JPH068289B2 - 光学活性ヒドロキシラクトン化合物およびその製造方法 - Google Patents

光学活性ヒドロキシラクトン化合物およびその製造方法

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JPH068289B2
JPH068289B2 JP23217685A JP23217685A JPH068289B2 JP H068289 B2 JPH068289 B2 JP H068289B2 JP 23217685 A JP23217685 A JP 23217685A JP 23217685 A JP23217685 A JP 23217685A JP H068289 B2 JPH068289 B2 JP H068289B2
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誠一 高野
国郎 小笠原
誠司 佐藤
恵美子 後藤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、式(I) で示される光学活性ヒドロキシラクトン化合物およびそ
の製造方法に関するものである。本化合物は、キラルな
構造を有する医薬品、特にアルカロイド類の合成中間体
として有用なものである。具体的には、本化合物とトリ
プタミンを反応させビンカミンおよびその誘導体に導く
ことが可能である。
従来の技術 本発明の化合物は、文献未記載の新規な化合物である。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、前記式(I)で示される光学活性ヒドロキシ
ラクトン化合物およびその製造方法を提供する。
問題点を解決する為の手段 本発明の化合物は、次のような方法によって製造するこ
とができる。すなわち式(II) で示される光学活性なラクトン化合物をHMPA溶媒中
加熱し、得られた式(III) で示されるアミド化合物をヨウ素と反応させ、式(IV) で示されるヨードラクトン化合物に導き、次に含水溶媒
中でアルカリと反応させ、式(V) で示されるエポキシカルボン酸化合物とし、続いて酸性
条件で加熱閉環することからなる式(I)で示される光
学活性ヒドロキシラクトン化合物の製造方法である。
本発明の出発化合物である式(II)で示されるラクトン
化合物は、次図の方法で製造することができる。
式(a)で示される光学活性なジオン化合物は公知の化
合物であり、その製造方法は既に詳細に報告されてい
る。(Z.G.Hajos,etal,J.Org.Chem.39,1615(1947))上図
について簡単に説明すれば、式(a)の化合物をソジウ
ムボロハイドライドで選択的に還元し、得られた式
(b)の化合物をメシルクロライドでメシル化して式
(c)の化合物に導く。次にこれをオゾン酸化後さらに
過酸化水素で酸化し、式(d)のカルボン酸化合物をア
ルカリ中で加熱し、式(e)のケトーラクトン体を得
る。更にエタンジチオールを反応させて式(f)のチオ
ケタール体に導き、最後に接触還元によって本発明の出
発化合物である式(II)の光学活性ラクトン化合物を得
ることができる。以上工程は長いが立体配置は完全に保
持され特に難しい反応もないので、比較的好収率で式
(II)のラクトン化合物を入手することができる。これ
については参考例において更に詳しく説明する。
さて式(II)のラクトン化合物は、HMPA溶媒中で数
時間加熱することによって式(III)のアミド化合物に
導くことができる。この際220℃付近まで加熱するこ
とが良い。
式(III)のアミド化合物は、含水の環状エーテル系溶
媒に溶解し低温でヨウ素を加えて反応させれば、式(I
V)のヨードラクトン化合物を得ることができる。過剰
のヨウ素はハイポ水で洗浄して除去する程度で、ヨード
ラクトン化合物は特に精製することなく、次の反応に使
用することができる。
式(IV)のヨードラクトン化合物は、含水環状エーテル
溶媒に溶解し、アルカリを過剰に加え2ないし3時間反
応させる。これを酸で中和後エポキシカルボン酸として
一端単離し、ただちに酸性水溶液中で室温で約1日撹拌
すると環化し、目的の式(I)のラクトン化合物を得る
ことができる 式(I)のラクトン化合物は、赤外、NMR、マススペ
クトル等からその構造および立体配置が確認された。出
発化合物からのトータル収率は約50%で目的物を得る
ことができる。
以下実施例により更に詳しく説明する。
参考例1 式(c)の化合物の合成 式(a)のジオン化合物3.56g(84.3mmol)を
エタノール50ml水15mlの混合溶液に溶かし、0℃で
226mgのソジウムボロハイドライドを加えてアルゴン
気流下撹拌し、さらに24mgのソジウムボロハイドライ
ドを加えた。30分後10%塩酸水溶液で反応を終了さ
せ、エタノールを留去した。残渣を塩化メチレンで4回
抽出後飽和食塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシュウム
で乾燥後溶媒を留去すると式(b)のアルコール体3.
