JPH068442A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置Info
- Publication number
- JPH068442A JPH068442A JP4171193A JP17119392A JPH068442A JP H068442 A JPH068442 A JP H068442A JP 4171193 A JP4171193 A JP 4171193A JP 17119392 A JP17119392 A JP 17119392A JP H068442 A JPH068442 A JP H068442A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、トランスファーモールド成形法の欠点であったモー
ルド樹脂と基板との熱収縮率の差による剥離を解消す
る。 【構成】 基板1上にエネルギー発生素子2及び固体層
4を順次形成したインクジェット記録ヘッド工程品の外
枠5を被覆樹脂でトランスファーモールド成形する際、
基板のエネルギー発生素子を取付けた面の反対面の一部
が露出するように空洞孔10を設ける。
て、トランスファーモールド成形法の欠点であったモー
ルド樹脂と基板との熱収縮率の差による剥離を解消す
る。 【構成】 基板1上にエネルギー発生素子2及び固体層
4を順次形成したインクジェット記録ヘッド工程品の外
枠5を被覆樹脂でトランスファーモールド成形する際、
基板のエネルギー発生素子を取付けた面の反対面の一部
が露出するように空洞孔10を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するためのインクジェット
記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘ
ッドを備えた記録装置に関する。
式に用いる記録液小滴を発生するためのインクジェット
記録ヘッド、その製造方法、及びインクジェット記録ヘ
ッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記インクジェット記録方式に適用され
るインクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」と
いう)には、一般に、インクが吐出されるためのインク
吐出口と、前記吐出口に供給するためのインクを貯える
インク室と、前記吐出口と前記インク室とを連通するイ
ンク路と、前記インク路の一部に設けられたインクを吐
出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子
と、前記インク室に外部からインクを供給するためのイ
ンク供給口が設けられている。
るインクジェット記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」と
いう)には、一般に、インクが吐出されるためのインク
吐出口と、前記吐出口に供給するためのインクを貯える
インク室と、前記吐出口と前記インク室とを連通するイ
ンク路と、前記インク路の一部に設けられたインクを吐
出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子
と、前記インク室に外部からインクを供給するためのイ
ンク供給口が設けられている。
【0003】従来の記録ヘッドの製造方法としては次の
ようなものが知られている。
ようなものが知られている。
【0004】(1)エネルギー発生素子が設けられた第
1の基板を備え、ガラスや金属などからなる第2の基板
に切削やエッチングなどの加工手段によりインク吐出
口、インク路及びインク室を形成するための凹部ならび
に前記インク室と外部とを連通するためのインク供給口
を設けたのち、前記第1の基板に前記第2の基板をエネ
ルギー発生素子とインク路との位置を合わせて接着剤に
より貼り合わせる方法。
1の基板を備え、ガラスや金属などからなる第2の基板
に切削やエッチングなどの加工手段によりインク吐出
口、インク路及びインク室を形成するための凹部ならび
に前記インク室と外部とを連通するためのインク供給口
を設けたのち、前記第1の基板に前記第2の基板をエネ
ルギー発生素子とインク路との位置を合わせて接着剤に
より貼り合わせる方法。
【0005】(2)エネルギー発生素子が設けられたガ
ラスなどからなる第1の基板にポジ型もしくはネガ型の
感光性ドライフィルムを貼り、前記感光性ドライフィル
ムのうちインク吐出口、インク路及びインク室に相当す
るパターンをマスクもしくは露出させて露光し、現像し
て前記吐出口、インク路及びインク室に相当するパター
ンの固体層を第1の基板上に設ける。前記固体層および
第1の基板の上に硬化剤が混合された液状の硬化性材料
を適宜厚さに塗布し、所定の温度で長時間放置して前記
硬化性材料を硬化させる。ついで、前記硬化性材料が硬
化した第1の基板をインク吐出口を形成する位置で切断
して前記固体層の端面を露出させたのち前記固体層を溶
解する溶剤中に浸漬し、前記硬化性材料が硬化した第1
の基板から前記固体層を溶解除去して内部にインク路及
びインク室を形成する空間を設ける方法(特開昭61−
15497号公報参照)。
ラスなどからなる第1の基板にポジ型もしくはネガ型の
感光性ドライフィルムを貼り、前記感光性ドライフィル
ムのうちインク吐出口、インク路及びインク室に相当す
るパターンをマスクもしくは露出させて露光し、現像し
て前記吐出口、インク路及びインク室に相当するパター
ンの固体層を第1の基板上に設ける。前記固体層および
第1の基板の上に硬化剤が混合された液状の硬化性材料
を適宜厚さに塗布し、所定の温度で長時間放置して前記
