JPH0683789A - 並列処理システム - Google Patents

並列処理システム

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JPH0683789A
JPH0683789A JP4234653A JP23465392A JPH0683789A JP H0683789 A JPH0683789 A JP H0683789A JP 4234653 A JP4234653 A JP 4234653A JP 23465392 A JP23465392 A JP 23465392A JP H0683789 A JPH0683789 A JP H0683789A
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Norikazu Shimizu
伯一 清水
Yoshiaki Matsumoto
喜章 松本
Takuo Unno
拓雄 海野
Hiroshi Watanabe
渡辺  弘
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 並列処理システムの任意のプロセッサエレメ
ント間で送信/受信とスルー中継とを同一時に行えるよ
うにして、システム構築の柔軟性と処理の高速化を図
る。 【構成】 並列処理システムを構成するプロセッサエレ
メントPEに、複数の通信チャネルCH1〜8を共通に
接続可能なバイパスバス42a〜hを複数設ける。そし
て、各通信チャネルCH1〜8と他のプロセッサエレメ
ントPE間を接続する通信線6を、内部システムバス5
0又はバイパスバス42a〜hの1つのバスに接続する
チャネルモード切り替え手段45,47を設ける。この
チャネルモード切り替え手段45,47を、管理プロセ
ッサ4の指令に従って切り替える。また、各プロセッサ
エレメントの処理動作を、同一の同期信号に同期させて
行わせるようにし、オーバーヘッド時間を少なくしてス
ループットを向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一まとまりのデータ処
理を複数のプロセッサ(以下、プロセッサエレメントと
いう)に分割して並列処理する並列処理システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】並列処理システムは、音響信号処理や画
像信号処理などのように膨大な量の信号処理を高速に処
理するシステムであり、従来から種々の並列処理システ
ムが提案されている。
【0003】例えば、特開昭63−240667号公報
に記載された並列データ処理装置は、複数のプロセッサ
エレメントを行列状に配列し、縦と横方向に隣接するプ
ロセッサエレメント相互を、各プロセッサエレメントに
設けた4組の入出力線を持つデータ転送部を介して接続
し、データ転送部に接続された最大4つのプロセッサエ
レメントとの間でデータの送信/受信を可能にするとと
もに、入力されるデータを中継して他のプロセッサエレ
メントに転送可能に構成されている。
【0004】また、特開平3−127251号公報に記
載された並列計算機のデータ通信システムによれば、各
プロセッサエレメントに独立した4個の通信ポート又は
通信チャネルを設け、これを介して隣接するプロセッサ
エレメントを相互に接続し、各通信ポートに接続された
プロセッサエレメントとの間でデータの送信/受信を可
能にするとともに、一のプロセッサエレメントの任意の
2個の通信ポート間を直接的に接続可能にし、中継処理
を行わずに他の2つのプロセッサエレメント間のデータ
転送を直接通過(スルー)させるように構成されてい
る。
【0005】しかし、上記2つの公報に記載されたシス
テムのデータ転送部又は通信ポートによれば、データの
送受信と中継(又はスルー中継)を同一時に行えないの
で、処理効率が悪い。
【0006】また、特開平1−320564号公報に記
載された並列処理システムは、各プロセッサエレメント
の内部システムバスに4個の通信ポートを接続し、各通
信ポートに外部通信線を介して他のプロセッサエレメン
トをそれぞれ接続するとともに、隣合う通信ポートに接
続された外部通信線をバイパススイッチを介して連結可
能に構成したものが提案している。これによれば、隣合
う2つの通信ポートを介してデータの送受信を行いなが
ら、残りの隣合う2つの通信ポート間のバイパススイッ
チを閉じることにより、データのスルー中継を同一時に
行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平1−3
20564号公報に記載された並列処理システムによれ
ば、隣合わない2つの通信ポートに接続された他のプロ
セッサエレメントと送信又は受信を行う場合には、残り
の隣合わない2つの通信ポートに接続された他のプロセ
ッサエレメント間のスルー中継を行えないという問題が
ある。つまり、隣合わない2つの通信ポート間でデータ
のスルー中継を行おうとすると、それらの間にある通信
ポートの外部通信線を経由することになり、3つの通信
ポートがスルー中継に使用されてしまうからである。
【0008】また、同様の理由により、隣合わない2つ
の通信ポートに接続されたプロセッサエレメント間のス
ルー中継を行いながら、残りの隣合わない2つの通信ポ
ートに接続された他のプロセッサエレメント間のスルー
中継を行うことができない。
【0009】したがって、並列処理システムの構成を一
定の範囲で変更できるが、変更の自由度が十分ではな
く、並列処理できるデータ処理の内容に制限を受けた
り、処理の高速化に制限を受ける場合がある。
【0010】また、従来の技術では、プロセッサエレメ
ントが故障した場合の対応について配慮されていないこ
とから、プロセッサエレメントが1つでも故障した場
合、システム全体の動作の保証ができなくなるという問
題がある。
【0011】また、各プロセッサエレメントを接続する
通信ポートが4個に固定されていることから、処理でき
るパイプライン処理の段数に制限を受ける場合がある。
【0012】また、一般に、各プロセッサエレメントは
処理プログラムをステップごとなどのいくつかの処理単
位に区分して実行するが、従来は、その処理単位を実行
する処理時間とデータ転送時間とを調和させることにつ
いて考慮されていないことから、無駄時間が発生する場
合があり、処理の高速化が十分でないという問題があ
る。
【0013】本発明の第1の目的は、プロセッサエレメ
ントに接続された複数のプロセッサエレメントの任意の
プロセッサエレメント間で、送信/受信とスルー中継と
を同一時に行うことができる並列処理システムを提供す
ることにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、第1の目的
に加え、プロセッサエレメントが故障しても、処理を継
続できる並列処理システムを提供することにある。
【0015】また、本発明の第3の目的は、第1の目的
に加え、より多段のパイプライン処理を行うことができ
る並列処理システムを提供することにある。
【0016】また、本発明の第4の目的は、第1の目的
に加え、処理を一層高速化できる並列処理システムを提
供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1の発明は、プロセッサとメモリと
複数の通信チャネルとを内部システムバスにより接続し
てなるプロセッサエレメントを複数備え、プロセッサエ
レメントのそれぞれを、所定数の他のプロセッサエレメ
ントと通信チャネルを介して相互に接続し、管理プロセ
ッサから与える指令に従って一まとまりのデータ処理を
前記各プロセッサエレメントに分担して実行させる並列
処理システムにおいて、プロセッサエレメントは、当該
プロセッサエレメントに属する複数の通信チャネルを共
通に接続可能なバイパスバスを複数有し、通信チャネル
のそれぞれは、当該通信チャネルに接続された他のプロ
セッサエレメントを内部システムバス又はバイパスバス
の1つのバスに接続するチャネルモード切り替え手段を
含んでなることを特徴とする。
【0018】この場合において、チャネルモード切り替
え手段は管理プロセッサから与えられるチャネルモード
指令に従って切り替えるようにすることができる。
【0019】また、管理プロセッサにより、各通信チャ
ネルのチャネルモード切り替え手段を切り替え、当該通
信チャネルが属するプロセッサエレメントの処理データ
を複数の他のプロセッサエレメントに伝送するようにす
ることができる。
【0020】また、管理プロセッサにより、各通信チャ
ネルのチャネルモード切り替え手段を切り替え、一の通
信チャネルに外部のプロセッサエレメントから入力され
る外部データを、バイパスバスと他の複数の通信チャネ
ルを介して他の外部の複数のプロセッサエレメントに同
時にスルーさせるようにすることができる。
【0021】また、管理プロセッサは、複数のプロセッ
サエレメント相互を接続するインターフェイス通信線と
通信チャネルとの接続状態を管理する構成管理手段と、
