JPH068400Y2 - ワイヤハーネスプロテクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ワイヤハーネスを自動車車体等に固定し、且
ワイヤハーネスを他部品からの干渉に対して保護するワ
イヤハーネスプロテクタ、特にワイヤハーネスの分岐、
経路の設定が可能なワイヤハーネスプロテクタに関する
ものである。

［従来の技術］ 現在自動車等に於ける各種電気配線は束ねてワイヤハー
ネスとして部品化、電気配線の取扱性の向上、電気配線
の作業性の向上を図ってる。このワイヤハーネスを固定
する場合、自動車車体に設けたブラケット等の固定具を
介し固定する様にしており、ワイヤハーネスを車体等に
固定する際に用いられるのが、合成樹脂製のワイヤハー
ネスクランプであり、従来のワイヤハーネスクランプを
第６図に於いて示す（実公昭63-2713号参照）。

ワイヤハーネス７の軸心と同方向に延びる偏平な添体部
１の中央には垂直に立設する係止部２があり、該係止部
２の両側にはスカート状に広がる係止片３が設けられて
いる。又、係止片３の先端にはストッパ４が設けられ、
添体部１の両端にはテープすべり止めの為の凸部５が形
成されている。

斯かる構成のクランプ６を用いてワイヤハーネス７を固
定する場合、添体部１とワイヤハーネス７に添わせ、添
体部１とワイヤハーネス７とを一緒にテープ８で巻付け
固縛し、クランプ６とワイヤハーネス７とを一体化した
状態で自動車車体等のパネルに明けた孔に係止部２を押
込んでワイヤハーネス７を固定するものである。

［考案が解決しようとする課題］ 然し、上記したクランプ６は単にワイヤハーネス７を固
定する為のものであり、ワイヤハーネスの分岐、或は分
岐後の経路の決定は組付作業者が取付けた後現状に合う
様現場作業で行っており、煩雑で能率の悪いものとなっ
ていた。更に、クランプ６の固定場所が狭小である場
合、ワイヤハーネスが露出していると他部品と干渉する
虞れがあるが、上記クランプ６ではその対策は施されて
いない。

本考案は上記実情を鑑み、ワイヤハーネス固定前に経路
を形成し得え、且固定部分での保護を行い得るワイヤハ
ーネスプロテクタを提供しようとするものである。

［課題を解決する為の手段］ 本考案は、保持部と該保持部に連続して延びワイヤハー
ネスと一緒に固縛される添体部と車体等の固定部に係着
可能な係止部とが合成樹脂で一体成形され、前記保持部
が挿通されたワイヤハーネスの周囲を覆う様構成される
と共に前記添体部が一箇所以上で屈曲し、該添体部が底
部から立上がる側壁を有すると共に少なくとも一箇所の
屈曲部外周側側壁が欠切され、各屈曲箇所でそれぞれワ
イヤハーネスを分岐可能としたことを特徴とするもので
ある。

［作用］ ワイヤハーネスを保持部に挿通した後、添体部の屈曲箇
所でワイヤハーネスを分岐させ、分岐した各分岐体は分
岐後の経路が添体部各部の形状によって決定される様テ
ープで固縛する。

［実施例］ 以下第１図〜第４図に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

該実施例に係るワイヤハーネスプロテクタ９は保持部1
0、該保持部10の左右に延びる添体部11、前記保持部10
に設けられる係止部12から構成され、これら保持部10、
添体部11、係止部12は合成樹脂によって一体成形され
る。

前記保持部10はＵ字体13と該Ｕ字体13に薄肉のヒンジ14
にて回動自在に連設された蓋体15からなり、該蓋体15に
は爪16が突設され、前記Ｕ字体13には該爪16に係合する
受部17が形成されている。

前記係止部12は、後述する固定片18（第５図参照）が挿
入可能な袋状をしており、係止部12の壁の１部にはカン
チレバー形状で合成樹脂の弾性によって揺動可能となっ
ている係止舌片19が形成されている。該係止舌片19の内
面側には前記固定片18に穿設される係止孔20に嵌合する
抜止め突起21を突設しており、又係止舌片19の先端はワ
イヤハーネスプロテクタ９を固定片18より取外す場合の
作業を容易とする手掛り部となっている。