硬化性材料を硬化させる。ついで、前記硬化性材料が硬
化した第1の基板をインク吐出口を形成する位置で切断
して前記固体層の端面を露出させたのち前記固体層を溶
解する溶剤中に浸漬し、前記硬化性材料が硬化した第1
の基板から前記固体層を溶解除去して内部にインク路及
びインク室を形成する空間を設ける方法(特開昭61−
15497号公報参照)。
【0006】(3)エネルギー発生素子が設けられた第
1の基板にポジ型もしくはネガ型の感光性ドライフィル
ムを貼り、前記感光性ドライフィルムのうちインク吐出
口、インク路及びインク室に相当するパターンをマスク
もしくは露出させて露光し、現像して前記インク吐出
口、インク路及びインク室に相当するパターンの固体層
を第1の基板上に設ける。前記固体層及び第1の基板の
上に活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線
硬化性材料を適宜厚さに塗布し、インク室の一部を形成
するための凹部および供給口が設けられた活性エネルギ
ー線透過性の第2の基板を前記活性エネルギー線硬化性
材料の上に前記凹部をインク室が形成される予定位置に
合わせて貼り付け積層体を作る。つぎに、前記活性エネ
ルギー線硬化性材料のうちインク室が形成される予定部
分を隠すように第2の基板をマスクして活性エネルギー
線をその第2の基板を通して活性エネルギー線硬化性材
料に照射し硬化させる。ついで、前記活性エネルギー線
硬化性材料が硬化された積層体をインク吐出口を形成す
る位置で切断して前記固体層の端面を露出させたのち前
記固体層と未硬化の活性エネルギー線硬化性材料とを溶
解する溶剤中に浸漬し、前記積層体から前記固体層およ
び未硬化の活性エネルギー線硬化性材料を溶解除去して
内部にインク路およびインク室を形成する空間を設ける
方法(特開昭62−253457号公報参照)。
1の基板にポジ型もしくはネガ型の感光性ドライフィル
ムを貼り、前記感光性ドライフィルムのうちインク吐出
口、インク路及びインク室に相当するパターンをマスク
もしくは露出させて露光し、現像して前記インク吐出
口、インク路及びインク室に相当するパターンの固体層
を第1の基板上に設ける。前記固体層及び第1の基板の
上に活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー線
硬化性材料を適宜厚さに塗布し、インク室の一部を形成
するための凹部および供給口が設けられた活性エネルギ
ー線透過性の第2の基板を前記活性エネルギー線硬化性
材料の上に前記凹部をインク室が形成される予定位置に
合わせて貼り付け積層体を作る。つぎに、前記活性エネ
ルギー線硬化性材料のうちインク室が形成される予定部
分を隠すように第2の基板をマスクして活性エネルギー
線をその第2の基板を通して活性エネルギー線硬化性材
料に照射し硬化させる。ついで、前記活性エネルギー線
硬化性材料が硬化された積層体をインク吐出口を形成す
る位置で切断して前記固体層の端面を露出させたのち前
記固体層と未硬化の活性エネルギー線硬化性材料とを溶
解する溶剤中に浸漬し、前記積層体から前記固体層およ
び未硬化の活性エネルギー線硬化性材料を溶解除去して
内部にインク路およびインク室を形成する空間を設ける
方法(特開昭62−253457号公報参照)。
【0007】(4)インク吐出エネルギー発生素子が設
けられたガラス等からなる第1の基板上に除去可能な材
料からなる固体層によりインク吐出口、インク路および
インク室に相当する部分を形成する。前記固体層及び第
1の基板上にトランスファーモールド成形により、前記
固体層の表面の内、少なくともインク室の一部に相当す
る部分の表面を除く他の部分をモールド樹脂により被覆
する。ついで、第1の基板をインク吐出口を形成する位
置で切断して前記固体層の端面を露出させた後、前記固
体層を溶解する溶剤中に浸漬し、モールド樹脂で被覆さ
れた第1の基板から前記固体層を溶解除去して、内部に
インク路及びインク室を形成する空間を設ける方法が提
案されている。
けられたガラス等からなる第1の基板上に除去可能な材
料からなる固体層によりインク吐出口、インク路および
インク室に相当する部分を形成する。前記固体層及び第
1の基板上にトランスファーモールド成形により、前記
固体層の表面の内、少なくともインク室の一部に相当す
る部分の表面を除く他の部分をモールド樹脂により被覆
する。ついで、第1の基板をインク吐出口を形成する位
置で切断して前記固体層の端面を露出させた後、前記固
体層を溶解する溶剤中に浸漬し、モールド樹脂で被覆さ
れた第1の基板から前記固体層を溶解除去して、内部に
インク路及びインク室を形成する空間を設ける方法が提
案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の各記録ヘッ
ドの製造方法は、以下のような問題点があった。
ドの製造方法は、以下のような問題点があった。
【0009】(1)の記録ヘッドの製造方法では、第2
の基板に設けられるインク室を形成するための凹部を大
きくすることにより、高速記録に好適な大きなインク室
を有する記録ヘッドを製造することができるという利点
はあるが、第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼
り合わせる際、第1の基板の微細なエネルギー発生素子
と第2の基板の微細なインク路とを精密に位置合わせす
る必要があり、また接着剤で貼り合わせる際、微細なイ
ンク路に接着剤が流れ込まないような工夫が必要であ
り、そのため、インクジェット記録ヘッド製造装置が複
雑、高価なものとなるほか、多量生産性に欠けるため、
製品のコストアップを引き起こすという問題点がある。