各プロセッサエレメントの処理分担に基づいて各通信チ
ャネルのモードを決定し、該決定に基づいてチャネルモ
ード指令を各プロセッサエレメントに出力する通信チャ
ネルモード設定手段とを含んで構成することができる。
【0022】また、管理プロセッサは、通信チャネルモ
ード設定手段により全ての通信チャネルのモードを設定
した後、全てのプロセッサエレメントに処理開始指令を
出力するようにすることがこのましい。
【0023】また、管理プロセッサは、データ処理を構
成する処理単位の終了とデータ転送の終了のいずれか遅
いものにあわせて、通信チャネルモード設定手段により
必要な通信チャネルのモードを変更設定するようにする
ことができる。
【0024】上記第2の目的を達成するため、本発明の
第2の発明は、上記第1の発明に加え、管理プロセッサ
に、プロセッサエレメントの動作状態を監視する監視手
段と、該監視手段により動作異常が検出されたプロセッ
サエレメントを切り離すとともに、データ処理を行わせ
るプロセッサエレメント群の再構成を行う再構成手段と
を設け、通信チャネルモード設定手段は再構成手段の決
定に従って各通信チャネルのモードを変更し、該変更に
基づいてチャネルモード指令を各プロセッサエレメント
に出力するようにしたことを特徴とする。
【0025】また、上記第1と第2の発明において、チ
ャネルモード切り替え手段は、他のプロセッサエレメン
トを内部システムバスとスルー用信号線の一方に接続す
る第1の切り替え手段と、スルー用信号線をバイパスバ
スの1つに選択接続する第2の切り替え手段とから構成
することが好ましい。
【0026】上記第3の目的を達成するため、本発明の
第3の発明は、上記第1又は第2のの発明において、プ
ロセッサエレメントの通信チャネルを8個設けるととも
に、各通信チャネルを共通に接続可能なバイパスバスを
8個設け、そのプロセッサエレメントを行列状に複数配
列し、その行列の縦、横、斜め方向に隣接するプロセッ
サエレメント同士を通信チャネルを介して相互にトーラ
ス状に接続したことを特徴とする。
【0027】上記第4の目的を達成するため、本発明の
第4の発明は、プロセッサとメモリと複数の通信チャネ
ルとを内部システムバスにより接続してなるプロセッサ
エレメントを複数相互に接続して形成されたプロセッサ
エレメント群と、一まとまりのデータ処理を行う複数の
処理プログラムを各プロセッサエレメントに割付け、そ
の割付けに従って処理プログラムを対応するプロセッサ
エレメントのメモリに転送するとともに、プロセッサエ
レメント群を管理して複数の処理プログラムを並列処理
させる管理プロセッサと、処理プログラムを構成する処
理単位の開始タイミングを制御する同期信号を全てのプ
ロセッサエレメントに一斉に与える同期信号発生装置と
を備え、プロセッサエレメントのそれぞれは、当該プロ
セッサエレメントに属する複数の通信チャネルを共通に
接続可能なバイパスバスを複数有し、所定数の他のプロ
セッサエレメントと通信チャネルを介して相互に接続さ
れてなり、通信チャネルのそれぞれは、当該通信チャネ
ルに接続された他のプロセッサエレメントを内部システ
ムバス又は前記バイパスバスの1つのバスに接続するチ
ャネルモード切り替え手段を含んでなり、管理プロセッ
サは処理プログラムの割付けに従って各プロセッサエレ
メント相互間のデータの送受とその伝送ルートを決定
し、該決定に従って各通信チャネルのチャネルモード指
令を各チャネルモード切り替え手段に出力し、該チャネ
ルモード切り替え手段はチャネルモード指令に従って切
り替え動作するようにしたことを特徴とする。
【0028】この場合において、同期信号の周期を、プ
ロセッサエレメントの処理単位の処理時間にチャネルモ
ード切り替え手段の切り替え動作にかかる時間を加えた
時間よりも大きく設定することが好ましい。
【0029】また、プロセッサエレメント群の処理単位
量と該処理に伴うデータ転送量とを統一し、該統一され
た量に基づいて同期信号の周期を設定することが好まし
い。
【0030】
【作用】このように構成することにより、本発明によれ
ば、次の作用により上記目的が達成できる。
【0031】すなわち、第1の発明によれば、複数の通
信チャネルを共通に接続可能なバイパスバスを複数有す
るから、一のスルー中継にかかる2つの通信チャネルを
一のバイパスパスに接続し、他のスルー中継にかかる2
つの通信チャネルを他のバイパスバスに接続することに
より、任意のプロセッサエレメント間の複数のスルー中
継を同一時に行わせることができる。また、相手のプロ
セッサエレメントを内部システムバスに接続することに
より、他のスルー中継の制限を何ら受けることなくかつ
同一時に、送信又は受信を行うことができる。
【0032】管理プロセッサにより各プロセッサエレメ
ントに指令を出し、各通信チャネルの接続状態を切り替
えるようにしたものによれば、プロセッサエレメント群
の並列システム構成を、処理プログラムの内容に応じて
自由にかつ速やかに構築することができる。
【0033】また、管理プロセッサにより一のプロセッ
サエレメントの複数の通信チャネルを内部システムバス
に接続して送信モードに設定できるから、そのすること
ができ、スループットを短縮できる。同様に、通信チャ
ネルの設定により、一のプロセッサエレメントからの転
送データを他の複数のプロセッサエレメントに同一時に
送信することができる。
【0034】管理プロセッサにシステムの接続状態を管
理する構成管理手段を設けたものによれば、データ処理
の内容に応じて各プロセッサエレメントの処理分担を決
定し、その決定に基づいて各通信チャネルのモードを設
定することにより、データ処理の内容に合わせて並列処
理システムを自動的に構築できる。つまり、個々のプロ
セッサエレメント相互の接続構成、及びプロセッサエレ
メント内の処理プログラムを一斉に設定変更可能である
ことから、限られたハードウェア構成の中で実現可能な
データ処理の内容を判断し、システムの再構築を迅速に
行うことができる。
【0035】また、各プロセッサエレメントの処理動作
を同期させるとともに、データ処理を構成する処理単位
の終了とデータ転送の終了のいずれか遅いものにあわせ
て、管理プロセッサにより必要な通信チャネルのモード
を変更設定するようしたものによれば、一まとまりのデ
ータ処理を構成する1フェーズごとの処理単位に合わせ
て、最適な並列処理システムを構築することができ、デ
ータ処理の内容に応じて最適な高速処理システムを構築
できる。
【0036】本発明の第2の発明によれば、プロセッサ
エレメントの監視手段により動作異常が検出されたプロ
セッサエレメントを、再構成手段により切り離すととも
にプロセッサエレメント群の再構成を行うようにしたか
ら、プロセッサエレメント群の一部に故障が発生しても
データ処理を継続でき、信頼性の高いシステムとするこ
とができる。
【0037】本発明の第3の発明によれば、プロセッサ
エレメントの通信チャネルを8個設け、行列状に配列さ
れたプロセッサエレメントを縦、横、斜め方向に接続し
たものによれば、並列処理システムの接続構成の自由度
が向上するから、限られた規模のプロセッサエレメント
群により、多段処理を含む、より複雑なデータ処理を行
わせることができる。
【0038】例えば、複数の音源からなる音響シミュレ
ーションや、複雑な画像処理を高速かつ高品質に行うよ
うな場合、信号処理のためのデータ量や演算のためのパ
ラメータ量が増えるので、システム全体のスループット
の向上を図る必要があるため、並列処理の段数を増やす
などの対処が必要になる。このような場合、本発明によ
れば、信号処理のために必要となる複数の基本的な処理
プログラムを予め準備しておき、そのプログラムの変更
に伴うプロセッサエレメント間のデータ転送の方向を決
定し、それらを一斉に変更することでシステム全体の信
号処理の内容を迅速に変更することが可能である。
【0039】本発明の第4の発明によれば、各プロセッ
サエレメントの処理動作を、同一の同期信号に同期させ
て行わせるようにしたことから、オーバーヘッド時間を
少なくしてスループットを向上できる。
【0040】特に、その同期信号の周期を、プロセッサ
エレメントの処理単位の処理時間にチャネルモード切り
替え手段の切り替え動作にかかる時間を加えた時間より
も大きく設定した場合は、各処理単位ごとに並列処理シ
ステムの構成を変更できるから、限られた規模のプロセ
ッサエレメントを用いて一層処理を高速化できるシステ
ムを構築できる。
【0041】また、プロセッサエレメント群の処理単位
量と該処理に伴うデータ転送量とを統一し、該統一され
た量に基づいて同期信号の周期を設定するようにすれ
ば、更にスループットを向上できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて説明す
る。
【0043】図1乃至図5に、本発明の一実施例の並列
処理システムの構成図を示す。図1は、本発明の主要部
の1つである通信チャネルおよびその制御に関係する部
分の構成図である。図2は、並列処理システムの全体を
