JPH068401Y2 - 自動消化装置付主食用かまどを載架した野外炊食車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主食用かまど、副食用かまどおよび携帯用燃
料タンクをトレーラー台上から移動して炊食できるよう
にした野外炊食車において、主食用かまどの炊飯完了時
にバーナーを自動消火する自動消火装置付主食用かまど
を載架した野外炊食車に関するものである。

（従来の技術） 本出願人は、先に野外炊食車上の各かまどをトレーラー
台から取外し可能に載架し、さらにトレーラー台の通路
上に各かまどに接続可能の携帯用燃料タンクを取外し可
能に具備し、上記携帯用燃料タンクおよびかまどをトレ
ーラー台上から移動して炊食できるようにした野外炊食
車を考案したが（実公昭６０−１８１８２号公報）、こ
の主食用かまどの炊飯器には炊飯完了時に自動消火機能
を有しておらず、このため炊飯完了を飯の焦臭の発生等
によってはじめて知り、手動によりバーナーの消火を行
っていた。このため走行中炊飯時は勿論のことである
が、携帯用燃料タンクおよびかまどをトレーラー台上か
ら地上におろして炊事を行う場合においても、たえず炊
飯の完了時期について注意を集中する必要があり、消火
時期のおくれによる焦飯の発生等も起り易く、同一状態
の良好な炊飯を得ることは困難であった。又消火時期の
おくれによって外釜が加熱されて焼損変形を生じ易く、
耐用年数を縮めているという欠点をも有していた。

また定置型ガス自動炊飯器の自動消火装置として例えば
実公昭４０−１９９７２号公報の如きものも公知である
が、このものは感熱器（バイメタル）が炊飯器の底部外
面に直接取付けられておらず、弾機（スプリング）によ
り上下動する支持筒内に設けられ、しかもこれが前記支
持筒内に収納された磁石の作用によって炊飯器の底部に
圧接されるようになっているため、構造的に複雑である
ばかりでなく、前記支持筒内を昇降する作用杆、揺動
杆、ガス供給弁、作用片等の作動部が露出状態で炊飯器
の支持枠内に設けられているため、炊飯中に発生する煮
こぼれにより前記作動部が支障を来たす等の問題点があ
った。

またガス供給弁の開閉は前記ガス供給弁の作動片に揺動
杆の端部を単に圧接・離間せしめて行うものであるた
め、弁作動装置として今一つ安全性に欠ける等の問題点
もあった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は走行中の炊飯は勿論のこと、携帯用燃料タンク
および主食用かまどをトレーラー台上からおろして炊食
を行う場合においても、煮こぼれ等によって支障を来た
すことなく、しかも主食用かまどの炊飯完了時にバーナ
ーを確実、かつ安全に消火せしめることができる自動消
火装置を付設することにより、上記の問題点を解決し、
均一良好な炊飯を自動的に得ることのできる自動消火装
置付主食用かまどを載架した野外炊食車を提供すること
を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決することを目的とし、主食用
および副食用かまどをトレーラー台から取外し可能に載
架し、前記トレーラー台の通路上に、前記主食用および
副食用かまどに接続可能の携帯用燃料タンクを取外し可
能に具備せしめ、上記携帯用燃料タンクおよびかまどを
トレーラー台上から移動して炊食できるようにした野外
炊食車において、上記主食用かまどの外釜底部に付設さ
れた感温皿と、これと密着するバイメタルとを備え、こ
のバイメタルの感温変化を支桿を介して作動棒に連動せ
しめる如く前記バイメタルと支桿の頭部を接触せしめ、
かつ前記作動棒を密閉された樋状のアーム内に、また前
記支桿を前記アームの先端側に、前記感温皿に外周面を
包み得る如く椀形状に形成した密着環内にそれぞれ収納
し、さらに前記アームの基端側をかまど本体に螺着した
開閉器本体内に圧接ばねを介して吊設したスイッチボッ
クスに一体に結合するとともに前記アームを支点軸にて
前記開閉器本体に回動自在に枢支し、さらに前記作動棒
を支点軸により前記アーム内に枢支し、かつ板ばねによ
り前記作動棒先端の支桿を前記外釜底部に付設された感
温皿のバイメタルに密着するようになすとともに、前記
アームの先端側を前記圧接ばねにより支点軸を支点とし
て常時上方へ回動せしめて前記密着環が感温皿の外周面
を包囲した状態で外釜４の底部に密着するようなし、さ
らに前記スイッチボックス内に前記作動棒の端末の上面
に常時下面を接触するストッパー押えと、前記ストッパ
ー押えに取付けたストッパー押えばねによりストッパー
の下端部を常時セットボタンのストップ溝と係合せしめ
て、弁を開状態に保持し、かつ前記作動棒の上昇時には
前記ストッパーの下端部をセットボタンのストップ溝か
ら離間し、前記弁を閉状態に保持する燃料バルブを内蔵
付設し、前記燃料バルブにトレーラー車体下の燃料タン
ク又は携帯用燃料タンクあるいは他車積載の携帯燃料タ
ンクからの燃料管およびバーナーへの燃料管を接続した
ことを特徴とするものである。