の基板に設けられるインク室を形成するための凹部を大
きくすることにより、高速記録に好適な大きなインク室
を有する記録ヘッドを製造することができるという利点
はあるが、第1の基板と第2の基板とを接着剤により貼
り合わせる際、第1の基板の微細なエネルギー発生素子
と第2の基板の微細なインク路とを精密に位置合わせす
る必要があり、また接着剤で貼り合わせる際、微細なイ
ンク路に接着剤が流れ込まないような工夫が必要であ
り、そのため、インクジェット記録ヘッド製造装置が複
雑、高価なものとなるほか、多量生産性に欠けるため、
製品のコストアップを引き起こすという問題点がある。
【0010】(2)の記録ヘッドの製造方法では、
(1)の記録ヘッドの製造方法にみられるような第1の
基板と第2の基板との貼り合わせで発生する問題点を解
決できる利点はあるが、インク室の容積は、インク室の
高さが第1の基板上に設けられるパターン状の固体層の
厚さによって制限される為、大容積化が困難となる。ま
た、工程が複雑で時間がかかり、工程数も多いのでやは
り多量生産性に欠け、製品のコストアップを引き起こす
という問題点がある。
(1)の記録ヘッドの製造方法にみられるような第1の
基板と第2の基板との貼り合わせで発生する問題点を解
決できる利点はあるが、インク室の容積は、インク室の
高さが第1の基板上に設けられるパターン状の固体層の
厚さによって制限される為、大容積化が困難となる。ま
た、工程が複雑で時間がかかり、工程数も多いのでやは
り多量生産性に欠け、製品のコストアップを引き起こす
という問題点がある。
【0011】(3)の記録ヘッドの製造方法では、第2
の基板に設けるインク室の他の一部を形成するための凹
部を大きくすることにより、大きな液室を有する記録ヘ
ッドを製造することができるという利点と、(1)の記
録ヘッドの製造方法にみられるような第1の基板と第2
の基板との貼り合せで発生する問題点を解決できる利点
とがあるが、(2)の記録ヘッドの製造方法と同様に、
工程が複雑で時間がかかり、工程数はさらに多いのでや
はり多量生産性に欠け、製品のコストアップを引き起こ
すという問題点がある。
の基板に設けるインク室の他の一部を形成するための凹
部を大きくすることにより、大きな液室を有する記録ヘ
ッドを製造することができるという利点と、(1)の記
録ヘッドの製造方法にみられるような第1の基板と第2
の基板との貼り合せで発生する問題点を解決できる利点
とがあるが、(2)の記録ヘッドの製造方法と同様に、
工程が複雑で時間がかかり、工程数はさらに多いのでや
はり多量生産性に欠け、製品のコストアップを引き起こ
すという問題点がある。
【0012】(4)の記録ヘッドの製造方法では、
(1)、(2)、(3)で示される製造方法の上記問題
点を解決し、多量生産性に優れた、安価なインクジェッ
ト記録ヘッドを提供できる。しかしながら、基板とモー
ルド樹脂との界面の応力緩和及び/又は基板とモールド
樹脂との密着力向上を目的として、基板全体をモールド
樹脂で包む、所謂パッケージング構造を取ると、基板か
らの発熱に対し、放熱性が悪くなる。前記することは、
インク吐出エネルギー発生素子の配設が多くなるほど顕
著な傾向となる。
(1)、(2)、(3)で示される製造方法の上記問題
点を解決し、多量生産性に優れた、安価なインクジェッ
ト記録ヘッドを提供できる。しかしながら、基板とモー
ルド樹脂との界面の応力緩和及び/又は基板とモールド
樹脂との密着力向上を目的として、基板全体をモールド
樹脂で包む、所謂パッケージング構造を取ると、基板か
らの発熱に対し、放熱性が悪くなる。前記することは、
インク吐出エネルギー発生素子の配設が多くなるほど顕
著な傾向となる。
【0013】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、2つの基板を精密に位置
合わせして貼り合わせるという工程を必要とせずに、簡
単かつ少ない工程により精密度及び信頼性が高く、多量
生産に適した安価なインクジェット記録ヘッドと、該記
録ヘッドを備えたインクジェット記録装置と、該記録ヘ
ッドの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
に鑑みてなされたものであり、2つの基板を精密に位置
合わせして貼り合わせるという工程を必要とせずに、簡
単かつ少ない工程により精密度及び信頼性が高く、多量
生産に適した安価なインクジェット記録ヘッドと、該記
録ヘッドを備えたインクジェット記録装置と、該記録ヘ
ッドの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0014】また、インク路が精度良く正確で、かつ歩
留り良く微細加工された構成を有するインクジェット記
録ヘッド及び記録装置を提供することが可能なインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法を提供することも目的とす
る。
留り良く微細加工された構成を有するインクジェット記
録ヘッド及び記録装置を提供することが可能なインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法を提供することも目的とす
る。
【0015】また、基板の支持体と、記録装置への取付
部材とを兼ねた金属部材を用いることで、放熱性が向上
し安定な吐出が得られるインクジェット記録ヘッド及び
記録装置を提供することが可能な製造方法を提供するこ
とも目的とする
部材とを兼ねた金属部材を用いることで、放熱性が向上
し安定な吐出が得られるインクジェット記録ヘッド及び
記録装置を提供することが可能な製造方法を提供するこ
とも目的とする
【0016】
【課題を解決するための手段】上述目的を達成するため