示す基本構成図である。図3は、並列処理システムを構
成する1つのプロセッサエレメントの構成図である。図
4は、並列処理システム全体を管理する管理プロセッサ
の構成図である。図5は、プロセッサエレメントの処理
動作のタイミングを制御する同期信号発生装置の構成図
である。
【0044】図2に示すように、並列処理システムの基
本構成は、入力装置1と、複数のプロセッサエレメント
PEからなるプロセッサエレメント群2と、出力装置3
と、管理プロセッサ4と、同期信号発生装置5とを含ん
で構成されている。
【0045】プロセッサエレメント群2は、複数のプロ
セッサエレメントPEを、m(m=1,2,…,x)
行、n(n=1,2,…,y)列の行列状に配列し、横
(行)方向と、列(縦)方向と、斜め方向の隣合うプロ
セッサエレメントPEmn相互を、インターフェイス通
信線6により接続して構成されている。この実施例で
は、外周に配列されたプロセッサエレメントPEは、行
列の内側に配列されたプロセッサエレメントPEにのみ
接続されている。しかし、これに限らず、縦方向両端の
複数のプロセッサエレメントPE(PE11,…,PE
1y,PEx1,…,PExy)を隣合うものとして、
縦方向と斜め方向に接続して、トーラス状に構成するこ
とができる。例えば、PE11にPEx1とPEx2を
接続する如くである。
【0046】入力装置1は、複数のプロセッサエレメン
トPEmnで処理するデータをディジタル化するための
装置であり、本実施例では、第1列のプロセッサエレメ
ントPE11〜PEx1に入力インターフェイス7を介
して接続されている。出力装置3は、第y列のプロセッ
サエレメントPE1y〜PExyに出力インターフェイ
ス8を介して接続されている。出力装置3は、プロセッ
サエレメント群2により並列処理されたデータを、ディ
ジタルもしくはアナログ信号にて出力するようになって
いる。管理プロセッサ4は、入力装置1やプロセッサエ
レメント群2を含めたシステム全体を統括管理するもの
で、動作条件を制御パラメータにしてインターフェイス
9を介して各プロセッサエレメントPEmnに逐次出力
するようになっている。また、同期信号発生装置5は、
管理プロセッサ4からインターフェイス10を介して与
えられる指令に応じてプロセッサエレメント群2の処理
動作のタイミングを制御する同期信号11を発生する。
その同期信号11はインターフェイスを介して各プロセ
ッサエレメントPEmnに与えられる。プロセッサエレ
メント群2は、同期信号11により処理を開始し、その
同期信号11のサイクル内に、データ処理の1フェーズ
(処理単位)の処理を終了し、それを繰り返し行う。各
プロセッサエレメントPEmnは、装置全体のデータ処
理のうち、並列演算の処理をそれぞれ分担しており、入
力装置1から受信したデータを処理、加工し、通信線6
を介して次段もしくは周辺のプロセッサエレメントPE
へ転送する。最終的な処理結果は出力装置4から出力さ
れる。
【0047】次に、各装置の詳細構成を説明する。各プ
ロセッサエレメントPEmnは同一に構成されており、
そのブロック構成を図3に示し、通信チャネルを中心と
する詳細構成図を図1に示す。図3に示すように、プロ
セッサエレメントPEは、それぞれ破線で囲まれた信号
処理部20と、制御部30と、通信部40の3つのブロ
ックに分けられ、それらは内部システムバス50によっ
て接続されている。信号処理部20は、シグナルプロセ
ッサ21と、インストラクションメモリ22と、データ
ストレージ23とを含んで構成されている。制御部30
は、制御プロセッサ31と、チャネルモード設定レジス
タ32と、チャネルステータスレジスタ33と、相手P
Eステータスレジスタ34とを含んで構成されている。
通信部40は、最大8個の通信チャネルCH1〜CH8
と、8組のバイパスバス42を有して構成されている。
各通信チャネルCHは同一の構成となっており、送信、
受信又はスルー中継にプリセット可能な単方向通信チャ
ネルである。したがって、個々のプロセッサエレメント
PEは最大8つの通信チャネルを有し、トーラス結合方
式による完全並列処理が可能である他、汎用的にシステ
ム全体の処理内容に応じて様々な接続状態を形成するこ
とができる。
【0048】シグナルプロセッサ21は、プロセッサエ
レメント群2の全体で行うデータ処理の一部の処理、即
ちパイプライン処理の一部分を受け持つ。この分担の割
付けは管理プロセッサ4により行われる。
【0049】制御プロセッサ31は、管理プロセッサ4
からの命令を受取り、プロセッサエレメントPE内全体
をコントロールするための制御専用のプロセッサであ
る。そのため、制御プロセッサ31はインターフェイス
9によって管理プロセッサ4に接続され、同期信号発生
装置5から同期信号11が入力されている。例えば、制
御プロセッサ31は、管理プロセッサ4からの命令によ
ってシグナルプロセッサ21に対する起動/停止指令2
4を、インストラクションメモリ22にシグナルプロセ
ッサ21用の信号処理プログラムの格納指令25を出力
する。また、管理プロセッサ4に対するプロセッサエレ
メントPE内部ステータスの報告を行う。また、管理プ
ロセッサ4からの指令により通信チャネルCH1〜8に
対する各種の設定等をチャネルモードレジスタ32に行
う。
【0050】チャネルモード設定レジスタ32には、管
理プロセッサ4からの命令により各通信チャネルCH1
〜8の通信チャネルの動作モード(チャネルモードと略
称する)の設定がなされる。チャネルモードには送信、
受信又はスルー中継がある。チャネルステータスレジス
タ33には、通信チャネルCH1〜8に設定されている
送信、受信、スルー中継のチャネルモードの設定状態が
格納される。相手PEステータスレジスタ34には、通
信チャネル毎の相手側のチャネルモードの設定状態(送
信、受信又はスルー中継の設定状態)が逐次記録され
る。この相手PEステータスレジスタ34に格納されて
いる情報は、制御プロセッサ31により管理プロセッサ
4へ転送される。
【0051】通信チャネルCH1〜8は同一構成であ
り、図1に例示した通信チャネルCH1、CH2のよう
に構成されている。図示のように、各通信チャネルCH
は、切り替え手段41A,41Bによって切り替え使用
されるバッファメモリ42A,bと、転送手段44と、
送受信/スルー切り替え手段45と、相手PEステータ
ス監視手段46と、バイパスバス切り替え手段47とを
含んで構成されている。2つのバッファメモリ42A,
42Bは切り替え手段41Aを切り替えることによっ
て、内部システムバス50に選択的に接続され、また切
り替え手段41Bによって転送手段44に選択的に接続
される。転送手段44は相手プロセッサエレメントPE
とのデータの送信/受信を行うための機構である。送受
信/スルー切り替え手段45はチャネルモード設定レジ
スタ32の設定内容にしたがって、送受信モードのとき
は外部通信線6を転送手段44に接続し、スルー中継モ
ードのときはスルー用通信線48に切り替え接続する。
バイパスバス切り替え手段47はチャネルモード設定レ
ジスタ32の設定内容にしたがって、スルー用通信線4
8をバイパスバス42a〜hの1つのバイパスバスに接
続可能に構成されている。
【0052】転送手段44、送受信/スルー切り替え手
段45、およびバイパスバス切り替え手段47は、それ
ぞれチャネルモード設定レジスタ32に設定されたチャ
ネルモードを信号線51を介して取り込み、それらの動
作又は切り替えを行うようになっている。また、転送手
段44、送受信/スルー切り替え手段45、およびバイ
パスバス切り替え手段47の動作状態は、信号線52を
介してチャネルモードステータスレジスタ33に格納さ
れる。なお、チャネルモード設定レジスタ32へのチャ
ネルモードの設定は、シグナルプロセッサ21の処理動
作が開始する前に送信、受信又はスルー中継の何れかに
設定される。そして、シグナルプロセッサ21からの起
動により処理開始後データ転送を開始する。バッファメ
モリ42A,Bは交替バッファメモリである。これらの
交替バッファメモリ42A,Bを通信バッファとして用
いることにより、シグナルプロセッサ21のシステムバ
ス50へのアクセスと、通信チャネルCH毎の相手プロ
セッサエレメントPE間とのデータ転送を並列に行うよ
うになっている。また、後述するように、シグナルプロ
セッサ21による1フェーズの処理時間と通信チャネル
CHのデータ転送時間とが、同期信号発生装置3より生
成される同期信号の1サイクル内に終了するように設定
してある。これにより、シグナルプロセッサ21の処理
時間と転送手段44によるデータ転送時間のオーバーヘ
ッドが無くなる。
【0053】相手PEステータス監視手段46は、外部
通信線6を介してその通信チャネルCHに接続されてい
る相手PEの識別番号を検出し、信号線53により相手
PEステータスレジスタ34に記憶する。この記憶され
た情報は、制御プロセッサ31を経由して管理プロセッ
サ4へ伝えられる。
【0054】管理プロセッサ4は、図4に示すように構