前記添体部11は、保持部10の軸心に対して所要の角度を
有して設けられている添体区分体11aと該添体区分体11a
の軸心に対し更に角度をもって連設されている添体区分
体11bからなり、添体区分体11a、添体区分体11bはそれ
ぞれ底部から立上がる側壁を有し、前記添体区分体11a
の断面は第３図に示される様に係止部12側の壁が高くヒ
ンジ14側の壁が低くなっており、又添体区分体11bの断
面は第４図に示される様に係止部12側の側壁がなく底部
からヒンジ14側にかけて湾曲した形状となっている。即
ち、添体区分体11aと11bとの屈曲箇所でワイヤハーネス
を分岐する際、ワイヤハーネスの分岐の障害となる側壁
が切欠かれている構成である。

又、添体区分体11aと添体区分体11bの境界部、添体区分
体11bの先端にはそれぞれテープ滑止め用の突条22a,22b
が形成されている。

次に第５図を併用してワイヤハーネスをクランプする場
合について説明する。

ワイヤハーネス７をＵ字体13に挿通し、蓋体15を回動さ
せて爪16を受部17に係合せしめて、Ｕ字体13と蓋体15と
によりワイヤハーネス７を挾持し、ワイヤハーネス７を
添体区分体11aとを一緒にテープ８で巻付ける。ワイヤ
ハーネス７を添体区分体11aより先で２つに分岐し、一
方の分岐体7aは添体区分体11aの軸心延長方向に延び、
他方の分岐体7bは添体区分体11bにテープ８で巻付けら
れ、添体区分体11bの軸心延長方向に延びる様にそれぞ
れ経路が決定される。

尚、必要に応じ分岐体7cを更に分岐させ、保持部10を出
たところで、直に屈曲させ経路を定めてもよい。

ワイヤハーネス７とワイヤハーネスプロテクタ９とを一
体化したものを車体等の固定部へ取付ける場合は、固定
部に突設した固定片18に対し、係止部12を挿入する。固
定片18への係止部12の挿入によって、係止舌片19の抜止
め突起21が係止孔20へ嵌合し、ワイヤハーネスプロテク
タ９を介し、ワイヤハーネス７が取付けられる。

又、前記した様にワイヤハーネス７はワイヤハーネスプ
ロテクタ９に固縛される時に経路も同時に決定づけられ
ているので、ワイヤハーネス７を固定後経路を決定する
為の作業は不要で、現場作業は軽減される。

又、固定した部分、特にワイヤハーネス７の保持部10に
挿入した部分はワイヤハーネスプロテクタ９で完全に覆
われているので、他部品との干渉によるワイヤハーネス
７の損傷が防止される。

尚、上記した実施例中、係止部12は第６図で示した如き
形状であってよいことは勿論であり、或はワイヤハーネ
スは分岐させる必要がなければまとめて添体区分体11a,
11bに固縛しておけばよい。又、添体区分体11aの断面形
状は第４図で示される添体区分体11bの断面形状と同一
であっても差支えない。

［考案の効果］ 以上述べた如く本考案によれば、ワイヤハーネスを取付
ける以前に経路を決定できると共に屈曲部で自在に分岐
することができ、現場作業が簡単となり配線の作業性が
向上する。又、ワイヤハーネスを固定する部分は完全に
覆われるので他部品との干渉が防止され、ワイヤハーネ
スの損傷が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るワイヤハーネスプロテ
クタを示す斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第
３図は第１図のＢ−Ｂ断面図、第４図は第１図のＣ−Ｃ
断面図、第５図は該ワイヤハーネスクランプの使用例を
示す斜視図、第６図は従来例の斜視図である。 ７はワイヤハーネス、7a,7bは分岐体、８はテープ、９
はワイヤハーネスプロテクタ、10は保持部、11は添体
部、11a,11bは添体区分体、12は係止部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】保持部と該保持部に連続して延びワイヤハ
   ーネスと一緒に固縛される添体部と車体等の固定部に係
   着可能な係止部とが合成樹脂で一体成形され、前記保持
   部が挿通されたワイヤハーネスの周囲を覆う様構成され
   ると共に前記添体部が一箇所以上で屈曲し、該添体部が
   底部から立上がる側壁を有すると共に少なくとも一箇所
   の屈曲部外周側側壁が欠切され、各屈曲箇所でそれぞれ
   ワイヤハーネスを分岐可能としたことを特徴とするワイ
   ヤハーネスプロテクタ。