の本発明は、基板上にインクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生するエネルギー発生素子を設け、前
記エネルギー発生素子に一致させて、基板上にインク
路、インク室及びインク供給口の各相当部を有する固体
層を形成し、前記固体層及び基板を履って樹脂からなる
外枠をトランスファーモールド成形法によって形成した
後、固体層を溶解除去してインク路、インク室及びイン
ク供給口を形成する工程を含むインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法において、エネルギー発生素子を設けた面
とは反対の基板面の一部が露出するように、外枠形成時
に空洞孔を設けるインクジェット記録ヘッドの製造方法
である。
の本発明は、基板上にインクを吐出するために利用され
るエネルギーを発生するエネルギー発生素子を設け、前
記エネルギー発生素子に一致させて、基板上にインク
路、インク室及びインク供給口の各相当部を有する固体
層を形成し、前記固体層及び基板を履って樹脂からなる
外枠をトランスファーモールド成形法によって形成した
後、固体層を溶解除去してインク路、インク室及びイン
ク供給口を形成する工程を含むインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法において、エネルギー発生素子を設けた面
とは反対の基板面の一部が露出するように、外枠形成時
に空洞孔を設けるインクジェット記録ヘッドの製造方法
である。
【0017】また、本発明は、上記製造方法で製造され
たインクジェット記録ヘッドであり、該記録ヘッドは前
記空洞孔を介して、基板と金属部材が接合してなるもの
である。
たインクジェット記録ヘッドであり、該記録ヘッドは前
記空洞孔を介して、基板と金属部材が接合してなるもの
である。
【0018】また本発明の記録ヘッドは、記録媒体の記
録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられているフ
ルラインタイプのものであり、該記録ヘッドのインク吐
出エネルギー発生素子は、電気エネルギーを与えること
によって発熱し、インクに状態変化を生ぜしめて吐出を
行わせるための電気熱変換体である。
録領域の全幅にわたって吐出口が複数設けられているフ
ルラインタイプのものであり、該記録ヘッドのインク吐
出エネルギー発生素子は、電気エネルギーを与えること
によって発熱し、インクに状態変化を生ぜしめて吐出を
行わせるための電気熱変換体である。
【0019】また、本発明は、記録媒体の被記録面に対
向して、インクを吐出するインク吐出口が設けられてい
る上記記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部
材とを少なくとも具備する記録装置である。
向して、インクを吐出するインク吐出口が設けられてい
る上記記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部
材とを少なくとも具備する記録装置である。
【0020】以下、図面を用いて本発明を詳述する。
【0021】図1から図5は、本発明の記録ヘッドの製
造方法の一例を示すための模式図であり、図1から図5
の夫々には、本発明の方法に関わるインクジェット記録
ヘッドの構成とその製作手順の一例が示されている。
尚、本例では、3つの吐出口を有するインクジェット記
録ヘッドが示されているが、勿論これ以上の吐出口を有
する高密度マルチアレイインクジェット記録ヘッドの場
合でも同様であることは、言うまでもない。
造方法の一例を示すための模式図であり、図1から図5
の夫々には、本発明の方法に関わるインクジェット記録
ヘッドの構成とその製作手順の一例が示されている。
尚、本例では、3つの吐出口を有するインクジェット記
録ヘッドが示されているが、勿論これ以上の吐出口を有
する高密度マルチアレイインクジェット記録ヘッドの場
合でも同様であることは、言うまでもない。
【0022】まず、本発明に係るインクジェット記録ヘ
ッドにおいては、例えば図1に示されるような、ガラ
ス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からな
る基板1が用いられる。
ッドにおいては、例えば図1に示されるような、ガラ
ス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からな
る基板1が用いられる。
【0023】このような基板1は、インク路構成部材の
一部として機能し、又、後述するレジスト層の支持体と
して機能し得るものであれば、その形状、材質〓定され
ることなく使用できる。上記基板1上には、電気熱変換
素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギー発生素
子2が所望の個数配置される(図1では3個にて例
示)。このような、インク吐出エネルギー発生素子2に
よってインク小滴を吐出させるための吐出エネルギーが
インク液に与えられ、記録が行われる。因に、例えば、
上記インク吐出エネルギー発生素子2として電気熱変換
素子が用いられるときには、この素子が近傍のインクを
加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。又、
例えば、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械
的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
一部として機能し、又、後述するレジスト層の支持体と