成されている。CPU61は管理プロセッサ4内の処理
をつかさどる中央処理装置である。プログラムダウンロ
ード用記憶装置62は、プロセッサエレメント群2の個
々のプロセッサエレメントPEmnに処理プログラムを
ダウンロードするための記憶装置であり、データ処理に
必要な種々のプログラムを格納している。主メモリ63
内のPEステータス監視プログラム63Aは、プロセッ
サエレメントPEmnの全てについて設定されているP
E相互の接続状態と、各プロセッサエレメントPEmn
の通信チャネルCHのチャネルモードの設定状態とを、
インタフェース9を介して受信チャネル64から取り込
んで記憶している。CPU61は、このPEステータス
監視プログラムによってPE相互の接続状態と、各プロ
セッサエレメントPEmnの通信チャネルCH1〜8の
設定状態を把握し、システム全体として実行可能なデー
タ処理プログラムを決定できるようになっている。ま
た、仮に何れかのプロセッサエレメントPEにおいて故
障が発生した場合はその異常が反映され、全てのプロセ
ッサエレメントPEmnについてハードウェアが正常か
異常かの判断をするようになっている。制御指令生成プ
ログラム63Cは、プロセッサエレメントPEmnを制
御するための命令を生成するものである。生成する命令
には、大きく分けて、個々のプロセッサエレメントPE
mnに対する命令と、プロセッサエレメント群2の全体
に対して一斉に指令を出す命令がある。前者には、プロ
セッサエレメントPE内部の通信チャネルCHのチャネ
ルモード設定指令(送信、受信、スルー中継の設定命
令)、プロセッサエレメントPEへの信号処理プログラ
ムのダウンロード指示命令、同期信号発生装置3からの
同期信号11を受け付けるか否かの同期信号有効/無効
命令等がある。同期信号制御手段66は、同期信号発生
装置3への起動/停止並びに同期信号11の周期の設定
を行う。これらの命令等は、送信チャネル65を介して
各プロセッサエレメントPEmnに転送される。 図5
は、同期信号発生装置3の内部ブロック図である。同期
信号発生装置3は、管理プロセッサ4からプログラマブ
ルタイマ72に入力される起動/停止指令および周期設
定制御指令に従って動作する。つまり、発振器71から
のクロック信号をプログラマブルタイマ72により分周
して設定された周期の同期信号を生成して発生する。実
際に各プロセッサエレメントPEmnに出力される同期
信号11は、全てのプロセッサエレメントに共通の信号
であり、負荷が大きいので、ドライバー73を用いてパ
ワー増幅して出力している。
【0055】ここで、プロセッサエレメント群2の各プ
ロセッサエレメントPEmnの接続構成を設定又は変更
して、データ処理の種類や内容に合わせて並列処理シス
テムを構築又は再構築する手順について、図6〜図10
を参照しながら説明する。
【0056】並列処理システムを構築又は再構築は、管
理プロセッサ4の機能により行う。まず、管理プロセッ
サ4には、プロセッサエレメント群2の基本構成である
PE配列情報(x行×y列の情報)と、入力装置1と出
力装置3が接続されたプロセッサエレメントPEの位置
または識別番号がインプットされている。
【0057】管理プロセッサ4のCPU61はシステム
立ち上げの際に、図6に示す手順により、イニシャル処
理を行う。
【0058】〈ステップ101〉全てのプロセッサエレ
メントPEmnに対して、それらが正常に動作するか否
かのチェックを行い、全てが動作可能であることを確認
する。
【0059】〈ステップ102〉図7に示す信号処理種
別認識プログラム63Bの手順に従って、信号処理種別
認識処理を行う。まず、実行予定の複数の信号処理に対
してタスク番号を付け、以後そのタスク番号により信号
処理の種別を認識する(ステップ111)。次に、現在
のプロセッサエレメント群2の構成規模に基づいて、プ
ロセッサエレメント間の接続を構築して所望の信号処理
のアルゴリズム(例えば、1まとまりの信号処理をいく
つかの処理ブロックに分けた内容)を実現できるか否か
を判断する(ステップ112)。規模が適当でないとき
は、プロセッサエレメントの増設が必要であることを出
力して終了する。規模が適当と判断したときは、図6の
処理に戻る。
【0060】〈ステップ103〉ここでは、図8の処理
手順に従って、各プロセッサエレメント相互間の通信チ
ャネルCHのチャネルモードを設定して接続処理を行
う。まず、上記の信号処理ブロックに対し、データの流
れに従って順番にプロセッサエレメントPEmnを割り
付ける(ステップ121)。次に、隣合うプロセッサエ
レメントPE同士でデータの送受を行うものがあれば、
それらの通信チャネルCHのチャネルモードを送信又は
受信に設定して接続する(ステップ122)。次に、デ
ータの送受を行うプロセッサエレメントPEが隣合わな
いなどの理由により、他のプロセッサエレメントをスル
ー中継してデータ転送しなければならない場合は、再短
距離でデータ転送できるルートを探し、関連するプロセ
ッサエレメントPEの通信チャネルCHのチャネルモー
ドをスルー中継モードに設定して、データ転送にかかる
プロセッサエレメントPE間を接続する(ステップ12
3)。次に、必要な接続がされていない未接続のプロセ
ッサエレメントPEの有無を判断する(ステップ12
4)。未接続のものがあれば、既に設定したプロセッサ
エレメントPEのスルー中継のルートを変更しながら、
未接続のプロセッサエレメントPEを無くすようにする
(ステップ125)。そして、未接続のものが無くなれ
ば、処理を終了し、スルー中継のルートを変更しても未
接続のプロセッサエレメントPEが無くならない場合
は、ステップ127にすすんで、信号処理ブロックに対
するプロセッサエレメントPEmnの割り付けを変更
し、ステップ122に戻って処理を繰り返す(ステップ
126)。
【0061】以上のステップ101から103により、
管理プロセッサ4は並列処理システムが実行する複数の
信号処理に対応させて、プロセッサエレメント群2の接
続を構築できるように、各プロセッサエレメントPEの
複数の通信チャネルCHのチャネルモードを決定する。
【0062】〈ステップ104〉ステップ103で決定
された各通信チャネルCHのチャネルモードに従って、
制御指令生成プログラム63Cにより各プロセッサエレ
メントPEの各通信チャネルを設定するためのチャネル
モード制御指令に加工してメモリに格納しておく。
【0063】〈ステップ105〉各通信チャネルを設定
するチャネルモード制御指令を送信チャネル64からイ
ンタフェース9を介して各プロセッサエレメントPEに
送出する。このチャネルモード制御指令はタスク番号に
対応させて送出される。
【0064】〈ステップ106〉各プロセッサエレメン
トPEの制御プロセッサ31は入力されたチャネルモー
ド制御指令が、自プロセッサエレメントPEに対するも
のであるかどうかを判断し、それが自プロセッサエレメ
ントPEに対する指令であれば、チャネルモード制御指
令をタスク番号ごとに対応させてメモリに格納する。そ
して、現在処理しようとしているタスク番号に対応する
チャネルモードを、内部システムバス50上のチャネル
モード設定レジスタ32に所定のチャネル分の情報を書
き込む。
【0065】これにより、各通信チャネルCHの送受信
/スルー切り替え手段45、バイパス切り替え手段4
7、転送手段44の設定状態が切り替えられる。
【0066】例えば、図1に示す例では、プロセッサエ
レメントPE内の通信チャネルCH1は、チャネルモー
ド設定レジスタ32に書き込まれた内容に従い、転送手
段44は送信又は受信状態に設定されると共に、相手P
E54とのインタフェース信号線6が切り替え手段45
によって転送手段44に接続される。また、相手PEか
ら受信したデータを他のチャネルにスルーする場合は、
図1の通信チャネルCH2のように、相手PE55との
インタフェース信号線6が、チャネルモード設定レジス
タ32の設定状態に合わせて、切り替え手段45により
スルー用信号線48に接続され、さらにこの信号線48
は制御プロセッサ31により制御されるバイパススイッ
チ切り替え手段47により、バイパスバス42の所定の
バス(この例ではバス42b)に接続される。このよう
に信号処理上必要となる全てのプロセッサエレメントP
E内の各通信チャネルCH1〜8は、管理プロセッサ4
からの指令により、送信、受信、スルー中継の何れかの
状態に設定されることになる。
【0067】以上のように、本実施例によれば、管理プ
ロセッサ4はデータ処理のタスク番号に従って、その処
理を実現可能な並列処理システムを自動的に構成する。
【0068】〈ステップ107〉次に、管理プロセッサ
4は、各プロセッサエレメントPEに対し、それぞれが
実行すべき処理プログラムを転送し、インストラクショ
ンメモリ22にダウンロードする。
【0069】このようにして、並列処理システムを構築
し、各プロセッサエレメントに所定の処理プログラムを
ダウンロードした後、管理プロセッサ4は同期信号発生
装置5に対し、図9に示す手順にしたがって、同期信号