80gを得た。このアルコール体を塩化メチレン60ml
に溶かし、これにピリジン16.2mlメシルクロライド
31mlを加えアルゴン気流下室温で撹拌した。14時間
後塩化メチレンで稀釈し、10%塩酸水溶液で2回、飽
和重曹水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシュウム
乾燥後溶媒を留去した。残渣を100gのシリカゲルカ
ラムクロマトを用い、クロロホルムで流出する4.71
g(収率91%)の油状の式(c)のメシル体を得た。
IR υmax:1660cm-1(>C=0) NMR δ(CDCl3):0.73(3H,t,J=7.4Hz),1.50-3.00(1
0H,m),4.70(1H,m),5.87(1H,d,J=2Hz), MASS :実測値 258.0892 計算値 258.0922 参考例2 式(e)の化合物の合成 メシル体1.02g(3.95mmol)をメタノールに溶
かし室温でオゾンを吹込む。窒素ガスでオゾンを除いた
後、30%過酸化水素を加え溶媒を留去する。残渣をベ
ンゼンに溶かし、飽和重曹水で3回抽出し、濃塩酸で酸
性とし、食塩で飽和後食塩化メチレンで抽出した。無水
硫酸マグネシュウム乾燥後溶媒を留去し、845mgのカ
ルボン酸を得た。これを直ちに塩化メチレンに溶かし、
トリエタノールアミン20mlを加えて室温で22時間撹
拌した。前ベンゼン層を合わせ、溶媒を留去し、30g
シリカゲルカラムでエーテル−ヘキサン(1:1)混合
溶媒で流出精製し、599mgの式(e)の化合物を得
た。(収率83%) 融点 :62-63℃ [α]20 :+2.29(C=0.962,CHCl3) IR υmax:1740cm-1 NMR δ(CDCl3):0.97(3H,t,J=7Hz),1.37-2.60(10
H,m),4.77(1H,m) MASS:実測値 182.0938 計算値 182.0941 参考例3 式(f)の化合物の合成 式(e)のケトラクトン化合物730mg酢酸15mlに溶
かし、これに室温でエタンジチオール1.7mlと三フッ
化ホウ素エーテル溶液1.8mlを加え撹拌した。さらに
エタンジチオール0.5ml三フッ化ホウ素エーテル溶液
0.5mlを加え、19時間後氷を加えてクエンチし、塩
化メチレンで稀釈後飽和重曹水で2回、飽和食塩水で1
回洗い、無水硫酸マグネシュウムで乾燥した。溶媒留去
後カラムクロマトで精製し、892mgの式(f)のチオ
ケタール化合物を得た。
融点 :155℃ IR υmax:1740cm-1 NMR δ(CDCl3):1.07(3H,t,J=7Hz),1.50-2.77(10
H,m),2.77(4H,s),4.60(1H,m) 参考例4 式(II)のラクトン化合物の合成 式(f)のチオケタール化合物860mgをエタノール7
0mlに溶かし、これにラネーニッケル触媒18mgを加え
40時間還流した。セライト濾過後エタノールを留去
し、塩化メチレンに溶かし飽和食塩水で洗い、無水硫酸
マグネシュウムで乾燥した。溶媒留去して492mgの表
題化合物を得た(収率87.9%) IR υmax:1740cm-1 NMR δ(CDCl3):0.93(3H,t,J=6Hz),1.13-2.63(12
H,m),3.67(1H,m) 実施例1 式(III)のアミド化合物の合成 式(II)のラクトン化合物1.78gを50mlのHMP
Aに加え、220℃で5時間撹拌した。水200mlに反
応液をそそぎ、エーテルで3回抽出した。エーテル層を
水、食塩水で洗い、無水硫酸マグネシュウムで乾燥し
た。溶媒留去すれば1.80gの油状物が得られ、これ
を蒸留して表題のアミド化合物1.52gを得た。(収
率85%) [α]20 :−8.0(C=1.04,CHCl3) IR υmax:1645cm-1 NMR δ(CDCl3):0.70(3H,t,J=6.8Hz),1.10-2.43(1
0H,m),2.83(6H,d),5.17-5.23(2H,m) MASS:実測値 195.1605 計算値 195.1621 実施例2 式(V)のエポキシカルボン酸化合物の合成 前記実施例で得たアミド化合物の全量をTHF15ml水
15mlの混合溶液に溶かし、0℃でヨウ素3.87gを
加え、アルゴン気流下室温で1時間15分撹拌した。エ
ーテルで希釈し、10%ハイポ水で2回、飽和重層水、
飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシュウムで乾燥し
た。溶媒留去して1.27gの油状の式(IV)のヨード
ラクトン化合物を得た。これを直ちにTHF25ml水2
5mlの混合溶媒に溶かし、水酸化カリウム542mgを加
え、アルゴン気流下2時間45分撹拌した。反応液をエ
ーテルで洗い、濃硫酸で酸性としてエーテルで抽出し
た。飽和食塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシュウムで
乾燥後溶媒を留去して640mgのエポキシカルボン酸化合
物が得られた。(収率68%) IR υmax:3050,1700cm-1 NMR δ(CDCl3):0.95(3H,t,J=9.2Hz),1.13-2.70(1
0H,m),3.15(1H,d,J=3Hz),3.43(1H,d,J=3Hz),9.40(1H,
br) 実施例4 式(I)のヒドロキシラクトン化合物の合成 前記実施例で得たエポキシカルボン酸化合物をTHF溶
媒15mlに溶かし、3%硫酸水を加え、アルゴン気流下
室温で22時間撹拌した。塩化メチレンで抽出し、飽和
食塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシュウムで乾燥し
た。溶媒留去すると540mgの油状の表題ヒドロキシラ
クトン化合物を得た。アミド化合物からの通算収率は5
7%であった。
IR υmax:3400,1730cm-1 NMR δ(CDCl3):0.92(3H,t,J=6.6Hz),1.17-2.60(1
0H,m),2.90(1H,br.s),4.12(2H,m) MASS :実測値 184.1102 計算値 184.1100 発明の効果 本発明によって新規な光学活性体が提供され、光学活性
アルカロイド類の合成に新しい道が開かれた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) で示される光学活性ヒドロキシラクトン化合物
  2. 【請求項2】式(I) で示される光学活性ヒドロキシラクトン化合物を製造す
    るにあたり、式(II) で示される光学活性なラクトン化合物をHMPA溶媒中
    加熱し、得られた式(III) で示されるアミド化合物をヨウ素と反応させ、式(IV) で示されるヨードラクトン化合物に導き、次に含水溶媒
    中でアルカリと反応させた後、酸で中和し、式(V) で示されるエポキシカルボン酸化合物とし、続いて酸性
    条件で加熱閉環することからなる式(I)で示される光
    学活性ヒドロキシラクトン化合物の製造方法。
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