JPH0683402U

JPH0683402U - 冬用タイヤ

Info

Publication number: JPH0683402U
Application number: JP2551793U
Authority: JP
Inventors: 眞一岩崎; 浤四郎門司; 一真中沢
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1993-05-17
Filing date: 1993-05-17
Publication date: 1994-11-29
Anticipated expiration: 2008-05-17
Also published as: JP2600172Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】従来のこの種スパイクピンと比べ、耐久性を
有し、かつ優れたスパイク効果を発揮する柱状合成樹脂
製スパイクピンを備えた冬用タイヤを提供する。【構成】円筒状トレッド１に、溝によって周囲を区分さ
れた独立ブロック２が周方向に複数列配列されかつ特定
の上記ブロック２に円柱状合成樹脂製スパイクピン３を
備えたタイヤであって、そのスパイクピン３は、少なく
ともタイヤの回転方向の前後は溝５で区分されていて、
ブロック２の径方向外表面７から一段と窪んだ台座４か
ら実質上ブロック２の上記径方向外表面７の水準まで突
出している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、柱状合成樹脂製スパイクピンを備えた冬用タイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来タイヤは、冬期路面において、特に凍結路面でその運動特性が著しく低下する。これはタイヤのゴム面と氷との摩擦係数（μ）が極めて小さいことによるものである。これを改善するためにタイヤ用スパイクピンが開発され、積雪地域においては金属製スパイクピンを適用したものが使用されていた。それにより凍結路面においても十分安定して走行できるようになり、安全を確保するものであった。また、それに変わるものとしてスタッドレスタイヤも用いられているが、金属製スパイクピンには劣るが、道路を損傷することなくそれなりの凍結路面の安定走行を図ることができた。さらに、路面と接触する部分を樹脂化して、路面損傷を生じないように合成樹脂製スパイクピンを備えたものも以前より存在していた（特開平１−２５７６０７号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、冬用タイヤとしては、金属製スパイクピン、合成樹脂スパイクピンを備えたもの、或いはスタッドレスタイヤが存在するが、金属製スパイクピンは路面を損傷し、粉塵公害を発生する等の問題があり、地域によっては禁止されるようになってきた。またスタッドレスタイヤは、氷に対する摩擦力が氷表面の排水効果により発生するものであるので、氷から発生する水の量が多量であると、それほどブレーキ効果が得られない。さらには合成樹脂製スパイクピンの場合には長く使用していると、摩耗してエッジがへたってしまい、十分なエッジ効果が得られず、またピンを中心として氷の削りかすが付着してしまい、剥がれないので滑ってしまう、また軟らかなスパイクのときはピン自体が塑性変形もする等の問題があった。本考案は、上記の問題を解決するために創案されたものであり、従来の合成樹脂製スパイクピンと比べ、耐久性を有し、かつ優れたスパイク効果を発揮する合成樹脂製スパイクピンを備えた冬用タイヤを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成させるために、本考案の冬用タイヤにおいては、踏面と係合する円筒状トレッドに溝によって周囲を区分された独立ブロックが周方向に複数列配列され、特定の上記ブロックに柱状合成樹脂製スパイクピンを備えたタイヤにおいて上記スパイクピンは少なくともタイヤの回転方向の前後を溝で区分され、ブロックの径方向外表面から一段と窪んだ台座から実質上ブロックの上記径方向外表面の水準まで突出していることを特徴とするものが提供される。

【０００５】

【作用】

上記のように構成された合成樹脂製スパイクピンを備えた冬用タイヤはそのスパイクピンが、少なくともタイヤの回転方向の前後を溝で区分され、ブロックの径方向外表面から一段と窪んだ台座から実質上ブロックのその径方向外表面の水準まで突出していることによって走行時における摩耗が少なく、制動時にはトレッドゴムの変形によってスパイクピンが突出状態になりそのスパイクピンのエッジによるエッジ効果、即ちスパイク効果が十分に発揮される。一方、当初からスパイクピンがブロックの径方向外表面より突出していると、そのスパイクピンが主として摩耗するので、スパイクピン自体の変形、破損が生じ易く、さらには抜けも生じ易い。また、従来のものようにスパイクピンをタイヤの回転方向に溝で区分し、ブロックの径方向表面から一段と窪んだ台座を設けることなく、直接ブロック自体にスパイクピンを埋設したのでは、タイヤの回転中におけるブロックを含めたトレッドゴムの路面との係合による前後方向の変形が少ないので、スパイクピンによるスパイク効果が生じない。

【０００６】

【実施例】

以下実施例について図面を参照して説明する。図１（ａ），（ｂ）は本考案の実施例の要部を示す部分構造図であり、図２（ａ），（ｂ）はそれぞれ本考案の実施例のトレッドパターン及び要部構造図の図１において、１は路面と係合する円筒状トレッドの１部を示し、そのトレッド１には溝（符号なし）によって区画された独立ブロック２が周方向に複数列図２（ａ）のように配列されており、任意の独立ブロックには図１（ａ）に示すように円柱状合成樹脂製スパイクピン３がその中心のブロック２の径方向外表面から一段と低くなっている台座４の中心に埋設されていて、しかもその台座４は周囲に溝５が設けられている。その溝５は前後方向に存在すればよく、好ましくは前後左右方向に設ける。その合成樹脂製スパイクピン３の先端面６は台座４の表面から実質上ブロック２の径方向の外表面である先端面７とほぼ同一水準の位置まで突出している。ここでいうほぼ同一水準の位置とは、図２（ｂ）に示されているブロック２の先端面７から１．５mm程度の突出を意味するものである。