の周期を設定するとともに、起動指令を出力して並列処
理システムを起動させる。
【0070】図9は、同期信号の周期の設定法の一実施
例の手順を示している。まず、ステップ201と202
で、予め設定されている入出力装置1,3のバッファ容
量N(ワード)と、目標周波数特性fm(Hz)を取り
込む。このバッファ容量Nは通信チャネルCHのバッフ
ァメモリ42の容量と同じである。次に、ステップ20
3で、転送データの1ワードのサンプリング周波数fs
を、fs>2×fmの条件を満たすように算出する。そ
して、Nワードをサンプリングするに必要な同期信号の
周期Tを、T=N/fsにより算出する。そして、ステ
ップ205において、周期Tが各プロセッサエレメント
PEによる1フェーズの処理時間の最大処理時間以下か
否かを判定する。周期Tがその最大処理時間以上のとき
は、ステップ206により、並列処理システムの構築を
変更して負荷を分散する。このようにして、同期信号の
周期Tを決定した後、同期信号発生装置5に出力すると
ともに、起動指令を出力する。
【0071】これにより、同期信号発生装置5から、各
プロセッサエレメントPEmnに共通の同期信号が一斉
に出力される。そして、各プロセッサエレメントPEm
nは同期信号に従ってデータ処理およびデータ転送を行
うことになる。したがって、各プロセッサエレメントP
Emnのデータ転送量およびデータ転送速度が統一され
る。また、1フェーズ(処理単位)の大きさを統一する
ことと合わせ、データ処理および転送処理に要する処理
時間の無駄を少なくして高速処理を行うことができる。
【0072】図10に、同期信号に基づいて実行する入
力装置1から入力される入力信号のサンプリング処理、
プロセッサエレメントPEへの取り込みおよび信号処
理、処理データを次段のプロセッサエレメントPEに転
送する処理のタイミングチャートを示す。本実施例で
は、各通信チャネルCHに交替して用いるバッファメモ
リ42A,Bが設けられていることから、図示のよう
に、入力信号(c)はサンプリングクロック(b)の速
度に合わせたタイミングで符号化され、バッファメモリ
42A,Bのいずれか一方に絶えず書き込まれから、デ
ータを取り逃がすことが無い。例えば、(d)に示すよ
うに周期S0のサイクルで取り込まれたバッファメモリ
42AのデータAは、(e)に示すようにS1のサイク
ルにてバッファメモリ42Bに切り替わり、(f)に示
すようにプロセッサエレメントPEの動作速度に合わせ
たタイミングにてアクセスされる。このアクセスされた
データAはデータA’に加工される。そして、(g)に
示すようにサイクルS2のときに転送先のプロセッサエ
レメントPEが接続された別の通信チャネルCHのバッ
ファメモリ42を経由して転送される。
【0073】また、一回のデータ転送を、同期信号の周
期Tよりも短い時間で終了するように設定し、(h)に
示すように、データ転送終了から次の同期信号までの間
に空き時間tを設けるようにすれば、制御プロセッサ3
1による各通信チャネルCHのチャネルモードの設定変
更を行わせることができる。したがって、オンライン中
であっても、プロセッサエレメントPE相互間の通信モ
ードを変更して、並列処理システムの構成を変更するこ
とができる。しかも、各プロセッサエレメントPEの入
力信号のサンプリング、信号処理、およびデータ転送に
影響を及ぼさずにシステム構成を変更できる。
【0074】ところで、管理プロセッサ4は図6のステ
ップ101で説明したように、システムを構成している
プロセッサエレメントPEmnの状態を把握している。
また、各プロセッサエレメントPEの状態および通信チ
ャネルCHの状態は、制御プロセッサ31により常に監
視され、正常・異常の状態が管理プロセッサ4に逐次送
信される。そして、管理プロセッサ4のPEステータス
監視プログラム63Aに従って、初期の状態に対する変
化が常に監視されている。したがって、その監視結果に
より各プロセッサエレメントPEmnの異常を検出する
ことができる。そして、異常を検出した場合は、異常の
プロセッサエレメントをシステムから切り離し、図6の
処理手順に従って、並列処理システムを再構成すること
により、速やかにシステムを再立ち上げしてデータ処理
を行わせることができる。
【0075】上述したように、本実施例によれば、8個
の通信チャネルCH1〜8に接続された各プロセッサエ
レメントPEとの間で、送信又は受信をしながら同一時
に残りの任意の通信チャネルCH間でスルー中継を行え
ることから、スルー中継のルート選択の自由度を高くで
きる。その結果、並列処理システムの構成の自由度を十
分高くできるから、プロセッサエレメントPEの数が同
じ規模の並列処理システムと比較して、データ処理の適
用範囲を拡大できたり、データ処理の処理速度を高速化
することができる。
【0076】ここで、スルー中継のルート選択の自由度
を高くできる点について、前述した特開平1−3205
64号公報のシステムと比較して説明する。図11
(A),(B)は、それぞれ同公報記載のプロセッサエ
レメントの1つの動作状態を模式図で示している。図示
のように、プロセッサエレメントはCPU/メモリ81
に物理的に4個の通信ポート82a〜dがバス接続さ
れ、各通信ポートに接続された外部通信線a〜dのそれ
ぞれ隣合うもの同士がバイパススイッチ83a〜dによ
り接続されている。そして、バイパススイッチ83を閉
じることにより、2つの外部通信線の間でデータをスル
ー中継できるようにしている。しかし、同図(A)に示
すように、外部通信線bからデータを入力し、外部通信
線dから出力するモードのとき、外部通信線aから外部
通信線cにデータをスルー中継することができない。ま
た、同様に、(B)に示すように、外部通信線aからc
および外部通信線cからdのスルー中継を同一時にする
ことかできない。この点、本発明によれば、図1に示し
たように、各通信チャネルCH1〜8はそれぞれバイパ
スバス42・1〜8を介して独立にスルールートを形成
できることから、任意の通信チャネル間で同一時に送信
/受信およびスルー中継を行えるのである。
【0077】また、本発明によれば、通信チャネルCH
1〜8は相互に独立しており、かつそれぞれにチャネル
モードを設定できるから、同一時に複数のプロセッサエ
レメントに同一のデータを送信したり、転送されてくる
データを複数のプロセッサエレメントにスルー中継でき
る。
【0078】次に、本発明の並列処理システムの具体的
な装置構造の実施例を図12乃至図16に示す。図4に
示した管理プロセッサ4は、汎用的計算機システムで実
現でき、図5に示した同期信号発生装置3は、汎用のI
C等で容易に構成できる。本発明においてハードウェア
上もっとも重要な部分は、プロセッサエレメントPE内
部の構成とプロセッサエレメントPE間の構成である。
そこで、プロセッサエレメント群2の装置構造の実施例
について説明する。図12は、プロセッサエレメント群
2を全て汎用の信号処理プロセッサ、マイクロプロセッ
サ、汎用IC等のディスクリート部品によって構成した
場合の物理的外観図である。また、一つのプロセッサエ
レメントPEを一つのユニット構成としている。図3で
破線で示した信号処理部20と制御部30は、図12で
シグナルプロセッサボード413と制御プロセッサボー
ド412とし、各々プリント基板化している。図3の通
信部40はハードウェアの物理的制約から通信チャネル
の2つ分をまとめて一枚のプリント基板とし、通信チャ
ネルボードa414、通信チャネルボードb415、通
信チャネルボードc416、通信チャネルボードd41
7に分けて形成している。それらはすべて同じ構成であ
る。制御プロセッサボード412には、管理プロセッサ
4とのインタフェース信号線445を接続するためのコ
ネクタ419と、同期信号発生装置3とのインタフェー
ス信号線446を接続するためのコネクタ418が設け
られている。通信チャネルボードa414から通信チャ
ネルボードd417には他のプロセッサエレメントPE
とのインタフェース信号線群442を接続するためのコ
ネクタ420〜427が設けられている。これらのプリ
ント基板は、図1に示したシグナルプロセッサ用のシス
テムバス50上の接続を行う。バイパスバス42上の接
続は図13に示すバックボード411により行ってい
る。バックボード411は、各ボード間をボード接続用
コネクタ群431によって接続している。電源ボード4
11は、バックボード411経由でこれら全プリント基
板に対し電源を供給するものである。
【0079】図14は、ハードウェアの動作速度の高速
化、小型化を図ることを目的として、一部をカスタムL
SI化した場合のプロセッサエレメントPE内部のブロ
ック図を示す。プロセッサエレメントPEのハードウェ
ア構成は、破線で示された信号処理部20については図
3と同様であるが、制御部30は制御プロセッサ(汎用
のマイクロプロセッサ)32のみとし、制御部30のチ
ャネルモード設定レジスタ32、チャネルステータスレ
ジスタ33、相手PEステータスレジスタ34及び通信
