JPH0683460U - 車両用シートの上下位置調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突等の異常時にシート後部を支持するリン
クが後方に大きく揺動してシートが倒れることを防止す
る。 【構成】 リンク１１は、左右のサイド部１１ａ，１１
ａとこれらサイド部１１ａを一体的に連結するブリッジ
部１１ｂとによって構成され、サイド部１１ａ上部には
リンク１１が所定以上後方に揺動したときにサイドブラ
ケット１２とピボットブラケット７との締結基部１２ｂ
に当接する突起部２１が形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用シートの高さを調整する上下位置調整装置に関し、特にシート の後方への倒れを防止する機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドライバーの体格等に合せてシートの高さを変えられるようにした上下位置調 整装置を備えた車両用シートが知られている。このような上下位置調整装置とし て、シートの前部及び後部をリンクを介してそれぞれ前部連結シャフト及び後部 連結シャフトに支持し、これら各連結シャフトを回転することによりリンクを介 して前記シートの前部及び後部の高さを変化させるようにしたものがある。

【０００３】 図６はシートの後部のうちリクライニング機構が装着されている側に設けられ る従来のリンクを示すものであり、リクライニング機構側は重量が大で片持ちで は強度不足となるので、リンク１００は２枚のプレート１０１，１０１を中実の ロッド１０２，１０３で結合し、一方のロッド１０２をレバー１０４を介して連 結レバー１０５に揺動自在に取付け、他方のロッド１０３をシート側のブラケッ トに連結し、更に一方のプレート１０１に揺動範囲を規制するストッパ１０６を 一体的に形成している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のリンクにあってはリンクを別々の２枚のプレートで形成するた め、部品点数が多く、またリンクを連結バーやシートに取付けるにはあらかじめ ２枚のプレート１０１，１０１とロッド１０２，１０３とを溶接しておかなけれ ばならないので、組付けが面倒である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決すべく本考案は、シートの後部に連結したリンクを車体側のブ ラケット及びシート側のブラケットに揺動自在に支持される左右のサイド部とこ れらサイド部を一体的に連結するブリッジ部とで構成し、このリンクのサイド部 の上部にはリンクが所定以上後方に揺動したときにサイドブラケットとピボット ブラケットとの締結基部に当接する突起部を形成した構成とした。

【０００６】

【作用】

リンクが所定以上揺動したときにサイド部の上部に形成された突起部がサイド ブラケットとピボットブラケットとの締結基部に当接して、リンクの揺動範囲が 規制され、リンクが後方に大きく揺動できなくなり、シートが後方に倒れること を防止できる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。ここで、図１は本考案 を適用した車両用シートの上下位置調整装置の左側支持部の側面図、図２は同調 整装置の要部拡大図、図３は図２の分解斜視図、図４は同調整装置の右側リンク の斜視図、図５は同調整装置の左側リンクの別実施例の斜視図である。

【０００８】 車両の床面には左右一対のロアレール１を前後方向に固定し、このロアレール １に図示しないスライド部材を介してアッパーレール２を摺動自在に係合し、こ のアッパーレール２上にはベースブラケット３を立設し、このベースブラケット ３間には前方側に前後に離間して前部連結シャフト４及び後部連結シャフト５を 回転自在に支承している。

【０００９】 そして、前部連結シャフト４の両端にはリンク６を固着し、このリンク６はシ ートのピボットブラケット７の前端部に軸支したリンク８に連結している。また 、後部連結シャフト５の両端にはリンク９を固着し、このリンク９には連結レバ ー１０の前端部を連結し、この連結レバー１０の後端部はベースブラケット３の 後端部に揺動自在に軸支したリンク１１の一端部に連結し、さらにこのリンク１ １の他端部はピボットブラケット７の後端部に固定したサイドブラケット１２に 連結している。一方のピボットブラケット７にはリクライニング機構１３を設け ている。