【０００７】図１（ａ）におけるａ〜ｆは実施例における冬用タイヤが所期の効果を奏するために寸法等が実際の設計上規定される個所を示したものであり、ａについては、上記のように本実施例では１．５mm程度、台座の高さｂについてはブロック高さｄの２０〜５０％、合成樹脂製スパイクピンの台座上の突出量ｃはスパイクピンの高さｅとしたとき、（１／１０）・ｅ＜ｃ＜（３／４）・ｅで、好ましくは（１／５）・ｅ＜ｃ＜（１／２）・ｅ（理由：ｅが小さすぎると走行時にピンが抜けてしまい、ｅが大きすぎると、十分な氷上摩擦力が得られない。）ｄはブロック高さを示しており、これはタイヤそれぞれによって設計上決まったものである。ｆは台座上面からブロック上までの高さを示し、この高さはブロック上面までの高さを示し、この高さはブロック高さの５０〜８０％であり、これが、所謂スパイクタイヤとしての摩擦代となる部分である。

【０００８】ところで、このスパイクピンの合成樹脂材料としては、平均分子量が１００万以上の超高分子量ポリエチレン、ナイロン６６、ポリアセテート、ＭＣナイロン、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂等が考えられ、またスチレン系ゴムと超高分子量ポリエチレンとの配合物からなるような、従来から用いられている材料のものでは何であっても構わない。また、そのスパイクピンの製造方法も従来より周知の圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等で成形すれば可能なものであることはいうまでもない。さらに、機械的強度も従来の超硬合金程度であり、ロックウェル硬度（Ｒスケール：ＡＳＴＭ７３５）４０程度であればよく、８５以上のものであればさらに次に、図２（ａ）に示すようなブロックパターンのブロック２にスパイクピン３を打ち込んだ実施例をタイヤサイズ１８５／７０Ｒ−１３のウインターラジアルタイヤに所定数の６４本を〔表Ａ〕に示す寸法で打ち込んだタイヤを実車に装着して３００km走行後、評価し、その結果を示した。その際に使用されるスパイクピンの合成樹脂材料は超高分子量ポリエチレン（商品名、ハイゼックスミリオン３４０Ｍ、三井石油化学工業（株）製）、ロックウェル硬度４０のものである。

【０００９】Ｉ．寸法

【表Ａ】

【００１０】ＩＩ．結果（注）氷上摩擦力はスタッドレスタイヤ（ブリヂストン製ブリザック；サイズ１８５／７０Ｒ−１３）を１００としたときの氷盤上２０ｋｍ／ｈからのロックブレーキ時の制動距離で評価し、次の式により算出した。 _{ブリザックの制動距離} _{氷上摩擦力＝} _×１００各例のタイヤの制動距離以上の結果から、本考案の冬タイヤのスパイクピンを備えたものが、同じ合成樹脂製のスパイクピンを備えたものであっても、走行時にピンの抜けもなく、氷上摩擦力においても比較例で示された従来のものよりも格段と優れていることが確認された。これはスパイクピンの材質が多少の硬軟の違いはあっても、上記のような構成を備えているものであれば、同じような効果が得られることを意味するものである。

【００１１】

【考案の効果】

以上詳述したように本考案は構成されているので、従来から存在するスパイクピンのように粉塵騒音の発生もなく、また、長期間の使用によってもピン抜け等もなく、さらに、スタッドレスタイヤに比べてエッヂ効果を十分発揮することによって格段の氷上摩擦力を発生するので、優れたスパイク効果を発生し、凍結路面上を安定した走行をすることができ、また耐久性の点においても従来の金属製スパイクピンと同等である等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の実施例の要部構造を示す側面
図である。（ｂ）は本発明の実施例の要部構造を示す平
面図である。

【図２】（ａ）は本発明の実施例のトレッドパターンを
示す図である。（ｂ）は本発明の実施例の要部構造の拡
大図である。

【符号の説明】

１トレッドゴム２ブロック３合成樹脂製スパイクピン４台座５溝６合成樹脂製スパイクピンの先端面７ブロックの先端面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】路面と係合する円筒状トレッドに溝によ
って周囲を区分された独立ブロックが周方向に複数列配
列され、特定の上記ブロックに柱状合成樹脂製スパイク
ピンを備えたタイヤにおいて、上記スパイクピンは、少
なくともタイヤの回転方向の前後を溝で区分され、ブロ
ックの径方向外表面から一段と窪んだ台座から実質上ブ
ロックの上記径方向外表面の水準まで突出していること
を特徴とする冬用タイヤ。