部40は、制御・通信LSI451に1チップ化してい
る。これにより、プロセッサエレメントPEのハードウ
ェアの物量は、図3の場合と比べて大幅に縮小すること
ができる。図15(A),(B)は、一つのプロセッサ
エレメントPEを1ボード化し、そのプリント基板を4
枚実装可能とした場合のマルチプロセッサエレメントP
Eユニットの物理的外観図である。バックボード466
には管理プロセッサ4とのインタフェース信号線483
を接続するためのコネクタ467と、同期信号発生装置
3とのインタフェース信号線484を接続するためのコ
ネクタ468が設けられている。プロセッサエレメント
PEボードa462から通信チャネルボードd465に
は他のプロセッサエレメントPEとの接続を行うインタ
フェース信号線群491(1枚当り5本、合計20本)
を接続するためのコネクタ群471が設けられている。
これらのプリント基板は、図1に示したシグナルプロセ
ッサ用の内部システムバス50上の接続及びバイパスバ
ス42上の接続、およびプロセッサエレメントPEボー
ドa462〜d465の通信チャネル同志の接続は、図
15(B)に示すバックボード466により行ってい
る。バックボード466は、各ボード間をボード接続用
コネクタ群によって接続している。電源ボード461
は、バックボード466経由でこれら全プリント基板に
対し電源を供給するものである。このハードウェア構成
によって、4つのプロセッサエレメントPE間の接続に
関して同一ユニット内のバックボード上で実現できるた
め、ユニット内部のプロセッサエレメントPE間のデー
タ転送は、ユニット外部のプロセッサエレメントPEと
のデータ転送に比べ高速化を図ることができる。また、
一つのプロセッサエレメントPEが1ボード化されたプ
ラグイン構成となっているためシステムの用途に合わせ
てユニット内の実装枚数を簡単に設定したり変更するこ
とができる。図16は、図14のハードウェア構成をプ
ロセッサエレメントPE間の接続についてのみ表した基
本ブロック図である。破線460で囲まれた部分は図1
4のユニット内部を示し、信号線480〜485は図1
4のバックボード466上のプロセッサエレメントPE
間の接続を示し、破線の外側の矢印はユニット外部の他
のプロセッサエレメントPEとの接続信号線を表してい
る。図16は図2に示した縦横行列のプロセッサエレメ
ント群2の一部分を形成するものであり、このユニット
を複数用いた組み合わせによってあらゆるシステム構築
が可能である。
【0080】次に、本発明の並列処理システムを具体的
な信号処理に適用した実施例について説明する。図17
は、本発明を音響シミュレーション解析装置に適用した
実施例であり、(A)は信号処理のブロック構成を示
し、(B)は信号処理ブロックを並列処理システムの各
プロセッサエレメントに割り付けた状態図である。音響
シミュレーション解析は、音響空間についてのシュミレ
ーションおよび解析をするものであり、コンサートホー
ルなどの音響特性のシミュレーションを行い、実際の室
内の音響特性と比較し、音響設計に役立てるものであ
る。
【0081】図17(A)において、ブロック201乃
至204までのブロックは音響シミュレーションの部分
であり、ブロック205乃至208のブロックは音響信
号の解析を行い、ブロック209はシミュレートした音
響を実際の聴音に再生して出力するものである。装置の
使用方法は、まず室内の音響設計を行う前に試験用の音
響信号を入力し、ブロック201乃至204により目的
とする音響特性をシミュレートする。このとき、実際の
音を耳で聞いてモニタリングするとともに、同時にブロ
ック205乃至208によりその音響シミュレート信号
を周波数解析し、それを映像として出力することによ
り、視覚的に解析できるようにする。そして、解析した
内容に基づいて、室内の音響設計を行うとともに、音響
設備を製作する情報とする。
【0082】また、本実施例装置は、上記のようにして
製作された音響設備を試験する装置としても用いること
ができる。すなわち、実際の室内空間で音響信号を録音
等により収集し、その音響信号を音源符号化ブロック2
01に入力し、処理しやすい信号に符号化する。そし
て、ブロック202乃至204のシミュレーション処理
をしないで、信号線210のルートにより周波数変換部
205に直接バイパスし、ブロック205乃至208に
よりその音響特性を解析し、映像として出力する。これ
によって得られた解析データと、設計前のシミュレーシ
ョンの内容の特性を比較し、要求どおりに設計、製作が
されたか否かを確認する。
【0083】各処理ブロックの内容は次のとおりであ
る。
【0084】(1)音響符号化ブロック201 音響空間にて再生するための音をディジタル化するもの
で、実録音やシンセサイザなどにより生成した試験用信
号をA/D変換機によりサンプリングする。
【0085】(2)音源再生ブロック202 符号化された音響信号のディジタルデータを記憶してお
き、用途に応じて逐次出力する。
【0086】(3)残響効果ブロック203 大将となる部屋の構造や室材ごとに異なる残響効果を模
擬する。
【0087】(4)伝搬損失効果ブロック204 音響空間の大きさによる音圧レベルおよび周波数特性の
変化を得る。
【0088】(5)周波数変換ブロック205 音の周波数分析を行う場合、映像出力データとして特定
周波数帯域を拡大して表示するため、その周波数帯域幅
を可変するものである。
【0089】(6)FFTブロック207 音響信号を解析するために、周波数成分のパワースペク
トルをフーリエ変換により生成する。
【0090】(7)平滑化ブロック207 FFT処理で得られた周波数パワースペクトルのデータ
を映像表示するにあたり、オペレータの認識を向上させ
るために、特定の周波数成分を強調させるために平滑処
理する。
【0091】(8)映像出力ブロック208 音響信号の周波数解析結果を映像により視覚的に表示す
る。
【0092】(9)聴音出力ブロック209 残響効果および伝搬損失効果処理でえられたディジタル
音響信号モニタリングするため、D/A変換処理して聴
音として出力する。
【0093】図10(B)は、同図(A)の音響シミュ
レーション解析装置を、本発明を適用してなる並列処理
システムにより構築した場合の動作時の構成図である。
図示のように、ブロック202乃至207の処理ブロッ
クに、本発明のプロセッサエレメントPE1乃至6が割
り付けられている。プロセッサエレメントPEの数およ
び物理的な接続構成は(A)の構成と同様である。PE
1乃至3の破線210は、スルー中継機能により信号線
210が形成されることを示している。
【0094】図18は、図17の実施例と同様の音響シ
ミュレーション解析装置の実施例であるが、シミュレー
ションおよび解析対象となる音源を2津にして、ステレ
オ音響特性を得るようにしたものである。図19
(A),(B)は図18のブロックにたいして本発明の
プロセッサエレメントPEを割り付けたものである。同
図(A)は音響シミュレーションと解析を同時に行って
いる状態のシステム構成であり、同図(b)は音響特性
試験のための周波数解析および映像出力の機能部分のみ
を作動させた場合のシステム構成図である図示のよう
に、音響再生ブロック202、残響効果ブロック20
3、伝搬損失効果ブロック204、FFTブロック20
6に対応するPEがそれぞれ二重化されている。これら
は、ステレオ音響特性を得るようにしたために、処理負
荷がほぼ2倍になるためである。
【0095】図19(A),(B)のシステムを、4行
4列配列のプロセッサエレメント群により構成した場合
のシステム構成図を模式図により示したのが、それぞれ
図20,図21に対応する。図から判るように、各プロ
セッサエレメントPEが8個の通信チャネルを備えてい
ること、およびスルー中継を独立に任意に行えるから、
システム構成の自由度が高く、少ないプロセッサエレメ
ントにより図18のシステムを構築することができる。
このようなシステムは、従来の例えば特開平1−320
564号公報のシステムでは実現することができない。
例えば、図20のプロセッサエレメントPE5のよう
に、送信、受信の経路にたいし、スルー中継のルートが
クロスするような構成は実現できない。
【0096】図22(A)は、本発明の並列処理システ
ムを「画像処理応用技術」工業調査会刊に記載のTOS
PIX-Uによって濃淡画像の輪郭抽出処理に適用した
実施例である。処理の概要としては、画像入力装置30
1によりディジタルし、メモリに蓄えられている原画像
を、フィルタリングブロック302でフィルタリングの
ためにX方向とY方向にそれぞれ微分し、さらにつぎの
フィルタリングブロック303により2値化するもので
ある。これによって、得られた輪郭画像を画像出力装置
305へ出力すると共に、特徴計測ブロック304によ
り特徴計測を行うというものである。図22(B)は、
図22(A)の処理を、前記音響シミュレーションシス
テムの例と同様に、並列処理システムにて高速演算を行
う場合のブロック図である。図22(A)のフィルタリ