して機能し得るものであれば、その形状、材質〓定され
ることなく使用できる。上記基板1上には、電気熱変換
素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギー発生素
子2が所望の個数配置される(図1では3個にて例
示)。このような、インク吐出エネルギー発生素子2に
よってインク小滴を吐出させるための吐出エネルギーが
インク液に与えられ、記録が行われる。因に、例えば、
上記インク吐出エネルギー発生素子2として電気熱変換
素子が用いられるときには、この素子が近傍のインクを
加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。又、
例えば、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械
的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
【0024】尚、これらの素子2には、これら素子を動
作させるための制御信号入力用電極3が接続されてい
る。又、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子2と前
記電極3の一部の耐久性を向上させる目的で、保護膜層
等の各種機能層が設けられる場合があるが、勿論本発明
においてもこの様な各種機能層を設けることには一向に
差し支えない。
作させるための制御信号入力用電極3が接続されてい
る。又、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子2と前
記電極3の一部の耐久性を向上させる目的で、保護膜層
等の各種機能層が設けられる場合があるが、勿論本発明
においてもこの様な各種機能層を設けることには一向に
差し支えない。
【0025】基板上1へのエネルギー発生素子2及び制
御信号入力用電極3の形成は、蒸着法、スパッタ法、エ
ッチング法などの半導体プロセスにより行う。
御信号入力用電極3の形成は、蒸着法、スパッタ法、エ
ッチング法などの半導体プロセスにより行う。
【0026】ついで、上記インク吐出エネルギー発生素
子2を含む基板1上に、溶剤等により除去可能な、例え
ばレジストからなる固体層4を形成する。この固体層4
は、何らかの手段で除去可能なものであれば、特にレジ
ストに限らず使用可能である。
子2を含む基板1上に、溶剤等により除去可能な、例え
ばレジストからなる固体層4を形成する。この固体層4
は、何らかの手段で除去可能なものであれば、特にレジ
ストに限らず使用可能である。
【0027】次に、図2に示すように、インクジェット
記録ヘッドの外枠とインク供給口9と本発明の特徴であ
る空洞孔10を形成できる型を用いて、モールド樹脂か
らなる外枠5をトランスファーモールド成形により成形
する。
記録ヘッドの外枠とインク供給口9と本発明の特徴であ
る空洞孔10を形成できる型を用いて、モールド樹脂か
らなる外枠5をトランスファーモールド成形により成形
する。
【0028】ここで、トランスファーモールド成形方法
について説明する。
について説明する。
【0029】本実施例のトランスファーモールド成形を
用いる工法として、固体層2、3が形成された基板1を
適切なランナー、ゲート、エア抜き構造を備えたキャビ
ティーからなる上型、下型のいずれかへ挿入したのち型
締めを行う。外枠5の材料として例えば熱硬化性のエポ
キシ樹脂を用いる場合は、樹脂の予備加熱温度60〜9
0℃、注入圧力20〜140Kgf/cm2 、成形型温
度100〜180℃、保圧硬化時間1〜10分及び成形
後のポストキュアという一般的な成形条件、工法に従っ
て行うことができる。前記する条件は、成形性(形状、
樹脂内の気泡、バリ、フラッシュなど)を確認し、それ
ぞれ適切なポイントを設定すれば良い。一般に成形温度
を高くすれば、硬化時間は短くて済む。また注入圧力が
高いほど、形状の安定性、気泡の発生が無くなるが、過
剰な圧力は製品へのダメージ、樹脂のバリ、フラッシュ
の問題を起こす。ここで、ポストキュアを行う時期とし
ては、必ずしも成形と連続して行う必要ななく、製品が
完成するまでのどの時点で行っても良い。従って、工程
の都合の良い段階で行うことができる。もちろん製品の
使用状態によっては、前記工程を除くことも可能であ
る。
用いる工法として、固体層2、3が形成された基板1を
適切なランナー、ゲート、エア抜き構造を備えたキャビ
ティーからなる上型、下型のいずれかへ挿入したのち型
締めを行う。外枠5の材料として例えば熱硬化性のエポ
キシ樹脂を用いる場合は、樹脂の予備加熱温度60〜9
0℃、注入圧力20〜140Kgf/cm2 、成形型温
度100〜180℃、保圧硬化時間1〜10分及び成形
後のポストキュアという一般的な成形条件、工法に従っ
て行うことができる。前記する条件は、成形性(形状、
樹脂内の気泡、バリ、フラッシュなど)を確認し、それ
ぞれ適切なポイントを設定すれば良い。一般に成形温度
を高くすれば、硬化時間は短くて済む。また注入圧力が
高いほど、形状の安定性、気泡の発生が無くなるが、過
剰な圧力は製品へのダメージ、樹脂のバリ、フラッシュ
の問題を起こす。ここで、ポストキュアを行う時期とし
ては、必ずしも成形と連続して行う必要ななく、製品が
完成するまでのどの時点で行っても良い。従って、工程
の都合の良い段階で行うことができる。もちろん製品の
使用状態によっては、前記工程を除くことも可能であ
る。
【0030】また、成形後に型から製品を離型する場合
の離型性を良くする目的で、成形型などに離型剤を用い
ることがある。
の離型性を良くする目的で、成形型などに離型剤を用い
ることがある。
【0031】モールド樹脂の成形手段としては、量産