（実施例） 第１〜６図は、本考案の一実施例を示すものであって、
第１図は本考案野外炊食車のうちの主食用かまどの一実
施例として還流式炊飯器の側断面図、第２図は炊飯器の
バーナーと携帯用燃料タンクとの接続図、第３図は感温
開閉器の側断面図、第４図は同正面図、第５図は燃料バ
ルブの一部断面側面図、第６図は本考案野外炊食車の側
面図である。

１は主食用かまどのかまど本体であり、その底部中央に
バーナー２が設置されている。３は蓋で固定クランプに
よって、かまど本体１に装着された外釜４の上縁を押圧
密閉するようになっている。又外釜４内には方形の２個
の内釜５が装てんされている。

バーナー２の燃料としては、走行中炊飯時には車体下の
燃料タンク６よりの灯油およびガソリンを使用するが、
かまどをトレーラー台上よりおろして使用する場合は携
帯用燃料タンクを使用する。この携帯用燃料タンクは灯
油タンク７とガソリンタンク８が各１個づつ結合された
ものであるが、灯油タンク７には、圧力空気注入口９、
灯油注入口１０、灯油バルブ１１、空気バルブ１２が付
設されており、ガソリンタンク８には、ガソリン注入口
１３、ガソリンバルブ１４が付設されておりかつこの両
タンクはタンク上部に付設された均圧管１５により空気
の連通が図られて両燃料を常圧約３kg/cm²に加圧される
ようになっている。

空気バルブ１２、灯油バルブ１１、ガソリンバルブ１４
はすべて燃料管Ａ１６に集約して接続され、この燃料管
Ａ１６の他端は後述する自動消火装置１７に接続されて
いる。さらに該自動消火装置１７を経た燃料は燃料管Ｂ
１８を経てバーナー２に接続し給油されている。

なお、本実施例は携帯用燃料タンクのみについて説明し
ているが、これに限定されるものではなく、これと同機
能を持つ燃料タンクならば、上記トレーラー以外の一般
車両に積載して炊飯時には車両上又は地上に移してかま
どと連結せしめて炊飯を行うことは一向に差支えなく、
この場合は全く同一の効果が得られるものである。１９
は外釜４の底面に付設した凸レンズ状をした感温皿であ
り、２０はこの感温皿に密着保持されたバイメタルであ
る。

このバイメタル２０は外釜４をかまど本体１にセットし
たとき、自動消火装置の作動棒２１の一端と接触して、
感温開閉器２２に連動せしめるようになっている。

次に第３，４図により感温開閉器２２の構造を詳細に説
明すると、２３は開閉器本体であり、かまど本体入口に
付設されている。この本体２３内には圧接ばね２４を介
してスイッチボックス２５が懸吊されている。このスイ
ッチボックス２５の背面には、密閉された樋状のアーム
２６が付設され、このアームの先端側には前記感温皿１
９の外周面を包み得る如く椀形状に形成した密着環２７
が付設されて一体化されている。

上記スイッチボックス２５等の一体化物と開閉器本体２
３とは、圧接ばね２４および支点Ａ２８によって支持さ
れており、この圧接ばね２４の反発力によって密着環２
７は上方に押上げられて、上記感温皿１９の外周面を包
囲した状態で外釜４の底部に密着する。こうして密着環
２７は感温皿１９を保護し、バイメタル２０とこれに連
動する作動棒２１等の機構を密着せしめる働きを果して
いる。前記のバイメタル２０は感温皿１９にストップリ
ング２９によって結合されている。外釜４をかまどにセ
ットすると、このバイメタル２０の中央裏面に支桿３０
が圧接されるようになっておりこの支桿３０はピン３１
を介して作動棒２１の一端と連結されている。この作動
棒２１はアーム２６の中心軸上に位置するように支点Ｂ
３２によって、その重心位置に枢支されており、その他
端はアーム２６の他端内面に付設したＵ字状の板ばね３
３に係止されている。このため板ばね３３の弾性によっ
て支桿３０は常に押上げられ、バイメタル２０は感温皿
１９に圧接されている。つまり本考案は密着環２７、ア
ーム２６、スイッチボックス２５を連結した一体化物の
中に、支桿３０と作動棒２１の連結物が内蔵されて、バ
イメタル２０に支桿３０が圧接される構造となってい
る。