ング(X、Y方向微分)ブロック302は、2つのプロ
セッサエレメントPE1と5により並列処理される。次
段のフィルタリング(加算/2値化)ブロック303
は、加算処理と2値化処理を直列に行う構成とし、PE
2とPE3により処理される。そして、2値化されたデ
ータは直接画像出力装置305に出力されると共に、特
徴計測ブロック304に対応するPE4に転送される。
【0097】図22の構成に対応する並列処理システム
の接続構成図を図23に示す。この場合のプロセッサエ
レメントの規模は縦3個×横2個である。画像入力装置
301と画像出力装置305、および各PE間の接続と
通信チャネルの方向は、図示していない管理プロセッサ
により設定可能である。実線と矢印で示されるインタフ
ェース信号線は実際の信号処理で使用される接続とデー
タの流れを示したもので、破線で示される接続は物理的
接続は存在するがデータ転送が発生しない部分を示して
いる。図示例では、PE6は未使用状態となっている。
このように、図23の構成は図22(B)と等価であ
り、信号処理の内容に従ったPE間の接続を実現してい
る。
【0098】なお、上述した実施例の効果に加え、図1
〜図10で説明した実施例によれば、次の効果がある。
【0099】(1)一つのプロセッサエレメントに対す
る負荷を考慮し、プロセッサエレメントの個数を把握し
ておけば、プロセッサエレメント間の物理的な接続をほ
とんど意識することなく、迅速に並列処理システムの構
築が可能である。
【0100】(2)管理プロセッサが、プロセッサエレ
メント同志の接続を逐次把握することによって、処理可
能な信号処理の種別を直ちに認識できる。
【0101】(3)通信チャネル毎に接続先通信チャネ
ルの送受信状態を監視する手段を設けることにより物理
的な接続誤りやソフトウェア上の設定誤りを直ちに検出
できる
【0102】。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような効果を得ることができる。 まず、第1の
発明によれば、任意のプロセッサエレメント間の複数の
スルー中継を同一時に行わせることができ、かつ他のス
ルー中継の制限を何ら受けることなくかつ同一時に、送
信又は受信を行うことができる。
【0103】また、プロセッサエレメント群の並列シス
テム構成を、処理プログラムの内容に応じて自由にかつ
速やかに構築することが可能である。
【0104】また、データ処理の内容に合わせて並列処
理システムを自動的に構築できる。特に、各プロセッサ
エレメントの処理動作を同期させるとともに、データ処
理を構成する処理単位の終了とデータ転送の終了のいず
れか遅いものにあわせて、管理プロセッサにより必要な
通信チャネルのモードを変更設定するようしたものによ
れば、一まとまりのデータ処理を構成する1フェーズご
との処理単位に合わせて、最適な並列処理システムを構
築することができ、データ処理の内容に応じて最適な高
速処理システムを構築できる。
【0105】第2の発明によれば、プロセッサエレメン
ト群の一部に故障が発生してもデータ処理を継続でき、
信頼性の高いシステムとすることができる。
【0106】第3の発明によれば、プロセッサエレメン
トの通信チャネルを8個設け、行列状に配列されたプロ
セッサエレメントを縦、横、斜め方向に接続したものに
よれば、並列処理システムの接続構成の自由度が向上す
るから、限られた規模のプロセッサエレメント群によ
り、多段処理を含む、より複雑なデータ処理を行わせる
ことができる。
【0107】第4の発明によれば、各プロセッサエレメ
ントの処理動作を、同一の同期信号に同期させて行わせ
るようにしたことから、オーバーヘッド時間を少なくし
てスループットを向上できる。
【0108】特に、その同期信号の周期内に通信チャネ
ルの切り替え動作にかかる時間を含めるようにしたもの
によれば、各処理単位ごとに並列処理システムの構成を
変更できるから、限られた規模のプロセッサエレメント
を用いて一層処理を高速化できるシステムを構築でき
る。この場合、プロセッサエレメント群の処理単位量と
該処理に伴うデータ転送量とを統一し、該統一された量
に基づいて同期信号の周期を設定するようにすれば、更
にスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴部である一実施例の通信チャネル
周りの構成図である。
【図2】本発明の並列処理システムの一実施例の全体構
成図である。
【図3】本発明のプロセッサエレメントの一実施例の全
体構成図である。
【図4】本発明の管理プロセッサの一実施例の機能構成
図である。
【図5】本発明の同期信号発生装置の一実施例の機能ブ
ロック構成図である。
【図6】本発明の管理プロセッサのイニシャル処理の一
実施例のフローチャートである。
【図7】本発明の管理プロセッサの信号種別認識処理の
一実施例のフローチャートである。
【図8】本発明の管理プロセッサのPE間接続処理の一
実施例のフローチャートである。
【図9】本発明の管理プロセッサの同期信号周期設定処
理の一実施例のフローチャートである。
【図10】本発明の並列処理システムにおける一実施例
のデータ転送処理の動作タイミングを説明する図であ
る。
【図11】(A),(B)ともに、本発明のデータ転送
の動作を説明するための比較例のデータ転送動作を説明
する図である。
【図12】本発明の並列処理システムの一実施例のハー
ドウェア構成図である。
【図13】図12のハードウエア構成図の内部の概要構
成図である。
【図14】図3に示した実施例のプロセッサエレメント
の一部をLSI化した一実施例のブロック構成図であ
る。
【図15】(A),(B)は、図14に示した実施例の
プロセッサエレメントを用いてなる並列処理システムの
一実施例のハードウェア構成図である。
【図16】図14に示したプロセッサエレメントを用い
てなる並列処理システムの相互接続例を示す構成図であ
る。
【図17】本発明の並列処理システムを音響信号シミュ
レーション・解析処理に適用した一実施例の構成図であ
り、(A)は音響信号シミュレーション・解析処理の処
理ブロック図、(B)は(A)の各ブロックに本発明の
プロセッサエレメントを割付けてなる概念構成図であ
る。
【図18】本発明の並列処理システムを適用可能な音響
信号シミュレーション・解析処理の他の実施例の処理ブ
ロック構成図である。
【図19】図18の各処理ブロックに本発明のプロセッ
サエレメントを割付けてなる概念構成図であり、(A)
は音響シミュレーションと解析処理とを同一時に行って
いる場合のシステム構成図を示し、(B)はシミュレー
ションにより設計した音響特性を試験する場合のシステ
ム構成図である。
【図20】図19(A)のシステム構成図に対応する通
信チャネルの接続切り替え状態を示すシステム構成図で
ある。
【図21】図19(B)のシステム構成図に対応する通
信チャネルの接続切り替え状態を示すシステム構成図で
ある。
【図22】本発明の並列処理システムを画像処理に適用
してなる一実施例の構成図であり、(A)は画像処理の
処理ブロック図、(B)は(A)の各ブロックに本発明
のプロセッサエレメントを割付けてなる概念構成図であ
る。。
【図23】図22に示したシステム構成図に対応する各
プロセッサエレメントの動作状態における接続を示すシ
ステム構成図である。
【符号の説明】
1 入力装置、 2 プロセッサエレメント(PE)、 3 出力装置、 4 管理プロセッサ、 5 同期信号発生装置、 6 インタフェース通信線、 20 信号処理部、 21 シグナルプロセッサ、 22 インストラクションメモリ、 23 データストレージ、 30 制御部、 31 制御プロセッサ、 32 チャネルモード設定レジスタ、 33 チャネルステータスレジスタ、 34 相手ステータスレジスタ、 40 通信部、 41A,B 切り替え手段、 42 バイパスバス、 43A,B バッファメモリA,B、 44 転送手段、 45 送受信/スルーモード切り替え手段、 46 相手PEステータス監視手段、 47 バイパスバス切り替え手段、 48 スルー用信号線、 61 CPU、 62 プログラムダウンロード用記憶装置、 63 主メモリ、 63A PEステータス監視プログラム、 63B 信号処理種別認識プログラム、 63C 制御指令生成プログラム、 64 受信チャネル、 65 送信チャネル、 66 同期信号制御手段、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 喜章 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 海野 拓雄 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 渡辺 弘 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセッサとメモリと複数の通信チャネ
    ルとを内部システムバスにより接続してなるプロセッサ
    エレメントを複数備え、 前記プロセッサエレメントのそれぞれを、所定数の他の