性、精度、タクトを考えると、トランスファーモールド
成形法が本発明に最も適している。もちろん、モールド
樹脂の種類に応じて、他の方法、例えば、射出成形法、
ポッティング法、液状の樹脂に好適な注型法および紫外
線硬化型の樹脂に好適な選択的露光による成形法等を用
いても差し支えない。
性、精度、タクトを考えると、トランスファーモールド
成形法が本発明に最も適している。もちろん、モールド
樹脂の種類に応じて、他の方法、例えば、射出成形法、
ポッティング法、液状の樹脂に好適な注型法および紫外
線硬化型の樹脂に好適な選択的露光による成形法等を用
いても差し支えない。
【0032】外枠5形成材料であるモールド樹脂として
は、アリル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコ
ン系樹脂、ポリエステル、フェノール、メラミン、成形
手段によっては、液状であって、常温硬化、熱硬化、紫
外線硬化などの材料を用いることができ、例えば、アク
リル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
は、アリル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコ
ン系樹脂、ポリエステル、フェノール、メラミン、成形
手段によっては、液状であって、常温硬化、熱硬化、紫
外線硬化などの材料を用いることができ、例えば、アク
リル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
【0033】次いで、モールド成形後に除去可能な固体
層4を除去し、図3に示す本発明のインクジェット記録
ヘッドを得る。
層4を除去し、図3に示す本発明のインクジェット記録
ヘッドを得る。
【0034】固体層の除去手段としては、例えば、固体
層がポジ型レジストの場合は苛性ソーダ水溶液、アセン
ト等の有機溶剤等の溶液により溶解除去する方法があ
る。前記溶液は、外枠形成材料を浸さないものであれば
上記のものに限らない。また、溶剤の撹拌、超音波等の
促進手段を併用することで、より効果的に固体層を除去
できることは言うまでもない。
層がポジ型レジストの場合は苛性ソーダ水溶液、アセン
ト等の有機溶剤等の溶液により溶解除去する方法があ
る。前記溶液は、外枠形成材料を浸さないものであれば
上記のものに限らない。また、溶剤の撹拌、超音波等の
促進手段を併用することで、より効果的に固体層を除去
できることは言うまでもない。
【0035】ここで、インクの吐出特性はインク路の長
さにより変化することから、必要とあれば、最適な位置
を決めるために吐出口部を所定の位置で、切断して得る
こともある。切断はウェハーを切断する公知のダイシン
グ法等により行う。
さにより変化することから、必要とあれば、最適な位置
を決めるために吐出口部を所定の位置で、切断して得る
こともある。切断はウェハーを切断する公知のダイシン
グ法等により行う。
【0036】また、吐出口部の切断を行ってから固体層
を除去することも可能である。この方法は、吐出口部を
切断するときに、インクジェットの重要な役割を占める
インク路内等に固体層があることから、切削粉、ゴミ等
によるインク路内の詰まりといった問題を解決でき、ま
た、インク路が短くなる為固体層の除去性も向上する利
点があり好ましい。
を除去することも可能である。この方法は、吐出口部を
切断するときに、インクジェットの重要な役割を占める
インク路内等に固体層があることから、切削粉、ゴミ等
によるインク路内の詰まりといった問題を解決でき、ま
た、インク路が短くなる為固体層の除去性も向上する利
点があり好ましい。
【0037】図4は、前記成形により得られた空洞孔1
0を介して、基板1と金属部材11とを接合する工程を
示すものである。前記することにより、基板1で生じる
発熱を金属部材11へ逃がしてやることが可能となる。
0を介して、基板1と金属部材11とを接合する工程を
示すものである。前記することにより、基板1で生じる
発熱を金属部材11へ逃がしてやることが可能となる。
【0038】金属部材としては、Al ステンレス、S
iC等を挙げることができる。
iC等を挙げることができる。
【0039】金属部材と基板との接合に際して、空洞孔
部には主に銀ペースト、シリコンコンパウンド等、比較
的放熱性に優れた接合材料を用いた方がより効果的であ
る。また、空洞孔以外は、他の一般的な接着剤を用いて
接着強度を高めることは差し支えない。
部には主に銀ペースト、シリコンコンパウンド等、比較
的放熱性に優れた接合材料を用いた方がより効果的であ
る。また、空洞孔以外は、他の一般的な接着剤を用いて
接着強度を高めることは差し支えない。
【0040】また、金属部材11は記録装置への接続部
品としての役割を持たせる。さらに、前記金属部材にヘ
ッドを駆動させるための電気的な部品を実装することも
可能である。
品としての役割を持たせる。さらに、前記金属部材にヘ
ッドを駆動させるための電気的な部品を実装することも
可能である。
【0041】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0042】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
