圧縮成形時におけ
る成形用型との摩擦や発熱を効果的に防止でき、成形体
の抜き圧を低減させることができる。さらに連続成形数
を増加させることができるため、磁石製造装置の保守管
理が簡素化し、磁石の製造効率を大幅に改善することが
できる。
石の製造方法によれば、機械的強度特性に与える影響が
少ない二硫化モリブデンを潤滑剤として原料混合体に所
定量添加しているため、原料混合体の圧縮成形時におけ
る成形用型との摩擦や発熱を効果的に防止でき、成形体
の抜き圧を低減させることができる。さらに連続成形数
を増加させることができるため、磁石製造装置の保守管
理が簡素化し、磁石の製造効率を大幅に改善することが
できる。
【００３６】また原料混合体の流動性を阻害することが
少ないＭｏＳ2 を使用し、または流動性を阻害する黒鉛
の添加量を少量に抑制しているため、黒鉛を単独に通常
量添加した場合と異なり、原料混合体の成形用型への均
一充填が可能となり、成形体を高い寸法精度で形成する
ことができる。
少ないＭｏＳ2 を使用し、または流動性を阻害する黒鉛
の添加量を少量に抑制しているため、黒鉛を単独に通常
量添加した場合と異なり、原料混合体の成形用型への均
一充填が可能となり、成形体を高い寸法精度で形成する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 笠戸 孝幸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町８番地 株 式会社東芝横浜事業所内
Claims (3)
- 【請求項１】 磁石粒子と、結合剤としての樹脂粒子
と、潤滑剤との混合体を成形用金型内に充填した後に圧
縮成形して成形体を形成し、得られた成形体中の樹脂成
分を硬化せしめることにより、磁石粒子を樹脂によって
一体に結合する樹脂結合磁石の製造方法において、上記
潤滑剤として２重量％以下の二硫化モリブデン（ＭｏＳ
2 ）粉末を混合体中に添加することを特徴とする樹脂結
合磁石の製造方法。 - 【請求項２】 磁石粒子と、結合剤としての樹脂粒子
と、潤滑剤との混合体を成形用金型内に充填した後に圧
縮成形して成形体を形成し、得られた成形体中の樹脂成
分を硬化せしめることにより、磁石粒子を樹脂によって
一体に結合する樹脂結合磁石の製造方法において、上記
潤滑剤として２重量％以下の二硫化モリブデンと共に２
重量％以下の黒鉛粉末を上記混合体中に複合添加するこ
とを特徴とする樹脂結合磁石の製造方法。 - 【請求項３】 磁石粒子がＮｄ−Ｆｅ−Ｂ系永久磁石で
あることを特徴とする請求項１または２記載の樹脂結合
磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4236074A JPH0684676A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 樹脂結合磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4236074A JPH0684676A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 樹脂結合磁石の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0684676A true JPH0684676A (ja) | 1994-03-25 |
Family
ID=16995336
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4236074A Pending JPH0684676A (ja) | 1992-09-03 | 1992-09-03 | 樹脂結合磁石の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0684676A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7998361B2 (en) | 2004-03-31 | 2011-08-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Soft magnetic material and powder magnetic core |
-
1992
- 1992-09-03 JP JP4236074A patent/JPH0684676A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7998361B2 (en) | 2004-03-31 | 2011-08-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Soft magnetic material and powder magnetic core |
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