    プロセッサエレメントと前記通信チャネルを介して相互
    に接続し、 管理プロセッサから与える指令に従って一まとまりのデ
    ータ処理を前記各プロセッサエレメントに分担して実行
    させる並列処理システムにおいて、 前記プロセッサエレメントは、当該プロセッサエレメン
    トに属する複数の前記通信チャネルを共通に接続可能な
    バイパスバスを複数有し、 前記通信チャネルのそれぞれは、当該通信チャネルに接
    続された他のプロセッサエレメントを前記内部システム
    バス又は前記バイパスバスの1つのバスに接続するチャ
    ネルモード切り替え手段を含んでなることを特徴とする
    並列処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記チャネルモード
    切り替え手段は前記管理プロセッサから与えられるチャ
    ネルモード指令に従って切り替えられることを特徴とす
    る並列処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記管理プロセッサ
    は、前記各通信チャネルのチャネルモード切り替え手段
    を切り替えることにより、当該通信チャネルが属するプ
    ロセッサエレメントの処理データを複数の他のプロセッ
    サエレメントに伝送することを特徴とする並列処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記管理プロセッサ
    は、前記各通信チャネルのチャネルモード切り替え手段
    を切り替えることにより、外部のプロセッサエレメント
    から一の通信チャネルに入力される外部データを、前記
    バイパスバスと他の複数の通信チャネルを介して他の外
    部の複数のプロセッサエレメントに同時にスルーさせる
    ことを特徴とする並列処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記管理プロセッサ
    は、複数の前記プロセッサエレメント相互を接続するイ
    ンターフェイス通信線と通信チャネルとの接続状態を管
    理する構成管理手段と、前記各プロセッサエレメントの
    処理分担に基づいて前記各通信チャネルのモードを決定
    し、該決定に基づいて前記チャネルモード指令を前記各
    プロセッサエレメントに出力する通信チャネルモード設
    定手段とを含んで構成されたことを特徴とする並列処理
    プロセッサ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記管理プロセッサ
    は、前記通信チャネルモード設定手段により全ての通信
    チャネルのモードを設定した後、全てのプロセッサエレ
    メントに処理開始指令を出力することを特徴とする並列
    処理プロセッサ。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記管理プロセッサ
    は、前記データ処理の処理単位の終了とデータ転送の終
    了のいずれか遅いものに合わせて、前記通信チャネルモ
    ード設定手段により必要な通信チャネルのモードを変更
    設定することを特徴とする並列処理プロセッサ。
  8. 【請求項8】 請求項5において、前記管理プロセッサ
    は、前記プロセッサエレメントの動作状態を監視する監
    視手段と、該監視手段により動作異常が検出されたプロ
    セッサエレメントを切り離すとともに、前記データ処理
    を行わせるプロセッサエレメント群の再構成を行う再構
    成手段とを有し、前記通信チャネルモード設定手段は前
    記再構成手段の決定に従って前記各通信チャネルのモー
    ドを変更し、該変更に基づいて前記チャネルモード指令
    を前記各プロセッサエレメントに出力することを特徴と
    する並列処理プロセッサ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかにおいて、前
    記チャネルモード切り替え手段は、前記他のプロセッサ
    エレメントを前記内部システムバスとスルー用信号線の
    一方に接続する第1の切り替え手段と、前記スルー用信
    号線を前記バイパスバスの1つに選択接続する第2の切
    り替え手段とからなることを特徴とする並列処理システ
    ム。
  10. 【請求項10】 プロセッサとメモリと複数の通信チャ
    ネルとを内部システムバスにより接続してなるプロセッ
    サエレメントを複数備え、 前記プロセッサエレメントのそれぞれを、所定数の他の
    プロセッサエレメントと前記通信チャネルを介して相互
    に接続し、 管理プロセッサから与える指令に従って一まとまりのデ
    ータ処理を前記各プロセッサエレメントに分担して実行
    させる並列処理システムにおいて、 前記プロセッサエレメントのそれぞれは、前記通信チャ
    ネルを8個有するとともに、該各通信チャネルを共通に
    接続可能な8個のバイパスバスと、前記通信チャネルに
    接続された他のプロセッサエレメントを前記内部システ
    ムバス又は前記バイパスバスの1つのバスに接続するチ
    ャネルモード切り替え手段を含んでなり、 該複数のプロセッサエレメントを行列状に配列し、該行
    列の縦、横、斜め方向に隣接するプロセッサエレメント
    同士を前記通信チャネルを介して相互にトーラス状に接
    続してなり、 前記チャネルモード切り替え手段は前記管理プロセッサ
    から与えられるチャネルモード指令に従って切り替えら
    れることを特徴とする並列処理システム。
  11. 【請求項11】 プロセッサとメモリと複数の通信チャ
    ネルとを内部システムバスにより接続してなるプロセッ
    サエレメントを複数相互に接続して形成されたプロセッ
    サエレメント群と、 一まとまりのデータ処理を行う複数の処理プログラムを
    前記各プロセッサエレメントに割付け、該割付けに従っ
    て前記処理プログラムを対応するプロセッサエレメント
    の前記メモリに転送するとともに、前記プロセッサエレ
    メント群を管理して前記複数の処理プログラムを並列処
    理させる管理プロセッサと、 前記処理プログラムを構成する処理単位の開始タイミン
    グを制御する同期信号を全ての前記プロセッサエレメン
    トに一斉に与える同期信号発生装置とを備え、 前記プロセッサエレメントのそれぞれは、当該プロセッ
    サエレメントに属する複数の前記通信チャネルを共通に
    接続可能なバイパスバスを複数有し、所定数の他のプロ
    セッサエレメントと前記通信チャネルを介して相互に接
    続されてなり、 前記通信チャネルのそれぞれは、当該通信チャネルに接
    続された他のプロセッサエレメントを前記内部システム
    バス又は前記バイパスバスの1つのバスに接続するチャ
    ネルモード切り替え手段を含んでなり、 前記管理プロセッサは、前記処理プログラムの割付けに
    従って、前記各プロセッサエレメント相互間のデータの
    送受とその伝送ルートを決定し、該決定に従って前記各
    通信チャネルのチャネルモード指令を各チャネルモード
    切り替え手段に出力し、 該チャネルモード切り替え手段はチャネルモード指令に
    従って切り替え動作することを特徴とする並列処理シス
    テム。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記同期信号の
    周期が、プロセッサエレメントの前記処理単位の処理時
    間に前記チャネルモード切り替え手段の切り替え動作に
    かかる時間を加えた時間よりも大きく設定されたことを
    特徴とする並列処理システム。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記プロセッサ
    エレメント群の前記処理単位量と該処理に伴うデータ転
    送量とを統一し、該統一された量に基づいて前記同期信
    号の周期が設定されたことを特徴とする並列処理システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009282781A (ja) * 2008-05-22 2009-12-03 Canon Inc 情報処理方法及び装置
US20210263885A1 (en) * 2018-04-04 2021-08-26 Lawrence Livermore National Security, Llc Massively parallel hierarchical control system and method

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