また、スイッチボックス２５内には前記作動棒２１の他
端が突出しているほかに、これと連動する燃料バルブ３
４が内蔵されている。

第５図はこの燃料バルブ３４の拡大断面図であるが、弁
本体３５の中心に、一端に弁３６を有する弁軸３７が貫
通しており、この弁軸３７の中央直上部の弁本体３５に
通油孔３８が孔設され、その他端は燃料管Ｂ１８に連接
されている。弁３６と通油孔３８とは弁軸３７の周囲に
設けられたスリット３９により連通されており、弁３６
が開いている通常状態においては、タンクより送られた
燃料は燃料管Ａ１６から弁３６の周辺を通り、スリット
３９および通油孔３８を経て燃料管Ｂ１８によりバーナ
ー２に給油されている。また、弁軸３７の他端はスプリ
ング４０、ガイド４１により支持された後、その端末に
セットボタン４２が付設されている。

一方、前記作動棒２１の端末の上面にはストッパー押え
４３と接触されており、このストッパー押え４３はガイ
ド４１の一端に支点Ｃ４４を介して枢支されており、ス
トッパー押えばね４５を介してストッパー４６を下方に
圧接支持している。このストッパー４６の先端部はくさ
び型に成型され、前記セットボタン４２の軸上に設けら
れたストップ溝４７とかん合係止されるようになってお
り、弁３６を開いた状態に保持している。したがって作
動棒２１の端末が上昇するとストッパー押え４３が押上
げられストッパー４６が上昇し、ストッパー４６とスト
ップ溝４７とのかん合がはずれ、弁３６が閉じて燃料の
供給が遮断される。第５図はこの状態を示している。４
８はストッパー４６を保持するためのストッパーガイド
である。

（作用） 本考案を地上において炊飯を行うときには、次の手順に
よって操作される。

(1)トレーラー台上から主食用かまどをおろし、これに
携帯用燃料タンクの燃料管Ａ１６を接続する。

(2)所定量の米と水を入れた外釜４をかまど本体１に載
架する。外釜の感温皿１９と密着環２７とが圧接される
ので、支桿３０は板ばね３３の反発力によって、バイメ
タル２０の下面中央部に圧接される。

(3)セットボタン４２を押し弁３６を開放位置におく。
即ち、ストッパー４６はストップ溝４７にかん合して、
弁軸３７は左方に移動し、弁３６が開放される。

(4)空気バルブ１２及びガソリンバルブ１４を開く。

(5)バーナー２に点火して炊飯を開始する。

(6)炊飯が終了に近づくと、外釜の底面温度が急上昇を
始める。次いで感温皿がバイメタルの感知温度に達する
とバイメタル２０が反転作動して支桿３０を下方に押し
下げる。これに連動してスイッチボックス２５内の作動
棒２１の末端は押上げられてストッパー押え４３を押上
げる。これに連動してストッパー４６が上り、ストップ
溝４７との係止が解かれるので、セットボタン４２はス
プリング４０の反発力により弁軸３７が移動し、弁３６
を閉じる（第５図の状態）。燃料の供給が断たれてバー
ナー２は直ちに消火する。かくしてバーナーの自動消火
が行われ、炊飯が完了する。

（効果） 本考案によれば、外釜底部の温度を検知するバイメタル
は、前記外釜底部と一体に設けた感温皿内に収納保護さ
れているので、釜底温度を鋭敏に検知し得るものであ
り、しかも長期に亘り正確に機能し得るものであるとと
もに、前記バイメタルの感温変化によって作動される支
桿および作動棒は、それぞれ中空状のアームおよび前記
アームの先端側に椀形状に形成された密着環中に内蔵さ
れているので、炊飯中に発生する煮こぼれや塵埃等から
これを完全に遮断保護することができ、走行中の振動
や、塵埃、風雨に影響されることなく、確実に自動消火
機能を発揮することができるものである。