【0043】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0044】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0045】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0046】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0047】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0048】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0049】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0050】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0051】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0052】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0053】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0054】図5は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0055】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0056】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることに
よりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理
を行なう。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJCが保護される。
【0057】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード31はブレード保持部材31
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード31をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード31はブレード保持部材31
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード31をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴なってIJC20の吐出
面における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるもので
ある。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
明する。
【0059】シリコンウェハーからなる基板上に電気熱
変換体(材質HfB2からなるヒーター)及び前記電気
熱変換体に対応する電極(材質Al)をスパッタリング
で成膜し、フォトリソグラフィ技術でパターン形成法に
より形成し、素子面を得た。
変換体(材質HfB2からなるヒーター)及び前記電気
熱変換体に対応する電極(材質Al)をスパッタリング
で成膜し、フォトリソグラフィ技術でパターン形成法に
より形成し、素子面を得た。
【0060】次に、前記素子面上にSiO2 膜からなる
保護膜を設けた。
保護膜を設けた。
【0061】次いで、保護膜上に、ポジレジストをイン
ク吐出口の高さと同等の厚さにスピンナーコーティング
した後、各電気熱変換体に相対するインク路及びインク
室となるパターンマスクを用いて、露光、現像工程を経
て、固体層4を形成した。
ク吐出口の高さと同等の厚さにスピンナーコーティング
した後、各電気熱変換体に相対するインク路及びインク
室となるパターンマスクを用いて、露光、現像工程を経
て、固体層4を形成した。
【0062】次に、外枠形成材料として、熱硬化性のエ
ポキシ樹脂を用いて、一般的なマイクロ波を使用するプ
レヒーターで予備加熱温度80℃、注入圧力60Kgf
/cm2 、成型温度150℃及び保圧硬化時間4分でト
ランスファーモールド成形により、空洞孔を有する外枠
を形成した。
ポキシ樹脂を用いて、一般的なマイクロ波を使用するプ
レヒーターで予備加熱温度80℃、注入圧力60Kgf
/cm2 、成型温度150℃及び保圧硬化時間4分でト
ランスファーモールド成形により、空洞孔を有する外枠
を形成した。
【0063】トランスファー成形終了後、該工程品を5
wt%苛性ソーダ溶液中に浸漬し、ポジレジストからな
る固体層を溶解除去し、インク室、インク路及びインク
供給口を得た。
wt%苛性ソーダ溶液中に浸漬し、ポジレジストからな
る固体層を溶解除去し、インク室、インク路及びインク
供給口を得た。
【0064】次いで、トランスファー成形によって形成
した空洞部を介して、基板とAlからなる金属部材をシ
リコンコンパウンド(例えば、トーレシリコーン(株)
製SH―340)を用いて接着し、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを得た。
した空洞部を介して、基板とAlからなる金属部材をシ
リコンコンパウンド(例えば、トーレシリコーン(株)
製SH―340)を用いて接着し、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを得た。
【0065】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録ヘッド製造
方法によれば、(1)ヘッド作製のための主要工程がフ
ォトレジストや、ドライフィルム等を用いたフォトリソ
グラフィー技術による為、ヘッドの細密部を所望のパタ