【００１０】 リクライニング機構１３を設けた側のリンク１１は、左右のサイド部１１ａ， １１ａとこれらのサイド部１１ａ，１１ａを一体的に連結するブリッジ部１１ｂ とによって構成され、左右のサイド部１１ａ，１１ａのそれぞれにはベースブラ ケット３との係合孔１５及びシート側のサイドブラケット１２との係合孔１６を 形成し、一方のサイド部１１ａには連結バー１０との係合孔１７を形成して、こ れら係合孔１５，１６，１７及び軸１８，１９，２０を介して、リンク１１は軸 １８を中心として回動自在にブラケット１２のサイド部１２ａ，１２ａ及び連結 バー１０間に結合されている。

【００１１】 そして、リンク１１の一方のサイド部１１ａ上部には、リンク１１が所定以上 後方に揺動したときにサイドブラケット１２とピボットブラケット７との締結基 部１２ｂに当接する突起部２１が形成されている。

【００１２】 また、図４に示すリクライニング機構１３を設けない側のリンク１１´は１枚 の板状をなし、その一部には突起部１１´ｂを形成するとともに、リンク１１´ が所定以上後方に揺動したときにサイドブラケット１２とピボットブラケット７ との締結基部１２ｂに当接する突起部２１´が形成されている。

【００１３】 なお、後部連結シャフト５を回転させるためのモータ２２、図示しないが前部 連結シャフト４を回転させるための図示しないモータ並びにモータ２２等の回転 を連結シャフト４，５に伝達するために機構を備えている。

【００１４】 以上のように構成した上下位置調整装置においては、図示しないモータを駆動 して前部連結シャフト４を回転させることによりリンク６及びリンク８を介して ピボットブラケット７の前部が上昇又は下降する。また、モータ２２を駆動して 後部連結シャフト５を回転させることによりリンク９、連結レバー１０を介して リンク１１，１１´が揺動してピボットブラケット７の後部が上昇又は下降する 。

【００１５】 ところで、シートに前方からの大きな衝撃が加わった場合、シートのピボット ブラケット７が後方に移動しようとするため、リンク１１，１１´が揺動するが 、図２に示すように、リンク１１，１１´には突起部２１，２１´を一体的に形 成しているので、リンク１１，１１´は突起部２１，２１´がサイドブラケット １２とピボットブラケット７との締結基部１２ｂに当接するとそれ以上後方に揺 動することができなくなり、シートの後部が下がって後方に倒れ込むことを防止 できる。

【００１６】 尚、上記実施例ではリンク１１の一方のサイド部１１ａに突起部２１を設けた 例について述べたが、図５に示すように左右のサイド部１１ａ，１１ａのいずれ にも突起部２１を設けることもできる。

【００１７】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、シートの後部に連結したリンクを左右 のサイド部とこれらサイド部を一体的に連結するブリッジ部とで構成して、リン クのサイド部の上部にはリンクが所定以上後方に揺動したときにサイドブラケッ トとピボットブラケットとの締結基部に当接する突起部を形成したので、異常時 にリンクの後方への反転を構造が簡単で組付けが容易なリンクにて達成すること ができ、しかもストッパ構造としての強度が上がり、レイアウト上の自由度も大 きくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した車両用シートの上下位置調整
装置の左側支持部の側面図

【図２】同調整装置の要部拡大図

【図３】図２の分解斜視図

【図４】同調整装置の右側リンクの斜視図

【図５】同調整装置の左側リンクの別実施例の斜視図

【図６】従来のリンクの斜視図

【符号の説明】

１…ロアレール、２…アッパーレール、３…ベースブラ
ケット、４…前部連結シャフト、５…後部連結シャフ
ト、７…ピボットブラケット、１０…連結レバー、６，
８，９，１１，１１´…リンク、１１ａ…サイド部、１
１ｂ…ブリッジ部、１２…サイドブラケット、２１…突
起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートの前部及び後部をリンクを介して
   それぞれ前部連結シャフト及び後部連結シャフトに支持
   し、これら各連結シャフトを回転することにより前記シ
   ートの前部及び後部の高さを変化させるようにした車両
   用シートの上下位置調整装置において、前記シートの後
   部に連結したリンクは左右のサイド部と、これらサイド
   部を一体的に連結するブリッジ部とからなり、このリン
   クのサイド部の上部には、リンクが所定以上後方に揺動
   したときにサイドブラケットとピボットブラケットとの
   締結基部に当接する突起部が形成されていることを特徴
   とする車両用シートの上下位置調整装置。