また前記作動棒の端末の上昇に連動して開閉作動する燃
料バルブに、常時前記作動棒の端末の上面に下面を接触
するストッパー押えと、前記ストッパー押えに取付けた
ストッパー押えばねによりストッパーの下端部を常時セ
ットボタンのストップ溝と係合せしめて弁を開状態に保
持し、かつ前記作動棒の上昇時には前記ストッパーの下
端部をセットボタンのストップ溝から離間し、前記弁を
閉状態に保持する機構を設けたので、バイメタルの反転
により燃料バルブの送油を確実に停止せしめることがで
き、消火を迅速かつ安全に行うことができる等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す還流式炊飯器の側断面
図、第２図は炊飯器のバーナーと携帯用燃料タンクとの
接続図、第３図は感温開閉器の側断面図、第４図は同正
面図、第５図は燃料バルブの一部断面側面図、第６図は
本考案野外炊食車の側面図である。 １……かまど本体、２……バーナー、３……蓋、４……
外釜、５……内釜、６……燃料タンク、７……灯油タン
ク、８……ガソリンタンク、９……圧力空気注入口、１
０……灯油注入口、１１……灯油バルブ、１２……空気
バルブ、１３……ガソリン注入口、１４……ガソリンバ
ルブ、１５……均圧管、１６……燃料管Ａ、１７……自
動消火装置、１８……燃料管Ｂ、１９……感温皿、２０
……バイメタル、２１……作動棒、２２……感温開閉
器、２３……開閉器本体、２４……圧接ばね、２５……
スイッチボックス、２６……アーム、２７……密着環、
２８……支点Ａ、２９……ストップリング、３０……支
桿、３１……ピン、３２……支点Ｂ、３３……板ばね、
３４……燃料バルブ、３５……弁本体、３６……弁、３
７……弁軸、３８……通油孔、３９……スリット、４０
……スプリング、４１……ガイド、４２……セットボタ
ン、４３……ストッパー押え、４４……支点Ｃ、４５…
…ストッパー押えばね、４６……ストッパー、４７……
ストップ溝、４８……ストッパーガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主食用および副食用かまどをトレーラー台
   から取外し可能に載架し、前記トレーラー台の通路上
   に、前記主食用および副食用かまどに接続可能の携帯用
   燃料タンクを取外し可能に具備せしめ、上記携帯用燃料
   タンクおよびかまどをトレーラー台上から移動して炊食
   できるようにした野外炊食車において、上記主食用かま
   どの外釜底部に付設された感温皿と、これと密着するバ
   イメタルとを備え、このバイメタルの感温変化を支桿を
   介して作動棒に連動せしめる如く前記バイメタルと支桿
   の頭部を接触せしめ、かつ前記作動棒を密閉された樋状
   のアーム内に、また前記支桿を前記アームの先端側に、
   前記感温皿に外周面を包み得る如く椀形状に形成した密
   着環内にそれぞれ収納し、さらに前記アームの基端側を
   かまど本体に付設した開閉器本体内に圧接ばねを介して
   吊設したスイッチボックスに一体に結合するとともに前
   記アームを支点軸にて前記開閉器本体に回動自在に枢支
   し、さらに前記作動棒を支点軸により前記アーム内に枢
   支し、かつ板ばねにより前記作動棒先端の支桿を前記外
   釜底部に付設された感温皿のバイメタルに密着するよう
   になすとともに、前記アームの先端側を前記圧接ばねに
   より前記アームの支点軸を支点として常時上方へ回動せ
   しめて前記密着環が感温皿の外周面を包囲した状態で外
   釜４の底部に密着するようなし、さらに前記スイッチボ
   ックス内に前記作動棒の端末の上面に常時下面を接触す
   るストッパー押えと、前記ストッパー押えに取付けたス
   トッパー押えばねによりストッパーの下端部を常時セッ
   トボタンのストップ溝と係合せしめて、弁を開状態に保
   持し、かつ前記作動棒の上昇時には前記ストッパーの下
   端部をセットボタンのストップ溝から離間し、前記弁を
   閉状態に保持する燃料バルブを内蔵付設し、前記燃料バ
   ルブにトレーラー車体下の燃料タンク又は携帯用燃料タ
   ンクあるいは他車積載の携帯燃料タンクからの燃料管お
   よびバーナーへの燃料管を接続したことを特徴とする自
   動消火装置付主食用かまどを載架した野外炊食車。