ーンで、しかも極めて容易に形成できるばかりか、ウェ
ハー内に同構成の多数のヘッドを同時に加工することも
可能となり、(2)空洞孔が基板と金属部材を接合する
際の位置決め機構にできる利点がある。
方法によれば、(1)ヘッド作製のための主要工程がフ
ォトレジストや、ドライフィルム等を用いたフォトリソ
グラフィー技術による為、ヘッドの細密部を所望のパタ
ーンで、しかも極めて容易に形成できるばかりか、ウェ
ハー内に同構成の多数のヘッドを同時に加工することも
可能となり、(2)空洞孔が基板と金属部材を接合する
際の位置決め機構にできる利点がある。
【0066】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は(3)基板が金属部材と直接接触しているので、イン
ク吐出時、エネルギー発生素子の発熱による熱エネルギ
ーを外部へ逃がし、基板と硬化性樹脂との熱収縮率の違
いによる剥離を生じることなく、(4)更に、多くのエ
ネルギー発生素子を配設する場合にも、放熱性に優れる
ので、長期にわたって安定吐出が得られる利点がある。
は(3)基板が金属部材と直接接触しているので、イン
ク吐出時、エネルギー発生素子の発熱による熱エネルギ
ーを外部へ逃がし、基板と硬化性樹脂との熱収縮率の違
いによる剥離を生じることなく、(4)更に、多くのエ
ネルギー発生素子を配設する場合にも、放熱性に優れる
ので、長期にわたって安定吐出が得られる利点がある。
【図1】基板上にエネルギー発生素子、制御信号入力用
電極及び固体層を形成した記録ヘッド工程品の構成を示
す断面図である。
電極及び固体層を形成した記録ヘッド工程品の構成を示
す断面図である。
【図2】トランスファーモールド成形後、成形型より、
記録ヘッド工程品をとりだす様子を示す説明図である。
記録ヘッド工程品をとりだす様子を示す説明図である。
【図3】固体層を除去した後の記録ヘッド工程品の構成
を示す、 (A)断面図 (B)空洞孔側よりみた斜視図 である。
を示す、 (A)断面図 (B)空洞孔側よりみた斜視図 である。
【図4】空洞孔を介して、基板と金属部材とを接合した
本発明に係る記録ヘッドの一構成例の断面図である。
本発明に係る記録ヘッドの一構成例の断面図である。
【図5】本発明に係るインクジェット記録ヘッドを備え
た記録装置を示す模式的斜視図である。
た記録装置を示す模式的斜視図である。
1 基板 2 エネルギー発生素子 3 制御信号入力用電極 4 固体層 5 外枠 6 トランスファーモールド成形用上金型 7 トランスファーモールド成形用下金型 8 インク吐出口 9 インク供給口 10 空洞孔 11 金属部材 16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A、19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝導機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/16 // B29L 31:00 4F 9012−2C B41J 3/04 103 H (72)発明者 山本 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上にインクを吐出するために利用さ
れるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を設け、
前記エネルギー発生素子に一致させて、基板上にインク
路、インク室及びインク供給口の各相当部を有する固体
層を形成し、前記固体層及び基板を覆って樹脂からなる
外枠をトランスファーモールド成形法によって形成した
後、固体層を溶解除去してインク路、インク室及びイン
ク供給口を形成する工程を含むインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法において、エネルギー発生素子を設けた面
とは反対の基板面の一部が露出するように、外枠形成時
に空洞孔を設けることを特長とするインクジェット記録
ヘッドの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で製造したイン
クジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 空洞孔を介して、基板と金属部材が接合
してなる請求項2記載の記録ヘッド。 - 【請求項4】 インク吐出エネルギー発生素子が電気エ
ネルギーを与えることによって発熱し、インクに状態変
化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体であ
る請求項2記載の記録ヘッド。 - 【請求項5】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
ることを特徴とする請求項2記載の記録ヘッド。 - 【請求項6】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
吐出するインク吐出口が設けられている請求項2記載の
記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材とを
少なくとも具備することを特徴とする記録装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4171193A JP2997132B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | インクジェット記録ヘッドの製造方法 |
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